以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の実施形態をパチンコ遊技機を例にして説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
<1.構成の概要:図1、図2>
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサ40a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御基板20(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)等で構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する液晶制御基板25(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や背景演出など)を現出させる。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグが全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
また液晶表示装置36には、大当り中に実行する演出(大当り中演出)の種類(演出種)を複数個の演出種の中から選択するための選択肢を示す選択画面361(図12、図18参照)も表示される。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
さらに、大当り中演出として、大当り中はBGMが音響制御部(演出制御基板24:図3参照)を通して再生演奏されて音響発生装置46aのスピーカ46から出力される。このBGMは、連荘大当りしたという条件(選択演出の発動条件)が達成されたことで発動される選択演出において、複数のBGM種(演出種)の中から遊技者が選択可能に構成している。この選択演出のため、大当り遊技の所定のタイミング、たとえば、1ラウンド目において、液晶表示装置36の表示画面に、BGM種の選択肢およびその指定をするカーソルを含んだ演出選択画面361(図12、図18参照)が表示される。ここでのカーソルは、図12ではBGM種の選択肢が選択状態になっていることで表される仮想的なカーソルである。しかし、図18に示すように、実際に画像として表示される三角マークからなるカーソル363であってもよい。ここで遊技者が演出用操作手段である枠演出ボタン13を操作してカーソル位置を移動させると、表示された複数のBGM種の選択肢の中から所望するBGM種の選択肢にカーソル位置を合わせることができるようになっている。
大当り遊技に入って選択演出が発動されて演出選択画面361が表示された場合、カーソルは、その初期位置として、選択演出の発動のたびにつまり連荘大当りのたびに追加される最新のBGM種を含んだ選択肢の範囲内において、前回の選択演出で遊技者により選択設定された選択肢を指定する位置に在り、これにより前回選択されたBGM種と同じBGM種が自動的に予設定される。その後、カーソルの選択位置の変更をせずに選択演出の演出時間(演出変更可能時間)が経過することにより、カーソルによるBGM種の選択状態が最終的に選択されたものとして確定し、遊技者の所望する曲のBGMが選択設定される。したがって、前回と同じBGMを今回も聴きたいと欲する遊技者は、1ラウンド目においてそのBGM種を選択する切り替え操作をする必要が無く、また選択する操作タイミングを失わないように注意を払っている必要がない。
なお、連荘大当りのたびにBGM種が追加されて選択肢の数が拡大することが許されるのは、あらかじめ定めた上限の連荘回数(図8の例では連荘9回)までであり、連荘9回以降の選択演出の発動は、選択肢の最大数が上記上限値に固定された選択演出の発動に抑制される。
本実施形態においては、最初から複数の演出の選択肢が存在する場合を例にして説明するが、連荘大当りの初回においてはBGM種の選択ができず強制的に特定のBGM種に固定されてしまうという構成にしてもよい。たとえば連荘1回目においては、BGM種の選択肢が1つのみ或いはBGM種の選択肢が存在しない、という構成にすることができる。
また、遊技球が普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御基板20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLED39により表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
そして補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御基板20に設けられるRAM203(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
次に、大当り遊技終了後に発生する特定遊技状態について説明する。この特定遊技状態は、大当りの種別(詳細は追って説明する)に応じてあらかじめ定められたものであり、以下の機能が作動することで、種々の特定遊技状態が発生することになる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板20(主制御CPU201:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り終了後に大当りの抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、348分の1)から高確率(たとえば34.8分の1)に変動する大当り確変状態を付与する機能である。すなわち、大当り確変状態においては、大当り抽選確率が低確率である低確率状態から、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。この特別図柄確変機能の作動契機となる大当りを「確変大当り」と称し、特別図柄確変機能の作動契機とはならない大当りを「非確変大当り」称する。上記特別図柄確変機能が動作中の遊技状態(高確遊技状態)下では、大当り抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、上記「確変大当り」は遊技者が最も期待する大当り種別と言える。
なお、大当り確変状態を継続させる条件は適宜定めることができる。たとえば、所定回数(たとえば、4回)の特別図柄変動表示ゲームが終了する迄の間(いわゆる、「回数切り確変(ST)」)、または次回の大当り遊技が開始される迄の間、もしくは所定の抽選により低確率状態に移行することが決定される迄の間(いわゆる、「転落抽選」)などを条件とすることができ、いずれの条件を付与するかは自由である。また、確変大当りを複数種類設けることにより、各確変大当りごとに、いずれの条件を付与するかを適宜定めても良い。
普通図柄確変機能は、大当り遊技終了後に補助当り抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動する補助当り確変状態を付与する機能である。普通図柄確変機能が動作中の遊技状態下では、補助当り抽選確率が高確率に変動して補助当りが生起され易くなるため、普電開放遊技が頻繁に発生し、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄確変機能の作動契機は、後述する特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄時短機能は、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間が短縮された特別図柄時短状態を付与する機能である。特別図柄時短機能が動作中の遊技状態下では、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮され、単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、補助当りの抽選結果を導出する普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間が短縮された普通図柄時短状態を付与する機能である。普通図柄時短機能が動作中の遊技状態下では、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、10秒(時短状態が付与されていないとき)から1秒(時短状態が付与されているとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄時短機能の作動契機は、上記特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を遊技者に付与する機能である。開放延長機能が動作中の遊技状態下では、開放延長状態が付与されると、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から1.7秒に延長され、また開閉回数が、たとえば最大2回(開放延長状態が付与されていないとき)から最大3回(開放延長状態が付与されているとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記開放延長機能の作動契機は、上記特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっている。したがって、開放延長機能が動作中の遊技状態下では、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も動作中となるので、可動翼片47の作動率が著しく向上するようになっている。
本実施形態では上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっているため、3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が高くなることから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」に移行することになる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、上記のように普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか1つが作動する場合の遊技状態とは異なる。
特別図柄に関する機能を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には通常遊技状態よりも大当りが生起し易くなる、つまり大当り抽選の当選確率が通常遊技状態より高くなる「高確率遊技状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも速まる「特別図柄時短遊技状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態」とは区別される。
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、可動翼片47の作動率が著しく向上する開放延長機能が付与された遊技状態を「高ベース遊技状態」として扱う。普通変動入賞装置41の可動翼片47は、開放延長機能が付与されている「高ベース遊技状態」下では、開放延長機能が付与されていない状態(本実施形態では「通常遊技状態」に相当する)に比較して、遊技者にとって有利な高ベース遊技状態の動作をすることになる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における大当りについて説明する。ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、上述したように、特別図柄確変機能、普通図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を有している。また、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動契機は、特別図柄時短機能の作動契機と同期するようになっている。以下では、説明の便宜上、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が動作する遊技状態を「時短遊技状態(以下、「時短状態」と略す)」と称し、この時短状態に加えてさらに特別図柄確変機能が動作する遊技状態を「確変遊技状態(以下、「確変状態」と略す)」と称し、特別図柄確変機能のみが動作する遊技状態を「潜伏確変遊技状態(以下、「潜伏確変状態」と略す)」と称し、いずれの機能も動作中でない状態(大当り遊技中は除く)を「通常遊技状態」と称する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別として、非確変大当りの「15R非確変大当り」と、確変大当りの「15R確変大当り」「2R突然確変大当り(2R突確大当り)」および「2R潜伏確変大当り」と、が設けられている。
これらの大当りによる大当り遊技のうち、15R非確変大当りと15R確変大当りでは、ラウンド遊技数(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われ、2R突確大当りと2R潜伏確変大当りでは、2ラウンド行われる。また、上記2R突確大当りと2R潜伏確変大当りについては、1回のラウンド遊技中の大入賞口40の開放時間が15R非確変大当りや15R確変大当りよりも短く(たとえば、0.5秒)設定されている。
また大当り遊技終了後には、その大当りに応じた特定遊技状態が発生するようになっている。具体的には、15R確変大当りと2R突確大当りとには次回大当りが確定(大当り遊技が発生)するまで「確変状態」が発生し、2R潜伏確変大当りには次回大当りとなるまで潜伏確変状態が発生し、15R非確変大当りには特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまでの間、「時短状態」が発生するようになっている。ここで、確変状態中または時短状態中では、開放延長機能が付与されるので、これら遊技状態は「高ベース遊技状態」となっている。
また上述した大当りの他、2R潜伏確変大当りによる大当り遊技の場合と実質的に同じ遊技動作態様で大入賞口40が2回開閉される当り状態(小当り遊技)が付与される「小当り」を設けてある。つまり、この小当り遊技は、2R潜伏確変大当りによる大当り遊技中の遊技動作態様との違いを遊技者が識別困難とする遊技動作態様で行われる。
したがって、小当り遊技中に遊技者に付与される遊技価値と2R潜伏確変大当りによる大当り遊技中に遊技者に付与される遊技価値とは、実質的に同じとなる。しかし小当り遊技終了後には、当該小当りの当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっており、この点において、上記の特定遊技状態の発生する大当りとはその性質を異にする。たとえば、通常遊技状態中に「小当り」に当選した場合、その小当り遊技終了後の遊技状態は、小当り当選時の遊技状態である通常遊技状態となる。以下、特に必要がない限り、上記小当りについては他の大当りと区別することなく大当りの種別の一つとして同列に扱うことにする。
なお、上記のいずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄または非確変大当りを報知する特別図柄もしくは確変大当りか非確変大当りかいずれかの可能性があることを報知する特別図柄が表示される。一方、液晶表示装置36には、当選した大当りが確変大当りであっても、装飾図柄に関しては必ずしも最初から当該確変大当りが明らかとなる図柄で表示することを行わない。通常、遊技者は液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームを見ながら遊技に興じているので、当該ゲーム結果が非確変大当り種別を示す図柄であっても、遊技者に確変大当りへの期待感を残すためである。
次に、遊技状態おける演出の演出モードについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出の演出モードとして、大当り抽選確率が高確率状態であることを確定的に報知する演出をなす「確変確定演出モード」と、時短状態であることを確定的に報知する演出をなす「時短演出モード」と、大当り当選確率状態を隠匿状態とする特別演出モード、具体的には、大当り抽選確率が高確率状態であるかのように装い、現在の遊技状態を隠匿して遊技者に潜伏確変状態の期待感を与える「確変隠匿演出モード」と、が設けられている。
さらにまた、小当りの当選情報、すなわち小当りフラグが設定状態であるかまたは非設定状態であるかに依存して決定される2つの演出モードを備えている。その一つは小当りフラグが非設定状態のときにとる通常演出モードであり、他の一つは小当りフラグが設定状態のときにとる確変隠匿演出モード(ガセの場合)である。なお、上記小当りフラグは、小当りの当選を契機に設定状態にされ、所定の抽選(モード転落抽選)によりその設定が非設定状態に変更される。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記のように遊技状態に応じた複数の演出モードを設定し、その演出モード間の行き来を可能に構成している。具体的には、確変状態であれば「確変確定演出モード」に、時短状態であれば「時短演出モード」に、潜伏確変状態であれば「確変隠匿演出モード(本物)」に移行制御され、通常遊技状態においては、小当りフラグに依存して「通常演出モード」または「確変隠匿演出モード(ガセ)」に移行制御される。特に、通常遊技状態から小当りまたは2R潜伏確変大当りに当選した場合、その大当り遊技中の遊技動作態様は実質的に同じ動作に制御され、その大当り遊技終了後の演出モードも同じ「確変隠匿演出モード」に移行制御され、さらにまた大当り遊技終了後に開放延長機能が作動せずに可動翼片47の作動率向上状態ともならない。結果として大当り抽選確率状態が隠匿され、現在の遊技状態の識別が困難になる。
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板20(主制御部)と、主制御基板20から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板24と、この演出制御基板24からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板25と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板25には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書においては、場合により、演出制御基板24の機能と液晶制御基板25の機能を特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部」として説明する。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
(2−1.主制御基板20)
主制御基板20は、主制御CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納したROM202と、ワークエリアが形成されるRAM203を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御基板20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御基板20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御基板20には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御基板20は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板20は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された停止図柄に基づく装飾図柄コマンドを作成して演出制御基板24に送信する構成となっている。
主制御基板20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御基板24を介して主制御基板20に入力されることを防止するためである。
(2−2.演出制御基板24)
演出制御基板24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載していて、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御基板24の主な役割は、主制御基板20からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板25への液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
演出制御基板24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御基板24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせるべく、液晶制御基板25に対して液晶制御コマンドを送信する構成となっている。
また、演出制御基板24には、枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、大当り中演出の選択肢を指定するためカーソル位置(現在選択位置)を移動させる場合や、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
演出制御ROM242は、大当り中演出制御プログラム244と、大当り中演出データテーブル245とを含む。演出制御RAM243は、連荘カウンタ246として連荘回数記憶エリアと、ラウンド数を記憶するエリア(図示せず)とを含む。
連荘カウンタ246は連荘回数(連荘大当り回数)を計数するが、この連荘回数には、2R突確大当りや2R潜伏確変大当りや小当りのような、いわゆる2R系に属する大当り(2R突確大当り、2R潜伏確変大当り、小当り)の場合は含めない。本発明において、大当りには、大当り中の遊技時間が比較的長く大当り中演出を遊技者による選択の下で実行させる対象となる第1群に属する少なくとも1つの大当りと、当該第1群の大当りよりも大当り中の遊技時間が短く大当り演出を遊技者による選択の下で実行させる対象とならない第2群に属する少なくとも1つの大当りとを含む。2R系に属する大当りは、実際上の賞球払出が行われることが殆どない大当りであって、大当り遊技期間が短いことから、BGMの再生演奏が行われないため、上記の第2群に属する大当りである。BGMが再生演奏されるのは遊技消化にある程度の時間がかかる大当り遊技が対象となる。これには15R系大当り(15R確変大当りや15R非確変大当り)や7R大当りのように、比較的多くの賞球払出がある高ベース大当り遊技が実行されるもの、すなわち上記の第1群に属する大当りが該当し、上記の2R系に属する大当りのように賞球払出が殆どないか少ない低ベース大当り遊技が実行されるものは該当しない。すなわち、高ベース大当り遊技を実行する大当りは上記第1群に属し、当該第1の大当りより相対的に利益率が低い低ベース大当り遊技を実行する大当りは上記第2群に属する。
なお上記第1群の大当りまたは第2群の大当りとして分別する条件として、「大当り中演出を遊技者による選択の下で実行させる対象となる大当り」であるか否かを取り扱っているが、これは次の理由による。たとえば、15R確変大当りと7R確変大当りという2種類の大当り種別を持つ遊技機であって、どちらも大当り中の演出としてBGMの再生演奏が行われるが、15R確変大当り中は遊技者によるBGM種の演出の選択が許容されるが、7R確変大当りについては遊技者によるBGM種の演出の選択が許容されない、というケースの場合、15R確変大当りを連荘大当り回数として加算して行き、7R確変大当りについては連荘大当り回数として加算しない、という扱いにするためである。
演出制御ROM242は、大当り中演出データ記憶領域245に、上記連荘回数に応じて大当り中演出の選択肢となる複数の演出種を記憶している。本実施形態では楽曲による演出を扱っており、図8に示すように、選択可能なBGMとして、1つまたは複数個のBGM種を含む連荘1回目用BGMデータと、当該連荘2回目以降で前回のBGM種に順次新たなBGM種として追加する連荘2回目以降のBGMデータとを含んでいる。しかし演出制御ROM242は、選択可能なBGMとして、1つまたは複数個のBGM種を含む連荘1回目用BGMデータと、当該連荘2回目以降で前回のBGM種に順次新たなBGM種を追加した形の連荘2回目以降のBGMデータとを含んでいてもよい。
演出制御CPU241は、主制御CPU201から演出制御コマンドを受けて各種演出を実行制御する演出制御手段として機能する。たとえば、演出制御CPU241は、主制御CPU201からの演出制御コマンドを受けて、大当り中演出制御プログラム244に基づいて、大当り遊技中にBGMを再生演奏する大当り中演出制御手段として機能する。具体的には、上記演出制御手段は、主制御CPU201から出制御コマンドを受信するコマンド受信手段と、その受信した演出制御コマンドに基づき、前記表示装置における前記表示演出または音響演出の演出内容(演出シナリオ)を決定する演出決定手段と、決定された演出内容を実行制御する演出実行制御手段としての役割を果たす。
また演出制御CPU241は、所定の遊技中に上記選択演出の発動条件が達成されたか否かを監視する発動監視手段として機能する。本実施形態では、発動監視手段の構成要素として、大当り終了後の遊技状態のうち通常遊技状態以外の「所定の遊技状態」中に、大当り抽選で上記第1の大当り(第1群に属する大当り)に当選したことを条件として連荘回数を加算する連荘回数加算手段(連荘カウンタ246)を有する。
ここで「所定の遊技状態」とは、大当り抽選の当選確率が通常遊技状態より高くなる高確率遊技状態中および始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる高ベース遊技状態中の遊技状態の少なくともいずれか一方の遊技状態である。本実施形態では、始動条件の成立頻度および特別図柄変動表示ゲームの消化時間を考慮し、次回の大当りへの当選が短時間で到来する可能性がある遊技状態である時短状態または確変状態を、上記連荘回数加算手段が作用する遊技状態としている。
しかし遊技機の種類によっては、時短状態のみしか持たない遊技機があり、このような遊技機の場合、上記連荘回数加算手段は時短状態中に第1群の大当りがあるたびに上記連荘回数を加算して行くことになる。また、高確率遊技状態のみしか持たない遊技機である場合は、その高確率遊技状態中に第1群の大当りに当選したことを条件に、上記連荘回数を加算して行くことになる。
また演出制御CPU241は、上記発動監視手段において、選択演出の発動条件が達成されることに基づき、追加の演出種を選択肢に加えて当該選択演出で選択可能な当該演出種の選択肢の範囲を明らかにした演出選択画面を前記表示装置に表示する選択画面表示手段として機能する。本実施形態の選択画面表示手段は、上記連荘回数加算手段により連荘回数が加算されることを条件に、上記演出種を追加して選択肢の範囲を拡大させ、液晶表示装置36の演出選択画面に表示される演出種の選択肢の範囲に、追加の演出種が新たに加えられることになる。
また演出制御CPU241は、上記演出選択画面を表示する場合、選択履歴を参照し、当該参照した情報に基づき所定の演出種を初期の選択状態として予め設定する予設定手段として機能する。この予設定手段は、たとえば、前記演出選択画面を表示する場合、前記選択履歴を参照し直前の選択演出で選択されている演出種がある場合は、その演出種と同じ演出種についての選択肢を初期の選択状態として予め設定したり、複数回の選択履歴を参照し、少なくとも2回以上同一選択種が選択されている場合は、その演出種と同じ演出種についての選択肢を初期の選択状態として予め設定したりする。上記「選択履歴」とは過去の選択演出、たとえば、前回の選択演出において、如何なる演出種を選択したのかという情報である。過去の選択演出おいて選択された演出種に関する情報(選択履歴に関するデータ)は演出制御RAM243の所定の領域に記憶されており、その情報は、演出制御CPU241がその機能部を担う選択履歴管理手段により管理されている。上記選択履歴管理手段は、選択演出にて演出種が決定されたことを条件に選択履歴に関するデータを更新したり、所定のタイミングでクリアしたりする。またここでの選択状態は、上記の追加された演出種の選択肢が最前面に来ること、または明るく表示されることなどで、遊技者に判る選択状態となることであり、これを仮想的なカーソルにより指示または選択された状態と見ることができるとともに、具体的な三角マークなどのカーソルを該当する演出種の選択肢に合わせることも、この選択状態に含まれる。
また演出制御CPU241は、上記演出選択画面に表示された選択肢の範囲から枠演出ボタン13(演出用操作手段)の操作により選ばれた演出種を選択状態として設定する手操作設定手段として機能する。
また演出制御CPU241は、上記選択演出の演出時間の経過または枠演出ボタン13(演出用操作手段)の操作に基づき、上記予設定手段または手操作設定手段により現に選択状態にある選択肢の演出種を、最終的に選択されたものとして確定するとともに確定された演出種に関連する情報を記憶する演出確定手段として機能する。選択演出では、遊技者が枠演出ボタン13を操作せずに何もしないで放置しておくと、予設定手段により初期の選択状態として予め設定された演出種(BGM種)についての選択肢が、自動的に確定された演出種(BGM種)として設定される。しかし演出用操作手段が選択スイッチ部と確定スイッチ部の2部分からなる手操作スイッチにより構成し、選択スイッチ部で演出種を選択した後に確定スイッチ部を押すことによっても、最終的な設定として確定する形態とすることもできる。上記選択演出の演出時間は、本実施形態の場合、1ラウンド遊技が終了するまでの期間であるが、大当り開始ファンファーレが行われる期間内とすることもできる。
(2−3.液晶制御基板25)
液晶制御基板25には、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP60に出力する液晶制御CPU52と、液晶制御CPU52の動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROM53と、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAM54とが設けられている。
また、液晶制御基板25には、液晶制御CPU52に接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)60と、VDP60が画像展開する必要な画像データを格納した画像データROM55と、VDP60が展開した画像データを一時的に記憶するVRAM56とが設けられている。
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御基板20から演出制御基板24へと送信される。
演出制御基板24側では、主制御基板20から送られてくる演出制御コマンドにより指示された演出シナリオに対応する演出パターンが、あらかじめ用意された多数の演出パターンの中から抽選により決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が演出制御基板24から音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLED等の点灯点滅駆動とが実現される。また演出制御基板24は、主制御基板20から送信される演出制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置36に表示する画像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に対し送信する。液晶制御基板25はこれにより、演出パターンに対応した画像による演出が実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU201により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板24は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板25にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。なお、ここでも不正な行為に対する安全性を確保するため、液晶制御基板25から主制御基板20へは信号が流れないように構成される。
<3.遊技動作処理:図4〜図5>
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作の制御を、図4〜図16に沿って説明する。
まず、図4のフローにおいて、ステップS101の処理で、特別図柄始動口センサ34a、35aにより始動口(上始動口34または下始動口35)への遊技球の入賞が検出され、その検出信号が入力されることで主制御基板20(主制御CPU201)側で始動条件の成立が認識される(ステップS101:YES)。つまり、特別図柄変動表示ゲームの開始条件が成立する。このとき作動保留球数が4未満(ステップS102:NO)ならば作動保留球数を1加算する(ステップS103)。この後、増加した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS104)。なお、図示はしていないが、主制御基板20は、上記特別図柄変動表示ゲームを行う最中または大当り遊技中に特別図柄始動口センサ34a、35aからの検出信号の入力を確認した場合にも、当該検出信号に基づく作動保留球を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。
上記始動条件の成立が認識されると、主制御基板20にて抽選用乱数(大当り判定用乱数)が取得され(ステップS105)、その乱数値が搭載RAM203(始動保留記憶手段)に記憶される。一方、作動保留球数が4以上の場合(ステップS102:YES)、上記ステップS103〜S105の処理は行わず、ステップS106の処理に進む。
次いで、ステップS106の処理に進み、作動保留球数が0であるか否かを確認し、作動保留球数が0の場合には(ステップS106:YES)、始動口への入賞は1つもないと判断され、再びステップS101に戻り、始動口への入賞を確認することになる。
作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS106:NO)、作動保留球数が1減算され(ステップS107)、減少した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS108)。
次いで、大当り判定処理を実行する(ステップS109)。この大当り判定処理では、ステップS105で取得した乱数値に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを大当りに関する当否抽選(内部抽選)を行い(大当り抽選手段に相当)、次いで、その当否抽選結果に基づき、大当りとなる場合の種別を複数種類の大当り種別情報のうちから抽選する図柄抽選を行う(種別抽選手段または種別決定手段に相当)。これら抽選を経ることで大当りかハズレかの別、大当りならばその大当りの種別が決定され、これに基づいて特別図柄変動表示ゲームにて特別図柄表示装置38に停止表示する停止図柄(停止特別図柄)が決定される。これに対応して装飾図柄も確定すると共に、この決定される特別図柄に対応して確変・非確変の別とラウンド数が決定される。そして、ステップS110の当選時情報記憶処理に進み、大当りに内部当選した時点における停止図柄や大当りの種別などの情報をRAM203のバッファに記憶する(ステップS110)。
次いで、変動パターン決定処理に進む(ステップS111)。この変動パターン決定処理は、主制御基板20側で、上記大当り判定処理の結果に基づく特別図柄に関する変動パターン(コマンド)を、予め用意された多数の変動パターンの中から抽選することにより決定し、決定した変動パターンコマンドを、上記図柄抽選による停止図柄に対応する装飾図柄を指定する装飾図柄指定コマンドと共に、演出制御コマンドとして演出制御基板24に送信する。この送信される変動パターンコマンドは、それ自体に、図柄の変動時間、内部抽選結果の当否情報(大当りやハズレの別)といった変動パターン情報を持つ。
図4において、上記変動パターン決定処理を終わるとステップS112の演出抽選処理に進む。
演出制御CPU241は、主制御基板20から演出制御コマンドを受信すると、これに含まれている変動パターンコマンドおよび装飾図柄指定コマンドを解析し、解析結果に基づいて、対応する演出シナリオを有する演出パターンを、演出パターン群の中から抽選により決定する(ステップS112)。
この演出抽選処理では、演出制御基板24側において装飾図柄に関する変動パターンや装飾図柄の変動表示と共に表示させるべき演出内容、つまり演出シナリオを決定することになる。ここでの「演出シナリオ」とは、装飾図柄の変動パターンに対応する狭義の演出パターン(停止表示を含む)に、背景演出や予告演出を含めた広義の演出パターンを指す。
したがって、この演出抽選処理では、主制御基板20から送られてくる変動パターンコマンドに基づき、大当りおよびハズレ別に、昇格演出ゲーム発生の有無、どのような装飾図柄内容を停止させるか(大当りの場合には確変大当り図柄または通常大当り図柄(非確変大当り図柄)のどちらで停止させるか、またその図柄の停止表示態様)、あるいは予告演出(連続変動予告、リーチ演出や背景演出)の有無やその内容を含む演出シナリオを決定する。
上記のように図柄変動パターンについての演出シナリオが決定されると、特別図柄の変動表示が開始され、このタイミングで装飾図柄の変動表示もこれに連動して開始される(ステップS113)。演出制御基板24側では、上記演出シナリオに対応するように、音制御信号や発光制御信号の出力が行われ、また演出制御基板24から液晶制御基板25に液晶表示装置36の「液晶制御コマンド」が送信される。これにより特別図柄表示装置38における特別図柄変動表示ゲームと、これと連動する形で液晶表示装置36における装飾変動表示ゲームが実現される。
ここで、特別図柄変動表示ゲームの結果(内部抽選結果)を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームになるので、本明細書では、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉え、特に必要がない限り特別図柄と装飾図柄を区別することなく単に「図柄」と表現し、以下では、装飾図柄に関する動作を中心に説明することにする。
上記図柄変動と演出の表示が開始された後、プログラムは図5のフローチャートに進み、図柄の変動時間経過後、主制御基板20は、演出停止を指示する演出停止コマンドを演出制御基板24に送信し、図柄の変動表示を停止表示すると共に上記変動表示中の演出を終了する(ステップS114)。
ここで、主制御基板20は、特別図柄変動表示装置38における停止特別図柄が大当りを示す大当り図柄であるか否かを判断し(ステップS115)、大当り図柄でなければ(ステップS115:NO)、現在の遊技状態が時短中か否かを判断し(ステップS124)、時短中であれば(ステップS124:YES)、図柄変動の変動時間の短縮状態を管理する時短遊技管理処理(ステップS125)を実行した後、図4のステップS101に戻る。時短中でなければ(ステップS124:NO)、そのまま図4のステップS101に戻る。
ステップS115の判断として、大当り図柄であるならば(ステップS115:YES)、次いで、大当り開始Fコマンド決定処理が行われる(ステップS116)。なお「Fコマンド」はファンファーレコマンドの略称である(以下同じ)。
ここではステップS115の判断材料として停止図柄としているが、当否情報を含んだたとえば変動パターンコマンドの一部または全部を判断することで大当り状態を把握するようにしてもよい。勿論、大当り図柄に変わるフラグ等によって状態を管理し判断材料とするようにしてもよい。
この大当り開始Fコマンド決定処理では、図示してない大当り開始Fコマンド選択テーブルを参照して、大当り当選時の遊技状態と大当り種別とに基づき、大当り当選時データに対応する「大当り開始Fコマンド」を決定する。
本実施形態の場合、遊技機の遊技状態として、通常遊技状態、時短状態(低確率、開放延長あり)、潜伏確変状態、確変状態の4つを取り扱っている。また上記通常遊技状態を小当りフラグの内容に応じてさらに2つに分け、通常状態(小当りフラグ非設定状態)、ガセ確変隠匿状態(小当りフラグ設定状態)とすると、計5つの状態がある。
また大当り当選時の「大当り種別」には、15R確変大当り、15R非確変大当り、2R突確大当り、2R潜伏確変大当り、小当りの5種類があるが、さらに多くの大当り種別を含ませることもできる。
この5種類の遊技状態と5種類の大当り種別との組合せで区分される大当り開始Fコマンドが、主制御基板20から演出制御基板24に送信される。
演出制御基板24側は、この主制御基板20から送られて来る大当り開始Fコマンドが上記組合せのいずれの区分に属するかに基づいて、演出モード移行先を決定することが可能になる。
上記大当り開始Fコマンド決定処理(ステップS116)に続いて、大当り中演出決定処理を実行する(ステップS117)。
(3−1.大当り中演出決定処理:図6)
図6は、この大当り中演出決定処理の内容を示したものである。図6に示すように、この大当り中演出決定処理においては、受信した大当り開始Fコマンドを解析し(ステップS201)、解析結果に基づいて、大当り中の演出(シナリオ)を次のように決定する。
大当り種別を判断した結果(ステップS202)、大当り種別が上記第1群に属する15R系の大当りである場合、つまり「15R確変大当り」または「15R非確変大当り」である場合には、選択演出の発動条件が達成されたと解釈して、連荘カウンタの値Nを1加算してN+1とした後(ステップS203)、複数の演出種を含む大当り中演出(演出シナリオ)を連荘回数に応じて区分した複数の演出区分(図8の縦方向の区分)のうちから、連荘回数に応じた数の演出種を含む演出区分(大当り中演出)を選択する(ステップS204)。
連荘カウンタ246は、上記第1群に属する15R系大当りである場合に、大当り当選時の遊技状態の如何に拘わらず、当選すれば内容が1加算され、その後、遊技状態が通常遊技状態に戻ったときに内容がクリアされるカウンタであり、1加算するたびに選択演出が発動される。ただし、上限の連荘回数(連荘9回)に至った場合は、新しい演出種の追加を伴う選択演出の発動は抑制されて、新しい演出種の追加を伴わない選択演出の発動のみに制限される(図8参照)。
この15R系大当りの場合に選択される演出種(演出シナリオ)は、連荘回数に応じて複数の演出種を含む一連の選択演出区分(選択画面群)が用意されており(図8参照)、その一連の選択演出区分の中から連荘回数に対応した選択演出区分が選択される。図8に示す本実施形態の場合、一連の選択演出区分は、連荘回数が進むにつれてBGM種(楽曲数)を増加させて行く一連のBGM選択演出区分であり、この一連のBGM選択演出区分(図8の縦方向の区分)の中から、連荘回数に対応したBGM選択演出区分が選択される。たとえば、連荘回数が2回であれば、その連荘回数2回に対応するBGM選択演出として、図8中の2段目のBGM選択演出区分に属するBGM種群(BGM1〜BGM3から成るBGM種群)が選択される。図8の例では、連荘1回から連荘9回までは連荘回数が増す毎に、BGM選択演出区分におけるBGM種の選択肢の範囲(図8の横方向の範囲)に新しくBGM種が1つ追加され、連荘10回以降のBGM選択演出区分においては、連荘9回のBGM選択演出区分と同じ内容のBGM種群が繰り返し提示されるという構成となっている。つまり、連荘10回以降は、図示してない発動抑制手段(演出制御CPU241)によって、新しい演出種の追加を伴う選択演出の発動は抑制されて、新しい演出種の追加を伴わない選択演出の発動のみに制限される(図8参照)。
一方、「2R突確大当り」である場合には2R突確大当り用演出(演出シナリオ)を決定し(ステップS205)、「小当り」である場合には小当り用演出(演出シナリオ)を決定する(ステップS206)。つまり、大当り種別が上記第2群に属する15R系大当り以外の大当りでは、連荘カウンタ246の加算(歩進)を行わせない。
図7に連荘カウンタの推移例を示す。前提として通常遊技状態にて2R突確大当りに当選した場合には「潜伏確変状態」に移行するものとし、2R突確大当りに連続して当選した場合には「確変状態」に移行するものとしている。図中、「確変状態中」を「確変中」、「潜伏確変状態中」を「潜伏確変中」、「時短状態中」を「時短中」と表記している。
この例の場合、通常遊技状態中の時刻t1において2R潜伏確変大当りに当選し(連荘カウンタN=0)、潜伏確変状態に移行する。その潜伏確変状態中の時刻t2において15R非確変大当りに当選し(連荘カウンタN=1)、大当り遊技後に時短状態に移行する。その時短状態中の時刻t3において2R突確大当りに当選し(連荘カウンタN=1のまま)、確変状態に移行する。この確変状態中の時刻t4において15R確変大当りに当選し(連荘カウンタN=2)、大当り遊技後に確変状態に移行する。この確変状態中の時刻t5においてまたもや15R確変大当りに当選し(連荘カウンタN=3)、大当り遊技後に確変状態に移行する。この確変状態中の時刻t6において15R非確変大当りに当選し(連荘カウンタN=4)、大当り遊技後に時短状態となる。その後の時刻t7において時短状態が終了する。その次回変動時に、遊技状態指定コマンドが送信され、演出制御基板24側がこれにより連荘カウンタNを「0」にクリアする。
ここで上記第1群に属する15R系大当りの「15R確変大当り」および「15R非確変大当り」では、いずれも大入賞口40の開放回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数の15ラウンド行われる大当りである。この15ラウンドの各ラウンドについては、開放扉42bが所定時間(たとえば29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放されるという、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が実行される。つまり通常遊技状態よりも賞球払出が多くなる「高ベース大当り遊技」が実行されるものである。したがって、「15R確変大当り」および「15R非確変大当り」は、いずれも特賞球数の払い出しが多い高ベース大当り遊技を実行する第1群の大当りに属するものである、という別な表現で説明できるものである。勿論、時間的な長さから見た場合、「15R確変大当り」および「15R非確変大当り」は、大当り遊技が15ラウンドと長く、その大当り遊技を消化するための遊技時間も比較的長いものとなるため、BGMを再生演奏するのに十分な時間長さがある。
これに対し上記第2群に属する「2R潜伏確変大当り」と「2R突確大当り」は、上記ラウンド数が2ラウンド行われる大当りである。しかも開放扉42bが短時間(たとえば5秒)だけ開いて大入賞口40が開放され、特賞球数がほとんど得られない大当りである。したがって「2R潜伏確変大当り」や「2R突確大当り」は、上記の第1群の大当りよりも相対的に利益率が低い低ベース大当り遊技を実行する第2群の大当りに属するものである、という別な表現で説明できるものである。また図7には示してない「小当り」も、短時間だけ大入賞口40が開放されるものであり、同様に特賞球数が少ないことから、「2R潜伏確変大当り」や「2R突確大当り」と同じく上記の低ベース大当り遊技を実行する第2群の大当りに属する。
ここで上記15R系大当りのうち「15R確変大当り」は、大当り後の遊技状態が確変状態に移行する。また「15R非確変大当り」は大当り後の遊技状態が時短状態に移行する。また2R系大当りのうち「2R突確大当り」は、大当り後の遊技状態が確変状態に移行する。つまりこれら大当り後の遊技状態では、少なくとも図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態よりも高くなる「高ベース遊技状態」となる。
したがって、連荘カウンタの加算動作は、上記遊技状態のうち、通常遊技状態以外の所定の遊技状態中として、高ベース遊技状態中に、上記第1群に属する大当りに当選したことを条件として、連荘大当り回数を1加算することになる。また別の表現をすると、連荘カウンタは、通常遊技状態中に上記15R系大当り(第1群の大当り)に初当選してから通常遊技状態に戻るまでの間に生起した上記15R系大当り(第1群の大当り)の回数を連荘大当りとして計数する(この連荘大当りの中には2R潜伏確変大当りや2R突確大当りは計数対象として含めない)ものである。
演出制御CPU241は、上記連荘カウンタの値Nが1加算してN+1とされるたびに(ステップS203)、選択演出を発動させるべく、図8に示す大当り中演出選択テーブルを参照して、現在の連荘回数に応じた大当り中演出(演出シナリオ)を選択する(ステップS204)。連荘1回目はBGM1とBGM2を含む選択演出区分を、連荘2回目はBGM1〜BGM3を含む選択演出区分を、連荘3回目はBGM1〜BGM4を含む選択演出区分を、そして連荘4回目はBGM1〜BGM5を含む選択演出区分を、それぞれ大当り中演出(演出シナリオ)として選択する。同様にして、連荘5回目から連荘9回目まではBGM6、BGM7、BGM8、BGM9、BGM10と、1つずつBGM種の選択肢が増えたBGM種を含む選択演出区分の大当り中演出(演出シナリオ)を選択する。そして連荘10回目以降は、選択対象としてBGM1〜BGM10を含む同じ選択演出区分の大当り中演出(演出シナリオ)を繰り返し選択する。
(3−2.大当り中演出実行処理:図9)
次いで、大当り中の遊技動作(大当り遊技)の実行および大当り中の演出の実行を行う(ステップS118)。ここで、大当り中の遊技動作の実行とは、特別変動入賞装置42や普通変動入賞装置41の開閉動作の実行である。また大当り中の演出の実行とは、オープニング演出およびこれに続くラウンド間インターバル中の演出やラウンド中の演出の実行である。
大当り中の演出として、演出制御部(演出制御基板24、液晶制御基板25)は、まず大当りが開始することを液晶表示装置36での画像の表示、およびスピーカ46からの音声(開始ファンファーレ)の出力により遊技者に報知する。
ここで、大当り開始Fコマンドは、ファンファーレの本来の情報以外に、コマンドの区分けにより、間接的ではあるが、「大当り当選時の遊技状態」および「大当り種別」の情報を持つ。
上記ステップS117(図5)により決定された大当り中演出の演出シナリオに基づき、演出制御基板24では大当り遊技の進行に伴い、大当り中の演出を実行制御し、また主制御基板20では、特別変動入賞装置ソレノイド42aにソレノイド制御用の励磁制御信号を送信して特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当り遊技を実行制御する。また、演出制御基板24では大当り遊技の進行に伴い、大当り中の演出を実行制御する。さらにまた液晶制御基板25では、液晶表示装置36にラウンド間インターバル中の演出やラウンド中演出を表示する。
図9は、上記ステップS118の処理のうち、特に大当り中の演出に着目した大当り中演出実行処理の内容を示すフローチャートである。
この大当り中演出実行処理においては、まず上記第1群に属する15R系大当りか否かを判断する(ステップS301)。15R系大当りの場合は(ステップS301:YES)、1ラウンド目の遊技が終了していないことを確認した後(ステップS302:NO)、まず1ラウンド目の遊技中の演出を開始する(ステップS303)。
ここで演出制御用CPU241は、液晶表示装置36に、図6のステップS204で選択した大当り中演出(図8の選択された演出区分に属するBGM群)についての演出選択画面を表示する(ステップSS304)。図12は15R系大当りが4回継続した場合において、手操作による演出種の選択をしなかった場合の演出選択画面361の表示内容の推移を示している。この演出選択画面361は、代表的に図12(a)に示すようにBGM種の選択肢362を有する。
手操作による演出種の選択をしなかった場合において、図12(a)は連荘1回目の演出選択画面であり、BGM1とBGM2の2つの選択肢を有し、そのうちのBGM2が最前面に位置している。同様に、図12(b)は連荘2回目の演出選択画面であり、連荘回数が1加算されたことに対応してBGM3の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1、BGM2、BGM3の3つの選択肢を有し、そのうちのBGM3が最前面に位置している。同様に、図12(c)は連荘3回目の演出選択画面であり、連荘大当りが1つ増加したことに対応してBGM4の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1〜BGM4の4つの選択肢を有し、そのうちのBGM4が最前面に位置している。同様に、図12(d)は連荘4回目の演出選択画面であり、連荘大当りが1つ増加したことに対応してBGM5の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1〜BGM5の5つの選択肢を有し、そのうちのBGM5が最前面に位置している。
上記の各演出選択画面361においては、最前面に位置する演出の選択肢が、仮想的にカーソルで現在指定されて選択されている状態にあり、連荘大当りした際には、この最前面に位置する演出に自動的にカーソル初期位置が合致する予設定がなされる。本実施形態の場合、このカーソルは、演出選択画面中にカーソルそのものの映像として直接的に表示されているのではなく、演出選択画面361においてBGMの選択肢362が最前面に位置すること、この例ではさらに明るく表示されることで、間接的に表示されるものである。しかし演出選択画面361中にカーソルそのものを画像として直接的に表示させ、このカーソル像を演出選択画面における演出の選択肢362間で移動させる構成とすることもできる。
初期のカーソル位置として、図12(a)の連荘大当り1回目の演出選択画面361では最前面のBGM2の選択肢が明るく表示されて指定され、図12(b)の連荘大当り2回目の演出選択画面では最前面のBGM3の選択肢が明るく表示されて指定され、図12(c)の連荘大当り3回目の演出選択画面では最前面のBGM4の選択肢が明るく表示されて指定され、図12(d)の連荘大当り4回目の演出選択画面では最前面のBGM5の選択肢が明るく表示されて指定される。つまり、連荘大当りして新しくBGMの選択肢が追加された場合、常にその追加されたBGMの選択肢が最前面に来て明るく表示されており、これは追加されたBGMの選択肢に、仮想的にカーソル初期位置が合わせられ予設定されていることと等価になる。この状態で選択演出の演出時間(本実施形態では1R遊技期間)が経過すると、カーソルで暫定的に選択され予設定されているBGMの選択状態が、最終的に選択されたものとして確定し、当該BGMが設定されて、その再生演奏が開始される。
上記カーソルの初期位置は暫定的なものであり、手動演出選択スイッチ(演出用操作手段)としての枠演出ボタン13を押下操作することにより、上記予設定された演出の選択状態を、他の演出の選択肢が選択された状態に変更することができる。
図13は、上記した図12(b)の連荘大当り2回目の演出選択画面361において、枠演出ボタン13を押下した場合のBGM種の選択推移状況を示す。最初は図13(a)のように、最前面にBGM3が、その裏側に順次にBGM2、BGM1が位置する。この状態において、手動演出選択スイッチである枠演出ボタン13を1回押下すると、図13(b)に示すように、最前面に位置していたBGM3は最背面に移動し、BGM3の裏側に位置していたBGM2が最前面(カーソル位置)に移行する。さらに枠演出ボタン13を1回押下すると、図13(c)に示すように、最前面に位置していたBGM2は最背面に移動し、BGM2の裏側に位置していたBGM1が最前面(カーソル位置)に移行する。このように枠演出ボタン13を押すたびに最前面に位置するBGMの位置が循環式に入れ替わる。遊技者は希望するBGM種の選択肢を最前面に位置させて指定することで該BGM種を選択し、その状態のまま放置して、選択演出の演出時間が経過することにより、希望するBGMを最終的に確定されたものとして選択設定することができる。
図14は、本発明におけるカーソル初期位置の制御の仕方を例示したものである。ここでは、遊技者が自己の好みにより図12(a)の演出選択画面における最前面(仮想的なカーソル位置)のBGM2を、他のBGM2に手操作で切り替えた場合の推移と、それ以降において自動的に行われる仮想的なカーソル初期位置の推移とを示している。
図14(a)は連荘1回目の演出選択画面であり、BGM1とBGM2の2つの選択肢を表示している。左側図は、最初の仮想的なカーソル初期位置がBGM2に在り、BGM2の選択肢が最前面に位置している状態(予設定状態)を示す。右側図は、上記BGM2が好みの楽曲でなかったために、遊技者が手操作でカーソル位置をこのBGM2から他の好みのBGM1に切り替えて、BGM1を最前面に位置させた状態(手操作設定状態)を示している。
図14(b)は上記の如く連荘1回目の選択演出が手操作設定された後において、連荘2回目の選択演出が発動されたときの演出選択画面である。この演出選択画面では、連荘回数が1加算されたことに対応してBGM3の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1、BGM2、BGM3の3つに増加している。これら3つの選択肢のうちで、仮想的なカーソル初期位置は、前回の選択演出(右側図参照)で手操作設定されたものと同じ演出種であるBGM1に定められており、そのBGM1が最前面に位置して明るく表示されている。この状態で選択演出の演出時間(本実施形態では1R遊技期間)が経過すると、カーソルで暫定的に選択され予設定されているBGM1の選択状態が、最終的に選択されたものとして確定し、当該BGM1が設定されて、その再生演奏が開始される。このため遊技者は、BGM1にカーソル位置を合わせるという手操作をする必要なしに、所望するBGM1を大当り中に再生演奏させて聴くことができる。
同様に、図14(c)は連荘3回目の演出選択画面であり、連荘大当りが1つ増加したことに対応してBGM4の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1〜BGM4の4つの選択肢を有する。ここで仮想的なカーソル初期位置は、これら4つの選択肢のうちで、前回の選択演出(図14(b)参照)で手操作設定されたものと同じ演出種であるBGM1に定められており、BGM1が最前面に位置して明るく表示されている。この状態で選択演出の時間が経過すると、BGM1の選択状態が最終的に選択されたものとして確定し、当該BGM1が設定されて、その再生演奏が開始される。このため遊技者は、BGM1にカーソル位置を合わせるという手操作をする必要なしに、所望するBGM1を大当り中に再生演奏させて聴くことができる。
同様に、図14(d)は連荘4回目の演出選択画面であり、連荘大当りが1つ増加したことに対応してBGM5の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1〜BGM5の5つの選択肢を有する。ここで仮想的なカーソル初期位置は、これら5つの選択肢のうちで、前回の選択演出(図14(c)参照)で遊技者により手操作設定されたものと同じ演出種であるBGM1に定められており、BGM1が最前面に位置して明るく表示されている。この状態で選択演出の時間が経過すると、BGM1の選択状態が最終的に選択されたものとして確定し、当該BGM1が設定されて、その再生演奏が開始される。このため遊技者は、BGM1にカーソル位置を合わせるという手操作をする必要なしに、所望するBGM1を大当り中に再生演奏させて聴くことができる。
図12(a)〜図12(d)に例示した如く、連荘大当りに伴い新しいBGMが順次追加されて行く状況下において、遊技者が一度自分の好きなBGM1を選択すると、次回の選択演出においては、その過去の履歴が参照され、前回選択した演出種と同じBGM1の選択肢にカーソル初期位置が自動的に予設定される。このため遊技者は、選択演出において改めて演出種の選択操作をする必要なしに、自動的に自己が選択して聴きたいと欲するBGM1の選択肢を選択し、対応するBGM1を再生演奏させて聴くことができる。
(3−3.予設定処理:図10)
図9に戻り、ステップS304において連荘回数に対応した演出選択画面を表示させた後、次のステップS305の予設定処理に進む。
図10はこのうちの予設定処理の内容を示したものである。予設定処理では、まず過去の選択履歴をチェックし(ステップS401)、前回の選択演出において手操作による演出種の選択があったか否かを判断する(ステップS402)。
前回の選択演出において手操作による演出種の選択が行われていると判断された場合は(ステップS402:YES)、カーソル位置を前回選択された演出種と同じ演出種の選択肢に予設定する(ステップS403)。これは対象となる演出種(BGM種)の選択肢を、最前面に位置させるまたは明るく表示するなどの手段で選択状態とすることで、仮想的にカーソルの初期位置を上記前回選択されたBGM種の選択肢に合わせることで行う。
また前回の選択演出において手操作による演出種の選択がないと判断された場合は(ステップS402:NO)、カーソル位置を連荘大当りで追加された演出種の選択肢に予設定する(ステップS404)。これは対象となる演出種(BGM種)の選択肢を、最前面に位置させるまたは明るく表示するなどの手段で選択状態とすることで、仮想的にカーソルの初期位置を上記新しく追加されたBGM種の選択肢に合わせることで行う。
(3−4.手操作設定処理:図11)
次いで、ステップS306の手操作設定処理に進む。図11は、上記予設定処理に続く手操作設定処理(ステップS306)の内容を示したものである。この手操作設定処理では、手動演出選択スイッチ(演出用操作手段)としての枠演出ボタン13が、手動選択操作の受付可能な期間(手操作受付可能期間と略す)内に、遊技者により操作されたか否かを判断する(ステップS501)。
手操作受付可能期間内に枠演出ボタン13が操作された場合には(ステップS501:YES)、その枠演出ボタン13の操作により指定された演出種の選択肢の位置にカーソルを移動させる(ステップS502)。具体的には、枠演出ボタン13を操作して希望する演出の選択肢を、最前面に位置させかつ明るく表示させた状態にする。
枠演出ボタン13が手操作受付可能期間内に操作されなかった場合には、何もしないで手操作設定処理を抜ける。
図9に戻り、その後1ラウンド目の遊技が終了したか否かを判断する(ステップS307)。枠演出ボタン13が操作されることなく、1ラウンド目の遊技時間(選択演出の演出時間)が経過した場合には(ステップS307:YES)、上記のBGM2の選択状態が最終的に選択されたものとして確定する。
次いで、インターバル演出を実行した後(ステップS308)、次の2ラウンド目から、図6のステップS204で選択された演出区分に属するBGM種(演出シナリオ)のうち、上記カーソルの初期位置によりまたは枠演出ボタン13の操作により、最終的に設定されたBGM種について、その楽曲の再生演奏を実行する(ステップS309)。ここで再生演奏されるBGMは、連荘1回目においてはBGM1またはBGM2のいずれか一方である。遊技者が枠演出ボタン13を操作しないまま選択演出の演出時間が経過した場合は、カーソルの初期位置で選択状態とされたBGM2の再生演奏が開始され、また選択演出の演出時間が経過する前に枠演出ボタン13を操作してBGM1の選択肢を指定した状態にカーソル位置を切り替えた場合は、上記選択演出の演出時間が経過した第2ラウンド目から、切り替え後のカーソル位置で指定したBGM1の再生演奏が開始される。そして図5のステップS119に進む。
上記のようにして、主制御基板20と演出制御基板24により大当り中の遊技動作(大当り遊技)と共に大当り中の演出が実行制御されて行く(ステップS118〜S119)。そして規定ラウンド数(ここでは15ラウンド)に達して大当りの終了が到来したか否かを判断し(ステップS119)、上記規定ラウンド数に達していない場合には(ステップS119:NO)、その規定ラウンド数が終了するまで上記ステップS118〜S119を繰り返し、連荘大当り中の演出を実行する。
一方、上記大当り中演出実行処理(図9)中のステップS301の判断において、上記第2群に属する2R系大当りであった場合、つまり15R系大当り以外の大当りであった場合は(ステップS301:NO)、ステップS310に進み、図6のステップS205で決定された2R突確大当り用演出(演出シナリオ)または図6のステップS206で決定された小当り用演出(演出シナリオ)を実行する。
その後、図5のステップS119に進む。そして規定ラウンド数(ここでは2ラウンド)に達して大当りの終了が到来したか否かを判断し(ステップS119)、上記規定ラウンド数に達していない場合には(ステップS119:NO)、その規定ラウンド数が終了するまで上記ステップS118〜S119を繰り返す。ただし2R系大当りの場合は、賞球払出がほとんど行われないため、短時間のうちに終了する。
15R系大当りおよび2R系大当りのいずれの場合も、規定数の全ラウンドが終了したときには(ステップS119:YES)、大当り終了Fコマンド決定処理を行い(ステップS120)、続いて大当り終了演出(大当り中エンディング演出)を実行する(ステップS121)。この大当り終了演出においては、大当りが終了することを液晶表示装置36での画像の表示、およびスピーカ46からの音声(終了ファンファーレ)の出力により遊技者に報知することとなる。なお、この大当り終了演出においては、必要に応じて確変報知演出が行われる。
上記の大当り終了演出が終了すると、遊技状態移行処理(ステップS122)および演出モード移行処理(ステップS123)を順次実行する。
遊技状態移行処理(ステップS122)では、大当り終了後の移行先として選択しうる遊技状態として、通常遊技状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態の4つがあり、大当りの種別にしたがい、大当り終了後の遊技状態を、上記4つの遊技状態のうちの一つに移行させる。
具体的には、15R確変大当りに当選した場合は、大当り遊技後の遊技状態を「確変状態」に設定し、15R非確変大当りに当選した場合は、大当り遊技後の遊技状態を「時短状態」に設定し、2R突確大当りに当選した場合は、大当り遊技後の遊技状態を「確変状態」に設定し、2R潜伏確変大当りに当選した場合は、大当り後の遊技状態を「潜伏確変状態」に設定する。ここで、上記の設定処理における大当りには小当りの場合が含まれないので、上記の大当りに当選した場合、小当りフラグについては非設定状態に戻す。一方、小当りに当選した場合は、当選時の遊技状態を変更せずに小当りフラグを設定状態にする。なお、本実施形態では、確変状態中または時短状態中もしくは潜伏確変状態中に2R潜伏確変大当りに当選した場合、その大当り遊技後の遊技状態を「潜伏確変状態」に設定するのではなく「確変状態」に設定する。
次の演出モード移行処理(ステップS123)では、大当り開始Fコマンドまたは大当り終了Fコマンドに基づいて、移行先の演出モードを決定する。ここで15R確変大当りまたは2R突確大当りに当選した場合は、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、確変確定演出モード(たとえば夜背景演出)に移行設定する。また15R非確変大当りに当選した場合は、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、時短演出モード(たとえば朝方背景演出)に移行設定する。また通常遊技状態中に2R潜伏確変大当りに当選した場合は、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、「確変隠匿演出モード(たとえば、夕方背景演出)」に移行設定する。また通常遊技状態中に小当りに当選した場合には、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、「確変隠匿演出モード(たとえば、夕方背景演出)」に移行設定する。また時短状態中に小当りに当選したときは、時短演出モード(朝方背景演出)を維持し、また確変状態中に小当りに当選したときは、確変確定演出モード(夜背景演出)を維持する。
(具体例1:図15)
次に、図15に示す具体例について説明する。この例は図7と同じ遊技状態の遷移状態を前提としており、通常遊技状態中の時刻t1において2R潜伏確変大当りに当選し、その潜伏確変状態中の時刻t2において15R非確変大当りに当選し(連荘カウンタN=1)、その時短状態中の時刻t3において2R突確大当りに当選し(連荘カウンタN=1のまま)、この確変状態中の時刻t4において15R確変大当りに当選し(連荘カウンタN=2)、この確変状態中の時刻t5において15R確変大当りに当選し(連荘カウンタN=3)、この確変状態中の時刻t6において15R非確変大当りに当選し(連荘カウンタN=4)、その後の時刻t7において時短状態が終了して連荘カウンタNが「0」にクリアされるケースを扱っている。ここで遊技者は連荘大当り毎に新しくBGMの選択肢が追加された場合、その追加されたBGMを聴きたいと希望しているものとする。
(イ)連荘1回目
図15の連荘1回目(時刻t2の15R非確変大当り時)において、選択演出が発動されて選択画面に表示される選択肢はBGM1とBGM2の2つであり、このうち自動的な初期位置としてBGM2の選択肢が最前面に位置する(図14(a)の左側図を参照)。つまり仮想的なカーソルの初期位置はBGM2の選択肢となっている。ここで遊技者がBGM2を再生演奏することに満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わなければ、1ラウンド目の遊技が終了した時点でBGM2が最終設定されたものとなる。しかし、この図15の具体例1では、カーソル手操作によりカーソル位置がBGM2からBGM1に切り替えられ、手操作設定位置がBGM1の選択肢に最終的に設定される(図14の右側図参照)。
これ以降の連荘2回目から連荘4回目のカーソル初期位置については、それ以前の過去の選択履歴の内容により、選択状態に置かれる選択種が異なる。
(ロ)連荘2回目
続いて連荘2回目(時刻t4の15R確変大当り時)の選択演出においては、大当り中演出としてBGM3が新しく追加される。選択画面に表示される選択肢はBGM1、BGM2、BGM3の3つとなる。ここで演出制御CPUは、図10のステップS401〜S402で説明したように、過去の選択履歴をチェックし、前回の選択演出において手操作設定によるBGM種の選択があったか否かをチェックする。
前回の選択演出で遊技者による選択位置の変更操作が行われていなければ、予設定処理(図10)のステップS404において、連荘大当りで追加された演出種であるBGM3が予設定されるため(図12(b)参照)、BGM1を繰り返し聴きたいと欲する遊技者は、カーソル初期位置のBGM3から自分の好みのBGM1へと、仮想的なカーソル位置を切り替える必要を生じる。
しかし、本実施形態の場合、前回の連荘1回目の選択演出で、遊技者による選択操作がなされて、BGM1が手選択設定されている(図14(a)の右側図参照)。そこで、予設定処理(図10)のステップS403において、前回選択された演出種と同じ演出種にカーソル初期位置が合わせられ予設定される。すなわち、図14(b)に示すように、連荘2回目の選択演出においては、それまでの選択実績が考慮され、前回の連荘1回目の選択演出で手操作設定されたBGM1の選択肢に、仮想的なカーソル初期位置が合わせられる。
本例の場合、遊技者は連続して同じBGM1を聴きたいと欲しているので、このBGM1の選択肢を選択している状態に満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル操作を行わない。このためBGM1の予設定状態は、その後、1ラウンド目の遊技が終了して選択演出の時間が経過することにより最終的に確定したものとなる。したがって連荘2回目の大当り遊技中にはBGM1の楽曲が再生演奏される。この結果、遊技者は、仮想的なカーソル位置をBGM1以外の位置(この例ではBGM3)から自分の好みのBGM1の位置へと再び切り替え操作をする必要なしに、自分の好みのBGM1を自動的に選択して再生演奏させることができる。
(ハ)連荘3回目
続いて連荘3回目(時刻t5の15R確変大当り時)の選択演出においては、大当り中演出としてBGM4が新しく追加される。選択画面に表示される選択肢はBGM1、BGM2、BGM3およびBGM4の4つとなる。
本実施形態の場合、前回の連荘2回目の選択演出で、遊技者による選択操作がなされて、BGM1が手選択設定されている。そこで、予設定処理(図10)のステップS403において、前回選択された演出種と同じ演出種にカーソル初期位置が合わせられる。すなわち、図14(c)に示すように、連荘3回目の選択演出においては、前回の選択演出で手操作設定されたBGM1の選択肢に、仮想的なカーソル初期位置が合わせられる。
このBGM1の予設定状態は、その後、選択演出の時間が経過することにより最終的に確定したものとなり、連荘3回目の大当り遊技中にはBGM1の楽曲が再生演奏される。この結果、遊技者は、仮想的なカーソル位置をBGM1以外の位置から自分の好みのBGM1の位置へと再び切り替える必要なしに、自分の好みのBGM1を自動的に選択して再生演奏させることができる。
(ニ)連荘4回目
続いて連荘4回目(時刻t6の15R非確変大当り時)の選択演出においては大当り中演出としてBGM5が新しく追加される。選択画面に表示される選択肢はBGM1、BGM2、BGM3、BGM4およびBGM5の5つとなる。
本実施形態の場合、前回の連荘3回目の選択演出でBGM1が手選択設定されている。そこで前回選択された演出種と同じBGM1にカーソル初期位置が合わせられる。すなわち、図14(d)に示すように、連荘4回目の選択演出においては、前回の選択演出で手操作設定されたBGM1の選択肢に、仮想的なカーソル初期位置が合わせられる。
このBGM1の予設定状態は、その後、選択演出の時間が経過することにより最終的に確定したものとなる。この結果、遊技者は、仮想的なカーソル位置をBGM1以外の位置から自分の好みのBGM1の位置へと再び切り替える必要なしに、自分の好みのBGM1を自動的に選択して再生演奏させることができる。
かくして遊技者は、連荘大当りして選択演出が発動するたびに手動演出選択スイッチとしての枠演出ボタン13を操作して、仮想的なカーソル位置を自己の好みのBGM1に合致させる、というカーソル位置合わせ操作をする必要なしに、自己の希望するBGM1を自動的に選択し、連荘大当り遊技中に再生演奏させて聴くことができる。
(具体例2:図16〜図17)
図16〜図17は他の具体例を示したものである。上記の具体例1では連荘1回目(時刻t2)において選択画面361に表示される選択肢362がBGM1とBGM2の2つであったが、この図15の具体例2では、図16(a)に示すように、連荘1回目において選択画面361に表示される選択肢362がBGM1の1つだけである、という点で、具体例1と相違している。この具体例2において、上限の連荘回数までは、連荘大当りするたびに順次新しくBGM種の選択肢が1つ追加されて選択肢の範囲が増加する点や、その新しく追加されたBGM種の選択肢がカーソル初期位置となる点や、手操作でカーソル位置を変えなければそのカーソル初期位置のBGMが最終的に選択されたものとして設定される点は、具体例1と同じである。
図16は、この具体例2における演出選択画面の表示内容の推移を例示したものである。図16(a)は連荘1回目の演出選択画面であり、BGM1の選択肢だけを有する。図16(b)は連荘2回目の演出選択画面であり、連荘大当り回数が1つ増加したことに対応してBGM2の演出の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1とBGM2の2つの選択肢を有する。同様に、図16(c)は連荘3回目の演出選択画面であり、連荘大当り回数が1つ増加したことに対応してBGM3の演出の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1、BGM2、BGM3の3つの選択肢を有する。同様に、図16(d)は連荘4回目の演出選択画面であり、連荘大当り回数が1つ増加したことに対応してBGM4の演出の選択肢が新しく1つ追加され、BGM1〜BGM4の4つの選択肢を有する。
これら図16の演出選択画面361においては、演出の選択肢362のうち最前面に位置する選択肢がカーソルで現在指定されている状態にあり、これが連荘大当りした際に自動的に設定されるカーソル初期位置となっている。仮想的なカーソル初期位置は、図16(a)の連荘1回目の演出選択画面では、最前面の明るく表示されているBGM1の選択肢である。
図16(b)の連荘2回目における仮想的なカーソル初期位置は、最前面の明るく表示されているBGM2の選択肢である。この連荘2回目では、その後に遊技者の嗜好により、手操作でBGM1にカーソル位置が変更されている。
その後の選択演出における仮想的なカーソル初期位置は、それぞれ前回の選択演出で遊技者により手操作設定された特定の演出種(ここではBGM1)に合わせられる。すなわち、図16(c)の連荘3回目および図16(d)の連荘4回目では、最前面の明るく表示されているBGM1の選択肢がカーソル初期位置として予設定される。
このように連荘大当りして新しくBGM種が追加されて行く状況下において、前回の選択演出で特定の演出種(ここではBGM1)が手操作設定されているときは、それと同じ演出種の選択肢に対して、自動的に仮想的なカーソル初期位置が合わせられる。この状態で選択演出の演出時間として1ラウンド目の遊技時間が経過すると、仮想的なカーソルで暫定的に指定されているBGM種の選択状態が確定し、当該BGM種の設定がなされて、その再生演奏が開始される。このため毎回の連荘大当りにおいて、連続して同じBGM種を再生演奏させたい遊技者は、選択演出が発動されるたびに他のBGM種から自己の好むBGM種へカーソル位置を移動させて合わせる、という操作を、特にはする必要がない。
図17に基づいて説明するに、連荘1回目の15R非確変大当り時(時刻t2)において、選択画面に表示される選択肢はBGM1の1つであり(図16(a)参照)、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を受け付けられないので、大当り中演出としてBGM1が設定される。
続いて連荘2回目の15R確変大当り時(時刻t4)においては大当り中演出としてBGM2が新しく追加される。選択画面に表示される選択肢はBGM1、BGM2の2つとなり、仮想的なカーソル初期位置としてBGM2の選択肢が最前面に位置する(図16(b)の左側図参照)。遊技者はBGM1を聴きたいと欲しているので、このBGM2の選択状態を不満とし、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作によりBGM1を選択設定する。その後、1ラウンド目の遊技が終了した時点で、BGM1が最終的に選択されたものとして設定されたものとなる。したがって連荘2回目の大当り遊技中にはBGM1の楽曲が再生演奏される。
続いて連荘3回目の15R確変大当り時(時刻t5)においては大当り中演出としてBGM3が新しく追加される。選択画面に表示される選択肢はBGM1、BGM2およびBGM3の3つとなる。このうち自動的に定まる仮想的なカーソル初期位置として、前回手操作設定されたのと同じBGM1の選択肢が最前面に位置する(図16(c)参照)。遊技者は同じBGM1を聴きたいと欲しているので、このBGM1の選択肢を選択している状態に満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わない。そこで、1ラウンド目の遊技が終了した時点で、BGM1が最終設定されたものとなる。したがって連荘3回目の大当り遊技中にはBGM1の楽曲が再生演奏される。
続いて連荘4回目の15R非確変大当り時(時刻t6)においては大当り中演出としてBGM4が新しく追加される。選択画面に表示される選択肢はBGM1、BGM2、BGM3およびBGM4の4つとなる。このうち自動的な初期位置として、前回手操作設定されたのと同じBGM1の選択肢が最前面に位置し(図16(d)参照)、仮想的なカーソルの初期位置はBGM1の選択肢に一致している。遊技者は同じBGM1を聴きたいと欲しているので、このBGM1の選択肢を選択している状態に満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わない。そこで、1ラウンド目の遊技が終了した時点で、BGM1が最終的に設定されたものとなる。したがって、連荘4回目の大当り遊技中にはBGM1の楽曲が再生演奏される。
かくして遊技者は、連荘大当りするたびに手動演出選択スイッチとしての枠演出ボタン13を操作してカーソル位置を好みのBGMに合致させる、というカーソルによる演出選択操作をする必要なしに、自己の希望するBGMを自動的に選択し、連荘大当り遊技中に再生演奏させて聴くことができる。
<変形例1:図18>
上記実施形態では、BGM種の選択肢を最前面側に明るく位置させることでBGMを選択状態とし、この選択状態がここに仮想的にカーソルが存在することと等価になる、という例について説明したが、この仮想的なカーソルの替わりに、またはこの仮想的なカーソルと共に、演出選択画面中に具体的にカーソルを表示させ、このカーソル位置を枠演出ボタン13または専用のカーソル操作スイッチを押下操作することにより変更し、演出を指定することもできる。
たとえば、図18に示すように、複数種類の演出のそれぞれに対応する選択肢362と、その選択肢のうちの1つを指定するカーソル363(黒三角)とを、選択画面361中に表示させると共に、このカーソル363を隣の選択肢へと移動させる上下左右の四方向に操作しうる十字キースイッチ131からなる手動演出選択スイッチ(演出用操作手段)を設ける。そして、この十字キースイッチ131における上向スイッチ部aまたは下向スイッチ部cが押下されると、演出制御用CPU241は、カーソル363(黒三角)の位置を1つ上または下に移動させる。また左向スイッチ部dまたは右向スイッチ部bが押下されると、演出制御用CPU241は、カーソル363(黒三角)の位置を1つ左または右に移動させるような表示を行わせる。そして、十字キースイッチ131の中央の決定スイッチ部eが押下されると、そのときにカーソル363が位置していた選択肢が最終的に選択されたものとして確定する構成とする。そして、選択された選択肢に対応する演出を実行する。
図18において、BGM種の選択肢362のうち実線の枠で囲まれている選択肢は、演出選択画面361内に選択可能に表示されている選択肢であることを示す。また破線の枠で囲まれている選択肢は、選択画面から消えていて選択が不可能である選択肢であることを示す。
図18は、現在3つのBGM1〜BGM3が可視化され、選択可能に選択画面361に表示されている状態を示しており、図14(b)に示す連荘2回目の表示状態に対応する。カーソル363は、カーソル初期位置であるBGM3の選択肢を指示する位置にある。上限の連荘回数(連荘9回)までは、連荘大当りの回数が1増加するたびに、BGMの選択肢の数が追加されて増加して行き、選択画面内において実線枠で囲まれた選択肢として現れる。このときカーソル363は、前回の選択演出で特定のBGMを手操作設定した実績がある場合は、その特定のBGMをカーソル初期位置として指示し、そのような選択実績がない場合は、選択演出の発動に伴い新しく追加されたBGMの選択肢を指定する位置に来るようになっている。
したがって、特定のBGMを選択してその楽曲を毎回再生演奏させて聴きたい遊技者は、1回の手操作設定をなすだけで、改めて十字キースイッチ131を操作する必要なしに、好みのBGM種を大当り中遊技中に再生演奏させ、その楽曲を聴きながら遊技を楽しむことができる。
<変形例2>
上記実施形態では、大当り中演出として音によるBGMを例にして説明したが、大当り中演出はこれに限られるものではなく、画像または映像による大当り中の背景演出に本発明を適用することができる。
たとえば、全体を順位が設けられた複数種類のストーリー(第1話、第2話、第3話・・・・などのパート)に分節された物語風のストーリー画像(演出画像)について、上記のステップS303(図9参照)で連荘回数に対応した演出選択画面を表示させると共に、この演出選択画面において、上記ストーリー画像の第1話、第2話、第3話・・・・などの分節ストーリーについての選択肢を、所定の連荘回数までは、連荘大当りするたびに追加する構成とする。そしてステップS304で、連荘大当りするたびに新しく追加される分節ストーリーの選択肢をカーソル初期位置として選択することにより予設定するか、または、前回遊技者が手操作設定した分節ストーリーがある場合は、その分節ストーリーの選択肢をカーソル初期位置として選択することにより予設定する。またステップS305で、遊技者が手動演出選択スイッチによりカーソル位置を上記仮選択された分節ストーリーの選択肢から他の分節ストーリーの選択肢に変更しない限り、上記予設定された分節ストーリーが最終的に確定したものとして設定される構成とする。
かかる構成の下で、毎回の連荘大当りで同じ分節ストーリーを背景に表示させて大当り遊技を楽しもうとする遊技者は、連荘大当りのたびに分節ストーリーの選択肢に対するカーソル位置を変更操作する必要なしに、自己の希望する分節ストーリーを自動的に設定し、そのストーリー画像を大当り遊技中に液晶表示画面に流すことができる。
上記順位が設定されたストーリー画像(演出画像)としては、たとえば、第1話から最終話まで前後に関連付けられてストーリーが展開されていくテレビドラマのようなものや、第1ステージ、第2ステージ、・・・最終ステージへと物語が展開していくRPG風のアニメ画像であったり、回を重ねるごとにストーリーが展開するものでなく、各回のストーリー画像に関連性がない独立したオムニバス風のドラマ、アニメ画像、キャラクタ画像、遊技内容の紹介など、とすることができる。
<変形例3>
上記実施形態では、大当りの種類として、大当り中の遊技時間が比較的長く大当り中演出を遊技者による選択の下で実行させる対象となる第1群に属する少なくとも1つの大当りと、遊技者に選択させて当該第1群の大当りよりも大当り中の遊技時間が短く大当り演出を遊技者による選択の下で実行させる対象とならない第2群に属する少なくとも1つの大当りと、が含まれ、その具体例として、上記第1群に属する大当りには、高ベース大当り遊技を実行する群に属する大当りがあり、また第2群に属する大当りには、上記第1の大当りより相対的に利益率が低い低ベース大当り遊技を実行する群に属する大当りがあると説明した。
この場合、大当り中の演出の時間長さについては特に説明していないが、最小単位の演出を消化するのに十分な時間が経過する大当りであれば、連荘大当りとして加算する構成とすることができる。すなわち、上記大当りには、大当り中の遊技時間が比較的長く最小単位の演出を消化するのに十分な時間経過を経て遊技が終了する第1群に属する少なくとも1つの大当りと、当該第1の大当りよりも大当り中の遊技時間が短く最小単位の演出を消化するのに必要な時間経過を経ずに遊技が終了する第2群に属する少なくとも1つの大当りと、が含まれ、このうちの第1群の大当りについて連荘カウンタの加算を行う構成とすることができる。
ここで最小単位の演出とは、たとえば上記演出種がBGMである場合その楽曲の最初の四小節を指す。したがって、BGMである楽曲の四小節以上を再生演奏するに足りる時間長さを持つ大当りが複数回継続する場合を連荘回数として加算し、その各連荘大当りの大当り中において、演出制御手段としての演出制御CPU241が、このBGMの四小節以上続く楽曲の再生音を、演出装置たる音響発生装置46aから出力させる、構成とすることができる。
<変形例4>
上記実施形態では、連荘回数の増加に伴い新しく大当り中演出の演出種が追加される形態の選択演出を前提としたが、本発明は演出種の追加が行われない形態の選択演出に対しても、適用することができる。
すなわち、選択演出が発動された際には演出選択画面に毎回同じ一定数の演出種の選択肢が表示される形態の選択演出を前提とし、その一定数の演出種の選択肢の中から、遊技者の嗜好に合致した一つの演出種を選択させる構成とする。演出選択画面が表示された際のカーソル初期位置としては、過去の選択履歴をチェックして、前回または過去に手操作設定された演出種がある場合はその演出種の選択肢に合致させる。またそのような前回または過去に選択した演出種がない場合は、あらかじめ定めた開始位置の演出種に固定的に設定する。
このようにすると、選択演出が発動されるたびに同じBGM種を聴いてみたい遊技者の嗜好に合致して、自己の聴きたいBGMがカーソル初期位置として自動的に選択されている可能性が高くなる。また、一群のストーリー画像の中から自己の見たいストーリー画像を選択しようとするときに、カーソル初期位置として当該ストーリー画像が既に自動的に選択されている可能性が高くなる。したがって遊技者がそのBGM種やストーリー画像を選択する選択操作頻度を軽減することができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態では、カーソル初期位置を前回選択した演出に合わせる構成としたが、この第2の実施形態では、少なくとも2回以上同一演出種が選択されている場合、当該同一演出種にカーソル初期位置を合わせて予設定する構成とするものである。
図19は第2の実施形態に係る予設定処理を示したフローチャートである。この予設定処理においては、まず直前の複数回の選択履歴をチェックし(ステップS411)、過去の選択演出において予設定または手操作設定により2回以上同一演出種の選択があったか否かを判断する(ステップS412)。
2回以上同一演出種の選択があったと判断された場合は(ステップS412:YES)、その2回以上同一演出種の選択があった演出種と同じ演出種の選択肢に、カーソル位置を予設定する(ステップS413)。また2回以上同一演出種の選択がないと判断された場合は(ステップS412:NO)、カーソル位置を連荘大当りで追加された演出種の選択肢に予設定する(ステップS414)。
図16を例にして説明するに、連荘1回目の演出選択画面(図16(a))においてはBGM1が自動的に予設定され、連荘2回目においては、BGM1を繰り返して聴きたいと欲する遊技者が、カーソル初期位置のBGM2から自分の好みのBGM1へと、カーソル位置を切り替えている。そこで連荘3回目においては、過去の選択履歴として計2回、同一のBGM1が選択されていることが判る。そこで連荘3回目においては、これと同じ演出種であるBGM1をカーソル初期位置として予設定する。連荘4回目以降も同様であり、過去に2回以上同じBGM1が選択されている選択実績があるので、カーソル初期位置を同じBGM1へ予設定する。
このようにすると、遊技者は、カーソル初期位置をBGM1以外の位置から自分の好みのBGM1の位置へと切り替える必要なしに、自分の好みのBGM1を自動的に選択して再生演奏させることができる。
[第3の実施形態]
図20に第3の実施形態を示す。この第3の実施形態は、前提として、選択画面表示手段(演出制御CPU241)が、選択演出の発動条件が達成されることに基づき、追加の演出種を選択肢に加えて選択演出で選択可能な演出種の選択肢の範囲を拡大可能な選択範囲拡大手段を有する。そして、予設定手段(ステップS305)が案内設定手段を有し、拡大された選択範囲にある演出種のうち、未選択の演出種が複数存在し、これらのうちの一つが今回の選択演出で選択される場合は、そのうちの追加順の古い演出種のものを優先的に選択し予設定する。
具体的には、この第3の実施形態は、選択演出が発動されて新たに追加の演出種が加えられて行く状況下において、既に前回選択した演出種に、または既に複数回選択した同一演出種に、カーソル初期位置が合致している場合、その後にカーソル初期位置以外の演出種を選択しようとするときは、過去に追加された演出種から選択するように構成したものである。
図20を用いて説明する。ここでは第1話から第5話へと順次に分節ストーリーが移行してゆくストーリー物を演出対象としている。図20において、太枠で囲まれたブロックは遊技者が選択したいと希望している分節ストーリーの選択肢であり、ダイヤ印はカーソルの初期位置を示す。
図20(a)〜(e)に示すように、連荘1回目から連荘5回目と進むにつれ、新しい追加の演出種(分節ストーリー)が順次加えられて行く。遊技者の手操作設定が行われなければ、カーソル初期位置(図のダイヤ印)は、この新しく加えられる追加の演出種に合わせられ、ストーリー物の「第1話」から「第5話」へと順次に移行して行くことになる。しかし、連荘1回目から連荘5回目までは遊技者の好きな「第1話」が設定されており、これは連荘1回目では自動的な設定により、連荘2回目では遊技者の手操作設定により、また連荘3回目および連荘4回目では自動的な予設定により行われている。そして図20(e)の連荘5回目では、遊技者が第1話ではなく、当該第1話の続きとして「第2話」を選択して観たいと希望している。このときカーソル初期位置は「第1話」の選択肢に合致している。
このように、過去に好きな場面(第1話)を何度も選択したケースでは、その間に追加された演出種が多数(第2話〜第5話)存在している。このような状況下で遊技者が第2話を選択することを希望したとき、仮にカーソル位置が、まだ未選択の第2話〜第5話のうちで今回新たに追加された演出種である第5話の選択肢を案内指示する(図20(e)に点線で示す)ものとすると、その位置からカーソル位置を第2話に到達させるのに操作回数が比較的多くかかる。
そこで、この第3の実施形態では、予設定手段(ステップS304)の案内設定手段(演出制御CPU241)が、未選択の分節ストーリーのうちで過去に追加された古いものから、つまり追加順の古い演出種から選択させるように案内指示する。この例では未選択の第2話〜第5話のうちで最も古い第2話にカーソル位置を移動させる。このようにすると第1話の続きである第2話を観たいと欲する多くの遊技者の要請に副ったものとなり、手動演出選択スイッチ(演出用操作手段)の操作回数を減少させることができる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態として、図柄変動表示ゲーム中に、遊技者に枠演出ボタン13を操作させて図柄変動表示ゲームに関連して行われる表示演出または音響演出に関する演出種(演出の種類)を選択させる選択演出が実行されるようにした構成について説明する。ここでの選択演出で選択される演出種は、リーチ演出の種類(リーチ演出種)であるとする。以下では、第1の実施形態で述べた構成要素と同じ構成要素については重複記載を避けるため、詳細な説明は適宜省略する。
本実施形態の演出制御部は、選択演出の発動条件が達成されたか否かを監視する発動監視手段(演出制御CPU241)として、演出制御コマンドのうち特定の演出制御コマンドであるか否かを確認するコマンド確認手段と、コマンド確認手段により上記特定の演出制御コマンドであることが確認されたことを条件に上記選択演出の発動を許可することが可能な発動許可手段と、を有しており、上記選択画面表示手段は、上記発動許可手段により上記選択演出の発動が許可されたことを条件に追加の演出種を選択肢に加えて前記選択演出で選択可能な前記演出種の選択肢の範囲を明らかにした演出選択画面を液晶表示装置36に表示する。
主制御部(主制御基板20)は、演出制御コマンドとして、少なくとも大当り判定処理(ステップS109)における抽選結果情報を含む演出制御コマンドを作成し、これを演出制御部(演出制御基板24)に指示する。この演出制御コマンドには、選択演出を発動させる素因となる特定種変動パターンコマンドが含まれる。この特定種変動パターンコマンドには、たとえば、リーチ演出実行指示情報を含む変動パターンコマンド(リーチ変動パターンコマンド)やハズレ変動パターンコマンド等がある。
演出制御部は、演出制御コマンドが送られてくると、上記発動監視手段としてのコマンド確認手段(演出制御CPU241)によりその演出制御コマンドが上記特定種変動パターンであるか否かが確認される。上記コマンド確認手段は、特定種変動パターンコマンドであることを確認した回数(受信回数)を計数する受信回数計数手段を有し、上記特定種変動パターンであれば、上記受信回数計数手段によりその回数を加算していく。上記発動許可手段は、上記受信回数計数手段による計数値が所定値に達したことを条件として上記選択演出の発動を許可することになる。
ここでは、選択演出を伴うリーチ演出として、キャラクタがモンスターと戦うバトル形態の戦闘演出を例にとって説明する。この戦闘演出は、選択演出画面において、遊技者が好みのキャラクタを選択して、そのキャラクタがモンスターと戦闘するシーンのリーチ演出を観賞することで自己が好む演出を楽しむ、という遊技者参加型のリーチ演出である。
本実施形態における選択演出(以下、「キャラクタ選択演出」と称する)は、演出種としての戦闘演出(リーチ演出種)を、これに対応するキャラクタを選択することで選択させる演出として実行される。選択対象となる戦闘演出はリーチ演出の一つであり、図柄変動表示ゲームにてリーチが形成されてから、大当りまたはハズレを認識し得る図柄組み合わせ(大当り図柄またはハズレ図柄)が導出されるまでに行われる演出である。
図21は、ROM202に記憶されている5種類の変動パターンコマンドP1〜P5を示している。ここでは、説明の便宜上、確変・非確変の別については明記していない。この変動パターンコマンドは、図柄が変動を開始(図柄変動表示ゲームの開始)してから全列の図柄が確定停止表示(図柄変動表示ゲームの終了)される迄の間に現出する演出シナリオの基本情報(変動内容)が含まれている。
図21に例示するように、変動パターンコマンドには、そのコマンドごとに図柄変動表示ゲームの開始から終了迄の変動時間(演出時間)情報が含まれている。また、これらコマンドは、大別して、大当り演出用(大当りリーチ演出も含む)の変動パターンコマンドとハズレ演出(ハズレリーチ演出も含む)用の変動パターンコマンドとに分類されている。「大当り演出」は、図柄変動表示ゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示するように展開される演出である。「ハズレ演出」は、図柄変動表示ゲームが、最終的にハズレの図柄組み合わせを確定停止表示するように展開される演出である。そして変動パターンコマンドは、図柄変動表示ゲームの演出内容(変動内容)が対応付けられている。このため、これら複数種類の変動パターンコマンドのうちから一つの変動パターンコマンドを抽選で選択することにより、図柄変動表示ゲームの演出内容が決定されることになる。
また各変動パターンコマンドP1〜P5には、大当り演出用またはハズレ演出用の何れであるかを示す分類(当否分類)と、演出指定内容(リーチ演出の有無、リーチ演出種別など)と、図柄表示ゲームが行われる時間の変動時間(ms(ミリ秒))とが対応付けられている。この例では、3種類の変動パターンコマンドP1、P2、P4がハズレ演出用の変動パターンコマンドとされ、2種類の変動パターンコマンドP3、P5が大当り演出用の変動パターンコマンドとされている。
ハズレ演出用の変動パターンコマンドのうち、変動パターンコマンドP1は演出内容にリーチ演出を含まないハズレ演出に係るハズレ変動とされ、変動パターンコマンドP2〜P5はリーチ演出に係るリーチ変動とされている。
また、変動パターンコマンドP1〜P5にそれぞれ対応付けられた演出指定内容は、大別して、ハズレ演出と、ノーマルリーチ演出と、ス−パーリーチ演出の3種類とされている。たとえば、図柄変動表示ゲームで左列、右列、中列と停止する3列の図柄による組み合わせを導出する形態である場合、「ハズレ変動」は、3列の図柄表示列がリーチを形成することなく、左列→右列→中列の順に変動停止される変動形態である。「ノーマルリーチ演出」と「スーパーリーチ演出」は、左列と右列の図柄表示列が同一種類の図柄で変動停止してリーチを形成し、リーチ演出にて中列の図柄を変動停止させる変動形態である。そして、ここでの「スーパーリーチ演出」は、ノーマルリーチ演出を経由して行われ、リーチ演出が2段階で行われる変動形態である。
本実施形態の場合、上記変動パターンコマンドのうち、ハズレリーチ演出となる変動パターンコマンドP2、P4が、上記発動監視手段による監視対象となる特定種変動パターンである。演出制御部は、監視対象である特定種変動パターンコマンド(変動パターンコマンドP2、P4)の受信した場合、その受信回数を計数し、その計数値が所定回数(1回または複数回の値)に達したことを条件として、キャラクタ選択演出の発動を許可する。すなわち演出制御部は、この特定種変動パターンコマンド(変動パターンコマンドP2、P4)であるか否かを確認し、その特定種変動パターンコマンドの受信回数を計数する機能部(コマンド確認手段、受信回数計数手段)と、その受信回数が所定回数(1回または複数回)に達したことを条件に、キャラクタ選択演出の発動を許可することが可能な機能部(発動許可手段)とを有している。
上記受信回数計数手段は大当りが生起するまでの期間においてその計数機能が作用し、大当りが生起することで計数内容がクリアされるようになっている。しかし上記計数内容をクリアする条件は適宜定めることができ、たとえば、大当りが生起するまでの期間、または一定の変動回数までの期間、または一定の時間が経過するまでの期間、または予め設定された複数種類の期間から抽選により定められる期間が経過するまで、のいずれかの計数期間について、上記受信回数を計数し、上記計数期間の終了と共に計数値を初期値に戻す(クリアする)構成とすることができる。
そして演出制御部は、主制御基板20から所定の変動パターンコマンド(ここではスーパーリーチ演出となる変動パターンコマンドP4、P5)を受信した場合、これに基づく図柄変動表示ゲームにおいては、それまでの上記受信回数計数手段による受信回数が所定回数に達したことで、上記キャラクタ選択演出を発動させる。すなわち、当該図柄変動表示ゲーム中において、選択画面表示手段(演出制御CPU241)によって液晶表示装置36に演出選択画面が出現し、この演出選択画面内にキャラクタ選択演出の選択対象であるリーチ演出種の選択肢(キャラクタ)の範囲が明らかに表示される。同時に、この選択肢の範囲には、所定の発動回数までは、このキャラクタ選択演出が発動されるたびに、追加のリーチ演出種の選択肢(キャラクタ)が加えられ、その演出種の選択肢の範囲が拡大される。
本実施形態における上記演出種の選択肢の範囲は、キャラクタ選択演出の発動回数に応じて定まるようになっている。具体的には、演出制御CPU241が有するキャラクタ選択演出発動回数を計数する機能部(選択画面表示計数手段)によりキャラクタ選択演出発動回数が計数され、その計数値に応じて、キャラクタ選択演出に係るリーチ演出種の選択肢(キャラクタ)の範囲が定まることになる。たとえば、初期状態でキャラクタ「魔法使い」のみ選択可能である場合、キャラクタ選択演出発動回数が2回ならば「僧侶」、3回ならば「戦士」、4回ならば「賢者」、5回ならば「勇者」・・・9回ならば「HK究極戦士」・・・というように、キャラクタの種類が段階的に追加されていき、これにより演出選択画面にリーチ演出種の選択肢の範囲(キャラクタ選択範囲)が拡大されていくことになる。なお、上記選択画面表示計数手段は大当りが生起するまでの期間においてその計数機能が作用し、大当りが生起することで計数内容がクリアされるようになっている。しかし上記計数内容をクリアする条件は適宜定めることができ、たとえば、大当りが生起するまでの期間、または一定の変動回数までの期間、または一定の時間が経過するまでの期間、または予め設定された複数種類の期間から抽選により定められる期間が経過するまで、のいずれかの計数期間について、上記発動回数を加算し、上記計数期間の終了と共に計数値を初期値に戻す(クリアする)構成とすることができる。
また追加されるキャラクタには上限数が定めてあり、その上限数に達した段階でキャラクタが追加されないようになっている。つまり上記上限数に達した場合、今回のキャラクタ選択演出が発動されても前回のキャラクタ選択演出に係るキャラクタの選択肢の範囲が表示されるようになっている。具体的には、選択演出を発動する条件が成立した場合であっても、選択肢の拡大を伴う選択演出の発動を抑制するための機能部(発動抑制手段)を有する構成である。この場合、たとえば、所定の上限数のキャラクタ(リーチ演出種)が追加されたことを条件に、キャラクタ選択演出が発動しても、選択肢の範囲が拡大されることを制限することができる。上記発動抑制手段は大当りが生起するまでの期間においてその制限機能が作用し、大当りが生起することで制限が解除されるようになっている。しかし上記発動抑制手段による抑制を解除する条件は適宜定めることができ、たとえば、大当りが生起するまでの期間、または一定の変動回数までの期間、または一定の時間が経過するまでの期間、または予め設定された複数種類の期間から抽選により定められる期間が経過するまで、のいずれかの期間の終了と共に発動抑制手段による抑制を解除する構成とすることができる。
また本実施形態では、上記のようにキャラクタ選択演出発動回数に対応して決まったキャラクタ(リーチ演出種)が追加されていくので、遊技上級者であれば、今回のキャラクタ選択演出の選択肢の範囲を見れば次回のキャラクタ選択演出に追加されるキャラクタ(リーチ演出種)が予測できてしまう可能性がある。したがって、キャラクタ選択演出発動回数に対応して決まったキャラクタ(リーチ演出種)が追加されていくのではなく、抽選により追加するキャラクタ(リーチ演出種)を決定するように構成してもよい。この構成では、追加されるキャラクタ(リーチ演出種)がランダムになるため、キャラクタ選択演出発動の際に意外性を与えて遊技興趣を高めることができる。
また本実施形態では、キャラクタ選択演出が発動され始めて追加されるキャラクタ(リーチ演出種)を遊技者が知り得る形態となっている。ここで本実施形態では、スーパーリーチ演出となる変動パターンコマンドP4、P5に基づく図柄変動表示ゲームにおいて上記キャラクタ選択演出を発動させることにしているので、たとえば、追加されるキャラクタが如何なるキャラクタであるかをノーマルリーチ演出中にキャラクタ獲得演出として報知し、後段階であるスーパーリーチ演出中にキャラクタ選択演出を発動させるように構成しても良い。このようにすれば、遊技者がキャラクタ選択演出発動前に新規に追加されるキャラクタを知得することができ、前もってどのキャラクタを選択するか思考する楽しみを与えることができる。
上記キャラクタ選択演出が発動されて演出選択画面が表示される場合、最初は、予設定手段(演出制御CPU241)により、その演出選択画面に加えられた上記追加のリーチ演出種についての選択肢(キャラクタ)が、初期の選択状態として予め設定される。しかし、当該キャラクタ選択演出の時間内において、遊技者が自己の好みのキャラクタの選択肢を手操作で選択し、対応するリーチ演出種の手操作設定をしたときは、次回のキャラクタ選択演出におけるカーソル初期位置が、この前回選択したキャラクタのリーチ演出種と同じキャラクタのリーチ演出種に合わせられる。たとえば、キャラクタ選択演出発動回数3回目(選択可能なキャラクタは魔法使い、僧侶、戦士の3つ)において、前回で魔法使いが選択されている場合は、同じ魔法使いの選択肢が予設定される。そして、そのまま何もしないで選択演出の演出時間が経過すると、演出確定手段(演出制御CPU241)によって、その時点で現に選択されている選択肢(魔法使い)に係る上記追加のリーチ演出種が最終的に選択されたものとして確定する。
この実施形態において、演出選択画面が表示された際に、直前の複数回の選択履歴を参照し、少なくとも2回以上同一選択種が選択されている場合、その演出種と同じ演出種についての選択肢を初期の選択状態として予め設定する構成とすることもできる。
上記のキャラクタ選択演出において毎回自己が好むキャラクタ(魔法使い)を選択することとし、このキャラクタに対応する戦闘演出を楽しみたいと欲する遊技者は、何ら演出選択操作をする必要なしに、自己の希望する魔法使いのキャラクタで戦闘演出(リーチ演出種)を楽しむことができる。初期の選択位置が常に一定である場合には、キャラクタ選択演出が発動された際、演出選択操作をして好みのキャラクタに選択し直さなければならないが、そのような選択の煩わしさから開放される。
もちろん、上記キャラクタ以外のキャラクタを選択したいと希望するときは、演出用操作手段としての枠演出ボタン13を操作することで、演出選択画面に表示された選択肢の範囲から自己が希望する1つのキャラクタ(リーチ演出種)を選択することができ、選択したキャラクタとモンスターとの戦闘演出を楽しむことができる。
このキャラクタ選択演出の選択態様は既に図13で述べたものと同じであり、枠演出ボタン13の操作によって、選択されているリーチ演出種の選択肢(キャラクタ)を切り替え表示させる。液晶表示装置36の最前面に明るく表示されている演出種の選択肢が現在選択されている演出種となる。この位置が選択位置(仮想的なカーソル位置)である。そして、これらの演出種は、枠演出ボタン13が1回操作される毎に表示位置を1つずつ変化させるように、たとえば巡回式に表示される。そして、キャラクタ選択演出の終了時(選択演出の演出時間(選択期間)の経過時)に、選択位置に表示されている演出種が、最終的に選択演出によって選択された演出種として確定される。
上記では特定種変動パターンコマンドとして、ハズレリーチ変動パターンコマンドを例にして説明したが、どのような変動パターンコマンドを特定種変動パターンコマンドとするかは適宜定めることができる。たとえば、ハズレと大当りの双方の場合を含めたリーチ変動コマンド(図21の変動パターンP2〜P5)や、リーチを含まない場合をも含めたハズレ変動パターンコマンド(図21の変動パターンP1、P2、P4)に基づいてリーチキャラ選択演出を発動させるように構成することもできる。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態について説明する。上述した第4の実施形態では、主制御部(主制御基板20)から送られてくる演出制御コマンドのうち特定の演出制御コマンドが直接的に選択演出を発動させる素因となる構成、すなわち特定の演出制御コマンドの受信回数に基づいて選択演出の発動が許可される構成を説明した。しかしこの第5の実施形態では、特定の演出制御コマンドが直接的ではなく間接的に選択演出を発動させる素因となる構成、すなわち特定の演出制御コマンドに基づいて決定される演出シナリオの生起回数に基づいて選択演出の発動が許可されるようにした構成としている。以下では、第4の実施形態で述べた構成要素と同じ構成要素については重複記載を避けるため、詳細な説明は適宜省略する。
本実施形態においても第4の実施形態と同様に、図柄変動表示ゲーム中に、遊技者に枠演出ボタン13を操作させて図柄変動表示ゲームに関連して行われる表示演出または音響演出に関する演出種(演出の種類)を選択させる選択演出が実行されるようにした構成である。
ここでは、第4の実施形態と同じく選択演出を伴うリーチ演出として、キャラクタがモンスターと戦うバトル形態の戦闘演出を例にとって説明する。
演出制御部(演出制御基板24)は、主制御基板20から送られてくる特定種変動パターンコマンド(ここでは、図21に示すハズレリーチ演出となる変動パターンコマンドP4とする)を受信すると、これに基づく演出シナリオの抽選を行う。この変動パターンコマンドP4に基づく演出シナリオ抽選により選択され得る演出シナリオとして「キャラクタ獲得演出」を設けてある。上記「キャラクタ獲得演出」では、リーチ演出種の選択肢(キャラクタ)が追加された旨が報知され、遊技者はその旨を知ることができる。たとえば、初期状態でキャラクタ「魔法使い」のみ選択可能である場合、上記「キャラクタ獲得演出」によりキャラクタ「僧侶」が追加された旨の報知がなされる。なお、追加されるキャラクタは第4の実施形態で説明したように、抽選により決定する構成としてもよい。また追加されるキャラクタには上限数が定めてあり、その上限数に達した段階でキャラクタが追加されないようになっている。この点、第4の実施形態で説明した発動抑制手段を有する構成と同じである。
演出制御CPU241は発動監視手段として、特定の演出(ここでは、「キャラクタ獲得演出」)が決定されたか否かを確認する特定演出決定確認手段と、特定演出決定確認手段により上記特定の演出の決定がなされたことを条件に上記選択演出の発動を許可することが可能な発動許可手段と、有しており、上記選択画面表示手段は、上記発動許可手段により上記選択演出の発動が許可されたことを条件に追加の演出種を選択肢に加えて、当該選択演出で選択可能な演出種の選択肢の範囲を明らかにした演出選択画面を液晶表示装置36に表示する。
上記特定演出決定確認手段は、キャラクタ獲得演出の決定がなされた回数を計数する特定演出計数手段を有し、上記「キャラクタ獲得演出」が選択されるごとにその回数を加算していく。ここで混同してはならないのは、本例では、キャラクタ獲得演出の選択回数と追加されるリーチ演出種の数とが比例関係でない点である。本実施形態では、キャラクタ獲得演出が複数回選択された場合であっても、後述する「キャラクタ選択演出」が選択されるまで、それ以上演出種が追加されないようになっている。かかる関係の下で次回のキャラクタ選択演出が発動した際、その演出選択画面内にキャラクタ選択演出の選択対象であるリーチ演出種の選択肢(キャラクタ)が1種類分拡大された選択肢の範囲が表示される。したがって、たとえば、初期状態でキャラクタ「魔法使い」のみ選択可能である場合、次回のキャラクタ選択演出が発動されれば、その発動の誘因となったキャラクタ獲得演出の選択回数が複数回であったとしても、キャラクタ「僧侶」のみが追加された演出選択画面が表示されることになる。しかし、キャラクタ獲得演出の選択回数に応じて追加されるリーチ演出種については特に制限はなく、その関係は適宜定めることができる。
上記特定演出計数手段は、大当りが生起するまでの期間においてその計数機能が作用し、大当りが生起することで計数内容がクリアされるようになっている。しかし上記計数内容をクリアする条件は適宜定めることができ、たとえば、大当りが生起するまでの期間、または一定の変動回数までの期間、または一定の時間が経過するまでの期間、または予め設定された複数種類の期間から抽選により定められる期間が経過するまで、のいずれかの計数期間について、上記発動回数を加算し、上記計数期間の終了と共に計数値を初期値に戻す(クリアする)構成とすることができる。
上記「キャラクタ獲得演出」が選択されると、発動許可手段により選択演出の発動が許可される。したがって、本実施形態では、上記発動監視手段による監視対象は、特定の演出制御コマンドそのものではなく、そのコマンドに基づいて選択され得る特定の演出シナリオとなる。
演出制御部は、主制御基板20から所定の変動パターンコマンド(ここでは、図21に示すスーパーリーチ演出となる変動パターンコマンドP4、P5)を受信した場合、これに基づく図柄変動表示ゲームにおいては、上記発動許可手段により選択演出(キャラクタ選択演出)の発動が許可されたことで上記キャラクタ選択演出を発動させる。すなわち、当該図柄変動表示ゲーム中において、選択画面表示手段(演出制御CPU241)によって液晶表示装置36に演出選択画面が出現し、この演出選択画面内にキャラクタ選択演出の選択対象であるリーチ演出種の選択肢(キャラクタ)の範囲が明らかに表示される。同時に、この選択肢の範囲には、特定演出計数手段による計数値に応じて追加のリーチ演出種の選択肢(キャラクタ)が加えられ、その演出種の選択肢の範囲が拡大される。たとえば、上記キャラクタ獲得演出の選択回数が1回(上記特定演出計数手段による計数値が1回)において「キャラクタ選択演出」が選択されるという関係にある場合には、上記キャラクタ獲得演出の選択回数が1回のときに、初期状態のキャラクタ「魔法使い」に加え、キャラクタ「僧侶」の計2種類のキャラクタ、つまり2種類のリーチ演出種の選択が可能となる。この点、キャラクタ選択演出発動回数の増加に伴って新しくリーチ演出種が追加され、新しい演出種であるリーチ演出種が選択可能となる第4の実施形態と同じである。
上記キャラクタ選択演出が発動されて演出選択画面が表示される場合、最初は、予設定手段(演出制御CPU241)により、その演出選択画面に加えられた上記追加のリーチ演出種についての選択肢(キャラクタ)が、初期の選択状態として予め設定される。しかし、当該キャラクタ選択演出の時間内において、遊技者が自己の好みのキャラクタの選択肢を手操作で選択し、対応するリーチ演出種の手操作設定をしたときは、次回のキャラクタ選択演出におけるカーソル初期位置が、この前回選択したキャラクタのリーチ演出種に合わせられる。たとえば、キャラクタ選択演出発動回数3回目(選択可能なキャラクタは魔法使い、僧侶、戦士の3つ)において、前回で魔法使いが選択されている場合は、同じ魔法使いが予設定される。そして、そのまま何もしないで選択演出の演出時間が経過すると、演出確定手段(演出制御CPU241)によって、その時点で現に選択されている選択肢(魔法使い)に係る上記追加のリーチ演出種が最終的に選択されたものとして確定する。
この実施形態において、演出選択画面が表示された際に、直前の複数回の選択履歴を参照し、少なくとも2回以上同一選択種(同じキャラクタによるリーチ演出種)が選択されている場合、その演出種と同じ演出種についての選択肢を初期の選択状態として予め設定する構成とすることもできる。
このためキャラクタ選択演出において毎回自己が好むキャラクタ(魔法使い)を選択することとし、このキャラクタに対応する戦闘演出を楽しみたいと欲する遊技者は、何ら演出選択操作をする必要なしに、自己の希望する魔法使いのキャラクタで戦闘演出(リーチ演出種)を楽しむことができる。初期の選択位置が常に一定である場合には、キャラクタ選択演出が発動された際、演出選択操作をして好みのキャラクタに選択し直さなければならないが、そのような選択の煩わしさから開放される。
もちろん、上記キャラクタ以外のキャラクタを選択したいと希望するときは、演出用操作手段としての枠演出ボタン13を操作することで、演出選択画面に表示された選択肢の範囲から自己が希望する1つのキャラクタ(リーチ演出種)を選択することができ、選択したキャラクタとモンスターとの戦闘演出を楽しむことができる。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態として、図柄変動ゲーム中に小当りに当選し、その小当り後に展開される表示演出または音響演出に関する演出種(演出モード)を遊技者に選択させるモード選択演出(選択演出)が、遊技中に出現するようにした構成について説明する。この選択演出における演出種(演出モード)の選択肢は、図柄変動ゲーム中に小当りに当選することを条件に増加し、遊技者は演出モードA、B、C・・・などから任意に選択することが可能となる。
主制御部(主制御基板20)は、演出制御コマンドとして、少なくとも大当り種別情報を含む変動パターンコマンドを作成し、これを演出制御部(演出制御基板24)に指示する。このコマンドには大当りの複数の種別のうち特定当り(小当り)の当選を示す特定当り情報が含まれる。
本実施形態では、上記発動監視手段としてのコマンド確認手段により上記特定当り情報を含む演出制御コマンドであることが確認された場合、上記発動許可手段によりモード選択演出の発動が許可される。
ここでは上記モード選択演出の発動が許可されている状態下において、所定の遊技期間中に枠演出ボタン13の操作が確認されることにより、上記モード選択演出が発動する構成となっている。所定の遊技期間中とは、たとえば、図柄変動表示ゲームが行われていない非図柄遊技期間中(図柄変動表示ゲームの一部の期間を含む(たとえば図柄変動表示ゲーム開始後、所定の時間が経過するまで))である。上記非図柄遊技期間中に演出種である演出モードの切り替え選択が可能なように構成することで、次回の図柄変動表示ゲームにおいては、演出モード選択演出後に展開される演出の演出モード下で遊技に興じることができる。
上記非図柄遊技期間中に遊技者による枠演出ボタン13の操作が確認されると、選択画面表示手段により演出種(演出モード)の選択肢の範囲を明らかにした演出選択画面を液晶表示装置36に表示する。この選択画面表示手段は、上記モード選択演出の発動が許可されることを条件に、上記演出種(演出モード)を追加して選択肢の範囲を拡大する。このため、本実施形態の演出制御部(演出制御CPU241)は、特定当り情報を含む演出制御コマンドに基づいて、小当り当選回数を計数する機能部(当選回数計数手段)を有し、選択画面表示手段は、その計数値に基づいて演出種(演出モード種)を追加して選択肢の範囲を拡大する。
なお、上記当選回数計数手段は大当りが生起するまでの期間においてその計数機能が作用し、大当りが生起することで計数内容がクリアされるようになっている。しかし上記計数内容をクリアする条件は適宜定めることができ、たとえば、大当りが生起するまでの期間、または一定の変動回数までの期間、または一定の時間が経過するまでの期間、または予め設定された複数種類の期間から抽選により定められる期間が経過するまで、のいずれかの計数期間について、上記当選回数を計数し、上記計数期間の終了と共に計数値を初期値に戻す(クリアする)構成とすることができる。
この演出選択画面が表示された際には、演出選択画面に加えられた追加の演出種(演出モード)についての選択肢が、予設定手段(演出制御CPU241)により初期の選択状態として予め設定される。
また演出確定手段(演出制御CPU241)を有しており、上記モード選択演出の演出時間が経過した時点で、上記予設定手段または手操作選択手段により現に選択されている選択肢の演出種(演出モード)を、最終的に選択されたものとして確定する。正確には、最初は、予設定手段(演出制御CPU241)により、その演出選択画面に加えられた上記追加の演出モードについての選択肢が、初期の選択状態として予め設定される。しかし、当該モード選択演出の時間内において、遊技者が自己の好みの演出モードの選択肢を手操作で選択し、対応する演出モードの手操作設定をしたときは、次回の選択演出におけるカーソル初期位置が、この前回選択した演出モードの選択肢に合わせられる。したがって、このモード選択演出においては、何もしないで放置しておくと、手操作設定手段により初期の選択状態として予め設定された上記遊技者の好む演出種(演出モード)についての選択肢が、自動的に確定された演出種(演出モード)として設定される。
よって、自己が好む演出モードを選択して、小当り後に展開される表示演出または音響演出を楽しもうと欲する遊技者は、何ら演出選択操作をする必要なしに、自動的にその希望する演出モードの選択を行うことができる。このため、図柄変動ゲーム中に小当りに当選してモード選択演出が発動されるたびに、自己の希望する演出モードへ切り替える、という選択操作を、手動で行う煩わしさから開放される。
この実施形態においても、演出選択画面が表示された際に、直前の複数回の選択履歴を参照し、少なくとも2回以上同一選択種(演出モード)が選択されている場合、その演出種と同じ演出種についての選択肢を初期の選択状態として予め設定する構成とすることもできる。
以上では、小当り当選することを条件に演出種(演出モード)が追加される例について説明したが、図柄変動表示ゲームが所定回数行われたことを条件に演出種(演出モード)が追加する構成としてもよい。図柄変動表示ゲームが行われた回数は、図柄変動表示ゲーム開始時または終了時に主制御部(主制御基板20)側から送られてくる変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドあるいは演出停止コマンドに基づいて演出制御部(演出制御基板24)側が把握することができる。
また上記非図柄遊技期間中の一例として、図柄変動表示ゲームの図柄の変動動作と停止動作が一定期間以上行われない、いわゆるデモ状態中において、選択演出後の演出モードを切り替えることができるモード選択演出の発動がなされるように構成してもよい。
すなわち、演出モードの演出種が増加して行く途中、デモ状態(デモ画面表示中)に移行した場合において、上記小当り回数または上記変動回数が所定値に達してモード選択演出の発動条件が達成されたときは、デモ状態中に切り替わったことを条件にモード選択演出が発動される。デモ状態下での演出選択画面の出現は、第1〜第5の実施形態のように図柄変動表示ゲーム期間中に演出選択画面を出現させる替わりに、または図柄変動表示ゲームが終了してデモ状態に切り替わるまでの期間中に演出選択画面を出現させることと並行して、生じるように構成することもできる。