[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打
球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示(以下、変動表示または変動とも称する)し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)と、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、演出図柄表示部9cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、たとえば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、演出図柄表示部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、演出図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9b)に対して1つの演出図柄表示部9cが設けられ、演出図柄表示部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(たとえば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効
入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行なう。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行なう。ここで、本実施の形態では、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示と第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示とは同時に可変表示することが可能である。
飾り図柄の可変表示を行なう第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2
保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置9の右方には、ゲート32が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aによって検出される。また、ゲート32の下方には、作動ゲート17が設けられている。作動ゲート17を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ17aによって検出される。
ここで、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート17を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ17aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。そのため、大当り遊技状態終了後に遊技者が遊技を休憩した場合に、遊技者の休憩中に大当り遊技状態への制御が進行してしまわないように制限することができる。特に、この実施の形態では、後述するように第2特別図柄の変動時間が15分や5分と長いので、第2特別図柄の変動表示が実行されて長時間の変動表示中に遊技者が休憩に入ってしまう場合がある。このような場合であっても、その第2特別図柄の変動表示が大当りとなっても休憩中に大当り遊技が進行してしまうことを制限することができ、遊技者の利益が損なわれる事態を防止することができる。なお、この実施の形態では、ゲート32とは別に作動ゲート17を設ける場合を示しているが、ゲート32と作動ゲート17とを共通のゲートとして構成するようにしてもよい。また、必ずしも作動ゲート17を設ける必要はなく、大当り図柄が導出表示されると、そのまま図柄確定表示時間経過後に大当り遊技に移行するように構成してもよい。
作動ゲート17の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。第1カウントスイッチ23aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置20の下方には、小当り用の特殊入賞口24を形成する特殊可変入賞球装置22と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられており、図1に示すように、左側に特殊可変入賞球装置22が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置15が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口24や第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変
化させる。特殊可変入賞球装置22は、第2特別図柄表示器8bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口24を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置15は、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口14を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図1に示すように、可変入賞球装置15と比較して特殊可変入賞球装置22の方が若干大きい。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置20に入賞することなく遊技領域7を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置15の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置15の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口14が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口14に入賞し、特殊可変入賞球装置22の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口14が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置15の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置22の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置22の底面部材が後退移動されて特殊入賞口24が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口24に入賞する。さらに、特殊入賞口24も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置22の底面部材の上を移動して、そのままアウト口26の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22が左側に配置され、可変入賞球装置15が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置15の方から特殊可変入賞球装置22の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置15の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置22の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口24内には、特殊入賞口24内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ25a、図5参照)が設けられている。第2カウントスイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置22において開状態となった特殊入賞口24を遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口に遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、たとえば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置22が開放制御されて特殊入賞口24が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置22が閉鎖制御されて特殊入賞口24が閉状態となれば、特殊入賞口24に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口14内には、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ14aが設けられている。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート32、作動ゲート17、特別可変入賞球装置20(大入賞口)、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)、および特殊可変入賞球装置22(特殊入賞口24)が遊技領域7の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域7の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行なう。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、たとえば、演出表示装置9において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置9の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、たとえば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(たとえば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル5を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部9aに
おいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(たとえば29秒)が経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置20の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、たとえば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば6ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、たとえば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、たとえば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置22が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:たとえば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置22が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(たとえば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。また、第2特別図柄の変動が大当りとならなかったときの一部で小当りとなるよう構成されているため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行なわせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域7の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行なう。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。たとえば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、たとえば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、たとえば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(たとえば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域7の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行なう。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。たとえば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、たとえば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、たとえば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、KT状態における本来の遊技性が損なわれることから、第1KT状態にしか移行しないようにして、通常状態で右打ちしても小当り遊技による賞球をあまり得られないように構成している。
具体的には、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢
えて右打ち操作を行なって第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。なお、非KT状態において右打ちをした場合には、警告音を出力することで左打ち操作を促すようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。さらに、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(たとえば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(たとえば「7」)が停止表示される。
また、演出図柄表示部9cでは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。たとえば、演出図柄表示部9cにおける3つの表示領域において演出図柄が可変表示される。リーチ演出を行なう場合には、たとえば、可変表示中に左右の演出図柄が停止表示される。そして、基本的に第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、演出図柄表示部9cにおいて演出図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において演出図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、演出図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような演出図柄(たとえば、左中右が揃った状態の3つの演出図柄)になる。以下、そのような演出図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。たとえば、演出図柄表示部9cにおける3つの表示領域において演出図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、演出図柄の可変表示は終了し、演出図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、演出図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示
態様(リーチ)とは、3つの演出図柄のうち停止した演出図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない演出図柄については可変表示(変動表示)が行なわれていること、および全てまたは一部の演出図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、演出図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(たとえば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、演出図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれる。その演出と演出図柄表示部9cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、演出図柄とは異なるもの)を表示させたり、演出図柄表示部9cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図2〜図4は、特殊可変入賞球装置22を示す図である。以下では、図2〜図4を参照して特殊可変入賞球装置22について説明する。なお、この実施の形態については、図2〜図4を用いて特殊可変入賞球装置22の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置22よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置15の構造も特殊可変入賞球装置22の構造と同様である。
図2〜図4に示すように、特殊可変入賞球装置22は、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。特殊可変入賞球装置22は、このベース板部101が遊技領域7にたとえば螺子などで固定されることで、遊技領域7に固定支持される。ベース板部101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口24(可変入賞球装置15の場合は第2始動入賞口14)が形成されるとともに、ベース板部101における特殊入賞口24よりも上方の位置には、底面部材23が後退移動した際に、底面部材23を遊技領域7の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102が形成されている。なお、本実施形態において特殊入賞口24は詳しくは、ベース板部101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材23は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102は、底面部材23の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23は、図3に示す前進移動された状態と、図4に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図2〜図4に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、前進移動した状態の底面部材23の上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部113と、底面部材23の下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部114とが形成されている。
また、流路形成台部112の上部には、上流側流路部113および下流側流路部114の底面部材23側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口24を左右および下方か
ら囲うようにして、底面部材23の下方に落下した遊技球を特殊入賞口24に案内する案内流路部115が形成されている。
上流側流路部113および下流側流路部114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部115の底部は、特殊入賞口24側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口24の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口24側(遊技領域7の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部116が配設されている。
またさらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆う被覆部117が一体に形成されている。この被覆部117は、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠2側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置22では、ベース板部101と被覆部117との間において、上流側流路部113、底面部材23、および下流側流路部114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101および被覆部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101および被覆部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、または被覆部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101および被覆部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部117のうちの上流側流路部113を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されるとともに、被覆部117のうちの下流側流路部114を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101および被覆部117のうちの底面部材23を覆う部位には、ベース板部101および被覆部117に交互に形成された規制片118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、図3を参照し、本実施形態の特殊可変入賞球装置22(および同様に構成された可変入賞球装置15)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)を基本的に通過する。一方で、図4を参照し、底面部材23が後退移動した特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部112の案内流路部115に落下することが可能となり、この案内流路部115を流下して、特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞することが可能となる。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、特殊可変入賞球装置22を開閉するソレノイド106、および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド206を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、演出図柄を可変表示する演出図柄表示部9cと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行なう。
図6は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ202および入力ポート20
3を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)209に、演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図6には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU201は、入出力ポート205を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22内に特殊入賞口ランプ24aが設けられており、ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ24aに供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU201とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形ま
たは記号等(飾り図柄、演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP209に出力する。VDP209は、演出制御用CPU201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行なうVDP209が演出制御基板80に搭載されている。VDP209は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP209は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(たとえば、図6に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(たとえば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なう(ステップS4)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電
源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を
生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、たとえば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(たとえば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行なう表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り、小当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(6)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り、小当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置20、特殊可変入賞球装置22を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行なう(ステップS26C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器10や可変入賞球装置15を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行なう(ステップS27a)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行なうための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行なうための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(ステップS32)。CPU56は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(ステップS33)。CPU56は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つ
の表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行なう。
図10は、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを示す説明図である。図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図10の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
また、図10(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルは、第1特別図柄については、判定値が設定されておらず、第2特別図柄にのみ小当り判定値が設定されている。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を小当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、小当り判定用乱数値が図10(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図10(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図10(B)の小当り判定テーブルにより小当りに決定される。
図11は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図11(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図11(
B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図12〜図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図12〜図14に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図12〜図14に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#A〜#18の25種類とが用いられる。以下、たとえば変動パターン#n(n=01〜07またはA〜18)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図12(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図12(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図13(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#A〜#02のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#Aが決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。小当りと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口24への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口24への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#B〜#04のいずれかに決定される。
なお、図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#03(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、
既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置15の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置22内の特殊入賞口24には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置22を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口24に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置22を開状態に制御して特殊入賞口24への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#C〜#07のいずれかに決定される。また、図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#05に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定し、第2変動パターン#07にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置9における演出図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図13(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#D〜#09のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、たとえば、演出表示装置9において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として小当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行なう終了表示を伴う第2変動パターン#08に決定される。また、図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行なう終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#09に決定される。
なお、この実施の形態では、図12に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図14(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#E〜#12のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#10)に決定される場合がある。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#12が決定される。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#11が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図14(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#F〜#15のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#13に決定される場合がある。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#15が決定される。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#14が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図14(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#G〜#18のいずれかに決定される。
なお、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#16に決定される場合がある。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#17に決定される場合がある。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#18が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置9において演出図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、たとえば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#05,#13,#16の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、たとえば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。たとえば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図13および図14に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15は、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図15(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示し、図15(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示している。
まず、図15(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(1)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置15が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図15(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置22の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口24に遊
技球が入賞することは極めて稀である(たとえば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15の開放を終了した後、次の可変入賞球装置15の開放を行なえるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図15(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(2)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置15が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置15の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図15(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が進入しやすく特殊入賞口24に遊技球が入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置15を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって普通図柄プロセス処理(ステップS26C参照)が実行されることによって行なわれる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS26Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(たとえば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのよう
な態様にかぎられない。たとえば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、たとえば、可変入賞球装置15を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口24への入賞を抑制することができる。
また、たとえば、可変入賞球装置15の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図15(1)に示すような可変入賞球装置15を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図15(2)に示す可変入賞球装置15を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置15の開放時間を短くしてもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行なうときに、可変入賞球装置15がロング開放していることに対する違和感を防止することができる。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置15をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置15の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置15に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行なわれてしまうことを防止することができる。
図16および図17は、演出制御用マイクロコンピュータ200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで
指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図16および図17に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態や演出図柄表示部9cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図16および図17に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。たとえば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(たとえば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保
留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の
成立を確認する処理等を行なう。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8b、特別可変入賞球装置20、および特殊可変入賞球装置22を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。なお、図19に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS350〜S360のうちのいずれかの処理を行なう。
ステップS350〜S360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。一方、大当りとしない場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS354に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(強制はずれとした場合)には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2大入賞口開放前処理(ステップS355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出
制御用マイクロコンピュータ200に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置22を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特殊入賞口24に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド106を駆動して特殊可変入賞球装置22を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置22の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22の開放時間0.8秒(図15参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ25aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図20は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU201は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。さらに、演出図柄表示部9cの表示状態の制御を行う
演出図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図21は、図20に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU201は、S700の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S810のうちいずれかの処理を行なう。各処理においては以下のような処理を実行する。
先読み処理(S700):遊技制御用マイクロコンピュータ560が有する保留記憶情報に対応する保留記憶情報(保留情報)を記憶し、当該保留記憶情報を先読み演出のために使用可能とする処理である。先読み演出とは、ある保留記憶情報に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留記憶情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留記憶情報が小当りまたは大当りとなることを示すときに、保留連報知演出と呼ばれる予告演出(図22参照)が先読み演出として実行可能である。以下では、先読み演出の対象とした保留記憶情報を「ターゲットの保留記憶情報」と称する。また、先読み処理の後には、大当り関連処理(S701)、ラッシュ時処理(S702)が実行されるが、詳細は後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当りが発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S808):小当りが発生したときに、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための小当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(S809):小当りにおいて、特殊可変入賞球装置22の開放中における各種の演出制御を行なう。たとえば、小当り遊技状態において、特殊入賞口24内の第2カウントスイッチ25aにより遊技球が検出されたときに各種の演出を実行する。そして、特殊可変入賞球装置22が閉鎖したら、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU201は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。
[大当り中の演出]
次に、本実施の形態で実行される大当り中の演出について説明する。本実施の形態では、大当り表示結果が導出されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。そして、大当り遊技状態中(大当り状態中、大当り中とも称する)には、様々な演出が実行される。
[保留連演出]
たとえば、大当り中の演出として保留連演出がある。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したときに、大当り判定用の乱数値、大当り種別決定用の乱数値、および、変動パターン決定用の乱数値を抽出する。そして、変動表示の実行中でないといった条件や大当り中でないといった条件などの変動表示を開始できる開始条件が、始動入賞時に成立していれば、抽出した乱数値に基づいて変動表示が実行される。
一方、始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、始動入賞時に、抽出した乱数値を示す情報をRAM55に記憶させる。そして、その始動入賞時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に、大当りとするか否かを示す情報および変動パターンを示す情報などを特定可能な先読み結果通知コマンドを送信する。保留記憶は、変動表示の開始条件が成立するたびに、古いものから読出され、読出された保留記憶の情報に基づいて変動表示が実行される。
そのような先読み結果通知コマンドを受信することによって、演出制御用マイクロコンピュータ200は、大当りや特定の変動パターン種別となる変動表示が実行されるまでの間に、大当りや特定の変動パターン種別となるか否かを示唆したり予告したりする先読み演出を実行することができる。
このような先読み演出は、先の大当り状態のときから後の大当り状態となる変動表示までの間に実行される場合がある。本実施の形態においては、先の大当り状態のときに実行される先読み演出を保留連演出という。大当り状態のときに次に大当り状態とすることが決定されている保留記憶がある場合(いわゆる保留連する場合)に次の大当り状態までの間に、成功パターンの保留連演出が実行される。また、失敗パターンの保留連演出が実行されることもある。そして、成功パターンの保留連演出では、その後に通常の大当りでは見ることのできないプレミアム映像が流れる。
また、大当り状態から次の大当り状態と決定されている保留記憶の間に小当り状態となる保留記憶が記憶されていることもある。このような、保留連演出や、保留連演出中に小当り状態に制御される保留記憶がある場合について図22を用いて説明する。
図22は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図22(a)〜(f)の順に大当り中の演出が行なわれる。図22(a)は、大当り開始時の演出表示装置9の画面を示している。遊技状態が大当り状態へと切替わり1ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、大当り中の映像に画像が切替わる。演出表示装置9の画面の右上には、現在のラウンド数を示す画像が表示され、画面の右下には、いずれの演出図柄で大当りが開始されたのかを示す数字図柄が示される。また、画面の左上には、大当り中の入賞により獲得した獲得出玉が合計獲得画像194により示される。図22(a)示すように、大当りの開始時には、獲得数が0個であることが示す「0GET」の合計獲得画像194が表示される。
図22(a)の状態からラウンドが進み、5Rとなったときに、保留連の演出が実行される。保留連演出に成功すると、図22(b)に示すような保留連演出を示す「連チャン」の文字からなる保留連画像195が表示される。また、大当りの映像が通常の大当り映像から保留連の際にしか見ることのできないプレミアム映像へと切替わる。このとき、獲得数が450個であることを示す「450GET」の合計獲得画像194が表示される。その後、1つ目の大当り終了のラウンドである16ラウンドのときに図22(c)の画面が表示される。図22(c)に示すように、プレミアム映像が流れ、獲得数が1550個であることを示す「1550GET」の合計獲得画像194が表示される。
1つ目の大当りから2つ目の大当りの間の保留記憶の中に、小当りに関する情報が記憶されているときには、図22(d)に示すような画面が表示される。図22(d)では、1回の小当り当選で特殊可変入賞球装置22の特殊入賞口24に遊技球が入賞することにより100個の遊技球を獲得したことを示す「+100」の文字で表示される第1獲得画像196が表示される。第1獲得画像196は、画面中央において虹色の背景とともに表示される。このような、大当り間の小当りによる演出を獲得報知演出とも称する。また、
画面の右下には、小当り当選を示す図柄である「123」の数字がバラケ目で表示される。また、画面の右上にはこの一回の小当り当選が1ラウンドとして計数されることを示す「17R」のド表示がされる。また、画面の左上には、1つ目の大当りで獲得した遊技球との合計の獲得数を示す「1600GET」の合計獲得画像194が表示される。そして、図22(d)では、図22(c)から継続して一連のプレミアム映像が流れる。
次に、小当り状態が終了した後に2つ目の大当りが始まったときの様子を図22(e)により説明する。2つ目の大当りの開始時には、画面の右上に、1つ目の大当りのラウンド数と小当りを1ラウンドとして計数した後、次の大当りの1ラウンドが始まったことを合計した「18R」の文字が表示される。また、画面の右下には、今回の大当り図柄を示す「7」の図柄が表示される。また、画面の左上には、遊技球の合計の獲得数を示す「1750GET」の合計獲得画像194が表示される。このときも、一連のプレミアム映像が継続して流される。
2つ目の大当りの終了時には、図22(f)のような画面となる。画面の右上には、1つ目の大当りのラウンド数と小当りを1ラウンドとして計数した後、次の大当りのラウンド数とを合計した「33R」の文字が表示される。また、画面の右下には、今回の大当り図柄を示す「7」の図柄が表示される。また、画面の左上には、遊技球の合計の獲得数を示す「3200GET」の合計獲得画像194が表示される。このときも、一連のプレミアム映像が継続して流される。
図22に示すように、大当り状態から次回の大当り状態までの間に一連の映像として保留演出によるプレミアム映像が流れる。このような、プレミア映像は、大当り状態から次回の大当り状態が開始されるまでの特定の期間に小当り状態に制御されるときにも流れる。このようにすれば、映像による演出が一連であるので、遊技状態が変化しても大当りが継続している印象を与えることができる。よって、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に大当り状態とは異なる小当り状態に制御されることが決定されている保留記憶がある場合に、遊技の興趣を向上させることのできる。
なお、1つ目の大当りの終了後には、次の大当りまでにはずれ変動が含まれることもあるが、この場合であってもプレミアム映像が継続して流れる。
[ラッシュ中の演出]
次にラッシュ中の演出について説明する。本実施の形態では、大当り遊技状態の終了後、高確率/第1KT状態あるいは高確率/第2KT状態となれば、ラッシュ状態に突入する。ラッシュ状態において、高確率/第1KT状態では小当りによる出玉の獲得が望めない。それに対し、高確率/第2KT状態のラッシュ状態であれば、小当りが発生しやすく、発生した小当りにより特殊入賞口24に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。よって、確率/第2KT状態のラッシュ状態中は、他の遊技状態と比べ出玉の増えやすい遊技状態である。
図23は、ラッシュ中に実行される演出を示す演出図面である。大当り遊技状態の終了後にラッシュ状態となったときには、図23(a)に示すような、ラッシュ中の画面となる。図23(a)に示すように、演出表示装置9の画面の中央には、左,中,右の図柄表示エリア91,92,93において、現在変動表示が実行されていることが下向きの矢印により示される。また、画面の右上には、大当りで獲得した獲得出玉とラッシュ中の出玉との合計数を示す合計獲得画像194が表示されている。また、画面の右側には、現在ラッシュ状態中であることを示す「RUSH」の文字が表示される。また、画面の左下には、発生した保留記憶情報を表示する保留表示Hが保留記憶情報の数に対応して表示される。
図23(a)の状態から、現在の変動が小当り表示結果となる変動であった場合には、図23(b)のように、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。なお、図23(b)の白抜きの偶数図柄は、青色である。また、画面の右下には、小当り中に獲得した出玉が「+100」の文字の第2獲得画像197として表示される。
図23(b)に示すように、ラッシュ状態において小当り状態となったときに、特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞したことを報知する第2獲得画像197が表示される。このようにすれば、遊技球を獲得したことが明確に報知されるので、小当り状態に制御されたことが分かり易く、また、演出に勢いを付けることができる。よって、小当り状態に制御されたときの興趣を向上することができる。
また、図23(a)の状態から、現在の変動が小当り表示結果となる変動であった場合であり、かつ、保留記憶内に小当り状態に制御される保留記憶があるときは、図23(c)のような表示画面となる。図23(c)では、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。ここまでは、図23(b)と同じである。しかし、画面の右下には、小当り中に獲得した出玉が「GET」の文字の第3獲得画像198として表示される。
図23(b),(c)に示すように、小当り状態中において、保留内に小当り状態に制御されると判定された保留記憶がない場合の第2獲得画像197と、保留内に小当り状態に制御されると判定された保留記憶がある場合の第3獲得画像198とは、異なる態様で表示される。このようにすれば、小当り状態に制御されると判定された保留記憶がある場合(保留情報が記憶されている場合)に、遊技者に特別感を与えることができる。よって、今後の遊技状態に期待を持たせることができる。
また、図22(d),図23(b),(c)に示すように、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に小当り状態に制御されるときの第1獲得画像196と、それ以外の期間での第2獲得画像197や第3獲得画像198とで獲得画像の表示態様を異ならせて表示している。このようにすれば、これらの状態の中で最も遊技球を獲得できる保留連演出中の小当り状態による第1獲得画像196は、他の状態のときの獲得画像より、画面の中央で大きく、また虹色で表示される。これにより、大当り間の小当り状態に制御されるときに特別感を与えることができる。
次に、図23(a)の状態から、確変大当りとなったとき(高確率/第1KT状態または高確率/第2KT状態)には、図23(d)に示すような画面となる。図23(d)に示すように、表示結果として確変大当り状態に制御されることを示す「777」の奇数図柄の組合せが表示される。なお、図23(d)の塗りつぶしの奇数図柄は、赤色である。その後、図23(e)に示すように、確変大当りが開始され、確変大当りに対応する映像が流される。なお、小当りによる出玉獲得が望めない高確率/第1KT状態と小当りによる出玉獲得が望める高確率/第2KT状態とでは、確変大当り図柄を異ならせてもよい。たとえば、高確率/第1KT状態となるときには、「333」の奇数図柄で表示し、高確率/第2KT状態となるときには、「777」で表示することで特別感を出すことができる。また、「3」図柄と「7」図柄とで数字の色を異ならせてもよい。
また、図23(a)の状態から、通常大当りとなったとき(低確率/第1KT状態)には、図23(f)に示すように、ラッシュ状態の終了を示す「END」の図柄が表示される。そして、図23(g)に示すように、通常大当りが開始され、通常大当りに対応する映像が流される。また、通常大当り終了後に、100回の低確率/第1KT状態の変動が
終了すると、非KT状態に制御される。
図23に示すように、表示結果には、図23(b)に示す青図柄の組合せから構成される小当り表示結果と、図23(d)に示す赤図柄の組合せから構成される確変大当り表示結果とが含まれる。そして、小当り表示結果が導出表示されたときには小当り状態に制御され、確変大当り表示結果が導出表示されたときには大当り状態に制御される。このように、小当り表示結果であるか大当り表示結果であるかにより表示結果を異ならせることで、制御される遊技状態を分かり易く示すことができる。
また、一連のプレミアム映像が流れていないラッシュ状態中において小当り状態に制御されるときには、図23(b)に示す青図柄の組合せから構成される小当り表示結果を導出表示し、図22(d)に示す一連のプレミアム映像が流れた後のラッシュ状態中に小当り状態に制御されるときは、画面の右下でバラケ目を表示するように制御する。このようにすれば、プレミアム映像の対象が小当り状態に制御されることだと勘違いさせてしまい、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
なお、図23(g)において、通常大当りに対応する映像の途中でラッシュ状態が継続するチャレンジ演出を実行してもよい。チャレンジ演出とは、通常大当りと見せかけて実はラッシュ状態が継続する確変大当りであったことを示す演出である。具体的には、ラッシュ状態の終了を示す「END」の図柄を出した後に、プッシュボタンを押させる演出をし、プッシュボタン操作により画面上の壁が開けばチャレンジ成功でラッシュ状態が継続し、プッシュボタンを操作しても画面上の壁が開かなければチャレンジ失敗でラッシュ状態の終了が確定するような演出である。
[大当り関連処理]
次に、大当り中に実行される大当り関連処理について説明する。図24は、大当り関連処理を示すフローチャートである。大当り関連処理は、演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り関連処理において、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において図22に示すような演出の設定に関連する処理を実行する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
大当り関連処理では、まず、演出制御用CPU201は、大当りの開始時であるか否かを判定する(S500)。演出制御用CPU201は、大当りの開始時であると判定した場合には(S500でY)、保留記憶バッファ内を確認し(S501)、S502へ移行する。一方、演出制御用CPU201は、大当りの開始時でないと判定した場合には(S500でN)、処理を終了する。
S502では、大当りの保留記憶があるか否かを判定する。演出制御用CPU201は、大当りの保留記憶があると判定した場合には(S502でY)、保留連演出の実行の有無を決定し、保留連演出を実行する場合には成功パターンに設定し(S503)、S504へ移行する。
S504では、演出制御用CPU201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶があるか否かを判定する。演出制御用CPU201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶があると判定した場合には(S504でY)、大当り間小当り時の図柄と獲得報知演出を設定し(S505)、一連の大当り映像を流すように設定する(S506)。次いで、演出制御用CPU201は、その他の演出を設定し(S507)、処理を終了する。
S504において、演出制御用CPU201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶
がないと判定した場合には(S504でN)、S505の処理を行なわずに、一連の大当り映像を流すように設定する(S506)。次いで、演出制御用CPU201は、その他の演出を設定し(S507)、処理を終了する。ここで、S506においては、大当り間に小当りがある場合には、図22に示すようなプレミアム映像に加え、小当りの獲得報知演出に関する画像を表示する設定をする。
S502において、演出制御用CPU201は、大当りの保留記憶がないと判定した場合には(S502でN)、保留連演出の実行の有無を決定し、保留連演出を実行する場合には失敗パターンに設定する(S508)。次いで、演出制御用CPU201は、大当り終了によりプレミアム映像ではない通常の大当り映像が終了するように設定する(S509)。そして、その他の演出を設定し(S507)、処理を終了する。
なお、保留連演出として成功パターンと失敗パターンを設けるのではなく、S502において大当りの保留記憶がある場合にのみ保留連演出が実行されるようにしてもよい。また、保留連演出は、大当りの開始時からプレミアム映像が流れるものでもよく、ラウンドの途中で成功や失敗の演出を実行しなくてもよい。
また、S505においては、大当り間小当り時の図柄と獲得報知演出を設定する場合には、獲得報知演出を実行するためのフラグを立てておくようにしてもよい。そして、小当り変動の開始時に当該フラグの有無を確認し、獲得報知演出を実行するようにしてもよい。
[ラッシュ時処理]
図25は、ラッシュ時処理を示すフローチャートである。ラッシュ時処理は、演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。ラッシュ時処理では、ラッシュ時である場合に、実行される変動表示の結果に応じて、大当り図柄や獲得報知演出を決定する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
ラッシュ時処理では、まず、演出制御用CPU201は、現在の遊技状態がラッシュ中であるか否かを判定する(S520)。演出制御用CPU201は、現在の遊技状態がラッシュ中であると判定した場合には(S520でY)、S521へ移行する。一方、演出制御用CPU201は、現在の遊技状態がラッシュ中でないと判定した場合には(S520でN)、その他の演出を設定し(S525)、処理を終了する。
S521では、演出制御用CPU201は、今回の変動が大当りであるか否かを判定する。演出制御用CPU201は、今回の変動が大当りでないと判定した場合には(S521でN)、今回の変動が小当りであるか否かを判定し(S522)、小当りである場合には(S522でY)、S523の処理へ移行する。S522において、演出制御用CPU201は、今回の変動が小当りでないと判定した場合には(S522でN)、その他の演出を設定し(S525)、処理を終了する。S523おいて、演出制御用CPU201は、保留記憶内に小当りの保留記憶があるか否かを判定する(S523)。そして、演出制御用CPU201は、保留記憶内に小当りの保留記憶があると判定した場合には(S523でY)、小当り保留あり時の獲得報知演出を設定し(S529)、その他の演出を設定し(S525)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU201は、保留記憶内に小当りの保留記憶がないと判定した場合には(S523でN)、小当り保留なし時の獲得報知演出を設定し(S524)、その他の演出を設定し(S525)、処理を終了する。
S521において、演出制御用CPU201は、今回の変動が大当りであると判定した場合には(S521でY)、確変大当りであるか否かを判定する(S526)。演出制御
用CPU201は、確変大当りであると判定した場合には(S526でY)、確変大当り時の図柄を設定し(S527)、その他の演出を設定し(S525)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU201は、確変大当りでないと判定した場合には(S526でN)、通常大当り時の図柄を設定し(S528)、その他の演出を設定し(S525)、処理を終了する。このような、ラッシュ時処理で設定された演出内容によって、図23に示すようなラッシュ時の演出が決定される。
[大当り中演出の変形例]
図26は、変形例における大当り中の処理を示すタイミングチャートである。上記の実施形態においては、可変入賞球装置15と特殊可変入賞球装置22とが、併設して配置されている例を説明した。しかし、特殊可変入賞球装置22を設けず、1つの可変入賞球装置15により、上記した各種の処理を実行してもよい。
たとえば、1つの可変入賞球装置15であるいわゆるアタッカーを用いる場合には、このようなアタッカーが第1の大当り区間において1R〜16Rまで開閉を繰返す。そして、大当り終了後の変動区間が終了した後、小当り状態に制御されることで、アタッカーが短開放の開閉を5回繰返す小当り区間に移行する。当該小当り区間は、演出表示装置9の画面上では、17Rとして示される。そして、小当り区間終了後の変動区間が終了した後、再度大当り状態に制御されることで、アタッカーが第2の大当り区間において1R〜16Rまで開閉を繰返す。当該第2の大当り区間は、演出表示装置9の画面上では、18R〜33Rとして表示される。このような、第1の大当り区間から小当り区間を含む第2の大当り区間の終了までは、一連の大当りの映像が流される。なお、図22に示したように、大当りの映像は、保留連演出を契機にプレミアム映像が流れるようにしてもよいし、第1大当りの開始時からプレミアム映像が流れるようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態における大当り演出中の処理について説明する。第2実施形態においては、大当り中に楽曲を選択できる場合について説明する。第2実施形態においては、大当り中に遊技者の操作に基づいて複数の楽曲からいずれかの楽曲を選択する選択演出を実行する。第2実施形態においては、パチンコ遊技機1に、操作手段としてスティックコントローラやプッシュボタンが設けられているとする(図示省略)。たとえば、スティックコントローラは、余剰球受皿4を形成する部材の所定位置に取付けられ、プッシュボタンは、打球供給皿3を形成する部材の上面等に取付けられるようにすればよい。これらの操作手段が操作されたときには、内部に設けられたセンサにより遊技者の動作が検出され、当該検出信号が演出制御基板80に送信され、操作に基づいた演出が実行される。なお、選択演出としては、大当り中に複数種類の映像からいずれかの映像を選択できるようにしてもよいし、複数種類のモードからいずれかのモードが選択できるようにしてもよい。
図27は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図27により、大当り中の演出について説明する。図27(a)に示すように、大当り開始時には、楽曲選択画面が表示される。この大当り開始時の楽曲選択画面は、遊技者の操作に関わらず表示される。演出表示装置9の表示画面における左側の領域には、A〜Dの楽曲に対応する項目が表示される。Aの楽曲に対応する第1選択画像170、Bの楽曲に対応する第2選択画像171、Cの楽曲に対応する第3選択画像172、Dの楽曲に対応する第4選択画像173が上から順に並んで表示される。また、第1選択画像170の周囲には、当該画像に対応する項目が選択されていることが縁取りした表示により示されている。
第1選択画像170〜第4選択画像173の右側には、映像領域175が表示される。映像領域175には、A〜Dの楽曲に対応する映像が流れる。大当りの開始時には、第1選択画像170が選択されている状態で、映像領域175に楽曲Aに対応する映像が特定
部(たとえば、楽曲の聞かせどころであるサビ部分)から流れる。また、大当りの開始時には、最初に選択されている楽曲Aに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。ここで、特定部とは、楽曲の聞かせどころであるサビ部分以外の部分であってもよい。たとえば、その楽曲の盛り上がる部分であるがサビ部分とは異なる楽曲の主要部等であってもよい。なお、楽曲に対応する映像や音は、楽曲の最初から再生されるようにしてもよい。
また、演出表示装置9の画面の下部の左側には、スティックコントローラを模した楽曲選択操作を促す選択操作画像176が表示される。また、画面の下部の中央には、プッシュボタンを模した楽曲決定操作を促す決定画像177が表示される。また、画面の下部の右側には、現在の大当りがいずれの図柄による大当りであるのかを示す「7」の画像が表示される。また、画面の上部左側には、現在のラウンド数、画面上部右側には、右側の領域を狙って遊技をすることを促す右打ち指示の画像が表示される。
図27(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されたときの様子を図27(b)を用いて説明する。図27(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、第2選択画像171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域175に楽曲Bに対応する映像が特定部(サビ部分)から流れとともに、楽曲Bに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。
図27(b)の状態から、楽曲Aに決定された場合を図27(c)により説明する。大当り開始時の楽曲選択において、楽曲Aに決定された場合には、大当り開始時の楽曲決定画面として画面中央に移動した映像領域175において、楽曲Aに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Aが最初から再生される。決定操作により、選択操作画像176および決定画像177の表示は消去される。ここで、大当り開始時の楽曲選択操作は、1ラウンド開始から2ラウンドの終了時までの期間行なうことができる。2ラウンド終了時までに選択操作も決定操作もされなければ、初期設定されている楽曲Aに対応する映像や音が2ラウンド終了時から流れることとなる。また、選択操作のみ実行され、決定操作が実行されていない状態で2ラウンドが終了した場合には、選択操作で選択されている項目に対応する楽曲の映像および音が出力される。
図27(c)の状態から、3ラウンド開始時には図27(d)に示すように、画面中央の映像領域175に楽曲Aに対応する映像が続けて流されるとともに楽曲Aに対応する音が出力される。また、3ラウンドの開始時には、画面の下部に選択操作画像176が再び表示される。そして、遊技者がスティックコントローラを操作することにより、図27(e)に示すように、楽曲選択画面が再び表示される。このように、2回目の楽曲選択画面は遊技者の操作に基づいて表示される。なお、1回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、2回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が3ラウンド開始時から最終ラウンド(16ラウンド)までに設定されている。なお、これらの期間はどのように設定されてもよく、選択可能期間が3回以上あってもよく、いずれかのラウンド中は選択操作ができないように設定されていてもよい。
図27(e)の楽曲選択画面では、図27(a)の大当り開始時の楽曲選択画面と比較して、楽曲Aの項目に対応する第1選択画像170の文字が「A」という楽曲を示す文字から「戻る」の文字へと変更されている。また、現在選択されている「戻る」の第1選択画像170は縁取りされて表示される。また、図27(d)の状態からは、楽曲Aに対応する映像と音とそのまま続けて流れている。また、決定画像177が新たに表示されている。このような状態から、スティックコントローが操作されBの楽曲に対応する項目が選
択されると、図27(f)に示すように、第2選択画像171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域175に楽曲Bに対応する映像がサビ部分から流れる。ただし、このような選択操作があった場合であっても楽曲Aの音が引き続き出力される。
図27(f)の状態から、楽曲Aが選択された場合には、図27(g)のようになる。図27(g)では、図27(f)において「戻る」で示す第1選択画像170に対応する楽曲Aの項目が選択されたため、映像領域175においてAに対応する映像が続きから再生される。また、楽曲Aの音がそのまま続けて流される。それに対し、図27(f)の状態から、楽曲Bが選択された場合には、図27(h)のようになる。図27(h)では、図27(f)において「B」で示す第2選択画像171に対応する楽曲Bの項目が選択されたため、映像領域175においてBに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Bの音が最初から再生される。
図27(a)に示すように、大当りの開始時には、複数種類の楽曲に対応する項目が表示される。そして、遊技者は、図27(b)に示すように、選択操作により選択される項目を変更することができる。また、選択操作により、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力が行なわれる。そして、図27(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である。このような状況において、図27(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aの音がそのまま続けて流される。また、図27(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する。
このようにすれば、楽曲Aに対応する楽曲を流しつつも他の選択項目に何があるか確認することができる。そして、再度楽曲Aに決め直した場合であっても楽曲Aが最初から再生されず途中から継続して流れるので、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。より具体的には、すでに選択された楽曲が再度選択されることで、その楽曲が最初から再生されてしまうと煩わしく思うことがあり、興趣が低下してしま虞がある。しかし、上記のような処理により、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、その楽曲が最初から再生してしまうことが防げるので、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図27に示したように、項目を選択する選択演出を大当り状態中に実行可能である。よって、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも大当り状態中における遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、楽曲を選択する楽曲選択演出には、図27(a)に示すように、大当り開始時に遊技者の操作に関わらず実行するラウンド開始時の選択演出と、図27(d)に示すように、3ラウンド開示時に遊技者の操作に基づいて実行される選択演出とが含まれる。このようにすれば、大当り状態中において、選択演出の実行タイミングが複数あるので、1回目の選択演出では楽曲を選ばず2回目の選択演出で楽曲を選択する等の遊技者の好みに応じた選択演出を実行することができる。
また、図27に示すように、ラウンド開始時の1回目の選択演出は1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、3ラウンド開始時の2回目の選択演出は3ラウンド開始時から最終ラウンドまでに設定されている。よって、遊技者の操作に基づいて実行する2回目の選択演出の実行可能な期間を長くすることで、1回目に選択操作ができなかった等の多種態様な遊技者に対応することができる。
また、図27に示すように、楽曲を再生可能であるものにおいて、図27(a),(b
)に示すように、ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合に、項目の変更に応じて再生される楽曲が変化する。それに対し、図27(e),(f)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合であっても、再生される楽曲は変化しない。このようにすれば、頻繁に楽曲が切替わらないため、頻繁に楽曲が切替わることにより遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、図27(e)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、現在実行されている楽曲に対応した項目の表示をラウンド開始時の選択演出の「A」の表示と異なる「戻る」で表示する。このようにすれば、現在流れている楽曲がいずれの楽曲なのかを遊技者に分かり易く示すことができる。
なお、上記した選択演出について、保留連演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて保留連演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで保留連演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する1回目の選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、2ラウンド終了時まで遊技者の決定操作が無い場合には、2ラウンドのラウンド終了時のコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200が受付けたタイミングで、保留連演出を実行するようにしてもよい。また、大当り開始時の選択演出ではなく、3ラウンド目開始時の2回目の選択演出において、遊技者が操作したタイミングで保留連演出を実行してもよい。なお、3ラウンド目開始時の選択演出から最終ラウンドまで、遊技者が選択操作を行なわなかった場合には、選択演出の実行可能な期間が終わった後のタイミングにおいて保留連演出を実行してもよい。
また、有利状態としての大当り状態について、第1有利状態としての通常大当りと、当該第1有利状態よりも有利な第2有利状態としての確変大当りを設けるようにしてもよい。そして、通常大当り中に確変大当りへと昇格する確変昇格演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて確変昇格演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで確変昇格演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、確変昇格演出の場合は、大当り開始時に実行タイミングを決定するものでもよい。そして、確変昇格演出の実行タイミングとして、楽曲の選択時、11R〜13の固定的な確変昇格演出の煽り演出の結果時、エンディング時(16Rの終了後)の複数のタイミングを持つようにしてもよい。この3パターンの中から所定の乱数抽選により、楽曲の選択時のタイミングに決定された場合に、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において確変昇格演出を実行してもよい。
また、ラウンドの異なる大当りを複数設け、ラウンド数が少ない大当りからラウンド数の多い大当りへと昇格するラウンド昇格演出に適用してもよい。
図28は、大当り時楽曲選択処理を示すフローチャートである。大当り時楽曲選択処理は、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り時楽曲選択処理では、大当り時である場合に、図27に示した演出についての処理を実行する。以下、フローチャート
に基づき、具体的に説明する。
大当り時楽曲選択処理では、まず、演出制御用CPU201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であるか否かを判定する(S601)。演出制御用CPU201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であると判定した場合には(S601でY)、初期楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S602)。演出制御用CPU201は、初期楽曲決定フラグがセットされている場合には(S602でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。
S602において、演出制御用CPU201は、初期楽曲決定フラグがセットされていない場合には(S602でN)、楽曲変更期間であるか否かを判定し(S603)、楽曲変更期間であると判定した場合には(S603でY)、選択操作があるか否かを判定する(S604)。一方、演出制御用CPU201は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S603でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。
S604において、演出制御用CPU201は、選択操作があると判定した場合には(S604でY)、楽曲選択に合わせて楽曲に対応する映像および楽曲をサビから再生する(S605)。一方、演出制御用CPU201は、選択操作がないと判定した場合には(S604でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。
S605の後のS606において、演出制御用CPU201は、決定操作があるか否かを判定する(S606)。演出制御用CPU201は、決定操作があると判定した場合には(S606でY)、決定された楽曲に対応する映像および楽曲を最初から再生する(S607)。次いで、初期楽曲決定フラグをセットし(S608)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU201は、決定操作がないと判定した場合には(S606でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。
S601において、演出制御用CPU201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間でないと判定した場合には、最終楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S610)。演出制御用CPU201は、最終楽曲決定フラグがセットされている場合には(S610でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU201は、最終楽曲決定フラグがセットされていないと判定した場合には(S610でN)、楽曲変更画面を表示する(S611)。次いで、画面変更フラグがセットされているか否かを判定する(S612)。
S612において、演出制御用CPU201は、画面変更フラグがセットされていないと判定した場合には(S612でN)、変更操作があるか否かを判定する(S613)。演出制御用CPU201は、変更操作がないと判定した場合には(S613でN)、初期楽曲に対応する映像と楽曲をそのまま流し(S616)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU201は、変更操作があると判定した場合には(S613でY)、画面フラグをセットし(S614)、初期楽曲を「戻る」にした楽曲選択画面を表示し(S615)、S617へ移行する。S612において、演出制御用CPU201は、画面変更フラグがセットされていと判定した場合には(S612でY)、S613からS615の処理を行なわずに、S617へ移行する。
S617では、演出制御用CPU201は、楽曲変更期間であるか否かを判定する。演出制御用CPU201は、楽曲変更期間であると判定した場合には(S617でY)、選択操作があるか否かを判定する(S618)。S617において、演出制御用CPU201は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S617でN)、記憶領域に各種のデー
タを記憶し(S609)、処理を終了する。演出制御用CPU201は、選択操作があると判定した場合には(S618でY)、選択された楽曲に対応する映像をサビから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S619)。そして、S620へ移行する。一方、演出制御用CPU201は、選択操作がないと判定した場合には(S618でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。
S620では、演出制御用CPU201は、決定操作があるか否かを判定する。演出制御用CPU201は、決定操作があると判定した場合には(S620でY)、初期楽曲に決定されたか否かを判定する(S621)。S620において、演出制御用CPU201は、決定操作がないと判定した場合には(S620でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。S621において、初期楽曲に決定された場合には(S621でY)、初期楽曲に対応する映像を続きから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S622)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU201は、初期楽曲に決定されなかった場合には(S621でN)、変更した楽曲に対応する映像を最初から再生するとともに変更した楽曲を最初から再生する(S623)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S609)、処理を終了する。
[楽曲選択制御の変形例]
次に、パチンコ遊技機1において、大当り楽曲等の遊技中に再生する楽曲の選択制御の変形例を説明する。この変形例においては、所定のメニュー画面表示時に遊技者の操作(動作)に応じて、遊技時に再生する楽曲を選択可能とする楽曲選択制御処理を説明する。楽曲選択制御処理は、演出制御用CPU201により実行される。
[メニュー画面の構成]
メニュー画面は、たとえば、客待ちデモ表示(客待ちデモンストレーション表示の略称)時、および、大当遊技状態の開始時等の特定のタイミングにおいて、演出表示装置9で、遊技者により選択可能な各種設定項目を選択肢形式(メニュー形式)の画像で提示する表示画面である。客待ちデモ表示は、遊技が所定期間実行されていない状態(客待ち状態)において、演出表示装置9において、所定の画像を遊技中に表示する画像以外のデモンストレーション表示として表示することをいう。メニュー画面は、メインメニュー画面とサブメニュー画面とを含む。メインメニュー画面は、主な設定項目を一覧形式で表示可能な上層メニュー画像を表示する画面である。サブメニュー画面は、メインメニュー画面で表示された設定項目のうちのいずれかが選択決定されたことに応じて、選択決定された設定項目の詳細事項を表示する画面である。
メニュー画面におけるメインメニュー画面においては、複数種類の設定項目のそれぞれに対応したアイコン画像(以下、アイコンと呼ぶ)が上下方向に並んで表示される。複数種類の設定項目には、遊技時に再生する楽曲を設定するための楽曲選択設定が含まれる。メインメニュー画面において、楽曲選択設定に対応するアイコン画像としては、楽曲に関する情報を特定可能なアイコン画像である楽曲画像が表示される。
メインメニュー画面上では、複数種類の設定項目のうち、1つの選択可能な設定項目に対応するアイコンがハイライト表示(高輝度表示)される選択可能表示がされる。前後方向および左右方向に操作可能なスティックコントローラが前方向に傾倒操作されることに応じて、選択可能表示がされるアイコンが上方向に切替えられ、スティックコントローラが後方向に傾倒操作されることに応じて、選択可能表示がされるアイコンが下方向に切替えられる。プッシュボタンが操作されると、表示画面が、メインメニュー画面から、選択可能表示がされているアイコンに対応する設定項目に対応するサブメニュー画面に切替え
られる。
[楽曲選択画面の構成]
図29は、サブメニュー画面として表示される楽曲選択画面を用いて楽曲が選択決定されるときに実行される楽曲選択制御の制御例を示す図である。
図29(A)には、演出表示装置9に表示可能な楽曲選択画面表示例が示される。図29(B)には、楽曲選択画面における楽曲画像の巡回イメージが示される。図29(C)には、楽曲画像のスクロール速度設定データが示される。図29(D)には、楽曲画像のスクロールモード設定データが示される。図29(E)には、楽曲画像のスクロールモード演出パターンデータが示される。
メインメニュー画面上で、遊技者の操作に応じて楽曲選択設定が選択決定されると、演出表示装置9においてサブメニュー画面として図29(A)に示すような楽曲選択画面が表示される。楽曲選択画面においては、図29(B)に示すような複数種類(たとえば、6種類)の楽曲に対応する楽曲画像が、選択可能楽曲画像96または選択不可能楽曲画像97により表示可能である。複数種類の楽曲に対応する楽曲画像は、図中の矢印で示される巡回順番に従って、左方向または右方向にスクロール表示可能である。楽曲画像は、楽曲名等の楽曲に関する情報(以下、楽曲情報と呼ぶ)が示されたアイコン形状の画像である。楽曲画像のスクロール表示は、スティックコントローラ31Aが左方向または右方向に操作されることに対応して、図29(A)において矢印で示すように、左方向または右方向に楽曲画像が移動する態様で実行される。
図29(B)に示すように、楽曲選択画面において表示される楽曲画像には、再生するための選択が可能となっている選択可能楽曲に対応する選択可能楽曲画像96と、再生するための選択が未だ不可能な選択不可能楽曲に対応する選択不可能楽曲画像97とが含まれる。選択可能楽曲画像96と、選択不可能楽曲画像97とは、次のような条件に基づいて区別して表示される。たとえば、パチンコ遊技機1の電源投入時には、所定の楽曲(たとえば、第1楽曲、第2楽曲)が選択可能楽曲として初期設定され、その他の楽曲(たとえば、第3楽曲〜第6楽曲)が選択不可能楽曲として初期設定される。そして、特定の楽曲追加条件が成立するごとに、選択可能楽曲を追加して増加させる制御が演出制御用CPU201により実行される。これにより、選択不可能楽曲画像97は、楽曲追加条件が成立するごとに、選択可能楽曲画像96に変更可能である。
特定の楽曲追加条件は、たとえば、1日の電源投入時から実行された特別図柄の変動表示回数の積算値(たとえば、演出制御用CPU201が変動表示回数を計数する)が予め定められた回数(たとえば、100回、200回、300回等)に達するごとに成立する。
図29(A)に示すように、楽曲選択画面においては、選択可能楽曲画像96と、選択不可能楽曲画像97とを併せて表示可能である。これにより、楽曲を再生する演出に関する遊技者の興味を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
選択可能楽曲画像96は、楽曲情報等の画像がカラー画像で示される表示態様のアイコン画像で表示される。一方、選択不可能楽曲画像97は、楽曲情報等の画像がグレイ画像(灰色等を用いたモノクロ画像)で示される表示態様のアイコン画像で表示される。図29(A)においては、カラー画像の選択可能楽曲画像96と、グレイ画像の選択不可能楽曲画像97とを区別するために、選択不可能楽曲画像97が斜線で示されている。このように、選択可能楽曲画像96と選択不可能楽曲画像97とが異なる表示態様で表示されることにより、複数種類の楽曲のうち、いずれの楽曲が選択可能(再生可能)かを視覚的に
容易に区別可能である。
図29(A)に示すように、楽曲選択画面の中央部においては、選択対象の楽曲画像が滞留表示(停止表示)可能な領域としての選択領域98が設けられている。楽曲選択画面では、選択領域98において、いずれかの選択可能楽曲画像96が画像の全部を表示する表示態様で滞留表示(停止表示)される。楽曲選択画面では、選択領域98において、選択不可能楽曲画像97が滞留表示(停止表示)されない。
[楽曲選択画面でのスクロール表示態様]
スティックコントローラが左方向に1回傾倒操作されると、その操作に応じて、楽曲画像が左方向にスクロール表示される。一方、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作されると、その操作に応じて、楽曲画像が右方向にスクロール表示される。左方向および右方向のどちらの方向へのスクロール表示においても、1回の操作に応じて、選択領域98において、スクロール表示前に表示されていた選択可能楽曲画像96が、楽曲画像の巡回順番に従って、スクロール表示後に新たな選択可能楽曲画像96に変更される。そのようなスクロール表示がされるときに、選択不可能楽曲画像97は、楽曲画像の巡回順番に従ってスクロール表示されるが、選択領域98上で一旦表示(一時的に留まるような表示)された後に、移動する表示がされる。
スティックコントローラの操作に応じたスクロール表示は、以下に説明するように、スクロール方向の巡回順番における次の巡回順番の楽曲画像が、選択可能楽曲画像96であるときと、選択不可能楽曲画像97であるときとで異なるスクロール表示態様で実行される。
楽曲画像のそのスクロール表示において、操作前に選択領域98に滞留表示されていた選択可能楽曲画像96のスクロール表示方向への巡回順番における1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択可能楽曲画像96であるときは、当該1つ次の巡回順番の選択可能楽曲画像96が、スクロール表示後に新たに選択領域98に滞留表示されることにより、選択領域98に滞留表示される選択可能楽曲画像96が変更される。
つまり、1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択可能楽曲画像96であるときは、スクロール表示後に、その選択可能楽曲画像96が新たに選択領域98に滞留表示される。具体例として、左方向にスクロール表示をする場合において、スクロール表示前において選択領域98に滞留表示されていた第1楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像96であり、図29(B)のように、第1楽曲の次の巡回順番の第2楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像96であるときには、スクロール表示後に、第2楽曲に対応する選択可能楽曲画像96が新たに選択領域98に滞留表示される。
一方、そのスクロール表示において、操作前に選択領域98に滞留表示されていた選択可能楽曲画像96のスクロール方向への巡回順番における1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択不可能楽曲画像97であるときは、当該1つ次の巡回順番の選択不可能楽曲画像97を選択領域98において一旦表示(一時的に留まるような表示)した後に、遊技者の動作によらず、スクロール表示により、当該次の巡回順番の選択不可能楽曲画像97の次の順番以降に対応する選択可能楽曲画像96が、新たに選択領域98に滞留表示されることにより、選択領域98に滞留表示される選択可能楽曲画像96が変更される。
つまり、1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択不可能楽曲画像97であるときは、スクロール表示後に、その選択不可能楽曲画像97を含めそれ以降の巡回順番の選択不可能楽曲画像97が、選択領域98上で一旦滞留表示されつつ選択領域98上を通過する表示がされ、それ以降の巡回順番の選択可能楽曲画像96が、新たに選択領域98に滞留表示され
ることにより、選択領域98に滞留表示される選択可能楽曲画像96が変更される。具体例として、右方向にスクロール表示をする場合において、スクロール表示前において選択領域98に滞留表示されている第1楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像96であり、図29(B)のように、第1楽曲の次の巡回順番の第6楽曲、第5楽曲、および、第4楽曲のそれぞれに対応する楽曲画像が選択不可能楽曲画像97であり、その次の巡回順番の第3楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像96であるときには、スクロール表示において、第6楽曲、第5楽曲、および、第4楽曲のそれぞれに対応する選択不可能楽曲画像97が選択領域98上で一旦表示(一時的に留まるような表示)されつつ選択領域98上を通過する表示がされ、スクロール表示後に、第3楽曲に対応する選択可能楽曲画像96が新たに選択領域98に滞留表示される。
このように、楽曲選択画面においては、遊技者による1回の操作に応じたスクロール表示により、選択領域98において滞留表示する選択可能楽曲画像96を、当該次の順番に対応する前記選択可能画像に変更可能である。
図29(A)に示すように、楽曲選択画面における選択領域98の左右両側の領域においては、選択領域98で停止表示された選択可能楽曲画像96の1つ前の巡回順番の楽曲画像と、1つ後の巡回順番の楽曲画像とのそれぞれが画像の一部を表示する表示態様で停止表示される。これにより、選択可能楽曲画像96は、画像の全部を停止表示する場合と、画像の一部を停止表示する場合とがある。一方、選択不可能楽曲画像97は、画像の全部を停止表示する場合がなく、画像の一部を停止表示する場合がある。選択不可能楽曲画像97については、画像の一部を停止表示するため、選択不可能画像があることを認識可能になることにより遊技の興趣を向上させることができる。
[楽曲選択画面でのスクロール表示設定]
楽曲選択画面でのスクロール表示は、図29(C)のスクロール速度設定データ、図29(D)のスクロールモード設定データ、および、図29(E)のスクロールモード演出パターンデータに基づいて、表示パターン(演出パターン)が設定されて実行される。
図29(C)には、楽曲選択画面でのスクロール表示を実行するときに、スクロール速度を設定するときに用いるスクロール速度設定データが示されている。図29(C)に示すように、楽曲選択画面でスクロール表示を実行するときにおいて、スクロール速度は、次のように設定される。
図29(B)の第1楽曲画像と第2楽曲画像との間、および、第2楽曲画像と第3楽曲画像との間のような、選択可能楽曲画像96と選択可能楽曲画像96との相互間でのスクロール表示は、第1速度V1がスクロール速度として設定される。図29(B)の第4楽曲画像と第5楽曲画像との間、および、第5楽曲画像と第6楽曲画像との間のような、選択不可能楽曲画像97と選択不可能楽曲画像97との相互間でのスクロール表示は、第2速度V2がスクロール速度として設定される。図29(B)の第1楽曲画像と第6楽曲画像との間のような、選択可能楽曲画像96と選択不可能楽曲画像97との間でのスクロール表示は、第2速度V2がスクロール速度として設定される。図29(C)に示すように、第2速度V2は、第1速度V1よりも高速度である。
このように、楽曲選択画面でのスクロール表示については、スクロール速度が、選択可能楽曲画像相互間と、選択不可能楽曲画像相互間とで異なる。これにより、スクロール表示を用いた演出の演出パターンが変化に富むようになり、遊技の興趣を向上させることができる。スクロール表示の速度については、選択不可能楽曲画像相互間の第2速度V2の方が、選択可能楽曲画像相互間の第1速度V1よりも高速度である。これにより、選択不可能楽曲画像97が表示される期間を減少させることが可能となり、遊技の興趣を向上さ
せることができる。
図29(D)には、楽曲選択画面でのスクロール表示を実行するときに、スクロールモードを設定するときに用いるスクロールモード設定データが示されている。スクロールモードは、スクロール表示をするときの演出パターンのモードである。スクロールモードには、低速スクロールモードと、高速スクロールモードとがある。
図29(D)に示すように、選択領域98を基準位置として、スクロールの次巡回順番が選択可能楽曲画像96である場合は、低速スクロールモードが選択される。たとえば、選択領域98に選択可能楽曲画像96である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から左方向にスクロール表示する場合に、次巡回順番が選択可能楽曲画像96である第2楽曲画像であるときは、低速スクロールモードが選択される。一方、選択領域98を基準位置として、スクロールの次巡回順番が選択不可能楽曲画像97である場合は、高速スクロールモードが選択される。たとえば、選択領域98に選択可能楽曲画像96である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から右方向にスクロール表示する場合に、次巡回順番が選択不可能楽曲画像97である第6楽曲画像であるときは、高速スクロールモードが選択される。
図29(E)には、スクロールモード別のスクロール表示の演出パターンデータが示されている。低速スクロールモードでは、第1速度V1で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択可能楽曲画像96を選択領域98に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。たとえば、選択領域98に選択可能楽曲画像96である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から左方向にスクロール表示する場合に、低速スクロールモードにより、第1速度V1で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択可能楽曲画像96である第2楽曲画像を選択領域98に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が行なわれる。
高速スクロールモードでは、第2速度V2で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択不可能楽曲画像97を選択領域98に一旦表示(一時的に留まるような表示)させつつ通過させる飛ばし表示をし、最終的に、次巡回順番の選択不可能画像以降における次の順番の選択可能楽曲画像を選択領域に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。たとえば、選択領域98に選択可能楽曲画像96である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から右方向にスクロール表示する場合に、高速スクロールモードにより、第2速度V2で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択不可能楽曲画像97である第6楽曲画像、第5楽曲画像、および、第4楽曲画像を選択領域に98に一旦表示させつつ通過させる飛ばし表示をし、最終的に、選択可能楽曲画像96である第3楽曲画像を選択領域に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。選択不可能楽曲画像97については、選択領域98において一旦表示されることにより、演出についての遊技者の興味が増すようにすることができる。また、選択不可能楽曲画像97に対応する楽曲を選択できないにも関わらず表示したままにしないので、当該楽曲を選択できると遊技者が勘違いしにようにすることができる。
図29(A)に示す楽曲画像を表示するためのデータ、図29(B)に示す楽曲画像の巡回順番に関するデータ、図29(C)に示すスクロール速度設定データ、図29(D)に示すスクロールモード設定データ、および、図29(E)に示すスクロールモード演出パターンデータのそれぞれは、演出制御用のROMに記憶されており、楽曲選択画面においてスクロール表示が実行されるときに、スクロール表示の各種設定等に用いられる。
[楽曲選択処理]
図30は、演出制御用CPU201により実行される楽曲選択処理の一例を示すフロー
チャートである。以下に説明する楽曲選択処理を実行することで、客待ちデモ表示(デモンストレーション表示の略称)時、および、大当り遊技状態の開始時等の特定のタイミングにおいて、遊技者の操作により、再生する楽曲が選択可能である。これにより、遊技中に再生する楽曲を遊技者の意思(好み)に応じて選択決定することができる。
客待ちデモ表示時に楽曲選択処理を実行する場合は、選択決定された楽曲が、演出図柄の変動表示中に再生される。大当り遊技状態の開始時に楽曲選択処理を実行する場合は、選択決定された楽曲が、たとえば、大当り遊技状態中に再生される。以下においては、大当り遊技状態の開始時に楽曲選択処理を実行する例を説明する。
前述したように、メインメニュー画面において、楽曲選択設定の項目(図示せず)が選択決定されてサブメニュー画面として、図29(A)に示す楽曲選択画面が表示された状態において、遊技者によるスティックコントローラの操作およびプッシュボタンの操作に応じて、遊技中に再生する楽曲の選択決定が可能となる。
具体的に、楽曲選択画面が表示された状態においては、遊技者がスティックコントローラを左方向または右方向に傾倒操作することに基づいて、表示される楽曲画像が左方向または右方向にスクロール表示されることにより、選択領域98に滞留表示される楽曲画像を切替える選択切替操作が可能である。また、プッシュボタンを押圧操作することに応じて、遊技中に再生する楽曲を選択領域98に滞留表示されている楽曲画像に対応する楽曲に決定する決定操作が可能である。
楽曲選択処理は、客待ちデモ表示時に実行される場合に、演出制御プロセス処理において、客待ちデモ表示の実行中の所定期間に亘り実行される。また、楽曲選択処理は、大当り遊技状態の開始時に実行される場合に、演出制御プロセス処理において、客待ちデモ表示の実行中の所定期間に亘り実行される。なお、楽曲選択処理は、客待ちデモ表示時および大当り遊技状態の開始時に限らず、確変状態の開始時、または、時短状態の開始時のような、その他のタイミングで実行してもよい。
以下においては、楽曲選択処理を大当り遊技状態の開始時に実行する例を説明する。
楽曲選択処理において、演出制御用CPU201は、まず、楽曲選択画面が表示されている状態であるか否かを確認するために、楽曲選択中フラグがセットされているか否かを判定する(S720)。楽曲選択中フラグとは、楽曲選択画面(図29(A))が表示されているか否かを判定するためのフラグであって、メインメニュー画面において楽曲選択設定の項目が選択決定されたときに、楽曲選択処理とは別に実行されるメインメニュー表示処理においてセットされ、後述するS730でリセットされる。たとえば、演出制御用CPU201は、楽曲選択中フラグがセットされていれば楽曲選択画面が表示されていると判定し、セットされていなければ楽曲選択画面が表示されていないと判定する。
楽曲選択中フラグがセットされていない場合(S720;No)、演出制御用CPU201は、楽曲選択処理を終了する。一方、楽曲選択中フラグがセットされている場合(S720;Yes)、演出制御用CPU201は、スティックコントローラによる選択切替操作があったか否かを判定する(S721)。具体的に、S721では、センサからの検出信号に基づいて、選択切替操作の有無が判定される。
選択切替操作がなかった場合(S721;No)、演出制御用CPU201は、後述するS727の処理を実行する。一方、選択切替操作があった場合(S721;Yes)、演出制御用CPU201は、選択切替操作に応じたスクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番が選択可能楽曲画像96であるか否かを判定する(S722)。
たとえば、図29(A)に示すように選択領域98に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において第1楽曲画像の次の巡回順番の第2楽曲画像が選択可能楽曲画像96であるか否かを判定する。図29(B)に示すように、第2楽曲画像が選択可能楽曲画像96であるときは(S722;Yes)、後述するS725の処理を実行する。一方、図29(A)に示すように選択領域98に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、右方向スクロール表示の巡回順番において第1楽曲画像の次の巡回順番の第6楽曲画像が選択可能楽曲画像96であるか否かを判定する。図29(B)に示すように第6楽曲画像が選択不可能楽曲画像97であるときは(S722;No)、後述するS723の処理を実行する。
S722において次順番が選択可能楽曲画像96ではないと判定された場合は、スクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番以降の最初の選択可能楽曲画像96を次回滞留表示画像として決定する(S723)。そして、S723で決定した次回滞留表示画像を選択領域98まで、選択切替操作がされた方向に移動させるスクロール表示を高速モードで実行する(S724)。
たとえば、図29(A)に示すように選択領域98に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において図29(B)に示すように、第1楽曲画像の次の巡回順番の楽曲画像が、選択不可能楽曲画像97としての第6楽曲画像である。その場合には、第6楽曲画像の次の順番以降の最初の選択可能楽曲画像96が、第3楽曲画像であるから、第3楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S723)。そして、第3楽曲画像を選択領域98まで、右方向に移動させるスクロール表示を高速モードで実行する(S724)。これにより、高速モードでの右方向スクロール表示が実行され、選択領域98において、第6楽曲画像、第5楽曲画像、第4楽曲画像の順でこれらの楽曲画像が一旦表示されつつ移動する飛ばし表示をした後、最終的に第3楽曲画像が滞留表示される。
一方、S722において次順番が選択可能楽曲画像96であると判定された場合は、スクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番の楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S725)。そして、S725で決定した次回滞留表示画像を選択領域98まで、選択切替操作がされた方向に移動させるスクロール表示を低速モードで実行する(S726)。
たとえば、図29(A)に示すように選択領域98に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが左方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において図29(B)に示すように、第1楽曲画像の次の巡回順番の楽曲画像が、選択可能楽曲画像96としての第2楽曲画像である。その場合には、第1楽曲画像の次の順番の選択可能楽曲画像96である第2楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S725)。そして、S725で決定した次回滞留表示画像を選択領域98まで、左方向に移動させるスクロール表示を低速モードで実行する(S726)。これにより、低速モードでの右方向スクロール表示が実行され、選択領域98に、第2楽曲画像が滞留表示される。
S724の実行後、S726の実行後、またはS721において選択切替操作がなかったと判定した場合、演出制御用CPU201は、選択された楽曲を決定する決定操作があったか否かを判定する(S727)。具体的に、S727では、センサからの検出信号に基づいて、プッシュボタンによる決定操作の有無が判定される。
決定操作がなかった場合(S727;No)、演出制御用CPU201は、楽曲選択処理を終了する。一方、決定操作があった場合(S727;Yes)、演出制御用CPU201は、選択領域98に滞留表示されている楽曲を遊技中に再生する楽曲(大当り遊技状態中に再生する楽曲)に決定する(S728)。たとえば、選択領域98に第1楽曲画像が滞留表示されている状態で決定操作がされた場合は、遊技中に再生する楽曲が、第1楽曲画像に対応する第1楽曲に決定される。
演出制御用CPU201は、選択領域98に滞留表示されている楽曲を遊技中に再生する楽曲(大当り遊技状態中に再生する楽曲)に決定(S728)した後、楽曲選択画面からメインメニュー画面に戻る表示がされる(S729)。そして、楽曲選択中フラグをリセットし(S730)、楽曲選択処理を終了する。このように、楽曲選択画面において、遊技中に再生する楽曲が決定されると、楽曲選択画面の表示が終了し、メインメニュー画面が表示される。
なお、本実施の形態においては、決定操作がされるまで楽曲選択中フラグはリセットされないこととしたが、楽曲選択中フラグがセットされてから、または、選択操作が最後にされてから、所定期間が経過したときに、当該所定期間経過時に選択領域98に滞留表示されている楽曲画像に対応する楽曲に決定し、楽曲選択画面をメニュー画面に切替え、楽曲選択中フラグをリセットしてもよい。また、決定操作がされることで楽曲選択画面からメニュー画面に戻ることとしたが、楽曲選択画面に「戻る」ボタンを設け、「戻る」ボタンを選択し、プッシュボタン31Bを押圧操作することで、楽曲選択中フラグをリセットするとともに、メニュー画面に戻るようにしてもよい。
(1) 上記変形例の遊技機は、
遊技を行う遊技機(パチンコ遊技機1など)であって、
特定期間(大当り遊技状態における期間など)において楽曲を再生可能な楽曲再生手段(演出制御用CPU201など)と、
複数種類の楽曲(図29の複数種類の楽曲の再生演出等)のうちから再生する楽曲が選択可能な楽曲選択画面(図29の楽曲選択画面等)を表示可能な楽曲選択画面表示手段とを備え、
前記特定期間において再生される楽曲を複数種類の楽曲(楽曲A〜Fなど)のうちから選択可能であり、
前記楽曲再生手段は、楽曲選択時においては選択中の楽曲の一部であって該楽曲の先頭とは異なる特定部を再生し(演出制御用CPU201がサビ部分を再生することなど)、
前記楽曲選択画面は、選択可能な楽曲(図29の第1楽曲〜第3楽曲等)を特定可能な選択可能画像(図29の選択可能楽曲画像96等)と、未だ選択不可能な楽曲(図29の第4楽曲〜第6楽曲等)を特定可能な選択不可能画像(図29の選択不可能楽曲画像97等)とを併せて表示可能である(図29(A)等)。
このような構成によれば、楽曲選択時の演出効果を向上させることができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記選択不可能画像として、該選択不可能画像の一部を表示する(図29(A)で斜線で示す選択不可能楽曲画像97の一部をグレイ画像で表示する等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、選択不可能画像があることを認識可能になることにより遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記(1)または上記(2)の遊技機において、
前記演出選択画面は、
遊技者の動作(スティックコントローラの左右操作による選択切替操作等)に応じて、所定の順番(図29(B)に示す楽曲画像の巡回順番等)により複数の前記選択可能画像および前記選択不可能画像(図29(B)に示す楽曲画像等)をスクロール表示可能であり(図29(A)の矢印方向に示すスクロール表示等)、
所定の表示領域(図29の選択領域98)において前記選択可能画像を滞留表示(図29の選択領域98内に滞留する表示)することにより、実行する演出を特定し(再生する楽曲に対応する楽曲画像を画面中央部で特定する等)、
前記演出選択画面表示手段は、
所定の表示領域において滞留表示されている前記選択可能画像の次の順番(正順)に対応する画像が前記選択可能画像(図29(A)で選択可能楽曲画像96である第1楽曲の次の巡回順番の第2楽曲に対応する第2楽曲画像が選択可能楽曲画像96等)であるときに、遊技者による1回の動作に応じたスクロール表示により、当該次の順番に対応する前記選択可能画像に変更可能であり(図30のS725,S726により、スクロール表示を実行して選択領域98で次の順番の選択可能楽曲画像96を滞留表示する低速スクロールモード(図29(E))でスクロール表示をする等。)、
前記所定の表示領域において滞留表示されている前記選択可能画像の次の順番(逆順)に対応する画像が前記選択不可能画像(図29(A)で第1楽曲の次の巡回順番の第6楽曲に対応する第6楽曲画像が選択不可能楽曲画像97等)であるときに、遊技者による1回の動作に応じたスクロール表示により、前記所定の表示領域において、当該次の順番の前記選択不可能画像を一旦表示した後に、遊技者の動作によらず、スクロール表示により、当該次の順番の前記選択不可能画像の次の順番以降に対応する前記選択可能画像を前記所定の表示領域において滞留表示する(図30のS723,S724により、スクロール表示を実行して選択不可能楽曲画像97を前記一旦表示させつつ飛ばし表示し、最終的に次の巡回順番以降における選択可能楽曲画像96を滞留表示する高速スクロールモード(図29(E))でスクロール表示をする等。)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、所定の表示領域において選択不可能画像が一旦表示されることにより、演出についての遊技者の興味が増すようにすることができる。
(4) 上記(3)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、前記選択可能画像相互間(図29(B)の第1速度V1等)と、前記選択不可能画像相互間(図29(B)の第2速度V2等)とで異なる(図29(C)のスクロール速度比「V1<V2」等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、スクロール速度が異なることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 上記(4)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、前記選択可能画像相互間(図29(B)の速度V1等)よりも、前記選択不可能画像相互間(図29(B)の速度V2等)の方が高速度である(図29(C)のスクロール速度比「V1<V2」等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、選択不可能画像が表示される期間を減少させることが可能となることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 上記(3)から上記(5)のいずれかの遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、遊技者の動作期
間により異なる([スクロール速度が遊技者の動作期間により異なる例])。
このような構成によれば、スクロール速度が遊技者の動作期間により異なることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、第2特別図柄の小当りによる特殊可変入賞球装置22の開放パターンを複数種類設けてもよい。たとえば、短開放の回数が多いパターンと短開放の回数が少ないパターンとを設けてもよい。また、開放パターンの種類により、演出図柄として表示される図柄の種類を異ならせてもよい。具体的には、遊技者に有利な開放パターン(開放回数が多い等)であれば、赤色の図柄組合せで停止させ、遊技者に不利な開放パターン(開放回数少ない等)であれば、青色の図柄組合せで停止させるようにしてもよい。また、有利な開放パターンであれば「4」図柄で小当りに当選し、不利な開放パターンであれば「2」図柄で小当りに当選するようにしてもよい。なお、開放回数ではなく開放時間が異なるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、大当り間に小当りの保留記憶がある場合であっても一連のプレミアム映像を流す例について説明した。しかし、大当り間に小当りの保留記憶があるときと、大当り間に小当りの保留記憶が無いときとで、流される映像が異なるようにしてもよい。また、大当り間の小当りの数により(小当りが1個あるいは2個により)プレミアム映像の種類が異なるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に小当り状態に制御されるときの第1獲得画像196と、それ以外の期間での第2獲得画像197や第3獲得画像198とが同じ表示態様であってもよい。また、保留内に小当りが有る状態である第1獲得画像196と第3獲得画像198とが同じであってもよい。また、獲得画像の数値は、小当りでの獲得数の合計を出すのではなく、単開放における1回の入賞毎の合計数を表示するものであってもよく、1球の入賞毎の獲得数を連続して表示するものでもよい。
(4) 前述した実施の形態では、遊技者が選択操作可能な選択演出として楽曲の変更に関するものについて説明した。しかし、選択演出で変更される演出は、楽曲以外のものであってもよい。たとえば、選択演出で変更される演出は、背景変化の演出、映像変化の演出、キャラクタ変化の演出等であってもよい。このような場合に、一度選択されていたものが再度選択された場合に演出を引継ぐようにすればよい。具体的には、プッシュボタン操作により背景を変化させることを予約できる遊技機において、背景を変化させようとしたが、現在の背景のままにしたいと思ったときは、現在の背景での演出が継続(たとえば現在の背景での音楽が継続して流れる等)されるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、楽曲の選択演出は、大当り中に実行可能である場合について説明した。しかしながら、楽曲の選択演出をラッシュ中に実行できるようにしてもよいし、非KT状態中で実行できるようにしてもよい。このような場合には、選択演出を実行できる期間を複数設け、変動回数により変動回数が少ない場合(1〜10回)の期間と変動回数が多い場合(70〜100回)の期間とで楽曲の選択演出が実行されるようにしてもよい。なお、選択演出を客待ちデモ中に実行するようにしてもよい。たとえば、客待ちデモ中にプッシュボタンを操作することによりメニュー画面を開くことができ、当該メニュー画面内においてパチンコ遊技機の音量や光量を調整したり、演出の実行頻度を変更できるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、図27(e)に示すように、現在実行されている項
目が「戻る」という文字に変更される場合を説明した。しかしながら、文字に変化するのではなく、現在実行されている項目の色や形が異なるものであってもよい。
(7) 前述した実施の形態では、楽曲のサビ部分から再生される場合を説明した。楽曲によっては、「サビ」以外の部分(Aメロなど)から再生されるようにしてもよいし、楽曲によって再生される部分を異ならせてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、大当り遊技状態の大当り期間としては、アタッカー開放を繰り返す期間、つまり、ラウンド遊技期間としているが、これに限定されない。たとえば大当り期間としては、大当り遊技状態の開始時に実行されるファンファーレ演出の期間と、アタッカー開放を繰り返す期間(ラウンド遊技期間)と、大当り遊技状態の終了時に実行されるエンディング演出の期間とを含めた期間としてもよい。ファンファーレ演出とは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。エンディング演出とは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。
(9) 前述した楽曲選択の各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、筐体に設けられたプッシュボタンや十字キーにより楽曲の選択や決定操作が実行されるようにすればよい。
(10) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(11) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(12) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(13) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他
の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(14) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(15) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。