以下、本発明の一実施形態に係るスロットマシンSを図面を参照して説明する。
<スロットマシンSの概略構成>
本実施形態に係るスロットマシンSは、遊技媒体としてメダルを用いて遊技が行われる。ここで、「正面」とは、スロットマシンSにおける、遊技者が遊技を行う際に向き合う面をいう。また、「右側」とは、スロットマシンSの正面に向き合う遊技者から見て右側を意味し、「左側」とは、スロットマシンSの正面に向き合う遊技者から見て左側を意味する。
スロットマシンSは、図1及び図2に示すように、正面側に開口する正面開口部11を有する箱形の筐体1を備えている。筐体1の内部には、高さ方向略中央で水平となるように中板12が設けられている。また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部11を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられている。前扉3は、正面開口部11の上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、正面開口部11の下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
筐体1の底板には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット4と、メダルを貯留するとともに、その貯留したメダルを受け皿43へ払い出すためのホッパー5とが設置されている。ホッパー5は、特に図示しないが、複数のメダルを貯留することが可能なメダルタンクと、メダルタンクに貯留されているメダルを1枚ずつ排出するための払出装置6(図5参照)と、払出装置6により排出されたメダルを検出するための払出センサー7(図5参照)とを備えている。また、払出装置6により排出されたメダルは、メダル排出部44を通って受け皿43に払い出される。
筐体1の内部には、3個の回転リール23を有するリールユニット22、スロットマシンSの遊技を制御するための主制御部100を搭載する主制御基板100aが設けられている。
リールユニット22は、3個の回転リール23(図3に示すように、左側に位置する「左回転リール23L」、中央に位置する「中央回転リール23M」、右側に位置する「右回転リール23R」)と、それぞれの駆動軸に固定された回転リール23を回転駆動するための3個のステッピングモータ26(図5参照)と、を備えている。また、各回転リール23は、合成樹脂からなる回転ドラムと、回転ドラムの外周面に貼付されるテープ状のリールテープ28(図4参照)とを備えている。このリールテープ28の表面には、「7(赤色)」、「7(白色)」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、及び「REP」の図柄が配置されている。また、各回転リール23の回転ドラムには、突起状のインデックスが設けられるとともに、リールユニット22の所定位置には、インデックスを検出するためのインデックスセンサー27(図5参照)が設けられている。
上扉30の略中央部には、図1に示すように、各回転リール23の図柄を正面側から視認可能にするための図柄表示窓31が設けられている。また、図3に示すように、図柄表示窓31には、水平に伸びる中段の有効ライン60(第一有効ライン60A)、水平に伸びる上段の有効ライン60(第二有効ライン60B)、水平に伸びる下段の有効ライン60(第三有効ライン60C)、図柄表示窓31の対角線に伸びる右下がりの有効ライン60(第四有効ライン60D)、図柄表示窓31の対角線に伸びる右上がりの有効ライン60(第五有効ライン60E)の5本が形成されている。ここで、各有効ライン60に図柄を適正に表示する時の回転リール23の停止位置を、「停止基準位置」という。各回転リール23には、図柄が21個ずつ付されていることから、停止基準位置も21ずつ存在する。
また、図柄表示窓31の上方には、図1に示すように、液晶表示装置35が設けられている。また、上扉30における液晶表示装置35の周りには、ランプ33が設けられている。また、図柄表示窓31の下方には、クレジットされたメダルの枚数や遊技の設定値を表示するための数値表示部32(例えば、7セグメント表示器等)が設けられている。ここで、クレジットとは、メダル投入口42から投入され、メダルセレクター46(図2参照)により正規なメダルとしてホッパー5(図2参照)へ移送されるメダル、または所定の入賞により払い出されるメダルを、スロットマシンS内部に電子的に貯留することである。
また、上扉30の裏面には、図2に示すように、スロットマシンSの演出を制御する副制御部(第1の制御装置)300を搭載する副制御基板300aと、液晶表示装置35を制御する表示制御部(第2の制御装置)400を搭載する表示制御基板400aと、種々のサウンドを出力するためのスピーカ34とが設けられている。
下扉40の上部には、図1に示すように、スロットマシンSを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを1枚減じてメダルの投入に代えるための1枚ベットスイッチ51a、クレジットされたメダルを3枚減じてメダルの投入に代えるためのMAXBETスイッチ51b、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、ゲーム(遊技)を開始させるためのスタートレバー(スタートスイッチ、以下、レバーと称する)53、回転リール23の回転を停止させるための3個のストップスイッチ54(左回転リール23Lに対応する「左ストップスイッチ54L」、中央回転リール23Mに対応する「中央ストップスイッチ54M」、右回転リール23Rに対応する「右ストップスイッチ54R」)が設けられている。
また、下扉40には、メダルを1枚ずつ投入するためのメダル投入口42と、スロットマシンS内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口41と、メダル払い出し口41から排出されたメダルを溜めておくための受け皿43とが設けられている。
また、下扉40の裏面には、図2に示すように、メダル投入口42から投入されたメダルを誘導しながら真贋で選別するためのメダルセレクター46と、メダルセレクター46の下方に開口し、メダル払い出し口41に連通するメダル排出部44と、種々のサウンドを出力するためのスピーカ45とが設けられている。メダルセレクター46は、メダル投入口42から投入されたメダルをホッパー5へ誘導するためのメダル通路と、メダル通路の下流まで流下したメダルを検出するための投入センサー47と、メダル通路を流下するメダルを投入センサー47に検出される前にメダル排出部44へ排除するためのブロッカー装置48(図5参照)とを備えている。ブロッカー装置48は、1ゲームが進行している最中や、クレジットされているメダルが上限の50枚に達しているときに、メダル通路を流下するメダルをメダル排出部44へ排除する。
図1及び図2に示す液晶表示装置35やスピーカ34,45やランプ33は、液晶表示装置35に所定の画像を表示させたり、スピーカ34,45から所定の音声を出力させたり、ランプ33を所定のパターンで点滅させたり等することによって、遊技を演出する。
次に、本実施形態のスロットマシンSの電気的構成について図5を参照して詳細に説明する。図5に示すように、本実施形態におけるスロットマシンSは、その主要な処理装置として主制御部100と、主制御部100に接続された副制御部300と、副制御部300に接続された表示制御部400とを備える。主制御部100は、主にスロットマシンSの遊技を制御する。副制御部300は、主制御部100から受信したメイン制御コマンドに応じて、表示制御部400に演出制御コマンドを送信し、また、スピーカ34,35やランプ33の駆動を制御して、遊技に関する演出を制御する。表示制御部400は、副制御部300から受信した演出制御コマンドに応じて液晶表示装置35を制御する。
<主制御部100>
主制御部100は、主にスロットマシンS遊技を制御するためのものであり、所定の契機により電子的な抽選を実行し、所定の当選役に当選したか否かの当選判定を抽選の結果に基づいて実行するとともに、メイン制御コマンドを抽選の結果に基づいて生成して送信する。主制御部100は、図示しないCPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。主制御部100のCPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、通常遊技制御手段110、特別遊技制御手段120、当選抽選手段130、回転制御手段140、回転位置判断手段150、停止制御手段160、入賞判定手段170、ベット数記憶手段180、支払制御手段190、ゲーム更新手段200、メイン制御コマンド送信手段210、乱数を発生させるための乱数発生手段(図示省略)などとして機能する。また、主制御部100のRAMは、ベット数記憶手段180などとして機能する。
主制御部100の入力段には、1枚ベットスイッチ51a、MAXBETスイッチ51b、精算スイッチ52、レバー53、ストップスイッチ54、インデックスセンサー27、払出センサー7、及び投入センサー47などのパーツが接続され、主制御部100の出力段には、ステッピングモータ26、払出装置6、ブロッカー装置48、及び数値表示部32などのパーツが接続されている。
以下、主制御部100が備える各手段について説明する。なお、主制御部100は、下記以外の手段を有していても構わない。
<ベット数記憶手段180>
ベット数記憶手段180は、ベットされたメダルの枚数(以下「ベット数」という)を記憶するためのものである。具体的には、メダル投入口42からメダルが投入されて、投入センサー47がメダルを検出すると、ベット数記憶手段180は、記憶されているベット数に「1」を加算した値を更新記憶する。また、ベット数記憶手段180のベット数には、上限が設定されている。本実施形態では、ベット数記憶手段180のベット数の上限は「3」に設定されている。ベット数記憶手段180のベット数が「3」まで加算されると、すべての有効ライン60が有効化される。なお、ベット数記憶手段180のベット数は、1枚ベットスイッチ51aが操作されると「1」が、また、MAXBETスイッチ51bが操作されると「3」が加算される。
<通常遊技制御手段110>
通常遊技制御手段110は、通常遊技を行わせるためのものであり、本実施形態における通常遊技について説明する。
ベット数記憶手段180の記憶するベット数が「3」である場合に、レバー53が操作されると、リールユニット22の各ステッピングモータ26の駆動により各回転リール23が回転を開始する。
その後、ストップスイッチ54が操作されると、対応する回転リール23が何れかの停止基準位置に停止する。そして、すべての回転リール23が停止基準位置に停止したときに、当選役の図柄の組み合わせが有効ライン60に揃うと、当該当選役の入賞となって遊技者に所定の利益が付与される。
当選役、及び当選役の図柄の組み合わせを、図6を参照しつつ説明する。本実施形態の当選役には、入賞により特別遊技(ビッグボーナス)に移行する「赤セブン当選役」と、入賞により特別遊技(レギュラーボーナス)に移行する「白セブン当選役」と、入賞によりメダルを新たにベットすることなく再度1ゲームを行うことが可能な再遊技となる「リプレイ当選役」と、入賞により有効ライン1本につきメダル10枚が支払われる「ベル当選役」と、入賞により有効ライン1本につきメダル10枚が支払われる「スイカ当選役」と、入賞により有効ライン1本につきメダル2枚が支払われる「チェリー当選役」と、がある。
<特別遊技制御手段120>
特別遊技制御手段120は、当選抽選手段130の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行わせるためのものである。本実施形態では、特別遊技として、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)とを実行可能である。
具体的には、通常遊技において「7(赤色)」の図柄が有効ライン60に3個揃うと、BBに移行する。そして、BB中に320枚を超えるメダルの支払いが行われると、BBを終了して通常遊技に移行する。
また、通常遊技において「7(白色)」の図柄が有効ライン60に3個揃うと、RBに移行する。そして、RB中に当選役に8回入賞する、またはRB中に12ゲーム行うと、RBを終了して通常遊技に移行する。
特別遊技中に当選し得る当選役は、「ベル当選役」、「スイカ当選役」及び「チェリー当選役」であり、特別遊技中は、これらの当選役に当選する確率が通常遊技中よりも高くなるように設定されている。
<当選抽選手段130>
当選抽選手段130は、複数の当選役の何れに当選かまたはハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。
本実施形態では、役抽選の結果として、「赤セブン当選役」の当選となる「赤セブン当選」と、「白セブン当選役」の当選となる「白セブン当選」と、「リプレイ当選役」の当選となる「リプレイ当選」と、「ベル当選役」の当選となる「ベル当選」と、「スイカ当選役」の当選となる「スイカ当選」と、「チェリー当選役」の当選となる「チェリー当選」と、何れの当選役にも入賞不可能となる「ハズレ」とが設定されている。
また、役抽選の結果は、互いに異なる複数の当選役に重複した当選(重複当選)を含む。具体的には、「赤セブン当選役」及び「スイカ当選役」の重複当選となる「赤7・スイカ重複当選」が含まれている。
また、主制御部100のROMには、乱数発生手段が発生する各乱数について、何れの当選役に当選かまたはハズレかを割り振ったテーブルが格納されている。本実施形態では、通常遊技用の当選判定テーブル、ボーナス当選フラグ保有時の通常遊技用の当選判定テーブル、BB用の当選判定テーブル、RB用の当選判定テーブル等がROMに格納されている。これらの当選判定テーブルには、上述した抽選結果の何れかに対応する領域が割り振られている。
当選抽選手段130は、レバー53の操作を契機に、乱数発生手段が発生する乱数から1つの数値を抽出し、抽出乱数データとする。そして、抽出した抽出乱数データを、遊技状態などに応じて選択した当選判定テーブルにおける当選役の当選領域と対比して、抽出乱数データが何れかの当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、当該抽出乱数データが何れの当選領域にも属さない場合には、「ハズレ」の決定をする。
この役抽選で当選すると、当選抽選手段130は、当該当選に対応した当選フラグを主制御部100のRAMの所定領域に設定する。「当選フラグ」は、当選した当選役に関連づけされた変数であり、当選抽選手段130の役抽選の結果を記憶させるためのものである。本実施形態には、上述した各当選役に対応する当選フラグ(例えば、「赤セブン当選役」に対応する「赤セブン当選フラグ」など)がある。また、これらの当選フラグは、「小役当選フラグ」と「ボーナス当選フラグ」とに分類される。
「ボーナス当選フラグ」は、主制御部100のRAMの所定領域に設定された場合に、当該当選フラグに係る当選役の図柄の組み合わせが有効ライン60に表示されないときに、消去されずに次のゲームに持ち越される当選フラグを意味する。本実施形態では、「赤セブン当選役」に対応した「赤セブン当選フラグ」、及び「白セブン当選役」に対応した「白セブン当選フラグ」が、ボーナス当選フラグである。
「小役当選フラグ」は、主制御部100のRAMの所定領域に設定された場合に、当該当選フラグに係る当選役の図柄の組み合わせが有効ライン60に表示されないときに、次のゲームが開始される前に消去される当選フラグを意味する。本実施形態では、「赤セブン当選フラグ」及び「白セブン当選フラグ」を除いた他の当選フラグが、小役当選フラグである。
そして、役抽選で当選すると、当該当選に対応した当選フラグが主制御部100のRAMの所定領域に設定される。例えば、「赤セブン当選」となった場合には、RAMの所定領域に「赤セブン当選フラグ」が設定され、「スイカ当選」となった場合には、RAMの所定領域に「スイカ当選フラグ」が設定される。また、例えば、「赤7・スイカ重複当選」となった場合には、RAMの所定領域に「赤セブン当選フラグ」及び「スイカ当選フラグ」が設定される。
当選抽選手段130による抽選結果が当選の場合、その当選役に対応する図柄を示す「当選図柄信号(図柄データ)」が、後述するメイン制御コマンドとして主制御部100から副制御部300へ送信される。例えば当選役に対応する図柄が「チェリー」の場合、「チェリー」を特定する「当選図柄信号」が送信される。
<回転制御手段140>
回転制御手段140は、レバー53の操作を契機に各回転リール23の回転を開始させるとともに、各回転リール23を一定の回転速度で回転させるためのものである。
具体的には、回転制御手段140は、ベット数記憶手段180の記憶するベット数が「3」である場合において、レバー53の操作を契機に、各ステッピングモータ26の回転駆動を開始させて、各回転リール23の回転を開始させる。また、各回転リール23の回転が一定の回転速度に達するまで加速するように、各ステッピングモータ26の回転駆動を制御する。そして、各回転リール23の回転が一定の回転速度まで加速すると、各回転リール23が一定の回転速度を保って定常回転するように、各ステッピングモータ26の回転駆動を制御する。
なお、各回転リール23の回転を開始する際に、各回転リール23の回転の開始を示す「回転開始信号」が主制御部100から副制御部300へ送信される。
<回転位置判断手段150>
回転位置判断手段150は、各回転リール23の回転位置を特定するためのものである。
具体的には、各回転リール23が一定の回転速度まで回転を加速して定常回転になったことを契機に、各インデックスセンサー27によるインデックスの検出を開始する。そして、インデックスセンサー27がインデックスを検出したことを契機に、ステッピングモータ26のパルス数をカウントするとともに、このパルス数に基づいて対応する回転リール23の回転位置を特定する。なお、カウントしたパルス数は、インデックスを検出する度にリセットされ、あらたにパルス数がカウントされる。
また、各回転リール23に21個ずつ付された図柄には、インデックスセンサー27がインデックスを検出した時の回転位置を基準にした図柄番号が割り振られている。具体的には、インデックスセンサー27がインデックスを検出したときに第一有効ライン60A上にある図柄から、順次「00」〜「20」の図柄番号が割り振られている。また、それぞれの図柄番号に対応する図柄の種類を各回転リール23毎に記憶している。そして、回転リール23の回転位置、すなわちパルス数に基づいて、第一有効ライン60A上にある図柄の図柄番号を特定し、この図柄番号に基づいて図柄の種類を特定する。
<停止制御手段160>
停止制御手段160は、ストップスイッチ54の操作を契機に、対応する回転リール23の回転位置及び当選抽選手段130の抽選結果に基づいて、当該回転リール23の回転を停止する停止制御処理を行うためのものである。
ここで、ストップスイッチ54が操作されてから、対応する回転リール23が何れかの停止基準位置に停止するまでの間に、図柄表示窓31を通過する停止基準位置の数を「滑りコマ数」という。例えば、滑りコマ数「0」は、操作されたストップスイッチ54に対応する回転リール23を、当該操作から1番目に図柄表示窓31に表示される停止基準位置に停止させることを意味する。また、滑りコマ数「1」は、操作されたストップスイッチ54に対応する回転リール23を、当該操作から1番目に図柄表示窓31に表示される停止基準位置を通過させて、2番目に図柄表示窓31に表示される停止基準位置に停止させることを意味する。本実施形態では、停止制御手段160は、当選抽選手段130の抽選結果に基づいて、滑りコマ数「0」ないし「4」の範囲で回転リール23を停止基準位置に停止させるようになっている。
具体的には、主制御部100のROMには、ストップスイッチ54の操作時における回転リール23の回転位置に基づき、対応する回転リール23が停止基準位置に停止するまでの滑りコマ数を、回転リール23毎に規定した停止テーブルが格納されている。
本実施形態では、当選フラグに対応した停止テーブル(例えば、「赤セブン当選フラグ」に対応する「赤セブン停止テーブル」など)が、主制御部100のROMに記憶されている。これらの停止テーブルは、当選フラグに係る当選役が入賞し得るように且つその他の当選役が入賞しないように、各回転リール23の滑りコマ数が規定されている。
また、主制御部100のROMには、「ボーナス当選フラグ」及び「小役当選フラグ」を同時にRAMの所定領域に有する場合に用いる停止テーブル(例えば、「赤セブン当選フラグ」及び「スイカ当選フラグ」を同時にRAMの所定領域に保有する場合に用いる「赤7・スイカ停止テーブル」など)が格納されている。これらの停止テーブルは、「ボーナス当選フラグ」に係る当選役が「小役当選フラグ」に係る当選役よりも優先的に入賞し得るように、且つその他の当選役が入賞しないように、各回転リール23の滑りコマ数が規定されている。
また、主制御部100のROMには、何れの当選フラグにも対応しない「ハズレ停止テーブル」が格納されている。「ハズレ停止テーブル」は、何れの当選役の図柄の組み合わせも有効ライン60に揃わないように、各回転リール23の滑りコマ数が規定されている。
停止制御手段160は、すべてのインデックスセンサー27がインデックスを検出したことを契機に、主制御部100のRAMの当選フラグに応じた停止テーブルを選択する。このとき、主制御部100のRAMに何れの当選フラグも保有していない場合には、ハズレ停止テーブルを選択する。そして、各ストップスイッチ54の操作の受付を開始する。これにより、各ストップスイッチ54の操作が有効となる。
また、ストップスイッチ54の操作を契機に、選択した停止テーブルを参照して、ストップスイッチ54の操作時の回転位置に基づき滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分の停止基準位置が図柄表示窓31を通過した後に、最初に表示される停止基準位置に当該回転リール23が停止するように、ステッピングモータ26の回転駆動を制御する。
<入賞判定手段170>
入賞判定手段170は、すべての回転リール23の回転が停止したことを契機に、複数の当選役の何れに入賞か又は入賞なしかの判定を行うものである。特別遊技制御手段120は、入賞判定手段170による判定結果に応じて特別遊技へ移行する。
具体的には、入賞判定手段170は、例えば、すべての回転リール23が停止基準位置に停止した場合に、「7(赤色)」の図柄が有効ライン60に3個揃っているときには、「赤セブン当選役の入賞」と判定する。
また、入賞判定手段170は、例えば、すべての回転リール23が停止基準位置に停止した場合に、どの当選役に係る図柄の組み合わせも有効ライン60に揃っていないときには、「入賞なし」と判定する。
何れかの当選役に入賞したと判定すると、入賞判定手段170は、当該入賞に対応した「入賞フラグ」を主制御部100のRAMの所定領域に設定する。「入賞フラグ」は、入賞した当選役に関連づけされた変数であり、入賞判定手段170の判定結果を記憶させるためのものである。本実施形態には、上述した各当選役に対応する入賞フラグ(例えば、「赤セブン当選役」に対応する「BBフラグ」など)がある。また、これらの入賞フラグは、「小役入賞フラグ」と「ボーナス入賞フラグ」とに分類される。
「ボーナス入賞フラグ」は、上述の終了条件(BBでは320枚を超えるメダルの支払い、RBでは当選役に8回入賞または12ゲームの終了)が成立するまでの期間中は継続して保有され、終了条件の成立によって消去されるフラグである。これに対し、「小役入賞フラグ」は、1回のゲーム毎に都度消去されるフラグである。
入賞フラグを保有している場合、何れの当選役に入賞しているかを示す「入賞信号」が、後述するメイン制御コマンドとして主制御部100から副制御部300へ送信される。入賞判定手段170による判定結果(入賞フラグの保有)に応じて特別遊技へ移行するため、「入賞信号」は、主制御部100が生起している特別遊技を示す特別遊技データとなる。例えば、特別遊技として「BB」を実行中の場合、BB中であることを示す「入賞信号」が送信され、「RB」を実行中の場合、RB中であることを示す「入賞信号」が送信される。
また、「ボーナス当選フラグ」を保有した状態において入賞判定手段170による入賞判定の結果が「入賞なし」の場合、設定されている当選フラグの種別を示す「内部当選信号」が、後述するメイン制御コマンドとして主制御部100から副制御部300へ送信される。「内部当選信号」は、当選抽選手段130の当選判定によって既に所定の当選役に当選しているが、その当選役に対応する図柄が所定の有効ライン60で所定の態様で未だ並んで停止していない内部当選状態(いわゆる「内部中」)を示す内部当選データである。
<支払制御手段190>
支払制御手段190は、入賞の特典としてメダルを支払う当選役について入賞判定手段170が入賞と判定したことを契機に、メダルを支払う制御を行うものである。メダルの支払いは、当選役に係る図柄の組み合わせの揃った有効ライン60毎に行われる。
なお、「メダルを支払う制御」は、「ホッパー5にメダルを払い出させる制御」を行ってもよいし、「クレジット数を増加させる制御」を行ってもよい。本実施形態では、支払制御手段190は、クレジット数が上限の「50」に達する前は、クレジット数を増加させる制御を行う。また、支払制御手段190は、クレジット数が上限の「50」に達した後は、ホッパー5にメダルを払い出させる制御を行う。
<ゲーム更新手段200>
ゲーム更新手段200は、次のゲームに持ち越す必要のないRAMのデータをクリアするゲーム更新処理を行うものである。具体的には、ゲーム更新手段200が主制御部100のRAMの所定領域をクリアすることにより、小役当選フラグの消去、入賞済みのボーナス当選フラグの消去、ベット数記憶手段180のベット数のクリア等がなされる。
<メイン制御コマンド送信手段210>
メイン制御コマンド送信手段210は、メイン制御コマンドを生成し、所定のタイミングで副制御部300へ送信する。メイン制御コマンドは、スロットマシンSが実行する演出に関連する演出関連データを適宜含む。本実施形態の演出関連データは、役抽選で当選した当選役の構成図柄(当選役に対応する図柄)を示す「当選図柄データ(当選図柄信号)」、入賞した当選役を示す「特別遊技データ(入賞信号)」、未入賞で保有中の当選フラグの種別を示す「内部当選データ(内部当選信号)」である。なお、演出関連データとして、各回転リール23の回転の開始を通常よりも所定時間遅らせる演出、いわゆる「フリーズ」の開始及び終了を示す「フリーズデータ(フリーズ開始信号、フリーズ終了信号)」、及びAT(アシストタイム)中の押し順を示す「ナビデータ(AT信号)」を含んでもよい。
本実施形態では、メイン制御コマンド送信手段210がメイン制御コマンドを送信するタイミングとして、レバー53の操作時(レバー操作時)と、レバー53操作後1つめのストップスイッチ54が操作される前にMAXBETスイッチ51bが操作された時(レバー操作後MAXBET押下時)と、1つめのストップスイッチ54の操作時(1停止時)と、2つめのストップスイッチ54の操作時(2停止時)と、3つめのストップスイッチ54の操作時(3停止時)と、3つめのストップスイッチ54の操作解除時(3離し時)の6つのタイミングが少なくとも設定されている。
副制御部300は、メイン制御コマンドを受信することによって、遊技の進行状態(レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時の何れであるか)と、主制御部100が実行する演出に関連する制御の内容とを認識することができる。
<副制御部300>
副制御部300は、主制御部100から受信したメイン制御コマンドに基づいて、演出態様を決定し、表示制御部400、ランプ33及びスピーカ34,35を制御して、所定の演出を行わせるためのものである。副制御部300は、図示しないCPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。副制御部300のCPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、計時手段310、演出態様決定手段320、演出制御コマンド送信手段330、ランプ制御手段340、音声制御手段350、乱数を発生させるための乱数発生手段(図示省略)として機能する。また、副制御部300のRAMは、送信前コマンド記憶手段として機能する。
以下、副制御部300が備える各手段について説明する。なお、副制御部300は、下記以外の手段を有していても構わない。
<計時手段310>
計時手段310は、ソフトウェアタイマであり、レバー操作時のメイン制御コマンドを副制御部300が受信したときから所定時間、本実施形態では2秒のカウントダウンを開始する。
<演出態様決定手段320>
演出態様決定手段320は、実行すべき演出を抽選により決定するためのものである。演出態様決定手段320は、副制御部300のROMに記憶されている演出抽選テーブル(図示省略)を参照して、例えば、レバー操作時のメイン制御コマンドの受信を契機に、レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時に実行する一連の演出の演出態様を決定する。
メイン制御コマンドが含む演出関連データ、具体的には、上記「当選図柄データ」、「特別遊技データ」、「内部当選データ」に対応して複数の演出抽選テーブルが記憶されている。演出抽選テーブルには、複数の演出態様がそれぞれ演出乱数データに関連付けられている。演出態様決定手段320は、レバー操作時のメイン制御コマンドの受信を契機に、乱数発生手段が発生する乱数から1つの数値を抽出して演出乱数データとする。そして、受信したメイン制御コマンドが含む演出関連データに応じて選択した演出抽選テーブルから抽出した演出乱数データに対応する演出態様を実行する演出の演出態様として決定する。演出態様決定手段320は、決定した演出態様を副制御部300のRAMの演出態様記憶領域に記憶する。RAMの演出態様記憶領域は、演出態様決定手段320が新たな演出乱数データを抽出したときにクリアされる。なお、各演出抽選テーブルにおける演出乱数データは、乱数発生手段が発生する全ての乱数に対応していなくてもよい。すなわち、受信したメイン制御コマンドが含む演出関連データに応じて選択した演出抽選テーブルにおいて、演出態様決定手段320が抽出した演出乱数データに演出態様が関連付けられていない場合は、このメイン制御コマンドに関る遊技について演出は行われない。
本実施形態における演出態様は、大別すると、プレミアム演出と通常演出に分類される。各演出抽選テーブルにおいて、プレミアム演出の発生頻度は、通常演出の発生頻度と比べて、低く設定されている。また、「当選図柄データ」が示す当選図柄が赤セブン又は白セブンの場合に選択される演出抽選テーブルでは、他の当選図柄の場合に選択される演出抽選テーブルと比べて、プレミアム演出の発生頻度が高く設定されている。このため、プレミアム演出が発生した場合、遊技者は特別遊技に係る当選役(赤セブン当選役及び白セブン当選役)の入賞に対する期待感を持って遊技を行うことができる。また、プレミアム演出には、後述するようにレバー操作後MAXBET押下時のメイン制御コマンドの受信を契機に特別な演出、本実施形態では、液晶表示装置35に図8(a)に示すような画像の表示が行われるMAXBETプレミアム演出が含まれている。
<演出制御コマンド送信手段330>
演出制御コマンド送信手段330は、演出態様決定手段320が決定した演出態様に応じた演出制御コマンドを表示制御部400に送信するためのものである。演出制御コマンド送信手段330は、副制御部300のROMに記憶されている演出制御コマンドテーブル(図示省略)を参照し、送信する演出制御コマンドを特定する。演出制御コマンドテーブルでは、MAXBETプレミアム演出の演出態様について、レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のそれぞれのタイミングにおいて送信する演出制御コマンドが設定されている(すなわちMAXBETプレミアム演出の演出態様には、6つの演出制御コマンドが設定されている)。また、演出制御コマンドテーブルでは、MAXBETプレミアム演出以外のプレミアム演出及び通常演出の各演出態様について、レバー操作時、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のそれぞれのタイミングにおいて送信する演出制御コマンドが設定されている(すなわちこれらの各演出態様には、5つの演出制御コマンドが設定されている)。なお、各演出態様について、必ずしも上記タイミングのすべてに演出制御コマンドが設定されていなくてもよい。例えば、ある通常演出の演出態様については、レバー操作時のタイミングで送信する演出制御コマンドのみが設定され、他のタイミングで送信する演出制御コマンドは設定されていなくてもよい。
演出制御コマンド送信手段330は、レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時(演出態様がMAXBETプレミアム演出の場合のみ)、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のメイン制御コマンドを副制御部300が主制御部100から受信したとき、副制御部300のRAMの演出態様記憶領域に記憶されている演出態様決定手段320が決定した演出態様に応じて、演出制御コマンドテーブルを参照し、上記各タイミングにおいて送信する演出制御コマンドを特定し、特定した演出制御コマンドを液晶表示部に送信する。なお、演出態様決定手段320が決定した演出態様が、演出制御コマンドテーブルにおいて、上記タイミングのすべてについて送信する演出制御コマンドが設定されている演出態様でない場合、演出制御コマンド送信手段330は、送信する演出制御コマンドが設定されていないタイミングでは、演出制御コマンドを液晶表示部400に送信しない。例えば、演出態様決定手段320が決定した演出態様が、上述のようにレバー操作時のタイミングで送信する演出制御コマンドのみが設定され、他のタイミングで送信する演出制御コマンドは設定されていないような演出態様の場合は、演出制御コマンド送信手段330は、レバー操作時のタイミングでのみ、設定されている演出制御コマンドを液晶制御部400に送信する。この場合、演出制御コマンドを受信する表示制御部400の制御によって液晶表示装置33に表示される演出画像は、遊技者によるレバー53の操作によって変化した以降は、例えば遊技者によるストップスイッチ54の操作があっても変化しない。
具体的には、副制御部300がレバー操作時のメイン制御コマンドを受信し、演出態様決定手段320が演出態様を決定した後、演出制御コマンド送信手段330は、副制御部300のRAMの演出態様記憶領域及び演出制御コマンドテーブルを参照し、演出制御コマンドテーブルにおいて決定した演出態様のレバー操作時に送信する演出制御コマンドとして設定されている演出制御コマンドを送信する演出制御コマンドとして特定して表示制御部400へ送信する。例えば、演出態様決定手段320が決定した演出態様がMAXBETプレミアム演出の場合、本実施形態において、レバー操作時に送信する制御コマンドとして特定されるのは、図7に示すような画面中央にMAXベットボタン、MAXベットボタンの押下方向を示す矢印及び「PUSH!」の文字列を表示し、画面下部の両端に点灯するランプを表示して、MAXベットボタンの押下を促す演出画面Aの表示を指示する演出制御コマンド0x00000001(第1の制御コマンド、第1の演出制御コマンド、以下、単にコマンドAと称する)である。
また、副制御部300がレバー操作後MAXBET押下時のメイン制御コマンドを主制御部100から受信したとき、演出制御コマンド送信手段330は副制御部300のRAMの演出態様記憶領域を参照し、RAMの演出態様記憶領域に記憶されている演出態様がMAXBETプレミアム演出であるか否かを判定する。MAXBETプレミアム演出でない場合、上述のように演出制御コマンドテーブルではMAXBETプレミアム演出以外のプレミアム演出及び通常演出の各演出態様についてレバー操作後MAXBET押下時に送信する演出制御コマンドは設定されていないので、演出制御コマンド送信手段330は演出制御コマンドを送信しない。一方、MAXBETプレミアム演出の場合は、演出制御コマンド送信手段330は、計時手段310が実行するカウントダウン処理において0秒に達したか否か、すなわちレバー操作時のメイン制御コマンドを副制御部300が受信してから2秒以内にレバー操作後MAXBET押下時のメイン制御コマンドを受信したか否かを判定する。2秒以内に受信した場合は、演出制御コマンドテーブルを参照し、演出制御コマンドテーブルにおいて演出態様記憶領域に記憶されている演出態様のレバー操作後MAXBET押下時に送信する演出制御コマンドとして設定されている演出制御コマンドを表示制御部400へ送信する。本実施形態において、レバー操作後MAXBET押下時に送信する演出制御コマンドとして特定されるのは、図8(a)に示すように画面中央に「CHANCE!!」という文字列を表示し、画面下部の両端には消灯したランプを表示する演出画面Bの表示を指示する演出制御コマンド0x00000002(第2の制御コマンド、第2の演出制御コマンド、以下、コマンドBと称する)である。なお、レバー操作時のメイン制御コマンドを副制御部300が受信してから2秒以内にレバー操作後MAXBET押下時のメイン制御コマンドを受信しなかった場合、例えば、2秒経過後にレバー操作後MAXBET押下時のメイン制御コマンドを受信した場合やこのメイン制御コマンドを受信せずに1停止時のメイン制御コマンドを受信した場合は、演出制御コマンド送信手段330は、演出制御コマンドテーブルにおいてレバー操作後MAXBET押下時に送信する演出制御コマンドとして設定されている演出制御コマンドを送信しない。
以降、演出制御コマンド送信手段330は、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のメイン制御コマンドを副制御部300が主制御部100から受信する毎に、演出態様記憶領域及び演出制御コマンドテーブルを参照し、演出態様決定手段320が決定した演出態様の各タイミングにおいて送信する演出制御コマンドを特定して送信する。
なお、本実施形態では、レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時(演出態様がMAXBETプレミアム演出の場合のみ)、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のメイン制御コマンドを副制御部300が主制御部100から受信したとき、演出制御コマンド送信手段330は送信する演出制御コマンドを特定し送信する例を説明したが、演出態様決定手段320が演出態様を決定したときに、決定した演出態様における上記各タイミングにおいて送信する演出制御コマンドを演出制御コマンドテーブルに基づいて特定し、特定した全演出制御コマンドを副制御部300のRAMの送信前コマンド記憶領域に記憶させてもよい。この場合、演出制御コマンド送信手段330は、上記各タイミングのメイン制御コマンドを副制御部300が受信したとき、送信前コマンド記憶領域に記憶した演出制御コマンドの内、そのタイミングに対応する演出制御コマンドを送信する。
<ランプ制御手段340>
ランプ制御手段340は、ランプ33の点灯を制御するものである。ランプ制御手段340は、副制御部300のROMに記憶されている点灯パターンテーブル(図示省略)を参照し、点灯パターンテーブルに記憶されている複数の点灯パターン(例えば、常時点灯や0.5秒周期の点滅)から制御に関る点灯パターンを特定する。点灯パターンテーブルでは、MAXBETプレミアム演出の演出態様について、レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のそれぞれのタイミングにおける点灯パターンが設定されている(すなわちMAXBETプレミアム演出の演出態様には、6つの点灯パターンが設定されている)。また、点灯パターンテーブルでは、MAXBETプレミアム演出以外のプレミアム演出及び通常演出の各演出態様について、レバー操作時、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のそれぞれのタイミングにおいて送信する点灯パターンが設定されている(すなわちこれらの各演出態様には、5つの点灯パターンが設定されている)。
ランプ制御手段340は、レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時(演出態様がMAXBETプレミアム演出の場合のみ)、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のメイン制御コマンドを副制御部300が主制御部100から受信したとき、副制御部300のRAMの演出態様記憶領域に記憶されている演出態様決定手段320が決定した演出態様に応じて、点灯パターンテーブルを参照し、各タイミングにおける点灯パターンを特定し、特定した点灯パターンに基づいて、ランプ33を駆動させるようランプ33に駆動信号を送信する。なお、ランプ制御手段340が上記各タイミングにおける点灯パターンを特定するための処理は、上述の演出制御コマンド送信手段330が送信する演出制御コマンドを特定するための処理と同様のため説明を省略する。
<音声制御手段350>
音声制御手段350は、スピーカ34,45からの音声データの出力を制御するものである。音声制御手段350は、副制御部300のROMに記憶されている音声データテーブル(図示省略)を参照し、音声データテーブルに記憶されている複数の音声データから制御に音声データを特定する。音声データテーブルでは、MAXBETプレミアム演出の演出態様について、レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のそれぞれのタイミングにおける音声データが設定されている(すなわちMAXBETプレミアム演出の演出態様には、6つの音声データが設定されている)。また、音声データテーブルでは、MAXBETプレミアム演出以外のプレミアム演出及び通常演出の各演出態様について、レバー操作時、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のそれぞれのタイミングにおいて送信する音声データが設定されている(すなわちこれらの各演出態様には、5つの音声データが設定されている)。
音声制御手段350は、レバー操作時、レバー操作後MAXBET押下時(演出態様がMAXBETプレミアム演出の場合のみ)、1停止時、2停止時、3停止時及び3離し時のメイン制御コマンドを副制御部300が主制御部100から受信したとき、副制御部300のRAMの演出態様記憶領域に記憶されている演出態様決定手段320が決定した演出態様に応じて、音声データテーブルを参照し、各タイミングにおける音声データを特定し、特定した音声データをスピーカ34,45から出力させるようスピーカ34,45に駆動信号を送信する。なお、音声制御手段350が上記各タイミングにおける音声データを特定するための処理は、上述の演出制御コマンド送信手段330が送信する演出制御コマンドを特定するための処理と同様のため説明を省略する。
<表示制御部400>
表示制御部400は、副制御部300からの演出制御コマンドを受けて、液晶表示装置35を駆動制御し、演出態様に沿った画像を表示して画像による演出を行う。例えば、表示制御部400は、遊技者のレバー操作時に、副制御部300からコマンドAを受信すると、図7に示すような演出画面Aを表示する。コマンドAを受信して所定時間以内(本実施形態では2秒以内)にコマンドBを受信すると図8(a)に示すような演出画像Bを表示する。また、コマンドAを受信して所定時間以内にコマンドBを受信しないときは、図9に示すような画面中央にMAXベットボタンを表示し、画面下部の両端には消灯したランプを表示する演出画面Cを表示する。表示制御部400は、図示しないCPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。表示制御部400のCPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、計時手段430、コマンド受信手段(受信手段)440、コマンド実行準備手段450、コマンド実行手段460などとして機能する。表示制御部400のROMは、画像記憶手段410及び擬似制御コマンド記憶手段420などとして機能する。主制御部100のRAMには、演出制御コマンド記憶領域、擬似制御コマンド記憶領域、照合用制御コマンド領域及び作業領域が設定されている。また、RAMには、演出に関る各種フラグを設定するフラグ設定領域が設定されている。フラグ設定領域には、演出画面の下部の両端に点灯しているランプの画像を表示する場合はオンに設定され、消灯しているランプを表示する場合はオフに設定される点灯表示フラグが設定される点灯表示フラグ設定領域が含まれている。
以下、液晶制御基板が備える各手段について説明する。なお、液晶制御基板は、下記以外の手段を有していても構わない。
<画像記憶手段410>
画像記憶手段410は、後述するコマンド実行手段460が実行するコマンド実行処理において、液晶表示装置35に表示させる演出画面を生成するための複数の画像データを記憶する。
<擬似制御コマンド記憶手段420>
擬似制御コマンド記憶手段420は、液晶表示装置35に演出画面Cを表示させる処理の実行をコマンド実行手段460に指示するコマンド0x00000011(以下、擬似制御コマンドと称する)を記憶する。なお、擬似制御コマンドは、コマンド受信手段440が実行するコマンド受信処理を規定するプログラム上で規定されてもよい。
<計時手段430>
計時手段430は、ソフトウェアタイマであり、コマンド受信手段440がコマンドAを受信したときから所定時間、本実施形態では2秒のカウントダウン(カウントダウン処理)を開始する。
<コマンド受信手段440>
コマンド受信手段440は、第1コマンド受信処理を実行する。第1コマンド受信処理は、副制御部300からの演出制御コマンドを表示制御部400が受信すると開始される。第1コマンド受信処理において、コマンド受信手段440は、受信した演出制御コマンドを演出制御コマンド記憶領域に記憶する。また、コマンド受信手段440は、受信した演出制御コマンドが所定の演出制御コマンドと一致するか否か、本実施形態では、コマンドAと一致するか否かを判定する。一致する場合は、擬似制御コマンド記憶領域に擬似制御コマンドを記憶する。また、照合用コマンド記憶領域に照合用コマンド、本実施形態ではコマンドBを記憶する。
また、コマンド受信手段440は、所定時間毎に第2コマンド受信処理を実行する。第2コマンド受信処理において、コマンド受信手段440は、第1コマンド受信処理において副制御部300から演出制御コマンドを受信したか否かを判定する。具体的には、演出制御コマンド記憶領域にコマンド受信手段440が受信した演出制御コマンドが記憶されている場合は、演出制御コマンドを受信したと判定する。受信したと判定した場合、コマンド受信手段440は、演出制御コマンド記憶領域に記憶されている演出制御コマンドを作業領域に読み出す。
また、演出制御コマンドを受信したと判定した場合、照合用コマンド記憶領域を参照し、受信した演出制御コマンドが照合用コマンド記憶領域に記憶されている照合用コマンドと一致するか否かを判定する。一致する場合は、擬似制御コマンド記憶領域に擬似制御コマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合は、擬似制御コマンドをクリアする。
また、コマンド受信手段440は、演出制御コマンド記憶領域に演出制御コマンドが記憶されていない場合は、演出制御コマンドを受信していないと判定する。次に、コマンド受信手段440は、擬似制御コマンド記憶領域に擬似制御コマンドが記憶されているか否かを判定する。擬似制御コマンドが記憶されている場合、コマンド受信手段440は、コマンドAを受信したときから所定時間以内、本実施形態では2秒以内、にコマンドBを受信しなかったとき、擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定する。具体的には、コマンドBを受信することなく、計時手段430が実行するカウントダウン処理において0秒に達したとき、コマンド受信手段440は、擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定し、擬似制御コマンド記憶領域に記憶されている擬似制御コマンドを作業領域に読み出す。
<コマンド実行準備手段450>
コマンド実行準備手段450は、第2コマンド受信処理において、コマンド受信手段440が演出制御コマンドを受信したと判定したとき(表示制御部400が演出制御コマンドを受信したとき)、又は、コマンド受信手段440が擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定したとき、コマンド実行準備処理を実行する。コマンド実行準備処理とは、コマンド実行手段460が実行する後述するコマンド実行処理の準備のための一連の処理であり、ROMに記憶されているプログラムによって予め処理の内容が規定されている。本実施形態のコマンド実行準備処理には、演出に関る各種フラグ、例えば点灯表示フラグ設定領域に設定される点灯表示フラグ、の初期化処理(フラグをオンからオフに設定)及び計時手段430のカウントダウン処理の初期化処理が含まれている。
<コマンド実行手段460>
コマンド実行手段460は、コマンド実行準備手段450がコマンド実効準備処理を実行後、コマンド実行処理を実行する。コマンド実行処理は、コマンド解析処理と画像生成処理とを含む。
コマンド解析処理において、コマンド実行手段460は、作業領域に読み出された演出制御コマンド又は擬似制御コマンドの内容を解析する。コマンド実行手段460は、解析したコマンドの内容に基づいて、演出に関る各種フラグを設定する。例えば、コマンドに演出画面の下部の両端に点灯しているランプの画像を表示する指示が含まれている場合、コマンド実行手段460は、点灯表示フラグをオンに設定する。
画像生成処理において、コマンド実行手段460は、コマンド解析処理において解析したコマンドの内容と設定した各種フラグに基づいて、画像記憶手段410から画像データを読み出し、液晶表示装置35に表示する演出画面を生成し、液晶表示装置35を駆動して、生成した演出画面を表示する。
<スロットマシンSの動作>
次に、本実施形態に係るスロットマシンSにおける遊技の制御の概略について、図10に示したフローチャートを用いて説明する。
ステップS101では、再遊技であるか否かの判断が行われる。そして、再遊技であると判断した場合には、ステップS102に進む。再遊技でないと判断した場合には、ステップS103に進む。
ステップS102では、再遊技ベット処理が行われる。具体的には、前回のゲームでベットされたメダルの枚数、つまり「3」をベット数記憶手段180のベット数に加算する更新が行われる。そして、ステップS104に進む。
ステップS103では、ベット処理が行われる。具体的には、メダルのベットの受け付けを開始し、投入センサー47がメダルを検出すると、ベット数記憶手段180のベット数に「1」を加算する更新が行われる。または、ベットスイッチ51が操作されると、クレジット数を減じるとともに、ベット数記憶手段180のベット数に加算する更新が行われる。そして、メダルのベットの受付を終了して、ステップS104に進む。
ステップS104では、レバー53の操作の受け付けを開始して、レバー53が操作されたか否かの判断が行われる。そして、レバー53が操作されたと判断したときには、レバー53の操作の受け付けを終了して、ステップS105に進む。レバー53が操作されていないと判断したときには、ステップS104に戻る。
ステップS105では、当選抽選手段130による当選抽選処理が行われる。つまり、複数の当選役の何れに当選かまたはハズレかの抽選が行われる。そして、ステップS106に進む。
ステップS106では、回転制御手段140の制御により各回転リール23が回転を開始して、一定の回転速度まで加速する。そして、ステップS107に進む。
ステップS107において、停止制御手段160による停止制御処理が行われる。そして、ステップS109に進む。
ステップS109では、入賞判定手段170による入賞判定処理が行われる。つまり、複数の当選役の何れに入賞か又は入賞なしかの判定が行われる。そして、ステップS109に進む。
ステップS109では、支払制御手段190による支払制御処理が行われる。つまり、入賞の特典としてメダルを支払う当選役について入賞と判定された場合に、当選役に応じた枚数のメダルを支払う制御が行われる。そして、ステップS111に進む。
ステップS110では、遊技移行処理が行われる。例えば、通常遊技において「赤セブン当選役の入賞」と判定された場合には、通常遊技からBBへ移行する。また、BB中に320枚を超えるメダルの支払いが行われると、BBから通常遊技へ移行する。そして、ステップS111に進む。
ステップS111では、ゲーム更新手段200によるゲーム更新処理が行われ、ゲームを終了する。
<第2受信処理、コマンド実行準備処理及びコマンド実行処理>
次に、表示制御部400が実行する第2受信処理、コマンド実行準備処理及びコマンド実行処理からなる一連の処理を、図11に示したフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は所定時間毎、例えば4ミリ秒毎に実行される。
ステップS201では、表示制御部400のコマンド受信手段440が、第2コマンド受信処理を開始し、副制御部300から演出制御コマンドを受信したか否かを判定する。演出制御コマンド記憶領域にコマンド受信手段440が受信した演出制御コマンドが記憶されている場合は、演出制御コマンドを受信したと判定し(ステップS201:YES)、ステップS202に移行する。一方、記憶されていない場合は、演出制御コマンドを受信していないと判定し(ステップS201:NO)、ステップS205に移行する。
ステップS202では、コマンド受信手段440が、照合用コマンド記憶領域を参照し、受信した演出制御コマンドが照合用コマンド記憶領域に記憶されている照合用コマンドと一致するか否かを判定する。一致する場合(ステップS202:YES)は、ステップS203に移行する。一方、一致しない場合(ステップS202:NO)は、ステップS207に移行する。
ステップS203では、コマンド受信手段440が、擬似制御コマンド記憶領域に擬似制御コマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合(ステップS203:YES)は、ステップS204に移行する。記憶されていない場合(ステップS203:NO)は、ステップS207に移行する。
ステップS204では、コマンド受信手段440が、擬似制御コマンド記憶領域に擬似制御コマンドをクリアし、ステップS207に移行する。
ステップS205では、コマンド受信手段440が、擬似制御コマンド記憶領域に擬似制御コマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合(ステップS205:YES)は、ステップS206に移行する。記憶されていない場合(ステップS205:NO)は、本処理を終了する。
ステップS206では、コマンド受信手段440が、計時手段430が実行するカウントダウン処理において0秒に達したか否かに基づいて擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定する。0秒に達している場合は、擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定し(ステップS206:YES)、ステップS207に移行する。0秒に達していない場合(ステップS206:NO)は、擬似制御コマンドに応じた処理を実行せず、本処理を終了する。
ステップS207では、コマンド実行準備手段450がコマンド実行準備処理を実行し、演出に関る各種フラグ、例えば点灯表示フラグ設定領域に設定される点灯表示フラグ、の初期化及び計時手段430のカウントダウン処理の初期化を行いステップS208に移行する。
ステップS208では、コマンド実行手段460が、コマンド実行処理を実行し、演出制御コマンド又は擬似制御コマンドの内容を解析し、コマンド実行手段460は、解析したコマンドの内容に基づいて、演出に関る各種フラグを設定し、解析したコマンドの内容と設定した各種フラグに基づいて、画像記憶手段410から画像データを読み出し、液晶表示装置35に表示する演出画面を生成し、液晶表示装置35を駆動して、生成した演出画面を表示し、本処理を終了する。
本実施形態では、副制御部300からのコマンドAを表示制御部400が受信した場合、表示制御部400のコマンド受信手段440は、擬似制御コマンド記憶領域に擬似制御コマンドを記憶し、また、照合用コマンド記憶領域にコマンドBを記憶する。次に、コマンド実行準備手段450がコマンド実行準備処理を実行する。コマンド実行準備処理実行後、コマンド実行手段460がコマンドAのコマンド実行処理を実行する。コマンドAは、上述のとおり画面下部の両端に点灯するランプを表示する指示を含むため、コマンドAを解析したコマンド実行手段460は、点灯表示フラグをオンに設定する。そして、コマンド実行手段460は、解析したコマンドAの内容と設定した各種フラグに基づいて、画像記憶手段410から画像データを読み出し、液晶表示装置35に表示する演出画面A(図7参照)を生成し、液晶表示装置35を駆動して、生成した演出画面Aを表示する。
表示制御部400が、コマンドAを受信後、2秒以内にコマンドBを副制御部300から受信した場合、受信したコマンドBは照合用コマンドと一致するので、コマンド受信手段440は、擬似制御コマンド記憶領域に記憶されている擬似制御コマンドをクリアする。次に、コマンド実行準備手段450がコマンド実行準備処理を実行する。このとき、コマンド実行準備手段450は、コマンドAのコマンド実行処理においてオンに設定された点灯表示フラグを初期化(オンからオフに設定)する。コマンド実行準備処理実行後、コマンド実行手段460がコマンドBのコマンド実行処理を実行する。コマンド実行手段460は、解析したコマンドの内容と設定した各種フラグに基づいて、画像記憶手段410から画像データを読み出し、液晶表示装置35に表示する演出画面B(図8(a)参照)を生成し、液晶表示装置35を駆動して、生成した演出画面Bを表示する。上記のように、コマンドBの実行前に実行したコマンド実行準備処理において、点灯表示フラグを初期化しているので、コマンド実行手段460は、コマンドBに応じて、画面下部の両端に消灯したランプの画像を含む演出画面Bを正確に表示することができる。
表示制御部400が、コマンドAを受信後、2秒以内に表示制御部400がコマンドBを受信しなかった場合、コマンド実行手段460は、コマンドAを受信してから2秒経過時に擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定する。次に、コマンド実行準備手段450がコマンド実行準備処理を実行する。このとき、コマンド実行準備手段450は、コマンドAのコマンド実行処理においてオンに設定された点灯表示フラグを初期化(オンからオフに設定)する。コマンド実行準備処理実行後、コマンド実行手段460が擬似制御コマンドのコマンド実行処理を実行する。コマンド実行手段460は、解析したコマンドの内容と設定した各種フラグに基づいて、画像記憶手段410から画像データを読み出し、液晶表示装置35に表示する演出画面C(図9参照)を生成し、液晶表示装置35を駆動して、生成した演出画面Cを表示する。上記のように、擬似制御コマンドの実行前に実行したコマンド実行準備処理において、点灯表示フラグを初期化しているので、コマンド実行手段460は、擬似制御コマンドに応じて、画面下部の両端に消灯したランプの画像を含む演出画面Cを正確に表示することができる。
以上のように、本実施形態では、第2コマンド受信処理において、コマンド受信手段440が演出制御コマンドを受信したと判定した場合(コマンド受信手段440が演出制御コマンドを受信した場合)、又は、コマンド受信手段440が擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定した場合のいずれであっても、コマンド実行準備手段450がコマンド実行準備処理を実行し、コマンド実行準備処理後、コマンド実行手段460がコマンド実行処理を実行する。すなわち、上記いずれの場合であっても、表示制御部400が液晶表示装置35を制御する処理のフローは、コマンド実行準備手段450がコマンド実行準備処理を実行し、その後、コマンド実行手段460がコマンド実行処理を実行するという共通の処理フローとなる。このため、表示制御部400が液晶表示装置35を制御する処理を規定するプログラムの複雑化を抑制しつつ、表示制御部400で多様な処理を実行し、液晶表示装置35に多様な演出画面を表示させることができる。
また、表示制御部400が液晶表示装置35を制御する処理を共通のプログラムによって構成された共通の処理ルーチンで実行することが可能となるので、プログラムが複雑化による開発工数の増加を抑制することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。
例えば、当選図柄に応じて、MAXBETプレミアム演出を複数設けもよい。この場合、例えば、各MAXBETプレミアム演出の制御において、レバー操作後MAXBET押下時のタイミングで、副制御部300から表示制御部400に送信される演出制御コマンドは、当選図柄に応じて異なる。例えば、当選図柄が赤セブンのときのMAXBETプレミアム演出においては、上記コマンドBが送信され、当選図柄が白セブンのときは図8(b)に示すように画面中央に「LUCKY!!」という文字列を表示し、画面下部の両端には消灯したランプを表示する演出画面B’の表示を指示する演出制御コマンド0x00000003(以下、コマンドB’と称する)を送信する。表示制御部400のコマンド受信手段440は、コマンドAを受信しときに照合用コマンド記憶領域にコマンドB及びコマンドB’を照合用コマンドとして記憶する。
また、本実施形態では、副制御部300が、レバー操作時のメイン制御コマンドを受信してから2秒以内にレバー操作後MAXBET押下時のメイン制御コマンドを受信したか否かを判定し、2秒以内に受信した場合は、レバー操作後MAXBET押下時に送信する演出制御コマンドとして設定されている演出制御コマンド(コマンドB)を表示制御部400へ送信する態様を説明したが、このタイマ管理処理を省略し、2秒経過後にレバー操作後MAXBET押下時のメイン制御コマンドを受信した場合にコマンドBを表示制御部400へ送信してもよい。この場合、表示制御部400側でタイマ管理処理を実行し、コマンドAを受信してから2秒経過後にコマンドBを受信した場合は、受信したコマンドBに応じた処理(コマンド実行準備処理及びコマンド実行処理)を行わないようにすればよい。
また、本実施形態では、表示制御部400のROMを擬似制御コマンド記憶手段420として機能させ、擬似制御コマンドを予め記憶させておく例を説明したが、副制御部300から送信されるコマンドAに擬似制御コマンドを含ませておき、表示制御部400はコマンドAを受信したとき、コマンドAを実行するとともに、コマンド受信手段440に、コマンドAに含まれている擬似制御コマンドを擬似制御コマンド記憶領域に記憶させてもよい。
また、操作部50に演出のために用いられる演出専用ボタンを設け、レバー操作後ストップスイッチ54が操作される前に、MAXBETスイッチ51bに代えて、演出専用ボタンが遊技者によって所定時間内に押下されたときに、上述の特別な演出を行ってもよい。また、MAXBETスイッチ51bに代えて、遊技中にこの遊技を進行させる上で機能しなくなったスイッチ、例えば、レバー53操作後におけるレバー53又は1枚ベットスイッチ51a、が操作又は押下されたときに、上述の特別な演出を行ってもよい。
また、本実施形態では、副制御部300及び表示制御部400に本発明を適用した例を説明したが、主制御部100及び副制御部300に本発明を適用してもよい。例えば、副制御部は、主制御部100から所定のメイン制御コマンドを受信したとき、受信したメイン制御コマンドに応じた演出制御コマンドを表示制御部400に送信するとともに、擬似演出制御コマンドを副制御部300のRAMに設定し、所定時間内に主制御部100から次のメイン制御コマンドを受信しなかったとき、設定した擬似演出制御コマンドを表示制御部400に送信してもよい。
また、本実施形態では、本発明を回胴式遊技機(スロットマシン)に適用した例を説明したが、弾球遊技機(パチンコ機)及びその他の遊技機に適用してもよい。弾球遊技機は、遊技を制御する主制御部と遊技の進行及び結果に応じて演出を制御する副制御部と遊技盤の略中央部に設けられた液晶表示装置の表示を制御する表示制御部を有する。弾球遊技機に設けられたハンドルの操作によって遊技球が遊技盤の遊技領域に発射され、発射された遊技球が特定入賞口(始動入賞口)を通過すると、主制御部は特別図柄に関る電子抽選を行い、また、遊技盤上に設けられた特図表示装置に表示される特別図柄の変動を開始する。副制御部は電子抽選の当否結果等に基づき、表示制御部に演出制御コマンドを送信する。表示制御部は、受信した演出制御コマンドに応じて液晶表示装置に特別図柄の変動に同期するダミー図柄(演出図柄)を含む演出画像を表示する。また、弾球遊技機の前下部に配置された前面ボードに演出に関する遊技者からの操作を受け付ける演出ボタンを設け、副制御部は、演出ボタンの操作に応じて特別な演出を指示する演出制御コマンドを送信する。このような弾球遊技機において、本実施形態と同様に、表示制御部は、所定の演出制御コマンドを受信すると擬似制御コマンドを設定し、所定時間内に演出ボタンの操作に基づいて副制御部から送信される演出制御コマンドを受信しない場合、擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定する。また、表示制御部は、副制御部から演出制御コマンドを受信した場合、又は擬似制御コマンドに応じた処理の実行を決定した場合のいずれの場合も所定のコマンド実行準備処理を実行後、受信した演出制御コマンド又は実行を決定した擬似制御コマンドに応じた処理を実行する。
すなわち、これらの実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。