(第1の実施形態)
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図8にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20と、右スピーカ21とが配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)23が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。また、前枠14には、下皿23の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ25が配置されている。下スピーカ25は、中枠13に装着されている。
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿23には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、表示枠体27には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部27bが装着されている。
また、表示枠体27の左下方には、特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。そして、本実施形態では、100種類の大当り図柄と、1種類のはずれ図柄が用意されている。
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄(大当りの表示結果)又ははずれ図柄(はずれの表示結果)が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置30と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示(確定停止表示)され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、各列に導出された飾り図柄の組み合わせによって構成されるとともに、例えば、大当り図柄は全列が同一の飾り図柄からなる組み合わせで構成される一方で、はずれ図柄は全列が同一の飾り図柄にならない組み合わせで構成される。本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に、「1」〜「8」までの数字が飾り図柄として表示されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出)が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
リーチ演出は、演出表示装置28で行われる図柄変動ゲームにおいて予め定めた特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一種類の図柄で、かつ特定列以外の列(本実施形態では、中列)が変動する組み合わせで構成されるリーチ図柄が停止表示されることによって行われる演出である。リーチ図柄は、本実施形態のパチンコ遊技機10のように3列の飾り図柄を表示させる場合であって図柄停止順序が左列→右列→中列の場合、左列の飾り図柄と右列の飾り図柄が同一種類となる組み合わせで構成される。
また、表示枠体27の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口33aを有する上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口34は、開閉羽根35が開動作して入球口34aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口33の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口34の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図2に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
また、下始動入賞口34の下方の遊技領域H1には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉36を備えた大入賞口37が配設されている。大入賞口37の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図示しない)が配設されている。大入賞口37は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉36が開動作して大入賞口37が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当りの表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉36の開動作により大入賞口37が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球する、の何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口37より下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口38が形成されている。アウト球口38を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10には、その機前面側に遊技者及び遊技場の従業員が操作可能な演出用操作手段としての演出用ボタン39が配置されている。本実施形態において演出用ボタン39は、押しボタン式とされており、上皿16に配置されている。本実施形態において演出用ボタン39は、図柄変動ゲーム中に前記演出用ボタン39の操作が有効となる操作有効期間が設定されることにより、当該期間の間の操作が有効とされる。そして、演出用ボタン39は、操作有効期間に遊技者によって押下操作されると、演出用ボタン39が操作されたことを示す制御信号(以下、「ボタン操作信号」という)を出力するように構成されている。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図2にしたがって説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板41と、演出表示制御基板42と、音声・ランプ制御基板43が装着されている。サブ統括制御基板41は、主制御基板40が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板42、及び音声・ランプ制御基板43を統括的に制御する。演出表示制御基板42は、主制御基板40とサブ統括制御基板41が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板43は、主制御基板40とサブ統括制御基板41が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ20,21,25の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板40、サブ統括制御基板41及び演出表示制御基板42について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板40には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。主制御用CPU40aには、主制御用ROM40bと主制御用RAM40cが接続されている。また、主制御用CPU40aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口に34に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU40aには、特別図柄表示装置30が接続されている。主制御用CPU40aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM40cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとする場合に特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容(大当り演出、はずれ演出など)を決定する際に用いる乱数である。また、本実施形態の主制御用CPU40aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
主制御用ROM40bには、前記制御プログラムに加え、複数種類の変動パターン(演出パターン)と各種判定値(大当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間と演出内容を特定するためのパターンである。この変動パターンに基づき、特別図柄表示装置30では、特別図柄の変動が開始してから、変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、大当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される図柄変動ゲームが実行される。一方、変動パターンに基づき演出表示装置28では、飾り図柄の変動が開始してから、変動パターンで特定される演出内容で各種遊技演出が行われるとともに変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、大当り図柄又ははずれ図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームが実行される。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる演出内容に分類されている。
大当り演出では、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経て最終的に大当り図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームが大当り図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。はずれリーチ演出は、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経て最終的にはずれ図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームがはずれ図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。はずれ演出は、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームがはずれ図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。なお、特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、大当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として2つの値を設定した場合、大当り判定が肯定判定される割合、すなわち大当りの当選確率は600分の2(300分の1)となる。
図3は、主制御用ROM40bに記憶される変動パターン振分テーブルDT1を模式的に示した図である。なお、図3は、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用の変動パターン振分テーブルをまとめた変動パターン振分テーブルDT1を示す。そして、図3には、はずれ演出用の変動パターンのうち、一部の変動パターンP1−1,P1−2を示している。また、図3には、大当り演出用の変動パターンとして設けられる複数種類の変動パターンのうち、一部の変動パターンP2−1,P3−1,P4−1,P2−3,P3−3,P4−3を示している。また、図3には、はずれリーチ演出用の変動パターンとして設けられる複数種類の変動パターンのうち、一部の変動パターンP2−2,P3−2,P4−2,P2−4,P3−4,P4−4を示している。なお、以下の説明において、変動パターンP1−1,P1−2をまとめて「変動パターンP1」と、変動パターンP2−1,P2−2,P2−3,P2−4をまとめて「変動パターンP2」と、変動パターンP3−1,P3−2,P3−3,P3−4をまとめて「変動パターンP3」、変動パターンP4−1,P4−2,P4−3,P4−4をまとめて「変動パターンP4」と記載することがある。
そして、リーチ演出を伴う変動パターンP2−1〜P4−4は、図柄変動ゲームの演出内容(変動時間や演出態様など)をそれぞれに定めており、これらの変動パターンP2−1〜P4−4には、図3に示すように変動パターン毎に図柄変動ゲームのリーチ演出の種類(表示演出内容)を特定し得るリーチ演出の種類が予め定められている。本実施形態では、変動パターンP2−1〜P4−4は、リーチ変動を特定し、演出表示装置28で実行させる表示演出としてリーチ演出を実行する内容を特定する。
そして、本実施形態では、リーチ演出には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ1及びスーパーリーチ2が用意されており、スーパーリーチ1及びスーパーリーチ2はノーマルリーチを経由して行われるリーチ演出であって、ノーマルリーチ演出が発展する演出内容となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出用ボタン39の操作が可能となる操作有効期間を設定し、該操作有効期間内に該演出用ボタン39が押下操作された際に実行される大当り予告演出と、設定された操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されなかった場合に実行される示唆演出とからなる操作演出が実行可能に構成されている。大当り予告演出は、主制御用CPU40aにより決定された変動パターンに基づく図柄変動ゲームの展開を直接的に示唆することで大当りの表示結果が導出される可能性を示す予告演出である。大当り予告演出の内容として、図柄変動ゲームにて大当りの表示結果が導出される可能性が高いこと、又は低いことを示す演出内容が定められている。また、示唆演出は、設定された操作有効期間内に演出用ボタン39が操作されなかった場合に実行される、前記大当り予告演出の演出内容を示唆する演出である。該示唆演出の演出内容として、設定された操作有効期間内に演出用ボタン39が操作された際に図柄変動ゲームにて大当りの表示結果が導出される可能性が高いこと、又は低いことを示す演出内容で大当り予告演出が実行された可能性が高いこと(実行されたであろうこと)を示唆する内容が定められている。示唆演出は、大当り予告演出が実行されなかった場合に実行される演出となっている。
そして、図3に示すように、本実施形態では、変動パターンP1−1では、操作演出を伴う通常変動(リーチ演出なしの変動)が特定されており、変動パターンP1−2では、操作演出を伴わない通常変動が特定されている。また、変動パターンP2−1及び変動パターンP2−2では、操作演出を伴うノーマルリーチが特定されている。また、変動パターンP3−1及び変動パターンP3−2では、操作演出を伴うスーパーリーチ1が特定されている。また、変動パターンP4−1及び変動パターンP4−2では、操作演出を伴うスーパーリーチ2が特定されている。また、変動パターンP2−3及び変動パターンP2−4では、操作演出を伴わないノーマルリーチが特定されている。また、変動パターンP3−3及び変動パターンP3−4では、操作演出を伴わないスーパーリーチ1が特定されている。また、変動パターンP4−3及び変動パターンP4−4では、操作演出を伴わないスーパーリーチ2が特定されている。そして、変動パターンP1では、同一の演出態様で実行される通常変動が特定されている。また、変動パターンP2では、同一の演出態様で実行されるノーマルリーチが特定されている。また、変動パターンP3では、同一の演出態様で実行されるスーパーリーチ1が特定されている。また、変動パターンP4では、同一の演出態様で実行されるスーパーリーチ2が特定されている。そして、各変動パターンでは、それぞれ所定の変動時間が定められている。
そして、本実形態において、各変動パターンP2〜P4では、各変動パターンで特定される演出内容の大当りへの期待度が異なるように出現率が設定されている。すなわち、大当り抽選で大当りの決定時には、変動パターンP2で特定されるノーマルリーチ<変動パターンP3で特定されるスーパーリーチ1<変動パターンP4で特定されるスーパーリーチ2の順に決定されやすく構成されている。一方、大当り抽選ではずれの決定時には、変動パターンP1で特定される通常変動>変動パターンP2で特定されるノーマルリーチ>変動パターンP3で特定されるスーパーリーチ1>変動パターンP4で特定されるスーパーリーチ2の順に決定されやすく構成されている。すなわち、本実施形態では、変動パターンP2で特定されるノーマルリーチ<変動パターンP3で特定されるスーパーリーチ1<変動パターンP4で特定されるスーパーリーチ2の順に大当りへの期待度が高くなるようになっている。
次に、サブ統括制御基板41について説明する。
サブ統括制御基板41には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU41aと、統括制御用CPU41aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び書き出しができる統括制御用RAM41cが設けられている。統括制御用CPU41aには、統括制御用ROM41bと統括制御用RAM41cが接続されている。そして、統括制御用CPU41aは、操作演出用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM41cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。操作演出用乱数は、操作演出を実行するか否かの判定や、操作演出の演出内容を決定するために用いられる乱数である。本実施形態では、操作演出用乱数は、「0(零)」〜「250」までの全251通りの整数に設定されている。そして、統括制御用CPU41aは、操作演出用乱数の数値を所定の周期毎に+1ずつ更新するようになっている。また、サブ統括制御基板41には、各種出力処理にて出力する制御コマンドを一時的に記憶するための送信バッファ(図示しない)を備えている。また、本実施形態の統括制御用CPU41aは、タイマ機能(タイマT)を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用CPU41aには、演出用ボタン39が接続されているとともに、該演出用ボタン39が出力する「ボタン操作信号」を入力可能に構成されている。
また、統括制御用ROM41bには、前記制御プログラムに加え、演出振分テーブルDT2(図4に示す)が記憶されている。演出振分テーブルDT2は、統括制御用CPU41aが、主制御用CPU40aにより決定された各変動パターン及び操作演出用乱数に基づき、操作演出を実行するか否かを決定する際や、大当り予告演出及び示唆演出の演出内容を決定する際に参照するテーブルである。
演出振分テーブルDT2には、主制御用CPU40aにより決定された各変動パターンに対し、操作演出の内容として、演出用ボタン39の操作有効期間内に該演出用ボタン39が押下操作された場合に実行させる複数(本実施形態では2つ)の大当り予告演出の内容と、操作演出なしを指示する内容とが振分けられている(図4の右方「押した場合」欄参照)。本実施形態では、演出用ボタン39が押下操作された際に実行される大当り予告演出には、演出表示装置28にメッセージ「リーチこないかな?」を表示する演出内容、及び演出表示装置28にメッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する演出内容が定められている。メッセージ「リーチこないかな?」を表示する大当り予告演出は、当該図柄変動ゲームにて大当り予告演出の実行後に、リーチ演出が展開されることを示唆する予告演出である。また、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する大当り予告演出は、当該図柄変動ゲームにて大当り予告演出の実行後に、まずノーマルリーチが実行され、さらにスーパーリーチに発展するように展開されることを示唆する予告演出である。なお、統括制御用CPU41aは、大当り予告演出の内容として、メッセージを表示する演出内容を決定した場合(操作演出なしを指示する内容を決定しなかった場合)には、操作演出を実行するようになっている。また、統括制御用CPU41aは、操作演出なしを指示する内容を決定した場合には、操作演出を実行しないようになっている。そして、演出振分テーブルDT2に振分けられた演出内容には、それぞれに操作演出用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。これらの演出振分テーブルDT2における操作演出用乱数の振分け態様により、図柄変動ゲーム中に各大当り予告演出が実行された場合の大当りへの期待感が異なるようになっている。
具体的に言えば、操作演出を伴ったノーマルリーチ演出を特定する大当り演出用の各変動パターンP2−1では、メッセージ「リーチこないかな?」に対し、151個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「スーパーリーチだよ!」に対し、100個の操作演出用乱数の値が振分けられている。また、操作演出を伴ったスーパーリーチ演出を特定する大当り演出用の各変動パターンP3−1,P4−1では、メッセージ「リーチこないかな?」に対し、100個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「スーパーリーチだよ!」に対し、151個の操作演出用乱数の値が振分けられている。一方、操作演出を伴ったリーチ演出を特定するはずれリーチ演出用の変動パターンP2−2では、メッセージ「リーチこないかな?」に対し、251個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「スーパーリーチだよ!」に対し、0個の操作演出用乱数の値が振分けられている(操作演出用乱数の値が振分けられていない)。また、操作演出を伴ったリーチ演出を特定するはずれリーチ演出用の各変動パターンP3−2,P4−2では、メッセージ「リーチこないかな?」に対し、135個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「スーパーリーチだよ!」に対し、116個の操作演出用乱数の値が振分けられている。また、操作演出を伴うはずれ演出用の変動パターンP1−1では、メッセージ「リーチこないかな?」に対し、251個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「スーパーリーチだよ!」に対し、0個の操作演出用乱数の値が振分けられている(操作演出用乱数の値が振分けられていない)。
このような振分態様によって、操作演出を伴う通常変動を特定する変動パターンP1−1では、常にメッセージ「リーチこないかな?」を決定するようになっている。すなわち、変動パターンP1−1では、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を決定しないように構成されている。また、操作演出を伴うノーマルリーチを特定する変動パターンP2−1では、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を選択し得るように構成されている。前述のようにスーパーリーチ1及びスーパーリーチ2の大当りへの期待度は、ノーマルリーチと比較して高く設定されているとともに、各スーパーリーチはノーマルリーチを経由して発展するようになっている。そのため、図柄変動ゲームにてノーマルリーチが実行される際に、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する大当り予告が実行されることで、当該図柄変動ゲームにおいてノーマルリーチが実行された後に各スーパーリーチへ発展する期待を遊技者に抱かせ得るようになっている。一方、通常変動を特定する変動パターンP1−1では、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する大当り予告演出が実行されることがないので、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する大当り予告演出が実行された後に、各スーパーリーチに発展する可能性のあるノーマルリーチさえ実行されないことがない。したがって、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する大当り予告演出への期待感が損なわれないようになっている。
また、操作演出を伴うスーパーリーチを特定する変動パターンP3−1,P3−2,P4−1,P4−2では、操作演出を伴うノーマルリーチを特定する変動パターンP2−1,P2−2と比較して、メッセージ「スーパーリーチだよ!」が決定され易くなっている。つまり、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する大当り予告演出が実行されれば、ノーマルリーチが各スーパーリーチに発展する可能性が高くなるようになっている。すなわち、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する大当り予告演出への期待感が損なわれないようになっている。
また、大当り演出用の各変動パターンでは、メッセージ「リーチこないかな?」よりも、メッセージ「スーパーリーチだよ!」のほうが決定され易くなっている。また、はずれリーチ演出用の各変動パターンでは、メッセージ「スーパーリーチだよ!」よりも、メッセージ「リーチこないかな?」のほうが決定され易くなっている。つまり、メッセージ「リーチこないかな?」よりも、メッセージ「スーパーリーチだよ!」のほうが、大当りへの期待感が高くなるようになっている。
以上のように、統括制御用CPU41aは、主制御用CPU40aが決定した変動パターンをもとに、当該変動パターンに基づく図柄変動ゲームの展開を直接的に示唆することで大当りの表示結果が導出される可能性を示す大当り予告演出の演出内容を決定するようになっている。
なお、各変動パターンP1−1,P2−1,P2−2,P3−1,P3−2,P4−1,P4−2では、操作演出なしを指示する内容には、操作演出用乱数の値が振分けられていない。つまり、操作演出を伴う演出内容を特定する変動パターンでは、大当り予告演出として常にメッセージを表示する演出内容が決定されるとともに、操作演出が実行されるようになっている。また、操作演出を伴わない演出内容を特定する各変動パターンP1−2,P2−3,P2−4,P3−3,P3−4,P4−3,P4−4では、操作演出なしを指示する内容には、251個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、その他の大当り予告演出の演出内容には操作演出用乱数の値が振分けられていない。つまり、操作演出を伴わない演出内容を特定する変動パターンでは、常に操作演出なしを指示する内容が決定されるとともに、操作演出が実行されないようになっている。
また、演出振分テーブルDT2には、主制御用CPU40aにより決定された各変動パターンに対し、操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されなかった場合に実行される複数(本実施形態では3つ)の示唆演出の内容が振分けられている(図4の左方「押さなかった場合」欄参照)。本実施形態では、示唆演出には、演出表示装置28にメッセージ「ボタン押してよ!」を表示する演出内容と、演出表示装置28にメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を表示する演出内容と、メッセージを表示しない演出内容とが定められている。メッセージ「ボタン押してよ!」を表示する示唆演出は、操作有効期間内に演出用ボタン39を操作していれば、期待感の低い大当り予告演出が実行された可能性が高いこと(実行されたであろうこと)ことを示唆する演出である。また、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を表示する示唆演出は、操作有効期間内に演出用ボタン39を操作していれば、期待感の高い大当り予告演出が実行された可能性が高いことを示唆する演出となっている。また、メッセージを表示しない演出内容は、示唆演出を実行しない演出内容となっている。そして、演出振分テーブルDT2に振分けられた示唆演出の演出内容には、それぞれに操作演出用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。これらの演出振分テーブルDT2における操作演出用乱数の振分け態様により、操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されなかったことで実行されなかった大当り予告演出の期待感が高いものであったか否かが想定できるようになっている。
具体的に言えば、操作演出を伴ったリーチ演出を特定する大当り演出用の各変動パターンP2−1,P3−1,P4−1では、メッセージを表示しない演出に対し、101個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「ボタン押してよ!」に対し、60個の操作演出用乱数の値が振分けられており、さらにメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」に対し、90個の操作演出用乱数の値が振分けられている。一方、操作演出を伴ったリーチ演出を特定するはずれリーチ演出用の変動パターンP2−2では、メッセージを表示しない演出に対し、141個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「ボタン押してよ!」に対し、100個の操作演出用乱数の値が振分けられており、さらにメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」に対し、10個の操作演出用乱数の値が振分けられている。また、操作演出を伴ったリーチ演出を特定するはずれリーチ演出用の各変動パターンP3−2及びP4−2では、メッセージを表示しない演出に対し、121個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「ボタン押してよ!」に対し、100個の操作演出用乱数の値が振分けられており、さらにメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」に対し、30個の操作演出用乱数の値が振分けられている。
また、操作演出を伴うはずれ演出用の変動パターンP1−1では、メッセージを表示しない演出に対し、126個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「ボタン押してよ!」に対し、115個の操作演出用乱数の値が振分けられており、さらにメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」に対し、10個の操作演出用乱数の値が振分けられている。
このような振分態様によって、メッセージを表示しない演出内容は、何れの変動パターンに対しても最も決定され易くなっている。つまり、操作有効期間内に演出用ボタン39を操作しない場合には、各メッセージを表示する示唆演出が実行され難くなっている。また、大当り演出としてメッセージ「スーパーリーチだよ!」を決定し得ない変動パターンP1−1でも、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を表示する示唆演出の内容が決定され得るようになっている。このため、操作有効期間内に演出用ボタン39を押下操作していれば、期待感の高い大当り予告演出が実行された可能性があることを遊技者に示唆し得るようになっている。
また、各リーチ演出を特定する変動パターンP2−1,P2−2,P3−1,P3−2,P4−1,P4−2では、通常変動を特定する大当り演出用の変動パターンP2−1,P2−2よりも、示唆演出の演出内容として、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を決定し易いようになっている。
また、大当り演出用の各変動パターンでは、メッセージ「ボタン押してよ!」よりも、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」のほうが決定され易くなっている。また、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用の各変動パターンでは、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を表示する演出内容よりも、メッセージ「ボタン押してよ!」を表示する演出内容のほうが決定され易くなっている。
したがって、大当り予告演出の演出内容として期待感が高い演出内容(メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する演出内容)が決定され易い場合には、示唆演出の内容として、メッセージ「ボタン押してよ!」よりも、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」のほうが、決定され易くなっている。一方で、大当り予告演出の演出内容として期待感が低い演出内容(メッセージ「リーチこないかな?」を表示する演出内容)が決定され易い場合には、示唆演出の内容として、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」よりも、メッセージ「ボタン押してよ!」のほうが、決定され易くなっている。
すなわち、示唆演出は、操作有効期間中に演出用ボタン39を押下操作していれば実行されたであろう大当り予告演出の期待感が高いものであるか、低いものであるかを示唆するようになっている。
次に、演出表示制御基板42について説明する。
演出表示制御基板42には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU42aと、表示制御用CPU42aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM42bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM42cが設けられている。表示制御用CPU42aには、表示制御用ROM42bと、表示制御用RAM42cが接続されているとともに、演出表示装置28が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU42aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM42bには、各種の画像データ(図柄、背景、メッセージなどの文字、キャラクタなどの画像データ)や、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンの種類に応じて、各リーチ演出、大当り予告演出及び示唆演出の演出内容や、前記演出用ボタン39の操作有効期間などを定めたデータが記憶されている。
本実施形態では、演出表示制御基板42は、操作有効期間内に演出用ボタン39を押下操作するよう促すためのプッシュ指示演出(操作指示)を実行可能に構成されている。本実施形態では、プッシュ指示演出として、演出表示装置28に「PUSH」の文字を図案化した画像が表示されるように構成されている(図8(b)に示す)。
以下、主制御基板40、サブ統括制御基板41及び演出表示制御基板42が実行する制御内容を説明する。
主制御基板40の主制御用CPU40aは、上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU40aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU40aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を主制御用RAM40cから取得し、その取得した大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM40cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU40aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM40cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM40bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU40aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU40aは、大当り図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。そして、大当り図柄を決定した主制御用CPU40aは、決定した大当り図柄を主制御用RAM40cに記憶する。また、大当りを決定した主制御用CPU40aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM40cから取得し、該値に対応する変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
一方、主制御用CPU40aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU40aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選で決定する。はずれリーチ演出の実行を決定した場合、主制御用CPU40aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM40cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。一方、はずれリーチ演出の非実行を決定した場合、主制御用CPU40aは、前述同様にはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM40cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU40aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板41(統括制御用CPU41a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU40aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU40aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU40aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
本実施形態では、主制御用CPU40aが、変動パターン決定手段として機能する。
次に、サブ統括制御基板41について説明する。
以下、パチンコ遊技機10のサブ統括制御基板41の統括制御用CPU41aの制御を図5〜図7に示すフローチャートを参照して説明する。図5は、サブ統括制御基板41の統括制御用CPU41aにおけるタイマ割り込み処理を示すフローチャートである。なお、以下に説明する制御を実行する統括制御用CPU41aが、期間設定手段、操作信号入力手段及び演出決定手段として機能する。
タイマ割り込み処理は、所定の制御周期(例えば、2ms)毎に繰り返し実行する処理であり、このタイマ割り込み処理にて各種図柄変動ゲームに係る処理を実行する。
タイマ割り込み処理において統括制御用CPU41aは、送信バッファに格納されている制御コマンド(変動に関するコマンドなど)を各制御基板42,43に出力するコマンド出力処理を実行する(ステップS1)。続いて、統括制御用CPU41aは、今回の制御周期で図柄変動ゲームに関するコマンドを入力したか否かを判定するコマンド入力処理を実行する(ステップS2)。本実施形態における図柄変動ゲームに関するコマンドは、変動パターン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、図柄停止コマンドであり、これらのコマンドは図柄変動ゲームに係る指示を行うコマンドである。ステップS2において、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該変動パターン指定コマンドを統括制御用RAM41cに記憶(設定)させるとともに、変動時間管理フラグを設定する。変動時間管理フラグは、図柄変動ゲームを開始させてから終了するまでのタイマTのカウントを実行していることを示すものである。そして、統括制御用CPU41aは、入力した変動パターン指定コマンドを送信バッファに格納する。また、統括制御用CPU41aは、図柄停止コマンドを入力するとタイマT及び各種フラグをクリアするとともに、該図柄停止コマンドを送信バッファに格納する。また、統括制御用CPU41aは、その他の制御コマンドを入力すると、該制御コマンドに指示された内容にしたがって、所定の制御(例えば、後述する飾り図柄を決定する制御など)を実行する。
続いて、統括制御用CPU41aは、操作演出に関する操作フラグを設定する演出制御処理(図6に示す)を実行する(ステップS3)。続いて、統括制御用CPU41aは、図柄変動ゲームに関するタイマTの設定、及びカウントを実行するタイマ開始処理を実行する(ステップS4)。ステップS4において、統括制御用CPU41aは、変動時間管理フラグが設定されている場合には、タイマTに所定の時間(例えば、制御周期に相当する時間)を加算する。なお、統括制御用CPU41aは、タイマTの値が所定の最大値に達している場合には、タイマTに所定の時間を加算せずにタイマ開始処理を終了して以降の処理に移行する。
次に、統括制御用CPU41aは、操作演出に関する各種設定、及び処理をする操作演出制御処理(図7に示す)を実行する(ステップS5)。続いて、統括制御用CPU41aは、次回のタイマ割込み処理の実行周期が到来するまで待機する(ステップS6)。
次に、タイマ割込み処理のサブルーチンとして実行される演出制御処理(ステップS3)について図6を参照して説明する。
まず、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドが統括制御用RAM41cに記憶されているか否かを判定する(ステップSS31)。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU41aは、演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。一方、ステップSS31における判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU41aは、演出振分テーブルDT2を読み出して、操作演出内容を抽選により決定する(ステップSS32)。具体的には、統括制御用CPU41aは、記憶されている変動パターン指定コマンドの種類を特定するとともに、操作演出用乱数の値を読み出して統括制御用RAM41cに記憶させる。そして、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドに指示された変動パターン及び操作演出用乱数に基づき、演出振分テーブルDT2を参照して操作演出内容を決定する。ステップSS32で決定される操作演出内容は、操作演出なしを指示する内容、及びメッセージ「リーチこないかな?」を表示する大当り予告演出、及びメッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する大当り予告演出のいずれかである。
次に、統括制御用CPU41aは、操作演出に当選したか否か判定する(ステップSS33)。具体的には、統括制御用CPU41aは、ステップSS32において決定した内容が、「操作演出なしを指示する内容」であるか否かについて判定する。そして、統括制御用CPU41aは、ステップSS32において「操作演出なしを指示する内容」を決定していると判定(否定判定)すると、演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。すなわち、統括制御用CPU41aは、操作演出を実行するための処理を行うことなく、演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。一方、統括制御用CPU41aは、ステップSS32において「操作演出なしを指示する内容」を決定していないと判定(肯定判定)すると、演出フラグを統括制御用RAM41cに設定する(ステップSS34)。演出フラグは、操作演出に当選したことにより操作演出を実行することを示すフラグである。続いて、統括制御用CPU41aは、ステップSS32において決定した大当り予告演出の演出内容を指示する大当り予告演出指示コマンドを作成し、送信バッファに格納する(ステップSS35)。次に、統括制御用CPU41aは、演出振分テーブルDT2を読み出して、示唆演出内容を抽選により決定する(ステップSS36)。具体的には、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドに指示された変動パターン及びステップSS32にて統括制御用RAM41cに記憶させた操作演出用乱数に基づき、演出振分テーブルDT2を参照して示唆演出内容を決定する。ステップSS36において、統括制御用CPU41aは、示唆演出内容として、メッセージを表示しない演出内容、及びメッセージ「ボタン押してよ!」を表示する演出内容、及びメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を表示する演出内容のいずれかを決定する。続いて、統括制御用CPU41aは、ステップSS36で決定した示唆演出内容を指示する示唆演出指示コマンドを作成するとともに、送信バッファに格納する(ステップSS37)。そして、統括制御用CPU41aは、演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。なお、ステップSS35及びステップSS37で送信バッファに格納された各制御コマンドは、格納以降の制御周期におけるコマンド出力処理(ステップS1)により演出表示制御基板42、及び音声・ランプ制御基板43に出力される。
次に、タイマ割込み処理のサブルーチンとして実行される操作演出制御処理について図7を参照して説明する。
まず、統括制御用CPU41aは、統括制御用RAM41cに演出フラグが設定されているか否か判定する(ステップSS51)。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU41aは、操作演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。一方、ステップSS51における判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU41aは、ボタン有効フラグが統括制御用RAM41cに設定されているか否か判定する(ステップSS52)。ボタン有効フラグとは、演出用ボタン39の押下操作が有効化されていることを示すフラグである。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU41aは、タイマTの値が予め定めた有効化開始時間Yと等しいか否か判定する(ステップSS53)。有効化開始時間Yは、図柄変動ゲームが開始されてから演出用ボタン39の操作を有効化させるタイミングを規定するための時間で、操作演出を伴う変動内容を特定する各変動パターンに共通の値として設定されるものである。ステップSS53における判定結果が否定の場合、統括制御用CPU41aは、操作演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。一方、ステップSS53における判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU41aは、統括制御用RAM41cにボタン有効フラグを設定する(ステップSS54)。続いて、統括制御用CPU41aは、プッシュ指示演出の実行指示コマンドを作成し、送信バッファに格納する(ステップSS55)。そして、統括制御用CPU41aは、操作演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。なお、ステップSS55で送信バッファに格納されたプッシュ指示演出の実行指示コマンドは、格納以降の制御周期におけるコマンド出力処理(ステップS1)により演出表示制御基板42、及び音声・ランプ制御基板43に出力される。
一方、ステップSS52における判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU41aは、タイマTの値が有効化終了時間Zと等しいか否かを判定する(ステップSS56)。有効化終了時間Zは、有効化された演出用ボタン39の押下操作を無効化するタイミングを規定するための時間で、操作演出を伴う変動内容を特定する各変動パターンに共通の値として設定されるものである。ステップSS56における判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU41aは、予め定めた演出用ボタン39の操作有効期間が経過したと判定して、統括制御用RAM41cに設定されたボタン有効フラグをクリアし、演出用ボタン39の押下操作を無効化する(ステップSS57)。そして、統括制御用CPU41aは、操作演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。なお、ステップSS56における判定結果が肯定となった場合は、演出用ボタン39の操作有効期間中に演出用ボタン39が押下操作されなかったことを示している。
一方、ステップSS56における判定結果が否定の場合、統括制御用CPU41aは、演出用ボタン39の操作を検知したか否か判定する(ステップSS58)。具体的には、統括制御用CPU41aは、ボタン操作信号を入力すると、演出用ボタン39が押下操作されたと判定(肯定判定)する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU41aは、ボタン操作検出コマンドを作成し、送信バッファに格納する(ステップSS59)。続けて、統括制御用CPU41aは、統括制御用RAM41cに設定されたボタン有効フラグをクリアし、演出用ボタン39の押下操作を無効化する(ステップSS57)。すなわち、統括制御用CPU41aは、操作有効期間を終了させる。そして、統括制御用CPU41aは、操作演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。また、ステップSS58における判定結果が否定の場合、統括制御用CPU41aは、操作演出制御処理を終了して以降の処理に移行する。なお、ステップSS59で送信バッファに格納されたボタン操作検出コマンドは、格納以降の制御周期におけるコマンド出力処理(ステップS1)により演出表示制御基板42、及び音声・ランプ制御基板43に出力される。
また、統括制御用CPU41aは、タイマ割込み処理のコマンド入力処理(ステップS2)において、停止図柄指定コマンドを入力すると該コマンドに対応する特別図柄に応じて演出表示装置28に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾り図柄(飾図)を決定する制御を実行する。
飾図の決定において統括制御用CPU41aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドに指定される特図が大当り図柄の場合には前記図柄組み合わせを構成する飾図として大当り図柄を決定する。一方、統括制御用CPU41aは、停止図柄指定コマンドに指定される特別図柄がはずれ図柄の場合には前記図柄組み合わせを構成する飾図としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドではずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾図のはずれ図柄として左右列の図柄が同一種類となるリーチ図柄を含めて決定する。また、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドではずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾図のはずれ図柄として前記リーチ図柄を含めずに決定する。そして、飾図を決定した統括制御用CPU41aは、飾図を指示する飾図用の停止図柄指定コマンドを送信バッファに格納する。送信バッファに格納された停止図柄指定コマンドは、格納以降の制御周期におけるコマンド出力処理(ステップS1)により各制御基板42,43に出力される。
上記のように、統括制御用CPU41aは、操作演出に当選したと判定すると、変動パターン指定コマンド及び操作演出用乱数に基づき、演出振分テーブルDT2から大当り予告演出の演出内容と、示唆演出内容とを図柄変動ゲームの開始時に予め決定している。そして、統括制御用CPU41aは、演出用ボタン39からの「ボタン操作信号」の入力有無とは関係なく、各演出内容を指示する制御コマンド(大当り予告演出指示コマンド及び示唆演出指示コマンド)を演出表示制御基板42に出力するようになっている。
次に、演出表示制御基板42について説明する。なお、以下に説明する制御を実行する表示制御用CPU42aが、演出制御手段として機能する。
演出表示制御基板42の表示制御用CPU42aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように演出表示装置28の表示内容を制御する。表示制御用CPU42aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、タイマ機能により図柄変動ゲームを開始させてから終了するまでのタイマT2のカウントを行う。
また、表示制御用CPU42aは、大当り予告演出指示コマンド、示唆演出指示コマンド及びプッシュ指示演出の実行指示コマンドを入力すると、各制御コマンドを表示制御用RAM42cに記憶させる。なお、表示制御用CPU42aは、変動パターン指定コマンドを入力して図柄変動ゲームを開始させる際に、ボタン操作検出コマンドの入力とは関係なく、予め大当り予告演出指示コマンド及び示唆演出指示コマンドを入力し、表示制御用RAM42cに記憶させている。
そして、表示制御用CPU42aは、プッシュ指示演出の実行指示コマンドを入力すると、プッシュ指示演出を演出表示装置28に実行させる。具体的には、表示制御用CPU42aは、演出表示装置28にキャラクタKY(図8(b)に示す)を表示させるとともに、プッシュ指示演出として「PUSH」を図案化した画像を表示させる。そして、表示制御用CPU42aは、タイマT2の値が有効化終了時間Zと等しくなる(操作有効期間が経過すると)、又はボタン操作検出コマンドを入力すると、演出表示装置28に実行させているプッシュ指示演出を終了させる。具体的には、表示制御用CPU42aは、演出表示装置28に「PUSH」を図案化した画像の表示を終了させる。また、表示制御用CPU42aは、操作有効期間内にボタン操作検出コマンドを入力すると、大当り予告演出指示コマンドに指示された演出内容にしたがって、所定のメッセージをキャラクタKYのセリフの態様で演出表示装置28に表示させる制御を行う。一方、表示制御用CPU42aは、操作有効期間内にボタン操作検出コマンドを入力しない場合には、示唆演出指示コマンドに指示された演出内容にしたがって、所定のメッセージをキャラクタKYのセリフの態様で演出表示装置28に表示させる。なお、統括制御用CPU41aは、示唆演出指示コマンドに指示された演出内容が「メッセージ無し」の場合には、操作有効期間の経過後に、演出表示装置28にメッセージを表示させることなくキャラクタKYの表示を終了させる。そして、表示制御用CPU42aは、大当り予告演出又は示唆演出を実行させた後、所定の期間が経過すると変動パターン指定コマンドに指示された演出内容に基づき、演出表示装置28の表示内容(例えば、リーチ演出など)を制御する。
そして、表示制御用CPU42aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を演出表示装置28に確定停止表示させるように表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
なお、音声・ランプ制御基板43は、各種コマンドを入力すると、枠用ランプ17〜19、盤用ランプ部27bの発光態様及びスピーカ20,21,25の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板43は、演出表示制御基板42と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
次に、本実施形態の図柄変動ゲームに関して、表示制御用CPU42aが図柄変動ゲームを実行する場合の処理内容と、演出表示装置28の態様について操作演出を伴う図柄変動ゲームを中心に図8を用いて説明する。ここでは、変動パターンとして、操作演出を伴うスーパーリーチ1を特定する変動パターンP3−1が決定されているとともに、大当り予告演出の演出内容として、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示させる演出内容が決定されており、さらに示唆演出の演出内容として、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を表示させる演出内容が決定されている場合を前提としている。なお、図8では、変動中の飾図を「↓」で略示している。
表示制御用CPU42aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、図柄変動ゲームを開始させる。演出表示装置28では、飾図の変動が開始する(図8(a))。そして、表示制御用CPU42aは、プッシュ指示演出の実行指示コマンドを入力すると、プッシュ指示演出を実行させる制御を行う。このため、演出表示装置28では、キャラクタKYと、プッシュ指示演出としての「PUSH」の文字を図案化した画像が表示される(図8(b))。このようなプッシュ指示演出を演出表示装置28に表示させることによって、遊技者に対し、演出用ボタン39の押下操作が有効化されていることを報知するとともに、演出用ボタン39を押下操作することで何らかの演出が実行され得ることを報知している。
そして、演出用ボタン39の操作有効期間内に遊技者が演出用ボタン39を押下操作すると、演出表示装置28では、「PUSH」の文字を図案化した画像の表示が終了され、続けて大当り予告演出指示コマンドで指示された演出内容に基づき、メッセージ「スーパーリーチだよ!」がキャラクタKYのセリフの態様で表示される(図8(c))。そして、演出表示装置28では、大当り予告演出にかかるメッセージが表示されてから所定の期間の経過後、スーパーリーチ1を演出内容とするリーチ演出が表示される(図8(d))。
一方、演出用ボタン39の操作有効期間内に、遊技者が演出用ボタン39を押下操作しなかった場合には、演出表示装置28では、「PUSH」の文字を図案化した画像の表示が終了され、入力した示唆演出指示コマンドに基づき、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」がキャラクタKYのセリフの態様で表示される(図8(e))。そして、演出表示装置28では、示唆演出にかかるメッセージが表示されてから所定の期間の経過後、スーパーリーチ1を演出内容とするリーチ演出が表示される(図8(d))。その後、演出表示装置28では、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された大当り図柄(飾図)が確定停止表示されて、図柄変動ゲームが終了する。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)演出用ボタン39の操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されなかった場合には、大当り予告演出の演出内容を示唆する示唆演出を実行することで、示唆演出の内容から演出用ボタン39を操作した時に実行される筈の大当り予告演出の内容を遊技者に想定させることができる。このため、示唆演出の演出内容が、大当りを期待し得る内容であった時には、演出用ボタン39を操作しなかったことで大当りを期待し得る大当り予告演出を見ることができなかった遊技者に対し、演出用ボタン39を押下操作しなかったことへの後悔を抱かせることができる。これにより、遊技者の演出用ボタン39の操作意欲を高め得る。したがって、演出用ボタン39の操作に対する期待感(大当り予告演出に対する期待感)を損なわせることなく、操作意欲を向上させることができる。
(2)大当り予告演出の演出内容のうち、メッセージ「リーチこないかな?」を表示する演出内容よりも、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する演出内容のほうが、大当りへの期待感が高くなるようになっている。一方で、大当り予告演出の演出内容として期待感が高い演出内容(メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する演出内容)が決定され易い場合には、示唆演出の内容として、メッセージ「ボタン押してよ!」よりも、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」のほうが、決定され易くなっている。また、大当り予告演出の演出内容として期待感が低い演出内容(メッセージ「リーチこないかな?」を表示する演出内容)が決定され易い場合には、示唆演出の内容として、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」よりも、メッセージ「ボタン押してよ!」のほうが、決定され易くなっている。つまり、メッセージを表示する示唆演出が実行された場合には、遊技者は、大当り予告演出の演出内容を直感することが可能となっている。したがって、期待感の高い大当り予告演出が決定されていた場合に、遊技者に対し、演出用ボタン39を押下操作していれば期待感の高い大当り予告演出が実行されていた可能性が高いことを直感させ、該大当り予告演出を体験できなかったことに対する後悔の念を抱かせることができる。
(3)示唆演出の内容として、メッセージを表示しない演出内容を決定し易くした。このため、操作有効期間中に演出用ボタン39を操作しなかった場合、多くはメッセージが表示されないため、演出用ボタン39を操作することなく予め図柄変動ゲームの表示結果に対する期待感を持つことが困難となる。したがって、演出用ボタン39を押下操作する遊技者の操作意欲を向上させることができる。
(4)統括制御用CPU41aは、大当り予告演出の演出内容及び示唆演出の演出内容を決定し、各演出内容を指示する制御コマンドを演出表示制御基板42に出力する。このため、表示制御用CPU42aは、操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作された場合には、入力した大当り予告演出指示コマンドに基づき大当り予告演出を演出表示装置28に実行させる一方、操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されなかった場合には、示唆演出を実行させることができる。
(5)示唆演出の内容は、大当り予告演出の内容を示唆する内容とする一方で、大当り予告演出の内容を直接遊技者に報知しないようにした。このため、大当り予告演出を体験するためには演出用ボタン39を押下操作する必要がある。したがって、遊技者の操作意欲を損なうことなく、演出用ボタン39を操作した時に実行される筈の大当り予告演出の内容を遊技者に想定させることができる。
(6)通常変動を特定する変動パターンP1−1には、メッセージ「リーチこないかな?」を表示する大当り予告演出のみが決定されるようにした。このため、スーパーリーチ1又はスーパーリーチ2に発展する可能性のない通常変動を実行する図柄変動ゲームにおいて、大当り予告としてメッセージ「スーパーリーチだよ!」が表示されることがない。したがって、メッセージ「スーパーリーチだよ!」が表示される大当り予告演出に対する遊技者の期待感を損なうことがない。
(7)統括制御用CPU41aは、操作演出なしを指示する内容と、大当り予告演出の演出内容を、演出振分テーブルDT2を参照して同時に決定している。したがって、別途操作演出の有無を決定するための振分テーブルを設ける必要がなく、制御構成を簡略化することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に具体化した第2の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成(又は、同一制御内容)は、同一番号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
サブ統括制御基板41に備えられた統括制御用ROM41bには、演出振分テーブルDT3(図9に示す)が記憶されている。演出振分テーブルDT3は、統括制御用CPU41aが、主制御用CPU40aにより決定された各変動パターン及び操作演出用乱数に基づき、操作演出を実行するか否かを決定する際や、大当り予告演出及び示唆演出の演出内容を決定する際に参照するテーブルである。
演出振分テーブルDT3に振分けられた示唆演出の演出内容には、それぞれに操作演出用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。これらの演出振分テーブルDT3における操作演出用乱数の振分け態様により、操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されなかったことで実行されなかった大当り予告演出の期待感が高いものであったか否かが想定できるようになっている。本実施形態の演出振分テーブルDT3は、大当り予告演出の演出内容については第1の実施形態の演出振分テーブルDT2と同一振分け態様で構成され、示唆演出の演出内容については第1の実施形態の演出振分テーブルDT2と異なる振分け態様で構成している。
具体的に言えば、操作演出を伴ったリーチ演出を特定する大当り演出用の変動パターンP2−1では、メッセージを表示しない演出に対し、141個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「ボタン押してよ!」に対し、100個の操作演出用乱数の値が振分けられており、さらにメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」に対し、10個の操作演出用乱数の値が振分けられている。また、操作演出を伴った各リーチ演出を特定する大当り演出用の各変動パターンP3−1,P4−1では、メッセージを表示しない演出に対し、121個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「ボタン押してよ!」に対し、100個の操作演出用乱数の値が振分けられており、さらにメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」に対し、30個の操作演出用乱数の値が振分けられている。一方、操作演出を伴ったリーチ演出を特定するはずれリーチ演出用の変動パターンP2−2,P3−2,P4−2では、メッセージを表示しない演出に対し、101個の操作演出用乱数の値が振分けられているとともに、メッセージ「ボタン押してよ!」に対し、60個の操作演出用乱数の値が振分けられており、さらにメッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」に対し、90個の操作演出用乱数の値が振分けられている。
このような振分け態様により、大当り演出用の各変動パターンでは、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」よりも、メッセージ「ボタン押してよ!」のほうが決定され易くなっている。また、はずれリーチ演出用の各変動パターンでは、メッセージ「ボタン押してよ!」を表示する演出内容よりも、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を表示する演出内容のほうが決定され易くなっている。
したがって、大当り予告演出の演出内容として期待感が高い演出内容(メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する演出内容)が決定され易い場合には、示唆演出の内容として、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」よりも、メッセージ「ボタン押してよ!」のほうが、決定され易くなっている。一方で、大当り予告演出の演出内容として期待感が低い演出内容(メッセージ「リーチこないかな?」を表示する演出内容)が決定され易い場合には、示唆演出の内容として、メッセージ「ボタン押してよ!」よりも、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」のほうが、決定され易くなっている。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)及び(3)〜(7)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(8)大当り予告演出の演出内容のうち、メッセージ「リーチこないかな?」を表示する演出内容よりも、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する演出内容のほうが、大当りへの期待感が高くなるようになっている。一方で、大当り予告演出の演出内容として期待感が高い演出内容(メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示する演出内容)が決定され易い場合には、示唆演出の内容として、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」よりも、メッセージ「ボタン押してよ!」のほうが、決定され易くなっている。また、大当り予告演出の演出内容として期待感が低い演出内容(メッセージ「リーチこないかな?」を表示する演出内容)が決定され易い場合には、示唆演出の内容として、メッセージ「ボタン押してよ!」よりも、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」のほうが、決定され易くなっている。このため、期待感の低い大当り予告演出が決定されていた場合に、遊技者に対し、演出用ボタン39を押下操作していれば期待感の高い大当り予告演出が実行されていた可能性が高いことを示唆し、ひいては「操作有効期間に演出用ボタン39を押下操作していれば、当該図柄変動ゲームにて大当りの表示結果が導出されていたのではないか」との印象を与えることができる。したがって、遊技者の演出用ボタン39の操作意欲を向上させることができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に具体化した第3の実施形態を説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技者が演出用ボタン39の操作有効期間内に演出用ボタン39を押下操作した場合、大当り予告演出を実行した後に、追加演出としてのカットイン予告を追加的に実行可能に構成されている。カットイン予告は、演出表示装置28で実行される図柄変動ゲームにおいて、該図柄変動ゲームにかかる画像の全部又は一部を所定の画像で覆う態様(カットイン)で実行される予告演出であって、図柄変動ゲームの展開を直接的に示唆することで大当りへの期待感を示すものである。
統括制御用CPU41aは、カットイン予告の演出内容を決定するために用いられる追加演出用乱数の値を所定の周期毎に更新している。本実施形態では、追加演出用乱数は、「0(零)」〜「99」までの全100通りの整数に設定されている。そして、統括制御用CPU41aは、追加演出用乱数の数値を所定の周期毎に+1ずつ更新するようになっている。
サブ統括制御基板41に備えられた統括制御用ROM41bには、演出用ボタン39の操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されたときに、追加的に実行するカットイン予告の演出内容を決定するための追加演出振分テーブルDT4が記憶されている(図10に示す)。追加演出振分テーブルDT4には、操作演出を伴う演出内容を特定する各変動パターンについてのみ規定されており、操作演出を伴わない演出内容を特定する各変動パターンについては規定されていない。これは、追加演出としてのカットイン予告は、操作演出が実行され、かつ操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されたことを契機として、その演出内容が決定されるとともに、実行されるものだからである。つまり、操作演出を伴わない演出内容を特定する変動パターンが決定された場合には、追加演出としてカットイン予告を実行し得ないためである。
追加演出振分テーブルDT4には、カットイン予告の演出内容として、各変動パターンに対して、複数(本実施形態では3つ)の演出内容が振分けられている。本実施形態では、追加演出としてのカットイン予告の演出内容として、カットイン予告なしの演出内容と、カットイン1を実行する演出内容と、カットイン2を実行する演出内容とが定められている。そして、追加演出振分テーブルDT4に振分けられたカットイン予告の演出内容には、それぞれに追加演出用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。これらの演出振分テーブルDT2における操作演出用乱数の振分け態様により、大当り予告演出が実行された後にカットイン予告演出が実行された場合の大当りへの期待感が異なるようになっている。
具体的に言えば、通常変動を特定するはずれ演出用の変動パターンP1−1では、カットイン1に対し、100個の追加演出用乱数の値が振分けられているとともに、カットイン2に対しては、0個の追加演出用乱数の値が振分けられている(追加演出用乱数の値が振分けられていない)。また、ノーマルリーチを特定する大当り演出用の変動パターンP2−1では、カットイン1に対し、40個の追加演出用乱数の値が振分けられているとともに、カットイン2に対し60個の追加演出用乱数の値が振分けられている。また、各スーパーリーチを特定する大当り演出用の変動パターンP3−1,P4−1では、カットイン1に対し、0個の追加演出用乱数の値が振分けられている(追加演出用乱数の値が振分けられていない)とともに、カットイン2に対し、100個の追加演出用乱数の値が振分けられている。そして、各リーチ演出を特定するはずれリーチ演出用の変動パターンP2−2,P3−2,P4−2では、カットイン1に対し、80個の追加演出用乱数の値が振分けられているとともに、カットイン2に対し、20個の追加演出用乱数の値が振分けられている。また、追加演出振分テーブルDT4では、操作演出を伴う演出内容を特定する各変動パターンP1−1,P2−1,P2−2,P3−1,P3−2,P4−1,P4−2では、いずれもカットン予告無しの演出内容には、0個の追加演出用乱数の値が振り分けられている(追加演出用乱数の値が振分けられていない)。
このような振分態様によって、操作演出を伴う演出内容を特定する各変動パターンでは、追加演出としてのカットイン予告の演出内容として常にカットイン1又はカットイン2の演出内容が決定されるようになっている。換言すれば、操作演出を伴う演出内容を特定する各変動パターンでは、カットイン予告なしの演出内容を決定することがないようになっている。すなわち、操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されることで大当り予告が実行されると、必ず追加演出としてカットイン1又はカットイン2の演出内容でカットイン予告が実行されるように構成されている。
また、通常変動よりも大当りへの期待度が高いノーマルリーチを特定する各変動パターンP2−1,P2−2では、通常変動を特定する変動パターンP1−1より、追加演出の演出内容としてカットイン2が決定され易くなっている。また、ノーマルリーチよりも大当りへの期待度が高い各スーパーリーチを特定する変動パターンP3−1,P3−2,P4−1,P4−2では、ノーマルリーチを特定する各変動パターンP2−1,P2−2よりも、追加演出の演出内容としてカットイン2を決定しやすくなっている。つまり、追加演出として、カットイン1が実行された場合よりも、カットイン2が実行された場合のほうが、当該図柄変動ゲームにて大当りへの期待度が高いスーパーリーチが実行される可能性が高くなっている。すなわち、追加演出の演出内容として、カットイン1よりもカットイン2のほうが、大当りへの期待感が高いものとなっている。
次に、サブ統括制御基板41及び演出表示制御基板42が実行する制御内容を説明する。
サブ統括制御基板41に備えられた統括制御用CPU41aは、操作演出を実行すると決定している場合には、操作有効期間内に演出用ボタン39から「ボタン操作信号」を入力したことを契機として、統括制御用RAM41cから追加演出用乱数を読み出すとともに、所定の記憶領域に記憶させる。そして、統括制御用CPU41aは、追加演出振分テーブルDT4を読み出して、追加演出内容を抽選により決定する。具体的には、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドに指示された変動パターン及び統括制御用RAM41cに記憶させた追加演出用乱数に基づき、追加演出振分テーブルDT4を参照して追加演出内容を決定する。統括制御用CPU41aは、追加演出内容として、カットイン1又はカットイン2の何れかの演出内容を決定する。続いて、統括制御用CPU41aは、決定した追加演出内容を指示する追加演出指示コマンドを作成するとともに、送信バッファに格納する。送信バッファに格納された追加演出指示コマンドは、格納以降の制御周期におけるコマンド出力処理により演出表示制御基板42に出力される。
そして、演出表示制御基板42に備えられた表示制御用CPU42aは、操作有効期間内にボタン操作検出コマンドを入力すると、大当り予告演出を実行させる。続けて、表示制御用CPU42aは、追加演出指示コマンドを入力すると、大当り予告演出の実行後であって所定の期間の経過後に、入力した追加演出指定コマンドに指示された演出内容で、カットイン予告を演出表示装置28に実行させる。
次に、本実施形態の図柄変動ゲームに関して、表示制御用CPU42aが図柄変動ゲームを実行する場合の処理内容と、演出表示装置28の態様について操作演出を伴う図柄変動ゲームを中心に図11を用いて説明する。ここでは、変動パターンとして、操作演出を伴うスーパーリーチ1を特定する変動パターンP3−1が決定されているとともに、大当り予告演出の演出内容として、メッセージ「スーパーリーチだよ!」を表示させる演出内容が決定されている場合を前提としている。また、示唆演出の演出内容として、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」を表示させる演出内容が決定されている場合を前提としている。なお、図11では、変動中の飾図を「↓」で略示している。
表示制御用CPU42aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、図柄変動ゲームを開始させる。演出表示装置28では、飾図の変動が開始する(図11(a))。そして、表示制御用CPU42aは、プッシュ指示演出の実行指示コマンドを入力すると、プッシュ指示演出を実行させる制御を行う。このため、演出表示装置28では、キャラクタKYと、プッシュ指示演出としての「PUSH」の文字を図案化した画像が表示される(図11(b))。
そして、演出用ボタン39の操作有効期間内に遊技者が演出用ボタン39を押下操作すると、演出表示装置28では、「PUSH」の文字を図案化した画像の表示が終了され、続けて大当り予告演出指示コマンドで指示された演出内容に基づき、メッセージ「スーパーリーチだよ!」がキャラクタKYのセリフの態様で表示される(図8(c))。そして、メッセージを演出表示装置28に表示させてから所定の期間の経過後、演出表示装置28では、カットイン予告(カットイン1又はカットイン2)が表示される(図11(f))。
その後、演出表示装置28では、大当り予告演出にかかるメッセージが表示されてから所定の期間の経過後、スーパーリーチ1を演出内容とするリーチ演出が表示される(図8(d))。
一方、演出用ボタン39の操作有効期間内に、遊技者が演出用ボタン39を押下操作しなかった場合には、演出表示装置28では、「PUSH」の文字を図案化した画像の表示が終了され、入力した示唆演出指示コマンドに基づき、メッセージ「押せばアツイ予告見れたかも!」がキャラクタKYのセリフの態様で表示される(図8(e))。そして、演出表示装置28では、示唆演出にかかるメッセージが表示されてから所定の期間の経過後、カットイン予告が実行されること無くスーパーリーチ1を演出内容とするリーチ演出が表示される(図8(d))。その後、演出表示装置28では、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された大当り図柄(飾図)が確定停止表示されて、図柄変動ゲームが終了する。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(8)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(9)操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作された場合にのみ、追加演出としてカットイン予告を実行するようにした。このため、操作有効期間内に演出用ボタン39を押下操作した遊技者のみが、追加演出としてのカットイン予告を視認(体験)することができる。換言すれば、演出用ボタン39を操作しなかった遊技者は、追加演出としてのカットイン予告を視認(体験)することができない。したがって、遊技者の演出用ボタン39の操作意欲を向上させることができる。
(10)操作有効期間内に演出用ボタン39が押下操作されたことを契機として、追加演出内容を決定するようにした。従って、予め追加演出内容を決定しておく場合と比較して、追加演出が実行されないことで予め決定した内容が無駄になることがなく、制御効率を高めることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 各実施形態において、遊技者に操作させる演出用操作手段は、押しボタン式の演出用ボタン39に代えて、レバー式やタッチセンサ式としてもよい。すなわち、遊技者の操作を検出可能な構成であればよい。
○ 各実施形態において、プッシュ指示演出は、演出用ボタン39を発光(点灯や点滅)させたり、各ランプ部17〜19,27bの発光態様や、スピーカ20,21,25による音声によって実行させてもよい。また、これらを組合わせて実行してもよい。このように構成しても、遊技者に対し、操作有効期間内に演出用ボタン39の押下操作をするよう促すことができる。
○ 各実施形態において、大当り予告演出として表示するメッセージは、大当りへの期待感を示唆する内容であれば、どのような内容としてもよい。
○ 各実施形態において、大当り予告演出の演出内容として、メッセージだけを表示するようにしてもよい。すなわち、大当り予告演出の内容は、大当りへの期待感を示唆する内容であれば、どのような内容としてもよい。
○ 各実施形態において、大当り予告演出の内容は、キャラクタを表示させたり、所定の物語性(ストーリー性)を持たせた内容としてもよい。すなわち、大当りへの期待感を示唆する内容であれば、どのような内容としてもよい。
○ 各実施形態において、大当り予告演出の演出内容は2種類ではなく、3種類以上としてもよい。
○ 各実施形態において、示唆演出の演出内容を3種類ではなく、4種類以上としてもよいし、2種類としてもよい。
○ 各実施形態において、演出振分テーブルを複数種類用意してもよい。また、各演出振分テーブル間において、操作演出用乱数の振分態様を異ならせてもよい。すなわち、統括制御用CPU41aは、演出振分テーブル用乱数を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM41cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換える。そして、統括制御用ROM41bには、複数の演出振分テーブル、及び各図柄変動ゲームで用いる演出振分テーブルを判定するためのテーブル振分判定値が記憶されている。そして、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、統括制御用RAM41cから演出振分テーブル用乱数を読み出すとともに、テーブル判定値と比較して今回の図柄変動ゲームにおいて用いる演出振分テーブルを決定するようにしてもよい。
○ 各実施形態において、演出振分テーブルDT2,DT3における操作演出用乱数の値の振分態様は適宜変更してよい。
○ 各実施形態において、示唆演出の内容としてメッセージを表示しない演出内容を決定した場合に、演出表示装置28では、キャラクタKYの表示を終了しないとともに、遊技者が図柄変動ゲームの展開を想定できない内容のメッセージ(例えば、「・・・・・」、「?」、「!」など)を表示するようにしてもよい。このように構成することで、遊技者に対し、操作有効期間内に演出用ボタン39を操作していれば、何らかの大当り予告演出が実行されたことを示唆することができる。すなわち、各実施形態に示すように、演出用ボタン39を操作せずに、かつ示唆演出の演出内容としてメッセージを表示しない演出を決定した場合と同様に、大当り予告演出の演出内容を秘匿する演出が行われることになる。
○ 各実施形態において、主制御用CPU40aを、期間設定手段、操作信号入力手段及び演出決定手段として機能させてもよい。この場合、主制御用CPU40aは、演出用ボタン39の「ボタン操作信号」を入力可能に構成するとともに、演出表示制御基板42及び音声・ランプ制御基板43を主制御基板40に接続するようにする。
○ 第3の実施形態において、追加演出としてのカットイン予告は、各ランプ部17〜19,27bの発光や、各スピーカ20,21,25の音声を伴わせて実行してもよい。
○ 第3の実施形態において、追加演出の演出内容は、キャラクタを表示させたり、所定の物語性(ストーリー性)を持たせたりする内容としてもよい。すなわち、大当りへの期待感を示唆する演出内容であれば、どのような内容としてもよい。また、追加演出を、ランプの発光や音声出力などによって行うようにしても良い。
○ 第3の実施形態は、第1の実施形態に適用して具体化しても良いし、第2の実施形態に適用して具体化しても良い。
○ 第3の実施形態において、追加演出を、図柄変動ゲームの展開を確定的に示す演出(確定演出)として位置付けても良い。例えば、カットイン1を「リーチ確定」の演出、カットイン2を「スーパーリーチ確定」の演出として位置付けても良い。このように構成すれば、演出用ボタン39を操作した際に実行される大当り予告演出よりも図柄変動ゲームの展開を遊技者に対して的確に示すことになるので、演出用ボタン39の操作意欲をさらに向上させることができる。また、カットイン予告として「大当り確定」の演出を用意しても良い。なお、本別例では、カットイン予告を確定演出として位置付けたが、大当り予告演出から得られる図柄変動ゲームの展開に対する期待感よりもカットイン予告から得られる図柄変動ゲームの展開に対する期待感を高めるように、追加演出振分テーブルDT4の振分けを変更しても良い。例えば、大当り予告演出の「スーパーリーチだよ!」よりも、カットイン予告の「カットイン2」の方が、スーパーリーチへ展開する期待感を高める。
○ 第3の実施形態の追加演出振分テーブルDT4を、操作演出を伴わない変動パターンが指示された場合にもカットイン予告を選択し得るように変更しても良い。このように構成すれば、カットイン予告は、操作演出を伴わない変動パターンに基づく図柄変動ゲーム中にも出現することになる。したがって、遊技者に、操作演出を伴わない図柄変動ゲームでカットイン予告を視認させておくことで、操作演出を伴う図柄変動ゲームにおいてもカットイン予告を視認するために演出用ボタン39を積極的に操作させることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記大当り予告演出の演出内容は、前記図柄変動ゲームの展開を直接的に示唆する演出内容で構成されている一方で、前記示唆演出の演出内容は、前記図柄変動ゲームの展開を間接的に示唆する演出内容で構成されていることを特徴とする遊技機。
(ロ)前記大当り予告演出の演出内容、及び前記示唆演出の演出内容は、メッセージ形態で構成されていることを特徴とする遊技機。
10…パチンコ遊技機、28…演出表示装置、39…演出用ボタン、40…主制御基板、40a…主制御用CPU、40b…主制御用ROM、40c…主制御用RAM、41…サブ統括制御基板、41a…統括制御用CPU、41b…統括制御用ROM、41c…統括制御用RAM、42…演出表示制御基板、42a…表示制御用CPU、42b…表示制御用ROM、42c…表示制御用RAM。