以下、本発明の一実施形態に係るスロットマシンSを図面を参照して説明する。
<スロットマシンSの概略構成>
本実施形態に係るスロットマシンSは、遊技媒体としてメダルを用いて遊技が行われる。ここで、「正面」とは、スロットマシンSにおける、遊技者が遊技を行う際に向き合う面をいう。また、「右側」とは、スロットマシンSの正面に向き合う遊技者から見て右側を意味し、「左側」とは、スロットマシンSの正面に向き合う遊技者から見て左側を意味する。
スロットマシンSは、図1及び図2に示すように、正面側に開口する正面開口部11を有する箱形の筐体1を備えている。筐体1の正面には、筐体1の正面開口部11を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられている。前扉3は、正面開口部11の上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、正面開口部11の下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
筐体1の底板には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット4と、メダルを貯留するとともに、その貯留したメダルを受け皿43へ払い出すためのホッパー5とが設置されている。ホッパー5は、複数のメダルを貯留することが可能なメダルタンク8と、メダルタンク8に貯留されているメダルを1枚ずつ排出するための払出装置6と、払出装置6により排出されたメダルを検出するための払出センサー7とを備えている。また、払出装置6により排出されたメダルは、メダル排出部44を通って受け皿43に払い出される。
筐体1の内部には、3個の回転リール23を有するリールユニット22、スロットマシンSの遊技を制御するための遊技制御装置100(図5参照)が設けられている。
リールユニット22は、3個の回転リール23(左側に位置する「左回転リール23L」、中央に位置する「中央回転リール23M」、右側に位置する「右回転リール23R」)と、それぞれの駆動軸に固定された回転リール23を回転駆動するための3個のステッピングモータ26(図5参照)とを備えている。また、各回転リール23は、合成樹脂からなる回転ドラムと、回転ドラムの外周面に貼付されるテープ状のリールテープ28とを備えている。このリールテープ28の表面には、図4に示すように、「7(赤色)」、「7(白色)」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、及び「REP」の図柄が配置されている。また、各回転リール23の回転ドラムには、突起状のインデックスが設けられるとともに、リールユニット22の所定位置には、インデックスを検出するためのインデックスセンサー27(図5参照)が設けられている。
上扉30の略中央部には、図1に示すように、各回転リール23の図柄を正面側から視認可能にするための図柄表示窓31が設けられている。また、図3に示すように、図柄表示窓31には、水平に伸びる中段の有効ライン37(第一有効ライン37A)、水平に伸びる上段の有効ライン37(第二有効ライン37B)、水平に伸びる下段の有効ライン37(第三有効ライン37C)、図柄表示窓31の対角線に伸びる右下がりの有効ライン37(第四有効ライン37D)、図柄表示窓31の対角線に伸びる右上がりの有効ライン37(第五有効ライン37E)の5本が形成されている。ここで、各有効ライン37に図柄を適正に表示する時の回転リール23の停止位置を、「停止基準位置」という。各回転リール23には、図柄が21個ずつ付されていることから、停止基準位置も21ずつ存在する。
また、図柄表示窓31の上方には、図1に示すように、画像表示装置34(例えば、液晶ディスプレイやCRT等)が設けられている。また、上扉30における画像表示装置34の周りには、ランプ33が設けられている。また、図柄表示窓31の下方には、クレジットされたメダルの枚数や遊技の設定値を表示するための数値表示部32(例えば、7セグメント表示器等)が設けられている。ここで、クレジットとは、メダル投入口42から投入され、メダルセレクター46により正規なメダルとしてホッパー5(図2参照)へ移送されるメダル、または所定の入賞により払い出されるメダルを、スロットマシンS内部に電子的に貯留することである。
また、上扉30の裏面には、図2に示すように、スロットマシンSの演出を制御する演出制御コマンドを生成して送信する演出制御装置300と、演出制御コマンドを受信して演出実行装置500を制御する演出用デバイス制御装置400と、種々のサウンドを出力するためのスピーカ35とが設けられている。
下扉40の上部には、図1に示すように、スロットマシンSを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを減じてメダルの投入に代えるためのベットスイッチ51、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、ゲームを開始させるためのスタートスイッチ53、回転リール23の回転を停止させるための3個のストップスイッチ54(左回転リール23Lに対応する「左ストップスイッチ54L」、中央回転リール23Mに対応する「中央ストップスイッチ54M」、右回転リール23Rに対応する「右ストップスイッチ54R」)が設けられている。
また、下扉40には、メダルを1枚ずつ投入するためのメダル投入口42と、スロットマシンS内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口41と、メダル払い出し口41から排出されたメダルを溜めておくための受け皿43とが設けられている。
また、下扉40の裏面には、図2に示すように、メダル投入口42から投入されたメダルを誘導しながら真贋で選別するためのメダルセレクター46と、メダルセレクター46の下方に開口し、メダル払い出し口41に連通するメダル排出部44と、種々のサウンドを出力するためのスピーカ45とが設けられている。メダルセレクター46は、メダル投入口42から投入されたメダルをホッパー5へ誘導するための図示しないメダル通路と、メダル通路の下流まで流下したメダルを検出するための投入センサー47と、メダル通路を流下するメダルを投入センサー47に検出される前にメダル排出部44へ排除するためのブロッカー装置48とを備えている。ブロッカー装置48は、1ゲームが進行している最中や、クレジットされているメダルが上限の50枚に達しているときに、メダル通路を流下するメダルをメダル排出部44へ排除する。
図1及び図2に示す画像表示装置34やスピーカ35,45やランプ33は、画像表示装置34に所定の画像を表示させたり、スピーカ35,45から所定の音声を出力させたり、ランプ33を所定のパターンで点滅させたり等することによって、遊技を演出する演出実行装置500(図5参照)として機能する。
<制御装置10>
制御装置10は、スロットマシンSを制御するためのものである。
図5に示すように、本実施形態の制御装置10は、主にスロットマシンSの遊技を制御する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信したメイン制御コマンドに応じて演出制御コマンドを生成して送信する演出制御装置300と、演出制御装置300から受信した演出制御コマンドに応じて演出実行装置500を制御する演出用デバイス制御装置400とを備えている。遊技制御装置100は、所定の契機により電子的な抽選を実行し、所定の当選役に当選したか否かの当選判定を抽選の結果に基づいて実行するとともに、メイン制御コマンドを抽選の結果に基づいて生成して送信する。遊技制御装置100、演出制御装置300及び演出用デバイス制御装置400は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。また、遊技制御装置100及び演出制御装置300は、乱数発生手段(図示省略)を備えている。
遊技制御装置100の入力段には、ベットスイッチ51、精算スイッチ52、スタートスイッチ53、ストップスイッチ54、インデックスセンサー27、払出センサー7、及び投入センサー47などのパーツが接続され、遊技制御装置100の出力段には、ステッピングモータ26、払出装置6、ブロッカー装置48、及び数値表示部32などのパーツが接続されている。
また、遊技制御装置100のCPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、通常遊技制御手段110、特別遊技制御手段120、当選抽選手段130、回転制御手段140、回転位置判断手段150、停止制御手段160、入賞判定手段170、ベット数記憶手段180、支払制御手段190、フリーズ抽選手段200、フリーズ実行手段210、ゲーム更新手段220、AT抽選手段230、AT実行手段240、メイン制御コマンド送信手段250などとして機能する。
演出制御装置300と演出用デバイス制御装置400とは、双方向通信可能に接続され、演出用デバイス制御装置400の出力段には、ランプ33、画像表示装置34、及びスピーカ35,45などのパーツが接続されている。
演出制御装置300のCPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、演出態様決定手段310、演出制御コマンド送信手段340、継続回数決定手段350などとして機能し、RAMは、送信前コマンド記憶手段320として機能し、CPU及びRAMは、ポイント値記憶手段330として機能する。
演出用デバイス制御装置400は、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、画像表示制御手段420、音声出力制御手段430、ランプ点滅制御手段440などとして機能し、ROMは、演出データ記憶手段410として機能する。
スロットマシンSが実行する1回の遊技処理は、タートスイッチ52の操作(レバー押下)によって開始し、停止制御手段160による停止制御処理、入賞判定手段170による入賞判定処理を経て、支払制御手段190による支払制御処理、後述する遊技移行処理及びゲーム更新処理のいずれかの実行によって終了する。換言すれば、1回の遊技処理は、スタートスイッチ52の操作によって開始し、最後のストップスイッチ54が操作(押下)された後、上記入賞判定による払い出しがなければ終了し、上記入賞判定による払い出しがある場合には、その払い出しが終了した後に終了する。
<遊技制御装置100>
遊技制御装置100は、主にスロットマシンS遊技を制御するためのものである。なお、遊技制御装置100は、下記以外の手段を有していても構わない。
<ベット数記憶手段180>
ベット数記憶手段180は、ベットされたメダルの枚数(以下「ベット数」という)を記憶するためのものである。具体的には、ベット数記憶手段180は、メダル投入口42からメダルが投入されて、投入センサー47がメダルを検出すると、ベット数に「1」を加算する更新を行う。また、ベット数記憶手段180のベット数には、上限が設定されている。本実施形態では、ベット数記憶手段180のベット数の上限は「3」に設定されている。ベット数記憶手段180のベット数が「3」まで加算されると、すべての有効ライン37が有効化される。
<通常遊技制御手段110>
通常遊技制御手段110は、通常遊技を行わせるためのものであり、本実施形態における通常遊技について説明する。
ベット数記憶手段180の記憶するベット数が「3」である場合に、スタートスイッチ53が操作されると、リールユニット22の各ステッピングモータ26の駆動により各回転リール23が回転を開始する。
その後、ストップスイッチ54が操作されると、対応する回転リール23が何れかの停止基準位置に停止する。そして、すべての回転リール23が停止基準位置に停止したときに、当選役の図柄の組み合わせが有効ライン37に揃うと、当該当選役の入賞となって遊技者に所定の利益が付与される。
当選役、及び当選役の図柄の組み合わせを、図6を参照しつつ説明する。本実施形態の当選役には、入賞により特別遊技(ビッグボーナス)に移行する「赤セブン当選役」と、入賞により特別遊技(レギュラーボーナス)に移行する「白セブン当選役」と、入賞によりメダルを新たにベットすることなく再度1ゲームを行うことが可能な再遊技となる「リプレイ当選役」と、入賞により有効ライン1本につきメダル10枚が支払われる「ベル当選役」と、入賞により有効ライン1本につきメダル10枚が支払われる「スイカ当選役」と、入賞により有効ライン1本につきメダル2枚が支払われる「チェリー当選役」と、がある。
<特別遊技制御手段120>
特別遊技制御手段120は、当選抽選手段130の抽選結果に基づいて、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技を行わせるためのものである。本実施形態では、特別遊技として、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)とを実行可能である。
具体的には、通常遊技において「7(赤色)」の図柄が有効ライン37に3個揃うと、BBに移行する。そして、BB中に320枚を超えるメダルの支払いが行われると、BBを終了して通常遊技に移行する。
また、通常遊技において「7(白色)」の図柄が有効ライン37に3個揃うと、RBに移行する。そして、RB中に当選役に8回入賞する、またはRB中に12ゲーム行うと、RBを終了して通常遊技に移行する。
特別遊技中に当選し得る当選役は、「ベル当選役」、「スイカ当選役」及び「チェリー当選役」であり、特別遊技中は、これらの当選役に当選する確率が通常遊技中よりも高くなるように設定されている。
<当選抽選手段130>
当選抽選手段130は、複数の当選役の何れに当選かまたはハズレかの電子的な抽選(役抽選)を行うためのものである。
本実施形態では、役抽選の結果として、「赤セブン当選役」の当選となる「赤セブン当選」と、「白セブン当選役」の当選となる「白セブン当選」と、「リプレイ当選役」の当選となる「リプレイ当選」と、「ベル当選役」の当選となる「ベル当選」と、「スイカ当選役」の当選となる「スイカ当選」と、「チェリー当選役」の当選となる「チェリー当選」と、何れの当選役にも入賞不可能となる「ハズレ」とが設定されている。
また、役抽選の結果は、互いに異なる複数の当選役に重複した当選(重複当選)を含む。具体的には、「赤セブン当選役」及び「スイカ当選役」の重複当選となる「赤7・スイカ重複当選」が含まれている。
また、遊技制御装置100のROMには、乱数発生手段が発生する各乱数について、何れの当選役に当選かまたはハズレかを割り振ったテーブルが格納されている。本実施形態では、通常遊技用の当選判定テーブル、ボーナス当選フラグ保有時の通常遊技用の当選判定テーブル、BB用の当選判定テーブル、RB用の当選判定テーブル等がROMに格納されている。これらの当選判定テーブルには、上述した抽選結果の何れかに対応する領域が割り振られている。
当選抽選手段130は、スタートスイッチ53の操作を契機に、乱数発生手段が発生する乱数から1つの数値を抽出し、抽出乱数データとする。そして、抽出した抽出乱数データを、遊技状態などに応じて選択した当選判定テーブルにおける当選役の当選領域と対比して、抽出乱数データが何れかの当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、当該抽出乱数データが何れの当選領域にも属さない場合には、「ハズレ」の決定をする。
この役抽選で当選すると、当選抽選手段130は、当該当選に対応した当選フラグを遊技制御装置100のRAMの所定領域に設定する。「当選フラグ」は、当選した当選役に関連づけされた変数であり、制御装置10に当選抽選手段130の役抽選の結果を記憶させるためのものである。本実施形態には、上述した各当選役に対応する当選フラグ(例えば、「赤セブン当選役」に対応する「赤セブン当選フラグ」など)がある。また、これらの当選フラグは、「小役当選フラグ」と「ボーナス当選フラグ」とに分類される。
「ボーナス当選フラグ」は、遊技制御装置100のRAMの所定領域に設定された場合に、当該当選フラグに係る当選役の図柄の組み合わせが有効ライン37に表示されないときに、消去されずに次のゲームに持ち越される当選フラグを意味する。本実施形態では、「赤セブン当選役」に対応した「赤セブン当選フラグ」、及び「白セブン当選役」に対応した「白セブン当選フラグ」が、ボーナス当選フラグである。
「小役当選フラグ」は、遊技制御装置100のRAMの所定領域に設定された場合に、当該当選フラグに係る当選役の図柄の組み合わせが有効ライン37に表示されないときに、次のゲームが開始される前に消去される当選フラグを意味する。本実施形態では、「赤セブン当選フラグ」及び「白セブン当選フラグ」を除いた他の当選フラグが、小役当選フラグである。
そして、役抽選で当選すると、当該当選に対応した当選フラグが遊技制御装置100のRAMの所定領域に設定される。例えば、「赤セブン当選」となった場合には、RAMの所定領域に「赤セブン当選フラグ」が設定され、「スイカ当選」となった場合には、RAMの所定領域に「スイカ当選フラグ」が設定される。また、例えば、「赤7・スイカ重複当選」となった場合には、RAMの所定領域に「赤セブン当選フラグ」及び「スイカ当選フラグ」が設定される。
当選抽選手段130による抽選結果が当選の場合、その当選役に対応する図柄を示す「当選図柄信号(図柄データ)」が、後述するメイン制御コマンドとして遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。例えば当選役に対応する図柄が「チェリー」の場合、「チェリー」を特定する「当選図柄信号」が送信される。
<回転制御手段140>
回転制御手段140は、スタートスイッチ53の操作を契機に各回転リール23の回転を開始させるとともに、各回転リール23を一定の回転速度で回転させるためのものである。
具体的には、回転制御手段140は、ベット数記憶手段180の記憶するベット数が「3」である場合において、スタートスイッチ53の操作を契機に、各ステッピングモータ26の回転駆動を開始させて、各回転リール23の回転を開始させる。また、各回転リール23の回転が一定の回転速度に達するまで加速するように、各ステッピングモータ26の回転駆動を制御する。そして、各回転リール23の回転が一定の回転速度まで加速すると、各回転リール23が一定の回転速度を保って定常回転するように、各ステッピングモータ26の回転駆動を制御する。
なお、各回転リール23の回転を開始する際に、各回転リール23の回転の開始を示す「回転開始信号」が遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。
<回転位置判断手段150>
回転位置判断手段150は、各回転リール23の回転位置を特定するためのものである。
具体的には、各回転リール23が一定の回転速度まで回転を加速して定常回転になったことを契機に、各インデックスセンサー27によるインデックスの検出を開始する。そして、インデックスセンサー27がインデックスを検出したことを契機に、ステッピングモータ26のパルス数をカウントするとともに、このパルス数に基づいて対応する回転リール23の回転位置を特定する。なお、カウントしたパルス数は、インデックスを検出する度にリセットされ、あらたにパルス数がカウントされる。
また、各回転リール23に21個ずつ付された図柄には、インデックスセンサー27がインデックスを検出した時の回転位置を基準にした図柄番号が割り振られている。具体的には、インデックスセンサー27がインデックスを検出したときに第一有効ライン37A上にある図柄から、順次「00」〜「20」の図柄番号が割り振られている。また、それぞれの図柄番号に対応する図柄の種類を各回転リール23毎に記憶している。そして、回転リール23の回転位置、すなわちパルス数に基づいて、第一有効ライン37A上にある図柄の図柄番号を特定し、この図柄番号に基づいて図柄の種類を特定する。
<停止制御手段160>
停止制御手段160は、ストップスイッチ54の操作を契機に、対応する回転リール23の回転位置及び当選抽選手段130の抽選結果に基づいて、当該回転リール23の停止制御を行うためのものである。
ここで、ストップスイッチ54が操作されてから、対応する回転リール23が何れかの停止基準位置に停止するまでの間に、図柄表示窓31を通過する停止基準位置の数を「滑りコマ数」という。例えば、滑りコマ数「0」は、操作されたストップスイッチ54に対応する回転リール23を、当該操作から1番目に図柄表示窓31に表示される停止基準位置に停止させることを意味する。また、滑りコマ数「1」は、操作されたストップスイッチ54に対応する回転リール23を、当該操作から1番目に図柄表示窓31に表示される停止基準位置を通過させて、2番目に図柄表示窓31に表示される停止基準位置に停止させることを意味する。本実施形態では、停止制御手段160は、当選抽選手段130の抽選結果に基づいて、滑りコマ数「0」ないし「4」の範囲で回転リール23を停止基準位置に停止させるようになっている。
具体的には、遊技制御装置100のROMには、ストップスイッチ54の操作時における回転リール23の回転位置に基づき、対応する回転リール23が停止基準位置に停止するまでの滑りコマ数を、回転リール23毎に規定した停止テーブルが格納されている。
本実施形態では、当選フラグに対応した停止テーブル(例えば、「赤セブン当選フラグ」に対応する「赤セブン停止テーブル」など)が、遊技制御装置100のROMに記憶されている。これらの停止テーブルは、当選フラグに係る当選役が入賞し得るように且つその他の当選役が入賞しないように、各回転リール23の滑りコマ数が規定されている。
また、遊技制御装置100のROMには、「ボーナス当選フラグ」及び「小役当選フラグ」を同時にRAMの所定領域に有する場合に用いる停止テーブル(例えば、「赤セブン当選フラグ」及び「スイカ当選フラグ」を同時にRAMの所定領域に保有する場合に用いる「赤7・スイカ停止テーブル」など)が格納されている。これらの停止テーブルは、「ボーナス当選フラグ」に係る当選役が「小役当選フラグ」に係る当選役よりも優先的に入賞し得るように、且つその他の当選役が入賞しないように、各回転リール23の滑りコマ数が規定されている。
また、遊技制御装置100のROMには、何れの当選フラグにも対応しない「ハズレ停止テーブル」が格納されている。「ハズレ停止テーブル」は、何れの当選役の図柄の組み合わせも有効ライン37に揃わないように、各回転リール23の滑りコマ数が規定されている。
停止制御手段160は、すべてのインデックスセンサー27がインデックスを検出したことを契機に、遊技制御装置100のRAMの当選フラグに応じた停止テーブルを選択する。このとき、遊技制御装置100のRAMに何れの当選フラグも保有していない場合には、ハズレ停止テーブルを選択する。そして、各ストップスイッチ54の操作の受付を開始する。これにより、各ストップスイッチ54の操作が有効となる。
また、ストップスイッチ54の操作を契機に、選択した停止テーブルを参照して、ストップスイッチ54の操作時の回転位置に基づき滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分の停止基準位置が図柄表示窓31を通過した後に、最初に表示される停止基準位置に当該回転リール23が停止するように、ステッピングモータ26の回転駆動を制御する。
このように、回転制御手段140、回転位置判断手段150及び停止制御手段160は、スタートスイッチ53の操作に基づいて回転リール23が回転を開始し、当選抽選手段130による当選判定の結果及び各ストップスイッチ54の操作に基づいて各ストップスイッチ54に対応する回転リール23の回転が停止するように、複数の回転リール23の回転及び停止を制御するリール制御手段として機能する。
<入賞判定手段170>
入賞判定手段170は、すべての回転リール23の回転が停止したことを契機に、複数の当選役の何れに入賞か又は入賞なしかの判定を行うものである。特別遊技制御手段120は、入賞判定手段170による判定結果に応じて特別遊技へ移行する。
具体的には、入賞判定手段170は、例えば、すべての回転リール23が停止基準位置に停止した場合に、「7(赤色)」の図柄が有効ライン37に3個揃っているときには、「赤セブン当選役の入賞」と判定する。
また、入賞判定手段170は、例えば、すべての回転リール23が停止基準位置に停止した場合に、どの当選役に係る図柄の組み合わせも有効ライン37に揃っていないときには、「入賞なし」と判定する。
何れかの当選役に入賞したと判定すると、入賞判定手段170は、当該入賞に対応した「入賞フラグ」を遊技制御装置100のRAMの所定領域に設定する。「入賞フラグ」は、入賞した当選役に関連づけされた変数であり、制御装置10に入賞判定手段170の判定結果を記憶させるためのものである。本実施形態には、上述した各当選役に対応する入賞フラグ(例えば、「赤セブン当選役」に対応する「BBフラグ」など)がある。また、これらの入賞フラグは、「小役入賞フラグ」と「ボーナス入賞フラグ」とに分類される。
「ボーナス入賞フラグ」は、上述の終了条件(BBでは320枚を超えるメダルの支払い、RBでは当選役に8回入賞または12ゲームの終了)が成立するまでの期間中は継続して保有され、終了条件の成立によって消去されるフラグである。これに対し、「小役入賞フラグ」は、1回のゲーム毎に都度消去されるフラグである。
入賞フラグを保有している場合、何れの当選役に入賞しているかを示す「入賞信号」が、後述するメイン制御コマンドとして遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。入賞判定手段170による判定結果(入賞フラグの保有)に応じて特別遊技へ移行するため、「入賞信号」は、遊技制御装置100が生起している特別遊技を示す特別遊技データとなる。例えば、特別遊技として「BB」を実行中の場合、BB中であることを示す「入賞信号」が送信され、「RB」を実行中の場合、RB中であることを示す「入賞信号」が送信される。
また、「ボーナス当選フラグ」を保有した状態において入賞判定手段170による入賞判定の結果が「入賞なし」の場合、設定されている当選フラグの種別を示す「内部当選信号」が、後述するメイン制御コマンドとして遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。「内部当選信号」は、当選抽選手段130の当選判定によって既に所定の当選役に当選しているが、その当選役に対応する図柄が所定の有効ライン37で所定の態様で未だ並んで停止していない内部当選状態(いわゆる「内部中」)を示す内部当選データである。
<支払制御手段190>
支払制御手段190は、入賞の特典としてメダルを支払う当選役について入賞判定手段170が入賞と判定したことを契機に、メダルを支払う制御を行うものである。メダルの支払いは、当選役に係る図柄の組み合わせの揃った有効ライン37毎に行われる。
なお、「メダルを支払う制御」は、「ホッパー5にメダルを払い出させる制御」を行ってもよいし、「クレジット数を増加させる制御」を行ってもよい。本実施形態では、支払制御手段190は、クレジット数が上限の「50」に達する前は、クレジット数を増加させる制御を行う。また、支払制御手段190は、クレジット数が上限の「50」に達した後は、ホッパー5にメダルを払い出させる制御を行う。
このように、入賞判定手段170及び支払制御手段190は、当選抽選手段130による当選判定の結果が所定の当選役の当選であり、且つ複数の回転リール23が全て停止した状態で図柄表示窓31から視認可能な有効ライン37上に当選した当選役に対応する図柄(本実施形態では、所定の同一図柄)が並ぶことを条件に入賞と判定し、入賞の種別に応じて、メダル(遊技媒体)の払い出し処理を実行し、及び/又は所定の特別遊技を生起する遊技制御手段として機能する。
<フリーズ抽選手段200>
フリーズ抽選手段200は、所定条件の充足を契機に、フリーズを実行するか否かを抽選で決定するフリーズ抽選を行うものである。
「フリーズ」とは、各回転リール23の回転の開始を通常よりも所定時間遅らせることである。
本実施形態では、フリーズ抽選手段200は、通常遊技中に当選抽選手段130の抽選で「スイカ当選役」に当選したこと、換言すると、通常遊技中に遊技制御装置100のRAMの所定領域に「スイカ当選フラグ」が設定されたことを契機に、フリーズ抽選を行う。また、フリーズ抽選を行う際に、この後に少なくとも1ゲームを実行するまでフリーズ抽選を禁止する「禁止期間」を設定することがある。
また、遊技制御装置100のROMには、乱数発生手段が発生する各乱数について、フリーズを実行するか否か、及び禁止期間中に実行するゲームの回数について割り振ったフリーズ抽選テーブルが格納されている。
フリーズ抽選手段200は、通常遊技中に遊技制御装置100のRAMの所定領域に「スイカ当選フラグ」が設定されたことを契機に、乱数発生手段が発生する乱数から1つの数値を抽出し、フリーズ抽選乱数データとする。そして、フリーズ抽選テーブルを参照して、当該フリーズ抽選乱数データの属する領域に応じてフリーズを実行するか否かを決定する。
フリーズ抽選手段200によりフリーズ抽選が行われると、抽選結果を示す「フリーズ抽選結果信号(フリーズ実行データ)」が、後述するメイン制御コマンドとして遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。「フリーズ抽選結果信号」は、遊技制御装置100が実行する回転リール23の回転及び停止の制御の態様を示す回転態様データである。
<フリーズ実行手段210>
フリーズ実行手段210は、フリーズ抽選によりフリーズを実行することを決定した場合に、フリーズを実行するものである。
本実施形態では、フリーズ実行手段210は、スタートスイッチ53が操作され、フリーズ抽選手段200が抽選の結果フリーズを実行すると決定した場合に、回転制御手段140に各回転リール23の回転を開始させず、フリーズ用タイマーを20秒にセットしてカウントダウンを開始させる。そして、フリーズ用タイマーが0秒になると、回転制御手段140に各回転リール23の回転を開始させる。
フリーズ用タイマーが計時を開始すると、フリーズの開始を示す「フリーズ開始信号」が、後述するメイン制御コマンドとして遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。また、フリーズ用タイマーが0秒になると、各回転リール23の回転の開始を示す「フリーズ終了信号」が、後述するメイン制御コマンドとして遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。「フリーズ開始信号」と「フリーズ終了信号」とは、フリーズの開始及び終了を示すフリーズデータであり、回転リール23の回転及び停止の制御態様を示す回転態様データである。
<AT抽選手段230>
AT抽選手段230は、所定条件の成立を契機に、AT(アシストタイム)へ移行するか否かを抽選で決定するAT抽選を行うものである。ATは、ゲームの回数が所定回数に達するまでの期間中継続し、所定回数に達することによって終了する。
本実施形態では、当選抽選手段130は、通常遊技、BB中及びRB中において、スタートスイッチ53の操作を契機にAT抽選を行う。遊技制御装置100のROMには、乱数発生手段が発生する各乱数について、ATへ移行するか否かを割り振ったAT抽選テーブルが格納されている。AT抽選手段230は、スタートスイッチ53の操作を契機に、乱数発生手段が発生する乱数から1つの数値を抽出し、AT抽選乱数データとする。そして、AT抽選テーブルを参照して、当該AT抽選乱数データの属する領域に応じてATへ移行するか否かを決定する。
ATでは、当選抽選手段130による役抽選の結果が所定の当選役の当選であるとき、ストップスイッチ54の押し順が内部的に特定され、その押し順が画像表示装置34に表示されて遊技者に報知される。遊技者は、表示された(内部的に特定された)押し順に従ってストップスイッチ54を操作することによって、その当選役に対応する図柄を有効ライン37に揃えて停止させ入賞させることができる。反対に、表示された押し順に従わずにストップスイッチ54を操作すると、その当選役に対応する図柄は有効ライン37に揃って停止せず、入賞させることができない。
このAT抽選で当選すると、AT抽選手段230は、ATフラグを遊技制御装置100のRAMの所定領域に設定するとともに、AT用カウンタに所定回数をセットする。この所定回数は、予め決められた固定値であってもよく、抽選によって決定される値であってもよい。
なお、ATを当選役の一態様として設定してもよい。この場合、当選抽選手段130がAT抽選手段230としても機能する。
<AT実行手段230>
AT実行手段230は、AT抽選によりATへ移行した場合に、ATを実行するものである。
本実施形態では、AT実行手段230は、ATフラグを保有している状態で所定の当選役に当選したときに、ストップスイッチ54の押し順を乱数抽選によって内部的に特定する。そして、特定された押し順に従ってストップスイッチ54が操作された場合に、その当選役に対応する図柄が有効ライン37に揃って停止するように回転制御手段140による各回転リール23の停止を制御する。反対に、特定された押し順に従ってストップスイッチ54が操作されなかった場合には、その当選役に対応する図柄が有効ライン37に揃って停止しないように回転制御手段140による各回転リール23の停止を制御する。なお、内部的に特定される押し順を、左→中→右のように予め固定的に設定してもよい。
AT実行手段230は、ゲームが1回進行する毎にAT用カウンタをカウントダウンし、AT用カウンタの値がゼロになると、ATフラグを消去する。
ATフラグを保有している場合、内部的に特定した押し順を示す「AT信号」が、後述するメイン制御コマンドとして遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。「AT信号」は、内部的に特定されたストップスイッチ54の押し順を示すナビデータとなる。
<ゲーム更新手段220>
ゲーム更新手段220は、次のゲームに持ち越す必要のないRAMのデータをクリアするものである。具体的には、ゲーム更新手段220が遊技制御装置100のRAMの所定領域をクリアすることにより、小役当選フラグの消去、入賞済みのボーナス当選フラグの消去、ベット数記憶手段180のベット数のクリア等がなされる。
<メイン制御コマンド送信手段250>
メイン制御コマンド送信手段250は、メイン制御コマンドを生成し、所定のタイミングで演出制御装置300へ送信する。メイン制御コマンドは、スロットマシンSが実行する演出に関連する演出関連データを適宜含む。本実施形態の演出関連データは、役抽選で当選した当選役の構成図柄(当選役に対応する図柄)を示す「当選図柄データ(当選図柄信号)」、入賞した当選役を示す「特別遊技データ(入賞信号)」、未入賞で保有中の当選フラグの種別を示す「内部当選データ(内部当選信号)」、フリーズの開始及び終了を示す「フリーズデータ(フリーズ開始信号、フリーズ終了信号)」、及びAT中の押し順を示す「ナビデータ(AT信号)」を含む。
本実施形態では、メイン制御コマンド送信手段250がメイン制御コマンドを送信するタイミングとして、スタートスイッチ53の操作時(レバー操作時)と、1つめのストップスイッチ54の操作時(1停止時)と、2つめのストップスイッチ54の操作時(2停止時)と、3つめのストップスイッチ54の操作時(3停止時)との4つのタイミングが少なくとも設定されている。なお、メイン制御コマンドを送信するタイミングは、レバー操作時から所定のウェイト時間(4.1秒)が経過した時(ウェイト時間経過時)や、3つめのストップスイッチ54の操作解除時(3離し時)を含んでいてもよい。ウェイト時間とは、ゲームの進行速度の短縮化を規制するために、ストップスイッチ54が押下されてもリール23を停止せずにリール23の回転を継続するレバー操作時からの最小時間である。
演出制御装置300は、メイン制御コマンドを受信することによって、遊技の進行状態(レバー操作時、1停止時、2停止時及び3停止時の何れであるか)と、遊技制御装置100が実行する演出に関連する制御の内容とを認識することができる。
なお、演出関連データは、上記に限定されるものではなく、他のデータ(例えば、レバー操作時に画像表示装置34の画面に特定の画像を挿入して表示する「カットイン演出」を実行するか否かを遊技制御装置100が決定する場合、カットイン演出の実行を示すデータなど)であってもよい。
<演出制御装置300>
演出制御装置300は、遊技制御装置100から受信したメイン制御コマンドに基づいて、演出実行装置500の作動を制御し、所定の演出を行わせるためのものであり、演出制御装置300が備える各手段について説明する。なお、演出制御装置300は、下記以外の手段を有していても構わない。
<演出態様決定手段310>
演出態様決定手段310は、実行すべき演出を抽選(電子的な演出抽選)により決定する演出制御コマンド決定処理(後述するポイント参照コマンド決定処理を含む)を実行するためのものであり、演出抽選テーブル(演出態様テーブル)311を有している。演出抽選テーブル311は、受信するメイン制御コマンドに対応する演出制御コマンドを複数の演出制御コマンドの中から選択可能なように、複数のメイン制御コマンドの各々に対して複数の演出制御コマンドが予め関連付けて設定されるものである。演出抽選テーブル311は、メイン制御コマンドが含む演出関連データに対応した複数のテーブルであり、遊技制御装置100のROMに予め設定されている。各演出抽選テーブル311には、乱数発生手段が発生する各乱数の値に対して演出管理データが割り振られている。各演出管理データは、演出実行装置500に送信する演出制御コマンド(レバー操作時、1停止時、2停止時及び3停止時の各演出制御コマンド)をそれぞれ含んでいる。演出態様決定手段310は、レバー操作時のメイン制御コマンドの受信を契機に、乱数発生手段が発生する乱数から1つの数値を抽出し、演出乱数データとする。そして、抽出した演出乱数データに対応する演出管理データ(演出制御コマンド)を、受信したメイン制御コマンドが含む演出関連データに応じて選択した演出抽選テーブル311から抽出し、抽出した演出制御コマンドを送信用の演出制御コマンドとして送信前コマンド記憶手段320に更新して記憶する。
演出抽選テーブル311には、図7に示すように、複数のポイント参照演出テーブル311L,311M,311Hが設定されている。ポイント参照演出テーブル311L,311M,311Hは、後述するTOTALポイント値(参照ポイント値)が高いほど遊技者に与える期待感が高い演出制御コマンド(演出)が演出抽選によって抽出され易いように、受信したメイン制御コマンドが含む演出関連データによって規定される1つの演出パターンに対応付けられる複数の演出制御コマンドの選択確率を相違させたものであり、各ポイント参照演出テーブル311L,311M,311HにはTOTALポイント値に対応付けられている。
例えば演出Aの選択率が、ハズレ時よりも当選時の方が高く設定されていると、この演出Aについては、ハズレ時に選択され易い演出Bと比して、当選に対する遊技者の期待感は高くなる。すなわち、相対的に当選しているときに選択され易い演出であるほど、その演出は遊技者に与える期待感が高い演出となり、反対に、相対的にハズレているときに選択され易い演出であるほど、その演出は遊技者に与える期待感が低い演出となる。
本実施形態では、ポイント参照演出テーブルとして、低期待度用ポイント参照演出テーブル(以下、低期待度用テーブルと称する)311Lと、中期待度用ポイント参照演出テーブル(以下、中期待度用テーブルと称する)311Mと、高期待度用ポイント参照演出テーブル(以下、高期待度用テーブルと称する)311Hとが設定されている。本実施形態の低期待度用テーブル311Lは、TOTALポイント値が「0」〜「10」の場合に選択されるテーブルであり、中期待度用テーブル311Mは、TOTALポイント値が「11」〜「15」の場合に選択されるテーブルであり、高期待度用テーブル311Hは、TOTALポイント値が「16」以上の場合に選択されるテーブルである。TOTALポイント値が「0」である場合に選択される低期待度用テーブル311Lは、TOTALポイント値が演出に反映されない通常時に参照する演出態様テーブルとしても機能する。
また、演出制御コマンドを、その期待感に応じて4段階(Lev.1〜Lev.4)に分類している。演出制御コマンドの期待感とは、当該演出制御コマンドに対応して演出実行装置500によって実行される演出が遊技者に与える期待感の程度であり、Lev.1からLev.4に向かって遊技者に与える期待感が徐々に高くなる。演出制御コマンドが画像表示装置34の表示制御を実行させる液晶コマンドの場合、例えば、Lev.1には、背景が動く程度の表現演出を実行させる液晶コマンドが分類され、Lev.2には第1の色予告系(白、青、黄)の着色演出を実行させる液晶コマンドが分類され、Lev.3には第2の色予告系(赤、緑)の着色演出やカットイン系の表現演出を実行させる液晶コマンドが分類され、Lev.4には、特定柄の着色演出やプレミア系の表現演出を実行させる液晶コマンドが分類される。
1つの演出パターンに対応付けられるLev.1〜Lev.4の演出制御コマンドの選択確率は、例えば図8に示すように、低期待度用テーブルでは、Lev.1:60%、Lev.2:25%、Lev.3:10%、Lev.4:5%に、中期待度用テーブルでは、Lev.1:30%、Lev.2:30%、Lev.3:30%、Lev.4:10%に、中期待度用テーブルでは、Lev.1:5%、Lev.2:15%、Lev.3:30%、Lev.4:50%にそれぞれ設定されている。
また、各ポイント参照演出テーブル311L,311M,311Hにおける遊技制御コマンドの選択確率は、メイン制御コマンドが含む演出関連データが遊技者にとって有利なデータであるほど遊技者に与える期待感が高い演出制御コマンドが演出抽選によって抽出され易いように設定されている。
また、ポイント参照演出テーブル311L,311M,311Hに設定される各演出制御コマンドには、当該演出制御コマンドの期待度が高いほど値が大きくなるように設定されたポイント値が予め設定されている。本実施形態では、Lev.1の演出制御コマンドには「0」ポイントが、Lev.2の演出制御コマンドには「1」ポイントが、Lev.3の演出制御コマンドには「3」ポイントが、Lev.4の演出制御コマンドには「10」ポイントが設定されている。Lev.1〜Lev.4の液晶コマンドのデータ構成は、例えば、Lev.1の場合「0x0000XXXX」、Lev.2の場合「0x0001XXXX」、Lev.3の場合「0x0003XXXX」、Lev.4の場合「0x000AXXXX」となる。各データ構成において、6番目に配置される「0」、「1」、「3」、「A」は各レベルを示すコマンドデータであり、「XXXX」は液晶表示する内容に応じて相違するコマンドデータである。
<ポイント値記憶手段330>
ポイント値記憶手段330は、演出態様決定手段310が送信用として決定し送信前コマンド記憶手段320に記憶した演出制御コマンドを送信前コマンド記憶手段320から読み出し、読み出した各演出制御コマンドからポイント値を取得し、取得したポイント値の総計をTOTALポイント値として記憶する。
例えば、レバー操作時の演出制御コマンドがLev.1(背景が動く程度)、1停止時の演出制御コマンドがLev.3(カットイン系)、2停止時の演出制御コマンドがLev.1(第1の色告知系)、3停止時の演出制御コマンドがLev.4(プレミア系)であった場合、各ポイント値は、「0」、「3」、「1」及び「10」であるため、TOTALポイント値は「13」となる。
演出態様決定手段310は、前回の遊技処理でポイント値記憶手段330が記憶したTOTALポイント値に対応するポイント参照演出テーブル311L,311M,311Hから遊技制御コマンド(各タイミングで送信される複数の遊技制御コマンドからなる1セットの遊技制御コマンド)を抽出して送信用の演出制御コマンドとして決定する。
<継続回数決定手段350>
継続回数決定手段350は、遊技制御装置100から受信したメイン制御コマンドに基づいて、次回の遊技処理においてポイント参照コマンド決定処理を実行するか否かを決定するとともに、ポイント参照コマンド決定処理を実行する場合の継続回数を決定する。本実施形態では、次回の遊技処理においてポイント参照コマンド決定処理を実行しないと決定した場合には、TOTALポイント値をクリア(「0」に設定)する。また、決定した継続回数を、RAMのロックカウンタにロックカウンタ値として設定する。
演出態様決定手段310は、遊技処理を1回実行するごとにロックカウンタ値を1ずつ減算し、ロックカウンタ値が「0」に達するまで(継続回数決定手段350が決定した継続回数に遊技処理の実行回数が達するまで)、TOTALポイント値をクリアせずにポイント参照コマンド決定処理を連続して実行する。
また、演出態様決定手段310がTOTALポイント値をクリアせずにポイント参照コマンド決定処理を連続して実行している間、ポイント値記憶手段330は、今回の遊技処理で取得したポイント値を既に記憶しているTOTALポイント値に加算してTOTALポイント値を更新し、演出態様決定手段は、そのTOTALポイント値(ポイント値記憶手段330が各遊技処理において取得したポイント値の合計)を用いてポイント参照演出テーブル311L,311M,311Hを選択する。なお、1回の遊技処理が終了するたびにTOTALポイント値をクリアしてもよい。
<演出用デバイス制御装置400>
演出用デバイス制御装置400は、演出制御装置300から演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに応じて演出実行装置500を制御するためのものであり、演出用デバイス制御装置400が備える各手段について説明する。なお、演出用デバイス制御装置400は、下記以外の手段を有していても構わない。
<演出データ記憶手段410>
演出データ記憶手段410は、画像表示装置34に表示させる画像に関するデータ(画像データ)及びスピーカ35,45に出力させる音声に関するデータ(音声データ)を記憶する。画像データ及び音声データは、ROMに格納されており、必要に応じてCPUに出力される。
<画像表示制御手段420>
画像表示制御手段420は、演出データ記憶手段410が記憶する画像データに基づいて、画像表示装置34の画像の表示を制御するものである。すなわち、画像表示制御装置420は、演出制御装置300からの演出制御コマンドに基づき、演出データ記憶手段410の記憶する画像データを選択し、この画像データに従って画像表示装置34に画像を表示させる。
また、本実施形態では、画像表示制御手段420は、フリーズ中にフリーズ演出画像を表示し、AT中に押し順を報知するナビ画像を表示するなど、演出関連データに応じた画像を表示させるようになっている。
<音声出力制御手段430>
音声出力制御手段430は、演出データ記憶手段410が記憶する音声データに基づいて、スピーカ35,45の音声の出力を制御するものである。すなわち、音声出力制御手段430は、演出制御装置300からの演出制御コマンドに基づき、演出データ記憶手段410の記憶する音声データを選択し、この音声データに従ってスピーカ35,45にBGMや効果音を発生させる。
また、本実施形態では、音声出力制御手段340は、フリーズ中にフリーズ効果音を出力するなど、演出関連データに応じた音声を出力させるようになっている。
<ランプ点滅制御手段440>
ランプ点滅制御手段440は、ランプ33の点滅を制御するものである。具体的には、ランプ点滅制御手段440は、演出制御装置300からの演出制御コマンドに基づき、複数の点滅パターンから1つ選択し、この点滅パターンに従ってランプ33を点滅させる。
<スロットマシンSの動作>
次に、本実施形態に係るスロットマシンSにおける遊技の制御(1回の遊技処理)の概略について、図9に示したフローチャートを用いて説明する。
ステップ101では、再遊技であるか否かの判断が行われる。そして、再遊技であると判断した場合には、ステップ102に進む。再遊技でないと判断した場合には、ステップ103に進む。
ステップ102では、再遊技ベット処理が行われる。具体的には、前回のゲームでベットされたメダルの枚数、つまり「3」をベット数記憶手段180のベット数に加算する更新が行われる。そして、ステップ104に進む。
ステップ103では、ベット処理が行われる。具体的には、メダルのベットの受け付けを開始し、投入センサー47がメダルを検出すると、ベット数記憶手段180のベット数に「1」を加算する更新が行われる。または、ベットスイッチ51が操作されると、クレジット数を減じるとともに、ベット数記憶手段180のベット数に加算する更新が行われる。そして、メダルのベットの受付を終了して、ステップ104に進む。
ステップ104では、スタートスイッチ53の操作の受け付けを開始して、スタートスイッチ53が操作されたか否かの判断が行われる。そして、スタートスイッチ53が操作されたと判断したときには、スタートスイッチ53の操作の受け付けを終了して、ステップ105に進む。スタートスイッチ53が操作されていないと判断したときには、ステップ104に戻る。
ステップ105では、当選抽選手段130による当選抽選処理が行われる。つまり、複数の当選役の何れに当選かまたはハズレかの抽選が行われる。そして、ステップ106に進む。
ステップ106では、回転制御手段140の制御により各回転リール23が回転を開始して、一定の回転速度まで加速する。そして、ステップ107に進む。
ステップ107において、停止制御手段160による停止制御処理が行われる。そして、ステップ108に進む。
ステップ108では、入賞判定手段170による入賞判定処理が行われる。つまり、複数の当選役の何れに入賞か又は入賞なしかの判定が行われる。そして、ステップ109に進む。
ステップ109では、支払制御手段190による支払制御処理が行われる。つまり、入賞の特典としてメダルを支払う当選役について入賞と判定された場合に、当選役に応じた枚数のメダルを支払う制御が行われる。そして、ステップ111に進む。
ステップ110では、遊技移行処理が行われる。例えば、通常遊技において「赤セブン当選役の入賞」と判定された場合には、通常遊技からBBへ移行する。また、BB中に320枚を超えるメダルの支払いが行われると、BBから通常遊技へ移行する。そして、ステップ111に進む。
ステップ111では、ゲーム更新処理が行われ、ゲームを終了する。
<演出抽選処理>
次に、演出制御装置310が実行する演出抽選処理(演出制御コマンド決定処理・ポイント参照コマンド決定処理)について、図10を参照して説明する。
本処理は、遊技制御装置100からのレバー操作時のメイン制御コマンドの受信(レバー押下による遊技開始)を契機として開始される。
まず、ステップ201では、ロックカウンタ値(RAMのロックカウンタの値)の取得が行われ、ステップS202に進む。
ステップ202では、ステップS201で取得されたロックカウンタ値が「0」であるか否かの判定が行われる。ロックカウンタ値が「0」の場合には(ステップS202:Yes)、前回の演出の期待感を今回の演出の期待感に関連付ける連続演出を実行する必要がなく、通常時の演出を実行すればよいため、ステップS203に進む。
ステップS203では、TOTALポイント値のクリア(「0」の設定)が行われ、ステップS204に進む。TOTALポイント値のクリアにより、後述するステップS204において参照するポイント参照演出テーブル(演出抽選テーブル)が低期待度用テーブル311Lに固定される。
一方、ロックカウンタ値が「0」以外の場合には(ステップS202:No)、前回の演出の期待感を今回の演出の期待感に関連付ける連続演出を実行するため、ステップS203の処理を実行せずにステップS204に進む。
ステップS204では、TOTALポイント値に基づいて、参照するポイント参照演出テーブル(演出抽選テーブル)311L,311M,311Hが決定される。TOTALポイント値が「0」〜「10」の場合には低期待度用テーブル311Lが選択され、TOTALポイント値が「11」〜「15」の場合には中期待度用テーブル311Mが選択され、TOTALポイント値が「16」以上の場合には高期待度用テーブル311Hが選択される。
ステップS205では、演出抽選が実行され、ステップS206に進む。演出抽選では、乱数発生手段が発生する乱数から1つの演出乱数データが抽出され、抽出された演出乱数データに対応する演出管理データ(演出制御コマンド)が演出抽選テーブル311から抽出され、抽出された演出制御コマンドが送信用の演出制御コマンドとして送信前コマンド記憶手段320に更新して記憶される。演出制御コマンドの抽出の際に参照する演出抽選テーブル311は、ステップS204において決定されたポイント参照演出テーブル311L,311M,311Hの中からメイン制御コマンドが含む演出関連データに応じて選択される。
ステップS206では、後述するロックカウンタ設定処理が実行され、ロックカウンタ設定処理の終了によって本処理を終了する。
<ロックカウンタ設定処理>
次に、演出制御装置310が実行するロックカウンタ設定処理について、図11を参照して説明する。
まず、ステップ301では、ロックカウンタ値(RAMのロックカウンタの値)の減算が行われ、ステップS302に進む。なお、ロックカウンタ値が既に「0」の場合には、それ以上の減算は行われず、「0」が維持される。
ステップ302では、継続演出中か否か(次回の演出の期待度を今回の演出の期待度に関連付けるか否か)の判定が行われる。具体的には、ステップS301で減算した後のロックカウンタ値が「0」以外の場合には継続演出中であると判定され、「0」の場合には継続演出中ではないと判定される。
継続演出中ではない場合には(ステップS302:No)、ステップS303に進む。
ステップS303では、次回の遊技処理においてポイント参照コマンド決定処理を実行するか否かが決定されるとともに、ポイント参照コマンド決定処理を実行する場合の継続回数が決定され、本処理を終了する。本実施形態では、受信したメイン制御コマンドに含まれる演出関連データ(当選役)に応じて初期ロックカウンタ値が電子的な抽選によって決定され、決定された初期ロックカウンタ値がロックカウンタにセットされる。次回の遊技処理においてポイント参照コマンド決定処理を実行しないと決定した場合には、初期ロックカウンタ値として「0」がセットされ、実行すると決定した場合には、初期ロックカウンタ値として継続回数に応じた「1」以上の数値がセットされる。また、メイン制御コマンドに含まれる演出関連データが遊技者にとって有利なデータであるほど、大きい値の初期ロックカウンタ値が設定され易いように、初期ロックカウンタ値の抽選確率が設定されている。
一方、継続演出中である場合には(ステップS302:Yes)、初期ロックカウンタ値の設定処理(ステップS303)を実行せずに、本処理を終了する。
<液晶コマンド送信処理>
次に、演出制御装置310が実行する液晶コマンド送信処理について、図12を参照して説明する。
本処理は、送信前コマンド記憶手段320への液晶コマンドの記憶を契機として開始される。
まず、ステップ401では、送信前コマンド記憶手段320に記憶された液晶コマンドを読み出し、読み出した液晶コマンドから複数のポイント値を取得し、ステップS402に進む。
ステップS402では、ステップS401で取得した複数のポイント値の合算値を現在のTOTALポイント値に加算して記憶され、ステップS403に進む。
ステップS403では、送信前コマンド記憶手段302に記憶された液晶コマンドのポイント値(データ値)をクリア(「0」に設定)し、ステップS404に進む。なお、ステップS403の処理は省略してもよい。
ステップS404では、送信前コマンド記憶手段320に記憶された液晶コマンドが演出用デバイス制御装置400へ送信され、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、連続して実行される2つの遊技処理において、今回の演出が遊技者に与える期待感を前回の演出が遊技者に与えた期待感に関連付けることができる。従って、期待感の高い演出が実行された場合、次の遊技処理においても期待感の高い演出が継続して実行され易くなり、遊技者の期待感が直ぐに削がれてしまうことを回避することができる。
また、受信したメイン制御コマンドが遊技者にとって有利な当選役の当選であるほど、継続回数が多くなるように継続回数決定手段350がポイント参照コマンド決定処理の継続回数を決定するので、連続する演出が遊技者に与える期待感の信頼性を維持しつつ、遊技者の期待感が直ぐに削がれてしまうことを回避することができる。
さらに、ポイント参照コマンド決定処理を連続して実行している間は、各遊技処理において取得されたポイント値の合計がTOTALポイント値として用いられるので、連続する演出が遊技者に与える期待感は、ポイント参照コマンド決定処理の継続回数の増加に応じて徐々に高まる傾向を示す。従って、遊技者の期待感が直ぐに削がれてしまうことをさらに確実に回避することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。
例えば、上記実施形態では液晶コマンドについて主に説明したが、ランプ33やスピーカ35,45などの他の演出実行装置500を制御するための演出制御コマンドであってもよい。
また、3段階のポイント参照演出テーブル311L,311M,311Hを設定したが、複数段階であればその数は任意である。また、受信するメイン制御コマンドに含まれる演出関連データ(当選役)に応じて、ポイント参照コマンド決定処理を実行するか否かを決定したり、参照するポイント参照演出テーブルの数を相違させてもよい。また、AT(アシストタイム)中やART(アシストリプレイタイム)中に、内部的に特定された押し順に従ってストップスイッチ54が操作されなかった場合には、ポイント参照コマンド決定処理の実行を禁止してもよい。また、図10の処理において、ロックカウンタ設定処理(ステップS206)を、最初(ステップS201の前)に実行してもよい。
また、上記実施形態では、スロットマシンSについて説明したが、本発明は、主制御装置と副制御装置と演出デバイス制御装置と演出実行装置とを備えた弾球遊技機(パチンコ機)にも適用可能である。