JP4498814B2 - フラットケーブル被覆材、及びフラットケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、フラットケーブル被覆材に関し、さらに詳しくは、高温高湿の環境下でも、絶縁性及び摺動性が低下せず、長期の耐久性に優れるフラットケーブル被覆材、及びフラットケーブルに関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。 また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「CVD」は「化学気相成長法」、「PVD」は「物理気相成長法」、及び「HS層」は「熱接着層」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(技術の背景)従来、OA機器やゲーム機などの電子機器では、コンピューターと電子部品などの電気的な接続や種々の配線のために、フラットケーブルが使用されている。フラットケーブルは、電気電子機器の狭い筐体内を引き回され、電子部品の移動に伴って屈曲、摺動されたり、かつ、電子部品の発熱に伴う高温の環境下で使用される。このために、フラットケーブルを被覆しているフラットケーブル被覆材は、電気絶縁性の他、屈曲、摺動に対する柔軟性、高温に対する耐熱性、及び難燃性が求められている。
近年、電気電子機の使用場所が拡大し、高温かつ高湿度の環境での使用も増加している。このために、フラットケーブル被覆材、及びフラットケーブルは、高温高湿の環境下でも、電気絶縁性、摺動性、及び難燃性が低下せず、長期の使用に耐えることが求められている。
(先行技術)従来、壁紙や印刷物用シートとしては、基材フィルムの一方の面へ無機膜を設けて難燃性とした壁紙や印刷物用シートが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、無機膜による高温高湿下の環境における耐久性についての記載もなく、さらに、斯かるシートをその透湿度(水蒸気不透過性)に着目し、フラットケーブル被覆材の耐久性向上へ応用することについては、記載も示唆もされていない。
特開2003−33986号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、基材フィルムの少なくとも一方の面に防湿層を設けることで、高温高湿の環境下でも、電気絶縁性、摺動性、及び難燃性が低下せず、長期の使用に耐えるフラットケーブル被覆材、及びフラットケーブルを提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わるフラットケーブル被覆材は、基材フィルムと、直接又は他の層を介して、前記基材フィルムの一方の面に接着層を有し、他方の面に防湿層を有し、かつ、前記防湿層が化学気相成長法又は物理気相成長法により形成されてなる酸化珪素若しくは酸化アルミニウムの無機酸化物、塩化ビニル系樹脂、又は塩化ビニリデン系樹脂のいずれかを主成分とし、前記熱接着層の樹脂がポリエステル系樹脂であるように、したものである。
請求項の発明に係わるフラットケーブル被覆材は、請求項1において、上記基材フィルムの両方の面に防湿層を有するように、したものである。
請求項の発明に係わるフラットケーブル被覆材は、請求項1〜のいずれかに記載のフラットケーブル被覆材において、JIS K−7129に準拠する透湿度が10g/m2・24h以下であるように、したものである。
請求項の発明に係わるフラットケーブル被覆材は、請求項1〜のいずれかに記載のフラットケーブル被覆材において、UL94規格VTM−0相当の難燃性を有するように、したものである。
請求項の発明に係わるフラットケーブルは、複数の導体を同一平面内で配列した導体列を、2組のフラットケーブル被覆材の各々の熱接着層側が導体列側を向くようにして、両面より被覆してなるフラットケーブルにおいて、少なくとも片面のフラットケーブル被覆材が、請求項1〜のいずれかに記載のフラットケーブル被覆材をあるように、したものである。
請求項1〜の本発明によれば、高温高湿の環境下でも、基材及び/又は接着層が加水分解を受けにくく、初期性能が維持されることで、電気絶縁性及び屈曲摺動性が低下せず、長期の耐久性に優れるフラットケーブル被覆材が提供される。
請求項の本発明によれば、高温高湿の環境下でも、基材及び/又は接着層が加水分解を受けず、電気絶縁性及び屈曲摺動性が低下しにくいフラットケーブル被覆材が提供される。
請求項の本発明によれば、請求項1〜3の効果に加え、難燃性に優れるフラットケーブル被覆材が提供される。
請求項の本発明によれば、高温高湿の環境下でも、基材及び/又は接着層が加水分解を受けにくく、初期性能が維持されることで、電気絶縁性及び屈曲摺動性が低下せず、長期の耐久性に優れるフラットケーブルが提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す断面図である。
図2は、本発明のフラットケーブルの1実施例を示す端末付近の平面図である。
図3は、図2のAA断面図である。
図4は、補強板付きフラットケーブルの断面図である。
図5は、本発明のフラットケーブル被覆材の防湿層を製造する装置の1実施例(CVD装置)を示す概念図(一部切欠斷面図)である。
(物の発明)本発明のフラットケーブル被覆材10は、基材フィルム11と、必要に応じて直接又はプライマー層13などの他の層を介して、基材フィルム11の一方の面に熱接着層15を有する層構成からなり、該層構成に防湿層を有する。該防湿層の位置は、層構成のいずれの位置でもよく、好ましくは前記基材フィルム11の少なくとも熱接着層15の反対側に防湿層35Aを有し、さらに好ましくは他方側にも防湿層35Bを有する両面防湿層の構成である。即ち、防湿層35A/基材フィルム11/防湿層35B(必要に応じて)/プライマー層13(必要に応じて)/熱接着層15の構成である。該防湿層35A及び/又は防湿層35Bは、化学気相成長法又は物理気相成長法による酸化珪素若しくは酸化アルミニウムの無機酸化物、塩化ビニル系樹脂、又は塩化ビニリデン系樹脂のいずれかを主成分とする。
本発明のフラットケーブル1は、複数の導体21を同一平面内で配列した導体列を、本発明のフラットケーブル被覆材10にて両面より被覆してある。即ち、本発明のフラットケーブル1は、2組枚のフラットケ−ブル被覆材10を、それぞれの熱接着層15面を対向させて重ね合わせ、更に、その層間に、複数の金属等の導体21を同一平面内で配列した導体列を介在させる。
本出願人は、既に、特願2003−166944号で、環境に対する負荷が少なく難燃性に優れるもの、また、特願2003−308740号で、フラットケーブルの最表面を無機酸化物層で覆うことを提案している。特願2003−308740号では、高温時において、燃焼時に内層の基材フィルムや熱接着層が熱分解して発生する可燃ガスを、無機酸化物層が遮蔽して、可燃性ガスが外部へ拡散、放出することを遅延、抑制させ、外部の酸素と可燃性ガスとが酸化反応する連鎖反応を抑制して、難燃性を向上させるものである。本発明者らは、さらに鋭意研究を進め、用途によって高温高湿の環境下で使用されても長期の耐久性に優れるフラットケーブル被覆材及びフラットケーブルを見出して、本発明に至った。
フラットケーブルが、高温高湿の環境下に曝されると、次のような現象が発生し、フラットケーブル被覆材の性能が低下し、長期の使用に耐えられなくなる。
1つは、通常、フラットケーブル被覆材10の熱接着層15のバインダとして、用いられているポリエステル系樹脂が、環境雰囲気からフラットケーブル被覆材10を透過し浸入してきた水蒸気によって、加水分解し分子量が低下してしまう。該低分子量物は、樹脂本来の機能が劣化して、接着力が低下するので、導体21及び/又は基材フィルム11から浮いたり、剥離したりして、また電気絶縁性が低下し、短絡が発生したりしてしまう。
もう1つは、通常、基材フィルム11として用いられるポリエチレンテレフタレート(PETと略す)が、同様に浸入してきた水蒸気で加水分解し分子量が低下し、さらに2軸延伸による機能が減ずる。基材フィルム11の本来の機能が劣化し、変色やヒビ割れなどの外観不良、並びに柔軟性、表面擦傷性、及び機械的強度などの機械的機能が低下する。このために、屈曲摺動動作の繰り返しに耐えず、シワ、折れ、さらには切断といった屈曲摺動性の悪化現象が発生し、高温高湿度の環境下では長期の使用に耐えられない。
この現象は、使用している樹脂が該樹脂のガラス転移温度以上で高湿度に曝される場合に著しく、本発明はガラス転移温度以上で高湿度に曝されても、防湿層35A及び/又は防湿層35Bが、水蒸気の浸入を抑制することで、熱接着層15及び/又は基材フィルム11の劣化を阻止して、絶縁性及び屈曲摺動性などの機能を維持させることである。特に、熱接着層15に用いるポリエステル系樹脂へ、湿熱性は劣るが、よりヒートシ−ル性及び柔軟性に富んだ低いガラス転移温度のものを含ませることができる。
さらに、本発明の熱接着層15には難燃剤を含有させてもよく、特に、汎用される臭素系難燃剤を用いた場合には、該臭素系化合物が高湿度下で導体の銅やスズと反応して、難燃性が低下してしまうが、この現象も阻止して難燃性を維持し、優れた耐久性を付与することができる。以上にようにして、電気的特性、外観、摺動性、及び難燃性などの性能安定性が高く、耐久性に優れる。
次に、本発明に用いる材料について、説明する。
(基材フィルム)基材フィルム11としては、機械的強度に優れ、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、屈曲性、電気絶縁性等があれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、HIPS樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、、セロファン、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカ−ボネ−トなどの樹脂からなるシート、フィルムなどが適用できる。該樹脂フィルムは、必要に応じて、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
該基材フィルム11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材フィルム11は、通常機械的強度、耐熱性、絶縁性、コスト等の面から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンテレフタレートが好適に使用でき、ポリエチレンテレフタレートが最適である。
該基材フィルム11の厚さは、通常は5μm〜200μmが適用でき、10μm〜100μmが好適である。厚さが5μm未満であると機械的強度が不足し、また、プライマ層13、熱接着層15などを形成する適性が減ずる。厚さが200μm以上では可撓性が不足し屈曲摺動性が悪化するので、このような厚さにすることにより、本発明のフラットケーブル被覆材10に必要とされる強度を付与することができるとともに、該フラットケーブル被覆材10に良好な可撓性を付与することができる。
(基材フィルムの表面処理)基材フィルム11の他の層を設ける面には、密着性や接着性などを向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理(易接着処理ともいう)、又はプラズマなどによる清浄化処理を行ってもよい。該表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。また、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等の易接着処理層を任意に形成してもよい。上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
本発明のフラットケーブル被覆材10は層構成中に防湿層を有する。該防湿層の位置は、層構成のいずれの位置でもよく、好ましくは前記基材フィルム11の少なくとも熱接着層15の反対側に防湿層35Aを有し、さらに好ましくは他方側にも防湿層35Bを有する両面防湿層の構成である。基材フィルム11/防湿層35B/熱接着層15の構成であれば、高温高湿から熱接着層15を保護し、また、防湿層35A/基材フィルム11/熱接着層15の構成であれば、基材フィルム11及び熱接着層15を保護し、機能の低下を防止する。さらに、防湿層35A/基材フィルム11/防湿層35B/熱接着層15の構成であれば、基材フィルム11及び熱接着層15をより強固に、長期間にわたって保護し、機能の低下を防止できる。
該防湿層35A及び/又は防湿層35Bは、水蒸気を透過しにくいものであれば、特に限定されないが、酸化珪素若しくは酸化アルミニウムなどの無機酸化物、塩化ビニル系樹脂、又は塩化ビニリデン系樹脂のいずれかを主成分とするものが好ましく適用できる。
さらに、水蒸気不透過性とともに、酸素不透過性も合わせ持つものが特に好ましく、この点から、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂が好ましく、さらにまた、自身に燃焼性がない酸化珪素若しくは酸化アルミニウムの無機酸化物が特に好ましい。酸素不透過性であると、高温時の基材フィルムや熱接着層から発生する可燃ガス、及び外部からの酸素を遮蔽できるので、難燃性が向上できる。酸素不透過性の詳細については、本出願人が、特願2003−308740号で開示している。
(塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂)塩化ビニル系樹脂又は塩化ビニリデン系樹脂を用いて、防湿層を形成する方法としては、それらの樹脂と必要に応じて添加剤を、溶媒へ溶解及び/又は分散した組成物(インキ、ラテックス)を、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、エアナイフコート、ダイコート、ディップコート、スプレーコート、などの公知のコーティング法で塗布して、乾燥すればよい。
(無機酸化物膜)該無機酸化物膜としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の無機酸化物膜を使用することができ、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物である。
特に好ましい酸化珪素若しくは酸化アルミニウムの無機酸化物の形成方法としては、例えば、化学気相成長法、物理気相成長法、又はゾルゲル法などが適用できる。あるいはそれらを併用して、無機酸化物の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成してもよい。
(ゾルゲル法)ゾルゲル法は、公知の方法でよく、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどの珪素アルコキシドを加水分解した酸化珪素ゾルや、アルミニウムイソプロポキシド、チタンブトキシド、チタンイソプロポキシド、ジルコニアプロポキシドなどの金属アルコキシドを加水分解した金属酸化物ゾルなどを、ロールコーティング、コンマコーティング、グラビアコーティング法などのコーティング法などで、塗布し乾燥すればよい。
(化学気相成長法CVD)上記の化学気相成長法による無機酸化物層について更に説明する。該化学気相成長法による無機酸化物膜としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等適用できる。具体的には、基材フィルム11の一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素、炭化酸化珪素等の無機酸化物膜を形成する。低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが好ましい。
図5は、本発明で好適に使用できるCVD装置の説明図である。
該低温プラズマ化学気相成長法(プラズマCVDという)による無機酸化物膜の形成法について、好適に使用できるその一例を説明する。プラズマCVD装置200としては、真空容器210、ガス供給部、真空ポンプ、電源、及び図示しない制御装置からなり、真空容器210は、給紙部211、成膜部213、及び巻取部215からなっている。成膜部213は、成膜する無機酸化化物に応じて、例えばa室221、b室223、c室225などの複数の部屋からなる。真空容器210内の給紙部211に配置された巻き出しロ−ルから基材フィルム11を繰り出し、ガイドロ−ルを介して所定の速度で冷却、電極ドラム231周面上に搬送する。ガス供給部は、ガス供給装置及び原料揮発供給装置等から、酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等のモノマ−ガス、その他等を供給し、それらの単独又は混合ガス組成物を調整しなから真空容器210内へ導入する。
図5では3種のガスを用いる例を示し、原料供給ノズル251、253、255を通して真空容器210内にガス組成物を導入する。上記冷却、電極ドラム221周面上に搬送された基材フィルム11へ、グロ−放電プラズマによって発生させたプラズマを照射して、酸化珪素等の無機酸化物膜を製膜化(形成)する。その際に、冷却、電極ドラム231と、a室電極241、b室電極243、及びc室電極245には、真空容器210の外に配置されている電源から所定の電力が印加されており、また、冷却、電極ドラム231の近傍には、マグネットなどをを配置してプラズマの発生を促進してもよい。次いで、上記で無機酸化物膜を形成した基材フィルム11は、ガイドロ−ルを介して巻き取って、プラズマCVD法による無機酸化物膜を形成できる。また、無機酸化物膜としては、無機酸化物膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物膜を構成することもできる。
真空容器内は真空ポンプにより減圧し、真空度1.33×101Pa〜1.33×10-6Pa(1×10-1〜1×10-8Torr)位、好ましくは、真空度1.33×10-1Pa〜1.33×10-5Pa(1×10-3〜1×10-7Torr)位に調製することが好ましい。 また、原料揮発供給装置は、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガスなどの単独、又は混合させた混合ガスを原料供給ノズルを介して真空容器内に導入されるものである。この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却、電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空容器内の原料供給ノズルの開口部と冷却、電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルム11を一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却、電極ドラム周面上の基材フィルム11の上に、酸化珪素等の無機酸化物膜を形成することができる。なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1.33×101Pa〜1.33×10-2Pa位、好ましくは、真空度1.33×101Pa〜1.33Pa位に調製することが望ましく、また、基材フィルム11の搬送速度は、10〜300m/分程度、好ましくは50〜150m/分が好ましく、巻取り状で連続作業ができるので、生産性が高く低コストとできる。
また、プラズマ化学気相成長装置において、酸化珪素等の無機酸化物膜の形成は、基材フィルム11の上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOxの形で薄膜状に形成する。該形成される酸化珪素等の無機酸化物膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となるものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物膜は、従来の真空蒸着法等によって形成される酸化珪素等の無機酸化物膜と比較してはるかに気体遮斷性高いものとなり、薄い膜厚で十分な防湿性を得ることができる。また、本発明においては、SiOxプラズマにより基材フィルム11の表面が、清浄化され、基材フィルム11の表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物膜と基材フィルム11との密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1.33×101Pa〜1.33×10-2Pa位、好ましくは、1.33×101Pa〜1.33Pa位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物膜を形成する時の真空度、1.33×10-2Pa〜1.33×10-3Pa位比較して低真空度であることから、基材フィルム11を原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定し、生産効率も高められる。
(酸化珪素の無機酸化物膜)本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の無機酸化物膜は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOx(ただし、xは0.1〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。該酸化珪素の無機酸化物膜としては、透明性、防湿性等の点から、一般式SiOx(ただし、xは1.3〜2の数を表す。)で表される酸化珪素の無機酸化物膜を主体とする薄膜であることが好ましい。xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギー等により変化するが、一般的に、xの値が小さくなれば膜自身は緻密になるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
また、酸化珪素膜は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有してもよい。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH3部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の無機酸化物膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
上記の化合物が、酸化珪素膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の無機酸化物膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、防湿性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、防湿性が低下して好ましくない。さらに、本発明においては、酸化珪素膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の無機酸化物膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の無機酸化物膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
(一般式SiOxCy)好ましい酸化珪素膜は、酸化珪素を主体としさらに、炭素元素を含有するものである。その一般式SiOxCyにおいて、炭素が少ない(y値が小さい)場合には基材フィルムとの密着性に欠けると共に延展性、柔軟性にも欠ける。又、炭素が多い(y値が大きい)場合には透湿度、酸素透過度が大きくなって防湿性が低下するので、一般式SiOxCyにおいて、x=0.1〜1.95、y=0.1〜2.0とすることが好ましい。
酸化珪素などの無機酸化物膜の組成について、例えば、光電子分光光度計、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素膜の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記の酸化珪素の無機酸化物膜の膜厚としては、膜厚10〜500nm程度、好ましくは20〜200nmである。この範囲以上では、その膜にクラック等が発生し易く、また、この範囲未満では、防湿性の効果を奏することが困難になる。酸化珪素などの無機酸化物膜の膜厚は、無機酸化物膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマーガスと酸素ガス量を多くする方法や基材の走行速度を遅くする方法等によって行うことができ、適宜選択すればよい。その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いてファンダメンタルパラメーター法、JOBIN YVON社製のエリプソメーターUVISELTM(商品名)などで測定することができる。
次に、酸化珪素等の無機酸化物膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスとしては、例えば1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、又はヘキサメチレンジシロキサンなどを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
(物理気相成長法PVD)物理気相成長法による無機酸化物膜について更に詳しく説明する。物理気相成長法による無機酸化物膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、イオンクラスタ−ビ−ム法等の物理気相成長法(Physical VaporDeposition法、PVD法)を用いて無機酸化物膜を形成することができる。本発明において、具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材フィルムの一方の上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの一方の上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて無機酸化物膜を形成することができる。上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
物理気相成長法による無機酸化物の薄膜膜を形成する方法について、その具体例な1例を挙げる。巻取式真空蒸着装置の真空チャンバーの中で、巻き出しロ−ルから繰り出された基材フィルム11は、ガイドロ−ルを介して、冷却したコ−ティングドラムに導かれる。該基材フィルム11の上に、るつぼで熱せられた蒸着源、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスクを介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物膜を成膜化(形成)し、次いで、ガイドロ−ルを介して送り出し、巻き取りロ−ルに巻き取る。なお、巻取式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物膜の上に、更に、無機酸化物膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物膜を形成することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物膜の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、10〜500nm範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。また、本発明においては、無機酸化物膜としては、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種又は2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物膜を構成することもできる。
(無機酸化物の表面処理)無機酸化物層35A及び/又は35Bの表面は、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマ層(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、又はアルカリ処理などの易接着のための表面処理37を行ってもよい。好ましくはプラズマ処理、より具体的には酸素プラズマ処理である。また、基材フィルム11の両面に設ける場合には、上記の形成法を繰り返すか、表裏面をインラインで同時に形成できる装置を用いればよい。
(透湿度、酸素透過度)基材フィルム11の防湿層35A及び/又は35Bは、高温高湿の環境においても、基材フィルム11及び/又は接接着層15を保護するために、水蒸気を透過させにくいことが重要である。このために、透過性の指標であるフラットケーブル被覆材としての透湿度が15g/m224h(38℃、100%RH)以下、好ましくは10g/m224h(38℃、100%RH)以下である。これ以上では水蒸気の透過率が高く、基材フィルム11及び/又は接接着層15を加水分解から保護、特にガラス転移温度以上の高湿環境では不充分である。
さらに好ましくは、上記透湿度に加えて、加熱されたフラットケーブルから発生する可燃ガス、及び外部からの酸素を透過させず、発火、着火、燃焼、及び延焼を遅延させるために、酸素透過性の指標であるフラットケーブル被覆材としての酸素透過度が15cm3/m224hatm(25℃、90%RH)以下程度、好ましくは10cm3/m224hatm(25℃、90%RH)以下である。これ以上では、可燃ガスや酸素の透過率が高く、着火、燃焼、及び延焼を遅延させるためには、不充分である。
なお、透湿度はJIS K−7129に準拠し、酸素透過度はJIS K−7126に準拠する。
基材フィルム11として難燃性のポリイミド系フィルムを用いることもできるが、ポリイミド系フィルムは極めて高価である。本発明では、基材フィルム11として可燃性のポリエステル系フィルムなどの汎用フィルムを用いても、耐久性を発現できる。また、本発明と、従来の難燃剤を含有させた熱接着層15とを併用してもよく、この場合には、熱接着層15へ含有させた難燃剤の量を減じ、または、より環境適性のよいハロゲン、リン、アンチモンなどの元素を含まない難燃剤を用いることができる。
防湿層35A及び/又は防湿層35Bとして、塩化ビニル系樹脂、又は塩化ビニリデン系樹脂を用いる場合には、該樹脂中にハロゲン元素を有するが、ハロゲン元素の絶対量としては、減ずることができる。さらに、熱接着層15の難燃剤として臭素系化合物を用いた場合でも、本発明によれば、該臭素系化合物が高湿度下でも、導体の銅やスズと反応しにくく難燃性が低下しにくいので、電気的特性、外観、摺動性などの性能を維持させがら、臭素系化合物の絶対量を減ずることができる。
(フラットケーブル)2枚のフラットケーブル被覆材10で、それぞれの熱接着層15で導体21を両面から覆い熱接着し積層することでフラットケーブル1となる。該フラットケーブル1の両端部には他の機器へ電気的に接続する端子部が設けられる。該端子部は、1枚又は2枚のフラットケーブル被覆材1が除去されて導体21が露出される。しかしながら、導体21は、厚さが薄く、幅が狭く強度がないことが多いので、図4に示すように、補強板41を設ける。
補強板41で、フラットケーブル1の端末及び端子部を補強する方式としては、両窓タイプ、及び、片窓タイプと呼ばれる方式があるが、いずれにでもよい。両窓タイプは、従来の接着層が導体へ接着しないために、端末部へ接続するときに、フラットケーブル被覆材10から導体21を口出した端末を補強する方式である。また、片窓タイプは、従来の接着層でも導体に接着する場合に、導体を口出した端末の片側のフラットケーブル被覆材10の基材の上を補強する方式である。
(熱接着層)次に、基材フィルム11又は防湿層35B面へ、熱接着層15を設ける。また、基材フィルム11又は防湿層35Bの熱接着層15を設ける面へ、必要に応じて、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマ層(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。好ましくはプライマ層13である。
(プライマ層)該プライマ層13としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、エポキシ樹脂などが適用できる。
これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを基材フィルム11面へ、公知の印刷法又はコーティング法で塗布し乾燥して、プライマー層13とする。該プライマー層13の厚さは、0.05〜5μm程度、好ましくは0.1〜2μmである。プライマー層12Aによって、基材フィルム11と熱接着剤13は強固に接着して、電子機器への使用時の摺動に耐えて、層間の剥離などを抑制して、電気絶縁性、耐久性を向上するためのものである。
(熱接着層)熱接着層15は、柔軟性に富み、かつ基材フィルム11、防湿層35B又はプライマー層13、並びに導体21とのヒ−トシ−ル性を有していることが必要である。かかる熱接着層13は、その層間に金属などの導体を挟持させることができて、かつ、加熱ロールまたは加熱板などによる加熱加圧により軟化して溶融し、相互に強固に熱融着し、かつ、導体との密着性に優れているとともに導体をその中に空隙を発生させずに埋め込めることが必要である。
該熱接着層15は、熱接着性を有する合成樹脂が適用できる。また、該合成樹脂には難燃剤を含有させてもよく、通常、合成樹脂成分が20〜50質量%と難燃剤成分が50〜80質量%とを含む組成物からなる。難燃性の性能からは、難燃剤成分が多いほど良いが、難燃剤が多いと合成樹脂成分が少なくなって、熱接着層15を形成加工する際に成膜することができず、また、必要な接着性能が得られない。難燃性があり、加工性の良い組成としては、合成樹脂成分が20〜50質量%と難燃剤成分が50〜80質量%である。しかしながら、本発明では難燃剤成分の含有量を減ずることができ、合成樹脂成分が30〜100質量%と難燃剤成分が0〜70質量%程度、好ましくは合成樹脂成分が40〜100質量%と難燃剤成分が0〜60質量%程度である。
熱接着層15を構成する材料としては、例えば、アイオノマ−樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用できる。
(ガラス転移温度)熱接着層15の樹脂としては、導体とのヒートシ−ル性、および難燃剤の混入のし易さから、ポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。該ポリエステル系樹脂は、飽和共重合ポリエステル樹脂であって、ガラス転移点が−50℃〜80℃で、かつ重量平均分子量が7000〜50000の範囲の樹脂を主成分とする樹脂組成物からなるものが好適である。また、ガラス転移点が比較的低く柔軟性に富むポリエステル系樹脂と、ガラス転移点の比較的高く耐熱性に富むポリエステル系樹脂とを、配合して使用しても良い。さらに、非晶性のポリエステル系樹脂と結晶性のポリエステル系樹脂を、適宜、配合して使用しても良い。
本発明によれば、熱接着層15の樹脂として、低ガラス転移温度のポリエステル系樹脂を、単独又は混合して使用することができる。従って、よりヒートシ−ル性及び柔軟性に富んだフラットケーブル被覆材10とすることができて、該2組のフラットケーブル被覆材10の熱接着層15で導体21を両面から覆い熱接着し積層することで、フラットケーブル1となる。該フラットケーブル1は高温高湿の環境下でも、基材及び/又は接着層が加水分解を受けにくく、初期性能が維持されるので、電気絶縁性及び屈曲摺動性が低下せず、長期の耐久性に優れる。
(難燃剤)熱接着層15への難燃剤の含有は、必要に応じて含有させればよく、含有させる場合の難燃剤としては、塩素系、臭素系などのハロゲン系化合物、金属粉、水和金属化合物、酸化金属化合物などの金属化合物、リンおよびリン系化合物、窒素系化合物などが適用できる。これら難燃剤の粒子の平均粒径としては、一次粒子として、0.01〜100μm程度で、好ましくは0.01〜40μmである。平均粒径が40μmを超えると、合成樹脂への分散性が悪くなり、合成樹脂の物性を低下させる場合がある。
塩素系化合物としては塩素化パラフィンや無水ヘット酸などが、臭素系化合物としてはテトラブロモビスフェノールA(TBA)、デカブロモジフェニルエーテル(DBDPO)、オクタブロモジフェニルオキサイド(OBDPO)、又はテトラブロモペンタエリスリトールなどが、リンおよびリン系化合物としては、赤燐、ポリリン酸アンモニウム、トリフェニルホスフェートやブロモネオペンチルグリコールなどのリン酸エステルまたはリン化合物、又はポリオール化合物などがある。
窒素系化合物としては、メラミン誘導体を含むトリアジン環含有化合物などがある。トリアジン環含有化合物としては、メラミン(シアヌル酸トリアミド)、硫酸メラミン、硫酸アセトグアナミン、メラミンシアヌレート(メラミンとシアヌール酸との縮合)、メラム、硫酸メラム、硫酸メレム、メラミン樹脂などがある。
水和金属化合物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタンなどがある。水和金属化合物の樹脂への添加量は、合成樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。0.1質量部未満の場合は難燃性が急激に低下し、5質量部を超える場合には、難燃性は得られるが合成樹脂の色相悪化をもたらす。酸化金属化合物は、例えば、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、酸化スズ、二酸化珪素などがある。金属化合物は、例えば、カルシウムーアルミニウムシリケート、ジルコニウム化合物、ドーソナイト、アルミン酸カルシウム水和物、炭酸カルシウムなどがある。その他は、例えば、その他、シリコーン系ポリマー、フェロセン、フマール酸、マレイン酸、スルファミン酸などがある。これらは、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。また、組成物には、必要に応じて、充填剤、顔料、滑剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤などを添加してもよい。
さらに、近年、地球レベルで環境を保護するために、有害物質は使用規制される傾向にあり、フラットケーブル1に使用する材料についても、有害物質の使用を極力避けるべきである。例えば、臭素系難燃剤であるデカブロモジフェニルエーテル、及び塩素系の難燃剤は、燃焼条件によっては、ダイオキシン又はダイオキシン関連物質が生成する恐れがあり、その使用規制が望まれている。また、アンチモンは、発ガン性の恐れがあると言われている。これらの難燃剤を含有するフラットケーブル被覆材では、該フラットケーブル被覆材を用いたフラットケーブルが電子機器とともに使用後廃棄された後に、何らかの要因で難燃剤が環境に漏洩したり、人体に取り込まれて健康を害する恐れがある。従って、非ハロゲン系難燃剤を使用することが好ましく、さらに好ましくは、非リン系、非アンチモン系の難燃剤を使用することである。本発明によれば、、防湿層として、特に、難燃性にも優れる無機化合物層を採用した場合には、ハロゲン元素、リン系化合物、及び/又はアンチモン系化合物の使用量を減じ、又は使用しないことができる。
本発明の熱接着層15には、本発明の効果に影響のない範囲で、さらに種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤(顔料、染料)、ブロッキング防止剤、樹脂と難燃剤との間の凝集力を上昇させる各種カップリング剤、架橋剤、架橋助剤、充填剤、帯電防止剤、難燃触媒を適宜添加してもよい。例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料または白色顔料、その他の無機化合物の粉末、ガラスフリット、フッ素系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、その他等を使用することができる。なお、本発明においては、上記の体質顔料または白色顔料において、酸化チタンまたは酸化亜鉛等のものは、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等のものと比較して、その粒子径が小さいことから、フラットケ−ブル被覆材をロ−ル状の製品形態で在庫中でのブロッキング防止剤としての機能をも奏するという利点を有している。
(熱接着層の形成)次に、本発明においては、上記のような柔軟性に富み、かつ、ヒ−トシ−ル性を有する樹脂の一種ないしそれ以上を主成分とし含有し、更に、必要に応じて、上記のような難燃剤の一種またはそれ以上を加え、更に、必要ならば、その他の添加剤を任意に加え、熱接着層樹脂組成物を得る。
該熱接着性樹脂組成物へ、例えばトルエン、酢酸エチル、アルコ−ル類、メチルエチルケトン等の溶剤、希釈剤等にて十分に混練して可溶化または分散化して熱接着層15組成物インキを製造する。該熱接着層15組成物の塗料を用いて、これを、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコートなどの公知のコ−ティング方式で塗布し乾燥して、厚さ15〜150μm(乾燥時)程度の難燃剤を含有するヒ−トシ−ル性の熱接着層15を形成することができる。
あるいは、熱接着性樹脂組成物を、加熱し溶融させてダイスから押出しによる公知のコーティング方式(イクストルージョンコーティング法、Tダイ法ともいう)にて、基材フィルム11などへ積層して、厚さ15〜150μm程度の難燃剤を含有するヒ−トシ−ル性の熱接着層13を形成することもできる。この場合、基材フィルム11面へ、アルキルチタネート、ポリエチレンイミンなどのアンカーコート層を設けてることが好ましく、基材フィルム11と熱接着剤13は強固に接着して、電子機器への使用時の摺動に耐えて、層間の剥離などを抑制して、電気絶縁性、耐久性を向上する。
(難燃性) 本発明のフラットケーブル被覆材10は、防湿層35A/基材〔(必要に応じて)〕/熱接着層15の層構成であり(但し、防湿層35A、35Bは、少なくとも何れか1層以上)、容易にUL−94規格の「薄肉材料の垂直燃焼試験」VTM−0相当の難燃性を発現することができる。
2組のフラットケーブル被覆材10を、各々の熱接着層面同志を導体を挟んでその両側から重ね合わせて、加圧した熱ロール間を通過させて熱ラミネートして得られるラミネート体(フラットケーブル1に相当する)は、難燃性に優れ、さらにUL規格VW−1相当の難燃性を発現させることができる。
本発明のフラットケーブル1は、図2及び図3に図示するように、複数の導体21を同一平面内で配列した導体列を、フラットケーブル被覆材10にて両面より被覆してある。本発明においては、これまで説明してきたフラットケーブル被覆材10を使用し、少なくとも片方、好ましくは2組の該フラットケ−ブル用被覆材10を、その熱接着層13面を対向させて重ね合わせ、更に、その層間に、複数の金属等の導体21を同一平面内で配列した導体列を介在させる。
しかる後に該フラットケ−ブル用被覆材10、導体21を加熱加圧してヒ−トシ−ルすることにより、該フラットケ−ブル用被覆材10を構成するヒ−トシ−ル性の熱接着層15と導体21とを密接着させ、更に、対向した熱接着層15自身も相互に接着する。このようにして、2枚の対向したフラットケ−ブル被覆材10と導体21とが密着し接着して、導体21が熱接着層15へ埋め込まれて一体化したフラットケ−ブル1を製造することができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
厚さ25μmのPETフィルム2軸延伸GEC−23(帝人デュポンフィルム社製、商品名)をプラズマ化学気相成長装置の送出ロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条件でCVD蒸着法で、前記PETフィルムのコロナ処理面に、厚さ20nmの酸化珪素の防湿膜を形成した。
CVD蒸着条件としては、蒸着面;コロナ処理面、導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm)、真空チャンバ−内の真空度;2.7〜8.0×10-4Pa、蒸着チャンバ−内の真空度;2.7〜6.7×10-1Pa、冷却、電極ドラム供給電力;10kW、ライン速度;100m/minとした。
次に、PETフィルムの防湿膜の反対面へ、下記のプライマ層組成物インキをグラビアロ−ルコ−ト方式により、膜厚0.8g/m2(乾燥状態)になるように塗布し、乾燥してプライマ層を形成した。
プライマ層組成物インキとしては、ガラス転移点40℃のポリエステル樹脂とポリオ−ル系ウレタン樹脂(固形分質量比1:1、水酸基価=10mgKOH/g)をメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解させてA液を調製し、トリレンジイソシアネ−トとヘキサメチレンジイソシアネ−トとをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解させてB液を調製し、次いで、A液とB液とをフィルム状基材に塗布する直前に混合して用いた。
続いて、プライマ層上へ、下記の熱接着層組成物インキを用いて、ダイコ−タ−にて、膜厚35.0g/m2(乾燥状態)になるように塗布し、次いで、乾燥して熱接着層を形成して、実施例1のフラットケーブル被覆材を得た。
熱接着層組成物インキとしては、樹脂成分として、ガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂24質量%とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂5質量%とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂1質量%とを使用し、フィラ−成分として酸化チタンとシリカ9質量%を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1質量%を使用し、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて調製した。
厚さ25μmの2軸延伸PETフィルムGEC−23(帝人デュポンフィルム社製、商品名)をプラズマ化学気相成長装置の送出ロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条件でCVD蒸着法で、前記PETフィルムのコロナ処理面に、厚さ20nmの酸化珪素の防湿膜を形成し、さらに、反対面へも、同様の方法で厚さ20nmの酸化珪素の防湿膜を形成する以外は、実施例1と同様にしてフラットケーブル被覆材を得た。
基材として厚さ23μmの2軸延伸PETフィルムを用い、該基材上に防湿層として、プラズマCVD装置を用いて、下記の成膜条件でSiOxCy膜(x=1.60、y=0.60)で、膜厚20nmの膜を形成する以外は、実施例1と同様にしてフラットケーブル被覆材を得た。
(成膜条件)印加電力 2.0kW
成膜圧力 40Pa
HMDSO流量 0.2slm
酸素ガス流量 0.6slm
ヘリウムガス流量 0.6slm
成膜用ドラム表面温度(成膜温度) 30℃
フィルム走行スピード 5m/min
防湿層として、CVD蒸着法による酸化珪素に替えて、PVD法による酸化アルミニウムとする以外は、実施例1と同様にしてフラットケーブル被覆材を得た。
防湿層として、CVD蒸着法による酸化珪素に替えて、下記のように塩化ビニリデン樹脂層とする以外は、実施例1と同様にしてフラットケーブル被覆材を得た。
塩化ビニリデン樹脂層層は、塩化ビニリデン樹脂のラテックスを、厚さが5μm(乾燥後)となるように、グラビアリバース法で、塗布し乾燥して、形成した。
実施例1のフラットケーブル被覆材を用いて、フラットケーブルを製造する。スズメッキ軟銅導体(厚さ50μm、幅0.8mm)を17本を平行に並べ、巾6cm、長さ100cmからなるそれぞれ2枚のフラットケーブル被覆材10の熱接着層が向かい合うようにして、150℃に加熱した金属ロールとゴムロールとの間を3m/minのスピードで通過させて加熱加圧して、フラットケーブルを製造した。
実施例2のフラットケーブル被覆材を用いる以外は実施例6と同様にして、フラットケーブルを得た。
実施例3のフラットケーブル被覆材を用いる以外は実施例6と同様にして、フラットケーブルを得た。
実施例4のフラットケーブル被覆材を用いる以外は実施例6と同様にして、フラットケーブルを得た。
実施例5のフラットケーブル被覆材を用いる以外は実施例6と同様にして、フラットケーブルを得た。
(比較例1)基材として、防湿層を設けず、厚さ25μmの2軸延伸PETフィルムGEC−23(帝人デュポンフィルム社製、商品名)を用いる以外は、実施例1と同様にしてフラットケーブル被覆材を得た。
(比較例2)比較例1のフラットケーブル被覆材を用いる以外は、実施例5と同様にして、フラットケーブルを得た。
(評価)評価は、フラットケーブル状態で、下記の3つの保存条件で曝した後の、摺動性、分子量変化率、電気特性、外観、及び接着性で行った。
保存条件は、条件A;温度40℃、湿度90%RH下に250時間、保存条件B;温度40℃、湿度90%RH下に500時間、保存条件C;温度85℃で湿度85%RH下に250時間で、その結果をそれぞれ「表1」、「表2」、及び「表3」に示す。
屈曲摺動性は、フラットケーブルの両端を、冶具間距離20cmの2つの冶具で掴んで、一方の冶具を固定し、フラットケーブルが丸まるように接近離間(接触と伸張)運動を繰り返し、フラットケーブルの浮きや折れを目視で観察して、著しい変化のないものを合格とし「○印」で、浮きや折れの発生したものを不合格とし「×印」で示した。
分子量変化率は、接着層のゲルパーミューエーション法での質量平均分子量を測定し、変化率がマイナス表示は、透過した水蒸気によって加水分解して、分子量が減少したことを示している。
電気特性は、JIS−C−6471に準拠した電気抵抗値を測定し、1×108Ω以上を合格とし「○印」で、1×108Ω未満を不合格とし「×印」で示した。
外観は、変色やヒビ割れなどを目視で観察し、著しい変化のないものを合格とし「○印」で、著しい変化のあるものを不合格とし「×印」で示した。
接着性は、フラットケーブル被覆材と導体、及びフラットケーブル被覆材同志面の貼り合わせ部分を目視で観察し、浮きや膨潤などの著しい変化のないものを合格とし「○印」で、著しい変化のあるものを不合格とし「×印」で示した。
Figure 0004498814
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実施例6〜10では、保存条件A、B及びCでの分子量変化率が−27%以下と小さく、加水分解が進んでおらず、屈曲摺動性、電気特性、外観、及び接着性のいずれも合格であった。比較例2では、保存条件Aでの分子量変化率は−44%と大きく加水分解が進んで、電気特性、外観、及び接着性は合格であったが、摺動性は不合格であった。また、保存条件B及びCでの分子量変化率が、それぞれ−64%、−74%と大きく加水分解が進んで、外観は全体が赤茶色に変色し、電気特性、接着性、屈曲摺動性のいずれも不合格であった。
本発明の1実施例を示す断面図である。 本発明のフラットケーブルの1実施例を示す平面面図である。 図2のAA断面図である。 補強板付きフラットケーブルの断面図である。 本発明で好適に使用できるCVD装置の説明図である。
符号の説明
1 フラットケーブル
10 フラットケーブル被覆材
11 基材フィルム
13 プライマ層
15 熱接着層
21 導体
33 表面処理層
35A、35B 防湿層
41 補強板
200 CVD装置
210 真空容器
211 給紙部
213 成膜部
215 巻取部
221 a室
223 b室
225 c室
231 電極ドラム
421、243、245 電極
251.253、255 ガス供給ノズル

Claims (5)

  1. 基材フィルムと、直接又は他の層を介して、前記基材フィルムの一方の面に接着層を有し、他方の面に防湿層を有し、かつ、前記防湿層が化学気相成長法又は物理気相成長法により形成されてなる酸化珪素若しくは酸化アルミニウムの無機酸化物、塩化ビニル系樹脂、又は塩化ビニリデン系樹脂のいずれかを主成分とし、前記熱接着層の樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とするフラットケーブル被覆材。
  2. 上記基材フィルムの両方の面に防湿層を有することを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブル被覆材。
  3. 請求項1〜のいずれかに記載のフラットケーブル被覆材において、JIS K−7129に準拠する透湿度が10g/m2・24h以下であることを特徴とするフラットケーブル被覆材。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のフラットケーブル被覆材において、UL94規格VTM−0相当の難燃性を有することを特徴とするフラットケーブル被覆材。
  5. 複数の導体を同一平面内で配列した導体列を、2組のフラットケーブル被覆材の各々の熱接着層側が導体列側を向くようにして、両面より被覆してなるフラットケーブルにおいて、少なくとも片面のフラットケーブル被覆材が、請求項1〜のいずれかに記載のフラットケーブル被覆材をあることを特徴とするフラットケーブル。
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