JP2003003144A - ノンハロゲン難燃性接着剤組成物及びこれを用いたノンハロゲン難燃性接着シート - Google Patents

ノンハロゲン難燃性接着剤組成物及びこれを用いたノンハロゲン難燃性接着シート

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JP2003003144A
JP2003003144A JP2001184720A JP2001184720A JP2003003144A JP 2003003144 A JP2003003144 A JP 2003003144A JP 2001184720 A JP2001184720 A JP 2001184720A JP 2001184720 A JP2001184720 A JP 2001184720A JP 2003003144 A JP2003003144 A JP 2003003144A
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JP2001184720A
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English (en)
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Yoshisaku Kitagawa
嘉栄 北川
Naoki Utsunomiya
直樹 宇都宮
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Original Assignee
Nitto Shinko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、優れた難燃性だけでなく、加湿後
においても極めて優れた電気絶縁性が得られる上、廉価
で市場価格に見合い、市場性を備えたコストで生産でき
るのであり、しかも導体やPETフィルム等の合成樹脂
製のフィルムに対して極めて高い接着力を発現するので
あり、又、摺動性が必要な分野でも満足できる高い接着
性を発現するノンハロゲン難燃性接着剤組成物及びこれ
を用いたノンハロゲン難燃性接着シートを提供する。 【構成】 本発明は、(A)熱可塑性飽和共重合ポリエ
ステル樹脂から選ばれた1種又は2種以上の混合物10
0重量部に対し、(B)融点が80〜110℃、リン含
有率8.5〜11.0重量%、分子量500〜1500
の縮合型リン酸エステル系難燃剤5〜50重量部、
(C)無機リン酸の有機塩系難燃剤、有機ホスホン酸化
合物の有機塩系難燃剤又は有機ホスホン酸化合物の金属
塩系難燃剤から選ばれた少なくとも1種を50〜150
重量部配合していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気・電子機器のフラ
ットケーブルなどに用いられ、且つハロゲンを含有しな
いノンハロゲン難燃性接着剤組成物及びこれを用いたノ
ンハロゲン難燃性接着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機器内配線材料として、多芯平型
のフラットケーブルが使用されている。このフラットケ
ーブルは、各種多様な機器の配線の複雑化、小型化に対
し、配線の省力化や誤配線防止のために用いられてい
る。
【0003】なお、フラットケーブルは、2枚の難燃性
接着シートの間に、複数本の導体を並列させ挟み込んで
熱融着し、被膜することにより製造されており、難燃性
接着シートとしては、機械・電気特性の優れたポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルムに、難燃性接着
層を形成したものが広く用いられている。
【0004】フラットケーブルは、機器内配線材料であ
るため、電気的用途や防災、安全性の観点から、導体以
外の構成材料(即ち、基材フィルム、接着剤層)は、優
れた電気絶縁性と難燃性を必要とされる。
【0005】そのため、従来の難燃性接着シートは、デ
カブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン系難燃剤と
アンチモンやシリカなどの無機系難燃剤を難燃助剤とし
て配合されたものが、多く使用されている。
【0006】しかしながら、地球環境への影響、火災
(燃焼)時のハロゲンを含む有毒ガスの発生に対する配
慮から、ハロゲンを含有しない非(ノン)ハロゲン系難
燃剤の需要が高まってきている。
【0007】例えば、特開2000−80342号公報
は、フラットケーブル用接着シートの難燃性接着層に、
窒素含有有機難燃剤、ホウ素化合物等のノンハロゲン系
難燃剤を添加するもの、特開平9−221642号公報
は、基材、接着剤層に、ポリリン酸アンモニウム等を添
加するもの、特開平5−217430号公報は、フラッ
トケーブルの絶縁基材として、PPS等の酸素指数の高
いフィルムを用い難燃性をもたせるものが提案されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】機器内配線材料である
フラットケーブルは、プリンターなどの摺動性を必要と
する分野にも使用されているため、それに用いられる難
燃性接着シートは、難燃性だけでなく、導体やPETフ
ィルムに対し高い接着力が必要とされる。
【0009】しかし、一般的には、非ハロゲン系難燃剤
は難燃性が十分ではないため、必要とされる難燃性を確
保するためには、非ハロゲン系難燃剤を、多量に添加し
なくてはならない。そのため、接着成分の割合が減り、
接着剤層の接着力、凝集力が弱くなり、フラットケーブ
ル作製時に、導体やPETフィルムとの接着が不十分
で、剥離し易い問題がある。
【0010】又、イントメッセント系の代表的な無機リ
ン酸化合物難燃剤であるポリリン酸アンモニウムは、自
体が示す吸湿性又はイオン性のために、難燃性接着シー
トの電気絶縁性が不充分であるなどの問題がある。
【0011】一方、PPS等の酸素指数の高いフィルム
は高価であり、それを用いた非ハロゲン難燃性接着シ−
トは、市場価格に見合わず、市場性を考慮すると現実性
に乏しいものである。
【0012】従って、以上のように、従来の非ハロゲン
系難燃剤を使用したフラットケーブル用難燃性接着シ−
トは、市場価格に合ったコストで生産できるのであり、
導体やPETフィルムに対し高い接着力を具備するもの
はなかった。
【0013】本発明者は、前記従来技術の課題を解決す
るべく鋭意検討した結果、特定の熱可塑性飽和共重合ポ
リエステル樹脂と接着性向上剤と難燃剤を用いると、前
記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させ
るに至ったものである。
【0014】即ち、本発明者は、特定の熱可塑性飽和共
重合ポリエステル樹脂に、融点80〜110℃、リン含
有率8.5〜11.0重量%、分子量500〜1500
の縮合型リン酸エステル系難燃剤及び無機リン酸の有機
塩系難燃剤、有機ホスホン酸化合物の有機塩系難燃剤又
は有機ホスホン酸化合物の金属塩系難燃剤を配合するこ
とにより、熱融着時に溶融し、界面の濡れ性を上げるこ
とで接着性を向上させる。また、それ自体が難燃剤であ
るため、固形難燃剤の充填量を少なくすることができ
る。それによって、難燃性を付与すると同時に、摺動性
が必要な分野も満足する高接着性を有するノンハロゲン
難燃性接着剤組成物及びこれを用いたノンハロゲン難燃
性接着シートが得られるとの知見を得た。
【0015】本発明は、従来の技術的課題を解決するた
めに完成されたものであって、特定の熱可塑性飽和共重
合ポリエステル樹脂に、特定の縮合型リン酸エステル系
難燃剤、及び無機リン酸の有機塩系難燃剤、有機ホスホ
ン酸化合物の有機塩系難燃剤又は有機ホスホン酸化合物
の金属塩系難燃剤から選ばれた少なくとも1種を所定の
範囲で配合することにより、優れた難燃性だけでなく、
加湿後においても極めて優れた電気絶縁性が得られる
上、廉価で市場価格に見合い、市場性を備えたコストで
生産できるのであり、しかも導体やPETフィルム等の
合成樹脂製のフィルムに対して極めて高い接着力を発現
するのであり、又、摺動性が必要な分野でも満足できる
高い接着性を発現するノンハロゲン難燃性接着剤組成物
及びこれを用いたノンハロゲン難燃性接着シートを提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るノンハロゲ
ン難燃性接着剤組成物においては、前記目的を達成する
ために、(A)熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂か
ら選ばれた1種又は2種以上の混合物100重量部に対
し、(B)融点が80〜110℃、リン含有率8.5〜
11.0重量%、分子量500〜1500の縮合型リン
酸エステル系難燃剤5〜50重量部、(C)無機リン酸
の有機塩系難燃剤、有機ホスホン酸化合物の有機塩系難
燃剤又は有機ホスホン酸化合物の金属塩系難燃剤から選
ばれた少なくとも1種を50〜150重量部配合してい
ることを特徴とするものである。
【0017】本発明では、熱可塑性飽和共重合ポリエス
テル樹脂(A)が、接着性成分で、且つ成膜成分でもあ
る。このように、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂
を選択した理由は、比較的吸湿性も少なく、電気絶縁性
に優れ、強いフィルム強度を持つためである。
【0018】本発明で用いられる熱可塑性飽和共重合ポ
リエステル樹脂としては、二塩基酸と二価のアルコール
(ジアルコール成分)の脱水縮合物が挙げられるが、こ
の二塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、ジフェニルカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
グルタル酸、トリメリット酸又はスルホイソフタル酸ナ
トリウム等が挙げられるのであり、又、二価のアルコー
ルとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,4−ジシクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサジメチロール、ジエチレングリコ
ール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加トリ
メチロールプロパノ−ル等が挙げられる。
【0019】本発明において、前記熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂はその数平均分子量が、後述する、無
機リン酸の有機塩系難燃剤、有機ホスホン酸化合物の有
機塩系難燃剤又は有機ホスホン酸化合物の金属塩系難燃
剤から選ばれた少なくとも1種を多量に配合した場合で
あっても、十分な接着性、成膜性を確保するという観点
から、好ましくは、5000〜50000の範囲、より
好ましくは、10000〜50000の範囲のものから
選ばれた1種類もしくは2種以上の混合物が望ましい。
【0020】又、前記熱可塑性飽和共重合ポリエステル
樹脂はそのガラス転移点(Tg)が、フラットケーブル
製造時の熱融着に適応した温度にて、良好に接着させる
ため、好ましくは0℃〜100℃の範囲、より好ましく
は、0℃〜70℃の範囲のものが望ましい。
【0021】本発明で用いられる縮合型リン酸エステル
系難燃剤(B)としては、融点が80〜110℃、リン
含有率8.5〜11.0重量%、分子量500〜150
0のものが、熱融着時に界面の濡れ性を上げ、接着性を
高める効果があり、又、それ自体が難燃剤であるため、
固形の難燃剤の充填量を減らし、摺動性に優れたノンハ
ロゲン難燃性接着シートを製造することができるのであ
る。
【0022】その中でも、融点が85〜110℃、リン
含有率8.5〜11.0重量%、分子量500〜150
0の縮合型リン酸エステル系難燃剤が好ましく、特に、
耐加水分解性の強いものが好ましい。
【0023】本発明で用いられる縮合型リン酸エステル
系難燃剤(B)としては、具体的には、例えばレゾルシ
ン型ビスホスフェート、或いはレゾルシノールビス(ジ
2,6キシレニル)フォスフェート等が挙げられる。
【0024】ところで、縮合型リン酸エステル系難燃剤
の中でも、フェニル・レゾシン・ポリホスフェートは、
耐熱性は高いが、加水分解性が強く、電気絶縁性の必要
な難燃性接着シートに適していない。また、TPP、C
DPなどの1分子当たり1つのリン原子を有するモノホ
スフェート(分子量200〜400)は、低分子量であ
るため、沸点が低く、RT(℃)でタック性を有した
り、ブリードアウトの原因にもなる。また、沸点が低い
ため揮発しやすく金型汚染や作業環境を悪化などの原因
となったり、樹脂物性の点からも、耐熱性(荷重たわみ
温度)を低下させるなどの問題を有すため好ましくな
い。
【0025】前記縮合型リン酸エステル系難燃剤(B)
の配合割合としては、前記熱可塑性飽和共重合ポリエス
テル樹脂(A)100重量部に対し、前記(B)が5〜
50重量部の範囲の範囲とするのが好ましく、前記
(B)が、5重量部未満と少な過ぎると、添加効果が十
分に得られないので好ましくなく、一方、50重量部を
超えると、多過ぎて耐熱性の低下、ブリードアウトなど
の問題が発現するので好ましくなく、従って、これらの
観点から、特に、20〜50重量部の範囲とするのが望
ましい。
【0026】本発明で用いられる無機リン酸の有機塩系
難燃剤、有機ホスホン酸化合物の有機塩系難燃剤又は有
機ホスホン酸化合物の金属塩系難燃剤から選ばれた少な
くとも1種(C)としては、本発明に係るノンハロゲン
難燃性接着シートに優れた難燃性を付与するものであれ
ば特に限定されるものではない。
【0027】従って、特に、イントメッセント系の代表
的な無機リン酸化合物からなる難燃剤であるポリリン酸
アンモニウムは、それ自体の吸湿性又は、イオン性によ
り、電気絶縁性を低下させてしまうため好ましく、又、
赤リン系難燃剤は、難燃性自体は高いが、赤褐色を有し
樹脂を着色してしまうため好ましくなく、また、取り扱
い難い上、ホスフィンガスの発生などの問題もある。更
に、窒素含有有機系難燃剤やホウ素化合物などの難燃剤
は難燃性があまり高くないため、好ましくない。
【0028】本発明で用いられる無機リン酸の有機塩系
難燃剤、有機ホスホン酸化合物の有機塩系難燃剤又は有
機ホスホン酸化合物の金属塩系難燃剤から選ばれた少な
くとも1種(C)において、無機リン酸の有機塩系難燃
剤の例としてはポリリン酸メラミン又はピロリン酸メラ
ミン等が挙げられるのであり、又、有機ホスホン酸化合
物の有機塩系難燃剤の例としてはニトリロトリス(メチ
レン)ホスホン酸・メラミン塩、ニトリロトリス(メチ
レン)ホスホン酸・2メラミン塩、ニトリロトリス(メ
チレン)ホスホン酸・3メラミン塩、ニトリロトリス
(メチレン)ホスホン酸・4メラミン塩、ニトリロトリ
ス(メチレン)ホスホン酸・5メラミン塩、ニトリロト
リス(メチレン)ホスホン酸・6メラミン塩等が挙げら
れるのであり、更に、有機ホスホン酸化合物の金属塩系
難燃剤の例としてはニトリロトリス(メチレン)ホスホ
ン酸・マグネシウム塩、ニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸・2マグネシウム塩、ニトリロトリス(メチレ
ン)ホスホン酸・3マグネシウム塩、ニトリロトリス
(メチレン)ホスホン酸・カルシウム塩ニトリロトリス
(メチレン)ホスホン酸・2カルシウム塩、ニトリロト
リス(メチレン)ホスホン酸・3カルシウム塩等が挙げ
られるのであり、これらの中から選ばれた少なくとも1
種が挙げられる。
【0029】その中でも、化学的に安定な−P−C結合
を有すため、耐熱性や耐加水分解性等が優れる有機ホス
ホン酸化合物の有機塩系難燃剤又は金属塩系難燃剤が好
ましいのであり、特に、有機ホスホン酸化合物の金属塩
系難燃剤より分散性が優れている有機ホスホン酸化合物
の有機塩系難燃剤の方が一層好ましい。
【0030】また、前記難燃剤のうち有機塩がメラミン
の場合には、リンとメラミンとの併用による難燃効果が
高いので望ましい。
【0031】前記無機リン酸の有機塩系難燃剤、有機ホ
スホン酸化合物の有機塩系難燃剤又は有機ホスホン酸化
合物の金属塩系難燃剤から選ばれた少なくとも1種
(C)の配合割合としては、前記熱可塑性飽和共重合ポ
リエステル樹脂(A)100重量部に対し、前記(C)
が50〜150重量部の範囲とするのが好ましく、前記
(C)が、50重量部未満と少な過ぎると、十分な難燃
性が得られないので好ましくなく、一方、150重量部
を超えると、十分な接着強度が得られないので好ましく
なく、従って、これらの観点から、特に、70〜150
重量部の範囲とするのが望ましい。
【0032】ところで、本発明に係るノンハロゲン難燃
性接着剤組成物においては、本発明の目的、作用及び効
果を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、有機溶
剤(MEKやTOL等)、酸化防止剤、老化防止剤、金
属腐食防止剤、着色剤(顔料、染料)、接着付与剤、難
燃剤との間の凝集力を上昇させる各種カップリング剤、
架橋剤、架橋助剤、充填剤、帯電防止剤、難燃触媒等を
適宜添加してもよいのである。
【0033】本発明に係るノンハロゲン難燃性接着剤組
成物は、前記の(A)〜(C)と更に有機溶剤などの添
加剤を加え、これらの成分を混合攪拌機で均一に混合、
分散して製造されるのであり、又、このノンハロゲン難
燃性接着剤組成物は、溶液、ペースト又はペレット等の
形態で使用することができる。
【0034】次に、本発明に係るノンハロゲン難燃性接
着シートにおいては、前記目的を達成するために、本発
明に係るノンハロゲン難燃性接着剤組成物が絶縁基材フ
ィルム上に積層されていることを特徴とし、フラットケ
ーブル等に使用される難燃性接着シートとする。
【0035】従って、このノンハロゲン難燃性接着シー
トは、プリンターなどの摺動性を必要とする分野でも使
用できる高接着性を有する上、難燃性が著しく優れるの
であり、又、絶縁基材フィルム上に積層されるノンハロ
ゲン難燃性接着剤組成物層の厚さは、当該ノンハロゲン
難燃性接着シートの使用目的や用途により異なり、特に
限定されるものではないが、一般に、10〜100μm
の範囲とするのが望ましい。
【0036】本発明に係るノンハロゲン難燃性接着シー
トにおいてそのノンハロゲン難燃性接着剤組成物層の厚
さが、10μm未満と薄すぎると所要の難燃性を得るこ
とができない虞れがあり、一方、100μmを超えると
難燃性の付与効果に限界が生じるうえ、不経済であり、
しかも厚くなり過ぎて用途が制限される虞れがあるの
で、いずれの場合も好ましくない。
【0037】絶縁性基材フィルムとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイ
ミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレノキサ
イド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドのフ
ィルム等を挙げることができる。その厚さは、使用目的
に応じて適宜選択することができ、例えば、数μm〜数
百μmとすることができる。
【0038】なお、前記絶縁基材フィルムと前記ノンハ
ロゲン難燃性接着剤組成物層との間には、接着性を向上
させるために、プライマー層を介在させてもよいのであ
る。このプライマー層に使用されるプライマーとして
は、イソシアネート系、ポリエステル系、ポリウレタン
系のポリマーの1種又は2種以上の混合物が挙げられ
る。
【0039】本発明に係るノンハロゲン難燃性接着シー
トは、前記ノンハロゲン難燃性接着剤組成物[(A)〜
(C)]に有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン、ト
ルエン等)更に所望の添加剤を加えて均一に溶解ないし
分散させて得られたノンハロゲン難燃性接着剤組成物
を、前記絶縁性基材フィルム上に、塗布乾燥させるか、
熱溶融したノンハロゲン難燃性接着剤組成物を、溶融、
押出して成膜させることにより、ノンハロゲン難燃性接
着剤組成物層を形成させて製造することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】実施例1 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
Tg95℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型
の芳香族リン酸エステル系難燃剤50重量部と、ホスホ
ン酸メラミン70重量部と、更に適当量の有機溶剤であ
るMEK(メチルエチルケトン)とを加え、混合攪拌機
内で均一に混合、分散して得られたノンハロゲン難燃性
接着剤組成物を、厚さ12μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に、バーコーターで厚さ35±3μm
になるように塗布乾燥し、本発明の難燃性接着シートを
得た。
【0042】実施例2 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
Tg95℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型
の芳香族リン酸エステル系難燃剤50重量部と、ホスホ
ン酸メラミン100重量部と、更に適当量の有機溶剤
(前記に同じ。以下、省略。)とを加え、混合攪拌機内
で均一に混合、分散して得られたノンハロゲン難燃性接
着剤組成物を、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に、バーコーターで厚さ35±3μmに
なるように塗布乾燥し、本発明の難燃性接着シートを得
た。
【0043】実施例3 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
Tg95℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型
の芳香族リン酸エステル系難燃剤50重量部と、ホスホ
ン酸メラミン150重量部と、更に適当量の有機溶剤と
を加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られた
ノンハロゲン難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコーター
で厚さ35±3μmになるように塗布乾燥し、本発明の
難燃性接着シートを得た。
【0044】実施例4 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
Tg95℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型
の芳香族リン酸エステル系難燃剤25重量部と、ホスホ
ン酸メラミン125重量部と、更に適当量の有機溶剤と
を加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られた
ノンハロゲン難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコーター
で厚さ35±3μmになるように塗布乾燥し、本発明の
難燃性接着シートを得た。
【0045】実施例5 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
Tg95℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型
の芳香族リン酸エステル系難燃剤25重量部と、ホスホ
ン酸メラミン150重量部と、更に適当量の有機溶剤と
を加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られた
ノンハロゲン難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコーター
で厚さ35±3μmになるように塗布乾燥し、本発明の
難燃性接着シートを得た。
【0046】実施例6 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
Tg95℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型
の芳香族リン酸エステル系難燃剤50重量部と、ピロリ
ン酸メラミン120重量部と、更に適当量の有機溶剤と
を加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られた
ノンハロゲン難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコーター
で厚さ35±3μmになるように塗布乾燥し、本発明の
難燃性接着シートを得た。
【0047】実施例7 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部の樹脂混合物に、Tg95
℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型の芳香族
リン酸エステル系難燃剤50重量部と、ポリリン酸メラ
ミン120重量部と、更に適当量の有機溶剤とを加え、
混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られたノンハロ
ゲン難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に、バーコーターで厚さ3
5±3μmになるように塗布乾燥し、本発明の難燃性接
着シートを得た。
【0048】比較例1 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
デカブロモジフェニルエーテル60重量部と、三酸化ア
ンチモン20重量部と、更に適当量の有機溶剤とを加
え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られたハロ
ゲン(デカブロモ)難燃性接着剤組成物を、厚さ12μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコ
ーターで厚さ35±3μmになるように塗布乾燥し、難
燃性接着シートを得た。
【0049】比較例2 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
ポリリン酸アンモニウム100重量部と、更に適当量の
有機溶剤とを加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散し
て得られた難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、バーコーターで
厚さ35±3μmになるように塗布乾燥し、難燃性接着
シートを得た。
【0050】比較例3 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
ホウ酸亜鉛100重量部と、更に適当量の有機溶剤とを
加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られた難
燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、バーコーターで厚さ35±3
μmになるように塗布乾燥し、難燃性接着シートを得
た。
【0051】比較例4 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
メラミンシアヌレート150重量部と、更に適当量の有
機溶剤とを加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して
得られた難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に、バーコーターで厚
さ35±3μmになるように塗布乾燥し、難燃性接着シ
ートを得た。
【0052】比較例5 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
ホウ酸亜鉛75重量部と、メラミンシアヌレート75重
量部とを加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得
られた難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、バーコーターで厚さ
35±3μmになるように塗布乾燥し、難燃性接着シー
トを得た。
【0053】比較例6 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部の樹脂混合物に、ホスホン
酸メラミン125重量部と、更に適当量の有機溶剤とを
加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られた難
燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、バーコーターで厚さ35±3
μmになるように塗布乾燥し、難燃性接着シートを得
た。
【0054】比較例7 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
Tg95℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型
の芳香族リン酸エステル系難燃剤50重量部と、ホスホ
ン酸メラミン10重量部と、更に適当量の有機溶剤とを
加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られた難
燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、バーコーターで厚さ35±3
μmになるように塗布乾燥し、難燃性接着シートを得
た。
【0055】比較例8 数平均分子量23000、Tg7℃、軟化温度123
℃、溶融粘度3100ポイズの熱可塑性飽和共重合ポリ
エステル樹脂20重量部と、数平均分子量30000、
Tg35℃、軟化温度145℃、溶融粘度7000ポイ
ズの熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂60重量部
と、数平均分子量20000、Tg65℃、軟化温度1
65℃、溶融粘度4000ポイズの熱可塑性飽和共重合
ポリエステル樹脂20重量部とからなる樹脂混合物に、
Tg95℃、燐含有率9.0%、分子量690の縮合型
の芳香族リン酸エステル系難燃剤50重量部と、ホスホ
ン酸メラミン200重量部と、更に適当量の有機溶剤と
を加え、混合攪拌機内で均一に混合、分散して得られた
難燃性接着剤組成物を、厚さ12μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に、バーコーターで厚さ35±
3μmになるように塗布乾燥し、難燃性接着シートを得
た。
【0056】前記の実施例1〜7及び比較例1〜8の各
難燃性接着シートについて、以下の評価試験を行った。
【0057】接着力試験 <貼合わせ接着力>前記各難燃性接着シートを幅50m
mで、しかも長さ250mmに切断したものを2枚用意
し、難燃性接着剤組成物層どうしを向かい合わせて温度
150℃に加熱した2本のロールで、ラミネートする
(ラミネート条件 温度150℃、ロール圧力49N/
cm、ロール速度1m/分で2回通し)。得られた試
料を幅10mmで、長さ200mmに切断し、180℃
方向に50mm/分の速度にて、ピーリングする。
【0058】<対Cu接着力>前記各難燃性接着シート
を幅50mmで、しかも長さ250mmに切断したもの
を1枚用意し、1oz銅箔の光沢面に難燃性接着剤組成
物層を向けて、温度150℃に加熱した2本のロール
で、ラミネートする(ラミネート条件 温度150℃、
ロール圧力49N/cm、ロール速度1m/分で2回
通し)。得られた試料を幅10mmで、長さ200mm
に切断し、180℃方向に50mm/分の速度にて、ピ
ーリングする。
【0059】難燃性 難燃性試験は、UL94の装置及び機器類の部品用プラ
スチック材料の燃焼性規格試験に準じて行った。垂直燃
焼試験において、VTM−0相当であれば『○』とし、
それ以外は、『×』と評価した。
【0060】燃焼ガス 難燃性試験において発生したガスを採取し、そのガスの
ガスクロマトグラフ分析を行った。ここで、ハロゲンガ
スが確認されなかった場合は『○』と評価し、ハロゲン
ガスが確認された場合は『×』と評価した。
【0061】電気絶縁性 電気絶縁性は、JIS C 2151(電気用プラスチ
ックフィルム試験方法)の10に準じて、表面抵抗を測
定し、表面抵抗が、1×10の9乗未満は『×』と評価
し、1×10の9乗以上は『○』と評価した。なお、加
湿後(加湿条件:温度40℃、90%の恒温恒湿乾燥機
に、168時間静置する。)の試験試料についても同様
に表面抵抗を測定し、表面抵抗が、1×10の9乗未満
は『×』と評価し、1×10の9乗以上は『○』と評価
した。以上の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜7では、各項目に対し良好な特性を示していることが
認められ、本発明によれば、ハロゲン系の難燃剤を使用
することなく、フラットケーブル等に必要な難燃性、接
着性、電気絶縁性等の諸特性を満足させることのできる
ノンハロゲン難燃性接着剤組成物及びこれを用いた難燃
性接着シートが得られることが認められる。
【0064】一方、従来からのハロゲン系難燃剤を使用
した比較例1では燃焼ガスの問題を解決できておらず、
又、ポリリン酸アンモニウムを使用した比較例2では加
湿後に電気絶縁性の低下が確認され、しかも難燃性及び
接着性も不充分であった。更に、ホウ酸亜鉛、メラミン
シアヌレートを使用又はそれらを併用した比較例3、4
及び5のものは難燃性が不充分であり、特に、比較例4
・5のものは接着性も不充分であることが認められた。
【0065】加えて、ホスホン酸メラミンを単独で使用
した比較例6のものは、難燃性は充分だが、接着性を向
上させる縮合型リン酸エステル系難燃剤を添加していな
いため、接着性が不充分であった。また、比較例7のも
のは難燃剤の添加量が不足しており、難燃性が不充分で
あり、更に、比較例8のものは、難燃剤の添加が過剰で
あり、接着性が不充分であった。従って、本発明の所望
する樹脂、難燃剤を使用した時のみ良好な特性を有する
ことが明らかである。
【0066】
【発明の効果】本発明に係るノンハロゲン難燃性接着剤
組成物においては、特定の熱可塑性飽和共重合ポリエス
テル樹脂に、特定の縮合型リン酸エステル系難燃剤、及
び無機リン酸の有機塩系難燃剤、有機ホスホン酸化合物
の有機塩系難燃剤又は有機ホスホン酸化合物の金属塩系
難燃剤から選ばれた少なくとも1種を所定の範囲で配合
してなるものであり、このノンハロゲン難燃性接着剤組
成物を絶縁基材フィルム上に積層することにより、本発
明に係るノンハロゲン難燃性接着シートが得られるので
あり、このノンハロゲン難燃性接着シートは、優れた難
燃性が得られるだけでなく、加湿後においても極めて優
れた電気絶縁性を発現するのであり、しかも廉価で市場
価格に見合い、市場性を備えたコストで生産できる上、
導体やPETフィルム等の合成樹脂製フィルムに対して
も極めて高い接着力を発現するのであり、又、摺動性が
必要な分野でも満足できる高い接着性を発現するなどの
効果を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 11/08 C09J 11/08 H01B 7/08 H01B 7/08 7/295 17/56 A 17/56 17/60 M 17/60 7/34 B Fターム(参考) 4J004 AA15 AA18 CA04 CA06 CD02 CD06 FA05 4J040 ED041 ED051 HA286 HD23 KA36 LA06 LA08 LA09 MA02 MA10 NA19 5G311 CA01 CD01 CD10 5G315 CA03 CC10 CD08 CD13 5G333 AA04 AB14 CB13 DA18 DA28 FB27

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性飽和共重合ポリエステル
    樹脂から選ばれた1種又は2種以上の混合物100重量
    部に対し、(B)融点が80〜110℃、リン含有率
    8.5〜11.0重量%、分子量500〜1500の縮
    合型リン酸エステル系難燃剤5〜50重量部、(C)無
    機リン酸の有機塩系難燃剤、有機ホスホン酸化合物の有
    機塩系難燃剤又は有機ホスホン酸化合物の金属塩系難燃
    剤から選ばれた少なくとも1種を50〜150重量部配
    合していることを特徴とするノンハロゲン難燃性接着剤
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のノンハロゲン難燃性接
    着剤組成物が絶縁基材フィルム上に積層されていること
    を特徴とするノンハロゲン難燃性接着シート。
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