JP2004311573A - プリント配線板 - Google Patents

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JP2004311573A JP2003100326A JP2003100326A JP2004311573A JP 2004311573 A JP2004311573 A JP 2004311573A JP 2003100326 A JP2003100326 A JP 2003100326A JP 2003100326 A JP2003100326 A JP 2003100326A JP 2004311573 A JP2004311573 A JP 2004311573A
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Katsuyoshi Ishida
克義 石田
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Kiwako Omori
喜和子 大森
Takayuki Imai
隆之 今井
Hiroaki Watanabe
博明 渡邉
Atsutoshi Takano
敦俊 高野
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Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
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Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
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Abstract

【課題】メンブレンスイッチなどのプリント配線板において、基材フィルムに対して接着力が高く、機械特性や絶縁性の低下がなく、ノンハロゲンで、十分な難燃性を有する難燃性の被覆層を得ることにある。
【解決手段】PETフィルムなどからなる基材フィルム1上に導体回路2を形成し、この導体回路2を少なくとも被覆する絶縁抵抗1×1010Ω以上の絶縁層3を設ける。絶縁層3の形成には、ポリエステル樹脂を主体とする絶縁インクが用いられる。絶縁層3上にノンハロゲン系の難燃層4を設ける。難燃層4の形成には、ポリエステル樹脂100重量部と、メラミンシアヌレート40〜100重量部または水酸化マグネシウム80〜200重量部または水酸化アルミニウム60〜200重量部またはこれら3種から選ばれた2種以上の難燃剤60〜250重量部を必須成分とするノンハロゲン系の難燃インクが用いられる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フレキシブルプリント基板(FPC)などのプリント配線板に関し、特に導体回路を絶縁保護し、難燃性を付与するための被覆層を設けたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブルプリント配線板の応用製品として、ポリエチレンテレフタレートなどの基材フィルム上に、銀ペーストなどの導電性ペーストをスクリーン印刷などにより印刷して導体回路を形成し、この導体回路上に絶縁保護層を設けた構造のメンブレンスイッチが知られている。
このようなメンブレンスイッチは、例えばコンピュータ機器、オーディオ機器、ビディオ機器、OA機器などの各種電気機器のスイッチなどとして広く使われている。
【0003】
このメンブレンスイッチの絶縁保護層には、保護インク混和物を塗布し、固化してなるものが主に用いられており、この保護インク混和物としては、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムが多く使われていることから、その接着性の点で塩化ビニル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などを主成分とする混和物が主に使用されている。
【0004】
ところで、このようなメンブレンスイッチについては、防災上の観点からその構成材料に良好な難燃性が求められており、その絶縁保護層にも難燃性が要求されている。このため、絶縁保護層をなす保護インク混和物として、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン系難燃剤を配合したものなどが検討されている。
【0005】
しかしながら、この種のハロゲン系難燃剤を添加した難燃性保護インク混和物では、この難燃性保護インク混和物を用いたメンブレンスイッチ等の廃棄焼却処分の際に、有害なハロゲン含有ガスが発生するため、その使用を避けざるを得ないと言う欠点がある。
【0006】
このため、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物などのノンハロゲン系難燃剤を多量に配合した難燃性保護インク混和物を使用することなどが検討されている。
しかし、金属水酸化物を大量配合した難燃性保護インク混和物からなる絶縁保護層では、基材フィルムとの接着性が低下し、絶縁性が低下するという大きな問題がある。
このようなプリント配線板の導体回路上に被覆層を設けたものに関する先行技術文献としては、以下に示すようなものがある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−156748号公報
【特許文献2】
特開2002−156749号公報
【特許文献3】
特開2002−189289号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、メンブレンスイッチなどのプリント配線板において、基材フィルムに対して接着力が高く、耐摺動性や絶縁性の低下がなく、ノンハロゲンで、十分な難燃性を有する被覆層を設けることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、絶縁基材上に導体回路が形成され、この導体回路上にこれを被覆する2層以上の被覆層が設けられ、導体回路に接する被覆層が絶縁抵抗1×1010Ω以上の絶縁層とされ、最外の被覆層がノンハロゲン系の難燃層とされたことを特徴とするプリント配線板。
【0010】
請求項2にかかる発明は、絶縁層が、ポリエステル樹脂を主体とする絶縁インクからなることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板である。
請求項3にかかる発明は、難燃層が、ポリエステル樹脂とノンハロゲン系難燃剤を含む難燃インクからなることを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板である。
【0011】
請求項4にかかる発明は、難燃インクが、ポリエステル樹脂100重量部と、メラミンシアヌレート40〜100重量部または水酸化マグネシウム80〜200重量部または水酸化アルミニウム60〜200重量部またはこれら3種から選べれた2種以上の難燃剤を60〜250重量部を含むものであることを特徴とする請求項3記載のプリント配線板である。
【0012】
請求項5にかかる発明は、難燃インクが、さらに難燃剤の0〜20wt%の難燃助剤を含むものであることを特徴とする請求項4記載のプリント配線板である。
請求項6にかかる発明は、UL94に規定される94VTM−2の垂直難燃試験に合格するものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプリント配線板である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて、詳しく説明する。
図1は、本発明のプリント配線板の一例を示すもので、図中符号1は、絶縁基板となる基材フィルムを示す。
この基材フィルム1は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックからなる厚み10〜200μmのフィルムである。これらのプラスチックフィルムの中でもポリエチレンテレフタレートフィルムが、電気的特性、機械的特性、コストなどの点でこのましい。
【0014】
この基材フィルム1の一方の表面には、所望のパターン形状の導体回路2が形成されている。この導体回路2は、銀ペーストなどの導電性ペーストをスクリーン印刷などの印刷法により基材フィルム1上に印刷し、加熱などの固化手段により固化せしめるアディティブ法によって形成されたもので、その厚さが10〜100μm、線幅が0.05〜10mm、線間間隔が0.05〜10mm程度のものである。
【0015】
この導体回路2上には、これを覆うように、厚さ10〜100μmの絶縁層3が設けられている。この絶縁層3は、少なくとも導体回路2を被覆しておればよく、導体回路2以外の基材フィルム1の一部または全部を被覆していてもよい。また、必要に応じて、導体回路2と絶縁層3とを複数層積層して設けてもよい。
そして、かかる絶縁層3は、以下に説明する絶縁インクを印刷あるいは塗布し、加熱して固化させてなるもので、その絶縁抵抗が1×1010Ω以上の高絶縁性の被覆層である。
【0016】
ここで用いられる絶縁インクは、その樹脂成分がポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などからなるものが用いられるが、なかでも接着性などの点で、ポリエステル樹脂を主体とするものが好ましく、これに種々の添加剤、例えば有機溶剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤、各種カップリング剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤を適宜添加したものである。
ここでの有機溶剤には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族類などが用いられる。
【0017】
上記ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、サバシン酸などの酸成分と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ジシクロヘキサンジメチロール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール成分を原料として周知の縮重合方法によって得られた各種の飽和ポリエステル樹脂、飽和共重合ポリエステル樹脂が用いられる。
【0018】
このポリエステル樹脂は、その重量平均分子量が500〜50000、好ましくは10000〜30000の範囲にあるものが、絶縁層3の機械的強度が高くなって好ましい。この分子量の調整は、酸成分とアルコール成分との縮重合反応時の種々の重合条件、例えば重合温度、重合時間、重合圧力、重合触媒の種類などを適宜制御することで行われる。
また、このポリエステル樹脂のガラス転移温度に制限はないが、ガラス転移温度−30℃〜70℃が絶縁層3の機械的強度が高くなり好ましい。
【0019】
上記ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、サバシン酸などの酸成分と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ジシクロヘキサンジメチロール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール成分を原料として周知の縮重合方法によって得られた各種の飽和ポリエステル樹脂、飽和共重合ポリエステル樹脂が用いられる。
【0020】
このポリエステル樹脂は、その重量平均分子量が500〜50000、好ましくは10000〜30000の範囲にあるものが、保護絶縁層3の機械的強度が高くなって好ましい。この分子量の調整は、酸成分とアルコール成分との縮重合反応時の種々の重合条件、例えば重合温度、重合時間、重合圧力、重合触媒の種類などを適宜制御することで行われる。
また、このポリエステル樹脂のガラス転移温度に制限はないが、ガラス転移温度−30℃〜70℃が保護絶縁層3の機械的強度が高くなり好ましい。
【0021】
また、このポリエステル樹脂においては、絶縁層3の基材フィルム1への密着性および耐屈曲性を高めるため、イソシアネート系硬化剤またはアミン系硬化剤などの硬化剤を配合し、ポリエステル樹脂のポリマー末端においてこれを架橋することが好ましい。
【0022】
この硬化剤の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、3〜30重量部、好ましくは5〜20重量部とされ、3重量部未満では密着性増大効果が得られず、30重量部を越えると架橋が進行しすぎて絶縁層3の可撓性が低下し、耐屈曲性が低下する。
【0023】
このような絶縁インクの形態としては、樹脂分20〜45wt%の溶液、ペースト等の形態とすることができ、絶縁層3を形成するには、溶液タイプやペーストタイプとして、基材フィルム1の導体回路2上にスクリーン印刷などの印刷やバーコートなどによる塗布法により塗布して使用することができる。
【0024】
さらに、上記絶縁層3上の最外層には、これを覆うように、厚さ10〜100μmの難燃層4が設けられている。この難燃層4は、少なくとも絶縁層3を被覆しておればよいが、絶縁層3以外の基材フィルム1の全部を被覆するようにすることが難燃性の点で好ましい。
そして、かかる難燃層4は、以下に説明する難燃インクを印刷あるいは塗布し、加熱して固化させてなるもので、ノンハロゲン系で良好な難燃性を具備するものである。
【0025】
この難燃インクとしては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などからなる樹脂成分と、ノンハロゲン系難燃剤を含むものが用いられるが、なかでもポリエステル樹脂とノンハロゲン系難燃剤を含むインクが好ましく、さらにはポリエステル樹脂100重量部とメラミンシアヌレート120〜250重量部または水酸化マグネシウム80〜200重量部または水酸化アルミニウム60〜200重量部またはこれら3種から選ばれた2種以上の難燃剤を60〜250重量部を必須成分として含むものが好ましい。
【0026】
この難燃インクの樹脂分であるポリエステル樹脂には、上述の絶縁インクに用いられたポリエステル樹脂と同様のものが用いられ、やはりイソシアネート系硬化剤、アミン系硬化剤などを添加したものであってもよい。また、これ以外のタイプのポリエステル樹脂を用いてもよい。
【0027】
難燃インクの難燃剤として、まずメラミンシアヌレートが挙げられる。このメラミンシアヌレートは、平均粒径が10μm以下のものが用いられ、その粒子が表面処理されているものが、ポリエステル樹脂に対する分散性が良くなり好ましい。この表面処理には、シリカ、酸化チタンなどの粒径が1〜100nmの無機微粒子でメラミンシアヌレート表面を被覆するものやポリビニルアルコールなどで表面を被覆したものがある。
【0028】
このメラミンシアヌレートの配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して40〜100重量部、好ましくは60〜80重量部とされ、40重量部未満では難燃性が不足し、100重量部を超えると接着力が低下し、分散性、耐折り曲げ性(伸び)も低下する。
【0029】
また、他の難燃剤として、水酸化マグネシウムが挙げられる。この水酸化マグネシウムとしては、その平均粒径が10μm以下のものが好ましい。また、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシランなどのシランカップリング剤やステアリン酸などの脂肪酸、チタネートカップリング剤などで表面処理されたものがポリエステル樹脂に対する相溶性、混和性が改善されて好ましい。
【0030】
この水酸化マグネシウムの配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して80〜200重量部、好ましくは120〜150重量部とされ、80重量部未満では難燃性が不足し、200重量部を超えると接着力が低下し、分散性も低下する。
【0031】
他の難燃剤として、水酸化アルミニウムが用いられる。この水酸化アルミニウムとしては、その平均粒径が10μm以下のものが好ましい。また、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシランなどのシランカップリング剤やステアリン酸などの脂肪酸、チタネートカップリング剤などで表面処理されたものがポリエステル樹脂に対する相溶性、混和性が改善されて好ましい。
【0032】
この水酸化アルミニウムの配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して60〜200重量部、好ましくは80〜150重量部とされ、60重量部未満では難燃性が不足し、200重量部を超えると接着力が低下し、分散性、耐折り曲げ性(伸び)も低下する。
【0033】
さらに、これら3種から選ばれた2種以上の難燃剤の混合物を配合することができる。この場合の各難燃剤の混合比率は、特に限定されず、この混合物の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して60〜250重量部、好ましくは80〜150重量部、さらに好ましくは60〜100重量部とされ、60重量部未満では難燃性が不足し、250重量部を超えると接着力が低下し、分散性、耐折り曲げ性(伸び)も低下する。
本発明では、このように上述の3種の難燃剤のいずれか1種を配合することもでき、また2種以上の混合物を配合してもよい。
【0034】
さらに、難燃助剤を配合することもできる。この難燃助剤には、赤リン、酸化チタンコーティング赤リン、ポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃助剤、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛などの亜鉛系難燃助剤、酸化スズなどのスズ系難燃助剤、ホウ酸亜鉛などのホウ酸系難燃助剤、シリコーンパウダー、シリコーンガム、シリコーンオイルなどのシリコーン系難燃助剤が1種又は2種以上を混合して用いられる。
【0035】
上記赤リンには、粒径1〜30μmのもので、赤リン含有量が70重量%以上のものが用いられる。赤リン含有量が70重量%未満では難燃効果が不足する。
また、酸化チタンコーティング赤リンとは、粒径1〜20μmの赤リン粒子の表面を厚さ1nm〜10μmの酸化チタンの薄膜で被覆したもので、粒径1〜25μmの平均粒径を有するものが使用される。この酸化チタンコーティング赤リン中の赤リンの占める割合は、5〜65重量%とされ、5重量%未満では難燃効果が不足し、65重量%を超えると着色が激しくなる。
【0036】
上記酸化チタンコーティング赤リンは、燃焼時などの高温下に置かれた場合に、内部の赤リンが揮発し、コーティング膜を破壊して、外部に噴出、拡散して赤リン本来の難燃性を発揮する。また、この酸化チタンコーティング赤リンは、これを添加したインクの着色が赤リンに比較して格段に少なく、着色を好まない用途に適したリン系難燃助剤である。
【0037】
このような難燃助剤の配合量は、上記難燃剤の配合量の0〜20wt%とされ、必ずしも配合する必要はない。この難燃助剤に配合により上記メラミンシアヌレートなどの難燃剤の配合量を減量でき、難燃剤の配合による接着力、機械的特性などの低下が抑えられて好ましいものとなる。
【0038】
さらに、この難燃インクは、種々の添加剤、例えば有機溶剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤、各種カップリング剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤を適宜添加したものである。
上記有機溶剤には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族類などが用いられる。
【0039】
また、このような難燃インクの形態としては、固形分50〜80wt%の溶液、ペースト等の形態とすることができ、難燃層4を形成するには、溶液タイプやペーストタイプとして、基材フィルム1の絶縁層3上にスクリーン印刷などの印刷やバーコート、ロールコート、フローコートなどによる塗布法により塗布して使用することができる。
【0040】
このようなプリント配線板では、難燃層4の存在により高い難燃性を有するため、UL94に規定する94VTM−2の垂直燃焼試験に合格するものを得ることができる。すなわち、基材フィルム1として厚さ20〜100μmの非難燃化ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、絶縁層3の厚さが40μm以下で、難燃層4の厚さが10〜50μmであり、この難燃層4をなす難燃インクの配合組成がポリエステル樹脂100重量部と、メラミンシアヌレート120〜250重量部または水酸化マグネシウム80〜200重量部または水酸化アルミニウム60〜200重量部またはこれら3種から選ばれた1種以上の難燃剤40〜100重量部を含むものである場合には、上記垂直燃焼試験に合格する。このため、このプリント配線板は、良好な難燃性を要求されるコンピュータ機器等の配線等に使用できる。
【0041】
このようなプリント配線板にあっては、導体回路2直上にこれを覆う電気絶縁性の優れた絶縁層3が設けられているので、電気絶縁性の高いものとなる。また、この絶縁層3上には全体を覆う難燃性が優れたノンハロゲン系の難燃層4が設けられているので、難燃性も同時に高いものとなる。
【0042】
特に、絶縁層3と難燃層4とを機能的に分けて設けたため、それぞれの層に十分な絶縁性と難燃性を分担させることができ、高いレベルの絶縁性と難燃性を同時に付与することができる。また、プリント配線板の最外層に難燃層4が形成されるため、この部分に火炎が着炎してもここから燃焼することがない。また、それぞれの絶縁層3と難燃層4とが高い絶縁性と難燃性とを独立して有することから、これら2層3、4の各厚さを薄いものとすることも可能である。
【0043】
さらに、難燃層4がノンハロゲン系難燃層であるので、このプリント配線板を焼却処分する際に、有害なハロゲン含有ガスなどが発生することがない。また、難燃層4として、難燃助剤を難燃剤の20wt%を上限として含む配合組成の難燃インクから構成されたものでは、これに含まれる難燃助剤が、高い難燃効果を有するため、難燃剤の配合量を十分な難燃性を維持しつつ低減することができ、難燃層4自体の機械特性が高いものとなる。
【0044】
また、本発明においては、絶縁基材1としては、先に例示したプラスチックフィルム以外に、紙・フェノール樹脂、ガラス・エポキシ樹脂などの硬質のプラスチック板を用いることができ、これ以外の絶縁材料を使用することができる。
さらに、導体回路2として、アディティブ法によるもの以外に、銅箔などの金属箔をエッチングして形成するサブストラクト法で形成したものであってもよい。また、絶縁層3と難燃層4との間に、必要に応じて、任意の被覆層を設けてもよい。
【0045】
以下、具体例を示す。
[絶縁インク]
ポリエステル樹脂として、「バイロンGK−140」(商品名、東洋紡社製、ガラス転移温度18℃、ポリエステル樹脂)100重量部に「コロネート2513」(商品名、日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート系硬化剤)を10重量部配合したものを、メチルエチルケトン1容量部とトルエン4容量部からなる混合溶媒に溶解し、樹脂分40wt%の絶縁インクを製造した。
【0046】
[難燃インク]
表1ないし表7に示した配合組成(重量部)の難燃インク用難燃性樹脂組成物を、メチルエチルケトン1容量部とトルエン4容量部からなる混合溶媒に溶解し、固形分30wt%の難燃インクを製造した。
【0047】
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの基材フィルム1上に、市販の銀ペーストをスクリーン印刷したのち加熱して、厚さ15μm、線幅40μm、線間間隔200μmの導体回路2を形成した。このものの上に上記絶縁インクをスクリーン印刷して、加熱、固化して、厚さ20μmの絶縁層を設けたのち、フィルム1全体に上記難燃インクをフローコーターにより塗布し、加熱、固化して厚さ20μmの難燃層4を設けて、図1に示すような構成のプリント配線板を作製した。
【0048】
このようにして得られたプリント配線板について、難燃性、接着力試験、線間絶縁抵抗、折り曲げ試験を測定した。
難燃試験は、UL94、94VTM−2による垂直燃焼試験を行った。
接着力試験は、JIS K 5600−5−6に規定されたクロスカット法により行い、分類0であるものを合格とし、分類1〜6であるものを不合格とした。また、分類0とは、カットの縁が完全に完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない状態のことである。
【0049】
線間絶縁抵抗は、線幅0.04mm、線間間隔0.2mmの模擬導体回路を形成したものについて、その隣接導体間での絶縁抵抗が1×1010Ω以上あるものを合格とした。
折り曲げ試験は、プリント配線板を曲げ半径0.5mmで、3回繰り返し折り曲げ、導体回路の断線、浮きの有無を目視で観察し、これらが発生しないものを合格とした。
なお、難燃試験と接着力試験は、導体回路を形成しないプリント配線板で、試験を実施した。
結果を表1ないし表7に示す。
【0050】
表1ないし表7において、「ポリエステル樹脂」は、「バイロンGK−140」(商品名、東洋紡社製、ガラス転移温度18℃、ポリエステル樹脂)100重量部に「コロネート2513」(商品名、日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート系硬化剤)を10重量部配合したものを示す。
【0051】
「メラミンシアヌレート1」は、平均粒径2μmのもの(「MC−860」商品名、日産化学社製)を、
「メラミンシアヌレート2」は、シリカで表面処理した平均粒径2μmのもの(「MC−840」商品名、日産化学社製)を、
「メラミンシアヌレート3」は、ポリビニルアルコールで表面処理した平均粒径2μmのもの(「MC−810」商品名、日産化学社製)を示す。
【0052】
「水酸化マグネシウム1」は、平均粒径0.9μmのもの(「キスマ5」商品名、協和化学社製)を、
「水酸化マグネシウム2」は、シランカップリング剤で表面処理した平均粒径0.9μmのもの(「キスマ5P」商品名、協和化学社製)を、
「水酸化アルミニウム1」は、平均粒径1.2μmのもの(「H−42M」商品名、昭和電工社製)を、
「水酸化アルミニウム2」は、脂肪酸で表面処理した平均粒径1.2μmのもの(「H−42S」商品名、昭和電工社製)を示す。
【0053】
「赤リン」は、平均粒径3μmの「ヒシガード CP−A15F」(商品名、日本化学工業社製)を、
「酸化チタンコーティング赤リン」は、赤リン含有率が30wt%、平均粒径7μmのもの(「ノーバレッド280C」商品名、燐化学工業社製)を示す。
結果を表1ないし表6に示す。
【0054】
【表1】
Figure 2004311573
【0055】
【表2】
Figure 2004311573
【0056】
【表3】
Figure 2004311573
【0057】
【表4】
Figure 2004311573
【0058】
【表5】
Figure 2004311573
【0059】
【表6】
Figure 2004311573
【0060】
【表7】
Figure 2004311573
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプリント配線板にあっては、導体回路上に絶縁性の高い絶縁層を設け、さらにこの上にノンハロゲン系の難燃性の高い難燃層を設けたものであるので、高い絶縁性および難燃性を有し、機械特性も優れたものとなる。また、ノンハロゲンであるので焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線板の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材フィルム、2・・・導体回路、3・・・絶縁層、4・・・難燃層。

Claims (6)

  1. 絶縁基材上に導体回路が形成され、この導体回路上にこれを被覆する2層以上の被覆層が設けられ、導体回路に接する被覆層が絶縁抵抗1×1010Ω以上の絶縁層とされ、最外の被覆層がノンハロゲン系の難燃層とされたことを特徴とするプリント配線板。
  2. 絶縁層が、ポリエステル樹脂を主体とする絶縁インクからなることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
  3. 難燃層が、ポリエステル樹脂とノンハロゲン系難燃剤を含む難燃インクからなることを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板。
  4. 難燃インクが、ポリエステル樹脂100重量部と、メラミンシアヌレート40〜100重量部または水酸化マグネシウム80〜200重量部または水酸化アルミニウム60〜200重量部またはこれら3種から選ばれた2種以上の難燃剤60〜250重量部を含むものであることを特徴とする請求項3記載のプリント配線板。
  5. 難燃インクが、さらに難燃剤の0〜20wt%の難燃助剤を含むものであることを特徴とする請求項4記載のプリント配線板。
  6. UL94に規定される94VTM−2の垂直難燃試験に合格するものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007150116A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd フレキシブルプリント基板
JP2013022840A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 耐端面赤錆性に優れたクリアコート鋼板
JP2017082187A (ja) * 2015-03-30 2017-05-18 ナガセケムテックス株式会社 被覆組成物

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