JP2004130691A - 難燃性接着フィルムおよびそれを用いたフラットケーブル - Google Patents

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依田 直人
Muneyasu Ito
伊藤 宗泰
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Abstract

【課題】難燃性、接着性および可撓性に優れ、かつ燃焼時にダイオキシン類を発生する危険性の少ない難燃性接着フィルムおよびそれを用いたフラットケーブルを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルム上に、プライマー層、および臭素化芳香族難燃剤と無機フィラーにより難燃化処理された熱可塑性ポリエステル樹脂接着層を有する難燃性接着フィルムにより、上記課題を解決した。このとき、熱可塑性ポリエステル樹脂が、軟化温度の異なる2種または3種の熱可塑性ポリエステル樹脂のブレンドであることが好ましく、無機フィラーが、三酸化アンチモン、二酸化チタン、二酸化ケイ素および金属水酸化物から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。本発明のフラットケーブルは、上記難燃性接着フィルムを用いて構成した。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃化ホットメルト系接着層を有する難燃性接着フィルムおよびそれを用いたフラットケーブルに関し、更に詳しくは、臭素化芳香族難燃剤と無機フィラーにより難燃化処理された熱可塑性ポリエステル樹脂接着層を有するポリエステルフィルムおよびそれを用いたフラットケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器分野における小型化および軽量化の要求に応えるため、電子機器の内部配線材として、加工性および可撓性に優れたフラットケーブルが広く用いられている。フラットケーブルは、一般的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやPVCフィルム等の2枚の絶縁フィルムの間に複数本の導電体を挟んでドライラミする方法や、熱可塑性樹脂を接着層とした接着フィルムまたはフィラーや難燃剤等を混合した熱可塑性樹脂を接着層とした接着フィルムを2枚使用し、その接着フィルムの間に複数本の導電体を挟んで加熱ロールで接着する方法等により製造されている。
【0003】
フラットケーブルにおいては、難燃性、耐熱性、絶縁性、可撓性等が要求され、フィラーや難燃剤等を混合した熱可塑性樹脂で接着層を形成した接着フィルムが貼り合わせ用フィルムとして好ましく使用されている。こうした接着フィルムを構成する接着層には、各種の難燃剤が使用されているが、中でも難燃効果に優れたポリブロモビフェニル(PBB)やポリブロモビフェニルエーテル(PBDE)等の臭素系難燃剤が好ましく使用されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−80813号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平8−27543号公報(段落番号0002〜0004)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したポリブロモビフェニルやポリブロモビフェニルエーテルは、燃焼時にダイオキシン類を発生する危険性が指摘されており、また、他の臭素系難燃剤は、難燃化効果が劣るため大量に添加しなければならず、接着性や可撓性が低下し、上記内部配線材材等には適用し得なかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、難燃性、接着性および可撓性に優れ、かつ燃焼時にダイオキシン類を発生する危険性のない難燃性接着フィルムおよびそれを用いたフラットケーブルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の難燃性接着フィルムは、ポリエステルフィルム上に、プライマー層、および臭素化芳香族難燃剤と無機フィラーにより難燃化処理された熱可塑性ポリエステル樹脂接着層を有することに特徴を有する。この構成の難燃性接着フィルムには、臭素化芳香族難燃剤と無機フィラーの作用により、十分な難燃性と可撓性が付与される。
【0008】
本発明の難燃性接着フィルムにおいて、前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、軟化温度の異なる2種または3種の熱可塑性ポリエステル樹脂のブレンドであることが好ましい。この発明によれば、広い温度範囲で優れた接着性を有する難燃性接着フィルムとなる。
【0009】
また、本発明の難燃性接着フィルムにおいて、前記無機フィラーが、三酸化アンチモン、二酸化チタン、二酸化ケイ素および金属水酸化物から選ばれる1種または2種以上であることが好ましく、前記難燃化処理された熱可塑性ポリエステル樹脂接着層の組成が、熱可塑性ポリエステル樹脂20〜40重量部、臭素化芳香族難燃剤15〜30重量部、無機フィラー25〜50重量部であることが好ましい。
【0010】
上記課題を解決するための本発明のフラットケーブルは、上述した本発明の難燃性接着フィルムを用いて製造したものであることに特徴を有する。
【0011】
この発明によれば、難燃性、接着性、可撓性に優れた接着フィルムを用いたフラットケーブルは、難燃性と可撓性に優れている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の難燃性接着フィルムおよびフラットケーブルの実施形態について説明する。
【0013】
(難燃性接着フィルム)
本発明の難燃性接着フィルム11は、図1に示すように、ポリエステルフィルム12上に、プライマー層13、および臭素化芳香族難燃剤と無機フィラーにより難燃化処理された熱可塑性ポリエステル樹脂接着層14を有している。
【0014】
ポリエステルフィルム12は、難燃性接着フィルムのベース基材として作用するものであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが、機械的強度、電気絶縁性、耐熱性、コストの理由で好ましく用いられる。ポリエステルフィルム12の厚さは、その目的に応じて適宜選択することができる。フラットケーブル用として用いる場合には、12〜35μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく使用される。
【0015】
プライマー層13は、ポリエステルフィルム12上に形成され、ポリエステルフィルム12と熱可塑性ポリエステル樹脂接着層14との接着性を向上させるための下塗りとして作用する。プライマー層13を形成するためのプライマー剤は特に限定されないが、例えば、東洋紡績社製のバイロン240(商品名)等の溶剤可溶型の高分子ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。プライマー層13の形成方法も特に限定されず、例えば、溶剤に可溶させたプライマー剤をロールコート法、グラビアコート法等の塗工手段によって基材フィルム上に形成することができる。プライマー層13の厚さは、通常1〜3μm程度である。
【0016】
熱可塑性ポリエステル樹脂接着層(以下、単に「接着層」ともいう。)14は、プライマー層上に形成され、フラットケーブルの製造に使用される場合においては、例えば並列に配置された導電体等に良好な接着強度で接着するように作用する。特に、本発明においては、この接着層14が、臭素化芳香族難燃剤と無機フィラーの作用により、十分な難燃性を有する点に特徴がある。
【0017】
接着層14は、少なくとも熱可塑性ポリエステル樹脂、臭素化芳香族難燃剤、および無機フィラーを有する組成物で形成される。
【0018】
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸とジオールとから形成される数平均分子量1.5×10 〜30×10 の共重合ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。具体例としては、バイロン200、バイロン300、バイロン550(何れも東洋紡績株式会社製の商品名)等が挙げられる。この熱可塑性ポリエステル樹脂は、形成される接着層が優れた接着性と可撓性を発揮するよう作用する。
【0019】
特に、80〜160℃の軟化温度範囲で軟化して良好な接着作用を発揮する熱可塑性ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。こうした熱可塑性ポリエステル樹脂で形成された接着層は、例えばフラットケーブルを製造する際において、およそ100〜150℃の表面温度に制御された加熱ロールで加熱されることにより接着可能な軟化状態となり、良好な接着性を発揮することができる。
【0020】
熱可塑性ポリエステル樹脂の軟化温度を、回転粘度計により測定した溶融粘度(dPa・s/200℃)と、JIS K 2531により測定した融点(℃)とにより特定すれば、上記の80〜160℃の軟化温度範囲は、溶融粘度(dPa・s/200℃)が500〜7000の範囲内で、融点が105〜165℃の範囲内のものと特定される。
【0021】
本発明の難燃性接着フィルムにおいては、熱可塑性ポリエステル樹脂が、軟化温度の異なる2種以上の熱可塑性ポリエステル樹脂をブレンドしたものであることがより好ましい。その組合せとしては、▲1▼105〜125℃の軟化温度範囲内で良好な接着性を発揮するものと、125〜165℃の軟化温度範囲内で良好な接着性を発揮するものとの2種の組合せ、▲2▼105〜120℃の軟化温度範囲内で良好な接着性を発揮するものと、120〜135℃の軟化温度範囲内で良好な接着性を発揮するものと、135〜165℃の軟化温度範囲内で良好な接着性を発揮するものとの3種の組合せ、等を好ましく挙げることができる。熱可塑性ポリエステル樹脂の軟化温度の調整は、ジカルボン酸成分とジオール成分の組合せやそれらの配合割合等を変化させるなどして行うことができるので、軟化温度を調整した2種以上の熱可塑性ポリエステル樹脂を適宜任意の割合で組み合わせることができる。
【0022】
こうして組み合わされた熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する難燃性接着フィルムは、広い温度範囲で優れた接着性を有するので、例えばフラットケーブルを製造する際において、およそ100〜150℃の表面温度に制御された加熱ロールに若干の温度分布等が生じたとしても、全ての部位において良好な接着性を確保することができる。
【0023】
臭素化芳香族難燃剤は、後述の無機フィラーと協働して、熱可塑性ポリエステル樹脂接着層が優れた難燃性と接着性を発揮するよう作用する。臭素化芳香族難燃剤としては、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン等の臭素化芳香族系化合物を1種または2種以上配合させたものが用いられる。具体例としては、HBB(ヘキサブロモベンゼン、商品名、マナック社製)、PBT(ペンタブロモトルエン、商品名、マナック社製)等が挙げられる。さらに、これらの臭素化芳香族難燃剤は、ダイオキシン類の発生の危険性がないという利点がある。
【0024】
また、臭素化エポキシ樹脂を上述の臭素化芳香族難燃剤に任意の割合で配合して用いることができ、難燃性をより向上させることができる。臭素化エポキシ樹脂の具体例としては、EB−242(商品名、マナック社製)等が挙げられる。
【0025】
無機フィラーは、上述の臭素化芳香族難燃剤の難燃助剤としての役割を有し、その臭素化芳香族難燃剤と協働して、熱可塑性ポリエステル樹脂接着層が優れた難燃性と接着性を発揮するよう作用する。
【0026】
無機フィラーとしては、三酸化アンチモン、二酸化チタン、二酸化ケイ素および金属酸化物等を好ましく挙げることができる。これらの無機フィラーが熱可塑性ポリエステル樹脂に1種または2種以上配合される。なお、金属酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。市販されている無機フィラーの代表例としては、三井化学ファイン社製の三酸化アンチモン、古河鉱業社製の二酸化チタン(商品名:FR−41)、Degussa社製の二酸化ケイ素(商品名:OK412)、昭和電工社製の水酸化アルミニウム(商品名:H−32ST)、三井化学ファイン社製の水酸化マグネシウム(商品名:フォートライト/PC−500C)等を挙げることができるが、これらの特定の商品に限定されるものではない。
【0027】
なお、無機フィラーのうち、二酸化チタン等は隠蔽作用を有し、また、水酸化アルミニウムは吸熱作用を有するので、各種の作用を有する無機フィラーを複数種ブレンドすることができる。
【0028】
熱可塑性ポリエステル樹脂接着層14は、少なくとも、上述した熱可塑性ポリエステル樹脂、臭素化芳香族難燃剤および無機フィラーを含有する組成物で形成される。その配合組成は、熱可塑性ポリエステル樹脂20〜40重量部、臭素化芳香族難燃剤15〜30重量部、無機フィラー25〜50重量部であることが好ましい。この範囲で配合することにより、十分な難燃性と接着性を有する熱可塑性ポリエステル樹脂接着層を形成することができる。臭素化芳香族難燃剤や無機フィラーが上記範囲を超えると、接着性が低下することがあり、上記範囲よりも少ないと、十分な難燃性が得られないことがある。なお、熱可塑性ポリエステル樹脂接着層には、本発明の目的および効果を損なわない範囲内において、上述の主要成分の他、安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、着色剤、帯電防止剤、等の添加剤を配合しても構わない。
【0029】
熱可塑性ポリエステル樹脂接着層14は、塗工溶液をロールコート法やグラビアコート法等の塗工手段で塗布形成する方法、Tダイ押出しや共押出しによって形成する方法等で形成することができる。その厚さは、使用態様や接着対象物により適宜設定されるが、例えばフラットケーブルを製造するための接着フィルムの場合においては、25〜85μmであることが好ましい。
【0030】
以上説明した本発明の難燃性接着フィルム11には、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述の主要な構成の他、アルミ箔や銅箔等の電磁波遮蔽層を適宜形成することもできる。
【0031】
(フラットケーブル)
フラットケーブル21は、図2に例示するように、複数並列に並べられた導電体22、…、22を絶縁性の難燃性接着フィルム11、11により上下から挟み、加熱ロールでラミネート被覆して得られたテープ状の電線である。
【0032】
本発明のフラットケーブル21は、上述した本発明の難燃性接着フィルム11を用いたことに特徴があり、得られたフラットケーブルに良好な難燃性、耐熱性、可撓性、電気絶縁性、機械的強度等を付与することができる。
【0033】
導電体22は、はんだめっき導体、スズめっき導体、銅導体等、各種の材質からなるものを挙げることができ、その断面形状も、丸線、平角線(圧延線、スリッター線)等、各種のものを適用できる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例と比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「%」は重量%を意味する。
【0035】
(実施例1)
<プライマー層溶液の調整>
ポリエステル(PET)フィルムとの密着性に優れたバイロン240(有機溶剤可溶型の高分子ポリエステル樹脂、商品名、東洋紡績社製)をメチルエチルケトン(MEK)に濃度30%となるよう溶解し、プライマー層溶液とした。
【0036】
<難燃性接着層溶液の調整>
バイロン300およびバイロン550(結晶性を有する高分子ポリエステル樹脂、商品名、東洋紡績社製)をそれぞれMEKに濃度30%となるよう溶解し、バイロン300/MEK溶液6重量部に対し、バイロン550/MEK溶液1重量部を混合攪拌した。このブレンド溶液に、樹脂分を100重量部とした場合、臭素化芳香族難燃剤であるHBB(ヘキサブロモベンゼン、商品名、マナック社製)60重量部とEB−242(臭素化エポキシ樹脂、商品名、マナック社製)30重量部をそれぞれ加え、さらに、無機フィラーであるH−32ST(水酸化アルミニウム、商品名、昭和電工社製)90重量部とFR−41(二酸化チタン、商品名、古河鉱業社製)5重量部とOK412(二酸化ケイ素、商品名、Degussa社製)5重量部をそれぞれ加え、さらに濃度30%となるようMEKを添加し、撹拌機により混合撹拌して難燃性接着層溶液を調製した。
【0037】
なお、上述のバイロン300の軟化温度は約123℃(より詳しくは、溶融粘度(dPa・s/280℃)が520dPa・sのもの)であり、120〜135℃の温度範囲で軟化状態となりホットメルト接着剤としての作用を発揮する。一方、上述のバイロン550の軟化温度は約109℃(より詳しくは、溶融粘度(dPa・s/260℃)が1100のもの)であり、105〜120℃の温度範囲で軟化状態となりホットメルト接着剤としての作用を発揮する。この難燃性接着層溶液は、軟化温度の異なるこれらの2種類の熱可塑性ポリエステル樹脂を含有するので、広い範囲の温度領域で良好な接着特性を発揮できる。
【0038】
<難燃性接着フィルムの製造>
PETフィルム上への各塗工溶液の塗工・乾燥は、コンマコータロールを用い、50℃−110℃−150℃の乾燥炉で2.0m/minで行った。先ず、プライマー層溶液を、25μm厚のPETフィルム上に厚さが2μmとなるよう塗工・乾燥してプライマー層13を形成した。次に、難燃性接着層溶液を、そのプライマー層上に厚さが30μmとなるよう塗工・乾燥して接着層14を形成し、本発明の難燃性接着フィルム11を製造した。
【0039】
<フラットケーブルの製造>
得られた難燃性接着フィルム2枚の接着層14を対面させ、ピッチ幅1mmで平行に整列した0.1mm×0.7mmの錫めっき銅線22を19本挟み込んで、130℃±10℃の表面温度に制御された加熱ロールにて熱圧着し、フラットケーブル21を製造した。
【0040】
(比較例1)
<難燃性接着層溶液の調整>
バイロン300およびバイロン550をそれぞれMEKに濃度30%となるよう溶解し、バイロン300/MEK溶液6重量部に対し、バイロン550/MEK溶液1重量部を混合攪拌した。このブレンド溶液に、樹脂分を100重量部とした場合、臭素化脂肪族難燃剤であるSAYTEX HP−900(ヘキサブロモシクロドデカン、商品名、アルベマール浅野社製)90重量部とEB−242(臭素化エポキシ樹脂、商品名、マナック社製)40重量部をそれぞれ加え、無機フィラーであるFR−41(二酸化チタン、商品名、古河鉱業社製)5重量部とOK412(二酸化ケイ素、商品名、Degussa社製)5重量部をそれぞれ加え、さらに濃度30%となるようMEKを添加し、撹拌機により混合撹拌して難燃性接着層溶液を調製した。プライマー層溶液の調整、難燃性接着フィルムの製造、フラットケーブルの製造は前記実施例1と同様に行った。
【0041】
(特性評価)
実施例1および比較例1によって得られたフラットケーブルについて、下記に示す試験により特性評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0042】
<燃焼試験:UL94準拠>
垂直に設置したフラットケーブルにガスバーナーの炎を当てて着火した。ガスバーナーの炎を離してから10秒以内に消火したものを○、10秒を超えて燃焼し続けたものを×と判定した。
【0043】
<接着力試験>
難燃性接着フィルムを幅15mmに切断し、切断した難燃性接着フィルムの接着層面と銅箔を貼り合せ、熱圧着ロールにて、ロール温度140℃、圧力10N、スピード2.0m/minで熱圧着し、試験試料を作製した。試験は引張速度200mm/minで180°剥離試験を行ない、剥離荷重が1kg以上のものを○、1kg未満のものを×と判定した。
【0044】
<ブロッキング試験>
2枚の難燃性接着フィルムを接着層面が下になるように重ね合せ(接着層面−PET面を重ね合せた状態)、さらに重ね合せた試料を2枚のガラス板で挟み、70g/cm の荷重を印加して70℃−24時間熱処理した。熱処理後の試料を幅15mmに切断し、引張速度200mm/minで180°剥離試験を行ない、剥離荷重が50g以下のものを○、50gを超えたものを×と判定した。
【0045】
【表1】
Figure 2004130691
【0046】
表1から明らかなように、実施例1の難燃性接着フィルムおよびそれを用いたフラットケーブルは、比較例1の難燃性接着フィルムおよびそれを用いたフラットケーブルと比較して、難燃性、接着性、耐ブロッキング性に優れていることが分かる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の難燃性接着フィルムおよびそれを用いたフラットケーブルによれば、PBB、PBDEの代わりに臭素化芳香族難燃剤と無機フィラーを混合したものを使用することで、難燃性、可撓性に優れ、燃焼時にはダイオキシン類発生の危険性を極めて少くすることができた。また、軟化温度の異なる熱可塑性ポリエステル樹脂をブレンドすることで、広い温度範囲で優れた接着性を示す難燃性接着フィルムおよびそれを用いたフラットケーブルを得ることができた。
【0048】
本発明のフラットケーブルは内部配線材等の用途として適用可能であり、電子機器部品の小型化、軽量化に大きく貢献でき、産業に寄与するところ極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の難燃性接着フィルムの一例を示す断面図である。
【図2】本発明のフラットケーブルの一例を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
11 難燃性接着フィルム
12 ポリエステルフィルム
13 プライマー層
14 熱可塑性ポリエステル樹脂接着層
21 フラットケーブル
22 導電体

Claims (5)

  1. ポリエステルフィルム上に、プライマー層、および臭素化芳香族難燃剤と無機フィラーにより難燃化処理された熱可塑性ポリエステル樹脂接着層を有することを特徴とする難燃性接着フィルム。
  2. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、軟化温度の異なる2種または3種の熱可塑性ポリエステル樹脂のブレンドであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性接着フィルム。
  3. 前記無機フィラーが、三酸化アンチモン、二酸化チタン、二酸化ケイ素および金属水酸化物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の難燃性接着フィルム。
  4. 前記難燃化処理された熱可塑性ポリエステル樹脂接着層の組成が、熱可塑性ポリエステル樹脂20〜40重量部、臭素化芳香族難燃剤15〜30重量部、無機フィラー25〜50重量部であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の難燃性接着フィルム。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の難燃性接着フィルムを用いたフラットケーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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