JP2013022840A - 耐端面赤錆性に優れたクリアコート鋼板 - Google Patents

耐端面赤錆性に優れたクリアコート鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】亜鉛系またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面表面に1層以上のクリア皮膜を備えるCrフリー・クリアコート鋼板における端面赤錆発生を抑制し、好ましくはさらに銅食も防止する。
【解決手段】最外層のクリア皮膜が、(A)アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなる、ガラス転移温度が−10℃以上の樹脂、(B)平均粒径0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、ならびに(C)Zr化合物またはシランカップリング剤を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の全皮膜固形分に対する含有量(単位:質量%)であるA、BおよびCが以下の関係式を満たす:
B:1%以上、20%以下;C/A:0.05以上、0.35未満。
C/Aは成分(C)の成分(A)に対する質量比率。成分(C)のZr化合物の含有量はZrO2換算の量。
【選択図】なし

Description

本発明は、切断端面、打ち抜き端面から発生する赤錆の抑制に優れた亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板を基材とするクリアコート鋼板に関する。
近年、建築用、家電用材料としての表面処理鋼板の需要が拡大すると共に、そのニーズも多様化してきている。一般に屋内用途、特に家電向けには、電気亜鉛めっき鋼板を基材とした表面処理鋼板が主として用いられ、屋外用途には、溶融亜鉛めっき鋼板が主として用いられている。さらに屋外用途でも耐食性の厳しい環境(設置されている使用環境、使用部位)においては、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板や、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板の需要が拡大している。
現在実用化されている亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、Al含有量が約5%(以下、特に指定しない限り、%は質量%である)程度のものと、約55%程度のものとに大別される。その中でZn−55wt%Al合金めっき鋼板は、Alのもつ高耐食性とZnのもつ犠牲防食性により、溶融亜鉛めっき鋼板の3〜6倍という高耐食性を示す。このZn−55wt%Al合金めっき鋼板は、塗装鋼板の原板として広く用いられる一方で、めっき表面が銀白色で美麗なため、意匠性の点から、表面に防錆力のある厚さ数ミクロン程度の透明樹脂皮膜(クリア皮膜)を形成したクリアコート鋼板も広く用いられている。
また、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板は、Zn、Al、Zn2Mgの緻密な三元共晶組織をもつめっき皮膜により耐食性に優れ、主に建材用として用いられている。この亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板も、特許文献1や特許文献2に開示されるように、塗装鋼板の原板としての用途のほか、クリア皮膜を形成したクリアコート鋼板としても用いられている。
ところで、上記のようなクリアコート鋼板のクリア皮膜および/またはクリア皮膜の下地処理層は、従来は防錆成分として6価クロムを含有するのが普通であった。しかし、昨今の環境負荷低減への観点から、家電業界を中心に6価クロムを使用しないクリアコート鋼板の開発が求められている。
特許文献3には、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板を下地とし、水性樹脂と、チオカルボニル基含有化合物、バナジン酸塩およびリン酸塩のうち少なくとも1種とを含む塗膜、または水性樹脂とチオカルバニル基含有化合物と微粒粒子とを含む塗膜を形成し、次いで、到達板温を50〜250℃としてこの塗膜を乾燥および焼き付けることにより形成された防錆皮膜を備える、非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板が提案されている(請求項1)。防錆皮膜の厚さの好適範囲は、0.5〜3μmであり(段落0053)、防錆皮膜とめっき鋼板との間には周知の下地処理が施されていてもよい(段落0054)。
特許文献4には、有害な6価クロムを用いずに良好な耐食性が得られ、耐食性、外観、耐ブロッキング性、耐アルカリ性、皮膜密着性、耐水性、潤滑性、後塗装性にも優れた樹脂被覆表面処理鋼板が提案されている。これは、シリカ変性アクリル系エマルション樹脂もしくはこれとアクリル系エマルション樹脂との混合物からなる、酸価20以下、ガラス転移温度25〜55℃のエマルション樹脂、固体潤滑剤1〜30%、ならびに防錆剤として2,5−ジメルカプトチアジアゾール0.1〜10%を、場合により追加防錆剤のリン酸塩0.1〜10%および/またはバナジン酸塩0.1〜10%と共に含有する樹脂被覆組成物から皮膜を形成するものである。
特許文献5では、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっきの上に固形分として水性樹脂100質量部、シランカップリング剤0.1〜3000質量部を含有する皮膜層を下地処理層として有し、さらにその上にビスフェノール型骨格、エステル骨格及びカルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂とエポキシ樹脂の総和が全固形分に対して50〜85質量%、ポリオレフィンワックスを3〜30質量%、粒径3〜30nmのシリカを10〜40質量%含有する水性潤滑塗料を塗布・焼き付けて得られる膜厚0.2〜5μmの被膜を設けたことを特徴とする加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい非脱膜型潤滑めっき鋼板が提案されている。
特許文献6では、アクリル系エマルション樹脂、シリカ、ジルコニウム化合物を含むクリアコートより、ブロッキングを起こしにくく、かつ耐食性や加工性に優れた鋼板が提案されている。
特許第3567430号明細書 特許第3924261号明細書 特開2000−248380号公報 特開2003−251743号公報 特許第3547414号明細書 特許第4420305号明細書
クリアコート鋼板に対して、近年指摘され始めた問題点として、次の2つがある。
1)鋼板端面からの赤錆
クリアコート鋼板は、例えば、家電製品に組み込まれる場合、家電メーカや部品加工メーカ等でプレスや打ち抜き等の加工がなされ、製品に組み込まれる。製品の仕様によっては、鋼板の切断部や打ち抜き部の端面が剥き出しの状態になっていることがある。このような製品では、使用環境によっては(たとえばエアコン室外機底板用途では、設置後数カ月程度で)、剥き出しの鋼板端面から赤錆が発生することがある。
端面にのみ赤錆が発生しても、並行して亜鉛、アルミニウムの腐食生成物も鋼板端面に経時的に形成されるので、腐食のさらなる進行(赤錆の著しい拡大等)はほとんど生じない。しかし、一旦発生した赤錆、錆び汁により、外観上問題となる場合が多い。
端面の赤錆発生の推定機構としては、この端面に、結露水や雨水のような電気伝導度の低い水が端面に付着すると、本来機能すべきめっきの犠牲防食の進行が遅く、赤錆が発生してしまうことが考えられる。端面での赤錆発生は、主として屋外での用途で問題となるが、この機構によれば、屋内でも発生しうる現象と考えられる。
従来の6価クロム使用材においては、皮膜中/下地処理に含まれる6価クロムが水に溶出しやすいため、端面に付着した水に溶出した6価クロムが鋼板端面の腐食のインヒビターとして機能することに加え、6価クロムの溶出により水の電気伝導度が上昇し、めっきの犠牲防食が促進されるため、赤錆発生が生じにくかったと考えられる。
2)銅食
前述のエアコン室外機底板用途の場合、底板に近接して冷却用配管としての銅管が配置されていることが多い。この銅配管の付近の底板が非常に早いスピードで腐食が進行する現象(以下、この現象を「銅食」という)が指摘されることがある。
銅食の詳細な発生メカニズムについては不明であるが、以下の2つのメカニズムが推定される。
a)鋼板と銅配管とのカップリングによる腐食
銅配管近傍の表面処理鋼板については、銅配管が結露することで、銅配管に水滴が発生し、銅配管と近傍の表面処理鋼板が(水滴による)水膜により接する環境下で、銅と鋼板とのカップリング作用により、腐食が発生する。
b)銅配管結露水中の銅成分の付着による腐食
銅配管の結露水に銅成分が溶出または剥離・脱落し、そのような銅成分を含んだ水滴が鋼板上に付着し、上記と同様のメカニズムで腐食が促進する。
本発明は、前述の端面赤錆に対して良好な耐食性を有し、好ましくは銅食に対しても良好な耐食性を有するクリアコート鋼板を提供することを課題とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果完成された本発明は次のとおりである。
(1)亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に1層以上のクリア皮膜を備えるクロムフリークリアコート鋼板であって、前記1層以上のクリア皮膜のうち最外層のクリア皮膜は、
(A)アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなり、ガラス転移温度が−10℃以上である樹脂、
(B)平均粒径0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、ならびに
(C)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤
を含有し、それぞれ成分(A)、(B)及び(C)の全皮膜固形分に対する含有量(単位:質量%)であるA、BおよびCが以下の関係式を満足することを特徴とする、クリアコート鋼板。
B :1質量%以上、20質量%以下、
C/A:0.05以上、0.35未満、
ここで、C/Aは成分(C)の合計質量の成分(A)の樹脂の固形分質量に対する比率であるが、成分(C)のジルコニウム化合物の含有量はZrO2換算での量である。
(2)前記最外層のクリア皮膜は、
(D)平均粒径0.1μm未満のシリカ
(E)固体潤滑剤、および
(F)バナジウム化合物
からなる群から選ばれる1種または2種以上をさらに含有し、それぞれ成分(D)、(E)及び(F)の全皮膜固形分に対する含有量(単位:質量%)であるD、EおよびFが以下の関係式を満足することを特徴とする、上記(1)記載のクロムフリークリアコート鋼板。
D/(A+B+C):0.08以上、0.25以下、
E/(A+B+C):0.03以上、0.22以下、
F/(A+B+C):0.005以上、0.1以下、
ここで、(A+B+C)は前記成分(A)から(C)の固形分含有量の総和であり、Fは成分(F)のバナジウム化合物のV25換算での含有量である。
(3)前記1層以上のクリア皮膜が2層以上のクリア皮膜からなり、前記最外層のクリア皮膜以外のクリア皮膜の少なくとも1層は、
(G)アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなり、ガラス転移温度が−10℃以上である樹脂
を含有し、平均粒径0.1μm以上の粒子からなる成分を含有しないことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のクロムフリークリアコート鋼板。
(4)亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、2層以上のクリア皮膜を備えるクロムフリークリアコート鋼板であって、前記2層以上のクリア皮膜のうち、最外層をなすクリア皮膜以外のクリア皮膜の少なくとも1層は、
(G)アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなり、ガラス転移温度が−10℃以上である樹脂
を含有し、平均粒径0.1μm以上の粒子からなる成分を含有しないことを特徴とするクロムフリークリアコート鋼板。
本発明のクリアコート鋼板は、端面赤錆または銅食の少なくとも一方、好ましくは両方に対して良好な耐食性を有するので、屋外で使用されるエアコン室外機に代表される家電製品や屋根壁等の建材用途に好適である。
実施例において実施したスイングパネル試験の試験原理を示す概念図である。
以下、本発明を好適態様についてより詳しく説明する。以下の説明において、%は特に指定しない限り質量%を意味する。
1.基板
本発明のクリアコート鋼板は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板を基板としてその少なくとも片面のめっき面にクリア皮膜(透明皮膜)を備える。
めっき種の種類は、実際に使用する環境に必要な耐食性、或いは意匠面を考慮してめっき外観により決定すればよい。特に、屋外の家電製品用途や建材用としては、溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板、溶融アルミニウムめっき鋼板が好適である。ただし、亜鉛系めっき鋼板は電気めっき鋼板であってもよい。
亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板のめっき付着量も特に限定されず、一般的な範囲内でよい。前述の溶融めっきの場合には20〜100g/m2とすることがより好ましい。めっき付着量が少なすぎると耐食性が低下し、多すぎると加工性が劣化する。
鋼板の厚さは、用途によって決定されるものではあるが、あまり厚い場合は端面の赤錆が発生しやすいと考えられる。塗装鋼板として通常用いられる2.0mm以下程度の厚みであれば問題はない。
2.下地処理
基板表面に油分や汚れが付着していたり、基板の製造から長時間経過していたりする場合等は、市販の水系または溶剤系の洗浄剤でめっき基板の表面を洗浄する等の洗浄処理を行った方がよい。しかし、たとえば、鋼板の連続溶融めっきラインでめっき(必要に応じて、その後の調質圧延)に引き続いて、製造された溶融めっき鋼板にインラインでクリア皮膜が形成される場合等は、この洗浄は省略できる。
一方、リン酸亜鉛処理やシランカップリング処理といった塗装鋼板の下地処理として行われている処理は、本発明では不要である。
3.クリア皮膜
本発明に係るクロムフリークリアコート鋼板は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも一方のめっき面に1層以上のクリア皮膜を備える。クリア皮膜はめっき鋼板の両面に設けることが実用上は一般的であるが、片面のみに設ける場合(反対面には、例えば意匠性目的で有色塗料による塗装を施す形態が例示される)も本発明に包含される。
以下では、本発明の好適態様である、めっき面上に2層のクリア皮膜を備える(具体的には、めっき鋼板の上に「下層のクリア皮膜」および「上層のクリア皮膜」をこの順に備える)場合を中心に説明し、それ以外の場合については適宜補足する。
(1)上層のクリア皮膜
本発明に係る上層のクリア皮膜は、以下の成分(A)、(B)および(C)を含有する:
(A)アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなり、ガラス転移温度が−10℃以上である樹脂、
(B)平均粒径0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、ならびに
(C)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤
本発明に係る上層のクリア皮膜は、さらに任意成分として(D)コロイダルシリカ、(E)固体潤滑剤、(F)バナジウム化合物から選ばれた成分を1種類以上含有しうる。
i)成分(A):アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなる樹脂
成分(A)の樹脂は、クリア皮膜のベース成分となる。樹脂の種類はクリアコート鋼板の用途によって選定される。一般に、金型との接触(しごき等)を伴う絞り等の成形を伴う用途(中でも、基板が亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板や、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板のような、めっき皮膜が硬い場合)や、屋外で耐候性が要求される皮膜としては、アクリル樹脂系やアクリル樹脂にポリエステルおよび/もしくはウレタン樹脂をブレンドした系(即ち、混合体)が好ましい。逆に比較的めっきが軟らかい場合や、曲げ加工等皮膜の伸びが求められる用途に使用される場合では、ウレタン樹脂や、ウレタン樹脂にポリエステルおよび/もしくはアクリル樹脂をブレンドした系(混合体)が好ましい。
これら樹脂のガラス転移点温度(Tg)としては、諸性能の観点から−10℃以上とし、好ましくは0℃以上、より好ましくは20℃以上であり、上限は好ましくは100℃以下、より好ましくは60℃以下である。成分(A)が2種以上の樹脂の混合体である場合のTgは、各樹脂のTgのそれらの量的割合を加味した加重平均値とする。
Tgが−10℃未満だと、加工性に優れる代わりに、樹脂自体の水蒸気透過性、酸素透過性が高くなる。このため耐食性に劣り、かつ、実機ラインで塗装しコイル化した際に、塗膜同士が癒着するブロッキング現象が発生しやすくなるとともに、摺動性が低下する。逆にTgが100℃を超える場合には形成された皮膜が固くなり、加工時に皮膜が割れやすく、かつ加工後の皮膜密着性が低下する傾向がある。
ii)成分(B):多孔質シリカ
平均粒径0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ(本発明において、この特徴を有するシリカを「多孔質シリカ」という。)を皮膜中に含むことで、低電気伝導度の水が端面に付着した際に発生する赤錆を抑制することが可能である。
この多孔質シリカが赤錆を抑制する現象について、詳細なメカニズムは不明であるが、以下のメカニズムによって端面からの赤錆発生を抑制していると推定される。
まず、端面付近に低電気伝導度の水が付着した際に、皮膜中のシリカが一部溶出し、めっき、鋼板端面に難溶性化合物として沈着することで、赤錆を抑制していると推定される。この赤錆抑制現象のメカニズムは明確化されていないが、粒径0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカにてこの現象が顕著に確認される。なお、本発明においてシリカなどの粒子の形状を示す「平均粒径」とは、光散乱回折法により求めることができる粒度分布における累積50%径として求められる平均粒径を意味する。具体的な測定装置としては、(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布計(LA−910)が例示される。なお、以下では、「平均粒径」を単に「粒径」と記すこともある。また、本発明における「粒径」は、いわゆる「一次粒子径」、つまり、粒子が凝集している場合でも、個々の粒子の粒子径を意味する。
上層のクリア皮膜における多孔質シリカの含有量は、全皮膜固形分(=乾燥皮膜)に対して、1%以上20%以下である。多孔質シリカの含有量が少なすぎると十分な赤錆抑制効果が得られない。この観点からより好ましい多孔質シリカの含有量は5%以上である。一方、多孔質シリカの含有量が多すぎると、皮膜の加工性およびクリア皮膜としての透明性が損なわれる。この観点からより好ましい多孔質シリカの含有量は10%以下である。
この多孔質シリカを構成するシリカの具体的な種類は限定されない。塗装鋼板等のクロムフリー防錆顔料として一般的に使用されているカルシウムイオン交換シリカについても、上記粒径、吸油量を満足していれば用いることができる。
上記範囲内の量でシリカを添加することで、若干の表面凹凸が付与され、鋼板同士を重ね合わせた際の接触面積が低下し、耐ブロッキング性が向上するというさらなる効果が得られる。
iii)成分(C):ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤
成分(C)は、主として成分(A)をなす樹脂末端の官能基(カルボキシル基)に作用して、ディスパーション(分散質)同士を架橋するための架橋剤として機能するものと考えられる。
ジルコニウム化合物の具体例としては、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム等があげられる。また、シランカップリング剤は公知のものを適用でき、具体例として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランタイプのサイラエース(登録商標)S510(チッソ(株))等の市販品が挙げられる。
成分(C)の合計含有量は、成分(C)の合計質量の成分(A)の樹脂の固形分質量に対する比率(以下、「C/A」と記す。)として、0.05以上、0.35未満を満たす範囲とする。ここで、ジルコニウム化合物の含有量はZrO2換算での量とする。C/Aが少なすぎると、成分(A)をなす樹脂ディスパーション同士の架橋が不十分となり、良好な耐食性を有するクリア皮膜が得られない上、摺動性が低下する。この観点からより好ましいC/Aは0.1以上である。逆に成分(C)の合計含有量が多すぎると、皮膜の加工性が低下する。この観点からより好ましいC/Aは0.25以下である。本発明に係る上層のクリア皮膜を形成するための処理液の安定性を確保する観点からも、C/Aは0.25以下とすることが好ましい。
なお、成分(A)でTgの低すぎる樹脂を用いた場合や成分(C)の含有量が少なすぎる場合に摺動性が低下するのは、これらによって前述したように樹脂ディスパージョン同士の架橋が不十分となることで、皮膜の厚さに対して比較的大きな粒子である成分(B)のシリカ粒子が、プレス加工等の際に皮膜からで脱落し、皮膜カジリが発生しやすくなるためと考えられる。
iv)成分(D):微粒シリカ
成分(D)を構成する「微粒シリカ」とは成分(B)を構成する多孔質シリカとは異なり、平均粒径が0.1μm未満のシリカをいう。本発明に係る上層のクリア皮膜は、成分(D)を含有していてもよい。成分(B)の多孔質シリカとは別に上層のクリア皮膜中に成分(D)が含有されると、クリアコート鋼板の耐ブロッキング性が改善されるのみならず、耐食性が向上する場合もある。成分(D)を構成する微粒シリカとしては、例えば、コロイダルシリカ(湿式シリカ)や気相シリカ(乾式シリカ)を使用することができる。これらの粒子の平均粒径(平均一次粒子径)は通常数〜数十nm程度である。
本発明に係る上層のクリア皮膜が成分(D)に係る微粒シリカを含有する場合には、前述の効果を発揮させる上で、成分(A)〜(C)の固形分の合計含有量(以下、「基本成分含有量」という。)に対する成分(D)の含有量の比率、すなわちD/(A+B+C)を0.08以上とすることが好ましい。ただし、成分(D)の含有量が多すぎると塗布液安定性が低下するので、この比率は0.25以下とするのが好ましい。
v)成分(E):固体潤滑剤
クリアコート鋼板の用途によっては、上層のクリア皮膜が固体潤滑剤からなる成分(E)をさらに含有することが好ましい。固体潤滑剤としては、ワックス、フッ素樹脂粒子、金属石鹸等があげられるが、代表的なものはポリオレフィンワックス、パラフィンワックスをはじめとするワックスである。ワックスの含有量や粒径は、用途、特に採用される成形条件に応じて、適切に選択されることが好ましい。たとえば次の通りである。
家電等の分野で行われるように、潤滑油塗布を省略してプレス成形する用途にクリアコート鋼板を適用する場合には、十分な潤滑性を確保するために、ワックスの含有量として、基本成分含有量に対するワックス(成分(E))の含有量の比率、すなわち、E/(A+B+C)が0.03以上、0.22以下の範囲であるのが好ましい。この質量比はより好ましくは0.08以上、0.22以下である。成分(E)に係るワックスの粒径は、上層のクリア皮膜厚みに対して1/4程度以上の大きめのものを用いる方が、プレス金型との摺動による型カジリが小さくなるので好ましい。ワックスの粒径の上限は、上層のクリア皮膜にワックスが安定的に保持されるように、上層のクリア皮膜の厚みに対して2倍未満であることが好ましい。
また、プレス成型以外に、ロール成形を主として行う場合は、E/(A+B+C)が0.03以上、0.08以下の範囲となる比較的少なめの量で、上層のクリア皮膜を形成するための塗布液にワックスを含有させるのが好ましい。これによって、形成された上層のクリア皮膜が適度な潤滑性を持ち、たとえば、上層のクリア皮膜とその下のめっき層がロールに擦りとられて黒い筋状の外観を呈することが防止できる。この場合のワックスの粒径は、上記のプレス成型に適した粒径の範囲より小さくてもよい。
ワックスなどの固体潤滑剤は、その含有量が多すぎると、この成分を含有するクリア皮膜を形成するための塗布液の安定性が低下し、また、クリア皮膜の耐候性が求められる場合に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、成分(E)の含有量は、各々用いる樹脂系あるいは膜厚において十分な摺動性が得られる範囲で少なめとすることが好ましい。
vi)成分(F):バナジウム化合物
上層クリア皮膜は成分(F)としてバナジウム化合物を含有するのが好ましい。成分(F)として好適なバナジウム化合物を例示すると、バナジン酸アンモニウムが挙げられる。バナジウム化合物を含有することによってクリアコート鋼板の加工後の耐食性が向上する。この効果を得るには、成分(F)の含有量が、バナジウム化合物のV25換算での含有量の基本成分含有量に対する比、すなわちF/(A+B+C)が0.005以上となる量とすることが好ましい。
バナジウム化合物はクロム酸に比べると水への溶解度が小さいので、成分(F)の含有量が多すぎると、上層のクリア皮膜を形成するための塗布液の安定性が低下する。そのため、成分(F)の含有量は、F/(A+B+C)が0.10以下、好ましくは0.06以下となる量にする。
vii)その他の成分
上層のクリア皮膜は、クリアコート鋼板の耐食性をさらに向上させる目的で、さらに公知の防錆添加剤を含有してもよい。そのような防錆添加剤の例としては、リン酸(ポリリン酸を含み、またそれらの塩を含む)、メルカプト基を有する含窒素複素環化合物(例えば、メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプトチアジアゾール)等が挙げられる。防錆添加剤の含有量は特に限定されない。上述の成分(A)から(F)の機能を阻害しない範囲で適宜含有させればよい。
このほか、クリア皮膜の透明外観を失わない程度に、たとえば着色顔料、染料などを含有していてもよい。
viii)処理液の調製
本発明に係る上層のクリア皮膜を形成するための処理液(以下、「上層用処理液」という。)の調製方法は特に限定されない。各成分を上記の範囲で含有し、適当な溶媒・分散媒に溶解・分散させることにより、上層用処理液を得ることができる。成分(A)がアクリル系樹脂を含む場合を例として、やや詳しく説明すれば、成分(A)としてアクリル系エマルション樹脂を用い、この樹脂をエマルション状態として、残りの成分(具体的には成分(B)および(C)ならびに必要に応じ配合される成分(D)〜(F)およびその他の成分)を必要に応じて溶媒の水と共に添加し、これらを混合し、適宜手段で粉末成分を分散させることにより調製することができる。溶媒(分散媒)は通常は水だけであるが、少量の水混和性有機溶媒(アルコール、ケトンなど)を併用することもできる。処理液中の成分の合計固形分濃度は、塗布工程および乾燥工程の双方の作業性を考慮すると、10〜35%程度が適当である。
また、上層用処理液中には、界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤の含有は、ピンホール等の微小な皮膜欠陥の発生を防止するのに有効であることがある。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤を上層用処理液中に含有させる場合には、その量はエマルション樹脂などの成分(A)の固形分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲が好ましい。
必要であれば、上層用処理液はクリア皮膜の形成を促進させるための造膜助剤を含有してもよい。後述するように、連続めっきライン内の後処理工程における鋼板の樹脂被覆では、乾燥/焼付け温度が最終到達板温(PMT)で70〜120℃という比較的低温に制限されることが多い。その場合、造膜助剤を含有するほうが、本発明のクリアコート鋼板の性能発現に有効であると考えられる。造膜助剤としては、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等の親水性エーテル類、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル等の二塩基酸エステル類などが使用可能である。その配合量は、エマルション樹脂などの成分(A)の固形分100質量部に対して1〜50質量部の範囲が好ましい。
(2)下層のクリア皮膜
端面赤錆の抑制の観点のみからは、上述の上層のクリア皮膜がクリアコート鋼板の最外層に形成されていればよく、たとえば、上層のクリア皮膜1層が直接(または必要に応じ下地処理を介して)めっき表面に形成されていてもよい。しかし、平面部の耐食性等の他の性能が高度に要求される場合等には、めっき皮膜と上層のクリア皮膜との間に1層以上のクリア皮膜が形成されていてもよい。特に、銅食に対する耐食性が要求される場合には、次に説明する下層のクリア皮膜を、上層のクリア皮膜とめっき皮膜との間に備えることが好ましい。
下層のクリア皮膜は、ベース樹脂として、アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなる成分(G)を含有する。下層クリア皮膜における成分(G)は、上層クリア皮膜におけるベース樹脂の成分(A)と同様でよく、そのガラス転移温度(Tg)についても成分(A)と同様でよい。
一方、下層のクリア皮膜には、平均粒径0.1μm以上の粒子からなる成分(例えば上層のクリア皮膜における成分(B)が例示される。)を含有させない。下層のクリア皮膜がかかる特徴を有することにより、銅食に対する耐食性が良好となる。
銅食は、前述したように、結露水を介したカップリングあるいは銅成分の付着に起因すると推定されるので、下層のクリア皮膜がバリアとなってめっき表面への水の到達を妨げれば、銅食に対する耐食性が向上すると期待される。クリア皮膜が顔料等の粒子を含むと、その粒子表面近傍は通水経路となり得る。特に粒子が大きいと、皮膜を上下に貫通する通水経路が形成されやすいと考えられる。そこで、下層のクリア皮膜は平均粒径が0.1μm以上の粒子からなる成分を含有しないようにすることにより、本発明に係るクリア皮膜全体を上下に貫通する水の径路が格段に減少し、銅食が効果的に抑制される。
下層のクリア皮膜には、(G)以外の成分として、上層のクリア皮膜が必須として含有する成分(C)、その好適な一態様として含有する成分(D)および(F)の1種類以上を含有してもよい。その際の成分(C)の含有量の範囲ならびに成分(D)および(F)の含有量範囲の上限については、上層のクリア皮膜の場合と同様とすればよい。しかし、成分(D)および(F)については、含有量が多いと前述したようなクリア皮膜中の通水経路が形成されやすくなるので、銅食抑制の観点からはそれらの含有量は少ない方がよい。したがって、成分(D)および(F)の含有量範囲の下限は、(D)がD/(A+B+C)で0.05以下、(F)はF/(A+B+C)で0.01以下とすることがそれぞれ好ましい。なお、下層のクリア皮膜に成分(E)(固体潤滑剤)を含有させると、上層用処理液の塗膜をその上に形成することが困難となる場合があるため、成分(E)を下層のクリア皮膜に含有させないことが一般的である。
本発明に係る下層のクリア皮膜を形成するための処理液の調製については、上層用処理液の場合と同様であるから説明を省略する。
なお、本発明に係る下層のクリア皮膜は上記のように銅食に対する耐食性に優れることから、その耐食性向上のみを目的として、鋼板上に形成されるクリア皮膜がこの本発明に係る下層のクリア皮膜のみからなるものとしてもよい。ただし、この場合には、クリア皮膜の形成過程において不可避的に発生してしまう微細な塗膜欠陥の影響を最小限とするために、クリア皮膜の厚みをかなり大きくする(付着量として4.0g/m2程度)ことが現実には必要とされる。また、優れた加工性の確保等の観点から固体潤滑剤からなる成分(E)を含有させることを検討する場合には、固体潤滑剤として最も一般的なワックスでは粒径が0.1μm未満とするという要件を安定的に満たすことが容易でない。このため、本発明に係る下層のクリア皮膜のみからなるクリア皮膜を備えるクリアコート鋼板は、銅食に対する耐食性および加工性(または耐ブロッキング性)を高度に達成することが容易でない。
そこで、本発明に係る下層のクリア皮膜の上に、さらに別のクリア皮膜を1層以上備えているのがよい。2層以上のクリア皮膜を形成することで、皮膜を貫通する通水経路が分断され、本発明に係る下層のクリア皮膜の付着量がかなり小さくても(例えば付着量として0.3g/m2程度)銅食に対する耐食性が改善される。本発明に係る下層のクリア皮膜上に形成されるクリア皮膜として、成分(A)から(C)を必須成分として前述される適正な量で含有する前述の上層のクリア皮膜を採用すれば、端面の赤錆発生抑制効果と銅食に対する耐食性が同時に得られ、さらに好適である。この場合には、上層のクリア皮膜の特性に基づき耐端面赤錆性が向上する上に、下層のクリア皮膜が上記の特性を備えることによって、上層クリア皮膜を貫通した水分等が下層のクリア皮膜を貫通してめっき表面に到達することが抑制されているため、耐銅食性にも優れるクリアコート鋼板となる。
(3)皮膜付着量
本発明のクリアコート鋼板の付着量は、クリア皮膜の全体の付着量として8g/m2以下(膜厚に換算するとおおむね8μm以下)とすることが好ましい。
従来技術に係るクリアコート鋼板のクリア皮膜は、前述したようにせいぜい数μm程度である。したがって、クリア皮膜を厚くすると原価が増加しコスト競争力が不利になる。また、クリア皮膜が厚くなりすぎると皮膜の透明性が損なわれ、めっき表面外観を生かした意匠に影響する可能性がある。
好ましい一態様として、前述の上層のクリア皮膜と下層のクリア皮膜とをともに備える2層以上の塗膜構成とする場合には、上層のクリア皮膜の付着量を0.5g/m2以上、7g/m2以下とすることが好ましく、1.5g/m2以上、4g/m2以下とすることがさらい好ましい。このとき、下層のクリア皮膜を0.3g/m2以上、1.5g/m2以下とすることが好ましい。
クリア皮膜が単層である場合(なお、この場合には成分(A)から(C)を必須成分として前述される適正な量で含有することが必要とされる。)には、付着量を1.5g/m2以上とすることが好ましく、5.0g/m2以上とすれば、クリア皮膜が単層であっても十分な耐銅食性をクリアコート鋼板にもたらすことができるため、さらに好ましい。
(4)皮膜形成方法
本発明のクリアコート鋼板は、基板となるめっき鋼板の表面に、前述したクリア塗膜を形成するための処理液を、通常の手段で塗布(連続塗装ラインの場合には、ロールコータでの塗布やまたは塗布液をスプレー後にリンガーロールで絞ることによる塗布)して、乾燥(焼き付け)してクリア皮膜を形成することにより製造できる。2層以上のクリア皮膜を有するクリアコート鋼板を製造する場合は、通常の方法通り、1層ずつ塗布、乾燥(焼き付け)をしてクリア皮膜を形成すればよい。
1.処理液の調製
下記に示す樹脂、架橋剤、コロイダルシリカ、多孔質シリカ、ワックス、バナジウム化合物を表1記載の比率(表1中、部は質量部を意味する)でブレンドし、下層および上層のクリア皮膜形成用の処理液(以下、それぞれ「下層用処理液」、「上層用処理液」という。)を作製した。
成分(A)および(G)の詳細は次のとおりである:
・アクリル樹脂:A620K5(日本合成化学工業)、Tg:30℃;
・ウレタン樹脂1:水系ウレタン樹脂スーパーフレックス(登録商標)420(第一工業製薬(株))、Tg:−10℃;
・ウレタン樹脂2:水系ウレタン樹脂スーパーフレックス(登録商標)470(第一工業製薬(株))、Tg:−31℃
・ポリエステル樹脂:水分散型ポリエステル樹脂バイロナール(登録商標)MD−1480(東洋紡績(株))、Tg:20℃。
成分(B)の詳細は次のとおりである:
・多孔質シリカ:カルシウムイオン交換多孔質シリカ、サイロマスク(登録商標)02番(富士シリシア化学(株))、平均粒径0.2〜0.3μm。
成分(C)の詳細は次のとおりである:
・炭酸ジルコニウムアンモニウム(一般試薬);
・シランカップリング剤:サイラエース(登録商標)S510(チッソ(株))。
成分(D)の詳細は次のとおりである:
・コロイダルシリカ:スノーテックス(登録商標)N(日産化学工業(株))、平均粒径10〜20nm。
成分(E)の詳細は次のとおりである:
・ポリプロピレンワックス(軟化点142℃、平均粒径1.5μm)。
成分(F)の詳細は次のとおりである:
・バナジン酸アンモニウム(一般試薬)
Figure 2013022840
成分(A)および(G)の含有量はその合計固形分で示した。成分(C)のジルコニウム化合物の量はZrO2換算での量(Zrの含有量を分析し、全てのZrがZrO2として存在するとして換算)で示した。同様に、成分(F)のバナジウム化合物の量もV25換算での量である。成分(C)のジルコニウム化合物として用いた炭酸ジルコニウムアンモニウムは、水に溶かして水溶液として処理液に添加した。成分(B)の多孔質シリカはビーズミルにて水に分散させた水分散液として処理液に添加した。
下層用処理液および上層用処理液の調合は、各成分を含む水分散液をマグネットスターラーにより攪拌することにより行った。
2.クリアコート鋼板の作製
0.6mm厚の溶融55%Al−Znめっき鋼板(めっき付着量:片面あたり75g/m2)を150mm×300mmの大きさに切り出し、アルカリ脱脂液(日本パーカライジング社製FCL4480)でスプレー脱脂し、その後水洗、乾燥したものを基板として用いた。
この基板の両面に、次の要領でクリア皮膜を形成した。
下層のクリア皮膜は、基板に下層用処理液をバーコート法により塗布したのち、炉温250℃の熱風オーブンで7秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約80℃であった。
上層のクリア皮膜は、下層のクリア皮膜形成後(下層のクリア皮膜を設けないものは基板に直接)、上層用処理液をバーコート法により塗布したのち、炉温250℃の熱風オーブンで11秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約100℃であった。各層のクリア皮膜の厚さは、塗布前後の重量変化から換算したもので、表2の通りであった。
3.性能評価
こうして作成されたクリアコート鋼板について、焼付け後に室温まで放冷してから、以下の方法で性能を評価した。その結果を表2に併記する。
(1)耐端面赤錆性
イオン交換水に下記の試験片を浸漬し、浸漬開始240時間後における鋼板端面・液の赤錆発生状態で評価した。
試験片:40mm×10mm×10枚(端面は裁断機による切断端面。トータル端面長さ1m)、
試験溶液:イオン交換水(20ml)、
試験温度:40℃。
評価基準は次のとおりであり、「◎」、「○」および「△」と判定された場合を合格とし、「×」と判定された場合を不合格とした:
◎:赤錆なし、
○:軽微な赤錆あるが、液の濁りはほとんどなし、
△:液に軽微な濁りあり、
×:液に濁りあり。
(2)摺動性
特開2003−136151号公報に記載のピンオンディスク試験法(ディスク上に載置した被試験材をディスクと共に回転させながら、当該被試験材の表面にピン状の金属体を押し付けて一方向に摺動させる試験法)に従って、防錆油を塗布したクリアコート鋼板の摩擦係数を以下の条件で測定し、摩擦係数が0.2を超えるまでの周回数で評価した。
試験条件
押し付け荷重:3kgf
試験具先端形状:球
試験具先端形状曲率:2.5mmR
試験具先端材質:SKD鋼
摺動速度:6300mm/min(100rpm)
摩擦係数:0.1秒毎に6回計測した摩擦係数の平均値6個のうちの最大値
評価基準は次のとおりであり、「○」および「△」と判定された場合を合格、「×」と判定された場合を不合格とした。
○:300周以上、
△:100周以上、299周以下、
×:99周以下。
(3)銅食に対する耐食性
図1に示すようなスイングパネル試験を実施し、96時間後における赤錆面積率で評価した。評価の詳細は次のとおりである:
試験溶液:5%食塩水、
試験温度:40℃、
スイング間隔:2時間毎、
銅:リード線にて接続。
評価基準は次のとおりであり、「◎」、「○」および「△」と判定された場合を合格とし、「×」と判定された場合を不合格とした:
◎:赤錆なし、
○:軽微な赤錆、
△:赤錆20%超50%以下、
×:50%超。
Figure 2013022840
表2からわかるように、本発明に従って、上層のクリア皮膜が平均粒径0.1μm以上の多孔質シリカ成分(B)を含有する発明例では、耐端面赤錆性が合格であったのに対し、上層クリア皮膜がこの成分(B)を含有しない比較例では耐端面赤錆性が不芳となった。さらに、樹脂成分(A)のTgが−10℃未満の例や、架橋成分(C)と樹脂成分(A)との関係でC/Aが0.1未満の例では摺動性が不芳となった。また、この多孔質シリカ成分(B)を含有しない下層クリア皮膜を設けることにより、耐銅食性も良好となった。
1.処理液の調製
下記に示す樹脂、架橋剤、コロイダルシリカ、多孔質シリカ、ワックスを表3記載の比率(表中、部は質量部の意味)でブレンドし、下層および上層クリア皮膜形成用の処理液(以下、それぞれ「下層用処理液」、「上層用処理液」という。)を作製した。なお、多孔質シリカをブレンドする際は、処理液100mlに対して、ガラスビーズを20g添加した状態で、ハイブリッドミキサーで攪拌し、均一分散させた。
成分(A)および(G)の詳細は次のとおりである:
・アクリル樹脂…LA620K5(日本合成化学工業)、Tg:30℃。
成分(B)の詳細は次のとおりである:
・多孔質シリカ:カルシウムイオン交換多孔質シリカ、サイロマスク(登録商標)02番(富士シリシア化学(株))、平均粒径0.2〜0.3μm。
成分(C)の詳細は次のとおりである。
・炭酸ジルコニウムアンモニウム(一般試薬)。
成分(D)の詳細は次のとおりである。
・コロイダルシリカ:スノーテックス(登録商標)N(日産化学工業(株))、平均粒径10〜20nm。
成分(E)の詳細は次のとおりである。
・ポリプロピレンワックス(軟化点142℃、平均粒径1.5μm)。
Figure 2013022840
成分(A)および(G)の含有量はその合計固形分で示した。成分(C)のジルコニウム化合物の量はZrO2換算での量(Zrの含有量を分析し、全てのZrがZrO2として存在するとして換算)で示した。同様に、成分(F)のバナジウム化合物の量もV25換算での量である。成分(C)のジルコニウム化合物として用いた炭酸ジルコニウムアンモニウムは、水に溶かして水溶液として処理液に添加した。成分(B)の多孔質シリカはビーズミルにて分散させた水分散液として処理液に添加した。
下層用処理液および上層用処理液の調合は、各成分を含む水分散液をマグネットスターラーにより攪拌することにより行った。
2.クリアコート鋼板の作製
0.6mm厚の溶融55%Al−Znめっき鋼板(めっき付着量:片面あたり75g/m2)を150mm×300mmの大きさに切り出し、アルカリ脱脂液(日本パーカライジング社製FCL4480)でスプレー脱脂し、その後水洗、乾燥したものを基板として用いた。
この基板の両面に、次の要領でクリア皮膜を形成した。
下層のクリア皮膜は、基板に下層用処理液をバーコート法により塗布したのち、炉温250℃の熱風オーブンで7秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約80℃であった。
上層のクリア皮膜は、下層のクリア皮膜形成後(下層のクリア皮膜を設けないものは基板に直接)、上層用処理液をバーコート法により塗布したのち、炉温250℃の熱風オーブンで11秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約100℃であった。形成されたクリア皮膜の厚さは、実施例1に記載のように測定して表4のとおりであった。
3.性能評価
こうして作成されたクリアコート鋼板について、耐ブロッキング性については焼付けのあと速やかに、その他の性能については、焼付け後に室温まで放冷してから、以下の方法で性能を評価した。その結果を表4に併記する。
(1)耐端面赤錆性
実施例1に記載と同様の方法及び評価基準で評価した。「◎」、「○」および「△」と判定された場合を合格とし、「×」と判定された場合を不合格とした。
(2)摺動性
実施例1に記載と同様の方法及び評価基準で評価した。「○」および「△」と判定された場合を合格とし、「×」と判定された場合を不合格とした。
(3)銅食に対する耐食性
実施例1に記載と同様の方法及び評価基準で評価した。「◎」、「○」および「△」と判定された場合を合格とし、「×」と判定された場合を不合格とした。
(4)耐ブロッキング性
2枚のクリアコート鋼板の評価面同士を重ね合わせたものに2kgf/mm2の荷重をかけ、圧力をかける金型の温度を60℃に設定して24時間保持した。その後、鋼板同士の融着状態を以下の基準で評価した。「○」および「△」と判定された場合を合格とし、「×」と判定された場合を不合格とした。
○:融着せずまたは、軽度に融着するが、分離後の評価面に剥離痕が認められない、
△:融着し、分離後の評価面に剥離痕が認められる、
×:融着し、鋼板同士を簡単に分離することができない。
(5)液安定性
調合した上層クリア皮膜形成用の処理液を密閉容器に入れ、40℃環境下で静置し、ゲル化の状況を観察し、ゲル化までの時間で評価した。評価の結果、「○」および「△」と判定された場合を合格とし、「×」と判定された場合を不合格とした。
○:3日以上、
△:1〜2日、
×:数時間。
Figure 2013022840
表4からわかるように、耐端面赤錆性と耐銅食性については、実施例1と同様の結果が得られた。また、上層クリア皮膜が多孔質シリカ成分(B)を含有することで、耐ブロッキング性が良好となることがわかる。摺動性については、上層シリカが固体潤滑剤であるワックスを含有することでより改善される。また、C/Aが0.25を超えると液安定性が低下することもわかる。
この実施例は、片面には前述のクリア皮膜を形成し、もう一方の面には塗装した形態を模擬するものである。
1.塗装鋼板の作製
1.0mm厚の溶融55%Al−Znめっき鋼板(AZ)(めっき付着量:片面あたり75g/m2)及び1.0mm厚の溶融Znめっき鋼板(GI)(めっき付着量:片面あたり45g/m2)を150mm×300mmの大きさに切り出し、アルカリ脱脂液(日本パーカライジング社製FCL4480)でスプレー脱脂し、その後水洗、乾燥したものを基板として用いた。
基板の片面には、前述の処理液A1,A7を使用して表5の「おもて面」に示すクリア皮膜を形成した。比較のため、後述する反対面と同じ塗装を施したものも形成した。
反対面である「うら面」には、次の化成処理用薬液及び塗料を用いて塗膜を形成した:
・化成処理用薬液:EC2330(日本ペイント製)
・下塗り用塗料1:IP505クリアタイプ(日本ファインコーティングス社製)
・下塗り用塗料2:IP505(日本ファインコーティングス社製)
塗料中顔料:トリポリリン酸アルミニム35%、チタニア15%
・上塗り用塗料:SRF05(アイボリー)(日本ファインコーティングス社製)。
まず、基材の片面に、化成処理皮膜用薬液を固形分付着量で200mg/m2となるよう塗布し、炉温270℃の熱風オーブンで7秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約80℃であった。その後、形成された化成処理皮膜の上に、下塗り用塗料を塗布し、炉温310℃の熱風オーブンで30秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約210℃であった。最後に、下塗り用塗膜の上に上塗り用塗料を塗布し、炉温310℃の熱風オーブンで35秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約240℃であった。
2.性能評価
こうして作成された塗装鋼板について、これまでの手法と同様に、以下の方法で性能を評価した。なお、摺動性ならびに、銅食に対する耐食性については、おもて面を評価面として実施した。その結果を表5に記載する。
Figure 2013022840
表5からわかるように、耐端面赤錆性については、片面(うら面)が従来の塗装鋼板と同じ皮膜であっても、おもて面だけに本発明に従ってクリアコートを施すことにより、優れた赤錆抑制効果を有することが確認された。基材が溶融Znめっき鋼板でも良好な性能を発現した。

Claims (4)

  1. 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に1層以上のクリア皮膜を備えるクロムフリークリアコート鋼板であって、
    前記1層以上のクリア皮膜のうち最外層のクリア皮膜は、
    (A)アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなり、ガラス転移温度が−10℃以上である樹脂、
    (B)平均粒径0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、ならびに
    (C)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤
    を含有し、それぞれ成分(A)、(B)及び(C)の全皮膜固形分に対する含有量(単位:質量%)であるA、BおよびCが以下の関係式を満足することを特徴とする、クリアコート鋼板。
    B :1質量%以上、20質量%以下、
    C/A:0.05以上、0.35未満、
    ここで、C/Aは成分(C)の合計質量の成分(A)の樹脂の固形分質量に対する比率であるが、成分(C)のジルコニウム化合物の含有量CはZrO2換算の量である。
  2. 前記最外層のクリア皮膜が、
    (D)平均粒径0.1μm未満のシリカ
    (E)固体潤滑剤、および
    (F)バナジウム化合物
    からなる群から選ばれる1種または2種以上をさらに含有し、それぞれ成分(D)、(E)及び(F)の全皮膜固形分に対する含有量(単位:質量%)であるD,EおよびFが以下の関係式を満足する、請求項1記載のクロムフリークリアコート鋼板。
    D/(A+B+C):0.08以上、0.25以下、
    E/(A+B+C):0.03以上、0.22以下、
    F/(A+B+C):0.005以上、0.1以下、
    ここで、(A+B+C)は前記成分(A)から(C)の含有量の総和であり、Fは成分(F)のバナジウム化合物のV25換算含有量である。
  3. 前記1層以上のクリア皮膜が2層以上のクリア皮膜からなり、前記最外層のクリア皮膜以外のクリア皮膜の少なくとも1層は、
    (G)アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなり、ガラス転移温度が0℃以上である樹脂
    を含有し、平均粒径0.1μm以上の粒子からなる成分を含有しない、請求項1または2に記載のクロムフリークリアコート鋼板。
  4. 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に、2層以上のクリア皮膜を備えるクロムフリークリアコート鋼板であって、
    前記2層以上のクリア皮膜のうち、最外層をなすクリア皮膜以外のクリア皮膜の少なくとも1層は、
    (G)アクリル系、ポリエステル系およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上からなり、ガラス転移温度が−10℃以上である樹脂
    を含有し、平均粒径0.1μm以上の粒子からなる成分を含有しないことを特徴とする、クロムフリークリアコート鋼板。
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