JP4494674B2 - 合成セグメント - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドトンネルの一次覆工体として用いられる鋼製または球状黒鉛鋳鉄製のセグメント構造にコンクリートを中詰めして構成される合成セグメントに係り、特に大深度トンネルの一次覆工体に好適した合成セグメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、シールドトンネルは大口径化および大深度化が進んでいる。大深度トンネルとは、通常、地下約40メートル以上の地中に掘削するトンネルをいい、以下、本発明で大深度トンネルというときはこの意味で用いる。この大深度トンネルの掘削に際しても、従来は、通常のシールドトンネルの掘進に用いるのと同じ合成セグメントが用いられている。
【0003】
合成セグメントとしては、例えば、特許第2629919号に示される合成セグメントが知られている。この先行特許に示されるごとく、これまでの合成セグメントは、鋼製の主桁と継手板と、トンネルの内外面となる2つの面に配置のスキンプレートの各部材を組立てセグメント枠体を構成し、前記スキンプレートに何らかのずれ止めを配置した上で、セグメント枠体内部にコンクリートを充填し、セグメント外面を覆う鋼材(スキンプレート様鋼材)と内部のコンクリートをずれ止めにより一体化して、鋼材とコンクリートの合成効果を発揮させるものであった。
【0004】
しかし、セグメント外面がすべて鋼材(スキンプレート様鋼材)で覆われたセグメントの内部にコンクリートを密実に充填するには、非常な困難を伴うこと、また、コンクリートと鋼材(スキンプレート様鋼材)とを一体化させるために当該スキンプレートにずれ止めを配置する作業が煩雑であることなどの理由により、特開平9−105297号、特開平9−144491号などに示される合成セグメントでは、トンネルの内空側となる面のスキンプレートに開口率の大きい切欠きを設け、コンクリートの中詰め作業を容易にするよう工夫がなされている。
【0005】
当然のことながら、特開平9−105297号、特開平9−144491号に示される合成セグメントは、特許第2629919号に示される合成セグメントに比較すると、トンネルの内空側となる面のスキンプレートに開口率の大きい切欠きを設けた分、鋼材(スキンプレート様鋼材)とコンクリートの合成効果が低減することとなる。
【0006】
しかし、セグメント枠体の組立て、内部へのコンクリート充填作業を含めたセグメント全体の製作にかかる費用という面から考慮すれば、特開平9−105297号、特開平9−144491号に示される合成セグメントは、特許第2629919号に示される合成セグメントに比較すると、わずかながらではあるが、安価に製作することが可能であり、製品の品質の良否に関しても直接的に確認できるというメリットを有している。
【0007】
また、特開平8−326491号に示される合成セグメントは、セグメントのトンネル内空側となる面にスキンプレートを配置しているが、セグメントのトンネル外面側となる面には、スキンプレートがなく、代わりにセグメント高さ方向でセグメントの内部となる位置に鋼材(スキンプレート様鋼材)を配置し、この鋼材にずれ止めを設置して合成効果を発揮させている。
【0008】
前記のごとく、従来の合成セグメントは、セグメントのトンネル内空側およびトンネル外面側となる面にスキンプレート様の鋼材を配置し、この鋼材にずれ止めを配置して鋼材とコンクリートの合成効果を発揮させるものであった。
【0009】
これらの合成セグメントは、鋼材(スキンプレート様鋼材)とコンクリートとのずれを無くすことで、鋼材とコンクリートの合成効果を発揮させるものであるが、ずれ止めの設置作業が煩雑なこと、セグメント内部にコンクリートを密実に充填する作業が困難なことなどから、従来、シールドトンネルの一次覆工体として用いられてきた鋼製セグメントまたは鉄筋コンクリート製セグメントまたはダクタイル製セグメントに比較すると高価なセグメントとなっていた。
【0010】
また、スキンプレートとコンクリートを合成化するセグメントでは、曲げ力に対しては、スキンプレートが有効に作用するものの、圧縮力に対しては難しい。つまり、圧縮力に対してスキンプレートを有効に作用させるためには、圧縮力によりスキンプレートがはらみ出すのを防止する必要があり、特に、トンネルの内空側となる面のスキンプレートに開口率の大きい切欠きを設けたセグメントの場合、セグメント枠体内にコンクリートを封じ込めることでスキンプレートと一体化することが一層難しく、スキンプレートがはらみ出すのを防止するために、ますます多くのずれ止めを設置しなければならなかった。
【0011】
つまり、従来のトンネルの内空側となる面のスキンプレートに開口率の大きい切欠きを設けた合成セグメントでは、セグメントに作用する曲げ力と圧縮力の比、曲げ力/圧縮力が大きい場合には有効であるが、曲げ力/圧縮力が小さい場合には、鋼材(スキンプレート様鋼材)とコンクリートを合成化する効果がなかなか得られない状況であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近来のシールドトンネルの特徴は、大口径化の傾向と大深度化の傾向にある。大口径化のシールドトンネルにあっては、セグメントに作用する曲げ力/圧縮力大きくなる傾向があり、大深度化のシールドトンネルあっては、セグメントに作用する曲げ力/圧縮力が小さくなるという傾向がある。このように大口径化と大深度化の2つの傾向が現在同時に進行しているが、今後のシールドトンネルでは、大深度化の場合に前述の点が問題になる。
【0013】
つまり、大口径トンネルでは前述のとおり、鋼材(スキンプレート様鋼材)とコンクリート合成化はそれほど問題にしなくてよいが、大深度シールドトンネルでは、大深度化による曲げ力/圧縮力が小さくなる傾向が増す、つまり、鋼材とコンクリートとのずれ止めによる合成効果が得られにくくなると考えられる。また、シールドトンネルの大深度化により地下水圧が従来に比して飛躍的に大きくなるため、従来のセグメントに比べ高い止水性が要求されるようになる。
【0014】
さらに他の問題として、シールドトンネルの大口径化は、シールドマシンの大型化および大推力化を招き、これらの要求を満足できる新たな合成セグメントが求められているが、従来のL形状またはT形状の縦リブを具備した鋼製セグメントでは強度が不足し十分に対応できない。
【0015】
すなわち、従来の鋼製セグメントは、主桁、継手板、スキンプレート、縦リブから構成されている。前述のように、縦リブは主としてL形状またはT形状のものが多く、シールドトマシンのジャッキ推力を受けることを目的としてジャッキ1本当たり2本の縦リブが配置され、かつ、土水圧を受けるスキンプレートの支点として設計され用いられているが、これでは、前述のとおり縦リブの強度が不足するのである。
【0016】
本発明は、前記の課題を解決したもので、大深度用トンネルに好適するが、勿論、通常のトンネルにも適用できる合成セグメントを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、次のように構成する。
【0018】
第1の発明は、シールドトンネルの覆工構造体を構成するセグメントであって、少なくとも2本の主桁と2つの継手板とスキンプレートを有し、かつ、複数本の略H形状のずれ止めが前記主桁間に設けられると共に、そのウェブをトンネルの中心方向に向けて配置され、前記ずれ止めの両端部が前記主桁に溶接され、前記2本の主桁と前記スキンプレートと、隣り合う前記ずれ止めのフランジとウエブとで囲まれた空間内にコンクリートが中詰めされたことを特徴とする。
【0019】
第2の発明は、第1の発明における合成セグメントであって、当該セグメントの主桁の桁高さhに対して、H形状のずれ止めがhの0.8〜5.0倍の間隔で配置されたことを特徴とする。
【0020】
第3の発明は、第1または第2の発明における合成セグメントであって、当該セグメントの主桁と継手板の何れか一方または、両方にフランジ部材を有することを特徴とする。
【0021】
【作用】
本発明の合成セグメントのずれ止めは、H形状を有することで、従来の鋼製セグメントにおけるL形状やT形状の縦リブでは得られない大きな特徴を有している。すなわち、ずれ止めが断面H形状をなしているため、主桁とH形状のずれ止めにおけるフランジとウェブに囲まれた中詰めコンクリートは完全に拘束されることになり、セグメントに強大な圧縮、曲げ力が作用した場合においても、中詰めコンクリートの内部に確実に圧縮力が発生することとなる。
また、スキンプレート3を介して中詰めコンクリート6に作用する土水圧は、H形状をしたずれ止め4のトンネル内空側のフランジ4bとウェブ4aを介して、主桁に伝達される。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1〜図3によって本発明を説明する。
【0023】
図1、図3は、合成セグメントの中央部位置の長手方向縦断面図、図2は、主桁内側面位置の長手方向縦断面図を示す。当該合成セグメントは、少なくとも2本の主桁1と、2つの継手板(図に表れない)と、スキンプレート3と、両主桁1間に配設され、かつ、継手板方向に所定間隔離して配設されるH形状のずれ止め4とから構成されている。
【0024】
ずれ止め4におけるウェブ4aはトンネルの中心方向に向けて配置され、一方のフランジ4bはスキンプレート3と接して配設され、他方のフランジ4cは主桁1の一側縁と略同じ高さに設けられている。また、セグメントの主桁1の桁高さhに対して、H形状のずれ止めは、hの0.8〜5.0倍の範囲内の間隔Wで配置する。さらに、セグメントの主桁1と継手板2の何れか一方または、両方にフランジ部材を設けることがある。
【0025】
前記のように構成されたセグメント枠体において、隣り合うずれ止め4における内空側のフランジ4c間の間隙5から、主桁1と継手板とスキンプレート3とずれ止め4で形成されるセグメント内空間に、中詰コンクリート6が充填されている。
【0026】
前記構成において、中詰コンクリート6は硬化した後は、隣り合うフランジ4cと隣り合うウェブ4aとスキンプレート3で開口部が絞られた袋状の空間に閉じ込められた態様となり、合成セグメントに圧縮力または曲げ力が作用する場合には中詰めコンクリートに確実に圧縮力が発生する。
【0027】
すなわち、図1において、合成セグメントにせん断力が作用すると、隣り合うH形状のずれ止め4のフランジ4b、4cとウェブ4aの隅角部7を固定点として中詰コンクリート6に図示矢印(イ)の向い合う力が作用し、当該中詰コンクリート6に斜線領域で示す圧縮斜材(ロ)が形成され、セグメント枠体を変形させる力に抵抗する。
【0028】
また、この圧縮斜材(ロ)の反力として、H形状のずれ止め4のウェブ4aに図示矢印(ハ)の引張力が発生するとともに、主桁1には図2に矢印(ニ)で示すように、隣り合うH形状のずれ止め4のフランジ4b、4cとウェブ4aの隅角部7であって、中詰コンクリート6の圧縮斜材(ロ)の固定点でない点に向かう引張力が発生し、前記の圧縮力および引張力の釣り合いによりセグメント枠体を変形させる力に抵抗するのである。
【0029】
図3は、H形状のずれ止め4が所定の間隔で複数設けられた合成セグメントにおいて、矢印(ホ)方向の荷重を載荷した場合に、セグメントに作用するせん断力に抵抗して中詰コンクリート6に発生する圧縮力と主桁に発生する引張力の関係を示している。
【0030】
すなわち、図3において、内空側から矢印(ホ)方向のかけたとき、中詰コンクリート6が充填された各H形状のずれ止め4間には、向い合う矢印が発生する楕円で示す中詰コンクリート6中の圧縮域(ヘ)と、反対向きの矢印で示す鋼材中の引張域(ト)が形成され、圧縮域(ヘ)と引張域(ト)が合成されて、結果的に、せん断に抵抗する領域(チ)と曲げに抵抗する領域(リ)が形成され、全体として中詰コンクリート6とH形状のずれ止め4を介して中詰コンクリート6と主桁との一体化が図られて、合成セグメントにせん断力が作用し、その結果、合成セグメントに作用する曲げ力が変化しても中詰コンクリート6に発生する圧縮力および主桁1に発生する引張力が変化して一体として作用力に抵抗するのである。
【0031】
本発明は前述のように機能し、合成セグメントに作用する曲げモーメントが変化する場合には、必ずせん断力が作用しているが、H形状のずれ止め4と中詰コンクリート6および主桁1により確実に前記のせん断力に抵抗することができる、すなわち、曲げモーメントに抵抗することが可能になっている。
【0032】
この点に関し、従来の鋼製セグメントにコンクリートを中詰めするだけの場合には、コンクリート中に確実に圧縮斜材を形成することができなかったため、合成セグメントにはなり得なかったのである。
【0033】
そして、従来の合成セグメントがスキンプレートにずれ止めを配置することで、鋼材(スキンプレート様鋼材)とコンクリートの合成効果を発揮させていたのと比較し、本発明の合成セグメントは、H形状のずれ止め4を用いるだけで、鋼材とコンクリートの合成効果を発揮させることが可能であり、安価に高性能な合成セグメントを提供することが可能となっている。
【0034】
本発明の合成セグメントは、前記の作用により鋼材とコンクリートの合成効果を発揮するため、H形状のずれ止め4の仕様(フランジ厚さ、ウェブ厚さなど)は、せん断力に対して設計すればよい。
【0035】
また、本発明の合成セグメントでは、セグメントリング組立てに際し、シールドマシンのジャッキ推力に対しては、中詰めコンクリート6により抵抗することを基本とするが、大口径トンネル等において、大型シールドマシンのジャッキ推力が大きい場合には、H形状のずれ止め6を推力部材の一部として考慮することができる。
【0036】
さらに、合成セグメントに作用する土水圧は、中詰めコンクリート6を介してH形状のずれ止め4のトンネル内空側のフランジ4cに伝達されるので、トンネル外面に配置するスキンプレート3は、止水材の機能のみを発揮できればよい。
【0037】
【実施例】
以下本発明の実施例を、図4〜図8を参照して説明する。
【0038】
図4〜図7は、実施例1に係る合成セグメント10を示す。この合成セグメント10は、溝形鋼からなりコ字状開口部を対向させた主桁11と、主桁11の両端に固着した鋼板からなる継手板12と、前記主桁11間に設けられるとともに、所定の間隔をあけて継手板12と平行に設けた複数本の略H形状のずれ止め14と、セグメント外側(地山側)に配置され、主桁11と継手板12と略H形状のずれ止め14によって支持されたスキンプレート13とからセグメント本体が構成され、このセグメント本体内に中詰コンクリート16が充填されている。
【0039】
さらに説明すると、スキンプレート13は薄鋼板からなり、溝形鋼製の主桁11の一方のフランジ11aとH形状のずれ止め14の一方のフランジ14cに当接し、この当接部を隅肉溶接し、継手板12は主桁11の端部に当てがって溶接するとともに、外端縁をスキンプレート13の端部内側面に固定している。H形状のずれ止め14はそのウェブ14aをトンネル中心方向に配設し、その高さは、主桁11の高さhと略等しく設けられている。
【0040】
H形状のずれ止め14と溝形鋼製の主桁11の取り合いは任意でよいが、図示例では、H形状のずれ止め14のフランジ14b、14cの両端部を主桁11のフランジ11a、11bの幅と同じ長さだけカットし、フランジ14b、14cがカットされたウェブ端部14dを、溝形鋼製の主桁11の両フランジ11a、11b、ウェブ11cで囲まれる内側に差し込み、その両側を隅肉溶接する。この時、ずれ止め14のフランジ14b、14cの端縁は、溝形鋼製の主桁11の両フランジ11a、11bの内端縁と接しており、その当接部を溶接する。主桁11と継手板12には、セグメント間およびリング間の継手用ボルトの挿入孔18が開設されている。なお、嵌合継手でセグメント間およびリング間を結合することがあり、この場合は、ボルトの挿入孔18は必要としない。
【0041】
前記のようにして構成されたセグメント本体における、隣り合うずれ止め14の間の比較的大きい間隙15から中詰コンクリート16をセグメント内に容易に充填し、合成セグメント10を完成する。こうして製作された合成セグメント10にせん断力が作用し、各部材に圧縮力や引張力が作用したとき、セグメント内に充填された中詰コンクリート16が、H形状のずれ止め4と主桁11とで拘束され、結果、各部材と中詰コンクリート16の一体化が一層強固になり、隣り合うH形状のずれ止め14のフランジ14b、14cとウェブ14aの隅角部17を固定点として、中詰コンクリート16が圧縮力に抵抗すると共に、主桁11が引張力に抵抗し、合成セグメント10の剛性と強度が向上する。
【0042】
なお、前記合成セグメント10において、主桁11と継手板12の一方または両方を、H形状のずれ止め14と同じH断面形状の鋼材で構成し、あるいは平板の鋼材で構成してもよい。
【0043】
セグメント桁高さhとずれ止めの間隔Wは、1:1、1:2、1:4等任意の寸法関係に設定するとよい。
【0044】
図8(A)、(B)は、実施例2を示す。この実施例2は、本発明を矩形断面のトンネル用の合成セグメント10aに実施した例が示されている。つまり、実施例2の合成セグメント10aは全長がフラットである点が、実施例1の円弧状をなす合成セグメント10と相異している。H形状のずれ止め14の断面形状および、その他の構成は実施例1と同じであるので、実施例1と同等要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係る合成セグメントによれば、主桁とH形状のずれ止めにおけるフランジとウェブに囲まれた中詰めコンクリートは完全に拘束されることになり、鋼材とコンクリートとが強固に一体化され、従来の合成セグメントに必要であったスキンプレートの内面に設けるジベル筋、突起部材等のコンクリートとスキンプレートの一体化をより強固にするためのずれ止めを無くことが可能であり、さらに、セグメントのトンネル内空側からコンクリートを中詰めすることが可能になることから、従来の合成セグメントに比較して、安価で高性能な合成セグメントを実現することが可能となる。
【0046】
また、H形状のずれ止めで堅牢に支持されるスキンプレートは、大深度に建設されるシールドトンネルに作用する大水圧に対しても、止水を完璧に行い、安全かつ経済的に大深度のシールドトンネルを建設することが可能となる。さらに、セグメントリングの組立てに際し、ジャッキ推力が大きい場合には、H形状のずれ止めを推力部材の一部として考慮することができるので、大口径のトンネル用セグメントにも適している。
さらに、H形状のずれ止めを用いている場合には、トンネル内空側からトンネルの外向きに中詰めコンクリートに作用する力を主桁に伝達することも可能である。
【0047】
さらに、H形状のずれ止めの代わりにT形状のずれ止めを用いた場合であっても、スキンプレートを介して中詰めコンクリートに作用する土水圧を、T形状のずれ止めにより主桁に伝達することが可能であり、この場合にはスキンプレートの厚さにより合成セグメントとして設計する場合または鋼製セグメントとして設計する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成セグメントにせん断力が作用した場合に鋼材とコンクリートに発生する引張力と圧縮力の関係を示す合成セグメントの中央部位置の長手方向縦断面図である。
【図2】図1の引張力と圧縮力が発生した場合において、主桁に発生する引張力を示す合成セグメントの主桁内側面位置の長手方向縦断面図である。
【図3】本発明の合成セグメントに荷重を載荷してせん断力を作用させたときに発生する、引張力と圧縮力の関係を示す合成セグメントの中央部位置の長手方向縦断面図である。
【図4】実施例1に係るセグメントのトンネル内空側から見た一部破断斜視図である。
【図5】図4の中央部長手方向の断面図である。
【図6】図4の幅方向の断面図である。
【図7】主桁とずれ止めの接合関係を示す説明斜視図である。
【図8】(A)は、実施例2に係るセグメントのトンネル内空側から見た一部破断斜視図、(B)は、図(A)の中央部長手方向の断面図である。
【符号の説明】
1 主桁
2 継手板
3 スキンプレート
4 H形状のずれ止め
4a フランジ
4b フランジ
5 間隙
6 中詰コンクリート
7 隅角部
10 合成セグメント
11 主桁
11a フランジ
11b フランジ
11c ウェブ
12 継手板
13 スキンプレート
14 ずれ止め
15 間隙
16 中詰コンクリート
17 隅角部
18 ボルト挿通孔

Claims (3)

  1. シールドトンネルの覆工構造体を構成するセグメントであって、少なくとも2本の主桁と2つの継手板とスキンプレートを有し、かつ、複数本の略H形状のずれ止めが前記主桁間に設けられると共に、そのウェブをトンネルの中心方向に向けて配置され、前記ずれ止めの両端部が前記主桁に溶接され、前記2本の主桁と前記スキンプレートと、隣り合う前記ずれ止めのフランジとウエブとで囲まれた空間内にコンクリートが中詰めされたことを特徴とする合成セグメント。
  2. 請求項1記載の合成セグメントであって、当該セグメントの主桁の桁高さhに対して、H形状のずれ止めがhの0.8〜5.0倍の間隔Wで配置されたことを特徴とする合成セグメント。
  3. 請求項1および2または、その何れか1項に記載の合成セグメントであって、当該セグメントの主桁と継手板の何れか一方または、両方にフランジ部材を有することを特徴とする合成セグメント。
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