JP3673712B2 - アンカー工法用受圧板 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した複数の分割受圧板で構成してあり、前記分割受圧板夫々に、法面に接地自在な接地底板部と、前記分割受圧板の長さ方向に沿って前記接地底板部に立設された縦貫竪補強板部と、前記接地底板部の周縁部に沿って立設してある周縁竪補強板部とを備えて、前記分割受圧板の中で、上側に配置する第一分割受圧板に、その下部を切り欠いた第一係合部を形成すると共に、下側に配置する第二分割受圧板に、その上部を切り欠いて前記第一係合部と相互に係合自在な第二係合部を形成し、アンカー部材を係止可能な係止部を、前記第一係合部に設けると共に、前記アンカー部材を挿通自在なアンカー挿通部を前記第二係合部に設け、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、地中に係止した前記アンカー部材を前記アンカー挿通部に挿通して前記係止部に係止することで、法面に圧接して地すべりや法面崩壊を防止するアンカー工法用受圧板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のアンカー工法用受圧板としては、上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した複数の分割受圧板のうち、第一分割受圧板の下部を切り欠いて形成した第一係合部と、第二分割受圧板の上部を切り欠いて形成した第二係合部とを互いに係合させて一体化させた受圧板を、地中に係止したアンカー部材を用いて法面に圧接して地すべりや法面崩壊を防止していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
地中に係止したアンカー部材を用いて法面に圧接したとき、法面から受ける反力により、受圧板の端部が反り上がろうとする曲げ外力が作用する。そのため、前記第一係合部と前記第二係合部とを係合させたときに、両係合部間に隙間が形成されていると、その隙間分だけ受圧板端部の反り上がり移動が可能となるため受圧板が変形する可能性を生じる。
そこで、従来のアンカー工法用受圧板によれば、図14に示すように、第一係合部11aと第二係合部12aとを係合させたときにその両係合面全てを隙間なく接当するように両係合部11a,12aを製作して、曲げ外力Gによる反り上がり移動を前記両係合部11a,12aの接当により不能にし、受圧板1の変形を防止していた。
ところが、両係合部11a,12aにおける係合面の全てを隙間なく接当するように製作するには、高い製作精度が要求されるため製作に多くの手間がかかるものとなるだけでなく、両係合部11a,12aにおける係合面の全てを隙間なく接当するように製作したものだと、係合させ難くなるため係合作業が困難なものとなる。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、曲げ外力による受圧板の変形を防止できると共に、係合部の製作が容易であり、且つ、両係合部の係合作業が簡単なアンカー工法用受圧板を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
請求項1の発明の特徴構成は図1〜4,6に例示するごとく、上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した複数の分割受圧板10で構成してあり、前記分割受圧板10夫々に、法面Fに接地自在な接地底板部3と、前記分割受圧板10の長さ方向に沿って前記接地底板部3に立設された縦貫竪補強板部7Bと、前記接地底板部3の周縁部に沿って立設してある周縁竪補強板部7Aとを備えて、前記分割受圧板10の中で、上側に配置する第一分割受圧板11に、その下部を切り欠いた第一係合部11aを形成すると共に、下側に配置する第二分割受圧板12に、その上部を切り欠いて前記第一係合部11aと相互に係合自在な第二係合部12aを形成し、アンカー部材8を係止可能な係止部6を、前記第一係合部11aに設けると共に、前記アンカー部材8を挿通自在なアンカー挿通部5aを前記第二係合部12aに設け、前記第一、第二係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、地中に係止した前記アンカー部材8を前記アンカー挿通部5aに挿通して前記係止部6に係止することで、法面Fに圧接して地すべりや法面崩壊を防止するアンカー工法用受圧板であって、前記接地底板部3に、前記縦貫竪補強板部7Bと前記周縁竪補強板部7Aの間に立設された横方向竪補強板部7Cの中で前記アンカー挿通部5aに近接し、且つ、幅方向両側の前記周縁竪補強板部7Aの間に亘って連設した前記横方向竪補強板部7Cを係合部周縁補強板部7Dとして設けて、前記第一、第二係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、前記第一係合部11aにおける前記周縁竪補強板部7Aと前記第二係合部12aにおける前記係合部周縁補強板部7Dとの間に、硬化剤Kを充填可能な空間Sを形成してあるところにある。
【0006】
請求項2の発明の特徴構成は図5に例示するごとく、前記第一、第二係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、前記第二係合部12aにおける前記周縁竪補強板部7Aの端部位置が、前記第一係合部11aにおける前記横方向竪補強板部7Cの横長手軸X上にくるように、前記周縁竪補強板部7Aと前記横方向竪補強板部7Cとを配置形成してあるところにある。
【0007】
請求項3の発明の特徴構成は図7に例示するごとく、前記第一、第二係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、前記第二係合部12aにおける前記係合部周縁補強板部7Dの横側部から前記第一分割受圧板11の長手方向に沿って突出する突出リブ13を設けてあるところにある。
【0008】
請求項4の発明の特徴構成は図11に例示するごとく、前記空間Sを形成するのに、前記第一係合部11aにおける前記周縁竪補強板部7Aと前記第二係合部12aにおける前記係合部周縁補強板部7Dとの間隔を設定維持するスペーサ機構Mを設けてあるところにある。
【0009】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0010】
〔作用及び効果〕
請求項1の発明により、前記接地底板部に、前記縦貫竪補強板部と前記周縁竪補強板部の間に立設された横方向竪補強板部の中で前記アンカー挿通部に近接し、且つ、幅方向両側の前記周縁竪補強板部の間に亘って連設した前記横方向竪補強板部を係合部周縁補強板部として設けて、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間に、硬化剤を充填可能な空間を形成してあるから、係合部の製作が容易となると共に、両係合部の係合作業を簡単に行えながらも、曲げ外力による受圧板の変形を防止することができる。
つまり、地中に係止したアンカー部材を用いて受圧板を法面に圧接したとき、法面から受ける反力により受圧板の端部が反り上がろうとする曲げ外力が作用するが、下部を切り欠いて形成した第一係合部は、その切り欠きの上方の連設部によって曲げ外力による反り上がりに対抗させると共に、上部を切り欠いて形成した第二係合部は、その切り欠き端部を、対向する前記第一係合部における切り欠きの上方の側板に対してその全てを隙間なく接当させることで曲げ外力による反り上がりに対抗させるべく、係合部における係合面の全てを隙間なく接当するように製作するには、高度な製作精度が要求されるため製作に多くの手間が必要となるだけでなく、両係合部を係合させ難いものとなるが、本願のものだと、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間に積極的に空間を形成して製作するため、高い製作精度を要求されることなく、製作が容易なものとなると共に、両係合部を互いに係合させる際に係合させ易くなる。
さらに、係合させた後で前記空間内に硬化剤を充填することによって、前記第二係合部の切り欠き端部を、硬化剤を介して前記第一係合部における切り欠きの上方の側板に隙間なく接当させた状態に一体化させることができるから、曲げ外力による反り上がりを防止することができる。
その結果、受圧板の製作性の向上、及び分割受圧板どうしの係合作業の作業性を向上させることができると共に、曲げ外力により受圧板の変形を防止できるアンカー工法用受圧板を提供できるようになった。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第二係合部における前記周縁竪補強板部の端部位置が、前記第一係合部における前記横方向竪補強板部の横長手軸上にくるように、前記周縁竪補強板部と前記横方向竪補強板部とを配置形成してあるから、曲げ外力に対する受圧板の対抗力を向上させることができる。
つまり、例えば、第二係合部における周縁竪補強板部の端部位置が、第一係合部における横方向竪補強板部の横長手軸からずれていると、第二係合部における一方の周縁竪補強板部から伝達される曲げ外力を、第一係合部を挟んで反対側に位置する他方の周縁竪補強板部に有効に伝達することが困難となるが、本願のものだと、第二係合部における周縁竪補強板部の端部位置が、前記第一係合部における前記横方向竪補強板部の横長手軸上にくるように配置形成してあるから、第二係合部における一方の周縁竪補強板部から伝達される曲げ外力を、第一係合部の横方向竪補強板部を介して反対側に位置する他方の周縁竪補強板部に有効に伝達することができるようになるため、前記両周縁竪補強板部が共働で補強し合うように作用して曲げ外力に対して対抗することができる。
その結果、周縁竪補強板部と横方向竪補強板部との配置を変更するだけで、曲げ外力に対する受圧板の対抗力を向上させることができるようになった。
【0012】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部の横側部から前記第一分割受圧板の長手方向に沿って突出する突出リブを設けてあるから、前記係合部周縁補強板部の横側部位置にまで硬化剤を簡単確実に充填することができる。
つまり、例えば、第二係合部に作用する曲げ外力は、係合部周縁補強板部から硬化剤を介して第一係合部に伝達されるが、横側部が開放している空間内に硬化剤を充填した場合、横側部では硬化剤が流出し易くなるため、他の部分と同等な密度に硬化剤を充填することは困難である(密度が低くなる虞がある。)と共に、硬化後においても横側部近傍の硬化剤は応力がかかると割れ易いから、横側部近傍において硬化剤を介した応力の伝達を確実に行うことができなくなる。そのため、幅方向両側の周縁竪補強板部の間に亘って連設した前記係合部周縁補強板部の横側部が、前記両周縁竪補強板部と同じ位置にあるものだと、第二係合部における一方の周縁竪補強板部から伝達される曲げ外力を、硬化剤を介して第一係合部に確実に伝達できなくなる場合があるが、本件のものだと、突出リブによって横側部の位置を、前記両周縁竪補強板部よりも横外方に形成してあるため、横側部近傍で硬化剤の密度が低くなったり、応力による割れを生じたとしても、その影響を受けることなく、前記両周縁竪補強板部と第一係合部との間に設定密度の硬化剤を存在させることができる。
その結果、第二係合部における一方の周縁竪補強板部から伝達される曲げ外力を、硬化剤を介して確実に第一係合部に伝達することができるようになった。
【0013】
請求項4の発明によれば、請求項1〜3の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記空間を形成するのに、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間隔を設定維持するスペーサ機構を設けてあるから、従来に比して、係合部の製作が容易となると共に、両係合部の係合作業を簡単に行える。
つまり、本願のものは、スペーサ機構を、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間全てに設ける必要がなく、部分的に設けるだけで硬化剤充填用の空間を設定維持することが可能なため、要求されるのはスペーサ機構における接当面の製作精度だけとなる。よって、両係合部における係合面の全てを接当させる必要のある従来のものに比して、製作精度を高く要求されないためにその製作が容易となる。
その結果、従来に比して、受圧板の製作性の向上、及び分割受圧板どうしの係合作業の作業性を向上させることができるようになった。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
【0015】
アンカー工法用受圧板は、図1に示すように、地山Bの地中に係止したアンカー部材8を用いて法面Fに圧接して地すべりや法面崩壊を防止するのに用いられるものである。その受圧板1は、金属材料の一種であるダクタイル鋳鉄で形成して、法面Fに接地自在な接地底板部3と、接地底板部3に形成すると共にアンカー部材8を挿通可能なアンカー挿通部5と、アンカー挿通部5に挿通したアンカー部材8を係止可能な受け座6bを備えた係止部6と、接地底板部3に立設された竪補強板部7とを備え、竪補強板部7は、周縁竪補強板部7Aと、係止部6に一体に連接された縦貫竪補強板部7Bと、横方向竪補強板部7Cとからなるものである。
前記受圧板1は、例えば、図2乃至図4に示すように、十字型に形成し、上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した、複数の分割受圧板10で構成する。
【0016】
前記受圧板1は、図2に示すように、二つの分割受圧板10として構成し、第一分割受圧板11を第二分割受圧板12に組み付けて構成するが、係止部6は第一分割受圧板11に設け、アンカー挿通部5は第二分割受圧板12に設ける。この両分割受圧板11,12の組み付けの時期は、受圧板1を法面Fに設置する前であることが両分割受圧板10の組み付けの作業性の面からは好ましいが、法面Fに第二分割受圧板12を配置した後に、第一分割受圧板11を法面Fに仮設置してある第二分割受圧板12に組み付け、アンカー部材8に締結部材9を螺合して締結するようにしてもよい。夫々の分割受圧板10には、上述のように、竪補強板部7として、接地底板部3に、径方向に沿って立設された縦貫竪補強板部7Bと、接地底板部3の周縁部に沿って立設された周縁竪補強板部7Aと、立設された縦貫竪補強板部7Bと一体に連設され、且つ、両側の周縁竪補強板部7Aにも一体に連設して立設された横方向竪補強板部7Cとを設ける。そして、分割受圧板10の中、上側に重ねられる第一分割受圧板11には、その下部を切り欠いた第一係合部11aを形成し、下側に重ねられる第二分割受圧板12には、その上部を切り欠いて前記第一係合部11aと相互に係合自在な第二係合部12aを形成する。そして、図3に示すように、アンカー部材8を係止可能な係止部6を、第一係合部11aに設けると共に、アンカー部材8を挿通自在なアンカー挿通部5を第二係合部に設け、両係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、地中に係止したアンカー部材8を前記アンカー挿通部5に挿通して係止部6に係止することで、一体とした受圧板1を法面Fに圧接するのである。
【0017】
前記第一分割受圧板11においては、図2,3に示すように、第一係合部11aに、アンカー部材8を挿通自在な貫通孔6aを備えて、その貫通孔6aに挿通したアンカー部材8を係止可能な受け座6bを立設してある係止部6を設ける。その受け座6bと係止部6における周縁竪補強板部7Aとの間に連設された係止部竪補強板部7Eを立設して、周縁竪補強板部7Aを補強すると共に受け座6bを補強し、さらに、横方向竪補強板部7Cの中で横方向竪補強板部7Cの中で係止部6に近接し、且つ、幅方向両側の周縁竪補強板部7Aの間に亘って連設した横方向竪補強板部7Cを、係止部6の周壁部である係合部周縁補強板部7Dとし、その係合部周縁補強板部7Dと前記受け座6bとの間にも係止部竪補強板部7Eを連設して立設し、係止部6における接地底板部3を、径方向の曲げ外力Gに対して補強する。
【0018】
また、前記第二分割受圧板12においては、図2,3に示すように、第二係合部12aにアンカー挿通孔5aと、アンカー挿通孔5aの周縁部で接地底板部3上に立設された立設筒部5bとをアンカー挿通部5に設ける。さらに、横方向竪補強板部7Cの中でアンカー挿通部5に近接し、且つ、幅方向両側の周縁竪補強板部7Aの間に亘って連設した横方向竪補強板部7Cを、アンカー挿通部5の周壁部である係合部周縁補強板部7Dとする。その係合部周縁補強板部7Dと立設筒部5bとの間に連設されたアンカー挿通部竪補強板部7Fを、縦貫竪補強板部7Bの一部として立設し、アンカー挿通部5における接地底板部3を、径方向の曲げ外力に対して補強し、さらに、立設筒部5bとアンカー挿通部5における周縁竪補強板部7Aとの間に連設されたアンカー挿通部竪補強板部7Fを立設して、周縁竪補強板部7Aを補強する。尚、竪補強板部7は、何れも、係止部6からの離間距離の増大と共に次第に低くなるように形成すればさらによい。
【0019】
前記第二係合部12aにおける前記係合部周縁補強板部7Dは、図6に示すように、その上端を径方向外方側に傾斜させて形成し、第一係合部11aと第二係合部12aとを互いに係合させた状態で、第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aと第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dとの間に空間Sが形成されるようにしてある。
尚、上記で係合部周縁補強板部7Dの上端を径方向外方側に傾斜させた例について説明したが、第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aと第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dとの間に空間Sが形成されるなら、特に係合部周縁補強板部7Dを傾斜させて形成する必要はない。
そして、この空間Sを形成することによって、係合部どうしを隙間なく接当するように製作する必要がなくなるため、製作が容易なものとなると共に、両係合部11a,12aを互いに係合させる際の係合操作が容易となる。さらに、係合させた後で、空間S内にモルタル(硬化剤Kの一例)を充填することによって、係合部周縁補強板部7Dを、第一係合部11aにおける切り欠きの上方の周縁竪補強板部7Aに対して、モルタルを介して隙間なく接当させた状態に一体化させることができるから、曲げ外力Gによる反り上がりを防止して第二分割受圧板12の変形を防止することができる。
【0020】
図5に示すように、前記第二係合部12aにおける周縁竪補強板部7Aと第一係合部11aにおける横方向竪補強板部7Cとは、第一係合部11aと第二係合部12aとを互いに係合させた状態で、第二係合部12aにおける周縁竪補強板部7Aの端部位置が、第一係合部11aにおける横方向竪補強板部7Cの横長手軸X上にくるように配置形成されている。
そして、上記構成により、第二係合部12aにおける一方の周縁竪補強板部7Aから伝達される曲げ外力Gを、第一係合部11aの横方向竪補強板部7Cを介して反対側に位置する他方の周縁竪補強板部7Aに有効に伝達することができるようになるため、両周縁竪補強板部7Aを共働で補強し合うように作用させて曲げ外力Gに対して対抗させる。
【0021】
上記のように、前記両分割受圧板11,12同士に、上下一方を切り欠いて形成した、相互に係合自在な係合部2を形成するには、上側に配置する第一分割受圧板11に、係止部6の下方を切り欠いて第一係合部11aを形成し、下側に配置する第二分割受圧板12には、アンカー挿通部5の上方を切り欠いて第二係合部12aを形成する。両係合部11a,12aを互いに係合させる係合部2は、両分割受圧板11,12を組み合わせた状態において、両分割受圧板11,12における接地底板部3の両接地面3aが、互いに同一面上に位置するように両係合部11a,12aを形成することが望ましい。
【0022】
〔別実施形態〕
次に、上記実施の形態において説明しなかった本発明の他の実施の形態について説明する。
【0023】
〈1〉上記実施の形態に於いては、第二係合部12aにおける幅方向両側の周縁竪補強板部7Aの間に亘って連設した係合部周縁補強板部7Dの横側部が、両周縁竪補強板部7Aと同じ位置にあるものについて説明したが、図7に示すように、突出リブ13によって横側部の位置を、両周縁竪補強板部7Aよりも横外方に形成したものであっても良い。
これだと、横側部近傍で硬化剤Kの密度が低くなったり、応力による割れを生じたとしても、その影響を受けることなく、両周縁竪補強板部7Aと第一係合部11aとの間に設定密度の硬化剤Kを存在させることができるため、第二係合部12aにおける一方の周縁竪補強板部7Aから伝達される曲げ外力Gを、硬化剤Kを介して確実に第一係合部11aに伝達することができる。
【0024】
〈2〉上記実施の形態に於いては、第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dの形状を、第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aに沿う略平行形状に形成したものについて説明したが、例えば、図8に示すように、第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dを、第一係合部11aに対して円弧状の凹部に形成したものであっても良い。
硬化後の硬化剤Kを圧縮したときに圧縮力が分散方向に向かう構成のものだと、硬化剤Kが割れやすくなるが、上記構成のものだと、係合部周縁補強板部7Dにより形成された凹部空間S内に充填された硬化剤Kに対して、第二係合部12aの周縁竪補強板部7Aから伝達される曲げ外力が係合部周縁補強板部7Dの円弧中心方向に向けた圧縮力として作用するから、硬化剤K自体を割れ難くすることができる。
また、例えば、図9に示すように、夫々の分割受圧板10(本実施形態では4本)における係合部周縁補強板部7Dを、係止部本体14に対して円弧状の凹部に形成すると共に、夫々の前記係合部周縁補強板部7Dに対向する係止部本体部分を、係合部周縁補強板部7Dに対して円弧状の凹部に形成し、係止部本体14に前記分割受圧板10を取付けて十字型に形成したときに、夫々の分割受圧板10とその分割受圧板10に対向する係止部本体部分との間に形成される空間S部に硬化剤Kを充填する構成のものであっても良い。これだと、第二係合部12aの周縁竪補強板部7Aから伝達される曲げ外力が、係止部本体14及び係合部周縁補強板部7Dに形成してある両凹部により両円弧中心方向に向けた圧縮力として作用するため、さらに、硬化剤K自体を割れ難くすることができる。
【0025】
〈3〉上記実施の形態に於いては、第一係合部11aと第二係合部12aとの係合面は接当させるだけであったが、図10に示すように、第一係合部11aに位置決め用の突起を設けると共に、第二係合部12aに前記位置決め用の突起15が係合する係合凹部16を設けたものであっても良い。
これだと、第一係合部11aと第二係合部12aとを係合させる際の芯合わせが容易となる。
【0026】
〈4〉上記実施の形態に於いては、アンカー工法用受圧板を、十字型に形成した例について図示説明したが、前記アンカー工法用受圧板は、図示の形状に限るものではなく、放射状に形成してあればよい。例えば径方向の五方向に突出形成した放射状のものであってもよく、これが径方向の六方向に突出した放射形状のものであってもよい。
【0027】
〈5〉上記実施の形態に於いては、縦貫竪補強板部7Bと、周縁竪補強板部7Aと、横方向竪補強板部7Cと、その横方向竪補強板部7Cの一部である係合部周縁補強板部7Dと、係止部竪補強板部7Eと、アンカー挿通部竪補強板部7Fとを竪補強板部7として設ける例について説明したが、竪補強板部7の内、横方向竪補強板部7Cは係合部周縁補強板部7Dを除いて省略可能であり、係合部周縁補強板部7Dの間に亘って連接された部分を除く周縁竪補強板部7Aと、縦貫竪補強板部7Bとの中の何れか一部は省略することが可能である。また、図示した例においては、縦貫竪補強板部7Bはアンカー挿通部5におけるアンカー挿通孔5aの中心線上のみに設ける例を示したが、これに並列して縦貫竪補強板部7Bを複数設けてあってもよい。尚、並列して設ける縦貫竪補強板部7Bも、係合部周縁補強板部7Dと一体に連設してあることが好ましい。
【0028】
〈6〉上記実施の形態に於いては、竪補強板部7は、何れも、係止部6からの離間距離と共に次第に低くなるように形成すればさらによいとして説明したが、前記竪補強板部7を全長にわたって同じ高さに形成してあってもよく、係止部6からの離間距離と共に次第に高くなるように形成してあってもよい。さらに、前記竪補強板部7を段階的に高さを異ならせて形成してあってもよい。尚、横方向竪補強板部7Cは、幅方向中央部に設けられる縦貫竪補強板部7Bから左右に次第に高さが低くなるように形成してあれば、所要曲げ強度を受圧板に付与しながら、さらに軽量化できる。
【0029】
〈7〉上記実施形態に於いては、硬化剤Kを充填可能な空間Sを形成するのに、第二係合部12aの開口寸法よりも第一係合部11aの外形寸法を小さく形成し、両者を係合させたときの前記寸法差により空間Sを形成していたが、上記構成に限定されることはなく、スペーサ機構Mを第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aと第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dとの間に設けて空間Sを形成する構成のものであっても良い。これだと、空間Sを形成する際の設定間隔を保持することができるため、分割受圧板11,12を組み付ける際に位置ずれを生じることがなく、組み付け精度を向上させることができる。
例えば、図11に示すように、第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aと、第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dとの間にワッシャー20(スペーサ機構Mの一例)を介在させて、ボルト21及びナット22で締め付け固定することにより硬化剤K充填用の空間Sを形成する。このとき、ワッシャー20を設定間隔の厚みに形成することによって硬化剤K充填用空間Sの間隔を設定間隔に保持することができる。
尚、前記スペーサ機構は、別体のスペーサ部材を、第一係合部もしくは第二係合部のどちらかに溶接固定して構成するものであっても良いし、単に第一係合部と第二係合部との間に挟み込んで構成するものであっても良い。または、予め第一係合部もしくは第二係合部の何れかに一体形成してある構成のものであっても良い。
また、図12に示すように第一係合部11aと第二係合部12aとの間に楔部材23を打ち込むことで硬化剤K充填用空間Sを設定間隔に保持する構成であっても良い。
【0030】
〈8〉上記実施形態に於いては、硬化剤を充填可能な空間を、第一係合部における周縁竪補強板部と第二係合部における係合部周縁補強板部との間夫々に設けた例について説明したが、前記空間Sは例えば図13に示すように、一方だけに設けたものであっても良い。これだと、硬化剤Kの充填箇所が一箇所になるため硬化剤K充填の手間を軽減することができる。
【0031】
〈9〉上記実施形態では、受圧板を金属材料の一例であるダクタイル鋳鉄製のものについて説明したが、鋼製、又は、樹脂製のものにおいても本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンカー工法用受圧板の接地状態を示す縦断側面図
【図2】本発明に係るアンカー工法用受圧板を示す分解斜視図
【図3】本発明に係るアンカー工法用受圧板を示す組み付け斜視図
【図4】本発明に係るアンカー工法用受圧板を示す平面図
【図5】本発明に係るアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図6】本発明に係るアンカー工法用受圧板の組み付け状態を示す説明図
【図7】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図8】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図9】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図10】別実施形態のアンカー工法用受圧板の組み付け説明図
【図11】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大断面図
【図12】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大断面図
【図13】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図14】従来のアンカー工法用受圧板の組み付け説明図
【符号の説明】
3 接地底板部
5a アンカー挿通孔
6 係止部
7A 周縁竪補強板部
7B 縦貫竪補強板部
7C 横方向竪補強板部
7D 係合部周縁補強板部
8 アンカー部材
10 分割受圧板
11 第一分割受圧板
12 第二分割受圧板
13 突出リブ
F 法面
K 硬化剤
S 空間
M スペーサ機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した複数の分割受圧板で構成してあり、前記分割受圧板夫々に、法面に接地自在な接地底板部と、前記分割受圧板の長さ方向に沿って前記接地底板部に立設された縦貫竪補強板部と、前記接地底板部の周縁部に沿って立設してある周縁竪補強板部とを備えて、前記分割受圧板の中で、上側に配置する第一分割受圧板に、その下部を切り欠いた第一係合部を形成すると共に、下側に配置する第二分割受圧板に、その上部を切り欠いて前記第一係合部と相互に係合自在な第二係合部を形成し、アンカー部材を係止可能な係止部を、前記第一係合部に設けると共に、前記アンカー部材を挿通自在なアンカー挿通部を前記第二係合部に設け、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、地中に係止した前記アンカー部材を前記アンカー挿通部に挿通して前記係止部に係止することで、法面に圧接して地すべりや法面崩壊を防止するアンカー工法用受圧板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のアンカー工法用受圧板としては、上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した複数の分割受圧板のうち、第一分割受圧板の下部を切り欠いて形成した第一係合部と、第二分割受圧板の上部を切り欠いて形成した第二係合部とを互いに係合させて一体化させた受圧板を、地中に係止したアンカー部材を用いて法面に圧接して地すべりや法面崩壊を防止していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
地中に係止したアンカー部材を用いて法面に圧接したとき、法面から受ける反力により、受圧板の端部が反り上がろうとする曲げ外力が作用する。そのため、前記第一係合部と前記第二係合部とを係合させたときに、両係合部間に隙間が形成されていると、その隙間分だけ受圧板端部の反り上がり移動が可能となるため受圧板が変形する可能性を生じる。
そこで、従来のアンカー工法用受圧板によれば、図14に示すように、第一係合部11aと第二係合部12aとを係合させたときにその両係合面全てを隙間なく接当するように両係合部11a,12aを製作して、曲げ外力Gによる反り上がり移動を前記両係合部11a,12aの接当により不能にし、受圧板1の変形を防止していた。
ところが、両係合部11a,12aにおける係合面の全てを隙間なく接当するように製作するには、高い製作精度が要求されるため製作に多くの手間がかかるものとなるだけでなく、両係合部11a,12aにおける係合面の全てを隙間なく接当するように製作したものだと、係合させ難くなるため係合作業が困難なものとなる。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、曲げ外力による受圧板の変形を防止できると共に、係合部の製作が容易であり、且つ、両係合部の係合作業が簡単なアンカー工法用受圧板を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
請求項1の発明の特徴構成は図1〜4,6に例示するごとく、上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した複数の分割受圧板10で構成してあり、前記分割受圧板10夫々に、法面Fに接地自在な接地底板部3と、前記分割受圧板10の長さ方向に沿って前記接地底板部3に立設された縦貫竪補強板部7Bと、前記接地底板部3の周縁部に沿って立設してある周縁竪補強板部7Aとを備えて、前記分割受圧板10の中で、上側に配置する第一分割受圧板11に、その下部を切り欠いた第一係合部11aを形成すると共に、下側に配置する第二分割受圧板12に、その上部を切り欠いて前記第一係合部11aと相互に係合自在な第二係合部12aを形成し、アンカー部材8を係止可能な係止部6を、前記第一係合部11aに設けると共に、前記アンカー部材8を挿通自在なアンカー挿通部5aを前記第二係合部12aに設け、前記第一、第二係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、地中に係止した前記アンカー部材8を前記アンカー挿通部5aに挿通して前記係止部6に係止することで、法面Fに圧接して地すべりや法面崩壊を防止するアンカー工法用受圧板であって、前記接地底板部3に、前記縦貫竪補強板部7Bと前記周縁竪補強板部7Aの間に立設された横方向竪補強板部7Cの中で前記アンカー挿通部5aに近接し、且つ、幅方向両側の前記周縁竪補強板部7Aの間に亘って連設した前記横方向竪補強板部7Cを係合部周縁補強板部7Dとして設けて、前記第一、第二係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、前記第一係合部11aにおける前記周縁竪補強板部7Aと前記第二係合部12aにおける前記係合部周縁補強板部7Dとの間に、硬化剤Kを充填可能な空間Sを形成してあるところにある。
【0006】
請求項2の発明の特徴構成は図5に例示するごとく、前記第一、第二係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、前記第二係合部12aにおける前記周縁竪補強板部7Aの端部位置が、前記第一係合部11aにおける前記横方向竪補強板部7Cの横長手軸X上にくるように、前記周縁竪補強板部7Aと前記横方向竪補強板部7Cとを配置形成してあるところにある。
【0007】
請求項3の発明の特徴構成は図7に例示するごとく、前記第一、第二係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、前記第二係合部12aにおける前記係合部周縁補強板部7Dの横側部から前記第一分割受圧板11の長手方向に沿って突出する突出リブ13を設けてあるところにある。
【0008】
請求項4の発明の特徴構成は図11に例示するごとく、前記空間Sを形成するのに、前記第一係合部11aにおける前記周縁竪補強板部7Aと前記第二係合部12aにおける前記係合部周縁補強板部7Dとの間隔を設定維持するスペーサ機構Mを設けてあるところにある。
【0009】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0010】
〔作用及び効果〕
請求項1の発明により、前記接地底板部に、前記縦貫竪補強板部と前記周縁竪補強板部の間に立設された横方向竪補強板部の中で前記アンカー挿通部に近接し、且つ、幅方向両側の前記周縁竪補強板部の間に亘って連設した前記横方向竪補強板部を係合部周縁補強板部として設けて、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間に、硬化剤を充填可能な空間を形成してあるから、係合部の製作が容易となると共に、両係合部の係合作業を簡単に行えながらも、曲げ外力による受圧板の変形を防止することができる。
つまり、地中に係止したアンカー部材を用いて受圧板を法面に圧接したとき、法面から受ける反力により受圧板の端部が反り上がろうとする曲げ外力が作用するが、下部を切り欠いて形成した第一係合部は、その切り欠きの上方の連設部によって曲げ外力による反り上がりに対抗させると共に、上部を切り欠いて形成した第二係合部は、その切り欠き端部を、対向する前記第一係合部における切り欠きの上方の側板に対してその全てを隙間なく接当させることで曲げ外力による反り上がりに対抗させるべく、係合部における係合面の全てを隙間なく接当するように製作するには、高度な製作精度が要求されるため製作に多くの手間が必要となるだけでなく、両係合部を係合させ難いものとなるが、本願のものだと、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間に積極的に空間を形成して製作するため、高い製作精度を要求されることなく、製作が容易なものとなると共に、両係合部を互いに係合させる際に係合させ易くなる。
さらに、係合させた後で前記空間内に硬化剤を充填することによって、前記第二係合部の切り欠き端部を、硬化剤を介して前記第一係合部における切り欠きの上方の側板に隙間なく接当させた状態に一体化させることができるから、曲げ外力による反り上がりを防止することができる。
その結果、受圧板の製作性の向上、及び分割受圧板どうしの係合作業の作業性を向上させることができると共に、曲げ外力により受圧板の変形を防止できるアンカー工法用受圧板を提供できるようになった。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第二係合部における前記周縁竪補強板部の端部位置が、前記第一係合部における前記横方向竪補強板部の横長手軸上にくるように、前記周縁竪補強板部と前記横方向竪補強板部とを配置形成してあるから、曲げ外力に対する受圧板の対抗力を向上させることができる。
つまり、例えば、第二係合部における周縁竪補強板部の端部位置が、第一係合部における横方向竪補強板部の横長手軸からずれていると、第二係合部における一方の周縁竪補強板部から伝達される曲げ外力を、第一係合部を挟んで反対側に位置する他方の周縁竪補強板部に有効に伝達することが困難となるが、本願のものだと、第二係合部における周縁竪補強板部の端部位置が、前記第一係合部における前記横方向竪補強板部の横長手軸上にくるように配置形成してあるから、第二係合部における一方の周縁竪補強板部から伝達される曲げ外力を、第一係合部の横方向竪補強板部を介して反対側に位置する他方の周縁竪補強板部に有効に伝達することができるようになるため、前記両周縁竪補強板部が共働で補強し合うように作用して曲げ外力に対して対抗することができる。
その結果、周縁竪補強板部と横方向竪補強板部との配置を変更するだけで、曲げ外力に対する受圧板の対抗力を向上させることができるようになった。
【0012】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部の横側部から前記第一分割受圧板の長手方向に沿って突出する突出リブを設けてあるから、前記係合部周縁補強板部の横側部位置にまで硬化剤を簡単確実に充填することができる。
つまり、例えば、第二係合部に作用する曲げ外力は、係合部周縁補強板部から硬化剤を介して第一係合部に伝達されるが、横側部が開放している空間内に硬化剤を充填した場合、横側部では硬化剤が流出し易くなるため、他の部分と同等な密度に硬化剤を充填することは困難である(密度が低くなる虞がある。)と共に、硬化後においても横側部近傍の硬化剤は応力がかかると割れ易いから、横側部近傍において硬化剤を介した応力の伝達を確実に行うことができなくなる。そのため、幅方向両側の周縁竪補強板部の間に亘って連設した前記係合部周縁補強板部の横側部が、前記両周縁竪補強板部と同じ位置にあるものだと、第二係合部における一方の周縁竪補強板部から伝達される曲げ外力を、硬化剤を介して第一係合部に確実に伝達できなくなる場合があるが、本件のものだと、突出リブによって横側部の位置を、前記両周縁竪補強板部よりも横外方に形成してあるため、横側部近傍で硬化剤の密度が低くなったり、応力による割れを生じたとしても、その影響を受けることなく、前記両周縁竪補強板部と第一係合部との間に設定密度の硬化剤を存在させることができる。
その結果、第二係合部における一方の周縁竪補強板部から伝達される曲げ外力を、硬化剤を介して確実に第一係合部に伝達することができるようになった。
【0013】
請求項4の発明によれば、請求項1〜3の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記空間を形成するのに、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間隔を設定維持するスペーサ機構を設けてあるから、従来に比して、係合部の製作が容易となると共に、両係合部の係合作業を簡単に行える。
つまり、本願のものは、スペーサ機構を、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間全てに設ける必要がなく、部分的に設けるだけで硬化剤充填用の空間を設定維持することが可能なため、要求されるのはスペーサ機構における接当面の製作精度だけとなる。よって、両係合部における係合面の全てを接当させる必要のある従来のものに比して、製作精度を高く要求されないためにその製作が容易となる。
その結果、従来に比して、受圧板の製作性の向上、及び分割受圧板どうしの係合作業の作業性を向上させることができるようになった。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
【0015】
アンカー工法用受圧板は、図1に示すように、地山Bの地中に係止したアンカー部材8を用いて法面Fに圧接して地すべりや法面崩壊を防止するのに用いられるものである。その受圧板1は、金属材料の一種であるダクタイル鋳鉄で形成して、法面Fに接地自在な接地底板部3と、接地底板部3に形成すると共にアンカー部材8を挿通可能なアンカー挿通部5と、アンカー挿通部5に挿通したアンカー部材8を係止可能な受け座6bを備えた係止部6と、接地底板部3に立設された竪補強板部7とを備え、竪補強板部7は、周縁竪補強板部7Aと、係止部6に一体に連接された縦貫竪補強板部7Bと、横方向竪補強板部7Cとからなるものである。
前記受圧板1は、例えば、図2乃至図4に示すように、十字型に形成し、上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した、複数の分割受圧板10で構成する。
【0016】
前記受圧板1は、図2に示すように、二つの分割受圧板10として構成し、第一分割受圧板11を第二分割受圧板12に組み付けて構成するが、係止部6は第一分割受圧板11に設け、アンカー挿通部5は第二分割受圧板12に設ける。この両分割受圧板11,12の組み付けの時期は、受圧板1を法面Fに設置する前であることが両分割受圧板10の組み付けの作業性の面からは好ましいが、法面Fに第二分割受圧板12を配置した後に、第一分割受圧板11を法面Fに仮設置してある第二分割受圧板12に組み付け、アンカー部材8に締結部材9を螺合して締結するようにしてもよい。夫々の分割受圧板10には、上述のように、竪補強板部7として、接地底板部3に、径方向に沿って立設された縦貫竪補強板部7Bと、接地底板部3の周縁部に沿って立設された周縁竪補強板部7Aと、立設された縦貫竪補強板部7Bと一体に連設され、且つ、両側の周縁竪補強板部7Aにも一体に連設して立設された横方向竪補強板部7Cとを設ける。そして、分割受圧板10の中、上側に重ねられる第一分割受圧板11には、その下部を切り欠いた第一係合部11aを形成し、下側に重ねられる第二分割受圧板12には、その上部を切り欠いて前記第一係合部11aと相互に係合自在な第二係合部12aを形成する。そして、図3に示すように、アンカー部材8を係止可能な係止部6を、第一係合部11aに設けると共に、アンカー部材8を挿通自在なアンカー挿通部5を第二係合部に設け、両係合部11a,12aを互いに係合させた状態で、地中に係止したアンカー部材8を前記アンカー挿通部5に挿通して係止部6に係止することで、一体とした受圧板1を法面Fに圧接するのである。
【0017】
前記第一分割受圧板11においては、図2,3に示すように、第一係合部11aに、アンカー部材8を挿通自在な貫通孔6aを備えて、その貫通孔6aに挿通したアンカー部材8を係止可能な受け座6bを立設してある係止部6を設ける。その受け座6bと係止部6における周縁竪補強板部7Aとの間に連設された係止部竪補強板部7Eを立設して、周縁竪補強板部7Aを補強すると共に受け座6bを補強し、さらに、横方向竪補強板部7Cの中で横方向竪補強板部7Cの中で係止部6に近接し、且つ、幅方向両側の周縁竪補強板部7Aの間に亘って連設した横方向竪補強板部7Cを、係止部6の周壁部である係合部周縁補強板部7Dとし、その係合部周縁補強板部7Dと前記受け座6bとの間にも係止部竪補強板部7Eを連設して立設し、係止部6における接地底板部3を、径方向の曲げ外力Gに対して補強する。
【0018】
また、前記第二分割受圧板12においては、図2,3に示すように、第二係合部12aにアンカー挿通孔5aと、アンカー挿通孔5aの周縁部で接地底板部3上に立設された立設筒部5bとをアンカー挿通部5に設ける。さらに、横方向竪補強板部7Cの中でアンカー挿通部5に近接し、且つ、幅方向両側の周縁竪補強板部7Aの間に亘って連設した横方向竪補強板部7Cを、アンカー挿通部5の周壁部である係合部周縁補強板部7Dとする。その係合部周縁補強板部7Dと立設筒部5bとの間に連設されたアンカー挿通部竪補強板部7Fを、縦貫竪補強板部7Bの一部として立設し、アンカー挿通部5における接地底板部3を、径方向の曲げ外力に対して補強し、さらに、立設筒部5bとアンカー挿通部5における周縁竪補強板部7Aとの間に連設されたアンカー挿通部竪補強板部7Fを立設して、周縁竪補強板部7Aを補強する。尚、竪補強板部7は、何れも、係止部6からの離間距離の増大と共に次第に低くなるように形成すればさらによい。
【0019】
前記第二係合部12aにおける前記係合部周縁補強板部7Dは、図6に示すように、その上端を径方向外方側に傾斜させて形成し、第一係合部11aと第二係合部12aとを互いに係合させた状態で、第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aと第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dとの間に空間Sが形成されるようにしてある。
尚、上記で係合部周縁補強板部7Dの上端を径方向外方側に傾斜させた例について説明したが、第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aと第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dとの間に空間Sが形成されるなら、特に係合部周縁補強板部7Dを傾斜させて形成する必要はない。
そして、この空間Sを形成することによって、係合部どうしを隙間なく接当するように製作する必要がなくなるため、製作が容易なものとなると共に、両係合部11a,12aを互いに係合させる際の係合操作が容易となる。さらに、係合させた後で、空間S内にモルタル(硬化剤Kの一例)を充填することによって、係合部周縁補強板部7Dを、第一係合部11aにおける切り欠きの上方の周縁竪補強板部7Aに対して、モルタルを介して隙間なく接当させた状態に一体化させることができるから、曲げ外力Gによる反り上がりを防止して第二分割受圧板12の変形を防止することができる。
【0020】
図5に示すように、前記第二係合部12aにおける周縁竪補強板部7Aと第一係合部11aにおける横方向竪補強板部7Cとは、第一係合部11aと第二係合部12aとを互いに係合させた状態で、第二係合部12aにおける周縁竪補強板部7Aの端部位置が、第一係合部11aにおける横方向竪補強板部7Cの横長手軸X上にくるように配置形成されている。
そして、上記構成により、第二係合部12aにおける一方の周縁竪補強板部7Aから伝達される曲げ外力Gを、第一係合部11aの横方向竪補強板部7Cを介して反対側に位置する他方の周縁竪補強板部7Aに有効に伝達することができるようになるため、両周縁竪補強板部7Aを共働で補強し合うように作用させて曲げ外力Gに対して対抗させる。
【0021】
上記のように、前記両分割受圧板11,12同士に、上下一方を切り欠いて形成した、相互に係合自在な係合部2を形成するには、上側に配置する第一分割受圧板11に、係止部6の下方を切り欠いて第一係合部11aを形成し、下側に配置する第二分割受圧板12には、アンカー挿通部5の上方を切り欠いて第二係合部12aを形成する。両係合部11a,12aを互いに係合させる係合部2は、両分割受圧板11,12を組み合わせた状態において、両分割受圧板11,12における接地底板部3の両接地面3aが、互いに同一面上に位置するように両係合部11a,12aを形成することが望ましい。
【0022】
〔別実施形態〕
次に、上記実施の形態において説明しなかった本発明の他の実施の形態について説明する。
【0023】
〈1〉上記実施の形態に於いては、第二係合部12aにおける幅方向両側の周縁竪補強板部7Aの間に亘って連設した係合部周縁補強板部7Dの横側部が、両周縁竪補強板部7Aと同じ位置にあるものについて説明したが、図7に示すように、突出リブ13によって横側部の位置を、両周縁竪補強板部7Aよりも横外方に形成したものであっても良い。
これだと、横側部近傍で硬化剤Kの密度が低くなったり、応力による割れを生じたとしても、その影響を受けることなく、両周縁竪補強板部7Aと第一係合部11aとの間に設定密度の硬化剤Kを存在させることができるため、第二係合部12aにおける一方の周縁竪補強板部7Aから伝達される曲げ外力Gを、硬化剤Kを介して確実に第一係合部11aに伝達することができる。
【0024】
〈2〉上記実施の形態に於いては、第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dの形状を、第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aに沿う略平行形状に形成したものについて説明したが、例えば、図8に示すように、第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dを、第一係合部11aに対して円弧状の凹部に形成したものであっても良い。
硬化後の硬化剤Kを圧縮したときに圧縮力が分散方向に向かう構成のものだと、硬化剤Kが割れやすくなるが、上記構成のものだと、係合部周縁補強板部7Dにより形成された凹部空間S内に充填された硬化剤Kに対して、第二係合部12aの周縁竪補強板部7Aから伝達される曲げ外力が係合部周縁補強板部7Dの円弧中心方向に向けた圧縮力として作用するから、硬化剤K自体を割れ難くすることができる。
また、例えば、図9に示すように、夫々の分割受圧板10(本実施形態では4本)における係合部周縁補強板部7Dを、係止部本体14に対して円弧状の凹部に形成すると共に、夫々の前記係合部周縁補強板部7Dに対向する係止部本体部分を、係合部周縁補強板部7Dに対して円弧状の凹部に形成し、係止部本体14に前記分割受圧板10を取付けて十字型に形成したときに、夫々の分割受圧板10とその分割受圧板10に対向する係止部本体部分との間に形成される空間S部に硬化剤Kを充填する構成のものであっても良い。これだと、第二係合部12aの周縁竪補強板部7Aから伝達される曲げ外力が、係止部本体14及び係合部周縁補強板部7Dに形成してある両凹部により両円弧中心方向に向けた圧縮力として作用するため、さらに、硬化剤K自体を割れ難くすることができる。
【0025】
〈3〉上記実施の形態に於いては、第一係合部11aと第二係合部12aとの係合面は接当させるだけであったが、図10に示すように、第一係合部11aに位置決め用の突起を設けると共に、第二係合部12aに前記位置決め用の突起15が係合する係合凹部16を設けたものであっても良い。
これだと、第一係合部11aと第二係合部12aとを係合させる際の芯合わせが容易となる。
【0026】
〈4〉上記実施の形態に於いては、アンカー工法用受圧板を、十字型に形成した例について図示説明したが、前記アンカー工法用受圧板は、図示の形状に限るものではなく、放射状に形成してあればよい。例えば径方向の五方向に突出形成した放射状のものであってもよく、これが径方向の六方向に突出した放射形状のものであってもよい。
【0027】
〈5〉上記実施の形態に於いては、縦貫竪補強板部7Bと、周縁竪補強板部7Aと、横方向竪補強板部7Cと、その横方向竪補強板部7Cの一部である係合部周縁補強板部7Dと、係止部竪補強板部7Eと、アンカー挿通部竪補強板部7Fとを竪補強板部7として設ける例について説明したが、竪補強板部7の内、横方向竪補強板部7Cは係合部周縁補強板部7Dを除いて省略可能であり、係合部周縁補強板部7Dの間に亘って連接された部分を除く周縁竪補強板部7Aと、縦貫竪補強板部7Bとの中の何れか一部は省略することが可能である。また、図示した例においては、縦貫竪補強板部7Bはアンカー挿通部5におけるアンカー挿通孔5aの中心線上のみに設ける例を示したが、これに並列して縦貫竪補強板部7Bを複数設けてあってもよい。尚、並列して設ける縦貫竪補強板部7Bも、係合部周縁補強板部7Dと一体に連設してあることが好ましい。
【0028】
〈6〉上記実施の形態に於いては、竪補強板部7は、何れも、係止部6からの離間距離と共に次第に低くなるように形成すればさらによいとして説明したが、前記竪補強板部7を全長にわたって同じ高さに形成してあってもよく、係止部6からの離間距離と共に次第に高くなるように形成してあってもよい。さらに、前記竪補強板部7を段階的に高さを異ならせて形成してあってもよい。尚、横方向竪補強板部7Cは、幅方向中央部に設けられる縦貫竪補強板部7Bから左右に次第に高さが低くなるように形成してあれば、所要曲げ強度を受圧板に付与しながら、さらに軽量化できる。
【0029】
〈7〉上記実施形態に於いては、硬化剤Kを充填可能な空間Sを形成するのに、第二係合部12aの開口寸法よりも第一係合部11aの外形寸法を小さく形成し、両者を係合させたときの前記寸法差により空間Sを形成していたが、上記構成に限定されることはなく、スペーサ機構Mを第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aと第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dとの間に設けて空間Sを形成する構成のものであっても良い。これだと、空間Sを形成する際の設定間隔を保持することができるため、分割受圧板11,12を組み付ける際に位置ずれを生じることがなく、組み付け精度を向上させることができる。
例えば、図11に示すように、第一係合部11aにおける周縁竪補強板部7Aと、第二係合部12aにおける係合部周縁補強板部7Dとの間にワッシャー20(スペーサ機構Mの一例)を介在させて、ボルト21及びナット22で締め付け固定することにより硬化剤K充填用の空間Sを形成する。このとき、ワッシャー20を設定間隔の厚みに形成することによって硬化剤K充填用空間Sの間隔を設定間隔に保持することができる。
尚、前記スペーサ機構は、別体のスペーサ部材を、第一係合部もしくは第二係合部のどちらかに溶接固定して構成するものであっても良いし、単に第一係合部と第二係合部との間に挟み込んで構成するものであっても良い。または、予め第一係合部もしくは第二係合部の何れかに一体形成してある構成のものであっても良い。
また、図12に示すように第一係合部11aと第二係合部12aとの間に楔部材23を打ち込むことで硬化剤K充填用空間Sを設定間隔に保持する構成であっても良い。
【0030】
〈8〉上記実施形態に於いては、硬化剤を充填可能な空間を、第一係合部における周縁竪補強板部と第二係合部における係合部周縁補強板部との間夫々に設けた例について説明したが、前記空間Sは例えば図13に示すように、一方だけに設けたものであっても良い。これだと、硬化剤Kの充填箇所が一箇所になるため硬化剤K充填の手間を軽減することができる。
【0031】
〈9〉上記実施形態では、受圧板を金属材料の一例であるダクタイル鋳鉄製のものについて説明したが、鋼製、又は、樹脂製のものにおいても本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンカー工法用受圧板の接地状態を示す縦断側面図
【図2】本発明に係るアンカー工法用受圧板を示す分解斜視図
【図3】本発明に係るアンカー工法用受圧板を示す組み付け斜視図
【図4】本発明に係るアンカー工法用受圧板を示す平面図
【図5】本発明に係るアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図6】本発明に係るアンカー工法用受圧板の組み付け状態を示す説明図
【図7】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図8】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図9】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図10】別実施形態のアンカー工法用受圧板の組み付け説明図
【図11】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大断面図
【図12】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大断面図
【図13】別実施形態のアンカー工法用受圧板を示す要部拡大図
【図14】従来のアンカー工法用受圧板の組み付け説明図
【符号の説明】
3 接地底板部
5a アンカー挿通孔
6 係止部
7A 周縁竪補強板部
7B 縦貫竪補強板部
7C 横方向竪補強板部
7D 係合部周縁補強板部
8 アンカー部材
10 分割受圧板
11 第一分割受圧板
12 第二分割受圧板
13 突出リブ
F 法面
K 硬化剤
S 空間
M スペーサ機構
Claims (4)
- 上下に重ねて組み合わせ可能に分割形成した複数の分割受圧板で構成してあり、前記分割受圧板夫々に、法面に接地自在な接地底板部と、前記分割受圧板の長さ方向に沿って前記接地底板部に立設された縦貫竪補強板部と、前記接地底板部の周縁部に沿って立設してある周縁竪補強板部とを備えて、前記分割受圧板の中で、上側に配置する第一分割受圧板に、その下部を切り欠いた第一係合部を形成すると共に、下側に配置する第二分割受圧板に、その上部を切り欠いて前記第一係合部と相互に係合自在な第二係合部を形成し、アンカー部材を係止可能な係止部を、前記第一係合部に設けると共に、前記アンカー部材を挿通自在なアンカー挿通部を前記第二係合部に設け、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、地中に係止した前記アンカー部材を前記アンカー挿通部に挿通して前記係止部に係止することで、法面に圧接して地すべりや法面崩壊を防止するアンカー工法用受圧板であって、前記接地底板部に、前記縦貫竪補強板部と前記周縁竪補強板部の間に立設された横方向竪補強板部の中で前記アンカー挿通部に近接し、且つ、幅方向両側の前記周縁竪補強板部の間に亘って連設した前記横方向竪補強板部を係合部周縁補強板部として設けて、前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間に、硬化剤を充填可能な空間を形成してあるアンカー工法用受圧板。
- 前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第二係合部における前記周縁竪補強板部の端部位置が、前記第一係合部における前記横方向竪補強板部の横長手軸上にくるように、前記周縁竪補強板部と前記横方向竪補強板部とを配置形成してある請求項1記載のアンカー工法用受圧板。
- 前記第一、第二係合部を互いに係合させた状態で、前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部の横側部から前記第一分割受圧板の長手方向に沿って突出する突出リブを設けてある請求項1又は2に記載のアンカー工法用受圧板。
- 前記空間を形成するのに、前記第一係合部における前記周縁竪補強板部と前記第二係合部における前記係合部周縁補強板部との間隔を設定維持するスペーサ機構を設けてある請求項1〜3に記載のアンカー工法用受圧板。
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