JP2003027894A - 合成セグメント - Google Patents

合成セグメント

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JP2003027894A JP2001214008A JP2001214008A JP2003027894A JP 2003027894 A JP2003027894 A JP 2003027894A JP 2001214008 A JP2001214008 A JP 2001214008A JP 2001214008 A JP2001214008 A JP 2001214008A JP 2003027894 A JP2003027894 A JP 2003027894A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成が簡潔で、しかも中詰コンクリートとスキ
ンプレートを一体強化できる合成セグメントを提供す
る。 【解決手段】 シールドトンネルの覆工構造体を構成す
るセグメントであって、少なくとも2本の主桁11と2
つの継手板12とスキンプレート13を有し、かつ、1
本または複数本の略H形状のずれ止め14が主桁11間
に設けられると共に、そのウェブ14aをトンネルの中
心方向に向けて配置され、セグメント内部に中詰コンク
リート16が充填されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールドトンネル
の一次覆工体として用いられる鋼製または球状黒鉛鋳鉄
製のセグメント構造にコンクリートを中詰めして構成さ
れる合成セグメントに係り、特に大深度トンネルの一次
覆工体に好適した合成セグメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、シールドトンネルは大口径化およ
び大深度化が進んでいる。大深度トンネルとは、通常、
地下約40メートル以上の地中に掘削するトンネルをい
い、以下、本発明で大深度トンネルというときはこの意
味で用いる。この大深度トンネルの掘削に際しても、従
来は、通常のシールドトンネルの掘進に用いるのと同じ
合成セグメントが用いられている。
【0003】合成セグメントとしては、例えば、特許第
2629919号に示される合成セグメントが知られて
いる。この先行特許に示されるごとく、これまでの合成
セグメントは、鋼製の主桁と継手板と、トンネルの内外
面となる2つの面に配置のスキンプレートの各部材を組
立てセグメント枠体を構成し、前記スキンプレートに何
らかのずれ止めを配置した上で、セグメント枠体内部に
コンクリートを充填し、セグメント外面を覆う鋼材(ス
キンプレート様鋼材)と内部のコンクリートをずれ止め
により一体化して、鋼材とコンクリートの合成効果を発
揮させるものであった。
【0004】しかし、セグメント外面がすべて鋼材(ス
キンプレート様鋼材)で覆われたセグメントの内部にコ
ンクリートを密実に充填するには、非常な困難を伴うこ
と、また、コンクリートと鋼材(スキンプレート様鋼
材)とを一体化させるために当該スキンプレートにずれ
止めを配置する作業が煩雑であることなどの理由によ
り、特開平9−105297号、特開平9−14449
1号などに示される合成セグメントでは、トンネルの内
空側となる面のスキンプレートに開口率の大きい切欠き
を設け、コンクリートの中詰め作業を容易にするよう工
夫がなされている。
【0005】当然のことながら、特開平9−10529
7号、特開平9−144491号に示される合成セグメ
ントは、特許第2629919号に示される合成セグメ
ントに比較すると、トンネルの内空側となる面のスキン
プレートに開口率の大きい切欠きを設けた分、鋼材(ス
キンプレート様鋼材)とコンクリートの合成効果が低減
することとなる。
【0006】しかし、セグメント枠体の組立て、内部へ
のコンクリート充填作業を含めたセグメント全体の製作
にかかる費用という面から考慮すれば、特開平9−10
5297号、特開平9−144491号に示される合成
セグメントは、特許第2629919号に示される合成
セグメントに比較すると、わずかながらではあるが、安
価に製作することが可能であり、製品の品質の良否に関
しても直接的に確認できるというメリットを有してい
る。
【0007】また、特開平8−326491号に示され
る合成セグメントは、セグメントのトンネル内空側とな
る面にスキンプレートを配置しているが、セグメントの
トンネル外面側となる面には、スキンプレートがなく、
代わりにセグメント高さ方向でセグメントの内部となる
位置に鋼材(スキンプレート様鋼材)を配置し、この鋼
材にずれ止めを設置して合成効果を発揮させている。
【0008】前記のごとく、従来の合成セグメントは、
セグメントのトンネル内空側およびトンネル外面側とな
る面にスキンプレート様の鋼材を配置し、この鋼材にず
れ止めを配置して鋼材とコンクリートの合成効果を発揮
させるものであった。
【0009】これらの合成セグメントは、鋼材(スキン
プレート様鋼材)とコンクリートとのずれを無くすこと
で、鋼材とコンクリートの合成効果を発揮させるもので
あるが、ずれ止めの設置作業が煩雑なこと、セグメント
内部にコンクリートを密実に充填する作業が困難なこと
などから、従来、シールドトンネルの一次覆工体として
用いられてきた鋼製セグメントまたは鉄筋コンクリート
製セグメントまたはダクタイル製セグメントに比較する
と高価なセグメントとなっていた。
【0010】また、スキンプレートとコンクリートを合
成化するセグメントでは、曲げ力に対しては、スキンプ
レートが有効に作用するものの、圧縮力に対しては難し
い。つまり、圧縮力に対してスキンプレートを有効に作
用させるためには、圧縮力によりスキンプレートがはら
み出すのを防止する必要があり、特に、トンネルの内空
側となる面のスキンプレートに開口率の大きい切欠きを
設けたセグメントの場合、セグメント枠体内にコンクリ
ートを封じ込めることでスキンプレートと一体化するこ
とが一層難しく、スキンプレートがはらみ出すのを防止
するために、ますます多くのずれ止めを設置しなければ
ならなかった。
【0011】つまり、従来のトンネルの内空側となる面
のスキンプレートに開口率の大きい切欠きを設けた合成
セグメントでは、セグメントに作用する曲げ力と圧縮力
の比、曲げ力/圧縮力が大きい場合には有効であるが、
曲げ力/圧縮力が小さい場合には、鋼材(スキンプレー
ト様鋼材)とコンクリートを合成化する効果がなかなか
得られない状況であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近来のシー
ルドトンネルの特徴は、大口径化の傾向と大深度化の傾
向にある。大口径化のシールドトンネルにあっては、セ
グメントに作用する曲げ力/圧縮力大きくなる傾向があ
り、大深度化のシールドトンネルあっては、セグメント
に作用する曲げ力/圧縮力が小さくなるという傾向があ
る。このように大口径化と大深度化の2つの傾向が現在
同時に進行しているが、今後のシールドトンネルでは、
大深度化の場合に前述の点が問題になる。
【0013】つまり、大口径トンネルでは前述のとお
り、鋼材(スキンプレート様鋼材)とコンクリート合成
化はそれほど問題にしなくてよいが、大深度シールドト
ンネルでは、大深度化による曲げ力/圧縮力が小さくな
る傾向が増す、つまり、鋼材とコンクリートとのずれ止
めによる合成効果が得られにくくなると考えられる。ま
た、シールドトンネルの大深度化により地下水圧が従来
に比して飛躍的に大きくなるため、従来のセグメントに
比べ高い止水性が要求されるようになる。
【0014】さらに他の問題として、シールドトンネル
の大口径化は、シールドマシンの大型化および大推力化
を招き、これらの要求を満足できる新たな合成セグメン
トが求められているが、従来のL形状またはT形状の縦
リブを具備した鋼製セグメントでは強度が不足し十分に
対応できない。
【0015】すなわち、従来の鋼製セグメントは、主
桁、継手板、スキンプレート、縦リブから構成されてい
る。前述のように、縦リブは主としてL形状またはT形
状のものが多く、シールドトマシンのジャッキ推力を受
けることを目的としてジャッキ1本当たり2本の縦リブ
が配置され、かつ、土水圧を受けるスキンプレートの支
点として設計され用いられているが、これでは、前述の
とおり縦リブの強度が不足するのである。
【0016】本発明は、前記の課題を解決したもので、
大深度用トンネルに好適するが、勿論、通常のトンネル
にも適用できる合成セグメントを提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、次のように構成する。
【0018】第1の発明は、シールドトンネルの覆工構
造体を構成するセグメントであって、少なくとも2本の
主桁と2つの継手板とスキンプレートを有し、かつ、1
本または複数本の略H形状のずれ止めが前記主桁間に設
けられると共に、そのウェブをトンネルの中心方向に向
けて配置され、セグメント内部にコンクリートが中詰め
されたことを特徴とする。
【0019】第2の発明は、第1の発明における合成セ
グメントであって、当該セグメントの主桁の桁高さhに
対して、H形状のずれ止めがhの0.8〜5.0倍の間
隔で配置されたことを特徴とする。
【0020】第3の発明は、第1または第2の発明にお
ける合成セグメントであって、当該セグメントの主桁と
継手板の何れか一方または、両方にフランジ部材を有す
ることを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明の合成セグメントのずれ止めは、H形状
を有することで、従来の鋼製セグメントにおけるL形状
やT形状の縦リブでは得られない大きな特徴を有してい
る。すなわち、ずれ止めが断面H形状をなしているた
め、主桁とH形状のずれ止めにおけるフランジとウェブ
に囲まれた中詰めコンクリートは完全に拘束されること
になり、セグメントに強大な圧縮、曲げ力が作用した場
合においても、中詰めコンクリートの内部に確実に圧縮
力が発生することとなる。また、スキンプレート3を介
して中詰めコンクリート6に作用する土水圧は、H形状
をしたずれ止め4のトンネル内空側のフランジ4bとウ
ェブ4aを介して、主桁に伝達される。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図3によって本発明を説明
する。
【0023】図1、図3は、合成セグメントの中央部位
置の長手方向縦断面図、図2は、主桁内側面位置の長手
方向縦断面図を示す。当該合成セグメントは、少なくと
も2本の主桁1と、2つの継手板(図に表れない)と、
スキンプレート3と、両主桁1間に配設され、かつ、継
手板方向に所定間隔離して配設されるH形状のずれ止め
4とから構成されている。
【0024】ずれ止め4におけるウェブ4aはトンネル
の中心方向に向けて配置され、一方のフランジ4bはス
キンプレート3と接して配設され、他方のフランジ4c
は主桁1の一側縁と略同じ高さに設けられている。ま
た、セグメントの主桁1の桁高さhに対して、H形状の
ずれ止めは、hの0.8〜5.0倍の範囲内の間隔Wで
配置する。さらに、セグメントの主桁1と継手板2の何
れか一方または、両方にフランジ部材を設けることがあ
る。
【0025】前記のように構成されたセグメント枠体に
おいて、隣り合うずれ止め4における内空側のフランジ
4c間の間隙5から、主桁1と継手板とスキンプレート
3とずれ止め4で形成されるセグメント内空間に、中詰
コンクリート6が充填されている。
【0026】前記構成において、中詰コンクリート6は
硬化した後は、隣り合うフランジ4cと隣り合うウェブ
4aとスキンプレート3で開口部が絞られた袋状の空間
に閉じ込められた態様となり、合成セグメントに圧縮力
または曲げ力が作用する場合には中詰めコンクリートに
確実に圧縮力が発生する。
【0027】すなわち、図1において、合成セグメント
にせん断力が作用すると、隣り合うH形状のずれ止め4
のフランジ4b、4cとウェブ4aの隅角部7を固定点
として中詰コンクリート6に図示矢印(イ)の向い合う
力が作用し、当該中詰コンクリート6に斜線領域で示す
圧縮斜材(ロ)が形成され、セグメント枠体を変形させ
る力に抵抗する。
【0028】また、この圧縮斜材(ロ)の反力として、
H形状のずれ止め4のウェブ4aに図示矢印(ハ)の引
張力が発生するとともに、主桁1には図2に矢印(ニ)
で示すように、隣り合うH形状のずれ止め4のフランジ
4b、4cとウェブ4aの隅角部7であって、中詰コン
クリート6の圧縮斜材(ロ)の固定点でない点に向かう
引張力が発生し、前記の圧縮力および引張力の釣り合い
によりセグメント枠体を変形させる力に抵抗するのであ
る。
【0029】図3は、H形状のずれ止め4が所定の間隔
で複数設けられた合成セグメントにおいて、矢印(ホ)
方向の荷重を載荷した場合に、セグメントに作用するせ
ん断力に抵抗して中詰コンクリート6に発生する圧縮力
と主桁に発生する引張力の関係を示している。
【0030】すなわち、図3において、内空側から矢印
(ホ)方向のかけたとき、中詰コンクリート6が充填さ
れた各H形状のずれ止め4間には、向い合う矢印が発生
する楕円で示す中詰コンクリート6中の圧縮域(ヘ)
と、反対向きの矢印で示す鋼材中の引張域(ト)が形成
され、圧縮域(ヘ)と引張域(ト)が合成されて、結果
的に、せん断に抵抗する領域(チ)と曲げに抵抗する領
域(リ)が形成され、全体として中詰コンクリート6と
H形状のずれ止め4を介して中詰コンクリート6と主桁
との一体化が図られて、合成セグメントにせん断力が作
用し、その結果、合成セグメントに作用する曲げ力が変
化しても中詰コンクリート6に発生する圧縮力および主
桁1に発生する引張力が変化して一体として作用力に抵
抗するのである。
【0031】本発明は前述のように機能し、合成セグメ
ントに作用する曲げモーメントが変化する場合には、必
ずせん断力が作用しているが、H形状のずれ止め4と中
詰コンクリート6および主桁1により確実に前記のせん
断力に抵抗することができる、すなわち、曲げモーメン
トに抵抗することが可能になっている。
【0032】この点に関し、従来の鋼製セグメントにコ
ンクリートを中詰めするだけの場合には、コンクリート
中に確実に圧縮斜材を形成することができなかったた
め、合成セグメントにはなり得なかったのである。
【0033】そして、従来の合成セグメントがスキンプ
レートにずれ止めを配置することで、鋼材(スキンプレ
ート様鋼材)とコンクリートの合成効果を発揮させてい
たのと比較し、本発明の合成セグメントは、H形状のず
れ止め4を用いるだけで、鋼材とコンクリートの合成効
果を発揮させることが可能であり、安価に高性能な合成
セグメントを提供することが可能となっている。
【0034】本発明の合成セグメントは、前記の作用に
より鋼材とコンクリートの合成効果を発揮するため、H
形状のずれ止め4の仕様(フランジ厚さ、ウェブ厚さな
ど)は、せん断力に対して設計すればよい。
【0035】また、本発明の合成セグメントでは、セグ
メントリング組立てに際し、シールドマシンのジャッキ
推力に対しては、中詰めコンクリート6により抵抗する
ことを基本とするが、大口径トンネル等において、大型
シールドマシンのジャッキ推力が大きい場合には、H形
状のずれ止め6を推力部材の一部として考慮することが
できる。
【0036】さらに、合成セグメントに作用する土水圧
は、中詰めコンクリート6を介してH形状のずれ止め4
のトンネル内空側のフランジ4cに伝達されるので、ト
ンネル外面に配置するスキンプレート3は、止水材の機
能のみを発揮できればよい。
【0037】
【実施例】以下本発明の実施例を、図4〜図8を参照し
て説明する。
【0038】図4〜図7は、実施例1に係る合成セグメ
ント10を示す。この合成セグメント10は、溝形鋼か
らなりコ字状開口部を対向させた主桁11と、主桁11
の両端に固着した鋼板からなる継手板12と、前記主桁
11間に設けられるとともに、所定の間隔をあけて継手
板12と平行に設けた複数本の略H形状のずれ止め14
と、セグメント外側(地山側)に配置され、主桁11と
継手板12と略H形状のずれ止め14によって支持され
たスキンプレート13とからセグメント本体が構成さ
れ、このセグメント本体内に中詰コンクリート16が充
填されている。
【0039】さらに説明すると、スキンプレート13は
薄鋼板からなり、溝形鋼製の主桁11の一方のフランジ
11aとH形状のずれ止め14の一方のフランジ14c
に当接し、この当接部を隅肉溶接し、継手板12は主桁
11の端部に当てがって溶接するとともに、外端縁をス
キンプレート13の端部内側面に固定している。H形状
のずれ止め14はそのウェブ14aをトンネル中心方向
に配設し、その高さは、主桁11の高さhと略等しく設
けられている。
【0040】H形状のずれ止め14と溝形鋼製の主桁1
1の取り合いは任意でよいが、図示例では、H形状のず
れ止め14のフランジ14b、14cの両端部を主桁1
1のフランジ11a、11bの幅と同じ長さだけカット
し、フランジ14b、14cがカットされたウェブ端部
14dを、溝形鋼製の主桁11の両フランジ11a、1
1b、ウェブ11cで囲まれる内側に差し込み、その両
側を隅肉溶接する。この時、ずれ止め14のフランジ1
4b、14cの端縁は、溝形鋼製の主桁11の両フラン
ジ11a、11bの内端縁と接しており、その当接部を
溶接する。主桁11と継手板12には、セグメント間お
よびリング間の継手用ボルトの挿入孔18が開設されて
いる。なお、嵌合継手でセグメント間およびリング間を
結合することがあり、この場合は、ボルトの挿入孔18
は必要としない。
【0041】前記のようにして構成されたセグメント本
体における、隣り合うずれ止め14の間の比較的大きい
間隙15から中詰コンクリート16をセグメント内に容
易に充填し、合成セグメント10を完成する。こうして
製作された合成セグメント10にせん断力が作用し、各
部材に圧縮力や引張力が作用したとき、セグメント内に
充填された中詰コンクリート16が、H形状のずれ止め
4と主桁11とで拘束され、結果、各部材と中詰コンク
リート16の一体化が一層強固になり、隣り合うH形状
のずれ止め14のフランジ14b、14cとウェブ14
aの隅角部17を固定点として、中詰コンクリート16
が圧縮力に抵抗すると共に、主桁11が引張力に抵抗
し、合成セグメント10の剛性と強度が向上する。
【0042】なお、前記合成セグメント10において、
主桁11と継手板12の一方または両方を、H形状のず
れ止め14と同じH断面形状の鋼材で構成し、あるいは
平板の鋼材で構成してもよい。
【0043】セグメント桁高さhとずれ止めの間隔W
は、1:1、1:2、1:4等任意の寸法関係に設定す
るとよい。
【0044】図8(A)、(B)は、実施例2を示す。
この実施例2は、本発明を矩形断面のトンネル用の合成
セグメント10aに実施した例が示されている。つま
り、実施例2の合成セグメント10aは全長がフラット
である点が、実施例1の円弧状をなす合成セグメント1
0と相異している。H形状のずれ止め14の断面形状お
よび、その他の構成は実施例1と同じであるので、実施
例1と同等要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る合成セグメントによれば、
主桁とH形状のずれ止めにおけるフランジとウェブに囲
まれた中詰めコンクリートは完全に拘束されることにな
り、鋼材とコンクリートとが強固に一体化され、従来の
合成セグメントに必要であったスキンプレートの内面に
設けるジベル筋、突起部材等のコンクリートとスキンプ
レートの一体化をより強固にするためのずれ止めを無く
ことが可能であり、さらに、セグメントのトンネル内空
側からコンクリートを中詰めすることが可能になること
から、従来の合成セグメントに比較して、安価で高性能
な合成セグメントを実現することが可能となる。
【0046】また、H形状のずれ止めで堅牢に支持され
るスキンプレートは、大深度に建設されるシールドトン
ネルに作用する大水圧に対しても、止水を完璧に行い、
安全かつ経済的に大深度のシールドトンネルを建設する
ことが可能となる。さらに、セグメントリングの組立て
に際し、ジャッキ推力が大きい場合には、H形状のずれ
止めを推力部材の一部として考慮することができるの
で、大口径のトンネル用セグメントにも適している。さ
らに、H形状のずれ止めを用いている場合には、トンネ
ル内空側からトンネルの外向きに中詰めコンクリートに
作用する力を主桁に伝達することも可能である。
【0047】さらに、H形状のずれ止めの代わりにT形
状のずれ止めを用いた場合であっても、スキンプレート
を介して中詰めコンクリートに作用する土水圧を、T形
状のずれ止めにより主桁に伝達することが可能であり、
この場合にはスキンプレートの厚さにより合成セグメン
トとして設計する場合または鋼製セグメントとして設計
する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成セグメントにせん断力が作用した
場合に鋼材とコンクリートに発生する引張力と圧縮力の
関係を示す合成セグメントの中央部位置の長手方向縦断
面図である。
【図2】図1の引張力と圧縮力が発生した場合におい
て、主桁に発生する引張力を示す合成セグメントの主桁
内側面位置の長手方向縦断面図である。
【図3】本発明の合成セグメントに荷重を載荷してせん
断力を作用させたときに発生する、引張力と圧縮力の関
係を示す合成セグメントの中央部位置の長手方向縦断面
図である。
【図4】実施例1に係るセグメントのトンネル内空側か
ら見た一部破断斜視図である。
【図5】図4の中央部長手方向の断面図である。
【図6】図4の幅方向の断面図である。
【図7】主桁とずれ止めの接合関係を示す説明斜視図で
ある。
【図8】(A)は、実施例2に係るセグメントのトンネ
ル内空側から見た一部破断斜視図、(B)は、図(A)
の中央部長手方向の断面図である。
【符号の説明】
1 主桁 2 継手板 3 スキンプレート 4 H形状のずれ止め 4a フランジ 4b フランジ 5 間隙 6 中詰コンクリート 7 隅角部 10 合成セグメント 11 主桁 11a フランジ 11b フランジ 11c ウェブ 12 継手板 13 スキンプレート 14 ずれ止め 15 間隙 16 中詰コンクリート 17 隅角部 18 ボルト挿通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊島 径 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 2D055 CA01 EB01 EB05 KB04 KB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールドトンネルの覆工構造体を構成す
    るセグメントであって、少なくとも2本の主桁と2つの
    継手板とスキンプレートを有し、かつ、1本または複数
    本の略H形状のずれ止めが前記主桁間に設けられると共
    に、そのウェブをトンネルの中心方向に向けて配置さ
    れ、セグメント内部にコンクリートが中詰めされたこと
    を特徴とする合成セグメント。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の合成セグメントであっ
    て、当該セグメントの主桁の桁高さhに対して、H形状
    のずれ止めがhの0.8〜5.0倍の間隔Wで配置され
    たことを特徴とする合成セグメント。
  3. 【請求項3】 請求項1および2または、その何れか1
    項に記載の合成セグメントであって、当該セグメントの
    主桁と継手板の何れか一方または、両方にフランジ部材
    を有することを特徴とする合成セグメント。
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