JP5079731B2 - 表面板と主桁を連結する合成セグメント、合成セグメントの製造方法およびトンネル - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された合成セグメントでは、前述した一対の主桁、一対の継手板、トンネル地山側に配置される地山側の表面板(スキンプレート)を有し、鋼殻は5面の鋼材で構成される。
特許文献2に記載された合成セグメントでは、地山側の表面板に加えて、トンネル内空側に配置される内空側の表面板を有し、鋼殻は6面の鋼材で構成される。
このため、例えば、内空側の表面板を最後に取り付ける場合、他の鋼材と同表面板との内部連結が省略され、同表面板と他の鋼材あるいは中詰めコンクリートとの一体性が十分に確保できないことになる。また、主桁あるいは継手板を最後に取り付ける場合、内外一対の表面板の一体性が確保できるものの、これら一対の表面板で挟まれる狭い空間で前述した内部連結作業を行うことは大きな困難が伴っていた。
このような本発明によれば、接続ピースと受けピースとが充填材により一体化されることで主桁と表面板との鋼殻内部での連結が行われる。主桁と表面板とは通常は溶接により連結されるが、溶接部のみでは連結剛性が低く、十分な荷重伝達がなされない。この本発明の連結は、予め主桁に接続ピースを形成しかつ表面板に受けピースを形成しておき、これらの主桁と表面板とを鋼殻となるべく配置し、これにより接続ピースと受けピースとを対向させた状態で鋼殻内に充填材を充填することで行われる。つまり、主桁と表面板とを連結するために、従来のように溶接や締結などの局所的な操作が連結部位毎に個別に必要となることはなく、複数の箇所を一気に連結することができる。このため、本発明によれば、製造にあたっての作業効率を飛躍的に向上できるととともに、鋼殻内の奥まった部位の連結も何ら支障なく実施することができる。
このような本発明によれば、リブ材のずれ止め機能が拡大して充填材との一体性の効果がさらに高まりセグメントの性能を向上させることができる。
このような本発明では、形鋼が入手容易であり、実施が容易にできるとともに、リブ材をトンネルの軸方向に配置することで、ウェブ部とフランジ部とがトンネルの周方向および径方向に交差し、ずれ止めとしての作用が十分に得られる。さらに、リブ材の端部のウェブ部およびフランジ部が受けピースとなり、接続ピースがウェブ部と対向することでトンネル周方向の荷重伝達が担保され、フランジ部および表面板と対向することでトンネル径方向の荷重伝達が担保され、主桁と表面板との連結に必要十分な性能を得ることができる。
ここで、リブ材として用いる筒状の部材としては、例えば断面正方形あるいは断面長方形の形鋼、断面円形あるいは他の多角形の形鋼などを用いることができる。なかでも、断面形状においてトンネルの周方向および径方向に交差する部分が大きく確保できるもの、例えば断面正方形あるいは長方形のものが望ましい。なお、断面コ字状の形鋼を、その開口側が表面材側となるように接合することで、結果として断面が筒状をなすようにしてもよい。
このような本発明では、筒状のリブ材の端部が受けピースとなり、その内側に挿入される接続ピースと充填材により一体化される。この際、筒状のリブ材はトンネルの周方向および径方向に交差するため、各方向にずれ止めとしての作用が十分に得られ、主桁と表面板との連結に必要十分な性能を得ることができる。
本発明は、内部連結の簡素化という点で5面の鋼殻でも有効性が期待できるが、内部が密閉される6面の鋼殻においては一層有効性が期待できる。すなわち、6面の鋼殻では、従来最後の一面の鋼材は他との内部連結が困難であるが、本発明によれば、6面を閉じた状態でも充填材の充填により内部の接続ピースおよび受けピースの各々が互いに連結され、6面の鋼殻でありながら鋼殻内部の構造全てが相互に連結されたものとすることができる。
このような本発明によると、地山側表面板に地山側リブ材を設けることで充填材との一体性をより一層向上させることができ、内外面に設けられたリブ材をトンネル径方向に対向させないことによって、ひび割れ誘発点となるリブ材の相互距離を長く確保されることから、ひび割れ長さを長くすることができ、セグメントの性能が向上する。
このような本発明では、前述した合成セグメント自体の製造の容易さ、製造コストの低さに基づいて、トンネルとしての施工コスト低減および工期短縮を図ることができる。
このような本発明では、主桁と表面板との内部での連結が、充填材の充填により一括して行われる。このため、接続ピースと受けピースとの個別連結といった煩雑な作業を解消することができ、合成セグメントの製造効率を飛躍的に向上することができ、合成セグメントの製造コストも大幅に低減できる。
このような本発明では、何れかの表面板を下にして載置する場合よりも作業場所の占有面積を縮小することができ、何れかの継手板を下にして載置する場合のような不安定さがなく、作業性を向上することができるとともに、鋼殻の製作組み立てから充填材の充填までを製品の姿勢を代えずに一貫して行なえることから、合成セグメントの製造効率を飛躍的に向上することができ、合成セグメントの製造工期や製造コストも大幅に低減できる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
トンネル覆工1は、掘削した地山Gの内部にて複数のセグメントピースPを組み合わせて構成されている。なお、以下の説明において、トンネル軸方向をX方向と表現し、トンネル径方向をR方向と表現し、トンネル周方向をθ方向と表現することとする。地山Gを掘削するシールドマシンMは、その後方に複数のジャッキJを有し、ジャッキJでトンネル覆工1を押してX方向に前進し、前進しつつ掘削した空間にてセグメントピースPが円筒状に組み立てられてトンネル覆工1が構築される。このトンネル覆工1は、地山Gとトンネル内空Sとを仕切り、地山Gからの土圧や水圧に抵抗してトンネル内空Sの空間を確保するようになっている。なお、トンネル断面形状としては、一般的な円形のみに限定されるものではなく、矩形トンネルをはじめとする異形トンネル断面でも、トンネル覆工は円弧形のみならず、平板形でも本発明の効果は発揮される。
以下、セグメントピースPを構成する各形態の合成セグメント10,20,30に関し、その構造を詳しく説明する。
図2は、第1実施形態に係る表面板と主桁を連結する合成セグメント10を示す一部省略した斜視図であり、図3は、合成セグメント10を示す断面図である。
図2、図3において、合成セグメント10は、6つの面が囲まれた鋼殻11と、この鋼殻11内部に充填される充填材としての中詰めコンクリート12とを有し、これらの鋼殻11および中詰めコンクリート12が一体化されて構成されている。
継手板14は、X方向およびR方向に沿った直板状の鋼板から構成され、その内面の途中位置には、ボルトボックス(図示省略)が適宜配置され、このボルトボックスを用いてθ方向に隣り合う他の合成セグメント10と接合される。
一方の接続ピース13Aは、受けピース17B(フランジ部16B)とこれに対向する表面板15S,15Gの表面との間の空隙内に挿入され、受けピース17B、受けピース17A(ウェブ部16A)および表面板15S,15Gの表面の何れとも接触しておらず、それぞれとの間に間隔がおかれている。
他方の接続ピース13Bは、受けピース17A(ウェブ部16A)を挟んで接続ピース13Aと反対側に配置され、同様に受けピース17Aおよび表面板15S,15Gの表面との間に間隔がおかれている。
図4に示すように、先ず、一方の主桁13を水平な載置面上に載置する。この際、主桁13は鋼殻11の内側となる表面を上向きにし、各々の接続ピース13A,13Bが上向きに起立する状態としておく。
次に、主桁13の地山G側の辺縁に、地山側リブ材16が固定された地山側の表面板15Gを載せ、互いの接合縁を溶接する。この際、リブ材16の端部の受けピース17は、その径方向の受けピース17A(リブ材16のウェブ部16A)が一対の接続ピース13A,13Bの間に収まるようにする。
図5に示すように、地山側の表面板15Gが一方の主桁13に載置できたら、同様にして主桁13の内空S側の辺縁に、内空側リブ材16が固定された内空側の表面板15Sを載せ、互いの接合縁を溶接する。
図7に示すように、両側に継手板14,14が溶接されることで上面が開口した鋼殻が形成される。この後、上面の開口に他方の主桁13を載置し、全周を溶接して閉じた鋼殻11を形成する。他方の主桁13には接続ピース13A,13Bを係止しておき、その間に内外の表面板15S,15Gの地山側もしくは内空側リブ材16端部の受けピース17が挿入されるようにする。
また、前記鋼殻11の製造方法では主桁13を水平に載置しているが、例えば地山側の表面板15Gを水平に船形に載置した後、地山側の主桁13および継手板14,14を地山側の表面板15Gの辺縁に立て、他方の主桁13を最後に立てた後に全周を溶接して閉じた鋼殻11を形成しても良い。
このようにして鋼殻11内に中詰めコンクリート12を充填することで、同コンクリート12が接続ピース13A,13Bと受けピース17A,17Bとの各間隔に進入して固化するとともに、接続ピース13A,13Bと受けピース17A,17Bとの周囲においてもこれらを包囲するように同コンクリート12が固化する。その結果、接続ピース13A,13Bと受けピース17A,17Bとが中詰めコンクリート12によって強固に一体化され、互いの連結が行われる。
本実施形態によれば、接続ピース13A,13Bと受けピース17(受けピース17Aおよび受けピース17B)とが充填材である中詰めコンクリート12により一体化されることで、主桁13と表面板である表面板15S,15Gとの内部連結が行われる。この連結は、予め主桁13に接続ピース13A,13Bを形成するとともに、表面板15S,15Gに地山側もしくは内空側リブ材16を形成しておき、これらを鋼殻11の形に組み立て、接続ピース13A,13Bと受けピース17を対向させた状態とすることでその準備を行うことができ、この後、鋼殻11内に中詰めコンクリート12を充填し固化させることで各々の連結を完成させることができる。
従って、主桁13と表面板15S,15Gとを連結するために、従来のように溶接や締結などの局所的な操作が連結部位毎に個別に必要となることはなく、複数の箇所を一気に連結することができる。このため、製造にあたっての作業効率を飛躍的に向上できるととともに、鋼殻11内の奥まった部位の連結も何ら支障なく実施することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る表面板と主桁を連結する合成セグメント20を図9に基づいて説明する。
合成セグメント20は、前記第1実施形態の合成セグメント10と同様の鋼殻11および中詰めコンクリート12を有し、鋼殻11は、合成セグメント10と同様に、一対の主桁13,13、一対の継手板14,14、内外の表面板15S,15G、接続ピース13A,13Bを有し、これらの構成は前記第1実施形態と同様である。
前記第1実施形態の合成セグメント10のリブ材16(図3参照)がL字断面の形鋼であったのに対し、本実施形態の地山側および内空側リブ材26はT字断面の形鋼とされている。
リブ材26は、基部が表面板15S,15Gの表面に溶接されるウェブ部26Aと、その先端に接続されて表面板15S,15Gの表面に対向配置されるフランジ部26Bとを有する。つまり、前記第1実施形態の地山側もしくは内空側リブ材16がウェブ部26Aの片側のみにフランジ部26Bを有していたのに対し、本実施形態のリブ材26はウェブ部26Aの両側にフランジ部26Bが張り出している。
本実施形態では、一対の接続ピース13A,13Bは、何れも受けピース27Bとこれに対向する表面板15S,15Gの表面との間の空隙内に挿入され、鋼殻11内に中詰めコンクリート12が充填された際には、周方向および径方向の受けピース27A,27Bと一体化される。
一対の接続ピース13A,13Bは、何れも周方向および径方向の受けピース27A,27Bと一体化されるため、一方の接続ピース13Aのみが周方向の受けピース17Bと表面板15S,15Gとの間に挿入される前記第1実施形態よりも一層高い連結強度を得ることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る表面板と主桁を連結する合成セグメント30を図10に基づいて説明する。
合成セグメント30は、前記第1実施形態の合成セグメント10と同様の鋼殻11および中詰めコンクリート12を有し、鋼殻11は、合成セグメント10と同様に、一対の主桁13,13、一対の継手板14,14、内外の表面板15S,15Gを有し、これらの構成は前記第1実施形態と同様である。
前記第1実施形態の表面板と主桁を連結する合成セグメント10のリブ材16(図3参照)がL字断面の形鋼であったのに対し、本実施形態の地山側もしくは内空側リブ材36はコ字断面の形鋼とされている。
地山側もしくは内空側リブ材36は、ウェブ部36Bの両側に一対のフランジ部36Aを有し、一対のフランジ部36Aの各先端を表面板15S,15Gの表面に溶接され、ウェブ部36Bが表面板15S,15Gの表面に対向配置される。
前記第1実施形態では主桁13に一対の接続ピース13A,13Bを設けたのに対し、本実施形態では、主桁13の地山側もしくは内空側リブ材36に対応する部位には接続ピース13Cが一つ設置される。接続ピース13Cは断面正方形とされ、受けピース37内に挿入されることで、周囲の受けピース37A,37Bおよび表面板15S,15Gの表面との間に所定間隔が形成される。
表面板15S,15Gに溶接されることで受けピース37A,37Bおよび表面板15S,15Gが筒状となるため、接続ピース13Cは中詰めコンクリート12を介してこれらに全周を包囲されることになり、周方向および径方向以外の方向についても高い連結強度を得ることができる。
なお、本実施形態において、地山側もしくは内空側リブ材36を断面コ字状の形鋼ではなく、正方形あるいは長方形の断面を有する形鋼としてもよい。このような形鋼を用いても、表面板15S,15Gに溶接した状態では本実施形態と同様な受けピース37A,37B(図10参照)を確保することができる。
次に、本発明の第4実施形態に係る表面板と主桁を連結する合成セグメント40を図11に基づいて説明する。
合成セグメント40は、前記第1実施形態の合成セグメント10と同様の鋼殻11および中詰めコンクリート12を有し、鋼殻11は、合成セグメント10と同様に、一対の主桁13,13、一対の継手板14,14、内外の表面板15S,15Gを有し、これらの構成は前記第1実施形態と同様である。
前記第1実施形態の表面板と主桁を連結する合成セグメント10の地山側もしくは内空側リブ材16(図3参照)がL字断面の形鋼であったのに対し、本実施形態の地山側もしくは内空側リブ材46は円形断面の鋼管材とされている。
前記第1実施形態では受けピース17が径方向の受けピース17Aおよび周方向の受けピース17B(図3参照)を備えていたのに対し、本実施形態の受けピース47ではリブ材46の断面そのままの円形断面を有する筒状である。
前記第1実施形態では主桁13に一対の接続ピース13A,13Bを設けたのに対し、本実施形態では、主桁13のリブ材46に対応する部位には接続ピース13Dが一つ設置される。接続ピース13Dはリブ材46の内径より小さい外径を有する丸棒状とされ、受けピース47内に挿入されることで、受けピース47の内壁により全周を囲われ、同内壁との間に所定間隔が形成される。
地山側もしくは内空側リブ材46が円形断面を有するため、受けピース47も円形断面となり、接続ピース13Dは中詰めコンクリート12を介してこれらに全周を包囲されることになり、主桁13の表面に沿った全方向について一様に高い連結強度を得ることができる。
次に、本発明の第5実施形態に係る表面板と主桁を連結する合成セグメント50を図12に基づいて説明する。
合成セグメント50は、前記第1実施形態の表面板と主桁を連結する合成セグメント10と同様の鋼殻11および中詰めコンクリート12を有し、鋼殻11は、合成セグメント10と同様に、一対の主桁13,13、一対の継手板14,14、内外の表面板15S,15Gを有し、これらの構成は前記第1実施形態と同様である。
前記第1実施形態の合成セグメント10の地山側もしくは内空側リブ材16(図3参照)がL字断面の形鋼であったのに対し、本実施形態の地山側もしくは内空側リブ材56は中心角が鈍角のV字断面を有する形鋼とされている。
前記第1実施形態では受けピース17が径方向の受けピース17Aおよび周方向の受けピース17B(図3参照)を備えていたのに対し、本実施形態の受けピース57では地山側もしくは内空側リブ材56の断面に基づくV字断面を有する。
前記第1実施形態では主桁13に設けた一対の接続ピース13A,13Bが単純な板状であったのに対し、本実施形態では、地山側もしくは内空側リブ材56と同様なV字断面を有する接続ピース13E,13Fが一対設置される。
本実施形態において、鋼殻11を組み立てた状態では、受けピース57が接続ピース13E,13Fの間に挿入される。この際、各々の断面形状のV字同士が互いの山を合わせた状態に配置され、各々の間には一定の間隔が維持されるようになっている。
接続ピース13E,13Fおよび地山側もしくは内空側リブ材56(受けピース57)がそれぞれV字断面とされているため、各々の剛性を確保しやすいとともに、互いの連結性能を高めることができる。
次に、本発明の第6実施形態に係る表面板と主桁を連結する合成セグメント60を図13、図14に基づいて説明する。
合成セグメント60は、前記第1実施形態の合成セグメント10と同様の鋼殻11および中詰めコンクリート12を有し、鋼殻11は、合成セグメント10と同様に、一対の主桁13,13、一対の継手板14,14、内外の表面板15S,15G、一対の接続ピース13A,13Bを有し、これらの構成は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、地山側もしくは内空側リブ材66のない部分に断面L字状の受けピース67が設置され、そのウェブ部67Aが一対の接続ピース13A,13Bの間に挿入されるとともに、フランジ部67Bが接続ピース13Bを覆うように配置される。
リブ材66の端部を受けピースに利用しないため、各々の断面形状あるいは配置パターン、設置数に関する設計自由度を高めることができる。
次に、本発明の第7実施形態に係る表面板と主桁を連結する合成セグメント70を図15に基づいて説明する。
合成セグメント70は、前記第1実施形態の合成セグメント10と同様の鋼殻11および中詰めコンクリート12を有し、鋼殻11は、合成セグメント10と同様に、一対の主桁13,13、一対の継手板14,14、内外の表面板15S,15G、一対の接続ピース13A,13Bを有し、これらの構成は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態の合成セグメント70では、内空側表面板15Sに接続された内空側のリブ材16と地山側表面板15Gに接続された地山側のリブ材16とを、R方向に対向しないずれた位置に設ける。
このような構成によれば、内空側のリブ材16および地山側のリブ材16を起点としたひび割れが生じた場合でも、これらが重ならないようにでき、ひび割れ長さを長くすることができるため、中詰めコンクリート12の強度を高めることができる。
次に、本発明の第8実施形態に係る表面板と主桁を連結する合成セグメント80を図16に基づいて説明する。
合成セグメント80は、前記第1実施形態の合成セグメント10と同様の鋼殻11および中詰めコンクリート12を有し、鋼殻11は、合成セグメント10と同様に、一対の主桁13,13、一対の継手板14,14、内外の表面板15S,15G、接続ピース13A,13Bを有し、これらの構成は前記第1実施形態と同様である。
図16に示すように、本実施形態では、表面板15Sに沿った内空側リブ材16と表面板15Gに沿った地山側リブ材16とを結ぶせん断補強材16Tが設けられる。
このような構成にすることで、相互の地山側および内空側リブ材16,16の変位が抑制されるとともに、トンネル径方向に一対の表面板15G,15Sが離れようとする力に抵抗することができる。その結果、鋼殻11内に充填される中詰めコンクリート12の割れ防止を図ることが可能となり、さらには中詰めコンクリート12のせん断強度を高めることができ、合成セグメント10全体の強度を向上させて、さらなる高性能化および薄型化を実現することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記各実施形態では、内外の表面板15G,15Sの内側にそれぞれ地山側もしくは内空側リブ材16〜56を設けたが、これらは各々独立させておくのではなく、地山側および内空側リブ材16〜56を互いに連結してもよい。
図17において、図示の構成は前記第1実施形態(図3参照)と同様であるが、内空側の表面板15Sが省略され、鋼殻11は地山側の表面板15Gと、一対の主桁13,13と、一対の継手板14,14とで構成されている。
このような構成においては、開放された内側(図3において表面板15Sが設置されていた部位)から鋼殻11内の作業が容易に行えるが、接続ピース13A,13Bおよび受けピース17の各部の連結が中詰めコンクリート12の充填により一括して行える点で、従来の個別の連結よりも作業効率を高めることができる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (10)
- 鋼殻と、その内部に充填される充填材とを有して構成されるとともに、複数のピースを組み合わせてトンネル覆工に利用される合成セグメントであって、
前記鋼殻は、トンネル周方向に沿って延びて互いに対向する主桁と、これら主桁のトンネル周方向両端部同士を連結する一対の継手板と、トンネル地山側およびトンネル内空側の少なくとも何れかにて前記主桁に渡って設けられる表面板とが設けられ、
前記主桁の前記鋼殻内側表面にはトンネル軸方向に沿って延びる接続ピースが設けられ、前記表面板の前記鋼殻内側表面には、前記主桁近傍に、前記接続ピースに対して間隔をあけて対向するとともに、トンネル軸方向の前記主桁に面する端部において前記主桁内面と隙間をもって配置される受けピースが設けられ、
前記主桁、継手板および表面板で少なくとも5面が囲まれた内部に前記充填材が充填され、前記接続ピースと前記受けピースとは、トンネル軸方向に渡りラップするように配置され、前記接続ピースと前記受けピース各々の間および各々の周囲に充填される前記充填材により一体化されていることを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメント。 - 請求項1に記載の表面板と主桁を連結する合成セグメントにおいて、
前記表面板における前記鋼殻内側表面には、当該表面から突出するとともにトンネル軸方向に沿って延びる複数の地山側もしくは内空側リブ材が設けられ、前記地山側もしくは内空側リブ材の端部により前記受けピースが形成されていることを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメント。 - 請求項1または請求項2に記載の表面板と主桁を連結する合成セグメントにおいて、
前記複数のリブ材は、トンネル軸方向の両端部において前記受けピース材が形成されていることを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメント。 - 請求項2または請求項3に記載の表面板と主桁を連結する合成セグメントにおいて、
前記複数のリブ材は、それぞれ前記表面板から起立するウェブ部と、前記ウェブ部に連続しかつ前記表面板と対向するフランジ部とを有し、
前記ウェブ部は、一対の前記接続ピースにより、トンネル周方向に間隔をあけて対向するように配置されるとともに、
少なくとも一つの前記接続ピースは、前記フランジ部と前記表面板との間に挿入されて前記フランジ部および前記表面板と間隔をあけて対向されていることを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメント。 - 請求項2または請求項3に記載の表面板と主桁を連結する合成セグメントにおいて、
前記複数のリブ材は、それぞれ前記表面板に固定された筒状もしくは前記表面板とで構成される閉塞部が形成される閉断面部材であり、前記接続ピースは、前記閉断面部材の内側に挿入されて周囲と間隔をあけて対向されていることを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメント。 - 請求項2から請求項5の何れかに記載の表面板と主桁を連結する合成セグメントにおいて、
前記鋼殻は、トンネル地山側およびトンネル内空側に設けられた一対の表面板を有し、これらの主桁、継手板および表面板で6面が囲まれた内部に前記充填材が充填され、前記一対の表面板の前記鋼殻内側表面にそれぞれ設けられた前記地山側および内空側リブ材が剪断補強材で互いに連結されていることを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメント。 - 請求項2から請求項5の何れかに記載の表面板と主桁を連結する合成セグメントにおいて、
前記鋼殻は、トンネル地山側およびトンネル内空側に設けられた一対の表面板を有し、これらの主桁、継手板および表面板で6面が囲まれた内部に前記充填材が充填され、前記一対の表面板の前記鋼殻内側表面に設けられた前記内空側リブ材のうち、前記トンネル地山側に設けられる地山側リブ材と前記トンネル内空側に設けられる内空側リブ材とがトンネル径方向に対向しないずれた位置に設けられていることを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメント。 - 請求項1から請求項7の何れかに記載の表面板と主桁を連結する合成セグメントを組み合わせたトンネル覆工を備えることを特徴とするトンネル。
- 鋼殻と、その内部に充填される充填材とを有して構成されるとともに、複数のピースを組み合わせてトンネル覆工に利用される表面板と主桁を連結する合成セグメントの製造方法であって、
トンネル周方向に沿って延びて互いに対向する主桁と、これら主桁のトンネル周方向両端部同士を連結する一対の継手板と、トンネル地山側およびトンネル内空側の少なくとも何れかにて前記一対の主桁に渡って設けられる表面板と、前記主桁の前記鋼殻内側表面に設けられてトンネル軸方向に沿って延びる接続ピースと、前記表面板の前記鋼殻内側表面に設けられて前記接続ピースに対して間隔をあけて対向する受けピースとを製造し、
前記表面板における前記鋼殻内側表面に受けピースを固定する工程と、前記主桁における前記鋼殻内側表面に前記接続ピースを固定する工程と、前記受けピースと前記表面板との間に接続ピースを一括挿入する工程を経て、前記主桁、一対の継手板および表面板により少なくとも5面が囲まれた前記鋼殻を形成し、
前記鋼殻の内部に前記充填材を充填し、前記接続ピースと前記受けピースとを各々の間および各々の周囲に充填される前記充填材により一括して一体化することを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメントの製造方法。 - 請求項9に記載の表面板と主桁を連結する合成セグメントの製造方法において、
前記鋼殻を形成する際に、先ず一方の前記主桁を水平に載置し、その周縁に沿って前記一対の表面板および一対の継手板を立て、これらの上縁に充填材を充填する複数の開口孔が設けられた他方の前記主桁を接続することにより6面が囲まれた前記鋼殻を形成し、前記開口孔から鉛直方向下向きに前記充填材を充填することを特徴とする表面板と主桁を連結する合成セグメントの製造方法。
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