JP4490667B2 - 黒色顔料粒子 - Google Patents
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Description
前記等電点コントロール層が、Si、P、B若しくはTiの酸化物又はAlのオキシ水酸化物からなり、
前記酸化物層がマグネタイトからなり、
前記等電点コントロール層はその等電点が、前記コア粒子および前記酸化物層それぞれの等電点よりも低く、かつ該コア粒子及び該酸化物層の等電点のうちの低い方の等電点よりも少なくとも1〜3低いものである黒色顔料粒子を提供することにより前記目的を達成したものである。
(1)非磁性コア粒子の製造
50℃の温水1リットルに1molの炭酸ナトリウムを添加し、95℃に昇温した。これに12.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液120mlを加えた。更に4.23重量%の硫酸アルミニウム水溶液及び1.25mol/lの硫酸マグネシウム水溶液をそれぞれ加えた。この場合、マグネシウム及びアルミニウムがそれぞれ表1に示すモル数添加されるように各水溶液をそれぞれ加えた。次に、水酸化ナトリウムを用いて反応溶液のpHを10に調整した。反応液をゆっくり撹拌しながら10時間熟成させ、Mg及びAlを含む複合水酸化物からなる板状のコア粒子を生成させた。このコア粒子の平均板径及び板厚は表1に示す通りである(測定方法は後述する通り)。
コア粒子が生成した反応溶液に、13.4重量%のケイ酸ナトリウム水溶液を加えた。この場合、ケイ素が表1に示すモル数添加されるように水溶液を加えた。次に、希硫酸を用いて反応溶液のpHを8に調整して、コア粒子の表面に、Siの酸化物、具体的にはSiO2ゲルと考えられる物質からなる等電点コントロール層を形成した。等電点コントロール層の厚みは表1に示す通りである(測定方法は後述する通り)。
反応溶液に70g/lの硫酸鉄(II)水溶液を加えた。この水溶液には水酸化ナトリウムも含まれていた。この場合、Fe2+が表1に示すモル数添加されるように該水溶液を加えた。また水酸化ナトリウムの濃度は、反応液のpHが6.5〜8.5に維持されるような量とした。反応液に空気を吹き込み未反応のFe2+が1g/l以下になるまで酸化を続けた。酸化反応によって反応液のpHが変化した。その場合、反応液のpHが6.5〜8.5に維持されるように水酸化ナトリウムを追加添加した。この硫酸鉄(II)水溶液の添加及びFe2+の酸化反応の操作を複回数繰り返した。これによって表1に示す厚みの鉄酸化物層(測定方法は後述する通り)が等電点コントロール層の表面に形成された本発明の黒色顔料粒子が得られた。鉄酸化物層はマグネタイトを主成分とするものであった。
マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、鉄(II)の仕込みモル数を表1に示す量とした。またコア粒子の製造において、初めに添加する12.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液量を240mlとした。これら以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。得られたコア粒子及び黒色顔料粒子は球状であった。
実施例1で得られた黒色顔料粒子を350℃の水素ガス雰囲気で熱処理を行った。
実施例1で得られた黒色顔料粒子を950℃の窒素ガス雰囲気で熱処理を行った。
実施例1において、鉄酸化物層の形成の際に、鉄(II)及びTiを、表1に示す仕込みモル数となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。Ti源としては酸化チタニルを用いた。得られた黒色顔料粒子における鉄酸化物層は主としてイルメナイト構造を有していた。また粒子は板状であった。
実施例1において、鉄酸化物層の形成の際に、鉄(II)及びAlを、表1に示す仕込みモル数となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。Al源としては硫酸アルミニウムを用いた。得られた黒色顔料粒子における鉄酸化物層は主としてヘルシナイト構造を有していた。また粒子は板状であった。
コア粒子として板状Al2O3微粒子(河合石灰工業(株)製)を用いる以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。使用に際し、1molのAl2O3微粒子を水に分散させて2.5lの分散液とし、分散液をホモジナイザー(IKA製ULTRA-TURRAX T50)を用いて1分間分散させた。
コア粒子として球状CaO微粒子(ホソカワミクロン(株)製)を用いた。使用に際し、1molのCaO微粒子を水に分散させて2.5lの分散液とし、分散液をホモジナイザー(IKA製ULTRA-TURRAX T50)を用いて1分間分散させた。また、鉄酸化物層の形成の際の鉄(II)の仕込みモル数を表1に示す量とした。これ以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。
コア粒子として球状TiO2微粒子(ホソカワミクロン(株)製)を用いた。使用に際し、1molのTiO2微粒子を水に分散させて2.5lの分散液とし、分散液をホモジナイザー(IKA製ULTRA-TURRAX T50)を用いて1分間分散させた。また、鉄酸化物層の形成の際の鉄(II)の仕込みモル数を表1に示す量とした。これ以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。
実施例1において、コア粒子が生成した反応溶液に、ケイ酸ナトリウムに代えて、硫酸チタニルをTi換算で表1に示す量加え等電点コントロール層を形成した。このとき反応溶液のpHが8に維持されるようにした。硫酸チタニルは、硫酸を加えてpHを1に調整した水溶液の形で加えた。これ以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。等電点コントロール層はTiO2から構成されていた。
実施例1において、コア粒子が生成した反応溶液に、ケイ酸ナトリウムに代えて、四ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7・10H2O)をB換算で表1に示す量加えた後、pH8に中和して等電点コントロール層を形成した。これ以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。等電点コントロール層は主としてB2O3から構成されていた。
実施例1において、コア粒子が生成した反応溶液に、ケイ酸ナトリウムに代えて、リン酸ナトリウム(Na3PO4)をP換算で表1に示す量加えた後、pH8に中和して等電点コントロール層を形成した。これ以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。等電点コントロール層は主としてP4O10から構成されていた。
実施例1において、コア粒子が生成した反応溶液に、ケイ酸ナトリウムに代えて、アルミン酸ナトリウム(NaAlO2)をAl換算で表1に示す量加えた後、pH8に中和して等電点コントロール層を形成した。これ以外は実施例1と同様にして黒色顔料粒子を得た。等電点コントロール層は主としてγ−AlOOHから構成されていた。
等電点コントロール層を形成せず、コア粒子の表面に直接鉄酸化物層を形成する操作を行った以外は実施例1と同様にして粒子を得た。
実施例1において、等電点コントロール層の形成の際に用いたケイ酸ナトリウムに代えて硫酸マグネシウムを用い、pH10が維持されるように水酸化ナトリウムと同時に添加した。この場合、マグネシウムが表1に示すモル数添加されるようにした。これによりコア粒子の表面に水酸化マグネシウムの層を形成した。これ以外は実施例1と同様にして粒子を得た。
実施例及び比較例で得られた粒子について、以下の測定及び評価を行った。それらの結果を表1に示す。
サンプルを溶解し、ICPにて測定した。
サンプルを硫酸にて溶解し、過マンガン酸カリウム標準溶液を用い酸化還元滴定にて測定した。
走査型電子顕微鏡写真(倍率40,000倍)によりフェレ径を測定し、平均板径(球状の場合には平均粒径)及び平均板厚を求めた。
等電点コントロール層形成後の粒子のフェレ径からコア粒子のフェレ径を差し引いて算出した。
黒色顔料粒子のフェレ径から等電点コントロール層形成後の粒子のフェレ径を差し引いて算出した。
島津製作所社製のマルチボリウム密度計1305型を用いて、室温20℃の環境下で測定した。
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、外部磁場79.6kA/mにて測定した。
試料2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式マーラーで練り込む。この練り込んだサンプル2.0gにラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後、これをミラーコート紙上に4milのアプリケータを用いて塗布した。乾燥後、色差計(東京電色社製カラーアナライザーTC−1800型)にて測定した。
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
実施例及び比較例でそれぞれ得られた粒子2gを試験管に入れ、そこに純水5mlを添加した。100Wの超音波バスに試験管を浸漬し1分間超音波を加えた。試験管を超音波バスから引き上げ、試験管内の液を固液分離した。固形分をSEM観察し鉄酸化物層の剥離の有無を調べて以下の基準で評価した。
◎・・・超音波を加える前と比較して全く変化なし。
○・・・超音波を加える前と比較して板状水酸化物の表面が1割程度見える。
×・・・超音波を加える前と比較して板状水酸化物の表面が5割程度見えるか、又は超音波を加える前から板状水酸化物がそのまま見え、鉄酸化物が別の粒子として形成されているのが見える。
実際の等電点の測定については、前述した通りに行った。
コア粒子
実施例1〜6及び10〜13並びに比較例1及び2については、コア粒子の生成後のスラリーをサンプリングし、固形分を洗浄して余分な塩分等を取り除き、次いでコア粒子を濾別した。コア粒子を50℃で乾燥させた後、測定した。実施例7〜9については、原料粒子を測定した。
等電点コントロール層
コア粒子の表面に等電点コントロール層を形成した後のスラリーをサンプリングし、固形分を洗浄して余分な塩分等を取り除き、次いで粒子を濾別した。粒子を50℃で乾燥させた後、測定した。
鉄酸化物層
実施例1、2及び5〜13並びに比較例1及び2については、黒色顔料粒子の生成後のスラリーをサンプリングし、固形分を洗浄して余分な塩分等を取り除き、次いで黒色顔料粒子を濾別した。黒色顔料粒子を50℃で乾燥させた後、測定した。実施例3及び4については、熱処理を行った後に測定した。
Claims (14)
- 原子番号が22以下の軽元素からなる非磁性コア粒子と、該コア粒子を被覆する等電点コントロール層と、該等電点コントロール層を被覆する、少なくとも鉄を含有する酸化物層とを有する黒色顔料粒子であって、
前記等電点コントロール層が、Si、P、B若しくはTiの酸化物又はAlのオキシ水酸化物からなり、
前記酸化物層がマグネタイトからなり、
前記等電点コントロール層はその等電点が、前記コア粒子および前記酸化物層それぞれの等電点よりも低く、かつ該コア粒子及び該酸化物層の等電点のうちの低い方の等電点よりも少なくとも1〜3低いものである黒色顔料粒子。 - 前記コア粒子が、前記軽元素の水酸化物、酸化物、炭酸塩又は硫酸塩からなる請求項1記載の黒色顔料粒子。
- 板状であり、平均板径が200〜1200nmであり、平均板厚が100〜400nmである請求項1又は2記載の黒色顔料粒子。
- 球状であり、平均粒径が100〜400nmである請求項1又は2記載の黒色顔料粒子。
- 前記酸化物層の厚みが30〜300nmである請求項1〜4の何れかに記載の黒色顔料粒子。
- 真比重が3〜4.5である請求項1〜5の何れかに記載の黒色顔料粒子。
- 79.6kA/mでの飽和磁化が10〜50Am2/kgである請求項1〜6の何れかに記載の黒色顔料粒子。
- 黒色L値が25以下である請求項1〜7の何れかに記載の黒色顔料粒子。
- BET比表面積が10〜100m2/gである請求項1〜8の何れかに記載の黒色顔料粒子。
- 前記等電点コントロール層上に前記酸化物層が形成された粒子を、非酸化性雰囲気下に熱処理して得られるものである請求項1〜9の何れかに記載の黒色顔料粒子。
- 前記コア粒子がMg及びAlを含む複合水酸化物からなり、前記等電点コントロール層がSiの酸化物からなり、前記酸化物層がマグネタイトからなる請求項1記載の黒色顔料粒子。
- Mgの量が5〜17重量%、Alの量が2〜8重量%、Siの量が0.5〜3.5重量%、Feの量が30〜60重量%である請求項11記載の黒色顔料粒子。
- 請求項1〜12の何れかに記載の黒色顔料粒子を用いた電子写真用トナー。
- 請求項13記載の電子写真用トナーを用いた電子写真方式による画像形成方法。
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