JP4682063B2 - 低磁性黒色顔料粒子、電子写真用トナー、および画像形成方法 - Google Patents

低磁性黒色顔料粒子、電子写真用トナー、および画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、FeTiOを主成分とし、かつ金属Feを含有する、黒色度に優れた低磁性黒色顔料粒子に関する。
電子写真技術の内、二成分系現像方式や非磁性一成分現像方式において使用されるトナー中の黒色顔料成分としては、カーボンブラックや鉄元素を中心とする、無機系の複合酸化物黒色粒子が主流である。
しかし、上記カーボンブラックにおいては、環境問題や人体に与える影響等により、使用が差し控えられている。一方、無機系の複合酸化物黒色粒子においては、磁性を有するマグネタイトでは、磁気凝集が著しく、かつ電気抵抗が低いので、絶縁性ないしは高抵抗を必要とする上記二成分現像方式や非磁性一成分現像方式のトナーの黒色顔料成分として不向きである。従って、鉄元素を中心とした複合系の非磁性、あるいは低磁性の酸化物黒色粒子が着目されている。
上記酸化物黒色粒子の内、鉄−チタン系の複合酸化物黒色粒子は、環境問題や人体に与える影響も小さく、黒色度に優れているということで、特許文献1ないし4に示すような技術が開示されている。
特開平3−2276号公報 特開2004−161608号公報 特開2005−200285号公報 特開2005−68323号公報
上記従来技術で述べたとおり、二成分現像方式や非磁性一成分現像方式のトナーの黒色顔料成分として重要なのは、環境問題や人体に与える影響等が低く、かつ黒色度に優れていることにあるが、それに加え、さまざまな環境下でも電気抵抗のレベルが維持できる、いわゆる抵抗の耐環境性も要求されつつある。
特許文献1ないし3記載の粒子粉末には、共にFeTiO−Fe系の成分が含まれており、このような複合酸化物黒色粒子であれば、黒色度に優れ、非磁性あるいは低磁化である旨の開示がある。しかし、これらの粉末にはγ−Fe系の成分が含まれており、茶褐色系の黒色粒子であると同時に、電気抵抗の耐環境性にも劣るものである。また、特許文献4の記載の顔料粉末は、FeTiOが主成分であり、分散性が良好で、黒色度が高い旨の開示がある。しかし、この粉末は高温で焼成されていることに起因して、凝集度が大きいのみならず、電気抵抗の耐環境性にも劣るものである。
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る、黒色度が高く、しかも電気抵抗の耐環境性に優れている、低環境負荷かつ低有害性の、低磁性黒色顔料粒子を提供することにある。
本発明は、FeTiO3を主成分とし、かつ粒子中に金属Feを2質量%〜20質量%含有していることを特徴とする低磁性黒色顔料粒子を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、FeTiO 3 を主成分とし、かつ金属Feを含有しており、粒子中のFe元素/Ti元素比が0.25以上1未満であることを特徴とする低磁性黒色顔料粒子を提供することにより前記目的を達成したものである。
更に本発明は、4価の水溶性チタン塩水溶液を水酸化アルカリで中和して得られたスラリーと、水溶性鉄塩水溶液とを混合し、水酸化アルカリで中和、洗浄後、乾燥した生成物を水素含有の還元雰囲気下で焼成することを特徴とする低磁性黒色顔料粒子の製造方法を提供するものである。
本発明の低磁性黒色顔料粒子は、FeTiOを主成分とし、かつ金属Feを含有していることに起因して、黒色度が高く、しかも電気抵抗の耐環境性に優れており、しかもカーボンブラックや有害性の高い重金属は含まれておらず、低環境負荷かつ低有害性である。従って該粒子は、二成分現像方式や非磁性一成分現像方式のトナーの黒色顔料成分として好適に用いられる。また本発明の製造方法によれば、上記低磁性黒色顔料粒子を、経済的に容易に製造することができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明において、低磁性黒色顔料粒子という時には、その内容によって個々の粒子またはその集合である粉末をも指すものである。
本発明の低磁性黒色顔料粒子は、FeTiOを主成分とし、かつ金属Feを含有していることによって特徴付けられる。背景技術でも述べたとおり、FeTiOを成分として含有する低磁性黒色顔料粒子については既に開示があるが、FeTiOに金属Feを共存させることにより、黒色度や電気抵抗を維持したまま、電気抵抗の耐環境性を維持することが可能になる。この理由については定かでないが、導電性に影響を及ぼすとみられる金属Feの価数変動0→+2の方が、酸化物の+2→+3よりも起こりにくいためと推測される。
また、本発明の低磁性黒色顔料粒子においては、粒子中の上記金属Feの含有量としては、2質量%〜20質量%とするのが好ましく、5質量%〜18質量%とするのがより好ましい。
この含有量が2質量%未満の場合、電気抵抗の耐環境性改善効果が低く、20質量%超の場合、電気抵抗の耐環境性改善効果が上がらないのみならず、黒色度が低下したりするおそれがあり好ましくない。
また、本発明の低磁性黒色顔料粒子においては、粒子中のFe元素/Ti元素比が0.25以上1未満であることが好ましく、0.5以上1.0未満であることがより好ましい。
このFe元素/Ti元素比が0.25未満の場合、粒子中の金属Feの比率が低めとなり、電気抵抗の耐環境性改善効果が得られにくく、1を超える場合、粒子中の金属Feの比率が高めとなり、黒色度が低下したりするおそれがあり好ましくない。
また、本発明の低磁性黒色顔料粒子においては、粒子表面に黒色、または青色染料成分が付着していることが好ましい。このような染料成分を用いることにより、無機粒子の黒色度、色相を補うと同時に、低磁性黒色顔料粒子を用いたトナーを使用した際に、艶のある質感を画像に与えることができる。
また、上記染料成分の付着量は、粒子全体質量に対し、2質量%〜20質量%であることが好ましい。この付着量が、2質量%未満では染料を塗布した効果が見られない。また、20質量%を超えると、塗布しきれない染料があふれ、粒子の分散性を阻害する。
また、本発明の低磁性黒色顔料粒子においては、79.6kA/m下での飽和磁化量が0.1Am/kg〜20Am/kgであることが好ましい。本発明の低磁性黒色顔料粒子は、非磁性のFeTiOが主成分であるため、磁化はかなり低いものである。しかし、0.1Am/kg未満とするのは困難であり、逆に20Am/kgを超えると磁気凝集による影響等が懸念されるので好ましくない。
また、本発明の低磁性黒色顔料粒子においては、BET比表面積値が3m/g〜100m/gであることが好ましく、5m/g〜50m/gであることがより好ましい。このBET比表面積値が3m/g未満の場合、粒子が大きすぎて顔料特性上、黒色度には優れるが、着色力や隠ぺい力に劣るものとなり、BET比表面積値が100m/gを超える場合、粒子が細かすぎ、凝集しやすく、分散性の劣るものとなる。
次に本発明の低磁性黒色顔料粒子の好ましい製造方法について説明する。
本発明の低磁性黒色顔料粒子は、4価の水溶性チタン塩水溶液を水酸化アルカリで中和して得られたスラリーと、水溶性鉄塩水溶液とを混合し、水酸化アルカリで中和、洗浄後、乾燥した生成物を水素含有の還元雰囲気下で焼成することで製造できる。
本発明の低磁性黒色顔料粒子の製造方法においては、まず、4価の水溶性チタン塩水溶液を用意し、水酸化アルカリで中和してチタン化合物スラリーを生成させる必要がある。
この際の4価の水溶性チタン塩水溶液は、硫酸チタン(4価)や塩化チタン(4価)等の4価の水溶性チタン塩を溶解する方法や、希硫酸にオキシ硫酸チタンを溶解する方法等が採用できるが、この水溶液の調製時、チタン塩を一旦完全に溶解させた後、70℃〜95℃となるように水溶液を昇温し、常温まで冷却するのが好ましい。
しかる後、上記水溶液を水酸化アルカリで中和して、チタン化合物スラリーを生成させる。このチタン化合物スラリーは、加熱し、水酸化アルカリで中和することにより得られるもので、含水酸化チタンを主成分とするものである。
上記操作手順中、4価の水溶性チタン塩水溶液を昇温加熱する際の温度については、70℃未満の場合、含水酸化チタンの生成に支障をきたすおそれがあり、95℃を超えて加熱しても、エネルギーコスト上、不経済である。
また、上記操作手順中、中和の際のpHは8.5〜11の範囲に調整するのが好ましい。このpHが8.5未満の場合、含水酸化チタン生成が不十分となり、11を超える場合、中和剤量過剰につき、コスト上不経済である。
なお、中和に用いることのできる水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化アルカリ等のアルカリ金属塩を含むものや、アンモニア等、いずれも用いることができる。
上記のようにして得られたチタン化合物スラリーは、引き続き水溶性鉄塩水溶液と混合させる。
この混合の際は、鉄塩水溶液をチタン化合物スラリーに投入する方法、チタン化合物スラリーを鉄塩水溶液に投入する方法、あるいは両者を接触させるように容器に同時投入する等いずれの方法を採用しても良い。
なお、混合させる上記水溶液とスラリー中のFe:Tiモル比は、1:0.25〜1:4となるように調整するのが好ましい。Fe1に対し、Tiモル比が0.25未満の場合、Fe量が過剰のため、磁化が大きくなるおそれがある。また、Fe1に対し、Tiモル比が4を超える場合、Ti量が過剰のため、黒色度が損なわれるおそれがある。
上記2価の水溶性鉄塩水溶液は、硫酸第一鉄や塩化第一鉄等、汎用的な鉄塩水溶液いずれでも使用できる。水溶液中の鉄塩濃度は、生産性を考慮し、混合後の液量が過剰にならないようにするため、鉄換算で5g/L〜200g/L程度とするのが良い。
チタン化合物スラリーと水溶性鉄塩水溶液とを混合後、得られたTi/Fe混合スラリーを、水酸化アルカリでpH調整し、洗浄後、乾燥する。
上記pH調整の際のpHは7〜11の範囲に調整するのが好ましい。このpHが7未満の場合、鉄の水酸化物生成が不十分となり、11を超える場合、添加アルカリ量過剰につき、コスト上不経済である。
pH調整の際に用いられる水酸化アルカリとしては、チタン塩水溶液中和時と同様、特に限定されるものではない。
pH調整、洗浄、乾燥により得られた生成物は、水素含有の還元雰囲気下で焼成する。
還元雰囲気は、水素を含有する還元性ガスを用いるのであれば特に限定されないが、取扱い性や安全性の面を考慮すると、不活性ガス(窒素が好適)中に水素1体積%〜3体積%を含むものを使用するのが好ましい。
焼成の際の温度は、300℃〜800℃が好ましい。焼成温度が300℃未満では、水酸化物等の焼成前の形態物が残留するおそれがあり、800℃を超える場合、粒子同士の焼結が進みやすく、粒子が強く凝集するおそれがある。
焼成時間は、300℃〜600℃の低温焼成の場合、1時間〜8時間で、500〜800℃の高温焼成の場合、30分〜2時間で処理するのが好ましい。焼成時間が短い場合、水酸化物等の焼成前の形態物が残留するおそれがあり、焼成時間が長い場合、生産性が悪い他、粒子同士の焼結が進みやすく、粒子が強く凝集するおそれがある。
また、本発明の低磁性黒色顔料粒子の製造方法においては、焼成によって得られた粒子の表面に、染料を塗布することが好ましい。用いる染料は、有機系、無機系のどちらの染料も用いることができる。また、塗布する染料の色味は、焼成後の粒子の色合いによって判断すれば良いが、黒色系あるいは青色系のものを用いるのが、トナー用黒色顔料の色相改善に有効である。具体的な染料としては、トリフェニルメタン染料、アントラキノン染料等が挙げられる。
染料の塗布方法は、乾式法、湿式法いずれを採用しても良い。乾式法であれば、特定量の染料と粒子粉末を量りとり、混練装置等を用いて、処理すれば良い。また、湿式法であれば、適切な溶媒に溶かした染料を攪拌容器中に準備し、特定量の粒子粉末を投入、攪拌処理後、適宜溶媒成分を揮発、乾燥処理を行えば良い。
上記塗布の際の染料の量は、粒子全体質量に対して2質量%〜20質量%となるように調整するのが好ましい。この処理量が、2質量%未満では染料を塗布した効果が見られない。また、20質量%を超えると、湿式法では溶媒の蒸発が速やかに進まない等の弊害や、得られる粒子粉末の分散性等も阻害する。
本発明の低磁性黒色顔料粒子は、上記の好ましい製造方法により、効率良く生産することができ、得られた低磁性黒色顔料粒子は、二成分系現像方式や非磁性一成分現像方式において使用されるトナー中の黒色顔料成分として好適に用いられる。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
5000gのオキシ硫酸チタン(5水塩)を50Lの水に加え、濃硫酸を30mL添加した。20分攪拌し、透明になった水溶液を80℃に加熱した。この水溶液を室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH9.2に調整した。2時間攪拌し、チタン化合物が生成したスラリーに、鉄換算で50g/Lの硫酸第一鉄溶液を12L添加した。水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.3に調整した後、1時間攪拌した。得られたスラリーを洗浄、乾燥及び解砕して得られた生成物を、2体積%水素含有の窒素ガス雰囲気下、400℃、2時間焼成後、解砕して低磁性黒色顔料粒子を得た。
得られた低磁性黒色顔料粒子は以下に示す方法で評価した。評価した結果を表1に示す。
〔評価方法〕
(a)粒子全体に対する全Fe/Ti比
試料を酸に完全に溶解し、ICPにて全Feおよび全Ti含有量を求め、その比を算出した。
(b)粒子全体に対する金属Feの含有量
JIS K 8001記載の方法にて、試料中の金属Feを臭素メタノール中に溶かす。得られた溶液を濃縮した後、塩酸に溶かし、ICPにて測定した。
(c)平均粒子径
走査型顕微鏡(倍率4万倍)により、粒子形状を観察し、任意に200個の粒子のフェレ径を計測し、その個数平均値を持って平均粒子径とした。
(d)電気抵抗値およびその耐環境性
試料を環境室内にて、10℃、20%RHと35℃、85%RHの各環境下で24時間曝露した。この試料10gをホルダーに入れ、600kgf/cmの圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け、150kgf/cmの加圧状態で電気抵抗を測定する。測定に使用した試料の厚さおよび断面積と抵抗値からマグネタイトの体積抵抗値(Ω・cm)を求めた(RLL:10℃20%RHでの体積電気抵抗、RHH:35℃85%RHでの体積電気抵抗)。また、電気抵抗の環境依存性についてはRHH/RLLの式の値にて表現した。この数値が1に近いほど耐環境性に優れている。
(e)黒色度
粉体の黒色度測定はJIS K5101−1991に準拠して行った。
試料2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式マーラーで練りこむ。この練り込んだサンプル2.0gにラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後これをミラーコート紙上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、色差計(東京電色社製、カラーアナライザーTC-1800型)にて、黒色度(L値)を測定した。
(f)着色力(塗料化時分散時の展色性)
試料0.5gと酸化チタン(石原産業社製R800)1.5gにヒマシ油1.3ccを加え、フーバー式マーラーで練り込んだ。この練り込んだサンプル2.0gにラッカー4.5gを加え、さらに練り込んだ後、これをミラーコート紙上に4milのアプリケータを用いて塗布し、乾燥後、色差計(東京電色社製カラーアナライザーTC−1800型)にて着色力L値を測定した。
(g)比表面積
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
(h)磁気特性
東英工業製振動型磁力計VSM−P7を使用し、外部磁場79.6KA/mにて測定した。
〔実施例2〕
焼成温度を700℃とした以外は、実施例1と同様にして低磁性黒色顔料粒子を得た。実施例1と同様に各種特性を評価した結果を表1に示す。
〔実施例3〕
(染料を付着させた実施例を追加)
実施例1の低磁性黒色顔料粒子を3kg準備し、クリスタルバイオレット300gと共にヘンシェルミキサーに投入、5分攪拌することによって、染料表面処理した低磁性黒色顔料粒子を得た。
〔比較例1〕
5000gのオキシ硫酸チタン(5水塩)を10.7Lの水に加え、濃硫酸を30mL添加した。20分攪拌し、透明になった水溶液を80℃に加熱した(酸化チタンに換算して150g/L含有)。この水溶液を室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9に調整した。2時間攪拌後、希塩酸によりpH6に調整して洗浄及びろ過を行った。洗浄を行った含水酸化チタンをリパルプし、酸化チタンとして100g/Lに調整後、そのスラリーに、鉄換算で70g/Lの塩化第二鉄溶液を27.1L添加した(Feとして100g/Lの塩化第二鉄溶液を用いTiに対するFeの割合が170原子%になるように添加)後、水酸化ナトリウム溶液を滴下して、該スラリーのpHを7に調整した。
上記の混合スラリーをろ過、洗浄し、110℃で乾燥した。乾燥物を磁製ルツボに入れ、電気炉にて950℃で1時間焼成を行い、冷却後、水素と二酸化炭素の混合ガス(水素3%)により520℃で8時間還元を行い、これを粉砕して黒色顔料粉末を得た(特開2005−68323号公報中の実施例1に記載の方法に準じた)。実施例1と同様に各種特性を評価した結果を表1に示す。
〔比較例2〕
球状マグネタイト粒子粉末(平均粒子径0.15μm、BET比表面積9.7m2/g)900gを含有する水懸濁液に、硫酸チタニル3.3molを含有する水溶液(マグネタイト粒子粉末の前Feに対してTi換算で28原子%に相当する。)を添加する。尚、添加時に反応溶液のpH値を8.5以上に保持するように該混合液中にNaOHを添加した。次いで、混合溶液のpH値を8.0に調整してマグネタイト粒子の粒子表面にチタンの含水酸化物を沈着させた後、濾別、水洗、乾燥して粒子表面がチタンの含水酸化物で被覆されている球状黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
上記粒子表面がチタンの含水酸化物で被覆されている球状黒色磁性酸化鉄粒子粉末をNガス流下770℃で60分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄系黒色粒子粉末を得た(特開2005−200285号公報中の実施例3に記載の方法に準じた)。実施例1と同様に各種特性を評価した結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明に基づく実施例1および2の低磁性黒色顔料粒子は、低磁化であることはもちろんのこと、黒色度が高く、かつ各環境下での電気抵抗の変化が小さい、いわゆる環境安定性を有するものであることが判る。
これに対し、比較例の粒子は金属Feを殆ど含まず、FeTiOが主成分でないことに起因していることに起因して、電気抵抗の耐環境性に著しく劣るものである。

Claims (10)

  1. FeTiO3を主成分とし、かつ粒子中に金属Feを2質量%〜20質量%含有していることを特徴とする低磁性黒色顔料粒子。
  2. FeTiO3を主成分とし、かつ金属Feを含有しており、粒子中のFe元素/Ti元素比が0.25以上1未満であることを特徴とする低磁性黒色顔料粒子。
  3. 粒子表面に黒色、または青色染料成分が付着していることを特徴とする請求項1又は2に記載の低磁性黒色顔料粒子。
  4. 前記染料成分の付着量が粒子全体質量に対し、2質量%〜20質量%である請求項に記載の低磁性黒色顔料粒子。
  5. 79.6kA/m下での飽和磁化量が0.1Am2/kg〜20Am2/kgであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の低磁性黒色顔料粒子。
  6. BET比表面積値が3m2/g〜100m2/gであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の低磁性黒色顔料粒子。
  7. 4価の水溶性チタン塩水溶液を水酸化アルカリで中和して得られたスラリーと、水溶性鉄塩水溶液とを混合し、水酸化アルカリで中和、洗浄後、乾燥した生成物を水素含有の還元雰囲気下で焼成することを特徴とする低磁性黒色顔料粒子の製造方法。
  8. 水素含有の還元雰囲気下で焼成後、得られた粒子の表面に、染料を塗布することを特徴とする請求項に記載の低磁性黒色顔料粒子の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の低磁性黒色顔料粒子を用いた電子写真用トナー。
  10. 請求項9に記載の電子写真用トナーを用いた電子写真方式による画像形成方法。
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