JP4490005B2 - プリント回路板の試験方法及び試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント回路板に実装された電子部品を試験するプリント回路板の試験方法及び試験装置に関し、特に試験により電子部品の不良が検出された場合、不良電子部品を特定することができるプリント回路板の試験方法及び試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来電子機器等に使用されているプリント回路板には、多数の電子部品が実装されているが、プリント回路板に電子部品を実装した際、試験装置を使用してプリント回路板や、実装された電子部品の良否を試験している。
【0003】
またプリント回路板に実装された電子部品には、バイパスコンデンサのように1枚のプリント回路板に数十個から数百個も実装されたものがあり、これらコンデンサaは、例えば図5に示すようにプリント回路板に形成された電源パターンbとグランドパターンcの間に並列接続されており、プリント回路板に実装された電子部品の良否を試験する際、電源パターンbとグランドパターンcの間にテスタのプローブdを接触させて抵抗値を測定することにより、コンデンサaの良否を判定している。
【0004】
一方前記試験によりコンデンサaの一部に不良品があることが判明した場合は、不良品であるコンデンサaを特定するため、図5に示すようにコンデンサaの両端にテスタのプローブdを当接させて抵抗値を測定し、その抵抗値がもっとも小さいコンデンサaから順にプリント回路板より取外し、ショートがなくなるまで前記操作を繰返すことにより、不良品であるコンデンサaを特定している。
【0005】
またコンデンサaの不良が判明したら、そのコンデンサaを良品と交換した後、検査のために取外したすべてのコンデンサaを再びプリント回路板に実装するなどの修復作業を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記従来の試験方法のように、プリント回路板に実装されたコンデンサaに1個ずつプローブを当接して抵抗値を測定することにより、不良のコンデンサaを特定するようにしたものでは、プリント回路板に多数のコンデンサaが実装されている場合、不良のコンデンサaを特定するのに多くの時間がかかって作業能率が悪い上、検査のために取外したコンデンサaを再びプリント回路板に実装しなければならないため、修復作業に多くの工数を必要とするなどの問題がある。
【0007】
またコンデンサaの両端にテスタのプローブdを当接して抵抗値を測定する際、電源ラインbやグランドラインcのパターン長による抵抗値も含まれた値がテスタに測定値として表示されるため、もっとも抵抗値が小さいコンデンサaが不良品とは限らない場合があり、不良品を特定するのが難しいなどの問題もあった。
【0008】
本発明はかかる従来の問題点を改善するためになされたもので、プリント回路板に実装された電子部品の良否の特定が容易かつ確実に行えるプリント回路板の試験方法及び試験装置を提供して、試験時間の短縮及び作業能率の向上を図ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明のプリント回路板の試験方法は、プリント回路板に実装された同一の電源パターンとグランドパターン間に並列に接続された複数の電子部品の良否を試験するプリント回路板の試験方法であって、電源パターンとグランドパターンの間のショートの有無を検出し、ショートしている場合、プリント回路板に形成された電源パターンとグランドパターンの間に接続された複数の電子部品にAC信号を印加し、かつこの状態でCADデータに基づき信号検出手段を移動させて、複数の電子部品の各々に順次信号検出手段を当接して、電子部品より発生される信号を検出すると共に、信号検出手段が検出した信号により、各電子部品の良否を特定するようにしたものである。
【0010】
前記方法により、プリント回路板に実装された複数の電子部品の中から、不良の電子部品が容易かつ確実に特定できるため、従来の電子部品を次々に取外しながら不良の電子部品を特定する方法に比べて、試験時間を大幅に短縮することができ、これによって作業能率が向上すると共に、不良の電子部品のみを取外して良品と交換するだけでプリント回路板を修復することができるため、修復時間も大幅に短縮することができる。
【0011】
また電子部品より発生される信号を直接検出して、電子部品の良否を特定するため、他の電子部品やパターンの抵抗値などに影響されることなく良否が特定できるため、信頼性も高い。
【0012】
前記目的を達成するため本発明のプリント回路板の試験装置は、プリント回路板に実装された同一の電源パターンとグランドパターン間に並列に接続された複数の電子部品の良否を試験するプリント回路板の試験装置であって、電源パターンとグランドパターンの間のショートの有無を検出するショート検出手段と、ショートを検出した場合、プリント回路板に形成された電源パターンとグランドパターンの間に接続された複数の電子部品にAC信号を印加するAC信号発生手段と、AC信号発生手段にて複数の電子部品にAC信号を印加している状態で、CADデータに基づき信号検出手段を移動させて、複数の電子部品の各々に、順次、当該信号検出手段を当接させる移動制御手段と、信号検出手段を電子部品に当接した状態で複数の電子部品の各々より発生される信号を順次検出する信号検出手段と、信号検出手段が検出した信号より電子部品の良否を特定する判定手段とから構成したものである。
【0013】
前記構成により、プリント回路板に実装された複数の電子部品の中から、不良の電子部品が容易かつ確実に特定できるため、従来の電子部品を次々に取外しながら不良の電子部品を特定する方法に比べて、試験時間を大幅に短縮することができるため、作業能率が向上すると共に、不良の電子部品のみを取外して良品と交換するだけで、プリント回路板を修復することができるため、修復時間も大幅に短縮することができる。
【0014】
また電子部品より発生される信号を直接検出して、電子部品の良否を特定するため、他の電子部品や、パターンの抵抗値などに影響されることなく良否が特定できるため、信頼性も高い。
【0016】
また前記構成により、プリント回路板を設計する際作成したCADデータを利用して、プーブピンやセンタプーブの移動制御が行えるため、試験の自動化が可能となると共に、プーブピンやセンタプーブを所定位置へ正確に位置決めすることができるため、試験精度も向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳述する。
【0018】
図1は電子部品の実装されたプリント回路板の平面図、図2はプリント回路板に実装されたバイパスコンデンサの拡大図、図3は本発明の実施の形態になるプリント回路板試験装置の構成図、図4は試験方法を示す作用説明図である。
【0019】
試験を行うプリント回路板1には、図1に示すようにICなどの電子部品2が実装されており、電子部品2の周辺には多数のバイパスコンデンサなどのコンデンサ(電子部品)3が実装されている。
【0020】
これらコンデンサ3は図2に示すように、プリント回路板1に形成された電源パターン4とグランドパターン5の間に並列接続されている。
【0021】
電子部品2やコンデンサ3の実装されたプリント回路板1を試験する試験装置6は図3に示すように、プリント回路板1を試験する際作成されたCADデータ等により指定された位置へ移動自在な複数、例えば1対のプローブピン7及び8を有しており、一方のプローブピン7には、AC信号発生手段9が接続されていて、このプローブピン7により試験を行うコンデンサ3の一端が半田付けされたパット4aや、電源パターン4にAC信号が印加できるようになっていると共に、他方のプローブピン8は試験装置6のグランド6aに接地されている。
【0022】
また試験装置6は、センタプローブ(信号検出手段)10を有していて、このセンタプローブ10を、試験を行うコンデンサ3に図3に示すように当接させることにより、コンデンサ3のモールド部を介してリードフレームから放射される信号を検出できるようになっており、センタプローブ10により検出された信号は測定回路11へ送られて、測定回路11が測定した受信レベルにより、図示しない制御手段に設けられた判定手段がコンデンサ3の良否を判定するようになっている。
【0023】
次に前記構成された試験装置6により、プリント回路板1に実装されたコンデンサ3の試験を行う方法を、図4を参照して詳述する。
【0024】
バイパスコンデンサのように、電源パターン4とグランドパターン5に多数のコンデンサ3が並列接続されたものでは、このうちのコンデンサ3の1個でも、内部不良により両端子間がショートしていると、電源パターン4とグランドパターン5間がショート状態になって、電源パターン4とグランドパターン5間の抵抗値をテスタなどで測定しても、抵抗値に大きな差が発生しない上、電源パターン4やグランドパターン5のパターン長による抵抗値も含まれるため、不良コンデンサ3を特定することができない。
【0025】
そこで本発明の実施の形態では、プリント回路板1の試験を行った際、電源ライン4とグランドライン5の間にショートが発生されているのが検出されたら、試験装置6の制御手段により、CADデータ等を基に各プローブピン7,8を移動制御して、図3及び図4に示すように一方のプローブピン7を電源パターン4や、コンデンサ3の一端が半田付けされたパット4aの任意な位置に接触さて、AC信号発生手段9により電源パターン4や、パット4aにAC信号を印加し、他方のプローブピン8をグランドパターン5や、コンデンサ3の他端が半田付けされたパット5aの任意な位置に接触させる。
【0026】
次にCADデータ等を基にセンタプローブ10を移動させて、はじめに試験するコンデンサ3−1に、センタプローブ10を当接させ、コンデンサ3−1より発せられる信号を測定回路11で測定し、測定値を試験装置6の制御手段に設けられたメモリへ記憶させる。
【0027】
以下センタプローブ10を次のコンデンサ3−2,3−3…と順次移動させて、各コンデンサ3−2,3−3…毎に測定値をメモリへ記憶させ、全てのコンデンサ3の測定が完了したら、コンデンサ3の良否を記憶部に記憶された測定値より、制御手段に設けられた判定手段が判定するもので、内部にショートが発生しているコンデンサ3は、測定手段11が測定した受信レベルが大きいことから、受信レベルの大小により容易かつ確実に不良のコンデンサ3を特定することができるようになる。
【0028】
不良のコンデンサ3が特定されたら、そのコンデンサ3をプリント回路板1より取外して、良品のコンデンサ3と交換することにより、プリント回路板1の修復が完了するため、従来のコンデンサを次々と取外しながら不良のコンデンサを特定し、不良のコンデンサを良品のコンデンサと交換した後、取外したコンデンサを再び実装してプリント回路板を修復するものに比べて、試験時間や修復時間を大幅に短縮することができるようになる。
【0029】
なお前記実施の形態では、試験する電子部品をバイパスコンデンサなどのコンデンサ3について説明したが、AC信号を印加することにより信号を発生する電子部品全般に適用できるものである。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、プリント回路板に形成された電源パターンとグランドパターンの間に接続された複数の電子部品にAC信号を印加し、かつこの状態で各電子部品に順次信号検出手段を当接して、電子部品より発生される信号を検出すると共に、信号検出手段が検出した信号により、各電子部品の良否を特定するようにしたことから、プリント回路板に実装された複数の電子部品の中から、不良の電子部品が容易かつ確実に特定できるため、従来の電子部品を次々に取外しながら不良の電子部品を特定する方法に比べて、試験時間を大幅に短縮することができ、これによって作業能率が向上すると共に、不良の電子部品のみを取外して良品と交換するだけで、プリント回路板を修復することができるため、修復時間も大幅に短縮することができる。
【0031】
また電子部品より発生される信号を直接検出して、電子部品の良否を特定するため、他の電子部品やパターンの抵抗値などに影響されることなく良否が特定できるため、信頼性も高い。
【0032】
さらに電子部品が接続された電源パターン及びグランドパターンに、複数のプローブピンによりAC信号を印加し、また各電子部品より発生される信号をセンタプローブで検出すると共に、プーブピン及びセンタプーブをCADデータにより移動制御するようにしたことから、プリント回路板を設計する際作成したCADデータを利用して、プーブピンやセンタプーブを移動制御できるため、試験の自動化が可能になると共に、プーブピンやセンタプーブを所定位置へ正確に位置決めすることができるため、試験精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になるプリント回路板の試験装置により試験するプリント回路板の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態になるプリント回路板の試験装置により試験するプリント回路板に実装された電子部品の拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態になるプリント回路板の試験装置を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態になるプリント回路板の試験方法を示す作用説明図である。
【図5】従来のプリント回路板の試験方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 プリント回路板
3 電子部品(コンデンサ)
4 電源パターン
5 グランドパターン
6 試験装置
7 プローブピン
8 プローブピン
9 信号発生手段
10 信号検出手段(センタプローブ)

Claims (2)

  1. プリント回路板に実装された同一の電源パターンとグランドパターン間に並列に接続された複数の電子部品の良否を試験するプリント回路板の試験方法であって、
    前記電源パターンと前記グランドパターンの間のショートの有無を検出し、ショートしている場合、前記プリント回路板に形成された電源パターンとグランドパターンの間に接続された複数の電子部品にAC信号を印加し、かつこの状態でCADデータに基づき信号検出手段を移動させて、前記複数の電子部品の各々に順次信号検出手段を当接して、前記電子部品より発生される信号を検出すると共に、前記信号検出手段が検出した信号により、前記各電子部品の良否を特定することを特徴とするプリント回路板の試験方法。
  2. プリント回路板に実装された同一の電源パターンとグランドパターン間に並列に接続された複数の電子部品の良否を試験するプリント回路板の試験装置であって、
    前記電源パターンと前記グランドパターンの間のショートの有無を検出するショート検出手段と、ショートを検出した場合、前記プリント回路板に形成された電源パターンとグランドパターンの間に接続された複数の電子部品にAC信号を印加するAC信号発生手段と、前記AC信号発生手段にて複数の電子部品にAC信号を印加している状態で、CADデータに基づき信号検出手段を移動させて、前記複数の電子部品の各々に、順次、当該信号検出手段を当接させる移動制御手段と、前記信号検出手段を前記電子部品に当接した状態で前記複数の電子部品の各々より発生される信号を順次検出する信号検出手段と、前記信号検出手段が検出した信号より前記電子部品の良否を特定する判定手段とを具備したことを特徴とするプリント回路板の試験装置。
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