JP4485871B2 - ポリウレタン弾性体及び弾性繊維 - Google Patents

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本発明は、抗菌性及び消臭性に優れ、かつ耐変色に優れたポリウレタン弾性体に関するものであり、特に該ポリウレタン弾性体を用いた弾性繊維に関する。
近年、より快適な住環境が求められる中で、抗菌性塗料、抗菌性フィルム・シート、抗菌性フィラメント、抗菌性トイレタリー製品、抗菌性台所用品、抗菌性文房具、抗菌砂、抗菌ティシュ、抗菌繊維、抗菌性化粧品などのいわゆる「抗菌性商品」が広く出回るようになった。これらの製品に利用されている抗菌剤は、そのほとんどが有機系抗菌剤であったが、有機系抗菌剤は、人体に対する安全性に不安があり、また抗菌力も十分でないものが多い。これに対し、無機系抗菌剤は銀イオンに代表される金属イオンを用いており、安全性と抗菌力に優れている。したがって最近は、無機系抗菌剤、特に銀系抗菌剤が多く見受けられるようになった。
この無機系抗菌剤は、有機抗菌剤に比べて、耐候性・耐薬品性に優れ、急性経口毒性が低いという優れた特性を有している。加えて、耐熱性が有機系抗菌剤に比べて著しく高いため、合成樹脂に添加して多分野で使われるようになってきた。
しかしながら、無機系抗菌剤を合成樹脂に添加して成形すると、無機抗菌剤に含有される金属の作用と、成形時の熱や成形物に照射される光の影響で成形品が変色して、製品価値が著しく低下するという問題が生じる。そこで、無機系抗菌剤を添加した抗菌性樹脂の熱変色を抑制する技術が多く提案されている。
例えば、熱可塑性樹脂に、銀系抗菌剤と2価以上のカチオン性金属イオンを有する金属塩を添加することにより、熱変色を抑制する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。尚この文献では、「使用する2価以上のカチオン性金属イオンを有する金属塩としては、有機物の塩、無機物の塩であり、2価以上のカチオン性イオンを示す金属としては、周期律表II〜V族、VIb族、VIIb族、VIIIb族の金属であり、好ましい例としては、Mg、Ca、Ti、Mo、Mn、Fe、Zn、Al、Pなどであり、さらに好ましくは、Mg、Ca、Zn、Alである。また該金属の有機物としては、炭素数1〜40の範囲のカルボン酸基含有化合物または酸無水物基含有化合物の金属塩である。また、無機物の塩としては、周期律表VIIa族の元素との化合物、周期律表VIa族の元素との化合物、水酸化物、炭酸化物などであり、好ましい例としては、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウムなどである。」と記載されている。また、(A)ゴム質重合体存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体からなる樹脂重合体を重合してなるスチレン系樹脂から選ばれた少なくとも1種+(B)他の熱可塑性樹脂+(C)酸化銀を含有するホウ酸系ガラスに、酸化ホウ素、ホウ酸、銀化合物から選ばれた少なくとも1種を配合することにより、熱変色を抑制した抗菌防カビ性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらにまた、抗菌性樹脂に、ホウ酸を添加したり(例えば、特許文献3参照)、ホウ酸アンモニウムを添加したり(例えば、特許文献4参照)、リン化合物を添加したり(例えば、特許文献5参照)、ホウ酸又はホウ酸アンモニウムと有機スズ化合物とを添加する(例えば、特許文献6参照)ことにより、熱変色を抑制することができる抗菌樹脂組成物も開示されている。
しかしながらこれらに開示されている抗菌性樹脂組成物は、保存時、使用時、加工時な
どに生じる熱変色に対しある程度の抑制効果は示すものの充分とはいえず、特に長期間安定して変色抑制効果を示すという点では改良の余地があった。
一方、消臭分野においては、活性炭の物理吸着性能、ゼオライト・カオリンの物理吸着及び化学吸着性能が消臭性を付与するものとして利用されている。しかしながら、活性炭は、濃い色を有しているため白色や淡色には用いることができないばかりか色移りの問題があり、ゼオライト・カオリンの天然鉱物は、粉砕できる平均粒子径が0.1μm以上で、通常は数μmであるため後加工で使用された場合、色合いや風合いを損ねるなどの問題がある。また、酸化亜鉛微粒子とジルコニウム化合物微粒子および/または珪素化合物が配合されたコーティング剤により後加工された加工繊維は、色合いを損ねることなく、抗菌性能、消臭性能等が良好であることが開示されている(例えば、特許文献7参照)。しかしこの文献に記載の樹脂成型体では、樹脂成型体に被覆された被覆層が摩耗、剥離を受け、消臭性の持久力が使用条件に左右されるという問題が生じるおそれがある。また、抗菌性、消臭性、及び耐変色性の何れの項目も充分満足のいく樹脂成型体を得るという点では改良の余地があった。また、天然抗菌剤ヒノキチオールとZn、Si、Cu、Ni、Fe、Al及びMgから選ばれた少なくとも1種の元素を含む金属酸化物及び/複合金属酸化物とを含有する抗菌消臭ポリウレタン弾性繊維が開示されている(例えば、特許文献8参照)。しかし、この文献は、天然抗菌剤を使用しているため、無機系抗菌剤を使用することにより生じる変色については何ら問題としていない。
特開平08−27306号公報 特開平09−25389号公報 特開平11−43613号公報 特開平11−293121号公報 特開平11−293122号公報 特開2000−1621号公報 特開平8−231897号公報 特開2002−105757号公報
本発明は、このような状況下なされたものであり、抗菌性及び消臭性に優れ、かつ耐変
色に優れたポリウレタン弾性体を提供すること、及び該ポリウレタン弾性体からなるポ
リウレタン弾性繊維を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の抗菌剤と特定の消臭剤とを組み合わせて含有させたポリウレタン弾性体が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 下記Aの抗菌剤、及び下記BとCの消臭剤とを含有するポリウレタン弾性体。
A.銀、銅、亜鉛、及び錫からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを多孔性構造物質に担持させた抗菌剤
B.リン酸ジルコニウムからなる消臭剤
C.Zn、Si、Cu、Ni、Fe、Al、及びMgから選ばれた元素を含む、金属酸化物又は複合金属酸化物からなる消臭剤
(2) 前記Aの抗菌剤、及び前記BとCの消臭剤の含有量の総量が、ポリウレタン固形分に対して0.3〜9.0質量%であり、且つ、前記Aの抗菌剤、又は前記B若しくはCの消臭剤のそれぞれの含有量がポリウレタン固形分に対して0.1〜5.0質量%である
(1)に記載のポリウレタン弾性体。
(3) (1)又は(2)に記載のポリウレタン弾性体からなるポリウレタン弾性繊維。(4) (3)に記載のポリウレタン弾性繊維を用いた織編物。
(5) (3)に記載のポリウレタン弾性繊維を用いたパンティーストッキング、靴下、タイツ、ショーツ、シャツ、キャミソール、スリップ、ボディスーツ、ブリーフ、トランクス、肌着、ガードル、ブラジャー、スパッツ、水着、手袋、セーター、ベスト、トレーニングウェア、レオタード、スキー用衣類、野球用衣類、パジャマ、ガウン、シーツ、布団生地、タオルケット、カーテン類、マット、又はカーペット製品。
(6) (3)に記載のポリウレタン弾性繊維であって、繊度ムラ変動係数が2.5%以内であるポリウレタン弾性繊維を用いたパンティーストッキング又はタイツ。
(7) ポリウレタン重合体に下記Aの抗菌剤、及び下記BとCの消臭剤を添加するか、もしくはポリウレタン原料に該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤を添加しその後重合することにより該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤が含有されたポリウレタン重合体を得る工程、及び、該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤が含有されたポリウレタン重合体を成形する工程とを有することを特徴とする、該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤が含有されたポリウレタン弾性体の製造方法。
A.銀、銅、亜鉛、及び錫からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを多孔性構造物質に担持させた抗菌剤
B.リン酸ジルコニウムからなる消臭剤
C.Zn、Si、Cu、Ni、Fe、Al、及びMgから選ばれた元素を含む、金属酸化物又は複合金属酸化物からなる消臭剤
(8) 前記Aの抗菌剤、及び前記BとCの消臭剤を添加する際、該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤を溶媒に分散もしくは溶解させ、該分散液もしくは溶解液を用いることにより添加することを特徴とする、(7)に記載のポリウレタン弾性体の製造方法。
本発明により、抗菌性及び消臭性に優れ、かつ耐変色に優れたポリウレタン弾性体を提供することができる。
また、本願発明により、このようなポリウレタン弾性体からなる抗菌性及び消臭性に優れ、かつ耐変色に優れたポリウレタン弾性繊維を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリウレタン弾性体は、上記Aの抗菌剤、及び上記BとCの消臭剤とを含有することを特徴とする。
本発明でいうポリウレタン弾性体とは、主たる成分であるポリウレタン重合体が成型されたものであれば特に制限はなく、ポリウレタン重合体からなる成形品全般を示す。
ここで、ポリウレタン重合体とは、ウレタン結合を有している高分子重合体であればよく、ポリウレタン重合体、ポリウレタンウレア重合体等をいう。
本発明でいう成形品は、特に制限はなく、弾性繊維、ウレタンフォーム、ビーズ、バンド、テープ、シート等を含むものである。成形品の中でも、本発明の効果が充分発揮されるという点から、弾性繊維が特に好ましい。
ポリウレタン重合体は、一般に知られている製造方法により得ることができる。例えば、有機ジイソシアネートと実質的に線状の高分子ジオールとで調整されたイソシアネート
末端のプレポリマーに、多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤および必要に応じて単官能性活性水素原子を有する末端封鎖剤を反応せしめて製造する方法等が挙げられる。
ここで、ポリウレタン重合体の製造原料である、上記高分子ジオールとしては、末端にヒドロキシル基をもつ数平均分子量400〜5000の線状高分子体が挙げられる。例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、THFおよび3−MeTHFの共重合体である変性PTMG、THFおよび2,3−ジメチルTHF共重合体である変性PTMG、炭素数1〜8の直鎖状またはランダム状にエーテル結合している共重合ポリアルキレンジオール等のポリエーテルジオール、環状エーテル(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等)の開環重合によって得られるポリエーテルジオール;コハク酸、マロン酸、グルタール酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン酸等の二塩基酸の一種または二種以上とエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレングリコール、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロへキサン等のグリコール類の一種または二種以上とから得られたポリエステルジオール;ポリエーテルエステルジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、シリコーンジオール等を挙げることができる。
また、ポリウレタン重合体の製造原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば脂肪族、脂環族、芳香族のジイソシアネートの中で、反応条件下で溶解または液状を示すものすべて適用できる。例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート、パラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でもMDIやHMDIが好ましい。
また、ポリウレタン重合体の製造原料である、上記多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、ヒドラジンの如きジアミン;例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールの如きジオール類;水;ジヒドラジド、カルボジヒドラジド、β−アミノプロピオン酸ヒドラジドの如きヒドラジド類等の多官能性活性水素化合物が挙げられる。
また、必要に応じて加えられる、上記末端封鎖剤としては、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン等のモノアルキルアミン又は、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−イソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン等のジアルキルアミン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルキルアルコールが挙げられる。
ところで、ポリウレタン重合反応の際には、必要に応じ不活性溶媒が使用される。この不活性溶媒としては、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、ジメチルスルフォキシド等の極性溶媒が挙げられる。
本発明のポリウレタン弾性体は、上記のようにして得られるポリウレタン重合体と、上記Aの抗菌剤と上記BとCの消臭剤とを含有する。
ここで、上記Aの抗菌剤(以下、抗菌剤Aともいう)を構成する金属イオンとしては、銀、銅、亜鉛、錫が挙げられ、中でも銀イオン、亜鉛イオン、銅イオンが好ましく、さらに好ましくは銀イオンである。これらの金属イオンは単一種類で含有されていても、銀イオンと亜鉛イオン、あるいは銀イオンと銅イオンなどのように複数種類組み合わせられて含有されていてもよい。これらの金属イオンは、ゼオライト系、シリカゲル系、リン酸ジルコニウム系、リン酸カルシウム系、ケイ酸塩系、ウイスカケ系、ガラス、アルミナ、セラミックスなどの多孔性構造をもった物質に担持される。多孔性構造をもった物質に金属イオンを担持させると、金属イオンの吸着量が多くなるため抗菌性に優れた効果をもたらすことができる。
本発明で多孔性構造とは、空気孔を含んだ構造をもつものであり、粒径の孔径が0.001〜50μmの範囲であるものが挙げられる。
本発明に用いられる無機系抗菌剤Aのうち、銀系抗菌剤としては、一般に市販されている銀系抗菌剤を用いることができ、多孔性構造を持った物質に銀化合物や銀錯塩を担持させたもの、多孔性構造を持った物質に銀イオンをイオン交換させたものなどを挙げることができる。また、本発明に用いられる銀系抗菌剤は、多孔性構造を持った物質の種類により、ゼオライト系、シリカゲル系、リン酸ジルコニウム系、リン酸カルシウム系、ケイ酸塩系、ウイスカ系及びその他に分類される。
ゼオライト系の銀系抗菌剤は、例えば、A型合成ゼオライトの水縣濁液に硝酸銀、若しくは硝酸銀と塩化亜鉛或いは硫酸銅の水溶液を加え、イオン交換反応により結晶構造中のNaの位置に金属イオンを一定量置換し、乾燥した後に焼成して製造することができる。
ゼオライト系の銀系抗菌剤の例としては、品川燃料(株)製の「ゼオミックXAW10D」、鐘紡(株)製の「バクテキラーBM−102GA」、日本化学工業(株)製の「サイダッブスZ」などを挙げることができる。
シリカゲル系の銀系抗菌剤は、例えば、四塩化ケイ素をアルカリ性条件下で加水分解した後、酸性としてゲル化し、硝酸銀、チオサルファイト銀錯体、又は硝酸銀若しくはチオサルファイト銀錯体と塩化亜鉛を加えて乾燥して、約4%の水を含む金属担持無定型粉末(シリカゲル)を製造することができる。
シリカゲル系の銀系抗菌剤の例としては、松下電器産業(株)製の「アメニトップ」、ゲルテクノロジー(株)製の「バクテノン」、富士シリシア化学(株)製の「シルウェン」などを挙げることができる。
リン酸ジルコニウム系の銀系抗菌剤(リン酸ジルコニウム−銀系抗菌剤)は、例えば、水熱合成により得られた結晶リン酸リチウムジルコニウム中のリチウムを酸処理により、プロトンに置換後、更にプロトンを銀イオンに置換後、乾燥し、高温で焼成して製造することができる。
リン酸ジルコニウム−銀系抗菌剤の例としては、東亜合成(株)製の「ノバロンAG300」、「ノバロンAGT330」、「ノバロンAGZ330」、「ノバロンAG1100」などを挙げることができる。
リン酸カルシウム系の銀系抗菌剤は、例えば、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウムなどの水系縣濁液と硝酸銀溶液とを混合し、銀イオンをゲル構造内にイオン的相互作用或いは分子間力を利用して担持させて製造することができる。
リン酸カルシウム系の銀系抗菌剤の例としては、(株)サンギ製の「アパサイダーA」、鳴海製糖(株)製の「ナルクリーン」、太平化学産業(株)製の「シルバーエース」、ラサ工業(株)製の「ラサップAN」などを挙げることができる。
ケイ酸塩系の銀系抗菌剤は、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(組成:SiO2−Al2O3−MgO)に銀イオンと亜鉛イオンを水系で担持、乾燥、焼成して製造することができる。
ケイ酸塩系の銀系抗菌剤の例としては、触媒化成工業(株)製の「アイス NAZ320」、「アイス NAC410」、レンゴー(株)製の「レントーバR」などを挙げることができる。
ウイスカ系の銀系抗菌剤の例としては、大塚化学(株)製の「バイカムAK」、松下アムテック(株)製の「アムテクリーンZ」などを挙げることができる。
その他の銀系抗菌剤としては、セラミックに銀イオンを担持させた住友大阪セメント(株)製の「AM15」、シリカ、アルミナに銀イオンを担持させた東レ(株)製の「コキーナABD」等を挙げることができる。
また、上記記載の銀系抗菌剤以外に、本発明に用いられる無機系抗菌剤Aとして、酸化亜鉛などの亜鉛化合物や銅化合物や錫化合物をゼオライト系、シリカゲル系、リン酸ジルコニウム系、リン酸カルシウム系、ケイ酸塩系、ウイスカケ系、ガラス、アルミナ、セラミックスなどの多孔質構造物質に担持させた亜鉛系抗菌剤、銅系抗菌剤、錫系抗菌剤を用いることができる。尚、複数種類の金属イオンを含む場合、銀系、亜鉛系、銅系、錫系のいずれに分類される抗菌剤であるかその厳密な区別は本発明では必要なく、例えば、銀イオンと銅イオンとを含む抗菌剤の場合、銀系抗菌剤であるとしても銅系抗菌剤であるとしてもよい。
亜鉛系抗菌剤としては、サンギ社製の「アパタイザーZ」、三井金属化学社製の「Zヌーブ」、松下アムテック社製の「アムテクリーンZ」、東亜合成社製の「ノバロンVZ」などが挙げられ、銅系抗菌剤としては、シリカ、アルミナに銀イオンと銅イオンを担持させた(株)日鉱製の「ホロンキラーサンド」、酸化第一銅、銅担持ホウケイ酸ガラス、銅をイオン交換により担持した多孔質結晶化ガラスなどが挙げられる。
銀系抗菌剤以外に亜鉛系抗菌剤、銅系抗菌剤、錫系抗菌剤も使用することができるが、好ましくは銀系抗菌剤が使用できる。
次に、本発明に用いられるBの消臭剤(以下、消臭剤Bともいう)のリン酸ジルコニウムは、ジルコニウムの酸化物、水和物、またはイットリウム・スカンジウム・稀土類元素との添加物における、非晶質または結晶質の中から選択される微粒子である。消臭剤Bは、体臭のアンモニア・トリメチルアミン等の塩基性ガスを消臭する能力が高い。
消臭剤Bとしては、東亜合成(株)製の「ケスモンNS−10」などが挙げられる。
また、Cの消臭剤(以下、消臭剤Cともいう)は、Zn、Si、Cu、Ni、Fe、A
l及びMgから選ばれた少なくとも1種の元素を含む金属酸化物及び/又は複合金属酸化物からなるものが挙げられる。尚、複合金属酸化物とは、Zn、Si、Cu、Ni、Fe、Al及びMgから選ばれる金属を2種以上含む酸化物であってもよいし、又はZn、Si、Cu、Ni、Fe、Al及びMgから選ばれる金属を少なくとも1種含み、さらに別の金属を含む酸化物であってもよい。
金属酸化物及び/又は複合金属酸化物は、配位水を含んでいても無定形の状態でもよい。金属酸化物として特に好ましいのは、酸化亜鉛であり、体臭で汗の分解に起因する酢酸・イソ吉草酸等の酸性ガスを化学的に消臭する能力が高い。その他Si、Cu、Ni、Fe、Al、Mgからなる酸化物として、二酸化ケイ素、酸化銅、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが挙げられ、複合酸化物としては、酸化亜鉛二鉄、酸化ニッケル二鉄、酸化二鉄銅、酸化マグネシウム二鉄などが挙げられる。
消臭剤Cとしては、酸化亜鉛からなる消臭剤として、東亜合成(株)製の「ケスモンNS−10K」、堺化学(株)製の「FINEX−25LP」などが挙げられる。また、二酸化ケイ素と酸化亜鉛からなる消臭剤としては、ラサ工業製の「シュークレンズKD−211G」が挙げられる。
本発明のポリウレタン弾性体において、上記Aの抗菌剤及び上記BとCの消臭剤は、本発明の効果を発揮するに有効な量含有されているとよい。
ここで、抗菌剤Aにおいて、多孔性構造物質に担持される金属イオンの担持量は、その使用目的、用途、使用される抗菌性金属イオンの種類、複数種の金属イオンの組み合わせ方などを考慮することにより決定されるとよい。例えば、銀イオンを主とする金属イオンの担持量は、一般に0.001〜30質量%、より一般的には0.01〜10質量%であると言われており、特に市販されている銀系抗菌剤の多くは、当該金属イオンの担持量が0.5〜3質量%であると言われている。本発明では、上記範囲内の担持量を有する銀系抗菌剤を好ましく使用することができる。
また、本発明に用いられる抗菌剤Aの含有量は、要求される抗菌力等を考慮することにより決定されるとよい。例えば、ポリウレタンの固形分に対し、抗菌剤Aを0.1〜5.0質量%含有させるとよい。含有量が0.1質量%未満では、十分な抗菌性が得られず、また、5.0質量%を超えると、コストが高くなったり製品の物性が低下しやすいなどの問題が生じるからである。
本発明において、上記ポリウレタンの固形分とは、抗菌剤Aと消臭剤BとCを含まないポリウレタン重合体をいう。また、本発明のポリウレタン弾性体が、ポリウレタン重合体、抗菌剤Aと消臭剤BとCの他に、他の添加剤を含む場合でも、ポリウレタン固形分とは、他の添加剤を含まないポリウレタン重合体をいう。
本発明に用いられる消臭剤BとCの含有量は、要求される消臭効果等を考慮することにより決定されるとよい。例えば、ポリウレタンの固形分に対し、消臭剤BとCをそれぞれ0.1〜5.0質量%含有させるとよい。含有量が0.1質量%未満では、十分な消臭効果が得られず、また、5.0質量%を超えると、コストが高くなったり製品の物性が低下しやすいなどの問題が生じるからである。
また、本発明では、抗菌剤A及び消臭剤BとCの総量が、ポリウレタンの固形分に対し、0.3〜9.0質量%であるとよい。さらに、弾性繊維に適用する場合は、抗菌剤A及び消臭剤BとCの総量は、ポリウレタンの固形分に対し、0.5〜5.0質量%であるとより好ましい。総量が0.3質量%未満では、消臭性、抗菌性共に充分ではなく、9.0質量%を超えると物性低下が起こりやすくなるからである。弾性繊維に適用する場合、5
.0質量%を超えると繊維の強度や伸度が大きく低下するため好ましくない。
尚、本発明では、Aの抗菌剤を2種以上組み合わせて含有させても、或いは、Cの消臭剤を2種以上組み合わせて含有させてもよいが、その場合、足し合わせた量が、それぞれA又はCの配合量として規定する範囲となるようにすればよい。
上記抗菌剤A及び消臭剤BとCとを組み合わせることにより、3つの成分が良好に作用し合い相乗効果が発揮される理由については、その詳細は不明であるが、1)消臭剤Bと消臭剤Cは、いずれもアンモニアを吸着する性質があることからアンモニア消臭性を持ち、抗菌剤Aは消臭剤B及びCが捕集したアンモニアと錯体を形成し、該錯体は元の状態と同等の抗菌活性を持つだけでなく、例えば酸素との反応が抑制される結果黄変しにくい構造をとることができ耐黄変効果にも優れると考えられる。つまり、消臭剤が捕集したアンモニアを抗菌剤が受け取り錯体を形成し抗菌活性を保持しつつ耐黄変効果に優れた構造に変化し、さらに消臭剤は残る吸着サイトで雰囲気中のアンモニアを吸着する作用により、消臭効果・抗菌効果・耐黄変効果の全てを併せ持つ相乗効果が得られると考えられる。さらに、2)抗菌剤Aと消臭剤B、抗菌剤Aと消臭剤Cにはそれぞれ電気的な引力が働く結果、洗濯・染色などの処理後もこれらの成分が引き続き糸条に留まりやすい性質があり、従って洗濯後も効果を長期間保持することができるのではないかと考えられる。3)抗菌剤の黄変防止効果については、抗菌剤と消臭剤の電気的引力の結果、抗菌剤と酸素との反応が抑制され黄変しにくくなったとも考えられる。
また本発明においては、公知のポリウレタン重合体組成物に有用である特定の化学構造を有する有機または無機物を配合することができる。例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物の光安定剤、セミカルバジド系化合物等の安定剤、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ハイドロタルサイト等のような無機微粒子、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリテトラフルオロエチレン、オルガノシロキサン等の粘着防止剤、その他顔料、光沢剤、染色増強剤、ガス変色防止剤、充填剤、安定剤、難燃剤、帯電防止剤、表面処理剤、つや消し剤、着色剤、防カビ剤、軟化剤、離型剤、発泡剤、増量剤、増核剤等を適宜配合することができる。
上記各種の添加剤は、1種又は2種以上組み合わせて本発明のポリウレタン弾性体に含有させることができる。
無機系抗菌剤A、及び消臭剤BとCは、通常無機添加剤等を添加するのと同様な方法でポリウレタンに添加することができる。具体的には、抗菌剤、消臭剤をポリウレタン重合体溶液中に所定量添加し、カレンダーロール、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等により練り込むか、抗菌剤、消臭剤を均一に分散した分散液を用意し、該分散液をポリウレタン重合体溶液に添加混合する。尚、その際、適当な分散剤を選択し添加してもよい。添加混合は、連続式でもバッチ式でもよい。
また、無機系抗菌剤、消臭剤、各種添加剤をポリウレタンに配合する方法としては、特に制限なく、ポリウレタン弾性体の製造工程の任意の段階で配合させることができる。例えば直接、ポリウレタン重合体に添加、もしくはポリウレタンの原料に加えておきその後重合することにより任意成分の化合物含有ポリウレタン重合体を得てもよい。また、溶剤を使用する場合には、無機系抗菌剤、消臭剤、各種添加剤をあらかじめ少量の溶媒に分散もしくは、溶解させて加えることができる。望ましくは、プレポリマー鎖伸長剤との反応終了後に配合することが望ましい。
本発明のポリウレタン弾性体は、無機系抗菌剤A、消臭剤BとC、必要に応じ各種添加剤とが配合されたポリウレタン重合体を、管状、棒状、シート状、板状、ブロック状、粒状、又は繊維状に成型することにより得ることができる。
本発明のポリウレタン弾性体は種々の成形品に適用され得るが、中でも弾性繊維に適用するのがより好ましい。
ポリウレタン弾性繊維は、溶融、湿式、乾式いずれの紡糸方法によっても製造することができる。また紡糸の際に使用する紡糸装置は特に限定されるものではなく、ポリウレタンの組成、目的とする繊維の太さ、糸物性等によって、公知の任意の方法を選択し紡糸することができる。
尚、本発明において、特に薄い編地を製造する場合、あるいはポリウレタン弾性繊維の含有率が高くなる場合などは、繊度ムラ変動係数の低いポリウレタン弾性繊維を使用すると、緯筋や経筋が目立たない審美性にも優れた製品ができるのでより好ましい。
繊度ムラ変動係数の低いポリウレタン弾性繊維を得るには、例えば乾式紡糸法による場合、紡糸原液の製造段階において、溶剤に対する未溶解物や不溶物の生成を抑えたポリマー化反応を実施することが重要となる。具体的には、プレポリマー化反応において、架橋反応が生じ難いよう反応中の温度上昇を制御したり、ポリオール中に少量のモノオールを添加して副反応を抑制したり、また鎖延長反応において、ジイソシアネ−トとジアミンの反応速度を制御する為に室温以下の低温でゆっくり反応させたり、鎖延長反応段階の反応液の攪拌においてずり速度を上げることで反応液の見掛け粘度を下げたり、さらに、重合度抑制剤としてジアミンに少量のモノアミンを添加したり、ポリマー合成後の溶液を高温で処理し架橋結合を解離させたりするとよい。
また、乾式紡糸段階において、粘度変化の少ない原液を紡糸口金に供給したり、紡糸口金で該原液中の未溶解物や不溶物を除去したり、紡糸筒に投入する不活性ガスの整流化を行ったり、紡糸筒内の糸条の乾燥条件に変動を与えないようにしたりすることも繊度ムラ変動係数の低いポリウレタン弾性繊維を得るうえで有効な方法である。また、巻取速度を低くすることで繊度ムラ変動係数を低下させることもできる。
また、繊度ムラ変動係数の低いポリウレタン弾性繊維を溶融紡糸法で得る場合は、(A)ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られる両末端イソシアネート基プレポリマー(以下「両末端NCO基プレポリマー」とする)と、(B)ポリオールとジイソシアネートと低分子量ジオールとを、反応させて得られる両末端水酸基プレポリマー(以下「両末端OH基プレポリマー」とする)とを反応させて得られる紡糸用ポリマーを固化することなく溶融紡糸する方法が好ましい方法として挙げられる。この場合、単量体との反応ではなく、プレポリマー同士を反応させるので、反応が温和になり、液の完全混合が図られ局部的な反応を避けることができ、また反応成分の計量精度を上げることができるため、繊度ムラ変動係数を低減させることができる。また、この方法は、ポリウレタン弾性体チップを溶融紡糸する方法に比べ、連続で生産できバッチ変動や溶融斑をなくすることができるので、より好ましい。
さらに、繊度ムラ変動係数の低いポリウレタン弾性繊維を得るには、添加する抗菌剤、消臭剤の粒径をできるだけ小さくすること及び微粒子の凝集を避けることが有効である。該粒径は、例えば、紡糸口金手前に設けたフィルターの目開きサイズより小さくすることが好ましい。抗菌剤及び消臭剤の平均粒子径は、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは5μm以下である。平均粒子径が10μm以上になると繊度ムラ変動係数が大きくなるばかりか、フィルターが詰まりやすくなったり、紡糸時の糸切れ回数も増えるため、安
定的に紡糸することができない問題が生じるからである。
上記のようにして得られたポリウレタン弾性繊維に対し、織編物として使用する前の検査工程において、繊度ムラ変動係数の高い糸を選別し除去する工程を加えると、審美性がより向上した製品が得られるためさらに好ましい。
ここで、繊度ムラの測定は公知の方法・装置を用いて繊度の計測により求めることができるが、その他にも、例えば、ウースターイーブネステスター(Zellweger uster社製USTER TESTER1)で該糸条の電気抵抗を計り、抵抗値が糸の体積に比例する特性を利用して繊度に換算する方法、チーズ上の該糸条を一定伸長下で引き出した時の応力を計り、引出応力が糸の繊度に比例する特性を利用して繊度に換算する方法を用いることで、繊度や繊度変動係数を連続して測定したり、短時間で能率よく測定することができる。なお繊度ムラ変動係数は、データ数をn(例えば、データ数30で測定される)とすると、nから平均値(X)を求め、nとXから標準偏差(Y)を求め、さらにXとYを以下の式にあてはめることにより求めることができる。
Figure 0004485871
尚、繊度測定により繊度及び繊度変動係数が既知となった該糸条を用いて、上記したウースターイーブネステスターや応力測定での結果との関係を求め、一致度が低い場合には測定装置やチーズの巻取方法の再調整を行ない一致度が高くなるように調整した後測定を行うと、より一層精度の高い測定を行うことができる。
ポリウレタン弾性繊維の繊度ムラ変動係数は4.0%以内にすることが好ましい。繊度ムラ変動係数が4.0%を上回ると製品製造段階及び最終消費段階でポリウレタン系弾性繊維の糸切れや製品の顕著な目開き・目詰まりなどをおこす問題が発生するからである。
また、ゾッキタイツやパンティーストッキングの用途のように、製品が薄くなったり、該ポリウレタン弾性繊維の使用含有率が高い場合には、審美性の点から、特に、繊度ムラ変動係数は2.5%以内であるとよい。
本発明のポリウレタン弾性体又は弾性繊維は、織編物、抗菌消臭フィルム・シート、テープ、不織布等に適用することができる。より好ましくは織編物である。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、単独で編織されてもよいが、多くは木綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、高強度再生セルロース繊維(例えば、商品名テンセル)等の再生繊維、アセテート等の半再生繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ乳酸等の化学合成繊維等の繊維を用いた、平織、綾織、朱子織等の織物、天竺編み、ゴム編み、パール編み等の丸編地やその他の緯編地、クサリ編、デンビ編、コード編、アトラス編等の経編地からなるパーツの1種又は2種以上との組み合わせで用いられる。
本発明のポリウレタン弾性繊維を用いた有用な用途は、パンティーストッキング、靴下、タイツなどのレッグ関連商品、ショーツ、シャツ、キャミソール、スリップ、ブリーフ、トランクス、肌着、ガードル、ブラジャー、スパッツ、水着、手袋など肌に直接装着するインナー類、セーター、ベスト、トレーニングウェア、ボディスーツ、レオタード等の中衣類、スキー、野球等各種スポーツ関連衣類、パジャマ、ガウン、シーツ、布団生地、タオルケット等の寝装類、カーテン類、マット、カーペット等である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例記載の性能評価は次の通り行った。
<消臭性の評価方法>
消臭試験は、消臭加工繊維製品認証基準(制定者は社団法人繊維評価技術協議会 製品認証部が制定日は平成14年9月1日)に準拠し、官能試験及び機器試験より臭気成分の消臭性評価を行なった。
A.官能評価
1.500mLの三角フラスコに下記表1のA(標準溶液又は標準ガス、臭気強度3.5相当)を所定量注入し、容器上部よりサンプル(8cm×6cm)を吊るし、素早くパラフィルム等で三角フラスコを密栓する。
2.三角フラスコ中の攪拌子をマグネティックスターラーで攪拌しつつ2時間放置する。3.暴露後容器内の雰囲気臭と対象臭を比較し、臭気の強弱を6名で判定する。対象臭は、サンプルを用いず下記表1のB(試験溶液又は試験ガス、臭気強度2.0相当)を所定量注入し2時間経過後の500mLの三角フラスコ容器内の臭気とする。臭気強弱は、雰囲気臭が対象臭より弱いと感じたかまたは対象臭と同等と感じたか、あるいは対象臭を越える臭いであったかどうかで判定する。
4.6名のパネルが雰囲気臭の臭気強度を判定したら、密栓を外しフラスコからサンプルを取り出し1分間空気中に吊るす。
5.続いて試験布着臭の臭気と対象臭を比較し、臭気の強弱を6名で判定する。臭気強弱は、試験布着臭の臭気が対象臭より弱いと感じたかまたは対象臭と同等と感じたか、あるいは対象臭を越える臭いであったかどうかで判定する。
6.該官能試験について、社団法人繊維評価技術協議会では、パネラー6名中の5名以上がリファレンスガス臭と同等または下回ると回答した場合に消臭効果有りと認めるレベルである。
Figure 0004485871
B.機器評価(検知管法)
1.サンプル(10cm×10cm)をテドラーバッグに入れる。
2.下記表2に示す所定量の試験ガスを注入し、2時間後の残存ガス濃度を成分対応検知管(ガステック社製)で測定する。尚ガス充填量は3L、希釈ガスは乾燥空気または窒素
ガスとする。
3.サンプルを用いずに同様の評価を行い、空試験とする。
4.評価は下記の式に従って、残存ガス濃度の減少率を算出し、消臭率として表記した。5.該機器分析試験について、社団法人繊維評価技術協議会では、臭気成分の減少率が70%以上の時消臭効果有りと認めるレベルである。
Figure 0004485871
Figure 0004485871
C.機器評価(GC法)
1.500mLの三角フラスコに下記表3の試験溶液を所定量注入し、容器上部よりサンプル(8cm×6cm)を吊るし、素早くパラフィルム等で三角フラスコを密栓する。
2.三角フラスコ中の攪拌子をマグネティックスターラーで攪拌しつつ2時間放置する。3.暴露後容器内の残存ガス濃度をGCで測定した。
4.サンプルを用いずに同様の評価を行い、空試験とした。
5.評価は下記の式に従って、GCの測定による残存ガス濃度の減少率を算出し、消臭率として表記した。
6.該機器分析試験について、社団法人繊維評価技術協議会では、臭気成分の減少率が70%以上の時消臭効果有りと認めるレベルである。
Figure 0004485871
Figure 0004485871
<抗菌性の評価方法>
抗菌試験は、社団法人繊維評価技術協議会が指定した抗菌性試験手順(JIS L 1902 繊維製品の抗菌性試験方法 定量試験 統一試験法)に準拠して実施した。
Aを無加工試料の接種直後の生菌数、Bを無加工試料の18時間培養後の生菌数、Cを試験生地の18時間培養後の生菌数として、静菌活性値、殺菌活性値を下記の式から算出して抗菌力を評価した。
社団法人繊維評価技術協議会では、黄色ブドウ球菌の静菌活性値が2.2以上の時、抗菌防臭に効果有りと認めるレベルである。また、黄色ブドウ球菌と肺炎桿菌の殺菌活性値が共にゼロ以上の時、制菌効果が有りと認めるレベルである。
Figure 0004485871
Figure 0004485871
また、洗濯は、社団法人繊維評価技術協議会が指定したJIS L 0217(繊維製品の取扱いに関する表示方法及びその表示方法)の103号の試験方法に従い、JAFET洗剤を使用することにより行った。
<耐Nox、耐候性、耐塩素評価>
耐NOx試験
ポリウレタン弾性繊維をアルミ板(5cm×8cm×1mm)に厚さ1mmになるまで巻き付け、JIS L0855強試験に準じて、650ppmの酸化窒素ガス雰囲気下で標準染色布の変色が一定に達するまで3回暴露し、暴露前後の黄色度YI値をミノルタ分光測色計CM−3500d(ミノルタ(株)製)により測色し、その変化量(△YI)を求めた。
耐候試験
ポリウレタン弾性繊維をアルミ板(5cm×8cm×1mm)に厚さ1mmになるまで巻き付け、スガ試験機製紫外線フェードメーターU48Sで32時間照射し、同様に(△YI)を求めた。
また、島津製作所製AG−1を用いて、把握張2cm、伸長速度300mm/分として破断強度(cN/dtex)を求めた。
耐塩素試験
ポリウレタン弾性繊維をアルミ板(5cm×8cm×1mm)に厚さ1mmになるまで巻き付け、JIS L0884B法に基づいて塩素濃度20ppmの水溶液中で3時間処
理した後、同様に(△YI)を求めた。
以下の実施例で使用した抗菌剤及び消臭剤を下記表4に記載する。
Figure 0004485871
<実施例1>
<ポリウレタン溶液の製法>
数平均分子量1950のポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下PTMGとする)165.7質量部と4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIとする)38.4質量部を、窒素ガス気流中65℃において90分間攪拌しつつ反応させて、両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得た。ついで、プレポリマーを室温まで冷却した後、乾燥ジメチルアセトアミド(以下DMAC)436質量部を加え、プレポリマー溶液を調製した。
次に鎖延長剤としてエチレンジアミン3.95質量部と末端封鎖剤ジ−n−ブチルアミン0.53質量部を乾燥DMAC128.7質量部に溶解したアミンの混合溶液を、温度15℃に温調された前記プレポリマー溶液に滴下しながら加え、固形分を27質量%含み、粘度3000ポイズ(40℃)のポリウレタン重合体溶液を773.5質量部得た。
<添加剤溶液の製法>
上記ポリウレタン重合体溶液の固形分に対して、紫外線吸収剤(2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)が0.5質量%、酸化防止剤(3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1、1−ジメチルエチル)−2、4、8、10−テトラオキサスピロ(5・5)ウンデカン)が1.5質量%、光安定剤(コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物)が0.3質量%、黄変防止剤(1.1.1’.1’−テトラメチル−4.4’−(メチレン−ジ−P−フェニレン)ジセミカルバジドが1.5質量%で合計すると3.8質量%分の添加剤をDMACに溶解して、固形分濃度27質量%の添加剤溶液を作製した。<抗菌剤と消臭剤の分散液の製法>
上記ポリウレタン重合体溶液の固形分に対し、表4に示した抗菌剤A−1を1.0質量%、消臭剤B−1を0.5質量%、消臭剤C−1を1.0質量%用意し、DMACを添加し、ホモミキサーで充分分散させ、固形分濃度27質量%の抗菌剤と消臭剤の分散液を作
製した。
<ポリウレタン系弾性繊維の乾式紡糸法>
上記ポリウレタン重合体溶液に対し、添加剤溶液及び抗菌剤と消臭剤の分散液を加え充分に混合し、固形分濃度27質量%の原液を調整した後、2ホールノズルより220℃の不活性ガス中に押出し、仮撚装置により合着させた後給油し、巻取り速度600m/分で巻取22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。
巻き取った該22デシテックスポリウレタン弾性繊維チーズを検査工程を通し、繊度ムラ変動係数が2.5%以内のチーズを特定して、下記の通りタイツ編地を作製した。
<タイツ編地の作製>
該ポリウレタン弾性繊維を3.3倍に延伸させ、これに鞘糸としてポリアミド加工糸(商標キュープ、東レ(株)製、33デシテックス26フィラメント)を撚り数800T/mでカバーリングしてS撚りとZ撚りのシングルカバリング糸(SCY)を作製した。
さらに、パンスト編機(ロナティ社製、針数400本)の給糸口1、3口に上記S撚りSCYを、2、4口に上記Z撚りSCYを編み込み張力1.0gで給糸し編地を編成した。編地中のポリウレタン弾性繊維の含有率は17%であった。次いで、編地の染色加工を以下の通り実施し、タイツ編地を得た。
1)プリセット:(真空乾燥機使用、80℃×10分)
2)染色:チバスペシャルティ・ケミカルズ(株)製の染料Lanaset Black Bを2.0 owf%使用して95℃で50分間処理し黒色に染めた。染色時のpH調整は酢酸と硫安で実施した。
3)タンニン酸(ハイフィックスGM、大日本製薬(株))でフィックス処理した。フィックス時のpHは3、pH調整剤として酢酸を用いた。
4)最後に柔軟処理を行い、セット工程(パンストセット機使用、セット:110℃×10秒程度、乾燥:120℃×30秒)を通して仕上げた。
<タイツ編地の編み面評価>
該編地の表面は目立った緯段も認められず、編み面の良い審美性の高いタイツ編地であった。
<比較例1>
抗菌剤A−1と消臭剤B−1及びC−1を添加しない他は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン弾性繊維及びタイツ編地を得た。
<比較例2>
ポリウレタン固形分に対して、抗菌剤A−1を1.0質量%使用した固形分濃度27質量%の抗菌剤の分散液を用いた以外は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン弾性繊維及びタイツ編地を得た。
<比較例3>
ポリウレタン固形分に対して、消臭剤B−1を0.5質量%、消臭剤C−1を1.0質量%使用した固形分濃度27質量%の消臭剤の分散液を用いた以外は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン弾性繊維及びタイツ編地を得た。
<比較例4>
ポリウレタン固形分に対して、抗菌剤A−1を1.0質量%、消臭剤B−1を0.5質
量%使用した固形濃度27質量%の抗菌剤と消臭剤の分散液を用いた以外は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン弾性繊維及びタイツ編地を得た。
<比較例5>
ポリウレタン固形分に対して、抗菌剤A−1を1.0重量%、消臭剤C−1を1.0質量%使用した固形分濃度27質量%の抗菌剤と消臭剤の分散液を用いた以外は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン弾性繊維及びタイツ編地を得た。
<結果>
実施例1と比較例1〜5のポリウレタン弾性繊維の物性を表5に示した。またタイツ編地の抗菌性の結果を表6、表7、消臭性の結果を表8〜表11に示した。
これらの結果から、実施例1のポリウレタン弾性繊維は、抗菌試験に関して、黄色ブドウ球菌と肺炎桿菌の殺菌活性値が共にゼロ以上あり、社団法人繊維評価技術協議会が制定する制菌SEKマークの品質基準をクリアーするものであることがわかった。また、汗臭消臭の対象となるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸夫々の官能試験及び機器試験に関して消臭効果をクリアーしており、総合的に社団法人繊維評価技術協議会が制定する汗臭消臭SEKマークの品質基準をクリアーするものであることがわかった。さらに、該繊維はポリウレタン弾性繊維本来の物性を損なわず、耐黄変性も保持し、抗菌性と消臭性共に優れていることがわかった。一方、比較例1のポリウレタン弾性繊維は抗菌性・消臭性共に乏しく、比較例2のポリウレタン弾性繊維は黄変し易く、また抗菌性には優れているが消臭効果に乏しく、比較例3のポリウレタン弾性繊維は耐黄変性と消臭効果に優れるが、消臭性能は汗臭消臭SEK基準に未達であり、抗菌性も乏しい結果となった。また、比較例4および5のポリウレタン弾性繊維は抗菌性・消臭性において一定の効果は見られるが、共に社団法人繊維評価技術協議会が制定する品質基準には届かず、充分満足できるレベルではなかった。
また、実施例1のポリウレタン弾性繊維がいかに優れた黄変防止効果を示すかが表5に示されている。つまり、抗菌剤Aを単独で含有するポリウレタン弾性繊維は、かなり黄変するが(比較例2)、抗菌剤Aに消臭剤BとCを混ぜることで、ポリウレタン弾性繊維の黄変を、抗菌剤Aも消臭剤BもCも含まない無添加の比較例1のポリウレタン弾性繊維が示す黄変と同じレベルまで防止することができる(実施例1)。
また、表6、8及び9の結果より、実施例1のポリウレタン弾性繊維が洗濯後もいかに長期間抗菌効果や消臭効果を保持することができるかがわかる。
実施例1の編地は、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸からなる汗臭に対する消臭性が特に優れており、また表10、表11から、硫化水素、アセトアルデヒド、ピリジン、トリメチルアミン、ホルムアルデヒドといった悪臭に対しても良好な消臭効果があることがわかった。
Figure 0004485871
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<実施例2>
ポリウレタン固形分に対して、抗菌剤A−2を1.0質量%、消臭剤B−2を1.0質量%、消臭剤C−2を0.5質量%使用した以外は実施例1と同様にして得た22デシテックスポリウレタン弾性繊維とポリアミド加工糸(商標キュープ、東レ(株)製、50デシテックス34フィラメント)を用いて実施例1と同様にしてポリウレタン弾性繊維の含有率が12%のタイツ編地を得た。
<実施例3>
ポリウレタン固形分に対して、抗菌剤A−1を1.5質量%、消臭剤B−1を1.0質量%、消臭剤C−3を1.5質量%使用した以外は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン系弾性繊維を得た。次に、パンスト編機(ロナティ社製、針数400本)の給糸口1、3口にZ撚りポリアミド加工糸(商標キュープ、東レ(株)製、78デシテックス48フィラメント)を、2、4口にS撚りポリアミド加工糸(商標キュープ、東レ(株)製、78デシテックス48フィラメント)を、更に全4口に当該ポリウレタン系弾性繊維を給糸しプレーティング編で編地を作製した。編み込み倍率は3.3倍に設定した。その後実施例1と同様に染色加工してタイツ編地を得た。
<実施例4>
ポリウレタン固形分に対して、抗菌剤A−2を2.0質量%、消臭剤B−1を1.5質量%、消臭剤C−3を1.0質量%使用した以外は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン系弾性繊維を得た。
次いで丸編機(福原精機社製、釜径38インチ、28ゲージ、針数3,336本、給糸口数100口)の給糸口の全口に60番手綿糸と当該ポリウレタン系弾性繊維を給糸し、プレーティング編でベア天竺編地を編成した。編み込み倍率は3.0倍に設定した。
ついで編地を下記の方法で染色、仕上げ加工を行ないベア天竺編地を得た。仕上がった編地の目付けは160g/m2で、編地中に占めるポリウレタン弾性繊維の含有率は8.0%であった。
1)プリセット:乾熱190℃で60秒間
2)精練:精練剤を2mL/L、苛性ソーダを2.2g/L使用して90℃で30分間処理
3)漂白:30%過酸化水素15mL/、珪酸ナトリウム5mL/L、苛性ソーダ1.1g/L使用して90℃で60分間
4)染色:反応染料30owf%、無水芒哨90g/L、ソーダ灰16g/L使用して60℃で60分間
5)フィックス:フィックス剤3.0owf%使用して50℃で20分間
6)ソーピング:ソーピング剤1mL/L使用して90℃で10分間を5回
7)ファイナルセット:乾熱165℃で60秒間
<実施例5>
ポリウレタン固形分に対して、抗菌剤A−1を1.0質量%、消臭剤B−2を1.0質量%、消臭剤C−2を0.5質量%使用した以外は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン弾性繊維を得た。
ついでラッシェル機(カールマイヤー社製 RSE 4N 56G)を用い図1で示されるような編組織を持つトリコット編地を編成した。図1中、L1は非弾性糸でポリアミド加工糸(商標キュープ、東レ(株)製、33デシテックス26フィラメント)を使用した場合を、L2は本発明のポリウレタン弾性繊維22デシテックスを使用した場合を示す。
次に、アニオン系界面活性剤 2g/Lの浴中で60℃×5分の処理条件で精練・リラックスを実施した後に、ピンテンターを用い190℃×50秒の処理条件でプレセットを実施した。続いて液流染色機(CircularNX)にて、Kayanol Milling Red BW 2%owf(酸性染料:日本化薬社製)、Newbon TS400 1%owf(均染剤:日本化薬社製)、酢酸0.5g/L、酢酸アンモニウム 0.15g/L、浴比=1:30の染色条件にて40℃から95℃まで30分で昇温、95℃で40分間染色後、50℃×10分で2回湯水洗、サンライフTN−8 3g/L(合
成フィックス剤:日華化学社製)、シュウ酸 1g/L、70℃×20分にてフィックスを行い、ピンテンターを用い180℃×40〜50sでファイナルセットを実施した。
このようにして伸縮性経編地を得た。編地中に占めるポリウレタン弾性繊維の含有率は18%であった。
<実施例6>
ポリウレタン固形分に対して、表4の抗菌剤A−2を1.0質量%、消臭剤B−2を1.0質量%、消臭剤C−2を0.5質量%使用した以外は実施例1と同様にして22デシテックスポリウレタン系弾性繊維を得た。
次いで、ポリアミド加工糸(東レ(株)製、12デシテックス7フィラメント)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリウレタン弾性繊維の含有率が34%のパンスト編地を得た。
実施例1と同様に、編み面評価を行なったところ、該編地は相当薄いパンティーストッキング用の編地にもかかわらず、該編地の表面は目立った緯段も認められず、編み面の良い審美性の高いパンスト編地であった。
<実施例7>
<プレポリマーの製法>
ポリウレタン弾性繊維合成用の原料として、以下の両末端NCO基プレポリマーと両末端OH基プレポリマーを合成した。
(両末端OH基プレポリマーの合成)
ジイソシアネートとして、以下MDI25質量部を窒素ガスでシールされた80℃の温水ジャケット付き反応釜に仕込み、ポリオールとして、数平均分子量2000のPTMG100質量部を撹拌しながら注入した。1時間反応後、低分子量ジオールとして、1,4−ブタンジオール27.6質量部を更に注入し、両末端OH基プレポリマーを合成した。(両末端NCO基プレポリマーの合成)
窒素ガスでシールした80℃の反応釜にジイソシアネートとしてMDIを47.4質量部仕込み、紫外線吸収剤(2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール:20%)、酸化防止剤(3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン:50%)、光安定剤(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート:30%)の混合物2.2質量部を添加し、撹拌しながらポリマージオールとして数平均分子量2000のPTMGを100質量部注入し、1時間撹拌を継続して、両末端NCO基プレポリマーを得た。
<ポリウレタン弾性繊維の溶融紡糸法>
得られた両末端NCO基プレポリマーと両末端OH基プレポリマーを1:0.475の質量比で撹拌翼を有する容量2200mLポリウレタン弾性繊維用円筒形反応機に連続的に供給した。供給速度は両末端NCO基プレポリマー14.47g/分、両末端OH基プレポリマー6.87g/分であった。また、下記に示した抗菌剤と消臭剤の分散液を内容積1000mLのシリンダーに入れピストンにより1.76g/分で同時に注入した。反応機内での平均滞留時間は約1時間、反応温度は約190℃であった。
得られたポリマーを固化することなく、192℃の温度に保った8ノズルの紡糸ヘッド
2台に導入した。紡糸用ポリマーをヘッドに設置したギアポンプにより計量、加圧し、フィルターでろ過後、径0.6mm、1ホールのノズルから1.34g/分の速度で、長さ6mの紡糸筒内に吐出させ(ノズルからの吐出総量:21.34g/分)、油剤を付与しながら650m/分の速度で巻き取り、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。
吐出直後のポリウレタン弾性繊維のNCO基含有率は0.38質量%であった。
巻き取った該22デシテックスポリウレタン系弾性繊維チーズを検査工程を通し、繊度ムラ変動係数が2.5%以内のチーズを特定した。
次いで、ポリアミド加工糸(東レ(株)製、12デシテックス7フィラメント)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリウレタン弾性繊維の含有率が34%のパンスト編地を得た。
パンスト編地の編み面評価を行なったところ、実施例6と同様、相当薄いパンティーストッキング用の編地にもかかわらず、該編地の表面は目立った緯段も認められず、編み面の良い審美性の高いパンスト編地であった。
<抗菌剤と消臭剤の分散液の製法>
抗菌剤と消臭剤の分散液は次のように作製した。ポリウレタン固形分に対し、表4に示した抗菌剤A−2を1.0質量%、消臭剤B−2を1.0質量%、消臭剤C−2を0.5質量%用意し、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(松本油脂製薬(株)製 MST−29)とコポリエーテルポリオール(PTG−L2000、保土谷化学工業(株)製)を同量づつ添加し、ホモミキサーで充分分散し、固形分濃度30質量%の抗菌剤と消臭剤の分散液を作製した。
<実施例8>
ポリオールとして数平均分子量2,000のPTMGを3,545質量部とジイソシアネート成分としてMDIを1,205質量部、窒素ガス雰囲気中、110℃で60分間撹拌・反応させて、両末端NCO基プレポリマーを合成した。得られた両末端NCO基プレポリマーに鎖延長剤として1,4−ブタンジオール250質量部を加えて15分撹拌反応させ、ポリウレタン重合体を得た。このポリウレタン重合体に残存しているNCO基含有率は0.4質量%であった。
このポリウレタン重合体を100℃で24時間加熱処理し、フレーク状に粉砕した後に、50℃、60%の雰囲気下で3日間熟成させた。次いで、このフレーク状ポリウレタン重合体に対し、紫外線吸収剤(2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)25質量部(0.5質量%)、酸化防止剤(3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8、10−テトラオキサスピロ(5・5)ウンデカン)25質量部(0.5質量%)、光安定剤コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル) −4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物25質量部(0.5質量%)、セミカルバジド化合物1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−1,4−フェニレン)ジセミカルバジド5質量部(0.1質量%)、及び、表4の抗菌剤A−1を0.5質量%、消臭剤B−1を0.5質量%、消臭剤C−1を0.5質量%添加し、170℃に加温したエクストルーダーで均一に混合した後、毎分400gの吐出量で水中に押し出し、ペレタイザーを用いて径が3mmの円柱状にカットしてポリウレタンペレットを得た。
このポリウレタンペレットをホッパードライヤーを用いて乾燥温度80℃で2時間脱水・乾燥して、ポリウレタンペレットの水分率を50ppmとした。このポリウレタンペレットを230℃に加温したエクストルーダーに供給して溶融した後に、口径がφ0.3mm、ピッチが1mmのノズルを一列に450個有するメルトブロー紡糸設備に導き、ノズルホール当たり0.12g/分でポリマーを押し出した。この時のノズル温度は230℃であった。次いで、ノズルのスリットから235℃に加熱した空気を毎分1.9m3噴射してノズル下方30cmの位置にある20メッシュの金網からなるコンベア上に積層した。コンベア下部から毎分50m3の風量で吸引してネット状とし、巻き取り速度を1.3m/分として紙管に巻き取りシート状の不織布を得た。得られたポリウレタン繊維含有不織布は平均フィラメント径が11μmであり、目付けが100g/m2で、厚みが0.26mmであった。
<実施例9>
実施例1で得たポリウレタン溶液の固形分に対して、表4の抗菌剤A−1を2.5質量%、消臭剤B−1を3.0質量%、消臭剤C−1を2.0質量%使用した固形分濃度27質量%の分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、固形分濃度27質量%の原液を調整した。続いてDMACを追加して、固形分濃度を17質量%のドープとして、充分に混合・脱泡した後、該ドープを30cm×40cmのガラス板上にキャストした。次いでこれを室温下にある大量の水浴に浸漬して固形分を湿式凝固させ、さらに70℃の真空下のもと、48時間乾燥させることで膜厚150ミクロンの湿式フィルムを得た。
<比較例6>
抗菌剤A−2と消臭剤B−1及びC−3を添加しない他は実施例4と同様にしてベア天竺編地を得た。
<比較例7>
抗菌剤A−1と消臭剤B―2及びC―2を添加しない他は実施例5と同様にして伸縮性経編地を得た。
<結果>
実施例2〜9と比較例6、7の織編物あるいはフィルムの抗菌性の結果を表12に、消臭性の結果を表13に示した。
Figure 0004485871
Figure 0004485871
本発明のポリウレタン弾性体を使用することにより得られた編地における編組織の様子を説明する概略図である。

Claims (8)

  1. 下記Aの抗菌剤、及び下記BとCの消臭剤とを含有するポリウレタン弾性体。
    A.銀イオンを多孔性構造物質に担持させた抗菌剤
    B.リン酸ジルコニウムからなる消臭剤
    C.亜鉛酸化物からなる消臭剤
  2. 前記Aの抗菌剤、及び前記BとCの消臭剤の含有量の総量が、ポリウレタン固形分に対して0.3〜9.0質量%であり、且つ、前記Aの抗菌剤、又は前記B若しくはCの消臭剤のそれぞれの含有量がポリウレタン固形分に対して0.1〜5.0質量%である請求項1に記載のポリウレタン弾性体。
  3. 請求項1又は2に記載のポリウレタン弾性体からなるポリウレタン弾性繊維。
  4. 請求項3に記載のポリウレタン弾性繊維を用いた織編物。
  5. 請求項3に記載のポリウレタン弾性繊維を用いたパンティーストッキング、靴下、タイツ、ショーツ、シャツ、キャミソール、スリップ、ボディスーツ、ブリーフ、トランクス、肌着、ガードル、ブラジャー、スパッツ、水着、手袋、セーター、ベスト、トレーニングウェア、レオタード、スキー用衣類、野球用衣類、パジャマ、ガウン、シーツ、布団生地、タオルケット、カーテン類、マット、又はカーペット製品。
  6. 請求項3に記載のポリウレタン弾性繊維であって、繊度ムラ変動係数が2.5%以内であるポリウレタン弾性繊維を用いたパンティーストッキング又はタイツ。
  7. ポリウレタン重合体に下記Aの抗菌剤、及び下記BとCの消臭剤を添加するか、もしくはポリウレタン原料に該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤を添加しその後重合することにより該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤が含有されたポリウレタン重合体を得る工程、及び、該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤が含有されたポリウレタン重合体を成形する工程とを有することを特徴とする、該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤が含有されたポリウレタン弾性体の製造方法。
    A.銀イオンを多孔性構造物質に担持させた抗菌剤
    B.リン酸ジルコニウムからなる消臭剤
    C.亜鉛酸化物からなる消臭剤
  8. 前記Aの抗菌剤、及び前記BとCの消臭剤を添加する際、該Aの抗菌剤、及び該BとCの消臭剤を溶媒に分散もしくは溶解させ、該分散液もしくは溶解液を用いることにより添加することを特徴とする、請求項7に記載のポリウレタン弾性体の製造方法。
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