JP4348727B2 - ポリウレタン糸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機能性鉱物により付与される機能性を有するとともに、ヒートセット性及び耐熱性に優れ、特に伸縮性衣料用途に好適なポリウレタン弾性糸を溶液紡糸によって製造する方法に関するものである。
ポリウレタン弾性繊維は、その優れた伸縮特性からレッグウエア、インナーウエア、スポーツウエアなどの伸縮性衣料用途や産業資材用に幅広く使用されている。
かかるポリウレタン弾性繊維を衣料用途に用いる場合には、高ヒートセット性と高耐熱性とを有することが求められ、さらに用途に応じた機能性を付与することも求められてきている。
例えば、ポリウレタン弾性糸を他の繊維と組み合わせてストレッチ布帛を製造する場合、所定の布帛寸法を出すために、また、反物の耳端の形状や外観を整えるために、高ヒートセット性が要求される。さらに、過酷な染色加工や仕上げセット加工の工程を通過させるために、また、特に加工温度の高いポリエチレンテレフタレート繊維を混用したストレッチ布帛を繰り返し同浴染色するために、高い耐熱性が要求される。
さらには、近年、遠赤外線放射性や抗菌性等、用途に応じた種々の機能性を付与することも要求され、そのために機能性鉱物を適宜含有させることが提案されている。
例えば、天然放射性元素含有無機鉱物粉末を含むイオン放射性ポリウレタン弾性繊維を溶融紡糸によって製造する方法として、プレポリマー段階で鉱物粉末スラリーを添加し攪拌してポリウレタン弾性体とし、続いて溶融紡糸する方法が提案されている(特許文献1参照)。乾式紡糸法では鉱物粉末スラリーを添加することは紡糸原液の粘度上昇等の不都合が生じるので、この不都合を回避するために、この技術では溶融紡糸による製造法を採用している。
また、抗菌性や消臭性を付与するために、抗菌剤を包接した多孔質シリカマイクロカプセルと2価重金属の無定形ケイ酸塩粉体とを、予め有機溶媒に分散させた分散液の状態で、ポリウレタン溶液と混合して湿式紡糸する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法では抗菌性や消臭性を付与することはできるが、ヒートセット性や耐熱性を高めることは困難である。
更には、ポリウレタン弾性糸中に艶消し剤として含有させる酸化チタン微粒子の分散性を高めるために、エリスリットジミリスチルエステルのような水難溶性被覆剤でもって酸化チタン顔料を被覆した被覆酸化チタンをポリウレタン紡糸原液中に添加し、乾式紡糸する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この技術では、艶消しという機能は付与できても、ヒートセット性や耐熱性を高めることは困難である。
さらに、硫酸バリウムのような無機充填剤を含む分散液をポリウレタン紡糸原液に添加した後に乾式紡糸することにより、耐光性や耐塩素劣化性を改善する方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この方法では耐光性や耐塩素劣化性を改善することはできるが、ヒートセット性や耐熱性を高めることは困難である。
また、種々の機能性をポリウレタン弾性糸に付与するために機能性鉱物粉末を、乾式紡糸用や湿式紡糸用の紡糸原液に添加する場合、鉱物粉末を、安定して糸中に分散させることが難しいので、紡糸糸切れを誘発したり、得られる繊維における機能性が不満足であったり、ポリウレタン弾性糸本来の優れた特性が損なわれたり、さらに、場合によってはストレッチ布帛にしたときに外観品位が不満足な不良品となったり、というトラブルが生じ易いという問題もあった。
特開2003−268629号公報 特公平8−16284号公報 特開2002−363825号公報 特公昭61−35283号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決し、機能性鉱物により付与される機能性を有するとともにヒートセット性及び耐熱性に優れ、弾性特性や強伸度特性等の実用特性も良好なポリウレタン弾性糸を、良好な紡糸性でもって溶液紡糸により製造することを主たる目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明のポリウレタン糸の製造方法は、ポリマジオール及びジイソシアネートを主構成成分にして重合して得られるポリウレタンが溶媒に溶解された溶液と、熱軟化点が100℃〜200℃である高分子化合物系分散剤、機能性鉱物微粒子、及び溶媒を含有する分散液とを混合して紡糸原液を調製した後、溶液紡糸するものであって、高分子化合物系分散剤がセルロースエステルであることを特徴とするポリウレタン糸の製造方法である。
すなわち、乾式紡糸や湿式紡糸のような溶液紡糸によって製造する場合、上記した特定の分散剤と機能性鉱物微粒子と溶媒とを含む分散液を、ポリウレタン溶液と混合して紡糸原液とすることが、前記した目的を達成するために重要である。
本発明法により製造されるポリウレタン弾性糸は、機能性鉱物が高度に分散された状態で繊維中に含有されているので、機能性鉱物による機能性が発揮され、しかも、ヒートセット性及び耐熱性がともに優れたものとなる。さらに、紡糸原液中に機能性鉱物が高度に分散された状態で溶液紡糸することができるので、紡糸時の糸切れ等の紡糸時トラブルを大幅に低減させることができる。
そして、本発明法によるポリウレタン弾性糸は衣服などを製造する際の弾性糸素材として有用であり、所望の寸法や外形をもつストレッチ布帛に仕上げることができる。しかも、加熱を伴う加工を行っても優れた弾性特性が保持され、この結果、機能性鉱物による所望の機能をはじめ、脱着性、フィット性、外観品位、着用感、耐変色性などに優れたストレッチ衣類製品等を製造することができる。
以下本発明法について、さらに詳細に述べる。
まず本発明法で使用するポリウレタンについて述べる。
本発明に使用されるポリウレタンは、主構成成分がポリマジオール及びジイソシアネートである原料組成から重合されたポリウレタンであれば任意のものであってよく、特に限定されるものではない。また、その合成法も特に限定されるものではない。
例えば、ポリマジオールとジイソシアネートと鎖伸長剤とから重合されるポリウレタンの場合、ポリマジオールとジイソシアネートとジアミンから重合されるポリウレタンウレアであってもよく、また、ポリマジオールとジイソシアネートとジオールから重合されるポリウレタンであってもよい。また、鎖伸長剤として、水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよい。なお、本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグライコールやイソシアネート等が使用されてもよい。
ここで、本発明で用いるポリウレタンを構成する代表的な重合原料構成成分について述べる。
ポリウレタンを構成する重合原料構成成分としてのポリマジオールとしては、ポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、特に柔軟性、伸度を糸に付与する観点からポリエーテル系グリコールが使用されることが好ましい。
ポリエーテル系グリコールとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)および3−メチルTHFの共重合体である変性PTMG(以下、3M−PTMGと略す)、THFおよび2,3−ジメチルTHFの共重合体である変性PTMG、THF及びネオペンチルグリコールの共重合体のように側鎖を両側に有するポリマジオール、THFとエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドが不規則に配列したランダム共重合体等が好ましい。これらポリエーテル系グリコールを1種または2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。
また、ポリウレタン糸における耐摩耗性や耐光性を高める観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとポリプロピレンポリオールの混合物をアジピン酸等と縮重合することにより得られる側鎖を有するポリエステルポリマジオールなどのポリエステル系グリコール、3,8−ジメチルデカン二酸およびは3,7−ジメチルデカン二酸からなるジカルボン酸成分とジオール成分とから誘導されるジカルボン酸エステル単位を含有するポリカーボネートジオール等が好ましく使用される。
また、こうしたポリマジオールは単独で使用されてもよいし、2種以上混合もしくは共重合して使用されてもよい。
本発明に使用されるポリマジオールの分子量は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性などを所望水準とするために、数平均分子量が1000以上8000以下であることが好ましく、1800以上6000以下がより好ましい。この範囲の分子量のポリマジオールが使用されることにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性が良好な弾性糸を得ることができる。
次に、ポリウレタンを構成する重合原料構成成分としてのジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成するのに好適である。さらに脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと称する。)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、特にポリウレタン糸の黄変を抑制する際に有効に使用できる。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に本発明のポリウレタンを製造する重合工程において使用される鎖伸長剤としては、低分子量ジアミンや低分子量ジオールが好ましく、これらのうちの1種又は2種以上を使用すればよい。なお、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものであってもよい。
好ましい低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらの中からの1種または2種以上を使用すればよい。特に好ましくはエチレンジアミンである。エチレンジアミンを用いることにより伸度および弾性回復性、さらに耐熱性に優れた糸を得ることができる。これらの鎖伸長剤に、架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミン等を効果を失わない程度に加えてもよい。
また、低分子量ジオールとしては、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオールなどが代表的なものとして挙げられる。これらの中からの1種または2種以上を使用すればよい。特に好ましくは、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオールである。これらを用いると、ジオール伸長によるポリウレタンとしては耐熱性が高く、また、強度の高い糸を得ることができる。
また、本発明において、ポリウレタン弾性糸を構成するポリウレタンの分子量は、耐久性や強度の高い繊維を得る観点から、数平均分子量として40000以上150000以下の範囲であることが好ましい。なお、その数平均分子量はGPCで測定し、ポリスチレンにより換算した値である。
そして、本発明の弾性糸を構成するポリウレタンとして特に好ましいものは、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ、ヒートセット性が良好なものを得る観点から、ポリマジオールとジイソシアネートとジアミンから重合されるポリウレタンウレアである。
具体的には、ポリマジオールとして分子量が1800以上6000以下の範囲にあるPTMGを用い、ジイソシアネートとしてMDIを用い、ジアミンとしてエチレンジアミン、1,2プロパンジアミンおよび1,3−プロパンジアミンからなる群から選ばれた少なくとも1種を用いて合成されたポリウレタンウレアからなる弾性糸は、特に伸度が高くなり、さらに上記のように、工程通過性も含め、実用上の問題はなく、かつ、耐熱性が良好であるので好ましい。
本発明法においては、溶液紡糸に先立って、上記したポリウレタンが溶媒に溶解された溶液を作製する。このポリウレタン溶液を製造する方法、また、その溶液中の溶質であるポリウレタンを製造する方法は、溶融重合法でも溶液重合法のいずれであってもよく、他の方法であってもよい。しかし、より好ましいのは溶液重合法である。溶液重合法の場合には、ポリウレタンにゲルなどの異物の発生が少なく、紡糸しやすく、低繊度のポリウレタン糸を得やすいからである。また、溶液重合するための紡糸原液を作成する際に、溶液重合法により得られた重合体溶液をそのままポリウレタン溶液として使用することができるという利点がある。
例えば、ポリマジオールとして分子量が1800〜6000のPTMGを用い、ジイソシアネートとしてMDIを用い、鎖伸長剤として、前記した低分子量ジアミンや低分子量ジオールを使用して、ポリウレタンウレアやポリウレタンを合成する場合、これら重合原料を、例えば、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)、DMF、DMSO、NMPなどやこれらを主成分とする有機溶剤の中で合成することにより製造することができる。例えば、こうした溶剤中に、各原料を投入、溶解させ、適度な温度に加熱し反応させてポリウレタンウレアやポリウレタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリマジオールとジイソシアネートを、まず溶融反応させ、しかる後に、反応物を溶剤に溶解し、前述した鎖伸長剤と反応させてポリウレタンウレアやポリウレタンとする方法などが採用され得る。
ポリマジオールの分子量が1800以上の場合において、鎖伸長剤にジアミンを用いるときには、(MDIのモル数)/(ポリマジオールのモル数)の比(NCO/OHモル比)は、1.4以上が好ましい。また、鎖伸長剤にジオールを用いるときには、(NCO/OHモル比)は、2.0以上が好ましい。
なお、かかるポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒等の触媒が1種もしくは2種以上混合して使用されることも好ましい。
アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。
また、有機金属触媒としては、オクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル等が挙げられる。
このような方法で重合して得られるポリウレタン溶液の濃度は、通常、30重量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。
本発明法では、上記した方法により作製されたポリウレタン溶液に、機能性鉱物微粒子および特定の高分子化合物系分散剤を溶媒と混合させた分散液を、添加し、紡糸原液を調製する。
ここで添加する機能性鉱物微粒子と特定の高分子化合物系分散剤は、この両者の併用でもって紡糸原液中に含有させることが重要である。この併用添加により、機能性鉱物微粒子を高度に分散された状態でもって、紡糸原液中に含有させ、さらに糸中に含有させることが可能となる。さらに、この併用により、十分に高いヒートセット性や十分に高い耐熱性も具備するポリウレタン糸の製造が可能となる。
本発明で用いる機能性鉱物微粒子は、ポリウレタン弾性糸の紡糸工程や高次加工工程にて曝される加熱温度、即ち、約100〜約300℃の温度範囲内にて特性変化を生じない微粒子状の鉱物であって、ポリウレタン糸に所望の機能を付与できるものであれば特に制限はなく、無機系天然鉱物や、人工的に合成した天然鉱物類似の合成鉱物などの微粒子を用いることができる。
例えば、天然鉱物としては、麦斑石、角閃石、ルチル、ゼオライト、ジルコン、ムライト、玉石類、トルマリン石(電気石)、ゲルマニウム鉱石、化石サンゴ、放射性元素の酸化物である希土類含有鉱石であるモナズ石、バストネサイト、ゼノタイム、ベタホ石、フェルグソン石、サマルスキ−石、ユ−クセン石、コルンブ石、タンタル石などが挙げられる。
人工的に合成した天然鉱物類似の合成鉱物としては、合成トルマリン、合成のセラミック、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等などが挙げられる。
これら鉱物は、人体に有益な遠赤外線放出機能、抗菌・防臭機能、消臭機能、電磁波遮断機能、陰イオン放出機能、静電気防止機能等、多様な機能を発揮する機能性鉱物として知られているものである。
これら機能性鉱物のなかでも、トルマリン石、ゲルマニウム鉱石、麦斑石のうちのいずれか1種以上が好ましい。
また、本発明法において機能性鉱物として磁性体鉱物を用いた場合、機能性鉱物微粒子を溶媒中に微分散させて分散液(スラリー)とした時、分散液中で微粒子の2次凝集や高比重微粒子の沈降が生じ難く、さらに、この機能性鉱物微粒子の分散液をポリウレタン溶液と混合し紡糸原液を調製する時でも、鉱物微粒子が微分散し、安定した粘度の紡糸原液とすることができるという利点があって、溶液紡糸でも紡糸性を良好とすることができるので、磁性体鉱物が好ましい。
この磁性体鉱物は、微粉砕することによって電極を形成すると云われるものであり、例えば、前記したトルマリン(電気石)、水晶の類似体、黄水晶(トパ−ズ)、ゲルマニウム鉱石が挙げられる。中でも、天然および合成トルマリンが好ましい。電極形成能や経済性が高いトルマリンとして、ショールトルマリン、リチウムトルマリン、ドラバイトトルマリン、ルベライトトルマリン、ピンクトルマリン、インデコライト、バライバトルマリン等が挙げられ、特に黒トルマリンと呼ばれるショールトルマリンが好ましい。
さらに、本発明法で用いる機能性鉱物微粒子は、ポリウレタン溶液中へ速くかつ均一に分散でき、表面積が大きくなって機能性付与を高めることができるという観点から、電子顕微鏡等の顕微鏡で測定される平均一次粒子径が0.01〜10μmであることが好ましい。さらに高い機能性を付与し、特に良好なヒートセット性を得る観点から、0.01〜5μmがより好ましい。
本発明法により製造されるポリウレタン糸中における機能性鉱物の含有量は、高い耐熱性(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維との混用布帛にして2回以上繰り返し同浴染色することが可能な程度の耐熱性)を得るという観点から、0.5〜50重量%の範囲が好ましい。さらに、ポリウレタン糸の熱軟化点を無添加の糸よりも10℃以上高くするという観点から、2〜50重量%の範囲が好ましい。さらに良好な紡糸性を得るという観点からすると、2〜30重量%がより好ましい。このように、この機能性鉱物微粒子の添加により、ポリウレタン糸の熱軟化点を無添加の糸よりも10℃以上高めることも可能である。
本発明法において用いる分散剤は、熱軟化点が100〜200℃の範囲にある高分子化合物系分散剤である。ここで、熱軟化点は、融点やガラス転移点を指し、動的弾性率測定機により測定することができるものであり、具体的な測定方法は後述する。
熱軟化点が100〜200℃の範囲にある分散剤を用いれば、機能性鉱物微粒子の凝集を防止し均一に微分散することの他に、ポリウレタン弾性糸を含むストレッチ布帛を高次加工する際のヒートセット性を高めることができる。このような熱軟化点をもつ高分子化合物系分散剤としては、セルロースエステルが好ましい。
即ち、分散剤としてセルロースエステルを用いると、紡糸工程における機能性鉱物微粒子の凝集を強力に防ぎ、機能性鉱物が繊維内部に均一に微分散したポリウレタン繊維であって、しかも、良好なヒートセット性をもつポリウレタン繊維を製造することができ、この結果、機能性鉱物による機能性の持続効果が高く、良好にセットされたストレッチ布帛の製造が可能となる。
熱軟化点が100〜200℃の範囲にある高分子化合物系分散剤がポリウレタン糸中に含有されているとヒートセット性が高まる理由としては、ストレッチ布帛にした後の高次加工工程のヒートセット時に加わる加熱温度が110〜190℃程度であることから、ヒートセット時に糸中の分散剤がその熱軟化点付近に加熱されてポリウレタン糸自体のセット性に寄与するためと考えられる。
分散剤として好ましいセルロースエステルは、セルロースの3個の水酸基を酸類でエステル化した誘導体であり、硝酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、その他の高級脂肪酸とのエステル、または前述の酸類の内、2種以上の混合酸を用いた混合エステルが例示される。さらに良好な紡糸性を得る観点から、酸類として、炭素数2〜22の有機酸を主成分として含有する酸類でエステル化した誘導体が好ましく、例えば、セルロースと酢酸から誘導されるセルロースアセテート、セルロースと酢酸および酪酸から誘導されるセルロースアセテートブチレート、セルロースと酢酸およびプロピオン酸から誘導されるセルロースアセテートプロピオネートが挙げられる。さらには、セルロースアセテートプラスチックと呼ばれる酸−水酸基当量を調製して一部水酸基を残存させているセルロースアセテート系プラスチック、これにアジピン酸系可塑剤やフタル酸系可塑剤を任意の割合で含有させ、熱軟化点や溶融粘度を適度に調製したセルロースアセテート系プラスチック類も使用することができる。
さらに、本発明で使用される分散剤は、ポリウレタンに対する分散又は溶解性が良好であり、ポリウレタン糸の良好な特性や色調を阻害せず、紡糸工程等の加熱時に繊維外に散逸し難いという観点から、濃度5重量%のジメチルアセトアミド溶液とした時の20℃での粘度が200センチポイズ〜10000ポイズの範囲であるものが好ましい。
本発明法により製造されるポリウレタン糸中における分散剤の含有量は、用途に応じた適度なヒートセット性を有し、バランスの良い機械物性を有するという観点(例えば、機能性鉱物微粒子を多量に含有していても破断伸度を300%以上とでき、バランスの良い機械物性を有するという観点)から、1〜50重量%の範囲が好ましい。さらに良好なポリウレタン糸のヒートセット性を得るためには2〜30重量%の範囲がより好ましい。
また、機能性鉱物微粒子を良好に分散せしめ、良好な紡糸性を得るという観点(例えば、凝集力が強い機能性鉱物微粒子を多く含有させても良好に分散させ、紡糸の際の糸切れを抑制し紡糸安定性に優れるという観点)から、分散剤および機能性鉱物微粒子の含有量の合計は、ポリウレタン糸に対し1〜50重量%であることが好ましい。
なお、これら含有量は、ポリウレタン糸の用途に応じて事前にテストし、適宜決定すればよい。
次に本発明のポリウレタン弾性糸の製造方法について説明する。
本発明法においては、ポリウレタンが溶媒に溶解されたポリウレタン溶液に、前記した特定の分散剤、機能性鉱物微粒子、及び溶媒を含有する分散液を混合させることにより紡糸原液を調製する。分散剤及び機能性鉱物微粒子をポリウレタン溶液中へ均一に微分散させるためである。
分散剤、機能性鉱物微粒子、及び溶媒を含有する分散液は、溶媒中に分散剤および機能性鉱物微粒子を溶解又は微分散させてなる液(スラリー)であり、その調製には任意の方法が採用できる。その代表的な方法としては、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方法、ホモミキサーによる方法、2軸押し出し機やニーダーを用いる方法、回転や振動式ボールミルを用いる方法など、各種の手段が採用できる。機能性鉱物微粒子を特に均一に微分散させるためには、分散剤を溶解させた溶液に、機能性鉱物微粒子を添加して微分散させ、スラリーにする方法が好ましい。
また、分散剤および機能性鉱物微粒子を微分散させた液(スラリー)をポリウレタン溶液に添加した時、添加後の混合溶液の溶液粘度が、添加前のポリウレタン溶液の粘度に比べ予想以上に高くなり過ぎる場合もあるが、この場合には、さらに、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどの末端封鎖剤を1種または2種以上混合させることが、粘度上昇の抑制およびスラリーの分散安定性のために好ましい。
また、スラリーの分散安定性向上のためには、前述したような鎖伸長剤を添加させてもよい。
なお、これら末端封鎖剤や鎖伸長剤の成分は、混合前のポリウレタン溶液や分散液中に予め含有させておくことでもよい。
紡糸原液には、さらに、各種安定剤、顔料、無機物などが含有されていてもよい。例えば、耐光剤や酸化防止剤などとして、2,6−ジ−tブチル−pクレゾール(BHT)や住友化学工業株式会社製の“スミライザーGA−80”などのヒンダードフェノール系薬剤、チバガイギー社製“チヌビン”などのベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学株式会社製の“スミライザーP−16”などのリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤が挙げられる。また、フッ素系またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、シリコーン、鉱物油などの滑剤、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などが含まれていてもよい。また、これらがポリマと反応させられて含有されることでもよい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、例えば、日本ヒドラジン株式会社製のHN−150などの酸化窒素補足剤、住友化学株式会社製の“スミライザーGA−80”などの熱酸化安定剤、住友化学株式会社製の“スミソーブ300♯622”などの光安定剤が使用されてもよい。
また、紡糸速度を上げ易いという観点から、二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物の微粒子を添加してもよい。また、耐熱性向上や機能性向上の観点から、無機物や無機多孔質(例えば、竹炭、木炭、カーボンブラック、多孔質泥、粘土、ケイソウ土、ヤシガラ活性炭、石炭系活性炭、ゼオライト、パーライト等が)が添加されてもよい。これらの粉粒体は単体で、もしくは混合して使用することが可能である。
これら添加剤は、ポリウレタン溶液と分散液との混合により紡糸原液を調製する際に添加してもよいし、または、混合前のポリウレタン溶液や分散液中に予め含有させておくことでもよい。
上記方法により調製された紡糸原液は溶液紡糸され、ポリウレタン糸が製造される。この紡糸方法としては乾式紡糸や湿式紡糸が挙げられるが、なかでも、乾式紡糸が好ましい。この乾式紡糸方式は特に限定されるものではなく、任意の方法が適用できる。
ポリウレタン糸のセット性と応力緩和特性は、特にゴデローラーと巻取機との間の速度比の影響を受けやすいので、糸の使用目的に応じてその速度比を適宜決定すればよい。また、一般的に要求されるセット性と応力緩和特性を有するポリウレタン糸とするためには、ゴデローラーと巻取機との間の速度比(=巻取機速度/ゴデローラー速度)は、一般的に1.15〜1.65の範囲が好ましい。
そして、特に高いセット性と低い応力緩和特性を有するポリウレタン糸を得る際には、上記速度比は1.15〜1.4の範囲がより好ましく、1.15〜1.35の範囲がさらに好ましい。一方、低いセット性と高い応力緩和特性を有するポリウレタン糸を得る際には、上記速度比は1.25〜1.65の範囲がより好ましく、1.35〜1.65の範囲がさらに好ましい。
また、ポリウレタン弾性糸の強度を向上させるためには紡糸速度を高めることが好ましいので、450m/分以上の紡糸速度をとることが、実用上好適な強度水準とするために好ましい。さらに工業生産の点を考慮すると、450〜1000m/分程度が好ましい。
本発明法により製造するポリウレタン糸は、繊度、単糸数、断面形状など特に限定されるものではない。例えば、糸は1単糸で構成されるモノフィラメントでもよく、また複数単糸で構成されるマルチフィラメントでもよい。糸の断面形状も円形でもよく、また扁平でもよい。
本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。
本発明におけるポリウレタン弾性糸の原料スラリーの平均粒子径、安定性、さらに、ポリウレタン弾性糸のセット性、応力緩和、強度、伸度、ヒートセット性、熱軟化点、遠赤外線放射機能、抗菌機能、ストレッチ布帛の外観品位の測定法および評価法を説明する。
[紡糸性]
紡糸工程において、紡糸開始から糸切れが発生するまでの連続紡糸時間を、糸固形分1トンを紡糸する時間あたりの糸切れ回数(回/t)に換算し、下記の基準で紡糸性を評価した。
◎:0.05回/t未満
○:0.05回/t以上、0.2回/t未満
△:0.2回/t以上、0.5回/t未満
×:0.5回/t以上
[機能性鉱物微粒子を含有する分散液(スラリー)の安定性]
スラリー100mlを密栓付きガラス製100mlメスシリンダーに入れ、40℃にて1週間静置し、スラリーの外観を観察し、下記の基準で評価した。
◎:均一な分散状態で外観に変化がなかった。
○:5ml未満の透明層が発生した。
△:5ml以上の透明層が発生した。
×:沈殿が発生した。
[スラリー中の微粒子の平均粒子径、微粒子の平均一次粒子径]
スラリー中の微粒子の平均粒子径は、(株)堀場製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置LA−500型を用い、紡糸原液に用いたと同じ溶媒(以下の実施例ではDMAc)に機能性微粒子を濃度が1000ppmになるように分散させた状態にて測定した。
また、機能性鉱物微粒子の平均一次粒子径は、 (固体のまま直接、)電子顕微鏡EF−SEM法を用いて(拡大観察し、)測定した。
[ポリウレタン糸のセット性、応力緩和、強度、伸度]
セット性、応力緩和、強度、伸度は、ポリウレタン糸を“インストロン”4502型引張試験機を用い、引張テストすることにより測定した。
試長5cm(L1)の試料を50cm/分の引張速度で300%伸長し回復させる操作を5回繰返した。このとき、5回目の300%伸長時の応力を(G1)とした。次に試料の長さを300%伸長のまま30秒間保持し、30秒間保持後の応力を(G2)とした。次に試料の伸長を回復せしめ応力が0になった際の試料の長さを(L2)とした。さらに6回目に試料が切断するまで伸長し、この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。以下、上記特性は下記式により算出される。
強度=(G3)
応力緩和=100×((G1)−(G2))/(G1)
セット性=100×((L2)−(L1))/(L1)
伸度=100×((L3)−(L1))/(L1)
[ポリウレタン糸のヒート(熱)セット性]
試料糸をフリーで100℃のスチームで10分間処理し、次にフリーで100℃の沸騰水で2時間処理し、一日、室温で乾燥した。つぎに試料糸(長さ=(L5))を150%伸長した。この長さ(=2.5×(L5))のまま115℃のスチームで、1分間処理した。さらに同長さで、120℃の乾熱処理を施し、さらに同長さで、1日室温で放置した。次に、試料糸の伸長状態をはずし、その長さ(L6)を測定した。ヒートセット性の値は下記式により算出される。
ヒートセット性=100×((L6)−(L5))/(L5)
[熱軟化点]
レオメトリック社製の動的弾性率測定機RSAIIを用い、昇温速度10℃/分で、動的貯蔵弾性率E’の温度分散を測定した。熱軟化点は、80℃以上130℃以下のプラト領域でのE’曲線の接線と、160℃以上にてE’が熱軟化により降下するときのE’曲線の接線とが交差する点(交点)から求めた。
[ポリウレタン糸の遠赤外線放射率]
ポリウレタン糸の機能性評価として遠赤外線放射率を測定した。ポリウレタン糸について、フーリエ変換型赤外線分光光度計JIR−E500を用い、分解能1/16cm、積算回数200回、検知器MCT、温度35℃にて黒体に対する平均放射率(%)を算出した。
[ポリウレタン糸の抗菌性]
ポリウレタン糸の機能性評価として抗菌性を評価した。ポリウレタン糸のサンプルについて、統一試験法により、試験菌体として黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いて試験した。試験方法は、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する培養後菌数を求め、次の基準に従って評価した。
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を静菌活性値とし、2.2以上を合格とした。ただし、Aは、ブランクの接種直後分散回収した菌数、Bは、ブランクの18時間培養後分散回収した菌数、Cは、サンプルの18時間培養後分散回収した菌数を表す。
[ストレッチ布帛の表面温度の測定]
染色加工後のストレッチ布帛を約5%伸長固定し、その仕上がったストレッチ布帛の表面温度をサーモグラフィで測定した。測定時の感度は0.05℃とした。測定室の室温23.0±0.5℃として、測定室の湿度40±1%、60±1%、及び80±1%の各々の湿度条件下に保持5分後に測定した。
また、比較対照用として、機能性鉱物微粒子を含む分散液を添加しない以外は同一の組成からなる紡糸原液から同様にポリウレタン糸を製造し、これを用いて同様にストレッチ布帛を製造した。これをブランク布帛とする。
測定対象のストレッチ布帛の表面温度の測定値と、ブランク布帛の表面温度の測定値との差を算出し、この温度差の値から、次の4段階に判定して評価した。
◎: 各湿度のいずれかで温度差が+1.0℃以上ある。
○: 各湿度のいずれかで温度差が+0.3℃以上、+1.0℃未満である。
△: 各湿度のいずれかで温度差が+0.1℃以上、+0.3℃未満である。
×: 各湿度のいずれかで温度差が+0.1℃未満である。
[ストレッチ布帛の外観品位]
染色加工後のストレッチ布帛の外観品位を、生地を1.8kg/2インチ荷重下で伸長した状態で観察し、主に生地の波打ちに注目して次の5段階に判定することにより評価した。
5級−波打ちが全くない。
4級−波打ちがあるがほとんど気にならない。
3級−やや波打ちが気になる。
2級−波打ちが気になる。
1級−波打ちがありウレタンが露出し品位が低い。
[実施例1]
分子量2900のPTMG、MDIおよびエチレングリコールからなるポリウレタン重合原料のDMAc溶液(濃度35重量%)を常法により重合し、ポリマ溶液A1とした。
次に、分散剤としてイーストマン社製セルロースエステル(商品名“テナイト”(登録商標)、主成分セルロースアセテートブチレート、熱軟化点145℃)を用い、これをDMAcに溶解してセルロースエステル溶液B1(濃度35重量%)を調製した。次に、この溶液B1に対し、機能性鉱物微粒子として粉砕したトルマリン石(ショールトルマリン1級原石、平均一次粒子径が2.2μm)を、さらにDMAcを添加し、トルマリン鉱石とセルロースエステルを含有するスラリーC1を調製した。この調製は、水平ミル(WILLY A. BACHOFEN社製のDYNO-MIL KDL)に、表面処理してないジルコニアビーズを85%充填した装置を用い、20g/分の流速で循環混合する方法により、スラリー中の微粒子の平均粒子径が0.1〜1μmに到達するまで微粒子化(湿式ミリング)を行った。得られたスラリーC1中には、トルマリン鉱石25重量%、セルロースエステル10重量%、(それら合計35重量%)が含有されていた。
また、酸化防止剤として、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタン(デュポン社製”メタクロール”(登録商標)2462)とp−クレゾ−ルとジビニルベンゼンの縮合重合体(デュポン社製”メタクロール”(登録商標)2390)との2対1(重量比)の混合物を用い、これのDMAc溶液(濃度35重量%)を調製し、これを添加剤溶液D1とした。
ポリマ溶液A1、スラリーC1、及び添加剤溶液D1を、それぞれ91重量%、7重量%、2重量%の割合で均一に混合し、紡糸溶液E1とした。この紡糸溶液E1を、ゴデローラーと巻取機の間の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取ることにより、ポリウレタン弾性糸(20dtex、モノフィラメント)の200g巻糸体を製造した。得られたポリウレタン弾性糸は、セルロースエステルおよび微粒子トルマリン鉱石の含有量がそれぞれ、2.0重量%および5.0重量%であった。
得られたポリウレタン弾性糸の特性(破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、ヒートセット性、熱軟化点、遠赤外線放射率および抗菌性)や乾式紡糸時の紡糸性は、表2に示すとおりであった。
このポリウレタン弾性糸は、比較例1(後述)との対比からわかるように、特に耐熱性の指標である熱軟化点が機能性鉱物微粒子とセルロースエステルとを配合したことにより15℃以上増大し、ヒートセット性も大幅に増大した。さらに、トルマリンによる機能の遠赤外線放射率および抗菌性は十分に発現した。また、破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和も良好な水準であり、ポリウレタン糸としての実用特性も満足していた。さらに、乾式紡糸時の紡糸性も良好(◎)であった。
また、得られたポリウレタン弾性糸を用い、次の方法によりストレッチ布帛を製作し、染色等の後加工を行い、その仕上がった布帛の表面温度を測定評価した。
まず、得られたポリウレタン弾性糸を、カチオン可染ポリエステル糸(168dtex−48fil)でカバーリング加工した。その際、ヨコ糸用カバーリング糸は、カバーリング機での条件をヨリ数=450t/m、ドラフト=3.0とした。また、タテ糸用カバーリング糸は、カバーリング機での条件をヨリ数700T/M、ドラフト=3.5とした。
次に、得られたヨコ糸用カバーリング糸及びタテ糸用カバーリング糸を用い、タテ糸を5100本(荒巻き整経1100本)で糊付け整経した後、レピアー織機を用いて2/1綾組織で製織した。次に、製織で得られた生機を常法に従い精練加工、中間セット(185℃)、減量加工を行なった。得られたストレッチ布帛を、染色加工、乾燥、仕上げ剤処理、及び仕上げセットという一連の工程を2回繰り返し通過させた。ここで、染色加工は、カチオン染料、120℃の条件で行い、仕上げセットは、180℃、布速20m/min、セットゾーン24mの条件で行なった。
染色加工した後のストレッチ布帛の外観品位を評価したところ、比較例1(後述)との対比からわかるように、分散剤と機能性鉱物微粒子とを配合したことにより外観品位は5級と大幅に改善され、高ヒートセット性と繰り返し染色加工に耐える高耐熱性において格段に優れたストレッチ布帛であった。さらに、トルマリンによる遠赤外線放射機能により表面温度が高められたものであった。
[実施例2]
分子量1800のPTMG、MDI、エチレンジアミン、および末端封鎖剤としてのジエチルアミンからなるポリウレタンウレア重合原料のDMAc溶液(濃度35重量%)を常法により重合し、ポリマ溶液A2とした。
次に、実施例1で調製した分散剤のセルロースエステル溶液B1に対し、機能性鉱物微粒子として粉砕したゲルマニウム鉱石(ゲルマニウム元素含有率3mg/kg、平均一次粒子径が10μm)、さらにDMAcを添加し、微粒子ゲルマニウム鉱石とセルロースエステルを含有したスラリーC2を調製した。この調製は、水平ミル(WILLY A. BACHOFEN社製のDYNO-MIL KDL)に表面処理のないジルコニアビーズを85%充填した装置を用い、50g/分の流速で循環混合する方法により、スラリー中の微粒子の平均粒子径が0.1〜1μmに到達するまで微粒子化(湿式ミリング)を行った。得られたスラリーC2中には、ゲルマニウム鉱石20重量%、セルロースエステル15重量%、(それら合計35重量%)が含有されていた。
ポリマ溶液A2、スラリーC2、及び、実施例1で調製した添加剤溶液D1を、それぞれ、80重量%、18重量%、2重量%の割合で均一に混合し、紡糸溶液E2とした。この紡糸溶液E2を、ゴデローラーと巻取機との間の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取ることにより、ポリウレタン弾性糸(20dtex、マルチフィラメント(2fil))の500g巻糸体を製造した。得られたポリウレタン弾性糸は、セルロースエステルおよびゲルマニウム鉱石の含有量がそれぞれ、7.7重量%および10.3重量%であった。
得られたポリウレタン弾性糸の特性や乾式紡糸時の紡糸性は、表2に示すとおりであった。
このポリウレタン弾性糸は、比較例2(後述)との対比からわかるように、特にヒートセット性が、機能性鉱物微粒子とセルロースエステルとを配合したことにより2倍以上に増大し、耐熱性の指標である熱軟化点も増大した。さらに、ゲルマニウム鉱石による機能の遠赤外線放射率および抗菌性は十分に発現した。また、破断強伸度は増大し、他の強伸度特定も良好な水準であり、ポリウレタン糸としての実用特性も満足していた。さらに、乾式紡糸時の紡糸性も良好であった。
また、得られたポリウレタン弾性糸を用いて、実施例1と同様にしてストレッチ布帛を製作し、染色等の後加工を行った。得られた染色ストレッチ布帛は、高ヒートセット性と高耐熱性とを有するポリウレタン糸を用いていたので、後加工時における特性低下が小さく、ストレッチ性の特性や外観品位が良好なものであった。さらに、ゲルマニウム鉱石による遠赤外線放射機能により表面温度が高められたものであった。
参考例1
実施例1で調製したポリマ溶液A1(熱軟化点180℃のポリウレタンを35重量%含有)に対し、機能性鉱物微粒子として粉砕したトルマリン石および麦斑石(1対1(重量比)の混合物)、さらにDMAcを添加し、微粒子機能性鉱物とポリウレタンを含有したスラリーC3を調製した。この調製は、実施例2と同一方法で行った。得られたスラリーC3中には、機能性鉱物微粒子20重量%、分散剤であるポリウレタン25重量%、(それら合計35重量%)が含有されていた。
実施例2で調製したポリマ溶液A2、スラリーC3、及び、実施例1で調製した添加剤溶液D1を、それぞれ、75重量%、23重量%、2重量%の割合で均一に混合し、紡糸溶液E3とした。この紡糸溶液E3を、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取ることにより、ポリウレタン弾性糸(20dtex、マルチフィラメント(2fil))の500g巻糸体を製造した。得られたポリウレタン弾性糸は、分散剤としてのポリウレタンおよび機能性鉱物微粒子の含有量がそれぞれ、9.9重量%および13.1重量%であった。
得られたポリウレタン弾性糸の特性や乾式紡糸時の紡糸性は、表2に示すとおりであった。
このポリウレタン弾性糸は、比較例2(後述)との対比からわかるように、機能性鉱物微粒子を配合したことにより耐熱性の指標である熱軟化点が、25℃以上増大し、232℃と大幅に高くなった。トルマリン石や麦斑石による機能の遠赤外線放射率および抗菌性は十分に発現した。破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和も良好な水準であり、ポリウレタン糸としての実用特性も満足していた。さらに、乾式紡糸時の紡糸性も良好であった。
また、得られたポリウレタン弾性糸を用いて、実施例1と同様にしてストレッチ布帛を製作し、染色等の後加工を行った。得られた染色ストレッチ布帛は、高ヒートセット性と高耐熱性を有するポリウレタン糸を用いていたので、後加工時における特性低下が小さく、ストレッチ性の特性や外観品位が良好なものであった。さらに、トルマリン石による遠赤外線放射機能により表面温度が高められたものであった。
参考例2
参考例1で使用したスラリーC3を調製する工程で、さらに末端封鎖剤であるエチレンジアミンを含有させたスラリーC4を調製した。すなわち、実施例1で調製したポリマ溶液A1(熱軟化点180℃のポリウレタンを35重量%含有)に対し、機能性鉱物微粒子として粉砕したトルマリン石および麦斑石(1対1(重量比)の混合物)、さらにエチレンジアミンおよびDMAcを添加し、微粒子機能性鉱物とポリウレタンを含有したスラリーC4を調製した。この調製は、実施例2と同一方法で行った。得られたスラリーC4中には、機能性鉱物微粒子20重量%、分散剤であるポリウレタン24.5重量%、ポリウレタンウレアの末端封鎖剤であるエチレンジアミン0.5重量%(それら合計35重量%)が含有されていた。
実施例2で調製したポリマ溶液A2、スラリーC4、及び、実施例1で調製した添加剤溶液D1を、それぞれ、75重量%、23重量%、2重量%の割合で均一に混合し、紡糸溶液E4とした。この紡糸溶液E4を、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取ることにより、ポリウレタン弾性糸(20dtex、マルチフィラメント(2fil))の500g巻糸体を製造した。得られたポリウレタン弾性糸は、分散剤としてのポリウレタンおよび機能性鉱物微粒子の含有量がそれぞれ、9.7重量%および13.1重量%であった。
得られたポリウレタン弾性糸の特性や乾式紡糸時の紡糸性は、表2に示すとおりであった。特にスラリーの分散特性および紡糸性は参考例1よりも更に向上した。
このポリウレタン弾性糸は、比較例2(後述)との対比からわかるように、機能性鉱物微粒子を配合したことにより耐熱性の指標である熱軟化点が、25℃以上増大し、232℃と大幅に高くなった。トルマリン石や麦斑石による機能の遠赤外線放射率および抗菌性は十分に発現した。破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和も良好な水準であり、ポリウレタン糸としての実用特性も満足していた。さらに、乾式紡糸時の紡糸性も良好であった。
また、得られたポリウレタン弾性糸を用いて、実施例1と同様にしてストレッチ布帛をに製作し、染色等の後加工を行なった。得られた染色ストレッチ布帛は、高ヒートセット性と高耐熱性を有するポリウレタン糸を用いていたので、後加工時における特性低下が小さく、ストレッチ性の特性や外観品位が良好なものであった。さらに、トルマリン石による遠赤外線放射機能により表面温度が高められたものであった。
[比較例1]
実施例1で調製したポリマ溶液A1及び添加剤溶液D1を、それぞれ、98重量%、2重量%の割合で均一に混合し、紡糸溶液F1とした。この紡糸溶液F1を、ゴデローラーと巻取機との間の速度比を1.40として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取ることにより、18dtexのモノフィラメントのポリウレタン弾性糸を製造した。
得られたポリウレタン弾性糸の特性や乾式紡糸時の紡糸性は、表2に示すとおりであった。
次に、得られたポリウレタン弾性糸を用いて、実施例1と同様にしてストレッチ布帛を製作し、染色等の後加工を行なった。耐熱性の指標である熱軟化点が低いポリウレタン弾性糸を用いたものであったので、得られた染色ストレッチ布帛は、外観品位において波打ちが気になる不良品であった。
[比較例2]
実施例2で調製したポリマ溶液A2、及び実施例1で調製した添加剤溶液D1を、それぞれ、98重量%、2重量%の割合で均一に混合し、紡糸溶液F2とした。この紡糸溶液F2を、ゴデローラーと巻取機との間の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取ることにより、20dtexのマルチフィラメント(2fil)のポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を製造した。
得られたポリウレタン弾性糸の特性や乾式紡糸時の紡糸性は、表2に示すとおりであった。
次に、得られたポリウレタン弾性糸を用いて、実施例1と同様にしてストレッチ布帛を製作し、染色等の後加工を行なった。ヒートセット性が低いポリウレタン弾性糸を用いたものであったので、得られた染色ストレッチ布帛は、外観品位において波打ちやや気になる不満足なものであった。
[比較例3]
DMAcに、実施例2で用いた粉砕したゲルマニウム鉱石(ゲルマニウム元素含有率3mg/kg、平均粒子径が10μm)を添加し、微粒子ゲルマニウム鉱石を含有したスラリーG1を調製した。この調製には、水平ミル(WILLY A. BACHOFEN社製のDYNO-MIL KDL)に表面処理のないジルコニアビーズを85%充填した装置を用い、50g/分の流速で循環混合する方法により、スラリー中の微粒子の平均粒子径が0.1〜1μmに到達するまで微粒子化を行った。得られたスラリーG1中には、ゲルマニウム鉱石35重量%が含有されていた。
実施例2で調製したポリマ溶液A2、スラリーG1、及び実施例1で調製した添加剤溶液D1をそれぞれ、80重量%、18重量%、2重量%の割合で均一に混合し、紡糸溶液H1とした。この紡糸溶液H1を、ゴデローラーと巻取機との間の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取ることにより、20dtexのマルチフィラメント(2fil)のポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を製造した。
得られたポリウレタン弾性糸の特性や乾式紡糸時の紡糸性は、表2に示すとおり、不満足なものであった。
次に、得られたポリウレタン弾性糸を用いて、実施例1と同様にしてストレッチ布帛を製作し、染色等の後加工を行なった。ヒートセット性が低いポリウレタン弾性糸を用いたものであったので、得られた染色ストレッチ布帛は、外観品位において波打ちがやや気になる不満足なものであった。
Figure 0004348727
Figure 0004348727
本発明法により得られるポリウレタン弾性糸は、ヒートセット性及び耐熱性がともに優れ、しかも、機能性鉱物による機能性が付与された弾性糸であるので、単独で使用し、或いは他の繊維と併用して、衣料品をはじめとする種々の用途に弾性素材として利用することができる。
例えば、肌着類を初めとする各種インナーウエア、ブラジャー、ガードル、ソックス、各種靴下類、ストッキング、タイツ、医療用ストッキング、各種丸編類、各種経編類、トリコット、ラッセル、水着、スキーズボン、各種アウターウエア類、作業服、ユニフォーム、裏地、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、シャツ、ブラウス、パジャマ、手袋、マフラー、ベルト、靴、マスク等の各種繊維製品の伸縮材料および衣料用品、紙おむつ、生理ナプキンなど各種サニタニー用品の漏れ防止用伸縮材料、タオル、かさ、カバン、テーブルクロス、フィルター、ゴミ袋などの家庭用品、布団、シーツ、枕、枕カバー、ベッドマット、毛布、タオルケットなどの寝装用品、クッション、カーテン、ソファー、カーペット、マット、畳、パーテーション、壁紙などのインテリア用品、壁材、床材、天井材、タイル、人工芝、カバー、幌などの建装材、シート、シートベルト、シートカバー、内張、天井材、エアバッグなどの車輌内装材、防水資材の締め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケット等の種々の用途に使用することが可能である。

Claims (8)

  1. ポリマジオール及びジイソシアネートを主構成成分にして重合して得られるポリウレタンが溶媒に溶解された溶液と、熱軟化点が100℃〜200℃である高分子化合物系分散剤、機能性鉱物微粒子及び溶媒を含む分散液とを混合して紡糸原液を調製した後、溶液紡糸するポリウレタン糸の製造方法であって、高分子化合物系分散剤がセルロースエステルであることを特徴とするポリウレタン糸の製造方法。
  2. 機能性鉱物が、トルマリン石、ゲルマニウム鉱石、及び麦斑石のうちのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン糸の製造方法。
  3. ポリウレタン糸において、機能性鉱物微粒子の含有量が0.5〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタン糸の製造方法。
  4. 機能性鉱物微粒子の平均一次粒子径が0.01μm〜10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン糸の製造方法。
  5. 高分子化合物系分散剤が、炭素数2〜22の有機酸を含有する酸類とセルロースから誘導されたセルロースエステルであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のポリウレタン糸の製造方法。
  6. 高分子化合物系分散剤が、セルロースアセテートブチレートを主成分とするセルロースエステルであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のポリウレタン糸の製造方法。
  7. ポリウレタン糸において、高分子化合物系分散剤および機能性鉱物微粒子の含有量の合計が、1〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のポリウレタン糸の製造方法。
  8. ポリウレタン溶液と、高分子化合物系分散剤、機能性鉱物微粒子及び溶媒を含む分散液を混合した紡糸原液中に、さらに末端封鎖剤および/または鎖伸長剤を含有させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のポリウレタン糸の製造方法。
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