JP4484356B2 - 積層体の剥離方法及び剥離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズシート成形型、中間型等の成形体と母型とを剥離させる方法及びそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平1−174418号公報は、透過型スクリーン等に用いられるフレネルレンズシートやレンチキュラーレンズシート等を成形するための各種レンズシート成形型の製法について開示する。
【0003】
これはレンズシート成形用に多数の切削金型を用意するのは不経済であるとして、成形型を樹脂で作ろうとするものであり、フレネルレンズと反対形の賦型面を有する金属金型に熱硬化性樹脂を注入し加熱硬化させた後に金属金型から剥し取って中間型を得、この中間型に他の熱硬化性樹脂を注入し加熱硬化させた後に中間型から剥し取って樹脂製の成形型を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
樹脂製の成形型は金属製に比し強度、成形性、離型性等に劣るので、切削金型を母型として金属製の成形型を多数複製するのが望ましい。そこで、本発明者は切削金型を母型として電鋳により金属製の中間型を作り、また中間型を母型として電鋳により金属製の成形型を作ることとしたが、母型上に形成した中間型又は成形型を母型から剥し取る際にレンズ形成用溝を傷付けたりする等の不都合を生じる。
【0005】
本発明は、母型上で中間型、成形型等の成形体を形成した後、成形体を母型上から互いにレンズ形成用溝を傷付けないように剥し取ることができる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、母型(2,3)と成形体(3,1)との積層体(6,20)の中央部を押圧しつつ、この中央部を直接押圧する一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に引っ張って他方の層の周縁部から離反させ、この離反を中央部まで進行させることにより、母型(2,3)と成形体(3,1)とを剥離させる積層体の剥離方法を採用する。
【0007】
この請求項1に係る発明によれば、母型(2,3)と成形体(3,1)との離反を周縁部から中央部に向かって進行させ、一旦離反した箇所は再び接触させることなく剥離させる。従って、互いにレンズ形成用溝を傷付けないように母型(2,3)と成形体(3,1)とを剥離させることができる。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、積層体(6,20)の一方の層を他方の層から離反させる際に他方の層を定位置に固定する請求項1に記載の積層体の剥離方法を採用する。
【0009】
この請求項2に係る発明によれば、他方の層を定位置に固定したうえで一方の層を剥し取るので、剥離を円滑に進行させることができる。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、積層体(6,20)の一方の層の周縁部に離反用の係止縁(5)を形成する請求項1又は請求項2に記載の積層体の剥離方法を採用する。
【0011】
この請求項3に係る発明によれば、一方の層の周縁部の係止縁(5)に工具等を係止することができるので、離反操作が簡易化される。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、積層体(6,20)の中央部を弾性手段(11)を介して押圧する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層体の剥離方法を採用する。
【0013】
この請求項4に係る発明によれば、積層体(6,20)の中央部が剥離することによる衝撃力を弾性手段(11)が吸収するので、積層体の剥離が円滑化される。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、成形体(3,1)が電鋳により母型(2,3)上に形成された請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層体の剥離方法を採用する。
【0015】
この請求項5に係る発明によれば、電鋳により成形体(3,1)と母型(2,3)とが密着していても、両者を円滑に剥離させることができる。
【0016】
また、請求項6に係る発明は、母型(2,3)と成形体(3,1)との積層体(6,20)の中央部を押圧する押圧手段(11)と、この押圧手段によって中央部を直接押圧する一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に引っ張って他方の周縁部から離反させ、この離反を中央部まで進行させる離反手段(14a)とを具備する積層体の剥離装置を採用する。
【0017】
この請求項6に係る発明によれば、母型(2,3)と成形体(3,1)との離反を周縁部から中央部に向かって進行させ、一旦離反した箇所は再び接触させることなく剥離させる。従って、互いにレンズ形成用溝を傷付けないように母型(2,3)と成形体(3,1)とを剥離させることができる。
【0018】
また、請求項7に係る発明は、母型(2,3)と成形体(3,1)との積層体(6,20)を離反させる際に一方の層を定位置に固定する固定手段(21)を具備する請求項6に記載の積層体の剥離装置を採用する。
【0019】
この請求項7に係る発明によれば、他方の層を定位置に固定したうえで一方の層を剥し取るので、剥離を円滑に進行させることができる。
【0020】
また、請求項8に係る発明は、押圧手段がエアシリンダ(11)で構成された請求項6に記載の積層体の剥離装置を採用する。
【0021】
この請求項8に係る発明によれば、積層体(6,20)の中央部が剥離することによる衝撃力をエアシリンダ(11)のエアが吸収するので、積層体(6,20)の剥離が円滑化される。
【0022】
また、請求項9に係る発明は、離反手段が、積層体の一方の層の周縁部に係止される複数個の楔片(14a)を有する請求項6に記載の積層体の剥離装置を採用する。
【0023】
この請求項9に係る発明によれば、複数個の楔片(14a)が積層体(6,20)の一方の層の周縁部に係止し、他方の層の周縁部から離反するように移動することで層間を剥離させるので、積層体(6,20)を簡易且つ確実に剥離させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、レンズシート成形型1は長方形の板に形成され、その表面にレンズシートを成形するための賦型面1aが設けられ、裏面は平滑面とされる。このレンズシート成形型1はフレネルレンズの成形型として作られており、賦型面1aは同心円状の多数のレンズ形成用溝を有する。もちろんレンズシート成形型1はフレネルレンズに限らずレンチキュラーレンズシート等他のレンズシート用の成形型として作ることもでき、その場合は対応するレンズの形成用溝が賦型面上に形成される。また、レンズシート成形型1の形状は賦型面1aを設けることができるならばどのような形状でもよく、例えば正方形、円形であってもよい。
【0026】
このレンズシート成形型1を作るには、まず図2に示す工程により切削金型2を母型として中間型3としての成形体を作成する。
【0027】
図2(A)に示すように、レンズ形成用溝が形成された切削金型2からなる母型を用意する。切削金型2は真鍮、鋼等の金属板にレンズ形成用溝を旋削等により切削することにより作られる。レンズ形成用溝はフレネルレンズ用であれば同心円状に切削され、フレネルレンズと反対形に形成される。
【0028】
切削金型2の回りには必要に応じてマスキング用のマスキング材4を取り付ける。マスキング材4を設けることにより、図2(B)(C)に示すように、中間型3のメッキ層が切削金型2の回りの端面にまで付着しないようにし、中間型3の周縁部に係止縁5を形成し易くする。
【0029】
次いで、図2(B)に示すように、切削金型2の賦型面2aに離型処理等を施したのち、電鋳により中間型3を切削金型2上に形成する。中間型3はニッケル、クロム等の比較的硬い金属で生成される。これにより、中間型3が切削金型2の賦型面2aに密着した積層体6が作られる。電鋳は公知の方法によるので、その説明は省略する。
【0030】
切削型2上に中間型3が生成された後、図2(C)に示すように、マスキング材4を切削金型2から除去し、中間型3の周縁を露出させる。次いで、楔状の工具23を切削金型2と中間型3との層間に差し込んで層間を剥がし係止縁5を形成する。層間の剥がしは工具23によらないで流体圧等他の手段を利用することによっても行うことができる。係止縁5は中間型3の全周に設けてもよいし、間欠的に設けてもよい。
【0031】
しかる後、図2(D)に示すように、中間型3と切削金型2との積層体6の中央部を押圧しつつ一方の層の周縁の係止縁5を押圧方向と反対方向に同時に引っ張って層間の剥離を周縁部から中央部まで進行させる。具体的には、中間型3を切削金型2の方に押し付けるように中間型3の中央部に押圧力を加えつつ、中間型3の周縁部に押圧力と反対方向に離反力を加えて周縁部を切削金型2の上方に押し上げる。これにより、層間剥離が周縁部から中央部へと進行し、同図(E)のごとく中間型3が切削金型2から完全に引き剥がされる。また、一旦離反した箇所は再び接触することなく剥離する。これにより、中間型3と切削金型2は互いにレンズ形成用溝を傷付けないように剥離する。
【0032】
中間型3の中央部を切削金型2の方に押圧しつつ周縁部の複数箇所を切削金型2の上方に同時に押し上げるようにするのは、次に述べるような本発明者の知見に基づく。
【0033】
すなわち、図8に示すように母型である切削金型2のフレネルレンズ賦型面2aにおいてはレンズ形成用溝が鋭角状の凹凸となって形成されているので、中間型3の中央部を押さえないで単に中間型3の一辺又は一箇所を掴んで反対側へと剥し取るようにすると、同図(B)に示すように、剥れがフレネルレンズ形成用溝の中心を越えて反対側に進行し、中間型3と切削金型2のフレネルレンズ形成用溝が破損し、後に成形されるフレネルレンズの性能が低下してしまうおそれがある。フレネルレンズ形成用溝の破損は相対的に柔らかい材質で作られる型の方に発生する。例えば、母型である切削金型2が真鍮で作られ、中間型3がニッケルで作られる場合は、母型のフレネルレンズ形成用溝が傷付けられる。同図(B)において符号7は母型である切削金型2のフレネルレンズ形成用溝に発生した破損部を示している。それゆえ中間型3の切削金型2からの剥がし取りは、剥れが周辺部から中央部に向かって進行するように行う必要がある。
【0034】
また、中間型3の中央部を押さえないで中間型3の周辺部の複数箇所を同時に掴んで剥し取るようにすることも考えられるが、中間型3と切削金型2との密着力は通常の場合均一ではなくムラが生じているので、剥離が周辺部から中央部へと均等に進むとは限らず、密着力が局所的に大きくなっている場合には剥れが急に停止し中間型3に折れ曲がり等が発生する。
【0035】
また、中間型3の中央部を押さえないで中間型3の周辺部の複数箇所を掴み、各個所を順に上下させて剥し取るようにすることも考えられるが、その場合は同図(A)に示すように、一箇所をa方向に剥した後b方向に戻すことにより、切削型2のフレネルレンズ形成用溝が中間型3のフレネルレンズ形成用溝によって傷付けられる。符号8は母型である切削金型2のフレネルレンズ形成用溝に発生した破損部を示している。
【0036】
本発明のように、中間型3と切削金型2との積層体6の中央部を押圧しつつ一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に同時に引っ張って他方の層の周縁部から離反させるようにすることで、切削金型2又は中間型3のレンズ形成用溝の損傷を来すことなく母型である切削金型2から中間型3を剥すことができる。
【0037】
なお、中間型3の周縁部を切削金型2の上方に押し上げる際は、剥離を円滑化するため望ましくは切削金型2を定位置に固定する。この固定は吸盤、磁石、クランプ等により行うことができる。また、剥離の最終段階における衝撃力を和らげるため積層体6の中央部に対する押圧力は望ましくは弾性手段を介して加える。弾性手段としては流体圧シリンダ、バネ、ゴム等を用いることができる。
【0038】
この中間型3と切削金型2からなる積層体6の剥離作業は、図4及び図5に示す剥離装置を用いて行うことができる。
【0039】
この剥離装置は、母型である切削金型2と中間型3との積層体6を乗せる水平な昇降テーブル9を有する。昇降テーブル9は基台10の中央部に形成された穴10aから基台10内に出入りするようになっている。昇降テーブル9の上面には、積層体6を剥離させる際に一方の層を定位置に固定する固定手段が設けられる。固定手段は、積層体6の下層である切削金型2をその下面から吸着する多数の吸盤21で構成される。
【0040】
昇降テーブル9の上方には、母型である切削金型2と成形体である中間型3との積層体6の中央部を押圧する押圧手段が配置され、基台10の周りには、昇降テーブル9上に固定される積層体6の一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に同時に引っ張って他方の周縁部から離反させ、この離反を中央部まで進行させる離反手段が配置される。
【0041】
押圧手段は、具体的にはエアシリンダ11で構成される。エアシリンダ11は昇降テーブル9の上方を横切るように掛けられた梁12上に垂直に固定され、そのロッド11aが昇降テーブル9の中心に向かって突出する。ロッド11aの下端にはゴム、合成樹脂等で出来た半球状の突起である押圧片13が取り付けられている。エアシリンダ11の作動により、この押圧片13が積層体6の中央部を静止した昇降テーブル9上に押圧する。なお、エアシリンダ11に代えて圧縮コイルスプリング等で積層体6を押圧するようにしてもよい。
【0042】
離反手段は、図6及び図7に示す起重機により構成される。この起重機が昇降テーブル9上の積層体6の周りを囲むように基台10上に複数台設置され、全起重機が同時に又は各々単独で起動するようにコントロールされる。各起重機は、昇降アーム14と、昇降アーム14に螺合する昇降テーブル9の上面に対し垂直に起立するネジ棒15と、昇降アーム14の昇降を案内する昇降テーブル9の上面に対し垂直に起立するガイド棒22と、ネジ棒15を回転駆動するモータ16とを具備する。モータ16の回転はウォームギア等からなる伝動装置17を経てネジ棒15に伝達される。
【0043】
全起重機の昇降アーム14は昇降テーブル9上の積層体6の周縁部に向かって片持ち状に突出し、各昇降アーム14の先端には積層体6の一方の層である中間型3の周縁部に係止される複数個の楔片14aが設けられている。
【0044】
各起重機は基台10上に設置されたガイド板24上にスライド板25を介して設置され、スライド板25をガイド板24上でスライドさせることにより積層体6の大きさ形状に応じて基台10上での設置位置が変更される。この設置位置の調節により各楔片14aが積層体6の層間に形成された隙間に挿入される。
【0045】
次に、この剥離装置の作用について説明する。
【0046】
まず、積層体6を上昇した昇降テーブル9上に乗せ、固定手段である吸盤21により昇降テーブル9上に固定する。積層体6は母型である切削金型2が昇降テーブル9に接するように乗せる。積層体6の周縁部は図2(C)に示すように予め層間剥離させ、中間型3の周縁に係止縁5を形成しておく。
【0047】
押圧手段のエアシリンダ11を動作させてロッド11aの下端の押圧片13で積層体6の中央部を昇降テーブル9上に押圧する。
【0048】
起重機を基台10上で平行移動させ、各昇降アーム14の先端の楔片14aを切削金型2と中間型3との隙間に挿入し、中間型3の周縁部に形成された係止縁5に係止させる。
【0049】
その後、全起重機のモータ16を起動し、ネジ棒15を回転させて昇降アーム14をガイド棒22に沿って上昇させ、楔片14aにより積層体6の中間型3の周縁部の複数箇所を同時に持ち上げる。これにより、中間型3がその周縁部より中央部に向かって切削金型2から剥離する。中間型3は中央部を押圧されるので弾性変形し、剥離の最終段階で中間型3が弾性復帰し、切削金型2から急激に剥離すると同時にエアシリンダ11のロッド11aを縮方向へと押し返す。エアシリンダ11は内部のエアによりその際の衝撃力を吸収し、剥離動作を円滑化する。なお、昇降テーブル9や基台10の形状は図4に示される形状に限定されるものでなく他の形状とすることもできる。また、起重機は基台10の対角の位置に任意の台数設置することができる。
【0050】
母型である切削金型2から剥離した中間型3は次の成形型の製造工程へ送られ、母型は次回の電鋳工程へと戻される。
【0051】
上述したレンズシート成形型1を作るには、図3(A)に示すように、この中間型3を母型として使用する。中間型3はフレネルレンズと同形のレンズ形成用溝を賦型面3a上に有する。
【0052】
中間型3の回りには必要に応じてマスキング材19を取り付ける。マスキング材9を設けることにより、図3(B)(C)に示すように、レンズシート成形型1のメッキが中間型3の回りの端面に付着するのを防止し、係止縁5とするべき箇所を中間型3の周縁部に露出させる。
【0053】
次いで、図3(B)に示すように、中間型3の賦型面3aに離型処理等を施したのち、電鋳により成形体であるレンズシート成形型1を中間型3上に形成する。これにより、レンズシート成形型1が中間型3の賦型面3aに密着した積層体20が作られる。レンズシート成形型1はニッケル、クロム等の比較的硬い金属で生成される。
【0054】
中間型3上にレンズシート成形型1が生成された後、図3(C)に示すように、マスキング材19を母型である中間型3から除去し、中間型3の周縁を露出させる。次いで、楔状の工具23を中間型3とレンズシート成形型1との層間に差し込んで層間を剥がし係止縁5を形成する。この層間の剥がしは工具23によらないで流体圧等他の手段を利用することによっても行うことができる。係止縁5は中間型3の全周に設けてもよいし、間欠的、局所的に設けてもよい。
【0055】
しかる後、図3(D)に示すように、中間型3とレンズシート成形型1との積層体20の中央部を押圧しつつ一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に同時に引っ張って他方の層の周縁部から離反させ、この離反を中央部まで進行させる。具体的には、中間型3をレンズシート成形型1の方に押し付けるように中間型3の中央部に押圧力を加えつつ、中間型3の周縁部に押圧力と反対方向に離反力を加えて周縁部をレンズシート成形型1の上方に押し上げる。これにより、層間剥離が周縁部から中央部へと進行し、同図(E)のごとく中間型3がレンズシート成形型1から完全に引き剥がされる。また、一旦離反した箇所は再び接触することなく剥離する。上述したと同じ理由により、中間型3とレンズシート成形型1は互いにレンズ形成用溝を傷付けないように剥離する。この積層体20の剥離作業には、上述した中間型3と切削金型2との積層体6の剥離に用いた剥離装置を用いることができる。
【0056】
かくして得られたレンズシート成形型1は、フレネルレンズ等のレンズ形状と反対形状をその賦型面1aに有し、レンズシートの成形に供されることにより剛性樹脂等で出来たレンズシートにフレネルレンズ等のレンズ形状を賦型する。
【0057】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、母型と成形体との積層体の中央部を押圧しつつ、この中央部を直接押圧する一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に引っ張って他方の層の周縁部から離反させ、この離反を中央部まで進行させることにより、母型と成形体とを剥離させる積層体の剥離方法であるから、母型と成形体との離反を周縁部から中央部に向かって進行させ、一旦離反した箇所は再び接触させることなく剥離させる。従って、互いにレンズ形成用溝を傷付けないように母型と成形体とを剥離させることができる。
【0058】
請求項2に係る発明によれば、積層体の一方の層を他方の層から離反させる際に他方の層を定位置に固定する請求項1に記載の積層体の剥離方法であるから、他方の層を定位置に固定したうえで一方の層を剥し取ることができ、剥離を円滑に進行させることができる。
【0059】
請求項3に係る発明によれば、積層体の一方の層の周縁部に離反用の係止縁を形成する請求項1又は請求項2に記載の積層体の剥離方法であるから、一方の層の周縁部の係止縁に工具等を係止することができ、離反操作が簡易化される。
【0060】
請求項4に係る発明によれば、積層体の中央部を弾性手段を介して押圧する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層体の剥離方法であるから、積層体の中央部が剥離することによる衝撃力を弾性手段が吸収し、従って積層体の剥離が円滑化される。
【0061】
請求項5に係る発明によれば、成形体が電鋳により母型上に形成された請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層体の剥離方法であるから、電鋳により成形体と母型とが密着していても、両者を円滑に剥離させることができる。
【0062】
請求項6に係る発明によれば、母型と成形体との積層体の中央部を押圧する押圧手段と、この押圧手段によって中央部を直接押圧する一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に引っ張って他方の周縁部から離反させ、この離反を中央部まで進行させる離反手段とを具備する積層体の剥離装置であるから、母型と成形体との離反を周縁部から中央部に向かって進行させ、一旦離反した箇所は再び接触させることなく剥離させることができる。従って、互いにレンズ形成用溝を傷付けないように母型と成形体とを剥離させることができる。
【0063】
請求項7に係る発明によれば、母型と成形体との積層体を離反させる際に一方の層を定位置に固定する固定手段を具備する請求項6に記載の積層体の剥離装置であるから、他方の層を定位置に固定したうえで一方の層を剥し取ることができ、剥離を円滑に進行させることができる。
【0064】
請求項8に係る発明によれば、押圧手段がエアシリンダで構成された請求項6に記載の積層体の剥離装置であるから、積層体の中央部が剥離することによる衝撃力をエアシリンダのエアが吸収し、従って積層体の剥離が円滑化される。
【0065】
請求項9に係る発明によれば、離反手段が、積層体の一方の層の周縁部に係止される複数個の楔片を有する請求項6に記載の積層体の剥離装置であるから、複数個の楔片が積層体の一方の層の周縁部に係止し、他方の層の周縁部から離反するように移動することで層間を剥離させることができ、積層体を簡易且つ確実に剥離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズシート成形型の一例を示し、(A)はその平面図、(B)は垂直断面図である。。
【図2】切削金型から中間型を製造する工程を示す説明図である。
【図3】中間型からレンズシート成形型を製造する工程を示す説明図である。
【図4】積層体の剥離装置を示す平面図である。
【図5】剥離装置の縦断面図である。
【図6】剥離装置の起重機を示す、図4中VI−VI線矢視断面図である。
【図7】剥離装置の起重機を示す、図4中VII−VII線矢視断面図である。
【図8】積層体の剥離状態を示す模式図であり、(A)は積層体の一方の層が剥離後に再度他方の層上に復帰することによりレンズ形成用溝が損傷を受ける状態を示し、(B)は積層体の剥離がレンズの中心を越えて進行することによりレンズ形成用溝が損傷を受ける状態を示す。
【符号の説明】
1…レンズシート成形型
2…切削金型
3…中間型
5…係止縁
6,20…積層体
11…エアシリンダ
14a…楔片
21…吸盤
Claims (9)
- 母型と成形体との積層体の中央部を押圧しつつ、この中央部を直接押圧する一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に引っ張って他方の層の周縁部から離反させ、この離反を中央部まで進行させることにより、母型と成形体とを剥離させることを特徴とする積層体の剥離方法。
- 積層体の一方の層を他方の層から離反させる際に他方の層を定位置に固定することを特徴とする請求項1に記載の積層体の剥離方法。
- 積層体の一方の層の周縁部に離反用の係止縁を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層体の剥離方法。
- 積層体の中央部を弾性手段を介して押圧することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層体の剥離方法。
- 成形体が電鋳により母型上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層体の剥離方法。
- 母型と成形体との積層体の中央部を押圧する押圧手段と、この押圧手段によって中央部を直接押圧する一方の層の周縁部の複数箇所を押圧方向と反対方向に引っ張って他方の周縁部から離反させ、この離反を中央部まで進行させる離反手段とを具備することを特徴とする積層体の剥離装置。
- 母型と成形体との積層体を離反させる際に一方の層を定位置に固定する固定手段を具備することを特徴とする請求項6に記載の積層体の剥離装置。
- 押圧手段がエアシリンダで構成されたことを特徴とする請求項6に記載の積層体の剥離装置。
- 離反手段が、積層体の一方の層の周縁部に係止される複数個の楔片を有することを特徴とする請求項6に記載の積層体の剥離装置。
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