JP4055460B2 - 樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置 - Google Patents

樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置に関し、特に、固定型金型への樹脂成形品の付着を防止し、及び/又は金型から樹脂成形品を取り出す際に生じる、樹脂成形品に反りや変形が生じることを防止した、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光導波路基板のような樹脂成形品は、一般に、射出成形法によって製造されている。
【0003】
図11は、従来の樹脂成形品の製造方法を概略的に示す工程図である。
【0004】
図11中、101は、金型を示しており、金型101は、第1の金型102と、第2の金型103とを備える。
【0005】
樹脂成形品Mとして、例えば、光導波路基板を製造する場合には、通常、樹脂成形品の表面に微細な形状を作成するために、第1の金型102に、樹脂成形品の表面に形成する微細な形状とは、凹凸が反転した凹凸パターンを有する微細形状型部104が取り付けられる。
【0006】
第2の金型103は、キャビティ103aを有する。
【0007】
第2の金型103には、出没自在に、突出ピン105・・・が設けられている。
【0008】
樹脂成形品Mを製造する際には、微細形状型部104を取り付けた第1の金型102と、第2の金型103とを型締めし、型締めされた金型101に、溶融した樹脂を、スプール(図示せず。)、ランナー(図示せず。)及びゲート(図示せず。)を介して、キャビティ103a内に充填する(図11(a)を参照)。
【0009】
その後、型締めした金型101内で、溶融した樹脂を冷却した後、型締めされている第1の金型102と第2の金型103とを型開きする(図11(b)を参照)。
【0010】
その後、突出ピン105、105を突出(前進)させて、第2の金型103のキャビティ103a内に形成されている樹脂成形品Mを第2の金型103から取り出す(図11(c)及び図11(d)を参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
次に、図11に示す、従来の樹脂成形品の製造方法の問題点を説明する。
【0012】
図12及び図13の各々は、従来の樹脂成形品の製造方法の問題点を模式的に説明する説明図である。
【0013】
尚、ここでは、説明を容易とするため、図12及び図13に示す部材装置中、図11に示す部材装置に相当する部材装置については、図11に示す部材装置に付した符号と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0014】
従来の樹脂成形品の製造方法には、型締めした金型101内で、溶融した樹脂を冷却した後(図12(a)を参照)、型締めされている第1の金型102と第2の金型103とを型開きをした際に、第1の金型102の微細形状型部104により離型抵抗が大きく、樹脂成形品Mが第1の金型102に密着してしまう場合がある(図12(b)を参照)。
【0015】
そして、図12(b)に示すような事態が生じると、樹脂成形品Mを自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じる。
【0016】
また、従来の樹脂成形品の製造方法には、型締めした金型101内で、溶融した樹脂を冷却した後(図12(a)及び図13(b)を参照)、型締めされている第1の金型102とを型開きをした際に、第1の金型102の微細形状型部104がある部分は、離型抵抗が大きいために、微細形状型部104方向に引張力が働き、樹脂成形品の端面には、第2の金型103のキャビティ103aを形成している側面との摩擦力により、第2の金型103のキャビティ103aの底面方向への引張力が働くため、図12(b)や図13(d)に示したように、樹脂成形品が、微細形状を有する部分が上方向に盛り上がり、端部が下方向になった、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることがある。
【0017】
このような、樹脂成形品が弓なり形状になるという問題を解決する手段として、図14に示すような、樹脂成形品の製造方法が、既に、提案されている。
【0018】
図14に示す樹脂成形品の製造方法では、微細形状型部104の微細形状104a・・・を、いずれも、先端側が先細ったテーパ形状にし、樹脂成形品Mと、微細形状型部104との間に働く離型抵抗を小さくし、樹脂成形品が弓なり形状になることを防止するようにしている。
【0019】
しかしながら、このような対処法では、樹脂成形品Mが、例えば、導波路基板のような光学部品の場合には、樹脂成形品Mの表面に形成する微細形状(幅、高さ、傾斜角度)は、必要とされる光学特性により設計されるものであり、樹脂成形品Mの表面に形成する微細形状(幅、高さ、傾斜角度)を任意に設定することができない。
【0020】
このような場合に、樹脂成形品が、弓なり形状になることを防止することを優先させて、微細形状型部104の微細形状パターンを、いずれも、先端側が先細ったテーパ形状にすると、樹脂成形品Mが、例えば、導波路基板のような光学部品の場合には、光学特性の低下を余儀なくされる。
【0021】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、樹脂成形品の表面に設ける微細形状をテーパ形状にすることなく、光学特性等を優先させた微細形状にしても、製造される樹脂成形品が弓なり形状にそりや変形を生じない、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法は、微細形状型部を設けた第1の金型と、キャビティを設けた第2の金型とを型締めする型締め工程と、型締めされた第1の金型と第2の金型により形成する空間内に樹脂を充填する樹脂充填工程と、型締めされた第1の金型と第2の金型とを型開きし、第2の金型に設けられている突出ピンを前進させて、第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出す成形品取出工程とを備える、樹脂成形品の製造方法において、第2の金型の底面に、第2の金型に設けられているキャビティ内にアンダーカット形成部が突出するようにして拘束ブロックを設け、成形品取出工程において、型締めされた第1の金型と第2の金型とを型開きした後、拘束ブロックを第2の金型から後退させ、その後、第2の金型に設けられている突出ピンを前進させて、第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出すようにした。
【0023】
この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、拘束ブロックのアンダーカット形成部をキャビティ内に突出させた状態で、キャビティ内で樹脂を冷却固化することで、拘束ブロックのアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしている。
【0024】
これにより、第2の金型を、微細形状型部を設けた第1の金型から分離する際に、樹脂成形品が、第1の金型に付着するのを防止している。
【0025】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品が、第1の金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0026】
また、この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、拘束ブロックのアンダーカット形成部をキャビティ内に突出させた状態で、キャビティ内で樹脂を冷却固化することで、拘束ブロックのアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくし、第2の金型と第1の金型とを分離する際に、微細形状型部と樹脂との間に働く離型抵抗を相殺することができる。
【0027】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、成形品取出工程において、樹脂成形品が、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることが防がれる。
【0028】
また、成形品取出工程において、金型の型開きをした後、第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を突出ピンを前進させて取り出す前に、拘束ブロックを後退させて、拘束ブロックのアンダーカット形成部を樹脂成形品から引き抜くようにしているが、拘束ブロックのアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗により樹脂成形品に生じる第2の金型方向へ弓なり形状に湾曲させる力は、拘束ブロックを樹脂成形品から引き抜く際には、樹脂成形品は、第2の金型のキャビティ内に収容されている状態になっているので、拘束ブロックを樹脂成形品から引き抜く際には、樹脂成形品が弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることが防がれる。
【0029】
請求項2に記載の樹脂成形品の製造方法は、キャビティを有する金型のキャビティ内に軟化した樹脂を充填する樹脂充填工程と、金型のキャビティ内に充填されている軟化した樹脂に対し、微細形状型部を設けた押当部材を押し当てて、金型のキャビティ内に充填されている軟化した樹脂の表面に所望の微細形状を形成するプレス工程と、金型から押当部材を取り外し、金型に設けられている突出ピンを前進させて、金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出す成形品取出工程とを備える、樹脂成形品の製造方法において、金型の底面に、金型に設けられているキャビティ内にアンダーカット形成部が突出するようにして拘束ブロックを設け、成形品取出工程において、金型から押当部材を取り外した後、拘束ブロックを金型から後退させ、その後、金型に設けられている突出ピンを前進させて、金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出すようにした。
【0030】
この樹脂成形品の製造方法は、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法の動作原理をプレス加工法に適用したものであり、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法と同様の作用効果を有する。
【0031】
請求項3に記載の樹脂成形品の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形品の製造方法の、拘束ブロックを複数個備える。
【0032】
この樹脂成形品の製造方法では、複数個の拘束ブロックを設けることで、拘束ブロックのアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしているので、第2の金型を、微細形状型部を設けた第1の金型から分離する際に、樹脂成形品が、第1の金型に付着するのを防止することができる。
【0033】
請求項4に記載の樹脂成形品の製造方法は、請求項3に記載の樹脂成形品の製造方法の、拘束ブロックを第2の金型から後退させる工程において、複数個の拘束ブロックを、1本ずつ、時間差を設けて、前記第2の金型から後退させるようにした。
【0034】
この樹脂成形品の製造方法では、複数個の拘束ブロックを、1本ずつ、時間差を設けて、樹脂成形品から抜くようにしているので、樹脂成形品から複数の拘束ブロックの全てを同時に抜く場合に比べ、樹脂成形品に与えるダメージを小さくできる。
【0035】
即ち、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、成形品取出工程において、樹脂成形品が、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることを更に、防ぐことができる。
【0036】
請求項5に記載の樹脂成形品の製造方法は、第2の金型のキャビティの一対の対向する側壁の各々を上下に移動可能な摺動ブロックとし、第2の金型のキャビティの底面にアンダーカット形成部を設け、第2の金型の一対の摺動ブロックを上昇させた状態にして第2の金型にキャビティを形成した状態にし、微細形状型部を設けた第1の金型と、キャビティを有する第2の金型とを型締めする型締め工程と、型締めされた第1の金型と第2の金型により形成される空間内に溶融樹脂を充填する樹脂充填工程と、型締めされた第1の金型と第2の金型とを型開きした後、一対の摺動ブロックを下降させた状態にし、突出ロッドを前進させ、第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を、一対の摺動ブロックの中、突出ロッドに対し遠方側の摺動ブロックの上面に載置する工程とを備える。
【0037】
この樹脂成形品の製造方法では、第2の金型のキャビティの底面に、アンダーカット形成部を設け、成形品取出工程において、アンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしている。
【0038】
これにより、第2の金型を、微細形状型部を設けた第1の金型から分離する際に、樹脂成形品が、第1の金型に付着するのを防止している。
【0039】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品が、第1の金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0040】
また、この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を横方向に取り出すようにしているので、第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を上方向に取り出す場合に比べ、樹脂成形品が、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることがない。
【0041】
請求項6に記載の樹脂成形品の製造方法は、請求項5に記載の樹脂成形品の製造方法の、アンダーカット形成部の形状を、断面視した場合、逆台形形状にした。
【0042】
この樹脂成形品の製造方法では、アンダーカット形成部の形状を、逆台形形状にし、第2の金型を、微細形状型部を設けた第1の金型から分離する際に、樹脂成形品が、第1の金型に移行するのを困難なようにしているので、樹脂成形品が、第1の金型に付着することを阻止できる。
【0043】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品が、第1の金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0044】
請求項に記載の樹脂成形品の製造方法は、微細形状型部を設けた第1の金型と、キャビティを有する第2の金型とを型締めする型締め工程と、型締めされた第1の金型と第2の金型により形成される空間内に溶融樹脂を充填する樹脂充填工程と、第2の金型のキャビティの対向する一対の側壁の各々からキャビティ内に横方向から拘束ブロックを突出させた後、型締めされた第1の金型と第2の金型とを型開きする工程と、第2の金型のキャビティの対向する一対の側壁の各々からキャビティの外方向に横方向に拘束ブロックを後退させた後、第2の金型に設けられている突出ピンを前進させて、第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出す成形品取出工程とを備える。
【0045】
この樹脂成形品の製造方法では、型開きをする工程において、拘束ブロックをキャビティ内に突出させるようにしているので、型開きの工程において、第1の金型の方に樹脂成形品が付着することがない。
【0046】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品が、第1の金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0047】
請求項8〜11に記載の樹脂成形品の製造装置の各々は、請求項1〜7に記載の樹脂成形品の製造方法の各々を実施する装置を規定する。
【0048】
即ち、請求項に記載の樹脂成形品の製造装置は、微細形状型部と、微細形状型部を取り付ける第1の金型と、キャビティと、突出ピンとを有する第2の金型とを備える、樹脂成形品の製造装置の第2の金型の底面に、更に、第2の金型に設けられているキャビティ内にアンダーカット形成部を出没可能に複数個の拘束ブロックを設け、樹脂成形品の製造装置の、拘束ブロックを後退させる工程において、複数個の拘束ブロックを、1本ずつ、時間差を設けて、後退させるようにした。
【0049】
請求項に記載の樹脂成形品の製造装置は、微細形状型部と、微細形状型部を取り付ける押当部材と、キャビティと、突出ピンとを有する金型とを備える、樹脂成形品の製造装置の金型の底面に、更に、金型に設けられているキャビティ内にアンダーカット形成部を出没可能に複数個の拘束ブロックを設け、樹脂成形品の製造装置の、拘束ブロックを後退させる工程において、複数個の拘束ブロックを、1本ずつ、時間差を設けて、後退させるようにした。
【0050】
請求項10に記載の樹脂成形品の製造装置は、前進・後退が可能な突出ロッドと、キャビティを有する第2の金型と、微細形状型部と、微細形状型部を取り付ける第1の金型とを備え、第2の金型のキャビティは、突出ロッドが前進・後退する方向の相対向する一対の側壁の各々が、突出ロッドが前進・後退する方向に直交する方向に上下に移動可能な摺動ブロックにより形成されており、且つ、第2の金型のキャビティの底面には、突出ロッドが前進・後退する方向に長尺で、且つ、アンダーカット形成部を備える。
【0051】
請求項11に記載の樹脂成形品の製造装置は、請求項10に記載の樹脂成形品の製造装置の、アンダーカット形成部の形状を、断面視した場合、逆台形形状にした。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下の発明の実施の形態では、説明を容易とするため、第1の金型を固定型金型とし、第2の金型を可動側金型として説明するが、第1の金型が可動側金型であり、第2の金型が固定型金型の場合も本発明に含まれる。
(発明の実施の形態1)図1は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法の一例を概略的に示す工程図である。
【0053】
尚、図1中、図1(a)、図1(b)、図1(c)及び図1(d)の各々の図中、左図は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を行なう際に使用する金型の概略的な断面図を、右図の各々は、左図の各々中に示す、A−A線に従う概略的な断面図である。
【0054】
まず、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を実施する樹脂成形品の製造装置の構成を説明する。
【0055】
この樹脂成形品の製造装置は、金型1を備える。
【0056】
金型1は、固定側金型2と、可動側金型3とを備える。
【0057】
樹脂成形品Mとして、例えば、光導波路基板を製造する場合には、通常、樹脂成形品の表面に微細な形状を作成するために、固定側金型2に、樹脂成形品の表面に形成する微細な形状とは、凹凸が反転した凹凸パターンを有する微細形状型部4が取り付けられる。
【0058】
可動側金型3は、キャビティ3aを有する。
【0059】
可動側金型3には、出没自在に、突出ピン5・・・が設けられている。
【0060】
以上の構成は、図11に示す金型101と同様であるが、この金型1は、更に、可動側金型3の底面に、複数個の拘束ブロック6・・・が出没自在に(前進又は後退が可能なように)設けられている。
【0061】
この例では、可動側金型3に、複数個の拘束ブロック6・・・を設けているが、拘束ブロックは、1個でも良い。
【0062】
複数個の拘束ブロック6・・・の各々を前進、後退させる駆動源としては、例えば、射出成形機に設けられている、各種のピンの突出機構を用いるようにしてもよく、また、射出成形機に設けられている、各種のピンの突出機構とは別に、金型1に油圧シリンダや、エアシリンダ等を併設し、このような油圧シリンダや、エアシリンダ等を複数個の拘束ブロック6・・・の各々を前進、後退させる駆動源としてもよい。
【0063】
次に、樹脂成形品を製造する工程について説明する。
【0064】
樹脂成形品Mを製造する際には、まず、可動側金型3のキャビティ3a内に、拘束ブロック6・・・の各々のアンダーカット部が突出するようにする。次いで、微細形状型部4を取り付けた固定側金型2と、可動側金型3とを型締めし、型締めされた金型1のキャビティ3a内に、溶融した樹脂を、スプール(図示せず。)、ランナー(図示せず。)及びゲート(図示せず。)を介して、金型1a内に充填する。
【0065】
その後、型締めした金型1内で、溶融した樹脂を冷却した後、型締めされている固定側金型2と可動側金型3とを型開きする。
【0066】
その後、拘束ブロック6・・・の各々を後退させることで、可動側金型3のキャビティ3a内に形成されている樹脂成形品Mから、拘束ブロック6・・・の各々を引き抜く。
【0067】
その後、突出ピン5、5を突出(前進)させて、可動側金型3のキャビティ3a内に形成されている樹脂成形品Mを可動側金型3から取り出す。
【0068】
この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、拘束ブロック6・・・のアンダーカット形成部をキャビティ3a内に突出させた状態で、キャビティ3a内で樹脂を冷却固化することで、拘束ブロック6・・・のアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしている。
【0069】
これにより、可動側金型3を、微細形状型部4を設けた固定側金型2から分離する際に、樹脂成形品Mが、固定側金型2に付着するのを防止している。
【0070】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品Mが、固定側金型2に付着し、樹脂成形品Mを自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0071】
また、この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、拘束ブロック6・・・のアンダーカット形成部をキャビティ3a内に突出させた状態で、キャビティ3a内で樹脂を冷却固化することで、拘束ブロック6・・・のアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくし、可動側金型2と固定側金型3とを分離する際に、微細形状型部4と樹脂との間に働く離型抵抗を相殺することができる。
【0072】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、成形品取出工程において、樹脂成形品Mが、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることが防がれる。
【0073】
また、成形品取出工程において、金型1の型開きをした後、可動側金型3のキャビティ3a内に形成されている樹脂成形品Mを突出ピン5・・・を前進させて取り出す前に、拘束ブロック6・・・を後退させて、拘束ブロック6・・・の各々のアンダーカット形成部を樹脂成形品Mから引き抜くようにしているが、拘束ブロック6・・・の各々のアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗により樹脂成形品Mに生じる可動側金型3方向へ弓なり形状に湾曲させる力は、拘束ブロック6・・・を樹脂成形品Mから引き抜く際には、樹脂成形品Mは、可動側金型3のキャビティ3a内に収容されている状態になっているので、拘束ブロック6・・・を樹脂成形品Mから引き抜く際には、樹脂成形品Mが弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることが防がれる。
【0074】
また、この樹脂成形品の製造方法においては、拘束ブロック6・・・を樹脂成形品Mから引き抜く工程(図1(b)及び図1(c))において、図2(a)〜図2(e)に示すように、複数個の拘束ブロック6・・・を、1本ずつ、時間差を設けて、樹脂成形品から抜くようにすれば、樹脂成形品Mから複数の拘束ブロック6・・・の全てを同時に抜く場合に比べ、樹脂成形品Mに与えるダメージを小さくできる。
【0075】
尚、以上の説明では、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を、射出成形法を例にして説明したが、本発明に係る樹脂成形品の製造方法は、プレス加工法にも適用できる。
【0076】
図3は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を、プレス加工法に適用した場合を例示的に説明する工程図である。
【0077】
この樹脂成形品の製造方法では、まず、キャビティ11aを有する金型11を準備する。
【0078】
金型11としては、その底面に、複数個の拘束ブロック6・・・を出没自在に(前進又は後退が可能なように)設けたものを用いる。
【0079】
複数個の拘束ブロック6・・・の各々を前進、後退させる駆動源としては、例えば、プレス加工機に設けられている、各種のピンの突出機構を用いるようにしてもよく、また、プレス加工機に設けられている、各種のピンの突出機構とは別に、金型11に油圧シリンダや、エアシリンダ等を併設し、このような油圧シリンダや、エアシリンダ等を複数個の拘束ブロック6・・・の各々を前進、後退させる駆動源としてもよい。
【0080】
次に、複数個の拘束ブロック6・・・の各々のアンダーカット形成部を金型11に突出させた状態にする。
【0081】
次に、金型11のキャビティ11a内に軟化した樹脂Mrを充填する(樹脂充填工程)(以上の工程については、図3(a)を参照)。
【0082】
次に、金型11のキャビティ11a内に充填されている軟化した樹脂Mrに対し、微細形状型部13を設けた押当部材12を押し当てて、金型のキャビティ内に充填されている軟化した樹脂の表面に所望の微細形状を形成する(プレス工程)(以上の工程については、図3(b)を参照)。
【0083】
次に、金型11から押当部材12を取り外す(以上の工程については、図3(c)を参照)。
【0084】
次に、拘束ブロック6・・・を金型から後退させる(以上の工程については、図3(d)を参照)。
【0085】
その後、金型に設けられている突出ピンを前進させて、金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出す(図3(e)を参照)。
【0086】
この樹脂成形品の製造方法でも、成形品取出工程において、拘束ブロック6・・・のアンダーカット形成部をキャビティ11a内に突出させた状態で、キャビティ3a内で樹脂を冷却固化することで、拘束ブロック6・・・のアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしている。
【0087】
これにより、金型11から、微細形状型部13を設けた押当部材12を分離する際に、樹脂成形品Mが、押当部材12に付着するのを防止している。
【0088】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品Mが、押当部材12に付着し、樹脂成形品Mを自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0089】
また、この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、拘束ブロック6・・・のアンダーカット形成部をキャビティ11a内に突出させた状態で、キャビティ11a内で樹脂を冷却固化することで、拘束ブロック6・・・のアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくし、金型11と押当部材12とを分離する際に、微細形状型部13と樹脂との間に働く離型抵抗を相殺することができる。
【0090】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、成形品取出工程において、樹脂成形品Mが、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることが防がれる。
【0091】
また、成形品取出工程において、金型11のキャビティ11a内に形成されている樹脂成形品Mを突出ピン5・・・を前進させて取り出す前に、拘束ブロック6・・・を後退させて、拘束ブロック6・・・の各々のアンダーカット形成部を樹脂成形品Mから引き抜くようにしているが、拘束ブロック6・・・の各々のアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗により樹脂成形品Mに生じる金型11の底面方向へ弓なり形状に湾曲させる力は、拘束ブロック6・・・を樹脂成形品Mから引き抜く際に、樹脂成形品Mが、金型11のキャビティ11a内に収容されている状態になっているので、拘束ブロック6・・・を樹脂成形品Mから引き抜く際には、樹脂成形品Mが弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることが防がれる。
【0092】
また、この樹脂成形品の製造方法においては、拘束ブロック6・・・を樹脂成形品Mから引き抜く工程(図3(c)及び図3(d)において、図2(a)〜図2(e)に示した工程と同様に、複数個の拘束ブロック6・・・を、1本ずつ、時間差を設けて、樹脂成形品から抜くようにすれば、樹脂成形品Mから複数の拘束ブロック6・・・の全てを同時に抜く場合に比べ、樹脂成形品Mに与えるダメージを小さくできる。
【0093】
また、図4は、図1(d)中、B部を拡大して示す断面図である。
拘束ブロック6のアンダーカット形成部6aの側面S6aが垂直線に対してなす角度θは、光学部品、より特定的には、光導波路基板を形成する場合には、-10゜〜10゜の範囲内、より好ましくは、-3゜〜3゜の範囲内にあることが好ましい。
【0094】
また、光学部品、より特定的には、光導波路基板を形成する場合には、アンダーカット形成部6aの側面S6aの表面の面粗度Raは、1μm以上3μm以下の範囲にあることが好ましい。
【0095】
また、光学部品、より特定的には、光導波路基板を形成する場合には、アンダーカット形成部6aの高さは、微細形状型部4に形成する高さ(通常、1μm以上1000μm以下)と同じ高さにすることが好ましい。
【0096】
また、拘束ブロック6・・・を設ける領域は、微細形状型部4に概ね整列する領域に設けることが好ましい。
(発明の実施の形態2)
図5は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を模式的に示す工程図である。
【0097】
尚、図5中、図5(a)及び図5(b)の各々の図中、左図は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を行なう際に使用する金型の概略的な断面図を、右図の各々は、左図の各々中に示す、A−A線に従う概略的な断面図である。
【0098】
また、図5(c)、図5(d)、図5(e)及び図5(f)の各々の図は、樹脂成形品の取出し工程中における、突出ロッド(図5(a)〜図5(f)の各々中に示す突出ロッド27)と、摺動ブロック(図5(a)〜図5(f)の各々中に示す摺動ブロック23a、23b)並びに金型(図5(a)及び図5(b)の各々中に示す金型21を参照)から取り出される樹脂成形品Mの動作を概略的に説明する断面図である。
【0099】
まず、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を実施する樹脂成形品の製造装置の構成を説明する。
【0100】
この樹脂成形品の製造装置は、前進・後退が可能な突出ロッド27と、金型21とを備える。
【0101】
尚、駆動手段28としては、例えば、油圧シリンダや、エアシリンダ等を用いることができる。
【0102】
金型21は、キャビティ23aを有する可動側金型23と、微細形状型部24と、微細形状型部24を取り付ける固定側金型22とを備える。
【0103】
可動側金型23のキャビティ23aは、突出ロッド28が前進・後退する方向の相対向する一対の側壁Wa、Wbの各々が、突出ロッド28が前進・後退する方向に直交する方向に上下に移動可能な摺動ブロック23a、23bにより形成されている。
【0104】
また、可動側金型23は、そのキャビティ23aの底面に、突出ロッド28が前進・後退する方向に長尺で、且つ、断面視した場合、逆台形形状のアンダーカット形成部26、26を有する。
【0105】
尚、図5では、アンダーカット形成部として2個の長尺なアンダーカット形成部26、26を設けた例を示しているが、これは、単なる例示であって、アンダーカット形成部は、1個であっても良く、複数個設けても良い。
【0106】
次に、樹脂成形品を製造する工程について説明する。
【0107】
樹脂成形品Mを製造する際には、まず、一対の摺動ブロック23a、23bを上昇させた状態にして可動側金型23にキャビティ23aを形成した状態にする。
【0108】
次に、微細形状型部24を設けた固定側金型22と、キャビティ23aを有する可動側金型23とを型締めする。
【0109】
次に、型締めされた固定側金型22と可動側金型23により形成される金型21のキャビティ23a内に、スプール(図示せず。)、ランナー(図示せず。)及びゲート(図示せず。)を介して、樹脂を充填する(樹脂充填工程)(以上の工程については、図5(a)を参照)。
【0110】
その後、型締めした金型21内で、溶融した樹脂を冷却した後、型締めされている固定側金型2と可動側金型3とを型開きする(以上の工程については、図5(b)を参照)。
【0111】
次に、図5(c)に示すように、一対の摺動ブロック23a、23bを下降させた状態にする。
【0112】
その後、突出ロッド27を前進させ、可動側金型23のキャビティ23a内に形成されている樹脂成形品Mを、一対の摺動ブロック23a、23bの中、突出ロッド27に対し遠方側の摺動ブロック23bの上面に載置する(以上の工程については、図5(d)及び図5(e)を参照)。
【0113】
その後、必要により、摺動ブロック23bを上昇させ、樹脂成形品Mを目的とする場所に取り出す。
【0114】
この樹脂成形品の製造方法では、可動側金型23のキャビティ23aの底面に、アンダーカット形成部26、26を設け、成形品取出工程において、アンダーカット形成部を26、26と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしている。
【0115】
これにより、可動側金型23を、微細形状型部24を設けた固定側金型22から分離する際に、樹脂成形品Mが、固定側金型22に付着するのを防止している。
【0116】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品Mが、固定側金型22に付着し、樹脂成形品Mを自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0117】
また、この樹脂成形品の製造方法では、アンダーカット形成部を26、26の各々の形状を、逆台形形状にし、可動側金型23を、微細形状型部24を設けた固定側金型22から分離する際に、樹脂成形品Mが、固定側金型22に移行するのを困難なようにしているので、樹脂成形品Mが、固定側金型22に付着することを阻止できる。
【0118】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品Mが、固定側金型22に付着し、樹脂成形品Mを自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0119】
また、この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、可動側金型23のキャビティ23a内に形成されている樹脂成形品Mを横方向に取り出すようにしているので、可動側金型23のキャビティ23a内に形成されている樹脂成形品Mを上方向に取り出す場合に比べ、樹脂成形品Mが、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることがない。
(発明の実施の形態3)
図6は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【0120】
まず、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を実施する樹脂成形品の製造装置の構成を説明する。
【0121】
この樹脂成形品の製造装置は、金型31を備える。
【0122】
金型31は、微細形状型部34と、微細形状型部34を取り付ける固定側金型32と、キャビティ33aを有する可動側金型33とを備える。
【0123】
可動側金型33のキャビティ33aの底面には、上下方向に出没自在に突出ピン35が設けられている。
【0124】
尚、図6(a)〜図6(e)の各々の図中、h35で示す部分は、突出ピン35の取り付け孔を示している。
【0125】
突出ピン35は、取り付け孔h35内に、気密に、上下に移動できるようにされている。
【0126】
取り付け孔h35の途中の位置には、空気輸送管h35が接続されている。
【0127】
空気輸送管h35の端部(取り付け孔h35と空気輸送管h35との接続部Cと反対側の端部)には、空気吸引手段36が接続されている。
【0128】
空気吸引手段36としては、例えば、真空ポンプを用いる。
【0129】
尚、図6(a)〜図6(d)の各々の図中、V1は、バルブ手段を示している。
【0130】
バルブ手段V1は、空気輸送管h35から分岐し、大気に導通するように設けられた分岐管hbの途中に設けられている。
【0131】
次に、樹脂成形品を製造する工程について説明する。
【0132】
樹脂成形品Mを製造する際には、まず、可動側金型33のキャビティ33aの底面に、突出ピン35の上面を整列させた後、可動側金型33と微細形状型部34を取り付けた固定側金型32とを型締めする。
【0133】
次に、型締めされた固定側金型32と可動側金型33により形成されるキャビティ空間内に溶融樹脂を充填する(以上の工程については、図6(a)を参照)。
【0134】
次に、突出ピン35の上面を、突出ピン35の取り付け孔h35と空気輸送管hfとの接続部Cより下方位置に後退させるとともに、空気吸引手段36を駆動した状態する(以上の工程については、図6(b)を参照)。
【0135】
次に、可動側金型33と固定側金型32とを分離する。
【0136】
より具体的に説明すると、バルブ手段V1を閉じた状態にし、可動側金型33と固定側金型32との型開きは、空気吸引手段36の近傍の空気輸送管hfに設けた真空計(図示せず。)が、100〜10−2Torr程度になった時点で行う(以上の工程については、図6(c)を参照)。
【0137】
次に、バルブ手段V1を開き、空気輸送管hf内を大気圧に戻した後、突出ピン35を上昇させて、樹脂成形品Mを可動側金型33のキャビティ33aから取り出す(以上の工程については、図6(d)を参照)。
【0138】
この樹脂成形品の製造方法では、型開きの工程において、突出ピン35の上面を、突出ピン35の取り付け孔h35と空気輸送管hfとの接続部Cより下方位置に後退させ、空気吸引手段36を駆動することで、成形品取出工程において、型締めされた固定側金型32と可動側金型33とを型開きする際に、可動側金型33のキャビティ33aの底面側に吸引雰囲気の空気流を形成するようにしようにしている。
【0139】
これにより、この樹脂成形品の製造方法では、型開きの工程において、樹脂成形品Mが、可動側金型33のキャビティ33aに吸着した状態になっているので、樹脂成形品Mが、固定側金型32に付着するのを防止することができる。
【0140】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品Mが、固定側金型32に付着し、樹脂成形品Mを自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
(発明の実施の形態4)
図7は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【0141】
まず、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を実施する樹脂成形品の製造装置の構成を説明する。
【0142】
この樹脂成形品の製造装置は、図6に示す樹脂成形品の製造装置とは、空気輸送管hfの途中に接続され且つ大気に導通するように設けられた分岐管hb及び分岐管hbに設けられたバルブ手段V1の代わりに、空気輸送管hfの途中に三方向弁V2を設け、三方向弁V2を介して、空気輸送管hfの端部に空気吸引手段36を接続し、三方向弁V2の残りの接続部に空気供給管hsを接続し、空気供給管hsの端部に圧縮空気発生手段37を設けている。
【0143】
また、突出ピン35の代わりに弁体45を設けている。
【0144】
弁体45は、弁体45の上面がキャビティ33aの底面に整列する位置まで上昇し、弁体45の上面を、弁体45の取り付け孔h45と空気輸送管hfとの接続部Cより下方位置に後退できるようになっている。
【0145】
次に、樹脂成形品を製造する工程について説明する。
【0146】
樹脂成形品Mを製造する際には、まず、可動側金型33のキャビティ33aの底面に、弁体45の上面を整列させた後、可動側金型33と微細形状型部34を取り付けた固定側金型32とを型締めする。
【0147】
次に、型締めされた固定側金型32と可動側金型33により形成されるキャビティ空間内に溶融樹脂を充填する(以上の工程については、図7(a)を参照)。
【0148】
次に、弁体45の上面を、弁体45の取り付け孔h45と空気輸送管hfとの接続部Cより下方位置に後退させる。そして、3方向弁V2を、空気輸送管hf側を開いた状態にし、空気供給管hs側を閉じた状態にし、空気吸引手段36を駆動した状態する(以上の工程については、図7(b)を参照)。
【0149】
次に、可動側金型33と固定側金型32とを分離する。
【0150】
より具体的に説明すると、3方向弁V2を、空気輸送管hf側を開いた状態にし、空気供給管hs側を閉じた状態にし、空気吸引手段36を駆動し、可動側金型33と固定側金型32との型開きは、空気吸引手段36の近傍の空気輸送管hfに設けた真空計(図示せず。)が、100〜10−2Torr程度になった時点で行う(以上の工程については、図7(c)を参照)。
【0151】
次に、3方向弁V2を、空気輸送管hf側を閉じた状態にし、空気供給管hs側を開いた状態にし、圧縮空気発生手段38を駆動し、可動側金型33のキャビティ33aの底面側に圧縮空気を供給し、圧縮空気により、可動側金型33のキャビティ33a内に形成されている樹脂成形品Mを取り出す(以上の工程については、図7(d)を参照)。
【0152】
尚、圧縮空気発生手段37から可動側金型33のキャビティ33aへ供給する圧縮空気の圧力は、2〜5kg/cm2程度にするのが好ましい。
【0153】
この樹脂成形品の製造方法では、型開きの工程において、弁体45の上面を、弁体45の取り付け孔h45と空気輸送管hfとの接続部Cより下方位置に後退させ、空気吸引手段36を駆動することで、成形品取出工程において、型締めされた固定側金型32と可動側金型33とを型開きする際に、可動側金型33のキャビティ33aの底面側に吸引雰囲気の空気流を形成するようにしようにしている。
【0154】
これにより、この樹脂成形品の製造方法では、型開きの工程において、樹脂成形品Mが、可動側金型33のキャビティ33aに吸着した状態になっているので、樹脂成形品Mが、固定側金型32に付着するのを防止することができる。
【0155】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品Mが、固定側金型32に付着し、樹脂成形品Mを自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
(発明の実施の形態5)
図8は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【0156】
まず、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を実施する樹脂成形品の製造装置の構成を説明する。
【0157】
この樹脂成形品の製造装置は、図7に示す樹脂成形品の製造装置とは、以下の構成を除けば、図7に示す樹脂成形品の製造装置と同様の構成を有するので、図8に示す樹脂成形品の製造装置の構成部材装置中、図7に示す樹脂成形品の製造装置の構成部材装置に相当する構成部材装置については、説明を容易とするため、図7に示す樹脂成形品の製造装置の構成部材装置に付した参照符号と同一の参照符号を付している。
【0158】
この樹脂成形品の製造装置は、図7に示す樹脂成形品の製造装置の弁体45の代わりに、可動側金型33のキャビティ33aの底面に、多孔質ブロックを設けている構成が、図7に示す樹脂成形品の製造装置と異なっている。
【0159】
より特定的に説明すると、この樹脂成形品の製造装置は、微細形状型部34と、微細形状型部34を取り付ける固定側金型32と、キャビティ33aを有する可動側金型33とを備える。
【0160】
この樹脂成形品の製造装置は、可動側金型33のキャビティ33aの底面に多孔質ブロック51を設けている。多孔質ブロック51には、空気輸送管hfが接続されている。
【0161】
また、空気輸送管hfには、空気吸引手段36が取り付けられている。
【0162】
また、空気輸送管hfには、空気輸送管hfから分岐するようにして空気供給管hsが設けられており、空気供給管hsには、圧縮空気発生手段37が接続されている。
【0163】
次に、樹脂成形品を製造する工程について説明する。
【0164】
樹脂成形品Mを製造する際には、まず、可動側金型33と微細形状型部34を取り付けた固定側金型32とを型締めする。
【0165】
次に、型締めされた固定側金型32と可動側金型33により形成されるキャビティ空間内に溶融樹脂を充填する(以上の工程については、図8(a)を参照)。
【0166】
次に、3方向弁V2を、空気輸送管hf側を開いた状態にし、空気供給管hs側を閉じた状態にし、空気吸引手段36を駆動した状態にし、可動側金型33と固定側金型32とを分離する。
【0167】
より具体的に説明すると、3方向弁V2を、空気輸送管hf側を開いた状態にし、空気供給管hs側を閉じた状態にし、空気吸引手段36を駆動し、可動側金型33と固定側金型32との型開きは、空気吸引手段36の近傍の空気輸送管hfに設けた真空計(図示せず。)が、100〜10−2Torr程度になった時点で行う(以上の工程については、図8(b)を参照)。
【0168】
次に、3方向弁V2を、空気輸送管hf側を閉じた状態にし、空気供給管hs側を開いた状態にし、圧縮空気発生手段38を駆動し、可動側金型33のキャビティ33aの底面側(底面の全面)に圧縮空気を供給し、圧縮空気により、可動側金型33のキャビティ33a内に形成されている樹脂成形品Mを取り出す(以上の工程については、図7(c)を参照)。
【0169】
この樹脂成形品の製造方法では、型開きの工程において、空気吸引手段36を駆動することで、成形品取出工程において、型締めされた固定側金型32と可動側金型33とを型開きする際に、可動側金型33のキャビティ33aの底面側(底面の全面)に吸引雰囲気の空気流を形成するようにしようにしている。
【0170】
これにより、この樹脂成形品の製造方法では、型開きの工程において、樹脂成形品Mが、可動側金型33のキャビティ33aに吸着した状態になっているので、樹脂成形品Mが、固定側金型32に付着するのを防止することができる。
【0171】
また、この樹脂成形品の製造装置では、可動側金型33のキャビティ33aの底面に、多孔質ブロック51を設け、キャビティ33aの底面全体から圧縮空気を供給するようにしているので、可動側金型33のキャビティ33a内に形成されている樹脂成形品を取り出す際に、樹脂成形品Mに変形を生じ難い。
【0172】
また、この樹脂成形品の製造装置では、可動側金型33のキャビティ33a内に形成されている樹脂成形品を圧縮空気を用いて取り出すようにしているので、通常の金型に付設されている突出板や突出ピンやスペーサブロックが不要となるので、装置構成を簡単化できる、という効果もある。
(発明の実施の形態6)
図9は、本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【0173】
まず、本発明に係る樹脂成形品の製造方法を実施する樹脂成形品の製造装置の構成を説明する。
【0174】
この樹脂成形品の製造装置は、金型61を備える。
【0175】
金型61は、キャビティ33aを有する可動側金型63と、微細形状型部34と、微細形状型部34を取り付ける固定側金型32とを備える。
【0176】
また、可動側金型63のキャビティ33aは、その底面に、上下方向に出没自在に突出ピン5・・・を備える。
【0177】
また、可動側金型63のキャビティ33aは、その対向する一対の側壁の各々に、横方向に前進後退可能な拘束ブロック71、71を備える。
次に、樹脂成形品を製造する工程について説明する。
【0178】
樹脂成形品Mを製造する際には、まず、微細形状型部34を設けた固定側金型32と、キャビティ33aを有する可動側金型63とを型締めする。
【0179】
この時、キャビティ33aを形成する側壁の中、拘束ブロック71、71が設けられている対向する一対の側壁の各々において、拘束ブロック71、71の各々の材料接触表面が、キャビティ33aの側壁と面一またはキャビティの内側に入り込んだ状態になるようにしておく(以上の工程については、図9(a)を参照)。
【0180】
次に、型締めされた固定側金型32と可動側金型63により形成されるキャビティ空間内に溶融樹脂を充填する。
【0181】
次に、可動側金型63のキャビティの対向する一対の側壁の各々から前記キャビティ内に横方向から拘束ブロックを突出させる。
【0182】
この時、樹脂成形品には、永久ひずみが残らない程度の圧力を加える。
【0183】
具体的には、樹脂成形品に加える圧力は、50〜100kg/cm2が好ましい(以上の工程については、図9(b)を参照)。
【0184】
その後、前記型締めされた固定側金型と可動側金型とを型開きする(以上の工程については、図9(c)を参照)。
【0185】
次に、可動側金型63のキャビティ33aの対向する一対の側壁の各々からキャビティ33aの外方向に横方向に拘束ブロック71、71を後退させる(以上の工程については、図9(d)を参照)。
【0186】
その後、可動側金型63に設けられている突出ピン5・・・を前進させて、可動側金型63のキャビティ33a内に形成されている樹脂成形品Mを取り出す(以上の工程については、図9(e)を参照)。
【0187】
この樹脂成形品の製造方法では、型開きをする工程において、図9(b)及び図9(c)に示すように、拘束ブロック71、71をキャビティ33a内に突出させるようにしているので、型開きの工程において、固定側金型32の方に樹脂成形品Mが付着することがない。
【0188】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品Mが、固定側金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0189】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、拘束ブロックのアンダーカット形成部をキャビティ内に突出させた状態で、キャビティ内で樹脂を冷却固化することで、拘束ブロックのアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしている。
【0190】
これにより、可動側金型を、微細形状型部を設けた固定側金型から分離する際に、樹脂成形品が、固定側金型に付着するのを防止している。
【0191】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品が、固定側金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0192】
また、この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、拘束ブロックのアンダーカット形成部をキャビティ内に突出させた状態で、キャビティ内で樹脂を冷却固化することで、拘束ブロックのアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくし、可動側金型と固定側金型とを分離する際に、微細形状型部と樹脂との間に働く離型抵抗を相殺することができる。
【0193】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、成形品取出工程において、樹脂成形品が、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることが防がれる。
【0194】
また、成形品取出工程において、金型の型開きをした後、可動側金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を突出ピンを前進させて取り出す前に、拘束ブロックを後退させて、拘束ブロックのアンダーカット形成部を樹脂成形品から引き抜くようにしているが、拘束ブロックのアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗により樹脂成形品に生じる可動側金型方向へ弓なり形状に湾曲させる力は、拘束ブロックを樹脂成形品から引き抜く際には、樹脂成形品は、可動側金型のキャビティ内に収容されている状態になっているので、拘束ブロックを樹脂成形品から引き抜く際には、樹脂成形品が弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることが防がれる。
【0195】
請求項2に記載の樹脂成形品の製造方法は、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法の動作原理をプレス加工法に適用したものであり、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法と同様の作用効果を有する。
【0196】
請求項3に記載の樹脂成形品の製造方法では、複数個の拘束ブロックを設けることで、拘束ブロックのアンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしているので、可動側金型を、微細形状型部を設けた固定側金型から分離する際に、樹脂成形品が、固定側金型に付着するのを防止することができる。
【0197】
請求項4に記載の樹脂成形品の製造方法では、複数個の拘束ブロックを、1本ずつ、時間差を設けて、樹脂成形品から抜くようにしているので、樹脂成形品から複数の拘束ブロックの全てを同時に抜く場合に比べ、樹脂成形品に与えるダメージを小さくできる。
【0198】
即ち、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、成形品取出工程において、樹脂成形品が、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることを更に、防ぐことができる。
【0199】
請求項5に記載の樹脂成形品の製造方法では、可動側金型のキャビティの底面に、アンダーカット形成部を設け、成形品取出工程において、アンダーカット形成部と樹脂との間に働く離型抵抗を大きくしている。
【0200】
これにより、可動側金型を、微細形状型部を設けた固定側金型から分離する際に、樹脂成形品が、固定側金型に付着するのを防止している。
【0201】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品が、固定側金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0202】
また、この樹脂成形品の製造方法では、成形品取出工程において、可動側金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を横方向に取り出すようにしているので、可動側金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を上方向に取り出す場合に比べ、樹脂成形品が、弓なり形状に反りを生じたり変形したりすることがない。
【0203】
請求項6に記載の樹脂成形品の製造方法では、アンダーカット形成部の形状を、逆台形形状にし、可動側金型を、微細形状型部を設けた固定側金型から分離する際に、樹脂成形品が、固定側金型に移行するのを困難なようにしているので、樹脂成形品が、固定側金型に付着することを阻止できる。
【0204】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品が、固定側金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0205】
請求項に記載の樹脂成形品の製造方法では、型開きをする工程において、拘束ブロックをキャビティ内に突出させるようにしているので、型開きの工程において、固定側金型の方に樹脂成形品が付着することがない。
【0206】
従って、この樹脂成形品の製造方法を用いれば、樹脂成形品が、固定側金型に付着し、樹脂成形品を自動的に取り出すことができなくなるという問題が生じ難い。
【0207】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂成形品の製造方法の一例を概略的に示す工程図である。
【図2】本発明に係る樹脂成形品の製造方法の一例の拘束ブロックを樹脂成形品から引き抜く工程を中心にして概略的に示す工程図である。
【図3】本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【図4】図1(d)中、Bで示す部分を拡大して模式的に示す断面図である。
【図5】本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【図6】本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【図7】本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【図8】本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【図9】本発明に係る樹脂成形品の製造方法の他の一例を概略的に示す工程図である。
【図10】注入ゲートの好ましい位置を模式的に示す断面図である。
【図11】従来の樹脂成形品の製造方法を概略的に示す工程図である。
【図12】従来の樹脂成形品の製造方法を用いて製造される樹脂成形品の問題を模式的に示す説明図である。
【図13】従来の樹脂成形品の製造方法を用いて製造される樹脂成形品の問題を模式的に示す説明図である。
【図14】従来の樹脂成形品の製造方法を概略的に示す工程図である。
【符号の説明】
1、21、31、61 金型
2、22、32 固定側金型
3、23、33、63 可動側金型
3a、23a、33a キャビティ
4、24、34 微細形状形成型部
5、35 突出ピン
6 拘束ブロック
6a、26 アンダーカット形成部
11 金型
12 押当部材
23a、23b 摺動ブロック
27 突出ロッド
36 空気吸引手段
37 圧縮空気発生手段
45 弁体
51 多孔質ブロック
hf 空気輸送管
hs 空気供給管

Claims (11)

  1. 微細形状型部を設けた第1の金型と、キャビティを有する第2の金型とを型締めする型締め工程と、
    前記型締めされた第1の金型と第2の金型により形成される空間内に溶融樹脂を充填する樹脂充填工程と、
    前記型締めされた第1の金型と第2の金型とを型開きし、前記第2の金型に設けられている突出ピンを前進させて、前記第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出す成形品取出工程とを備える、樹脂成形品の製造方法において、
    前記第2の金型の底面に、前記第2の金型に設けられているキャビティ内にアンダーカット形成部が突出するようにして拘束ブロックを設け、
    前記成形品取出工程において、
    前記型締めされた第1の金型と第2の金型とを型開きした後、
    前記拘束ブロックを前記第2の金型から後退させ、その後、
    前記第2の金型に設けられている突出ピンを前進させて、前記第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出すようにした、樹脂成形品の製造方法。
  2. キャビティを有する金型のキャビティ内に軟化した樹脂を充填する樹脂充填工程と、
    前記金型のキャビティ内に充填されている軟化した樹脂に対し、微細形状型部を設けた押当部材を押し当てて、前記金型のキャビティ内に充填されている軟化した樹脂の表面に所望の微細形状を形成するプレス工程と、
    前記金型から前記押当部材を取り外し、前記金型に設けられている突出ピンを前進させて、前記金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出す成形品取出工程とを備える、樹脂成形品の製造方法において、
    前記金型の底面に、前記金型に設けられているキャビティ内にアンダーカット形成部が突出するようにして拘束ブロックを設け、
    前記成形品取出工程において、
    前記金型から前記押当部材を取り外した後、
    前記拘束ブロックを前記金型から後退させ、その後、
    前記金型に設けられている突出ピンを前進させて、前記金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出すようにした、樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記拘束ブロックを複数個備える、請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記拘束ブロックを後退させる工程において、前記複数個の拘束ブロックを、1本ずつ、時間差を設けて、後退させるようにした、請求項3に記載の樹脂成形品の製造方法。
  5. 第2の金型のキャビティの一対の対向する側壁の各々を上下に移動可能な摺動ブロックとし、
    前記第2の金型のキャビティの底面にアンダーカット形成部を設け、
    前記第2の金型の一対の摺動ブロックを上昇させた状態にして前記第2の金型にキャビティを形成した状態にし、
    微細形状型部を設けた第1の金型と、前記キャビティを有する第2の金型とを型締めする型締め工程と、
    前記型締めされた第1の金型と第2の金型により形成されるキャビティ空間内に溶融樹脂を充填する樹脂充填工程と、
    前記型締めされた第1の金型と第2の金型とを型開きした後、
    前記一対の摺動ブロックを下降させた状態にし、突出ロッドを前進させ、前記第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を、前記一対の摺動ブロックの中、前記突出ロッドに対し遠方側の摺動ブロックの上面に載置する工程とを備える、樹脂成形品の製造方法。
  6. 前記アンダーカット形成部の形状を、断面視した場合、逆台形形状にした、請求項5に記載の樹脂成形品の製造方法。
  7. 微細形状型部を設けた第1の金型と、キャビティを有する第2の金型とを型締めする型締め工程と、
    前記型締めされた第1の金型と第2の金型により形成される空間内に溶融樹脂を充填する樹脂充填工程と、
    前記第2の金型のキャビティの対向する一対の側壁の各々から前記キャビティ内に横方向から拘束ブロックを突出させた後、前記型締めされた第1の金型と第2の金型とを型開きする工程と、
    前記第2の金型のキャビティの対向する一対の側壁の各々から前記キャビティの外方向に横方向に拘束ブロックを後退させた後、前記第2の金型に設けられている突出ピンを前進させて、前記第2の金型のキャビティ内に形成されている樹脂成形品を取り出す成形品取出工程とを備える、樹脂成形品の製造方法。
  8. 微細形状型部と、
    前記微細形状型部を取り付ける第1の金型と、
    キャビティと、突出ピンとを有する第2の金型とを備える、樹脂成形品の製造装置の第2の金型の底面に、更に、
    前記第2の金型に設けられているキャビティ内にアンダーカット形成部を出没可能に複数個の拘束ブロックを設けており、
    前記拘束ブロックを後退させる工程において、前記複数個の拘束ブロックを、1本ずつ、時間差を設けて、後退させるようにした、樹脂成形品の製造装置。
  9. 微細形状型部と、
    前記微細形状型部を取り付ける押当部材と、
    キャビティと、突出ピンとを有する金型とを備える、樹脂成形品の製造装置の金型の底面に、更に、
    前記金型に設けられているキャビティ内にアンダーカット形成部を出没可能に複数個の拘束ブロックを設けており、
    前記拘束ブロックを後退させる工程において、前記複数個の拘束ブロックを、1本ずつ、時間差を設けて、後退させるようにした、樹脂成形品の製造装置。
  10. 前進・後退が可能な突出ロッドと、
    キャビティを有する第2の金型と、
    微細形状型部と、
    前記微細形状型部を取り付ける第1の金型とを備え、
    前記第2の金型のキャビティは、前記突出ロッドが前進・後退する方向の相対向する一対の側壁の各々が、前記突出ロッドが前進・後退する方向に直交する方向に上下に移動可能な摺動ブロックにより形成されており、且つ、前記第2の金型のキャビティの底面には、前記突出ロッドが前進・後退する方向に長尺で、且つ、アンダーカット形成部を備える、樹脂成形品の製造装置。
  11. 前記アンダーカット形成部の形状を、断面視した場合、逆台形形状にした、請求項10に記載の樹脂成形品の製造装置。
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