JP3050848U - コア浮上式離型機構を有する金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、ポリエチレン、ポリルロピレン、
ポリアセタ−ル等の軟らかく弾性のある樹脂を使用し、
離型方向に対しアンダ−カット形状を有する成形品を射
出成形金型から取出す際の離型機構に関するものであ
る。 【解決手段】 可動側金型において、成形品のアンダ−
カット形状を形成する可動コアとアンダ−カット形状を
持たない固定コアを設け、成形品を離型させる為の突き
出しピンを設ける。さらに可動コアを摺動させる為のコ
ア浮上機構と摺動精度を良くする為のガイドを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ポリエチレン、ポリルロピレン、ポリアセタ−ル等の軟らかく 弾性のある樹脂を使用し、離型方向に対しアンダ−カット形状を有する
成形 品を射出成形金型から取出す際の離型機構に関するものである。 例えば、ＯＡデスクの組立用貫通穴を塞ぐツバ付き栓や自動車内装品のビ ス穴を塞ぐツバ付き栓について考えてみると、ツバ付き栓はこれら穴に
挿入 するが、挿入後容易に抜け落ちぬように挿入部分外周に凸形状を設けて
いる 。 この凸形状の存在により、金型から離型方向に対しアンダ−カットとなり、 そのまま突き出しただけでは正常な形での離型が不可能である為、金型
上で 何等かの処理が必要となる。

【０００２】

【従来の技術】

従来までの処理方法としては、アンダ−カット部分を割型にして傾斜ピン
やスプリングを利用して割型ブロックをスライドさせてから突き出す方法と、 成形品のたわみを利用して２段突き出しにて強制離型する方法とがあ
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、割型による方法では金型制作費用が割高になってしまう。通常こ の種の成形品は多数個取にしている為、その取数分または割型の数だけ
割高 になってしまう。 また、２段突き出しによる方法では、金型の構造上、１段目の突き出しピ ンの外側に２段目の突き出しピンを設ける事になるが、成形品の形状上
アン ダ−カットの凸量の割にツバ面積が小さいと、その成形品は２段突き出
しで は対応できない。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】

本考案はそれら欠点を除く為のもので、今その構成を説明すると、 (イ)可動側金型において、成形品を形成する部分に固定コアと可動コアを設 ける。この時、可動コアには成形品でアンダ−カット形状を有
し、固定 コアには成形品でアンダ−カット形状はない。 (ロ)成形品を離型させる為の突き出しピンを設ける。 (ハ)可動コアを摺動させる為のコア浮上機構と摺動精度を良くする為のガイ ドを設ける。 以上の構造を有するものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案は以上のような構造であるから、 (ａ)金型が閉まっている時は、固定側金型により押さえられて可動コアは所 定の位置まで後退する。 (ｂ)金型内に樹脂が充填し成形品を形成後、成形品取出しのため金型を開く とコア浮上機構によりガイドに案内されながら可動コアが浮上
する。こ の時、成形品は可動コアと共に浮上し、最初に固定コアから離
型する。 (ｃ)この状態で突き出しピンを突き出す事により、成形品はアンダ−カット 部分が元々固定コアがあった側に屈曲しながら浮き上がり、可
動コアよ り離型する。 (ｄ)離型後、成形品の弾性により屈曲したアンダ−カット部分は元の形状に 戻る。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例として、図２のように外向きに比較的凸量の小さなアンダ −カット形状を有する成形品を離型する機構について説明する。 (イ)成形品の中央部分でアンダ−カット形状の無い部分を形成する固定コア ５を設ける。 (ロ)成形品を離型させる為の突き出しピン６を設ける。 (ハ)上記以外の成形品部分でアンダ−カット形状を有する部分１ａを形成す る可動コア４を設ける。 (ニ)金型が開いた時に可動コアが浮上するに十分な強さのバネ７を設ける。 (ホ)可動コア４が浮上する際の摺動精度を良くする為のガイド８を設ける。

【０００７】 以上のような機構の金型を使用すれば、金型が閉まっている時は、固定側 金型２により押さえられて可動コア４は所定の位置まで後退する。金型
内に 樹脂が充填し成形品１を形成した後、成形品１取出しの為に金型を開く
と、 バネ７の反発力でガイド８に案内されながら可動コア４が浮上する。こ
の時 、成形品１は可動コア４と共に浮上し、最初に固定コア５から離型す
る。次 に突き出しピン６を突き出す事により、成形品１はアンダ−カット部分
１ａ が元々固定コア５があった側に屈曲しながら浮き上がり、可動コア４よ
り離 型する。離型後、成形品の弾性により、屈曲した部分は元の形状に戻
り、成 形品取出しは完了する。

【０００８】 上記例ではコア浮上機構としてバネ７を使用したが、その代わりにリンク １０を設けて固定側金型２が開く時に引っ張る事で可動コア４を浮上さ
せて もよい。

【０００９】

【考案の効果】

以上のような構成と作用を成すものであるから、割型の方法と比べて構造 が簡単であり、従って金型費用の低減をはかる事ができる。 又、従来２段突き出しで離型できなかった形状の成形品にも対応できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態で、金型が締まった状態の
断面図

【図２】金型が開き、可動コアが浮上した状態の断面図

【図３】対象となる成形品が突き出され、たわみながら
離型する途中の断面図

【図４】対象となる成形品が離型後に弾性で元の形状に
戻った状態の断面図

【図５】本考案で対象となる成形品の斜視図

【図６】本考案で対象となる成形品を組み込んだ状態の
断面図

【図７】本考案の実施例の断面図

【符号の説明】

１はツバ付きの栓 １ａはツバ付き栓のアンダ−カット形状 ２は固定側金型 ３は可動側型板 ４は可動コア ５は固定コア ６は突き出しピン ７はバネ ８はガイド ９はネジ １０はリンク

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【手続補正書】

【提出日】平成９年１１月２７日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【考案の名称】 コア浮上式離型機構を有する
金型

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軟らかく弾性のある樹脂を使用
   し、離型方向に対しアンダ−カット形状を 有する成
   形品を対象とし、 (イ)可動側金型において、成形品
   を形成する部分に固定コアと可動コアを設 け
   る。この時、可動コアは成形品でアンダ−カット形状を
   有し、固定コ アにはアンダ−カット形状はな
   い。 (ロ)成形品を離型させる為の突き出しピンを設
   ける。 (ハ)可動コアを摺動させる為のコア浮上機構
   と摺動精度を良くする為のガイ ドを設ける。
   以上の如く構成された金型