JPH11192647A - 射出成形金型におけるスライド機構 - Google Patents

射出成形金型におけるスライド機構

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JPH11192647A
JPH11192647A JP36757297A JP36757297A JPH11192647A JP H11192647 A JPH11192647 A JP H11192647A JP 36757297 A JP36757297 A JP 36757297A JP 36757297 A JP36757297 A JP 36757297A JP H11192647 A JPH11192647 A JP H11192647A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数及び加工工数を削減した射出成形金
型におけるスライド機構を提供することにある。 【解決手段】 固定側型42のロッキングブロック54
の案内部54aと、可動側型44のスライドコア64の
係合部64aは、摺動自在に嵌合している。金型が開く
と、係合部64aは案内部54aに沿って摺動し、スラ
イドコア64が移動する。案内部54aは、金型を開く
方向に向かって広がるように傾斜している。係合部64
aは案内部54aの傾斜に従って摺動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は射出成形に用いる金
型に関するものであり、特に、成形した製品を取り出す
際に移動されるスライドコアのスライド機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の射出成形金型は、図10に示すよ
うに、固定側型2と可動側型4とからなり、これらを突
き合わせることにより内部に成形用空間Sを形成し、こ
こにゲートGを介して材料を射出することにより成形す
るものであった。この固定側型2は、固定側受け板6
と、これに重ね合わされた固定側型板8と、この固定側
型板8に嵌め込まれた固定側キャビティ10と、固定側
受け板6にボルト12で固定されたロッキングブロック
14と、固定側型板8の穴8aに固定された一対のアン
ギュラピン16と、から構成されている。一方、可動側
型4は、可動側型板18と、この可動側型板18に嵌め
込まれた可動側キャビティスペーサー20と、これに固
定された可動側キャビティ22と、固定側キャビティ1
0及び可動側キャビティ22と共に成形用空間Sを形成
し且つ可動側キャビティスペーサー20に成形用空間S
を広げる方向に摺動自在に取り付けられた一対のスライ
ドコア24と、から構成されている。
【0003】上記構成からなる従来の射出成形金型にお
いて、スライドコア24は、固定側型2と可動側型4が
突き合わされたときにロッキングブロック14に当接し
て位置決めされ、型の開閉時にアンギュラピン16によ
り摺動される。即ち、図10に示すように金型が閉めら
れているときには、スライドコア24の外側の傾斜面2
4aにロッキングブロック14が当接してスライドコア
24が成形用空間Sを広げる方向にスライドしないよう
に固定している。また、図11に示すように、金型が開
くとき又は閉じるときには、スライドコア24の傾斜穴
24bに挿入され同様に傾斜するアンギュラピン16が
スライドコア24を案内して徐々に摺動させる。このよ
うに、従来の射出成形金型では、スライドコア24をロ
ッキングブロック14とアンギュラピン16にそれぞれ
係合させることにより、位置決め固定し摺動させてい
た。
【0004】尚、この型を用いて成形用空間S内に成形
された製品26は、図11に示すように可動側型4が移
動することにより金型が開かれ、このときにスライドコ
ア24の間隔が広げられ、スライドコア24の底部の凹
部24cがボールプランジャー28に係合して位置決め
されると、図12に示すように、コアピン30の外周に
設けられたエジェクターピン32が作動され、可動側キ
ャビティ22から押し出されて取り出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の射出成形金
型は、スライドコア24のスライドと位置決めを、アン
ギュラピン16とロッキングブロック14でそれぞれ行
うように構成されていた。また、アンギュラピン16
は、固定側型板8の穴8aに固定されると共にスライド
コア24の傾斜穴24bに挿入されており、多くの穴加
工が必要であった。このように部品点数が多く、各部品
の加工工数が多く、更に穴加工も必要であったため、金
型の製作に時間がかかり、コストも高くなるという課題
があった。
【0006】また、アンギュラピン16とロッキングブ
ロック14の両方を設けるスペースが必要であり、更に
固定側型板8やスライドコア24に穴加工を施すための
スペースが必要であるため、金型が大きくなってしま
い、成形機も大型化しなければならなかった。
【0007】本発明は、スライドコアの摺動と位置決め
を共にロッキングブロックで行うことにより、部品点数
及び加工工数を削減した射出成形金型におけるスライド
機構を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の射出成形金型に
おけるスライド機構は、固定側型と可動側型とからな
り、前記固定側型に前記可動側型を突き当てて内部の成
形用空間に材料を射出して形成した製品を前記可動側型
を移動させて開くことにより取り出す射出成形金型にお
いて、前記固定側型に設けられ、金型を開く方向に向か
って広がるように傾斜した案内部を有するロッキングブ
ロックと、前記可動側型に設けられると共に前記成形用
空間を形成及び広げる方向に摺動自在に設けられ、前記
ロッキングブロックの案内部に摺動自在に嵌合する係合
部を有するスライドコアと、からなり、前記可動側型が
移動して金型が開くと、前記係合部が前記案内部に沿っ
て摺動し、該係合部の摺動に従って前記スライドコアが
前記成形用空間を広げる方向に摺動するものである。
【0009】また、この射出成形金型におけるスライド
機構の前記案内部と係合部は、その一方が凸状部からな
り、他方が該凸状部に嵌合する凹状部からなるものであ
る。
【0010】更に、この射出成形金型におけるスライド
機構の前記凹状部は、その内部に設けられた内溝部と、
前記凸状部に対向し前記内溝部に通じる内溝部よりも狭
い開口部とを有し、前記凸状部は、前記開口部よりも大
きく且つ前記内溝部に適合する先端部を有するものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の射出成形金型におけるス
ライド機構は、固定側型に設けられたロッキングブロッ
クの案内部と、可動側型に設けられたスライドコアの係
合部とを嵌合させ、金型が開くことにより係合部が案内
部に沿って摺動し、スライドコアが移動するように構成
されている。この案内部は、金型を開く方向に向かって
広がるように傾斜しており、係合部は金型の閉開時にこ
の案内部に沿って摺動し、これによりスライドコアが成
形用空間を形成及び広げる方向に摺動する。
【0012】また、この案内部と係合部は、一方が凸状
部、他方が凹状部からなり、凹状部は内溝部とこれより
も狭い開口部を有し、凸状部はその開口部よりも大きく
且つ内溝部に適合する先端部を有している。このため、
この凸状部と凹状部を嵌合させると、凸状部の先端は、
凹状部の開口部から抜脱することなく内溝部に沿っての
み摺動可能な状態になる。このように、ロッキングブロ
ックの案内部とスライドコアの係合部は嵌合し、一定の
方向に摺動する。
【0013】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る射出成形金型
におけるスライド機構を示す断面図である。図1中、4
2は固定側型であり、44は可動側型である。この可動
側型44は、図中上下方向に移動するものであって、固
定側型42に突き合わされて中央に成形用空間Sを形成
するものとなっている。本実施例におけるこの固定側型
42と可動側型44はそれぞれ次のような各部材で構成
されている。固定側型42は、固定側受け板46と、こ
れに重ね合わされた固定側型板48と、この固定側型板
48に嵌め込まれた固定側キャビティ50と、固定側型
板48にボルト52で固定された一対のロッキングブロ
ック54と、から構成されている。また、可動側型44
は、可動側型板58と、この可動側型板58に嵌め込ま
れた可動側キャビティスペーサー60と、この可動側キ
ャビティスペーサー60にボルト56で固定された可動
側キャビティ62と、可動側キャビティスペーサー60
上に設けられた一対のスライドコア64と、から構成さ
れている。
【0014】ロッキングブロック54は、図2及び図3
にも示すように、スライドコア64に対向する部分に、
傾斜した案内部54aを有している。この案内部54a
は、金型を開く方向、即ち図1及び図2において図中下
方、に向かって間隔が広がるように傾斜しており、本実
施例においては先端部54bが根元部54cよりも幅が
広い凸状部54dで構成されている。
【0015】また、スライドコア64は、図2及び図4
にも示すように、ロッキングブロック54に対向する部
分に、案内部54aに対応するように傾斜した係合部6
4aを有している。この係合部64aは、案内部54a
と同様に、金型を開く方向に向かって広がるように傾斜
しており、本実施例においては凹状部64dからなる。
この凹状部64dは、その内部に設けられた内溝部64
bと、凸状部54dに対向し内溝部64bに通じる内溝
部64bよりも狭い開口部64cと、を有している。
【0016】本実施例における凹状部64dと凸状部5
4dは、アリ溝とこれに適合するアリのように、内溝部
64bの端部から凸状部54dの先端部54bを嵌入す
ることにより摺動自在に嵌合することができる。このと
きに、凸状部54dの先端部54bは、凹状部64dの
開口部64cよりも大きいため、互いに接触する接触面
54e、64eに対して垂直な方向へ抜脱することがな
い。このため、スライドコア64は、ロッキングブロッ
ク54に対してその案内部54aの傾斜方向にのみ摺動
可能な状態で嵌合することになる。
【0017】尚、このスライドコア64は、図2に示す
ように、その台部64fが可動側キャビティスペーサー
60上に載置されており、この台部64fに形成された
段部64gに、係合ブロック66が被せられて図中上方
への移動が規制され、一定の方向にのみ摺動するように
構成されている。この係合ブロック66は、可動側キャ
ビティスペーサー60に固定されると共に断部64gに
適合する段部を有している。また、本実施例におけるス
ライドコア64は、対向するスライドコア64が中央で
当接する際に、固定側キャビティ50及び可動側キャビ
ティ62と共に形成する成形用空間Sを形成及び広げる
方向、即ち図1中における図中左右方向にのみ摺動可能
な状態で可動側キャビティスペーサー60に取り付けら
れている。
【0018】上記構成からなる射出成形金型において、
射出成形及び金型の開閉を行うと、次のようになる。図
1に示す状態は、金型が閉められた状態であり、このと
きにスライドコア64は、図5に示すようにその接触面
64eがロッキングブロック54の接触面54eに接触
することにより位置決めされ、また、図2に示すよう
に、中央で突き当てられて、固定側キャビティ50及び
可動側キャビティ62と共に成形用空間Sを形成してい
る。この状態のときに、固定側受け板46と固定側キャ
ビティ50を貫くように形成されたゲートGから材料が
送り込まれることにより、成形用空間S内に製品68が
形成される。
【0019】その後、図6に示すように、可動側型44
を移動させて金型を開くと、スライドコア64は可動側
キャビティスペーサー60と共に金型を開く方向D1へ
移動すると共に、ロッキングブロック54の案内部54
aにより係合部64aが導かれて成形用空間Sを広げる
方向D2、D3に摺動する。そして、スライドコア64
の間隔が一定の間隔まで広がると、スライドコア64の
底面に設けられた凹部64hにボールプランジャー70
のボールが嵌まって位置決めする。
【0020】ここで、図7に示すように、中央のコアピ
ン72の外周に設けられているエジェクターピン74が
作動し、コアピン72の外周に形成された製品68を押
し出して金型から外す。
【0021】その後、再び金型を閉めるときに、図6に
示す状態において、可動側型44は閉める方向D4へ移
動される。このときに、スライドコア64は、金型を閉
める方向D4へ移動すると共に、再びロッキングブロッ
ク54の案内部54aによりその係合部64aが導かれ
て徐々に間隔を狭め、金型が完全に閉まるときにその中
央で突き当たり、ロッキングブロック54の接触面54
eで位置決めされる。
【0022】尚、本実施例におけるスライドコア64の
位置決めは、図5に示すように、ロッキングブロック5
4の接触面54eとスライドコア64の接触面64eと
の接触により行っているが、ロッキングブロック54の
案内部54aの先端面54iとスライドコア64の係合
部64aの内溝部64bの底面64iとを接触させるこ
とにより位置決めすることもできる。
【0023】また、案内部54aと係合部64aをそれ
ぞれ構成する凸状部54dと凹状部64dは、図8及び
図9に示すように、その断面形状が略矩形あるいは略円
形をなすような形状に設定することも可能である。但
し、この場合にも、凸状部54dの先端部が、凹状部6
4dの内溝部に適合すると共に内溝部の開口部から抜脱
しない大きさに設定されていることが必要であり、これ
により案内部54aの傾斜に沿って係合部64aが摺動
するように構成しなければならない。
【0024】更に、本実施例においては、ロッキングブ
ロック54の案内部54aを凸状部とし、スライドコア
64の係合部64aを凹状部としているが、案内部54
aを凹状部にし、係合部64aを凸状部にしても良いも
のであり、任意に選択可能なものである。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ロッキングブロックの
案内部とスライドコアの係合部とを嵌合させることによ
り、スライドコアの移動と位置決めを行うことができ、
従来技術におけるアンギュラピンやこれと嵌合する穴の
加工が必要なくなり、部品点数と加工工数を削減し、コ
ストの低減を図ることができる。
【0026】また、本発明によれば、穴加工が少なく、
単体での取扱や加工が容易なロッキングブロックとスラ
イドコアに案内部と係合部を形成しているので、金型の
加工が容易であり、金型製作にかかる時間を短縮するこ
とができる。
【0027】更に、スライドコア等に穴加工が必要ない
ので、穴を形成するスペースを省くことができ、省スペ
ース化を図り、金型を小型化して成形機も小型のものを
使用し、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る射出成形金型における
スライド機構を示す断面図である。
【図2】図1に示すロッキングブロックとスライドコア
を示す斜視図である。
【図3】図2に示すロッキングブロックをその案内部を
上向きにして図示した斜視図である。
【図4】図2に示すスライドコアを示す斜視図である。
【図5】図1に示す案内部と係合部の嵌合状態を示す断
面図である。
【図6】図1に示す金型を開いたときの状態を示す断面
図である。
【図7】図6に示す金型から製品を取り出すときの状態
を示す断面図である。
【図8】図5に示す案内部と係合部の変更例を示す断面
図である。
【図9】図5に示す案内部と係合部の他の変更例を示す
断面図である。
【図10】従来の射出成形金型の構成を示す断面図であ
る。
【図11】図10に示す従来の射出成形金型を開いたと
きの状態を示す断面図である。
【図12】図10に示す従来の射出成形金型から製品を
取り出すときの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2、42 固定側型 4、44 可動側型 6、46 固定側受け板 8、48 固定側型板 10、50 固定側キャビティ 14、54 ロッキングブロック 18、58 可動側型板 20、60 可動側キャビティスペーサー 22、62 可動側キャビティ 24、64 スライドコア 54a 案内部 54d 凸状部 64a 係合部 64d 凹状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29C 45/44 B29C 45/44

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側型と可動側型とからなり、前記固
    定側型に前記可動側型を突き当てて内部の成形用空間に
    材料を射出して形成した製品を前記可動側型を移動させ
    て開くことにより取り出す射出成形金型において、 前記固定側型に設けられ、金型を開く方向に向かって広
    がるように傾斜した案内部を有するロッキングブロック
    と、 前記可動側型に設けられると共に前記成形用空間を形成
    及び広げる方向に摺動自在に設けられ、前記ロッキング
    ブロックの案内部に摺動自在に嵌合する係合部を有する
    スライドコアと、からなり、 前記可動側型が移動して金型が開くと、前記係合部が前
    記案内部に沿って摺動し、該係合部の摺動に従って前記
    スライドコアが前記成形用空間を広げる方向に摺動する
    ことを特徴とする射出成形金型におけるスライド機構。
  2. 【請求項2】 前記案内部と係合部は、その一方が凸状
    部からなり、他方が該凸状部に嵌合する凹状部からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の射出成形金型における
    スライド機構。
  3. 【請求項3】 前記凹状部は、その内部に設けられた内
    溝部と、前記凸状部に対向し前記内溝部に通じる内溝部
    よりも狭い開口部とを有し、前記凸状部は、前記開口部
    よりも大きく且つ前記内溝部に適合する先端部を有する
    ことを特徴とする請求項2記載の射出成形金型における
    スライド機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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