JP4476933B2 - 長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体、その製造方法、液晶性材料及び電荷輸送材料 - Google Patents

長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体、その製造方法、液晶性材料及び電荷輸送材料 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサ、有機エレクトロルミネッンス素子(EL素子)、光導電体、空間変調素子、薄膜トランジスター、電子写真感光体の電荷輸送物質、ホトリソグラフティブ、太陽電池、非線形光学材料、有機半導体コンデンサー、その他のセンサー等の電荷輸送材料として有用な新規な長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体、その製造方法、液晶性材料及び電荷輸送材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロルミネッセンス素子を構成する正孔輸送材料や電荷輸送材料として、有機材料を使用した有機エレクトロルミネッセンス素子の研究が活発に行われている。
【0003】
このような、電荷輸送材料としては、従来より、アントラセン誘導体、アントラキノリン誘導体、イミダゾール誘導体、スチリル誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾールやオキサジアゾール等の化合物が知られている。
【0004】
液晶化合物は、表示材料として種々の機器で応用され、例えば、時計、電卓、テレビ、パソコン、携帯電話等で利用されている。液晶物質には、相転移を与える手段に基づいて、サーモトロピック液晶(温度転移型液晶)とリオトロピック液晶(濃度転移型液晶)に分類される。これらの液晶は分子配列的に見ると、スメクチック液晶、ネマチック液晶およびコレスチック液晶の三種類に分類される。液晶は異方性液体と別称されるように、光学的1軸性結晶と同様な光学的異方性を示す。オルソスコープ観測は通常の直交ニコル間の観察であり、液晶の種類の識別や液晶相の転移温度の決定に有用で、この観測により各液晶は特徴的な複屈折性光学模様により更にスメクチック液晶は、A、B、C、D、E、F、Gに分類される。
【0005】
半那らは、液晶相がスメクチック相を有する液晶性化合物が電荷輸送能を有し、これらを用いた電荷輸送材料を提案している。例えば、スメクチック液晶性を有し、且つ標準参照電極(SCE)に対し還元電位が−0.3〜−0.6(Vvs.SEC)に範囲にある液晶性電荷輸送材料(特開平09−316442号公報)、自己配向性を有するスメクチック相を示す液晶性化合物に、増感作用を有するフラーレンC70を所定量配合した液晶性電荷輸送材料(特開平11−162648号公報)、スメクチック相を示す液晶性化合物を有機高分子マトリックス中に含有させた液晶性電荷輸送材料分散型高分子膜(特開平11−172118号公報)、スメクチック液晶性化合物を含む混合物を含有させた液晶性電荷輸送材料(特開平11−199871号公報)、スメクチック液晶性を有し、且つ電子移動度または正孔移動度速度が1×10−5cm/v・s以上である液晶性電荷輸送材料(特開平10−312711号公報)、1分子中に分子間或いは分子内で新たな結合を形成し得る官能基と正孔及び/又は電子電荷輸送性を有す官能基を有するスメクチック液晶性化合物を含む液晶性電荷輸送材料(特開平11−209761号公報)等を提案している。
【0006】
上記で提案されたスメクチック液晶性化合物は、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トロポロン環等の6π電子系芳香環、ナフタレン環、アズレン環、ベンゾフラン環、インドール環、インダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環等の10π電子系芳香族、又はフェナントン環、アントラセン等の14π電子系芳香環を有するスメクチック液晶性化合物を用い、スメクチックA相の液晶状態で、電荷の輸送を行うものである。しかしながら、上記した電荷輸送方法は光励起を必要としており、その導電率も光励起なしでは10−13s/cmで、光励起しても10−11s/cmという絶縁体の領域の値であった。
【発明の開示】
【0007】
本発明者らは、先に液晶相としてスメクチックB相を有する液晶性化合物にスメクチックB相の液晶状態又はスメクチックB相の相転移で生じる固体状態で電圧を印加する電荷輸送方法(特開2001−351786号公報)を提案した。
【0008】
本発明は、この様な従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光励起しないでも優れた電荷輸送能を発現させることができる新規な長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体、その製造方法、該化合物を含有する液晶性材料及び電荷輸送材料を提供することを目的とするものである。
【0009】
即ち、本発明の第1の発明は、下記一般式(1)
【化1】
Figure 0004476933
(式中、Rはメチル基、水素原子、Aはアルキレン基、−CO−O−(CH(但し、n=1〜18)、−C−CH−、−CO−を示す。)である。
【0010】
また、本発明の第2の発明は、下記一般式(2)
【化2】
Figure 0004476933
で表わされる4−ヒドロキシベンズアルデヒドと、下記一般式(3)
【化3】
Figure 0004476933
(式中、R はメチル基、水素原子、Aはアルキレン基、−CO−O−(CH −(但し、n=1〜18)、−C −CH −、−CO−を示す。Xはハロゲン原子を示す。)で表わされるハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させて、下記一般式(4)
【化4】
Figure 0004476933
(式中、R及びAは前記と同義。)で表わされるベンズアルデヒド誘導体を得た後、次いで、得られた前記ベンズアルデヒド誘導体と、下記反応式(5)
【化5】
Figure 0004476933
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表わされるp−キシレンビス−(トリフェニルホスホニウムハロゲン)とを反応させることを特徴とする下記一般式(1)
【化1】
Figure 0004476933
(式中、R及びAは前記と同義。)で表わされる長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体の製造方法である。
【0011】
また、本発明の第3の発明は、下記一般式(1)
【化1】
Figure 0004476933
(式中、R はメチル基、水素原子、Aはアルキレン基、−CO−O−(CH −(但し、n=1〜18)、−C −CH −、−CO−を示す。)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体又はそれから誘導される化合物を含有することを特徴とする液晶性材料である。
【0012】
また、本発明の第4の発明は、前記液晶性材料を含有することを特徴とする電荷輸送材料である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1は、本発明の電荷輸送材料を用いた電荷輸送素子の一実施態様を示す概略図である。
図2は、本発明の電荷輸送材料を用いた電荷輸送素子の一実施態様を示す概略図である。
図3は、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を170℃で測定したときのx線回折図である。
図4は、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を励起波長368nmで測定した時の蛍光スペクトルを示す図である。
図5は、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体に5Vの電圧を印加し、除々に加温し、各温度毎の電流量を測定した時の温度と電流量の関係を示す図である。
図6は、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を130℃の温度に保持し、各電圧毎の電流量の関係を示す図(1回目)である。
図7は、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を130℃の温度に保持し、各電圧毎の電流量の関係を示す図(2回目)である。
図8は、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を130℃まで加温し自然冷却により100℃まで温度を下げ、次いで100℃で各電圧毎の電流量の関係と、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を130℃まで加温し急冷により100℃まで温度を下げ、次いで100℃で各電圧毎の電流量の関係を示す図である。
図9は、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を130℃まで加温し自然冷却により50℃まで温度を下げ、次いで50℃で各電圧毎の電流量の関係と、実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を130℃まで加温し急冷により50℃まで温度を下げ、次いで50℃で各電圧毎の電流量の関係を示す図である。
図において、1a,1bはガラス基板、2a,2bは電極、4はスペンサー、3,13は液晶層、5は電圧印加手段、をそれぞれ示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体の式中のRは、水素原子又はメチル基を示し、Aはアルキレン基、−CO−O−(CH−、−C−CH−、−CO−を示す。アルキレン基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。このアルキレン基としては、具体的には炭素数1〜18のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、エチルエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクタデシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基等が挙げられる。また、−CO−O−(CH−のnは1〜18のものが特に好ましい。
【0015】
本発明において、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体は、新規化合物であり、該化合物は立体配座としてシス体又はトランス体あるいはシス体とトランス体の混合物であってもよい。
【0016】
次に、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体の製造方法について説明する。
【0017】
本発明の製造方法は、基本的には以下の第一〜第二工程からなるものある。
<第一工程>
第一工程は、下記反応式(1)
【化6】
Figure 0004476933
(式中、R、A及びXは前記と同義。)で示される反応により、前記一般式(4)で示されるベンズアルデヒド誘導体を製造する工程である。
【0018】
第一工程で用いる第1の原料の一般式(2)で表される4−ヒドロキシベンズアルデヒドは特に制限はなく市販のものを用いることができる。
【0019】
第一工程で用いる第2の原料の一般式(3)で表されるハロゲン化物の式中のR及びAは、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体のR及びAに相当する基であり、Rは水素原子又はメチル基を示し、Aはアルキレン基、−CO−O−(CH)n−、−C−CH−、−CO−を示す。アルキレン基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。このアルキレン基としては、具体的には炭素数1〜18のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、エチルエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクタデシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基等が挙げられる。また、−CO−O−(CH−のnは1〜18のものが特に好ましい。
【0020】
式中のXは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子であり、反応性の面で特に臭素原子が好ましい。
【0021】
第2の原料の一般式(3)で表されるハロゲン化物は、公知の方法を用いて製造することができ、その一例を示せば、下記反応式(2)
【化7】
Figure 0004476933
(式中、R、A及びXは前記と同義。)で表される反応により、アルコール類(化合物(5))と、ハロゲン化燐(化合物(6))とを等モルで、ピリジン等の塩基の存在下にベンゼン等の溶媒中で約20℃で18時間程度反応させることにより容易に目的とする前記一般式(3)で表されるハロゲン化物(化合物(3))を製造することができる。なお、かかる反応は、フェノチアジン等の重合禁止剤の存在下に反応を行うことが好ましい。
【0022】
第一工程の反応は、前記一般式(2)で表される4−ヒドロキシベンズアルデヒドと前記一般式(3)で表されるハロゲン化物とを塩基の存在下に溶媒中で反応させる。
【0023】
前記一般式(3)で表されるハロゲン化物の添加量は、前記一般式(2)で表される4−ヒドロキシベンズアルデヒドに対して1倍モル以上、好ましくは1.5〜2.0倍モルである。
【0024】
用いることができる塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等の無機塩基類、トリメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン,N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、4−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン、1,3−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、N−エチルピペリジン、キノリン、イソキノリン、N,N−ジメチルピペラジン、N,N−ジエチルピペラジン、キナルジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、3,5−ルチジン、2,6−ルチジン、4−メチルモルホリン、2,4,6−コリジン等の有機塩基類、ピリジル基やジメチルアミノベンジル基を有するイオン交換樹脂等の1種又は2種以上で用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0025】
これら塩基の添加量は、前記一般式(2)で表される4−ヒドロキシベンズアルデヒドに対して通常等モルである十分である。
【0026】
反応溶媒としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、アセトン、水等の1種又は2種以上で用いられる。
【0027】
反応条件としては、反応温度が0〜100℃、好ましくは20〜50℃であり、反応時間が0.5〜50時間、好ましくは10〜30時間で反応を行う。
反応終了後、酸で洗浄、抽出、洗浄、脱水、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の諸操作を得て前記一般式(4)で示されるベンズアルデヒド誘導体を得る。
【0028】
<第二工程>
第二工程は、下記の反応式(3)
【化8】
Figure 0004476933
(式中、R、A及びXは前記と同義。)で表される反応により、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を得る工程である。
前記一般式(5)で表されるp−キシレンビス−(トリフェニルホスホニウムハロゲン)の式中のXは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を示し、この中臭素が反応性の面で特に好ましい。これらのp−キシレンビス−(トリフェニルホスホニウムハロゲン)は市販品を用いることができる。
【0029】
第二工程の反応は、前記一般式(4)で表されるベンゾアルデヒド誘導体と前記一般式(5)で表されるp−キシレンビス−(トリフェニルホスホニウムハロゲン)とを塩基の存在下に溶媒中で反応させる。
【0030】
前記一般式(5)で表されるp−キシレンビス−(トリフェニルホスホニウムハロゲン)の添加量は、前記一般式(4)で表されるベンズアルデヒド誘導体に対して2〜4倍モル、好ましくは2〜2.5倍モルである。
【0031】
第二工程で用いることができる塩基としては、特に制限はないが、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ、ナトリウム・メトキシド、カリウム・メトキシド、ナトリウム・エトキシド、カリウム・エトキシド等のアルコキシド、ピペリジン、ピリジン、カリウムクレゾラート、アルキルリチウム等が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いられる。
【0032】
これらの塩基の添加量は、前記一般式(5)で表されるp−キシレンビス−(トリフェニルホスホニウムハロゲン)に対して1〜5倍モル、好ましくは3.5〜4.5倍モルである。
【0033】
反応溶媒としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、アセトン等の1種又は2種以上で用いることができる。
【0034】
反応条件としては、反応温度が0〜100℃、好ましくは20〜50℃であり、反応時間が0.5〜50時間、好ましくは5〜30時間で反応を行う。
反応終了後、濾過、所望により洗浄後、乾燥して前記一般式(1)で示される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を得る。
【0035】
なお、本発明の製造方法において、所望により得られた前記一般式(1)で示される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を、更にヨウ素の存在下に溶媒中で加熱処理することができる。
【0036】
この加熱処理により前記一般式(1)で示される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体は選択的にトランス体とすることができる。
【0037】
この場合、ヨウ素の添加量は前記一般式(1)で示される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体に対して0.001〜0.1倍モル、好ましくは0.005〜0.01倍モルであり、加熱処理温度は100〜180℃、好ましくは130〜150℃である。また、用いることができる溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上で用いることができる。
【0038】
かくして得られる前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体は、液晶性を示し、青色発光を有し、電荷輸送能を有する新規な化合物であり、例えば、電荷輸送性を利用した光センサ、有機エレクトロルミネッンス素子(EL素子)、光導電体、空間変調素子、薄膜トランジスター、電子写真感光体の電荷輸送物質、ホトリソグラフティブ、太陽電池、非線形光学材料、有機半導体コンデンサー、その他のセンサー等の材料として用いることができる。
【0039】
次いで、本発明の液晶性材料について説明する。
本発明の液晶性材料は、この前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体、或いは該長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体から誘導される化合物を含有するものである。
【0040】
ここで前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体から誘導体される化合物とは、該長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体のホモ重合体、共重合体、架橋剤により架橋されている高分子量の化合物、或いはヒドロシリル基を有する高分子化合物に付加反応させて得られる高分子量の化合物をいう(以下、「重合体」という)。
【0041】
ここで、重合体は、少なくとも下記一般式(7)又は下記一般式(8)
【化9】
Figure 0004476933
【化10】
Figure 0004476933
(式中、R及びAは前記と同義。)で表される繰り返し単位を含有する。
【0042】
重合体は、共重合成分として、アクリル酸、メタクリル酸又はスチレン等から誘導される繰り返し単位を有していてもよい。共重合体の場合、上記一般式(7)又は上記一般式(8)で表される繰り返し単位は、共重合体中50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。
【0043】
重合体の分子量は、数平均分子量が1000〜数千万の範囲、好ましくは数万〜数百万の範囲である。
【0044】
重合体は以下の方法で製造することができる。例えば前記一般式(1)のホモ重合体、共重合体、或いは架橋剤により架橋されている高分子量の化合物を製造するには、所望のモノマー又は所望のモノマーと架橋剤とを重合開始剤の存在下に、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、バルク重合法等のラジカル重合法により重合反応を行うことにより製造することができる。
【0045】
また、ヒドロシリル基を有する高分子化合物に前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を付加反応させて高分子量の化合物を製造するには、ヒドロシリル基を有する高分子化合物と前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体とを塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフィン錯体の錯体、ロジウムとカルボニルの錯体等のロジウム系触媒等の存在下に反応を行うことにより製造することができる。
【0046】
本発明にかかる液晶性材料は、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体、該長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を含有する組成物、前記重合体、又は前記重合体を含有する組成物からなる液晶相としてスメクチック相の液晶性を示す材料である。
【0047】
前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を含有する組成物は、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を少なくとも30重量%以上、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは90重量%以上含有し、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つ液晶性化合物に起因するスメクチック相の液晶状態を示すものである。
【0048】
かかる組成物中の他の成分は、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体の相転移温度を調整する成分であり、例えば、他の液晶性化合物、他の長い直線的共役系を有する両端がアルキル基またはアルコキシ基である化合物を1種または2種以上含有させて用いることができ、他の成分の長い直線的共役系を有する両端がアルキル基またはアルコキシ基である化合物は液晶性化合物であってもそうでなくともよい。また、これらの他の成分は1種又は2種以上で用いることができる。
【0049】
前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体を含有する組成物は、以下のように調製することができる。即ち、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体と所望の上記成分を溶媒に溶解した後、溶媒を加熱、減圧等で除去するか、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体と所望の上記成分を混合し、加熱溶融するか、又はスパッタリング、真空蒸着等を行うことにより調製することができる。
【0050】
また、前記重合体を含有する組成物は、前記重合体を、少なくとも30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上含有し、前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体の液晶性に起因するスメクチック相の液晶状態を示すものである。
【0051】
かかる組成物中の他の成分としては、前記重合体の相転移温度を調整する成分であり、例えば、他の液晶性化合物、他の長い直線的共役系を有する両端がアルキル基またはアルコキシ基である化合物を1種または2種以上含有させて用いることができ、他の成分の長い直線的共役系を有する両端がアルキル基またはアルコキシ基である化合物は液晶性化合物であってもそうでなくともよい。また、これらの他の成分は1種又は2種以上で用いることができる。
【0052】
この重合体組成物は、以下のように調製することができる。即ち、前記重合体と所望の上記成分を溶媒に溶解した後、溶媒を加熱、減圧等で除去するか、前記重合体と所望の上記成分を混合し、加熱溶融するか、又はスパッタリング、真空蒸着等を行うことにより調製することができる。
【0053】
本発明にかかる液晶性材料は、例えば、該液晶性材料を液晶状態で電圧を印加するか、又は該液晶性材料を液晶状態の相転移で生じる固体状態で電圧を印加するすることにより優れた電荷輸送能を発現することから電荷輸送材料として用いることができる。
【0054】
本発明の電荷輸送材料で用いる前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体の好ましい化合物としては、該長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体の式中、Rは水素原子又はメチル基であり、また、式中のAは炭素数6〜18、好ましくは8〜12の直鎖状のアルキレン基、−C−CH−、−CO−、又は−CO−O−(CH−のnが6〜18、好ましくは8〜12のものが好ましい。
【0055】
本発明の電荷輸送材料は、前記液晶性材料を含有するものであり、本発明の液晶性材料は液晶相としてスメクチック相を有するものであることが好ましい。
本発明の電荷輸送材料は、前記液晶性材料をスメクチック相の液晶状態で電圧を印加するか、又はスメクチック相からの降温過程で相転移で生じる固体状態、具体的には結晶相、ガラス状態、不定形固体で電圧を印加することにより電荷を輸送する。
【0056】
また、固体状態で用いる場合には、降温を除々に行うとよりスメクチック相の分子配向をより維持できることから急冷を行ったものより優れた電荷輸送能を発現する。
【0057】
本発明の電荷輸送材料は、例えば、電荷輸送素子として用いることができる。この電荷輸送素子は一対の電極を設けた基板間に前記電荷輸送材料を用いた液晶層を有し、かつ該電荷輸送材料をスメクチック相の液晶状態で電圧を印加し、液晶層をとおして電荷を輸送する手段(以下、「1の電荷輸送素子」と呼ぶ。)、又は、一対の電極を設けた基板間に前記電荷輸送材料を用いた液晶層を有し、かつ該電荷輸送材料をスメクチック相からの相転移で生じる固体状態で電圧を印加し液晶層をとおして電荷を輸送する手段(以下、2の電荷輸送素子)と呼ぶ。)を備えた電荷輸送素子とすることができる。
【0058】
図1は前記1の電荷輸送素子の一実施態様を示す概略図である。図1において、本発明の電荷輸送素子は、2枚のガラス基板1a、1bの表面に、各々ITO等の透明電極からなる電極2a、2bを設け、該電極を設けた一対の基板をスペーサー4を介してセル間隔を一定にたもって接着剤で貼り合わせてセルを作成し、該セル内に前記電荷輸送材料を注入して液晶層3に電極間に設け、該電極2a、2bには前記電荷輸送材料のスメクチック相の液晶状態で電圧を印加すると、液晶層を通して高い電流密度が得られ、電荷の輸送を行うことができる。
【0059】
図2は前記2の電荷輸送素子の一実施態様を示す概略図である。図2において、本発明の電荷輸送素子は、2枚のガラス基板1a、1bの表面に、各々ITO等の透明電極からなる電極2a、2bを設け、該電極を設けた一対の基板をスペーサー4を介してセル間隔を一定にたもって接着剤で貼り合わせてセルを作成し、該セル内に前記電荷輸送材料を注入して液晶層13に電極間に設け、該電極2a、2bには前記電荷輸送材料のスメクチック相の相転移で生じる固体状態で電圧を印加する電圧印加手段5を接続してなるものである。電圧印加手段5及び液晶相の温度調節手段(不図示)等からなる電荷輸送手段により液晶層13の電荷輸送材料にスメクチック相からの相転移で生じる固体状態で電圧を印加すると、液晶層をとおして高い電流密度が得られ、電荷の輸送を行うことができる。
【0060】
本発明の前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体は、液晶性を示す化合物であり、該化合物はスメクチック相の液晶状態、或いはスメクチック相の降温により相転移で生じる固体状態のスメクチック相の層状配列を持った分子配列を持った分子配向を利用することにより、該液晶性化合物の長い共役π電子系の重なりが密になり500μA/cmオーダ以上、好ましくは1ミリA/cmオーダ以上の電流密度で電荷の輸送を可能とし、この電荷輸送性を利用して光センサ、有機エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)、光導電体、空間変調素子、薄膜トランジスター、電子写真感光体の電荷輸送物質、ホトリソグラフティブ、太陽電池、非線形光学材料、有機半導体コンデンサー、その他のセンサー等の材料の電荷輸送材料として好適に用いることができる。
【0061】
例えば、本発明の電荷輸送材料を、有機エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)に用いる場合には、必要により他の発光材料を添加したものを発光層として2枚の電極(少なくとも1枚はITOのような透明電極)に挟むことにより作成することができる。また、多層型有機発光素子の場合は、本発明の電荷輸送材料をホール輸送層、電子輸送層あるいは発光層として用いることもできる。また、光センサーの場合は、本発明の電荷輸送材料を2枚の電極(少なくとも1枚は透明)に挟持させることにより、光照射による電流変化を検出することができる。電子写真感光体又は画像記憶素子として用いる場合には、基板又は電極上に電荷発生層と本発明の電荷輸送層を積層することにより作成することができる。
【実施例】
【0062】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
【実施例1】
<第一工程>
下記反応式(4)
【化11】
Figure 0004476933
に従って、p−(9−デセノキシ)−ベンズアルデヒド(化合物(12))を合成した。
【0064】
水酸化カリウム1.12g(0.02モル)を溶解したエタノール溶液50mlを4−ヒドロキシベンズアルデヒド(化合物(2))2.44g(0.02モル)をエタノール30mlに溶解した溶液に加えた。これを攪拌しエバポレーターでエタノールを減圧除去する。残さをDMF50mlに溶解させ、10−ブロモ−1−デセン(化合物(11))6.57g(0.03モル)を溶解したDMF溶液10mlを滴下する。窒素雰囲気下、70℃で15時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、氷希塩酸中に反応液を投入した。次いで、これにジエチルエーテルを加え、抽出を行った後、無水硫酸ナトリウムで一晩脱水した後、無水硫酸ナトリウムを濾過により除去し、エバポレーターでジエチルエーテルを除去した。除去したジエチルエーテルを溶媒にカラムクロマトグラフィーにより分離し、乾燥後、薄黄色液体の目的物であるp−(9−デセノキシ)−ベンズアルデヒド(化合物(12))3.62g(収率69.5%)を得た。
<同定データ>
H−NMR(δ、CDCl):
0.8〜2.0(m,14H,−(CH−)、4.0(t,2H,−O−CH−)、4.9〜5.1(d,2H,−C=CH)、5.3〜6.2(m,1H,−CH=C)、7.0,7,9(d,4H,aromatic)、10(s,1H,−CHO)
【0065】
<第二工程>
第二工程は、下記反応式(5)
【化12】
Figure 0004476933
に従って、長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体(化合物(14))を合成した。
【0066】
第一工程で得られたp−(9−デセニキシ)−ベンズアルデヒド2.60g(0.01モル)とp−キシレンビス−(トリフェニルホスホニウムブロミド)(化合物(13)、東京化成社製)3.93g(0.005モル)を溶解したエタノール溶液50mlに0.4モルのナトリウムエトキシド50mlを滴下し室温で30分攪拌した後、50℃で10時間反応させる。反応液を濾過し、沈澱を60%エタノール水溶液、ヘキサンで洗浄する。これを乾燥して淡黄色固体の目的物である長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体(化合物(14))1.10g(収率18.6%)を得た。
<同定データ>
・融点;85〜87℃
H−NMR(δ、CDCl):
1.2〜1.5(m,16H),1.6〜1.7(m,4H),1.7〜1.8(m,4H),2.0〜2.1(m,4H),3.9〜4.0(t,4H),4.9〜5.1(d,4H),5.7〜5.9(m,2H),6.8(d,4H),6.9〜7.1(m,4H),7.2〜7.5(m,8H)
・IR(cm−1,KBr)
721(p−ph面外変角),968(t−C=C−面外変角),1110〜1253(C−O−C伸縮),1465〜1573(ph骨格振動),1641(CH=CH−伸縮),2852〜2921(脂肪族CH伸縮)、3021〜3075(芳香族CH伸縮)
・MASS(FAB;Xe):590(M−1)
【0067】
【実施例2】
実施例1の第一工程において、反応原料の10−ブロモ−1−デセンを8−ブロモ−1−オクテンに代えた以外は実施例1の第一工程〜第二工程を行い、下記一般式(15)で表されるベンゼン誘導体を得た。
【化13】
Figure 0004476933
<同定データ>
H−NMR(δ、CDCl);1.2〜1.5(m,12H)、1.6〜1.7(m,4H)、2.0〜2.1(m,4H)、3.9〜4.0(t,4H)、4.9〜5.1(d,4H)、5.7〜5.9(m,2H)、6.8(d,4H)、6.9〜7.1(m,4H)、7.2〜7.5(m,8H)
・MASS(FAB;Xe):534(M−1)
・IR(KBr,cm−1);3075〜3021(芳香族C−H伸縮振動)、2921〜2852(脂肪族C−H伸縮振動)、1641(CH2=CH−伸縮振動)、1573〜1465(Ph骨格振動)、1253〜1110(C−O−C伸縮振動)、968(t−C=C−面外変角)、721(芳香族C−H面外変角振動)
【0068】
更に、実施例1〜2で得られたベンゼン誘導体をx線回折分析、偏光顕微鏡による液晶相のtextureの観察を行った結果、下記表1に示す相転移が明らかになった。
【表1】
Figure 0004476933
また、実施例1で得られたベンゼン誘導体(化合物(14)を170℃でX線回折分析したときのX線回折図を図3に示す。
また、実施例1で得られたベンゼン誘導体(化合物(14)を励起波長368nmで測定した時の蛍光スペクトルを図4に示す。
【0069】
<電荷輸送能の評価>
真空成膜によりITO電極を設けた2枚のガラス基板を、それぞれITO電極が対向するように、スペーサー粒子によってギャップ(約15μm)を設け、貼り合わせてセルを作成した。
【0070】
そのセルに実施例1で得られた長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体(化合物(1))20mgを230℃の条件下にセル中に注入した。
次いで、5Vの電圧を印加し、除々に加温し、各温度毎の電流量を測定した。その結果を図5に示す。
【0071】
また、130℃の温度に保持し、各電圧毎の電流量の測定を2回行った。1回目の結果を図6に、2回目の結果を図7に示す。
【0072】
また、130℃から自然冷却により100℃まで温度を下げ、次いで100℃で各電圧毎の電流量を測定し、その結果を図8に示す。
【0073】
また、130℃から冷蔵庫で10分かけて100℃まで温度を下げ冷却(急冷)後、100℃で各電圧毎の電流量を測定し、その結果を図8に示す。
【0074】
また、130℃から自然冷却により50℃まで温度を下げ、50℃で各電圧毎の電流量を測定し、その結果を図9に示す。
【0075】
また、130℃から冷蔵庫で10分かけて50℃まで温度を下げ冷却(急冷)後、50℃で各電圧毎の電流量を測定し、その結果を図9に示す。
【産業上の利用可能性】
【0076】
上記したとおり、本発明の前記一般式(1)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体は新規な化合物であり、該長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体は、液晶相としてスメクチック相を有する化合物であり、該長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体又は該誘導体から誘導される化合物を含有する電荷輸送材料を液晶状態の分子配向を維持した状態で電圧を印加することにより優れた電荷輸送能を発現し、従来の電荷輸送材料にない500μA/cmオーダ以上、好ましくは1ミリA/cm以上の電流密度で電荷の輸送を可能とする。これは導電率で少なくとも1.6×10−7s/cm以上に相当し、この値は半導体領域の値である。
【0077】
従って、本発明の電荷輸送材料、電荷輸送性を利用した光センサ、有機エレクトロルミネッンス素子(EL素子)、光導電体、空間変調素子、薄膜トランジスター、電子写真感光体の電荷輸送物質、ホトリソグラフティブ、太陽電池、非線形光学材料、有機半導体コンデンサー、その他のセンサー等の材料として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004476933
    (式中、Rはメチル基、水素原子、Aはアルキレン基、−CO−O−(CH(但し、n=1〜18)、−C−CH−、−CO−を示す。)で表わされることを特徴とする長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体。
  2. 下記一般式(2)
    Figure 0004476933
    で表わされる4−ヒドロキシベンズアルデヒドと、下記一般式(3)
    Figure 0004476933
    (式中、R はメチル基、水素原子、Aはアルキレン基、−CO−O−(CH −(但し、n=1〜18)、−C −CH −、−CO−を示す。Xはハロゲン原子を示す。)で表わされるハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させて、下記一般式(4)
    Figure 0004476933
    (式中、R及びAは前記と同義。)で表わされるベンズアルデヒド誘導体を得た後、次いで、得られた前記ベンズアルデヒド誘導体と、下記反応式(5)
    Figure 0004476933
    (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表わされるp−キシレンビス−(トリフェニルホスホニウムハロゲン)とを反応させることを特徴とする下記一般式(1)
    Figure 0004476933
    (式中、R及びAは前記と同義。)で表わされる長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体の製造方法。
  3. 記一般式(1)
    Figure 0004476933
    (式中、R はメチル基、水素原子、Aはアルキレン基、−CO−O−(CH −(但し、n=1〜18)、−C −CH −、−CO−を示す。)で表される長い直線的共役系構造部分を持つベンゼン誘導体又はそれから誘導される化合物を含有することを特徴とする液晶性材料。
  4. 請求項3に記載の液晶性材料を含有することを特徴とする電荷輸送材料。
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