JP4343516B2 - 有機半導体材料と有機半導体素子の製造方法 - Google Patents

有機半導体材料と有機半導体素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い電荷移動特性を有する棒状低分子液晶性の有機半導体材料と有機半導体素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機半導体材料を用いた有機半導体素子についての研究が注目され、各種のデバイス応用が期待されている。そうしたデバイス応用としては、例えば、有機半導体材料を機能層に利用した薄膜トランジスタ(有機TFTともいう。)、発光素子、太陽電池等が研究対象となっている。
【0003】
有機半導体素子が実用レベルで利用されるためには、高い電荷移動度を有することが必要である。そのため、高い電荷移動度を有する有機半導体材料の開発や電荷移動度を向上させるための研究がなされている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−312711号公報(段落番号0007〜0010)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては必ずしも実用レベルの電荷移動度を発現するには至っておらず、電荷移動度のさらなる向上が要請されていた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高い電荷移動特性を有する有機半導体材料と有機半導体素子の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の有機半導体材料の製造方法は、下記化合物1又は2の骨格構造の両末端に液晶性を発現する末端構造を有する棒状低分子液晶性の有機半導体材料の製造方法であって、前記有機半導体材料を繰り返し精製してイオン電導性の不純物を低減し、当該有機半導体材料の等方相を電極間距離9μmの対向基板間に挟持してインピーダンス測定したとき、測定周波数fが100Hz≦f≦1MHzの範囲でのインピーダンスの位相角θ−80°≦θ≦−90°とすることを特徴とする。(下記化合物1中、R ,R は炭素数が6〜10の置換若しくは無置換アルキル基を表し、下記化合物2中、R,Rは炭素数が16の置換若しくは無置換アルキル基を表す。
【化1−3】
Figure 0004343516
【化1−4】
Figure 0004343516
【0008】
この発明によれば、上記インピーダンス測定で特定される有機半導体材料は実用レベルの高い電荷移動度を有するので、有機半導体素子のデバイス応用に大きく寄与できる。
【0009】
上記課題を解決する本発明の有機半導体素子の製造方法は、上記有機半導体材料の製造方法で製造された有機半導体材料少なくともスメクチック相を呈するまで加熱した後に冷却し、少なくとも一部が結晶相となっている機能層を形成することに特徴を有する。
【0010】
上記課題を解決する本発明の有機半導体素子の製造方法は、上記有機半導体材料の製造方法で製造された有機半導体材料でスメクチック相を有する機能層を形成することに特徴を有する。
【0011】
【実施の形態】
以下、本発明の有機半導体材料および有機半導体素子の実施形態について説明する。
【0012】
(有機半導体材料)
本発明の有機半導体材料は、棒状の低分子液晶材料であり、その骨格構造(コア構造ともいう。)は、L個の6π電子系芳香環、M個の10π電子系芳香環、N個の14π電子系芳香環(ただし、L、M、Nはそれぞれ0〜4の整数を表わし、L+M+N=1〜4とする。)を含み、その骨格構造の両末端に液晶性を発現する末端構造(ターミナルグループともいう。)を有するものである。
【0013】
骨格構造を構成する6π電子系芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ピリジン環ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トロポロン環等を挙げることができ、10π電子系芳香環としては、例えば、ナフタレン環、アズレン環、ベンゾフラン環、インドール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環等を挙げることができ、14π電子系芳香環としては、例えば、フェナントレン環、アントラセン環等を挙げることができる。こうした骨格構造を有する化合物は、特開平10−312711号公報に挙げられている。
【0014】
末端構造の具体例としては、上述した剛直な骨格構造の片端に、H(水素原子)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基等のいずれかを有し、もう一端に、置換若しくは無置換アルキル基、または、置換若しくは無置換アルキルチオ基、または、置換若しくは無置換アルコキシル基、または、置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、または、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基を有するものが挙げられる。この場合における置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アリールオキシ基、アシロキシ基、アリール基、アシル基等を挙げることができる。
【0015】
また、両末端に、置換若しくは無置換アルキル基、または、置換若しくは無置換アルキルチオ基、または、置換若しくは無置換アルコキシル基、または、置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、または、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基を有するものが挙げられる。この場合における置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アリールオキシ基、アシロキシ基、アリール基、アシル基等の構造を有するものが挙げられる。
【0016】
本発明の有機半導体材料は、上述した骨格構造と末端構造とからなる有機半導体材料のうち、その等方相を電極間距離9μmの対向基板間に挟持してインピーダンス測定したとき、測定周波数fが100Hz≦f≦1MHzの範囲でのインピーダンスの位相角θが−80°≦θ≦−90°となるインピーダンス特性を有するものが該当する。
【0017】
上記インピーダンス特性を有する有機半導体材料は、不純物(特にイオン伝導に寄与する不純物)を有機半導体材料中から取り除くための精製を繰り返し行うことにより得ることができる。精製は、精製に供される有機半導体材料の再結晶、昇華、蒸留、帯溶融、カラムクロマトグラフィー等により行われるが、特に再結晶においては有機半導体材料の構造(骨格構造および末端構造)に応じて再結晶の繰り返し回数、使用する溶媒、その他の付加工程などが任意に選択され、より最適な精製手段が選択される。
【0018】
インピーダンス特性は、精製された有機半導体材料を用い、以下の測定条件により評価した。
【0019】
インピーダンス測定は、イオン伝導性の不純物の挙動が顕著に現れやすい等方相にて実施した。インピーダンス特性の測定は、一般的な市販の装置で測定することができるが、その一例としては、使用機器としてソーラトロン社製のインピーダンス/ゲイン−フェイズアナライザSI−1260とメトラー社製のホットステージFP82HT/コントローラFP80HTを用いることができ、測定セルとして10×5mmのITO電極を配したガラス基板からなる対向電極セルを用いることができる。9μmの電極間距離(セルギャップ)は、対向基板間を貼り合わせる熱硬化型接着剤にシリカビーズを混練して形成した。本発明においては、9μmの電極間距離(セルギャップ)での測定値を基準に評価している。測定条件の一例としては、印加AC電圧:1V、バイアスDC電圧:印加無し、周波数範囲:0.1〜1MHz、試料温度:ホットステージを用いて有機半導体材料が等方相を示す温度に保持、等の条件で測定を行うことができる。
【0020】
本発明の有機半導体材料は、こうしたインピーダンス測定において、測定周波数fが100Hz≦f≦1MHzの範囲でのインピーダンスの位相角θが−80°≦θ≦−90°となることに特徴がある。
【0021】
上記周波数範囲内でのインピーダンスの位相角θが−80°≦θ≦−90°となる有機半導体材料は、優れた電荷移動特性を示すことができる。その理由として、上記インピーダンス特性を有する有機半導体材料は、精製によりイオン伝導性の不純物が低減されているので、電荷輸送を阻害するイオン導電性不純物の影響を受けず、その結果、電荷(正孔及び/又は電子)の移動度が向上するのである。
【0022】
位相角θが−80°未満では、精製によりイオン伝導性不純物が十分に低減されていないので、電荷輸送を阻害するイオン導電性不純物の影響を受け、その結果、TOF(Time−of−Flight)法による過渡光電流の分散性が強くなり、十分な電荷(正孔及び/又は電子)の移動度を示すことができない。
【0023】
電荷移動度の測定は、従来公知の方法、すなわち、ITO電極を配した対向基板からなるセルに注入してTOF法(過渡光電流測定法)で行った。
【0024】
なお、本発明の有機半導体材料は、結晶的な性質と液晶的な性質を兼ね備えたスメクチック(Sm)液晶相材料であるので、流動性があり、印刷やコーティング等の手段により容易に塗布形成することができるという利点がある。また、この有機半導体材料は、自己組織化により自発的に分子性配向し易く、結晶のような配向性を持つという特徴がある。
【0025】
本発明の有機半導体材料の一例としては、例えば下記化合物1、2を挙げることができる。
【0026】
【化1】
Figure 0004343516
【0027】
この有機半導体材料は、後述する有機半導体素子の機能層を棒状低分子液晶材料の結晶相で構成することができ、5×10−3cm−1−1 以上の電荷移動度が観察された初めてのケースである。
【0028】
【化2】
Figure 0004343516
【0029】
この有機半導体材料は、後述する有機半導体素子の機能層を棒状低分子液晶材料の高次のスメクチック相で構成することができ、5×10−2cm−1−1 以上という極めて高い電荷移動度が観察された。
【0030】
(有機半導体素子)
本発明の有機半導体素子は、上述した本発明の有機半導体材料で形成された機能層を有するものである。その機能層は、有機半導体材料の種類により、結晶相とすることができるもの、液晶相のままのものに分けることができる。
【0031】
結晶相とすることができる有機半導体材料においては、有機半導体材料を少なくともスメクチック相を呈するまで加熱した後に冷却し、少なくとも一部、好ましくは全部を結晶相とすることができる。このとき、スメクチック相を呈するまで加熱する温度域は40〜350℃であり、結晶相になる温度は40〜300℃である。得られた機能層が結晶相であるかは、偏光顕微鏡で観察したテクスチャーを液晶状態のテクスチャーと比較することにより判定できる。
【0032】
機能層は、棒状低分子液晶性の本発明の有機半導体材料を配向させることにより形成される。配向手段としては、有機半導体材料を、ポリイミド系材料からなる液晶配向層上に積層したり、微少な凹凸を表面に有した硬化性樹脂からなる液晶配向層上に積層することにより行うことができる。
【0033】
上述した有機半導体材料は、液晶状態を維持する温度以上において流動性を有するので、その状態で塗布することができる。こうした方法によれば、優れた電荷移動特性を有する大面積の機能層を極めて容易に形成することができる。このときの塗布方法としては、各種の塗布方法および印刷方法を適用できる。
【0034】
【実施例】
実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0035】
(実施例1)
有機半導体材料として、フェニルベンゾチアゾール誘導体(2-(4’-hexyloxyphenyl)-6-decyloxy-benzothiazole。以下、6O−PBT−O10と略すことがある。)を以下の手順で合成した。
【0036】
【化3】
Figure 0004343516
【0037】
先ず、p-nitorophenol 1 (13.4 g、96 mmol)、n-decyl iodide (25 g、93 mmol)をDMF (100 ml)に溶解し、炭酸カリウム (12.9 g)を加え、100℃で約2時間攪拌した。TLCで原料の消失を確認した後、室温で放冷した。氷浴中で水と食塩を加え析出した固体をろ過で取り出し、淡黄色液体である4-decyloxynitrobenzene 2(28.28 g、110%)を得た。
【0038】
次に、4-decyloxynitrobenzene 2 (28.3 g、101 mmol)にエタノール (100 ml)、濃塩酸 (5 ml)を加えた溶液を氷浴で冷やし、これに塩化すず(II)二水和物の塩酸溶液 (101.3 g、450 mmol / HCl 50 ml) を加えた。これを室温にて約2時間攪拌した後、60℃で約30分加熱攪拌した。反応終了後、析出物をろ過し、ろ過後の析出物に3N水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、エーテルで抽出した。ろ液を濃縮した後、3N水酸化ナトリウム水溶液を加え、エーテルで抽出した。抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮し、赤橙色液体である4-decyloxyaniline 3(23.4 g、92.7%)を得た。
【0039】
次に、4-decyloxyaniline 3 (23.4 g、93.7 mmol)に酢酸 (100 ml)を加え、次いでチオシアン酸カリウム (23.5 g、242 mmol)を加えた。この溶液を氷浴で十分冷やした後、臭素の酢酸溶液 (5.8 ml/50 ml)を約3時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で約2時間攪拌した。その後、水 (200 ml)を加え、約30分還流し、熱時ろ過した。ろ液にアンモニア水をアルカリ性になるまで加え、さらに飽和食塩水を加えて析出した固体をろ過し、淡紫色固体である2-amino-6-decyloxybenzothiazole 4 (14.22 g、49.5%)を得た。精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane:AcOEt = 1:2)で行った。
【0040】
次に、2-amino-6-decyloxybenzothiazole 4 (3.98 g、12.9 mmol)に、水酸化カリウム (14.0 g、250 mmol)と水 (14 ml)を加え、150〜180℃で約3時間加熱攪拌を行った。TLCで原料消失を確認した後、反応溶液を6N塩酸水溶液にて中性にし析出した黄色固体を塩化メチレンで抽出し、2-amino-4-decyloxythiophenol 5(3.61 g, 98.8%)を得た。
【0041】
次に、2-amino-4-decyloxythiophenol 5 (3.61 g、12.8 mmol)に、4-hexyloxy-benzaldehyde (2.7 g、13.1 mmol)のDMSO溶液を加え、アルゴン気流中・150℃で約2時間加熱攪拌を行った。反応終了後、水と塩化ナトリウムを加え、析出物をろ過、乾燥した。得られた固体物質をエタノールで再結晶した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane:CH2Cl2 = 1:2)により白色固体である2-(4’-hexyloxyphenyl)-6-decyloxy-benzothiazole 6 (6O−PBT−O10、1.2 g、20.0%)を得た。
【0042】
得られた6O−PBT−O10を、操作1(a)→操作2→操作1(b)→操作3→操作1(c)の手順で精製した。
【0043】
<操作1>:6O−PBT−O10を塩化メチレンに溶解し、ガラスフィルターで不純物を除去した後、アルゴン気流中で電子工業用アセトンで再結晶した。なお、操作1に付された(a)、(b)、(c)は、再結晶が3段階で行われたことを示している。
【0044】
<操作2>:6O−PBT−O10をTHFに溶解し、活性炭を加え50℃で約30分加熱撹拌した後、活性炭をろ別し、ロータリーエバポレータ―でTHFを留去した。
【0045】
<操作3>:6O−PBT−O10を、塩化メチレン:ヘキサン=2:1の溶媒に溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行った。
【0046】
精製された有機半導体材料のインピーダンス特性を測定した。測定は、ソーラトロン社製のインピーダンス/ゲイン−フェイズアナライザSI−1260とメトラー社製のホットステージFP82HT/コントローラFP80HTを用い、10×5mm2のITO電極を配したガラス基板からなる対向電極セルを用い、セルギャップを9μmとし、そこに有機半導体材料を注入し、120℃に保持して等方相とし、その状態でのデータを測定した。測定条件は、印加AC電圧:1V、バイアスDC電圧:印加無し、周波数範囲:0.1〜1MHz、試料温度:約120℃で行った。
【0047】
図1は、実施例1の有機半導体材料のインピーダンス特性の結果である。図1において、精製前とは、操作1(a)終了後の測定結果であり、精製途上とは、操作1(b)終了後の測定結果であり、精製後とは、操作1(c)終了後の測定結果である。精製した後の実施例1の有機半導体材料は、測定周波数fが100Hz≦f≦1MHzの範囲で、インピーダンスの位相角θが−80°≦θ≦−90°の範囲内になっている。
【0048】
こうしたインピーダンス特性を有する有機半導体材料(6O−PBT−O10)の電荷移動度測定を、TOF法(過渡光電流測定法)で測定した。測定は、波長337nmのN2パルスレーザーにより試料を励起する方法を用い、有機半導体材料をITO対向電極セル(セルギャップ:9μm、電極サイズ10mm×5mm)に注入し、その後25℃に冷却し、結晶相とした状態で行った。図2は、実施例1の有機半導体材料の電荷移動特性の結果である。精製された実施例1の有機半導体材料は、5×10-3cm2-1-1以上の電荷移動度が観察された。
【0049】
(実施例2)
有機半導体材料として、ビスベンゾチアゾール誘導体(2,6-Di(4-hexadecyloxyphenyl)benzo[1,2d:4,5-d’]bisthiazole、以下、16O−PBBTP−O16と略すことがある。)を下記反応式の手順で合成した。
【0050】
【化4】
Figure 0004343516
【0051】
先ず、2,5-dichloro-1,4-phenylenediamine 1 (2.0 g、11.3 mmol)、triethyl amine (2.52 g、24.9 mmol)およびトルエン (100 ml)からなる溶液に、4-hexadecyloxy-benzoyl chloride 2 (9.5 g、24.9 mmol)およびトルエン (100 ml)からなる溶液を室温にて滴下し、約1時間攪拌を行い、次いで約2時間加熱還流を行った。反応終了後、溶媒であるトルエンを殆ど留去し、エタノールを加え、析出した白茶色粉末をろ過し、エタノールにて洗浄、乾燥させた。その後、得られた白色粉末をDMFにて再結晶し、目的物である1,4-bis(4-hexadecyloxy phenyl)benzoylamino-2,5-dichloro-benzene 3を収率91.7%にて得た。
【0052】
次に、1,4-bis(4-hexadecyloxy phenyl)benzoylamino-2,5-dichloro-benzene 3 (4.0 g、4.6 mmol)に、ローソン試薬 (2.2 g、5.5 mmol)およびクロロベンゼン (20 ml)を加え、約4時間加熱還流し、反応終了後、析出した黄色粉末をろ過し、エタノールにて洗浄、乾燥させた。その後、得られた黄色粉末をDMFにて再結晶し、目的物である1,4-bis(4-hexadecyloxy phenyl)thiobenzoylamino-2,5-dichloro-benzene 4を収率90.2%にて得た。
【0053】
次に、1,4-bis(4-hexadecyloxy phenyl)thiobenzoylamino-2,5-dichloro-benzene 4 (3.5 g、3.9 mmol)に、sodium methoxide (442 mg、8.2 mmol)およびN-methyl-2-pyrrolidone (20 ml)を加え、150℃にて約2時間、更に200℃にて約1時間加熱攪拌を行った。反応終了後、水を加え、析出した黄色粉末をろ過し、二硫化炭素およびエタノールにて洗浄、乾燥させた。その後、得られた白色粉末をN-methyl-2-pyrrolidoneにて再結晶し、目的物である2,6-Di(4-hexadecyloxyphenyl)benzo[1,2d:4,5-d’]bisthiazole 5 (16O−PBBTP−O16)を収率95.5%にて得た。
【0054】
こうして得られた16O−PBBTP−O16を精製した。精製は、アルゴン気流中で、蒸留したN-methyl-2-pyrrolidoneにて5回再結晶させることにより行った。
【0055】
精製後の16O−PBBTP−O16について、インピーダンス特性と電荷移動特性を実施例1と同じ方法で測定した。
【0056】
その結果、実施例2の有機半導体材料は、測定周波数fが100Hz≦f≦1MHzの範囲で、インピーダンスの位相角θが−80°≦θ≦−90°の範囲内であり、5×10-2cm2-1-1以上の電荷移動度が観察された。このときの電荷移動度は、150℃で測定された高次のSm相での結果である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機半導体材料および有機半導体素子によれば、インピーダンス測定で特定される有機半導体材料は実用レベルの高い電荷移動度を有するので、有機半導体素子のデバイス応用に大きく寄与できる。
【0058】
本発明の有機半導体材料で活性層を形成した有機半導体素子によれば、結晶相で5×10-3cm2-1-1以上の優れた電荷移動度を発現させること、また、液晶相で5×10-2cm2-1-1以上という極めて高い電荷移動度を発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の有機半導体材料のインピーダンス特性の結果である。
【図2】実施例1の有機半導体材料の電荷移動特性の結果である。

Claims (3)

  1. 下記化合物1又は2の骨格構造の両末端に液晶性を発現する末端構造を有する棒状低分子液晶性の有機半導体材料の製造方法であって、
    前記有機半導体材料を繰り返し精製してイオン電導性の不純物を低減し、当該有機半導体材料の等方相を電極間距離9μmの対向基板間に挟持してインピーダンス測定したとき、測定周波数fが100Hz≦f≦1MHzの範囲でのインピーダンスの位相角θ−80°≦θ≦−90°とすることを特徴とする有機半導体材料の製造方法(下記化合物1中、R ,R は炭素数が6〜10の置換若しくは無置換アルキル基を表し、下記化合物2中、R,Rは炭素数が16の置換若しくは無置換アルキル基を表す。
    Figure 0004343516
    Figure 0004343516
  2. 請求項1に記載の製造方法で製造された有機半導体材料少なくともスメクチック相を呈するまで加熱した後に冷却し、少なくとも一部が結晶相となっている機能層を形成することを特徴とする有機半導体素子の製造方法
  3. 請求項1に記載の製造方法で製造された有機半導体材料でスメクチック相を有する機能層を形成することを特徴とする有機半導体素子の製造方法
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