JP3496080B2 - オキサジアゾール誘導体およびその製造方法 - Google Patents

オキサジアゾール誘導体およびその製造方法

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JP3496080B2 JP12840494A JP12840494A JP3496080B2 JP 3496080 B2 JP3496080 B2 JP 3496080B2 JP 12840494 A JP12840494 A JP 12840494A JP 12840494 A JP12840494 A JP 12840494A JP 3496080 B2 JP3496080 B2 JP 3496080B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なオキサジアゾール
誘導体およびその製造法に関し、更に詳しくは有機EL
素子、あるいは蛍光増白剤等として有用な新規なオキサ
ジアゾール誘導体およびその製造法に関する。
【0002】従来オキサジアゾール誘導体として各種の
ものが知られており、これらは有機EL素子の発光成分
あるいは電子輸送成分として有効に利用されている。例
えば、特開平3−205479号公報には、アルケニル
基や、カルバゾリル基あるいはアミノフェニル基を置換
基として有するオキサジアゾール誘導体を発光成分とし
て用いたEL素子が開示されている。しかしながら、こ
れらのオキサジアゾール誘導体は発光輝度や電子輸送性
および薄膜における製膜性に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い発光輝
度、良好な電子輸送性および薄膜において安定した製膜
性を有し、有機EL素子の構成成分として有用な新規な
オキサジアゾール誘導体およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、ある特定な構造を有
するオキサジアゾール誘導体が有機EL素子、或いは蛍
光増白剤等として有効であることを見い出し、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明によれば、 下記
一般式(A)(化1)
【化1】 (式中、Arは各々置換もしくは無置換のアルキル基、
置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換
の複素環式芳香環を表す。)で表されるオキサジアゾー
ル誘導体が提供され、また下記一般式(B)(化2)
【化2】 (ただし、Xはハロゲン原子を表す)で表される化合物
と、下記一般式(C)(化3)
【化3】 (ただし、Arは各々置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
置換の複素環式芳香環を表す。)で表される化合物とを
反応させて前記一般式(A)(化1)で表される化合物
を製造することを特徴とするオキサジアゾール誘導体の
製造方法が提供され、また下記一般式(D)(化4)
【化4】 ArCOX (D) (ただし、Arは各々置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
置換の複素環式芳香環を表す。)で表される化合物と、
下記構造式(E)(化5)の化合物が提供され、また
【化5】 とを反応させて前記一般式(A)(化1)の化合物を製
造することを特徴とするオキサジアゾール誘導体の製造
方法、更にまた下記構造式(F)(化6)
【化6】 で表される化合物と、前記一般式(D)(化4)で表さ
れる化合物とを反応させて下記一般式(G)(化7)
【化7】 (ただし、Arは各々置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
置換の複素環式芳香環を表す。)で表される化合物を製
造し、さらに、脱水反応を行うことにより、前記一般式
(A)(化1)で表される化合物を製造することを特徴
とするオキサジアゾール誘導体の製造方法が提供され、
そしてまた前記一般式(B)(化2)で表される化合物
と、下記一般式(H)(化8)の化合物
【化8】 Ar−CONHNH2 (H) (ただし、Arは上記に同じ)で表される化合物とを反
応させて前記一般式(G)(化7)で表される化合物を
製造し、さらに脱水反応を行うことにより、前記一般式
(A)(化1)で表される化合物を製造することを特徴
とするオキサジアゾール誘導体の製造方法が提供され
る。
【0005】前記一般式(A)において、アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ter
t−ブチル基等が挙げられる。また、アリール基として
は、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナン
スリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル
基、スチリル基等が挙げれられる。更に複素環式芳香環
の例としては次のような基が挙げられる。ピリジル基、
ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、フラニ
ル基、ピロリル基、チオフェニル基、キノリル基、クマ
リニル基、ベンゾフラニル基、ベンズイミダゾリル基、
ベンズオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾチ
オフェニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピラゾ
リル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサ
ゾリル基、チアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾチア
ゾリル基、ピリダジニル基、シンノリル基、キナゾリル
基、キノキサリル基等。
【0006】上記アルキル基、アリール基、複素環式芳
香環の置換基としては、下記のようなものが挙げられ
る。 (1)ハロゲン原子、水酸基、トリフルオロメチル基、
シアノ基、ニトロ基。 (2)アルキル基;好ましくは、C1〜C6、更に好まし
くはC1〜C4の直鎖または分岐鎖 のアルキル基であ
る。 (3)アリール基;炭素環式あるいは複素環式芳香環で
あり、フェニル、ナフチル、アントリル、アセナフテニ
ル、フルオレニル、フェナントリル、インデニル、ピレ
ニル、ピリジル、ピリミジル、フラニル、ピロニル、チ
オフェニル、キノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフ
ェニル、インドリル、カルバゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、キノキサリル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、
ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル等を示し、こ
れらアリール基はさらにハロゲン原子、水酸基、シアノ
基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基等
で置換されていてもよい。 (4)アルコキシ基(−OR1);R1は(2)で定義し
たアルキル基を表わす。 (5)アリールオキシ基;アリール基として(3)で定
義した基を示す。 (6)アルキルチオ基(−SR2);R2は(2)で定義
した基を示す。 したアルキル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル
基、または、(3)で定義したアリール基を表わし、ま
た、ピペリジル基、モルホリル基のように、R3とR4
が窒素原子と共同で環を形成してもよい。また、ユロリ
ジル基のようにアリール基上の炭素原子と共同で環を形
成してもよい。 (8)アルコキシカルボニル基(−COOR5);R5
(2)で定義したアルキル基、または、(3)で定義し
たアリール基を表わす。 (9)アシル基(−COR5)、スルホニル基(−SO2
5)、カルバモイル基 3、R4およびR5は上記で定義した意味を表わす。た
だし、R3およびR4においてアリール基上の炭素原子と
共同で環を形成する場合を除く。 (10)メチレンジオキシ基またはメチレンジチオ基等
のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基。 (11)下記スチリル基
【化17】 5は(1)〜(10)で定義した置換基を表わす。
【0007】本発明の一般式(A)で表されるオキサジ
アゾール誘導体は、下記の方法によって製造することが
できる。尚、各式中、Ar、Xは前記定義したものと同
じものを表わす。
【製法I】下記一般式(B)(化2)の化合物
【化2】 で表される化合物と、下記一般式(C)(化3)
【化3】 で表される化合物とを反応させて前記一般式(A)(化
1)で表されるオキサジアゾール誘導体を製造すること
ができる。
【製法II】下記一般式(D)(化4)
【化4】 ArCOX (D) で表される化合物と、下記構造式(E)(化5)
【化5】 で表される化合物とを反応させて前記一般式(A)(化
1)で表されるオキサジアゾール誘導体を製造すること
ができる。
【0008】
【製法III】下記構造式(F)(化6)
【化6】 で表される化合物と、前記(D)(化4)で表される化
合物とを反応させて下記一般式(G)(化7)
【化7】 で表される化合物を製造し(工程A−1)、次いで、脱
水反応を行うことにより(工程B−1)、前記一般式
(A)(化1)で表されるオキサジアゾール誘導体を製
造することができる。
【製法IV】前記一般式(B)(化2)で表される化合物
と下記一般式(H)(化8)
【化8】 Ar−CONHNH2 (H) で表される化合物とを反応させて前記一般式(H)(化
7)で表される化合物を製造し(工程A−)、次いで脱
水反応を行うことにより(工程B−2)、前記一般式
(A)(化1)で表されるオキサジアゾール誘導体を製
造することができる。
【0009】ここで使用される一般式(C)(化3)の
テトラゾール化合物は従来公知の方法で製造される。例
えば、Synthesis 71(1973)に記載の
方法で合成できる。また一般式(B)(化2)の化合物
と一般式(C)(化3)の化合物との反応、および、一
般式(D)(化4)の化合物と一般式(E)(化5)の
化合物との反応は、R.D.Huisgenらのオキサ
ジアゾール合成法に準じて行なわれる。例えば、Ang
ew.Chem.,72,366(1060)、Che
m.Ber.,93,2106(1960)、Tetr
ahedron,11,241(1960)、Che
m.Ber.,98,2966(1965)に記載の方
法を適用することができる。また、一般式(E)(化
5)のテトラゾール化合物は、構造式(I)(化9)
【化9】 で表される化合物を原料としてテトラゾール化すること
により製造される。その方法は前記と同様に、例えば、
Synthesis 71(1973)に記載の方法が
適用される。なお、本明細書でいう下記テトラゾール基
【化18】 下記の基
【化19】 との互変異性の関係にあって互いに変化しやすく、別々
に取り出すことが困難なものであり、両者が混在した物
であることを示すが、もちろん各々単独の物も包含され
る。また出発原料として使用される構造式(F)(化
6)は、下記一般式(J)(化10)
【化10】 (ただし、Rはアルキル基を表わす。)で表わされるエ
ステル誘導体と、ヒドラジンとの反応により容易に製造
することができる。
【0011】また出発原料として使用される一般式
(B)(化3)で示される化合物は、相当するカルボン
酸を、チオニルクロライド等のハロゲン化剤で処理する
ことにより容易に製造することができる。なお、一般式
(H)(化8)で示される化合物は公知の化合物であり
容易に入手することができる。
【0012】前記工程(A−1)あるいは、(A−2)
は、通常塩基性触媒の存在で行われる。塩基性触媒とし
ては、ピリジン、およびその誘導体、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、キノリ
ン、ピペラジン、モルホリンなどの有機塩基あるいは水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の
無機塩基が挙げられるが、特に有機の塩基性触媒が好ま
しい。
【0013】反応溶媒としては、前記一般式(G)(化
7)で表される化合物を少しでも溶解するものであれば
すべてのものが使用できるが、エタノール、ブタノール
等のアルコール系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、クロルベ
ンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が好まし
い。また、上記したピリジン等の有機の塩基性触媒を過
剰に用い、溶媒としても良い。通常、反応は、室温から
150℃で、数分から数時間で完了する。
【0014】工程(B−1)、或いは(B−2)の脱水
反応させる工程は、オキシ塩化リン、塩化チオニル、ポ
リリン酸、ホウ酸、トルエンスルホン酸等の脱水剤にて
脱水閉環し、一般式(A)のオキサジアゾール誘導体を
得るものである。このときの反応溶媒としては、工程
(A−1)、(A−2)で示した溶媒が使用できるが、
クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、キシレン、ニトロ
ベンゼン等の芳香族系溶媒、トリクロルエタン、トリク
ロルエタン等のハロゲン系溶媒等が特に好ましい。脱水
剤の使用量は、一般式(G)(化7)で示される化合物
1モルに対して1モルから10モル程度が適切である
が、例えば、オキシ塩化リンを大過剰に用い、溶媒とし
ても良い。通常、反応は、50℃から300℃で、数分
から10時間で完了する。
【0015】本発明に係わる一般式(A)で表されるオ
キサジアゾール誘導体の具体例を表1に示す。
【表1−(1)】
【0016】
【表1−(2)】
【0017】
【実施例】
実施例1 下記構造式(K)(化11)で表される化合
物の合成(一般式(B):X=Cl)
【化11】 3−(4−カルボキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−
1,1,3−トリメチル−1H−インデン−5−カルボ
ン酸16.22g(0.05mol)を反応容器に入
れ、塩化チオニル10.88ml(0.05×2×1.
5=0.15mol)とジメチルホルムアミドを2ml
加え、60℃にて3時間加熱攪拌した。最初の30分
間、激しく塩酸ガスの発生が観察された。反応終了後、
蒸留により過剰の塩化チオニルを除去し、さらに室温に
おいてアスピレーターにより十分乾燥を行い、黄色オイ
ル状物を得た(18.47g、収率102.3%)。赤
外吸収スペクトルでは3000cm-1〜2400cm-1
近傍のカルボン酸の吸収が消失し、1770-1〜174
0cm-1に酸ハロゲン化物の吸収が認められ、目的物で
あることを確認した。
【0018】実施例2 下記構造式(L)(化12)で
表される化合物の合成(一般式(C):Ar=ビフェニ
ル)
【化12】 p−シアノビフェニル20.0g(0.11mol)と
アジ化ソーダ7.98g(0.12mol)と塩化アン
モニウム6.57g(0.12mol)を反応容器に入
れ、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを55m
l加え、100℃〜110℃にて15時間加熱還流し
た。放冷後、水500mlに反応物を注ぎ、ろ過し、水
500mlで水洗を行い粗生成物24.0g(収率9
6.8%)を得た。これをジオキサン650mlにて再
結晶を行い、9.94g(収率40.1%)の白色粉末
物を得た。この化合物の分解点は239.5℃〜24
0.3℃であった。赤外吸収スペクトルは、3200c
-1〜2500cm-1にかけてテトラゾールのN−H伸
縮振動に帰属されるブロードなピークが観測され、目的
物であることを確認した。
【0019】実施例3 下記構造式(M)(化13)で
表されるオキサジアゾール誘導体の合成(一般式A:A
r=ビフェニル)
【化13】 実施例1で得られた酸クロライド誘導体2.71g
(7.5mmol)と実施例2で得られたテトラゾール
誘導体3.33g(15mmol)とを反応容器に入
れ、溶媒としてピリジン50mlを加え、16.5時間
加熱還流した。放冷後1000mlの水に反応物を注
ぎ、十分に析出させた後、ろ過し、粗生成物3.48g
(収率68.56%)を得た。これをカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;クロロホルム:テトラヒドロフラ
ン=30:1(vol.比)により精製を行い、さら
に、トルエン23mlにより再結晶を2回行い、白色粉
末状物1.48g(収率29.16%)を得た。 融点:192.0〜196.0℃ 赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1に示す。 以上のことより、目的物が得られたことが確認された。
【0020】
【応用例1】 (有機EL素子の電子注入輸送材料への応用)中性洗
剤、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、十分
洗浄を行ったITO(インジウム錫酸化物:膜厚200
0Å)基板上に、ホール注入輸送層として下記化合物
(N)(化14)を450Å、発光層として下記化合物
(O)(化15)を150Å、電子注入輸送層として前
記オキサジアゾール誘導体(M)(化13)を200
Å、さらに第二電子注入輸送層として下記化合物(P)
(化16)を250Å順次真空蒸着により形成した。さ
らに基板上にマスクをセットし、Mg:Ag=10:1
(蒸着速度比)の陰極を2000Å形成し2m/m×2
m/m角のEL素子を作成した。蒸着時の真空度は0.
7×10-6torrであり、基板温度は室温で行った。
このようにして作成したEL素子にリード線を介して直
流電圧を印加したところ電流密度30mA/cm2にお
いて392cd/m2の発光輝度が観察された。このと
きの印加電圧は8.2Vであった。EL発光ピークは4
73nmであり、発光層からの青色発光が観測された。
EL発光は発光層の蛍光成分と一致することにより、前
記オキサジアゾール誘導体(M)(化13)を電子輸送
物質とする電子注入輸送層(化13)が発光層に電子を
注入し、逆に発光層からのホール注入を受け付けず、該
オキサジアゾール誘導体(M)(化13)が電子輸送能
力およびホールブロック効果を有していることがわか
る。また、このようにして作成したEL素子を30日間
室温下で放置後、再び駆動したところ、顕著な劣化は観
察されなかった。
【化14】
【化15】
【化16】
【0022】
【応用例2】ITO(インジウム錫酸化物)を中性洗
剤、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、さら
に煮沸したイソプロピルアルコール中で5分間洗浄した
後、ゆっくりとITO基板を引き上げ、自然乾燥した。
この基板を真空蒸着装置内にセットし、0.7×10-6
torrに排気したのち、基板温度を80℃に保った。
基板温度を80℃に保ったまま、応用例1と同様に4層
の有機層を形成した。さらに、基板温度を室温に保持
し、マスクをセットし、応用例1と同様に陰極を形成し
た。このようにして作成したEL素子にリード線を介し
て直流電圧を印加したところ、電流密度30mA/cm
2において、1040cd/m2の発光輝度が観察され
た。また、電流密度10mA/cm2において、392
cd/m2の発光輝度が観察された。このEL素子は有
機層蒸着時の基板温度が室温の場合と比較して約3倍程
度高い発光効率を有している。このときの印加電圧は、
9.2V(30mA/cm2)、8.2V(10mA/
cm2)であった。EL発光ピークは475nmであ
り、青色発光であった。
【0023】
【応用例3】ITO(インジウム錫酸化物)を中性洗
剤、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、さら
に煮沸したイソプロピルアルコール中で5分間洗浄した
後、ゆっくりとITO基板を引き上げ、自然乾燥した。
この基板を真空蒸着装置内にセットし、0.7×10-6
torrに排気したのち、基板温度を110℃に保っ
た。基板温度を110℃に保ったまま、応用例1と同様
に4層の有機層を形成した。さらに、基板温度を室温に
保持し、マスクをセットし、応用例1と同様に陰極を形
成した。このようにして作成したEL素子にリード線を
介して直流電圧を印加したところ、電流密度30mA/
cm2において、1039cd/m2の発光輝度が観察さ
れた。また、電流密度10mA/cm2において、31
3cd/m2の発光輝度が観察された。このEL素子は
有機層蒸着時の基板温度が室温の場合と比較して約3倍
程度高い発光効率を有している。このときの印加電圧
は、9.8V(30mA/cm2)、8.9V(10m
A/cm2)であった。EL発光ピークは475nmで
あり、青色発光であった。応用例2、3に示す様に有機
層形成時に基板温度を上昇することにより、著しく発光
効率を向上させることが可能となる。本発明において合
成したオキサジアゾール誘導体(化13)はTg=12
3.0℃の高いガラス転移点を有するために、このよう
な膜形成時に基板温度を上げた状態で成膜しても、緻密
な薄膜を形成し、EL構成材料として優れた熱特性を有
している。
【0024】オキサジアゾール誘導体(M)(化13)
から構成される薄膜の安定性 オキサジアゾール誘導体(M)(化13)から構成され
る薄膜の凝集状態の安定性を判断するため、TG−DT
Aの測定を行った。該オキサジアゾール誘導体(M)
(化13)の結晶は193.8℃に融点を示した(図
2)。さらに、結晶を融点以上で溶融後急冷させ、ガラ
ス状態を形成し、Tg(ガラス転移点)およびTc(結
晶化温度)の測定を行ったところ、Tg=123.0
℃、また結晶化温度は観測されず、オキサジアゾール誘
導体(M)(化13)が安定なガラス状態を形成するこ
とがわかった(図3)。また、1ケ月経過後のオキサジ
アゾール誘導体(M)(化13)の蒸着膜をSEMによ
り観察したところ、結晶化等の凝集状態の変化はまった
く観察されなかった。
【0025】
【比較例】下記構造式(Q)(化16)で表されるオキ
サジアゾール化合物から構成される蒸着膜の凝集状態の
安定性を判断するため、実施例1と同様に結晶を融点以
上で溶融させた後急冷させ、ガラス状態を形成させ、T
g(ガラス転移点)およびTc(結晶化温度)の測定を
行ったところ、Tg=4.0℃、Tc=120.0℃が
観察され、前記オキサジアゾール誘導体(M)(化1
3)と比較し、結晶化が容易でありガラス状態の安定性
に欠けることがわかる(図4)。また、蒸着膜のSEM
観察を行ったところ、蒸着直後ではガラス状態を形成し
ているのに対して、1ケ月経過後では、数μmオーダー
の結晶の析出が観測された。
【化16】
【0026】
【発明の効果】本発明に係わる前記一般式(A)で表さ
れる新規なオキサジアゾール誘導体は、有機EL素子に
おいて高発光効率を示し、かつ薄膜において安定なガラ
ス状態を長期に渡って形成することができ、EL素子の
構成成分として有用なものである。また、本発明によ
り、該オキサジアゾール誘導体の有利な製造方法を提供
しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオキサジアゾール誘導体(M)(化1
3)の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)。
【図2】本発明のオキサジアゾール誘導体(M)(化1
3)の結晶のTG−DTA曲線。
【図3】本発明のオキサジアゾール誘導体(M)(化1
3)ガラス状態の結晶のTG−DTA曲線。
【図4】比較例のオキサジアゾール誘導体(M)(化1
6)ガラス状態のDSC曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田元 望 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 国際公開93/01252(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 271/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A)(化1) 【化1】 (式中、Arは各々置換もしくは無置換のアルキル基、
    置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換
    の複素環式芳香環を表す。)で表されるオキサジアゾー
    ル誘導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(B)(化2) 【化2】 (ただし、Xはハロゲン原子を表す)で表される化合物
    と、下記一般式(C)(化3) 【化3】 (ただし、Arは各々置換もしくは無置換のアルキル
    基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
    置換の複素環式芳香環を表す。)で表される化合物とを
    反応させて前記一般式(A)(化1)で表される化合物
    を製造することを特徴とするオキサジアゾール誘導体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(D)(化4) 【化4】 ArCOX (D) (ただし、Arは各々置換もしくは無置換のアルキル
    基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
    置換の複素環式芳香環を表す。)で表される化合物と、
    下記構造式(E)(化5)の化合物 【化5】 とを反応させて前記一般式(A)(化1)の化合物を製
    造することを特徴とするオキサジアゾール誘導体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 下記構造式(F)(化6) 【化6】 で表される化合物と、前記一般式(D)(化4)で表さ
    れる化合物とを反応させて下記一般式(G)(化7) 【化7】 (ただし、Arは各々置換もしくは無置換のアルキル
    基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
    置換の複素環式芳香環を表す。)で表される化合物を製
    造し、さらに、脱水反応を行うことにより、前記一般式
    (A)(化1)で表される化合物を製造することを特徴
    とするオキサジアゾール誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記一般式(B)(化2)で表される化
    合物と、下記一般式(H)(化8)の化合物 【化8】 Ar−CONHNH2 (H) (ただし、Arは上記に同じ)で表される化合物とを反
    応させて前記一般式(G)(化7)で表される化合物を
    製造し、さらに脱水反応を行うことにより、前記一般式
    (A)(化1)で表される化合物を製造することを特徴
    とするオキサジアゾール誘導体の製造方法。
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