JP4209509B2 - ピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体、その製造方法及び液晶組成物 - Google Patents

ピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体、その製造方法及び液晶組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学効果を利用する液晶素子を初めとする液晶表示材料として有用な新規な1,3−ジオキサン環の基本構造を持つピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体、その製造方法及び液晶組成物、更に詳しくは、電場などの外力により大きなトルクを持ち、かつ応答速度の速い液晶の実現が可能であり、サーモトロピックに安定な液晶状態を示し、高分子液晶のモノマー成分としても有用なピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶物質には、相転移を与える手段に基づいて、サーモトロピック液晶(温度転移型液晶)とリオトロピック液晶(濃度転移型液晶)に分類される。これらの液晶は分子配列的に見ると、スメクチック液晶、ネマチック液晶及びコレステリック液晶の三種類に分類される。
【0003】
液晶化合物は、表示材料として種々の機器で応用され、例えば、時計、電卓、テレビ、パソコンなどで一部実用化されている。現在、液晶ディスプレイなどの電子材料として実用に供されている液晶物質はサーモトロピック液晶であり、下記一般式(7);
【0004】
【化8】
Figure 0004209509
【0005】
(式中、R4 はアルキル基を示す。)で表されるシアノフェニルジオキサン系液晶化合物や、下記一般式(8);
【0006】
【化9】
Figure 0004209509
【0007】
(式中、R5 はアルキル基又はアラルキル基を示す。)で表されるシアノフェニルシクロヘキサン系液晶化合物等が知られている。
【0008】
上記のシアノフェニルジオキサン系液晶化合物やシアノフェニルシクロヘキサン系液晶化合物は、分子末端にシアノ基を持ち、シアノ基による電子吸引性により、分子長軸方向の誘電率が大きくなっており、正の誘電率異方性を有する。こうした、誘電率異方性を有する液晶は、高速で電場に応答し、また、視野特性、コントラストの点で優れた特徴を持ち、高性能な液晶表示素子を実現する材料として注目されている。液晶化合物は、その液晶状態を示す温度範囲を−40〜+80℃程度を実用上必要としており、その実現のために、多くの液晶化合物、例えば10種類程度の液晶化合物の混合系の液晶組成物として実用化されている。この混合系の液晶化合物に電圧をかけて駆動させるために、その液晶組成物のおよそ20%程度の混合比で誘電率異方性が正の液晶化合物が含有されている。この誘電率異方性が正の液晶化合物として上記のシアノフェニル系液晶化合物が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのシアノフェニル系液晶化合物を用いた液晶素子は、外部電場に対する応答速度が遅いという欠点がある。これは、混合系の液晶組成物の駆動速度は誘電率異方性の大きさに比例することから、分子長軸方向の電荷の偏りが大きく、しかも、上記のシアノフェニル系液晶化合物よりもさらに分子長軸方向の電荷の偏りの大きな液晶化合物が望まれていた。本発明者らは、前記課題を解決するものとして、イオン性のN+ 及びX- が分子内に存在することにより、分子長軸方向及び分子短軸方向の電荷の偏りが極めて大きくなることを知見し、先に下記一般式(9);
【0010】
【化10】
Figure 0004209509
【0011】
(式中、R6 、R7 は同一又は異なって炭素数1〜22のアルキル基を示し、XはCl、Br、Iのハロゲン原子を示す。)で表される1,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型イオン性化合物誘導体(特開平10−53585号公報)及び下記一般式(10);
【0012】
【化11】
Figure 0004209509
【0013】
(式中、R8 は炭素数1〜22のアルキル基を示し、R9 は炭素数1〜22のアルキル基又はアルケニル基を示し、XはCl、Br、Iのハロゲン原子を示す。)で表される1,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型イオン性化合物誘導体(特願平9−162055号公報)を提案した。
【0014】
現在、高分子液晶を用いたディスプレイは、その応答スピードの遅さゆえに実用化には至っていないが、これは、側鎖部分に結合している液晶部分の応答スピードが遅いことに起因している。また、この側鎖部分の応答スピードは、その液晶部分のもつ電荷の分離の度合いが小さいことに起因する。ネマチック液晶を用いた高分子化合物では、シアノフェニル型液晶による分子長軸方向の誘電率異方性の大きさによって分子が動いているが、この誘電率異方性による電荷の分離の大きさは極めて小さい。従って、これに電圧がかかって生じるトルクも小さい。また、これを改良した強誘電性高分子液晶においても、その駆動原因となる電荷の分離は、C=Oによる自発分極であるが、これも、誘電率異方性の場合よりは大きいものの、Cδ+ =Oδ- の小さな電荷の分離であり、高分子液晶を十分な速度で動かすには至っていない。これに対して、高分子の側鎖の液晶分子がN+ - X -というイオン部分を持つ場合、このイオン性液晶部分の大きな電荷の分離に対して電圧がかかるならば、非常に大きなトルクが生じ、液晶部分が高速な応答をすると考えられる。また、高分子液晶は、共重合により液晶の性質を変化させることもできるので、モノマーの多様化は重要である。また、通常のネマチック液晶や、強誘電性液晶のモノマーとの共重合も重要である。
【0015】
従って、本発明の目的は、電場などの外力で大きなトルクを発生させ、応答速度が速い高分子液晶のモノマー成分となりうる新規なピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体、その製造方法及びこれを有効成分とする液晶組成物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは、分子長軸方向及び分子短軸方向の電荷の偏りが極めて大きな1,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型イオン性化合物誘導体について、鋭意検討を重ねた結果、前記一般式(1)で表される新規なピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体が電場などの外力により大きなトルクを持つことが可能な化合物であることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、下記一般式(1);
【0018】
【化12】
Figure 0004209509
【0019】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R2 は炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、A1 は炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、XはCl、Br又はIのハロゲン原子を示す。)で表されることを特徴とするピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、次式;R2 X(式中、R2 及びXは前記と同じ。)で表されるハロゲン化アルキル化合物と、下記一般式(2);
【0021】
【化13】
Figure 0004209509
【0022】
(式中、R3 は炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)で表されるマロン酸ジエステル化合物とを反応させて、下記一般式(3);
【0023】
【化14】
Figure 0004209509
【0024】
(式中、R2 及びR3 は前記と同じ。)で表されるモノアルキルマロン酸ジエステル化合物を得る第1工程、
次いで、得られた前記一般式(3)の化合物を還元して、下記一般式(4);
【0025】
【化15】
Figure 0004209509
【0026】
(式中、R2 は、前記と同じ。)で示される2−アルキル−1,3−プロパンジオール化合物を得る第2工程、
次いで、得られた前記一般式(4)で表される化合物と、ピリジン−4−アルデヒドとを反応させて、下記一般式(5);
【0027】
【化16】
Figure 0004209509
【0028】
(式中、R2 は前記と同じ。)で表される4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物を得る第3工程、
次いで、得られた前記一般式(5)で表される化合物と、下記一般式(6);
【0029】
【化17】
Figure 0004209509
【0030】
(式中、R1 、X及びA1 は前記と同じ。)で表される(メタ)アクリル基を有するハロゲン化アルキル化合物とを反応させて、下記一般式(1);
【0031】
【化18】
Figure 0004209509
【0032】
(式中、R1 、R2 、X及びA1 は前記と同じ。)で表されるピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体を得る第4工程からなることを特徴とするピリニジウム塩型イオン性化合物誘導体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記ピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体を有効成分として含有する液晶組成物を提供するものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
前記一般式(1)で表されるピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体において、式中、R2 としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。A1 としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、エチルエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクタデシレン基等が挙げられる。また、XはCl又はBrが好ましく、特にBrが安定な液晶状態を形成できる点で好ましい。
【0034】
前記一般式(1)で表されるピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体の具体的な化合物を例示すると、N−(メタクリロイルオキシメチル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(メタクリロイルオキシメチル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(メタクリロイルオキシメチル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(メタクリロイルオキシメチル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(メタクリロイルオキシメチル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(メタクリロイルオキシメチル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−メタクリロイルオキシブチル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−メタクリロイルオキシブチル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−メタクリロイルオキシブチル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−メタクリロイルオキシブチル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−メタクリロイルオキシブチル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−メタクリロイルオキシブチル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−メタクリロイルオキシデシル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−メタクリロイルオキシデシル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−メタクリロイルオキシデシル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−メタクリロイルオキシデシル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−メタクリロイルオキシデシル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−メタクリロイルオキシデシル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(アクリロイルオキシメチル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(アクリロイルオキシメチル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(アクリロイルオキシメチル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(アクリロイルオキシメチル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(アクリロイルオキシメチル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(アクリロイルオキシメチル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−アクリロイルオキシエチル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−アクリロイルオキシエチル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−アクリロイルオキシエチル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−アクリロイルオキシエチル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−アクリロイルオキシエチル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(2−アクリロイルオキシエチル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−アクリロイルオキシブチル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−アクリロイルオキシブチル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−アクリロイルオキシブチル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−アクリロイルオキシブチル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−アクリロイルオキシブチル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(4−アクリロイルオキシブチル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−アクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−アクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−アクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−アクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−アクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(6−アクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−アクリロイルオキシデシル)−4−(5−メチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−アクリロイルオキシデシル)−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−アクリロイルオキシデシル)−4−(5−ブチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−アクリロイルオキシデシル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−アクリロイルオキシデシル)−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド、N−(10−アクリロイルオキシデシル)−4−(5−ウンデシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイド等が挙げられる。
【0035】
次いで、本発明の前記一般式(1)で表されるピリジニウム型イオン性化合物誘導体の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、基本的に下記の4つの反応工程からなるものである。
(第1工程)
第1工程は、次式;R2 X(式中、R2 及びXは前記に同じ。)で表されるハロゲン化アルキル化合物と、前記一般式(2)で表されるマロン酸ジエステル化合物とを強塩基性触媒の存在下で反応させて、前記一般式(3)で表されるモノアルキルマロン酸ジエステル化合物を得る工程である。
【0036】
強塩基性触媒としては、例えばナトリウム、カリウム又はリチウム等のアルカリ金属、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド、t−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等のアルキル金属化合物等が挙げられる。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類が挙げられる。
【0037】
反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃であり、反応時間は0.5〜50時間、好ましくは10〜20時間であり、還流することにより反応を行う。反応終了後、常法により中和、洗浄、抽出及び脱水等の諸操作を経て前記一般式(3)で表されるモノアルキルマロン酸ジエステル化合物を得る。
【0038】
(第2工程)
第2工程は、第1工程で得られた前記一般式(3)で表されるモノアルキルマロン酸ジエステル化合物を還元剤を含む溶媒中で還元処理を施して、前記一般式(4)で表される2−アルキル−1,3−プロパンジオール化合物を製造する工程である。還元剤としては、例えばAlH3 、LiAlH4 、LiAlH4 −AlCl3 、LiAlH(OCH3 3 、NaH−LiAlH4 、NaBH4 、LiBH4 、BH3 等の金属水素化合物、金属ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルコラートが好ましく、アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。
【0039】
反応溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、ジオキサン、トリオキサン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
【0040】
反応温度は0〜150℃、好ましくは20〜100℃であり、反応時間は0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間であり、還流下で還流処理する。還元剤は、その種類や反応条件によって異なるが、前記一般式(3)で表されるモノアルキルマロン酸ジエステル化合物に対して等モル以上、好ましくは1.5〜3モルの範囲で用いるのが好ましい。反応終了後、未反応の還元剤を酢酸エチル等のエステルにより分解し、還元剤より生じる金属はアンモニウム塩として水可溶性の塩としてエーテル層と分離する。その後、常法により、分離、精製及び脱水して前記一般式(4)で表される2−アルキル−1,3−プロパンジオール化合物を得る。
【0041】
(第3工程)
第3工程は、第2工程で得られた前記一般式(4)で表される2−アルキル−1,3−プロパンジオール化合物とピリジン−4−アルデヒドとをルイス酸の存在下で閉環反応させて、前記一般式(5)で表される4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物を製造する工程である。
【0042】
ルイス酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸等の鉱酸等が挙げられる。前記一般式(4)で表される2−アルキル−1,3−プロパンジオール化合物とピリジン−4−アルデヒドは、等モル付近の量的関係で反応させる。反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エーテル、石油エーテル、リグロイン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0043】
反応条件としては、温度は使用する溶媒により異なるが還流する温度で行われ、反応時間は0.5〜20時間、好ましくは2〜10時間であり、還流しながら副生する水を共沸により除去しながら反応を進める。反応終了後、常法により、分離、精製及び脱水処理して前記一般式(5)で表される4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物を得る。
【0044】
(第4工程)
第4工程は、第3工程で得られた前記一般式(5)で表される4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物と前記一般式(6)で表される(メタ)アクリル基を有するハロゲン化アルキル化合物とを反応させて、前記一般式(1)で示されるピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体を製造する工程である。
【0045】
反応原料となる前記一般式(6)で示される(メタ)アクリル基を有するハロゲン化アルキル化合物は、公知の方法を用いて容易に製造でき、例えば炭素数1〜18のジハロゲン化アルキル化合物と、(メタ)アクリル酸のナトリウム塩又はカリウム塩とをアルカリ剤の存在下に反応させて得られる。
【0046】
アルカリ剤としては、特に制限されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリ塩等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を混合して用いられる。アルカリ剤の添加量は、(メタ)アクリル酸金属塩に対して、通常等モル程度でよい。また、必要に応じて重合禁止剤を添加して反応を行ってもよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、チオ尿素、尿素、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニルンジアミン等を挙げることができるが、これに特に制限されるものではない。また、重合禁止剤の添加量は、得られる目的物に対して100 〜10,000ppm 、好ましくは500 〜5,000ppm程度であるが、これらは特に制限されるものではない。
【0047】
反応溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、アセトン、水等が挙げられる。反応条件としては、使用する溶媒にもよるが還流下で還流処理する。反応時間は1〜48時間、好ましくは10〜24時間である。反応終了後、常法により、分離、精製及び脱水処理して(メタ)アクリル基を有するハロゲン化アルキル化合物が得られる。
【0048】
第4工程での前記一般式(5)で表される4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物と前記一般式(6)で表される(メタ)アクリル基を有するハロゲン化アルキル化合物との反応は、通常、還流下、もしくは密閉系内で反応を行う。4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物に対する(メタ)アクリル基を有するハロゲン化アルキル化合物は、通常1〜10モル、好ましくは2〜5モルである。
【0049】
また、必要に応じて重合禁止剤を添加して反応を行ってもよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、チオ尿素、尿素、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニルンジアミン等を挙げることができるが、これに特に制限されるものではない。また、重合禁止剤の添加量は、得られる目的物に対して100 〜10,000ppm 、好ましくは500 〜5,000ppm程度であるが、これらは特に制限されるものではない。
【0050】
反応溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応条件としては、用いる溶媒の種類にもよるが、反応温度20〜100℃、好ましくは40〜80℃あり、反応時間は1〜72時間、好ましくは24〜48時間である。反応終了後、常法により、分離、精製して前記一般式(1)で示されるピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体を得ることができる。
【0051】
上記方法により得られる前記一般式(1)で示されるピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体は、サーモトロピックに安定な液晶状態を示し、分子長軸方向及び分子短軸方向の電荷の偏りが非常に大きいため、電場などの外力により大きなトルクを持つことができる新規な化合物である。また、高分子液晶化合物のモノマー成分として、例えば、所望のネマチック液晶や強誘電性液晶と共重合させて高分子液晶とすることもできる。
【0052】
本発明の液晶組成物は、一般式(1)で表されるピリジニウム型イオン性化合物誘導体を有効成分として含有する。このピリジニウム型イオン性化合物誘導体と併用できる他の液晶としては、特に制限はなく、例えばシッフ塩基系、安息香酸エステル系、アゾ系、アゾキシ系、テトラジン系、ビフェニル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘキセン系、ピリミジン系、ジシアノハイドロキノン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、ピリジウム系等の液晶化合物が挙げられる。
【0053】
また、他の任意成分としては、それ自体では液晶性を示さないが、液晶組成物と混合して液晶性を示す非液晶性の光学活性化合物が挙げられる。この例としては、例えば光学活性フェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート非液晶化合物、光学活性ナフタレン系非液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系非液晶化合物等が挙げられる。
【0054】
【実施例】
次に、実施例を挙げて更に具体的に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限するものではない。
【0055】
参考例1(第4工程で用いる6−ブロモヘキシルメタクリレートの合成)
容量200mlのなす型フラスコに、水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)、エタノール50ml、フェノチアジン0.1g、メタクリル酸8.6g(0.1モル)を加え、過剰のエタノールを減圧除去した。得られた残査はジメチルホルムアミド100mlに溶解させた。攪拌機、温度計、滴下ロート、コンデンサーを備えた容量300mlの四つ口フラスコに、トリエチルアミン1g、1,6−ジブロモヘキサン29.3g(0.12モル)を含むジメチルホルムアミド100ml溶液を得、これに、先ほどのジメチルホルムアミド溶液を、ゆっくりと滴下した。さらに、50℃で16時間還流させた。冷却後、反応液を10%冷塩酸水溶液300mlで洗浄し、続いて冷純水100mlで洗浄し、ジエチルエーテル300mlで抽出した。得られたエーテル層は、無水硫酸ナトリウムで一昼夜脱水し、ろ過後溶媒は減圧除去し、さらに減圧蒸留で100〜110℃/1mmHgの留分を分取することにより、無色透明液体15.1g(収率;60.9%)を得た。分析の結果、生成物は6−ブロモヘキシルメタクリレートであった。
【0056】
(同定データ)
1 H−NMR(δ、CDCl3 );1.2〜2.2(m、11H、−(CH2 4 −、−CH3 )、3.3〜3.6(t、2H、Br−CH2 −)、4.1〜4.4(t、2H、−CH2 −O−)、5.6〜6.3(m、2H、=CH2
IR(CHCl3 、cm-1);2850〜2950(C−H伸縮)、1700〜1750(C=O伸縮)、1640〜1660(C=C伸縮)
【0057】
参考例2(第4工程で用いる10−ブロモデシルメタクリレートの合成)
1,6−ジブロモヘキサンを1,10−ジブロモデシルに代えた以外は、参考例1と同様な反応操作により、10−ブロモデシルメタクリレートを合成した。
【0058】
実施例1
〔N−(6−アクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイドの合成〕
(第1工程:ジエチル−2−オクチルマロネイトの合成)
攪拌機、温度計、コンデンサー、容量500mlの四つ口フラスコにエタノール150ml入れ、金属ナトリウム6.9g(0.3モル)を溶解させ、ジエチルマロネート48.0g(0.3モル)を加え、冷却後、オクチルブロマイド57.94g(0.3モル)を添加した。さらに、70℃で18時間還流させた。反応液は、エバポレーターで溶媒を減圧除去し、残査をジエチルエーテル300mlに溶解させ、10%冷塩酸水溶液300mlで抽出洗浄し、続いて冷純水100mlで洗浄した。エーテル層を分液し、水層はジエチルエーテル100mlで再抽出し、合わせた。エーテル層は、無水硫酸ナトリウムで一昼夜脱水させ、ろ過後、溶媒を減圧除去させることにより黄色のオイル状生成物を得て、さらに減圧蒸留で155〜158℃/1mmHgの留分を分取することにより、黄色液体61.5g(収率;75%)を得た。分析の結果、生成物は、ジエチル−2−オクチルマロネイトであった。
【0059】
(同定データ)
1 H−NMR(δ、CDCl3 );0.6〜2.2(m、23H、−C8 17,−CH3 )、3.1〜3.6(t、1H、−CH−)、4.0〜4.5(q、4H、−O−CH2−)
IR(CHCl3 、cm-1);2850〜2950(C−H伸縮)、1720〜1760(C=O伸縮)
【0060】
(第2工程:2−オクチル−1,3−プロパンジオールの合成)
攪拌機、温度計、コンデンサー、滴下ロートを備えた容量500mlの四つ口フラスコに、脱水ジエチルエーテル100mlを入れ、リチウムアルミニウムハイドライド13.6g(0.36モル)を添加した。氷冷しながら第1工程で得られたジエチル−2−オクチルマロネイト49.1g(0.18モル)を溶解させたジエチルエーテル100mlをゆっくりと滴下した。さらに、40℃で4時間還流させた。その後、氷冷下で酢酸エチル15gを溶解させた100mlのジエチルエーテル溶液をゆっくりと滴下させた。次に、飽和塩化アンモニウム水溶液50mlを一滴ずつゆっくりと滴下し、フラスコをエーテルで満たし、攪拌した。析出物をろ別し、ろ液を得て、さらに析出物はジエチルエーテルで攪拌抽出し、先ほどのろ液と合わせた。ろ液は、10%冷塩酸水溶液100mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで一昼夜脱水させた。ろ過後、溶媒を減圧除去することにより、融点42〜44℃の白色結晶21.7g(収率;67.0%)を得た。分析の結果、生成物は2−オクチル−1,3−プロパンジオールであった。
【0061】
(同定データ)
1 H−NMR(δ、CDCl3 );0.6〜2.2(m、24H、C817−CH−)、3.5〜4.2(m、6H、−CH2 −0H)
IR(CHCl3 、cm-1);3200〜3700(O−H伸縮)、2850〜2950(C−H伸縮)
【0062】
(第3工程:4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジンの合成)
温度計、攪拌機を備えた容量100mlの三つ口フラスコにベンゼン60ml、第2工程で得られた2−オクチル−1,3−プロパンジオール10.0g(0.053モル)、ピリジン−4−アルデヒト5.6g(0.053モル)、p−トルエンスルホン酸1水塩10gを加えてpH1以下にした。130〜140℃でディーン・スターク・トラップを用いて5時間還流させた。冷却後、300mlのジエチルエーテルに溶解させ、10%炭酸ナトリウム水溶液300mlで洗浄し、水溶液が塩基性であることを確認した後、純水100mlで洗浄し、エーテル層は無水硫酸ナトリウムで一昼夜脱水させた。ろ過後、溶媒を減圧除去し、得られた残査は、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製した。(ヘキサン300ml通液後、ベンゼン300mlで流出させた)ベンゼン層は、減圧濃縮後、へキサンで2回再結精製することにより、融点53〜54℃の白色結晶4.05g(収率;27.7%)を得た。分析の結果、生成物は4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジンであった。
【0063】
(同定データ)
1 H−NMR(δ、CDCl3 );0.6〜2.2(m、24H、C8 17−CH−)、3.3〜4.5(m、4H、−CH2 −O−)、5.5(s、1H、−O−CH−O−)、7.3〜7.5(d、2H、aromtic )、8.6〜8.8(d、2H、aromatic)
IR(CHCl3 、cm-1);2850〜2950(C−H伸縮)、1610(C−C、C−N環)、1100(C−O−C伸縮)
【0064】
(第4工程:N−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイドの合成)
第3工程で得られた4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン1.39g(5mモル)、参考例1で得られた6−ブロモヘキシルメタクリレート6.22g(25mモル)、フェノチアジン0.05g、アセトニトリル5mlを溶解させ、アンプル管に入れ、窒素置換後、減圧にして溶封した。これを50℃で48時間加熱した。冷却後、アセトニトリルを減圧除去し、ヘキサンで再沈殿させることにより融点48℃の白色粉末1.75g(収率;89.5%)を得た。分析の結果、生成物はN−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)−4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブロマイドであった。
【0065】
(同定データ)
1 H−NMR(δ、CDCl3 );0.6〜2.4(m、29H、C8 17−CH−、−(CH2 4 −、−CH3 )、3.4〜4.5(m、6H、−CH2 −O−)、5.0〜5.4(q、2H、N−CH2 −)、5.6〜6.2(m、3H、−O−CH−O−、=CH2 )、8.1〜8.3(d、2H、aromatic)、9.8〜10.0(d、2H、aromatic)
IR(CHCl3 、cm-1);2850〜2950(C−H伸縮)、1700〜1750(C=O伸縮)、1640〜1660(C=C伸縮)、1600(C−C,C−N環)、1041〜1060(C−O−C伸縮)
マススペクトル;527(M+
CHN元素分析;C;60.83%(理論値61.59%)、H;8.48%(理論値8.42%)、N;2.45%(理論値2.66%)
【0066】
実施例2〜6
(第1工程)
ハロゲン化アルキル化合物(R2 X)のアルキル基(R2 )を表1に示すように代えて合成を行った以外は、実施例1と同様に行い、3種類のジエチル−2−アルキルマロネイトを得た。
【0067】
【表1】
Figure 0004209509
【0068】
(第2工程)
第1工程で得られた3種類のジエチル−2−アルキルマロネイトを用いて、実施例1と同様の操作により、対応する2−アルキル−1,3−プロパンジオールを合成した。結果を表2に記載した。
【0069】
【表2】
Figure 0004209509
【0070】
(第3工程)
第2工程で得られた3種類の2−アルキル−1,3−プロパンジオールを用いて、実施例1と同様の操作により、対応する4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジンを合成した。結果を表3に記載した。
【0071】
【表3】
Figure 0004209509
【0072】
(第4工程)
第3工程で得られた3種類の4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物又は実施例1の第3工程で得られた4−(5−オクチル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジンと、6−ブロモヘキシルメタクリレート又は10−ブロモデシルメタクリレートと反応させて、表4に示す対応するピリジニウム型イオン性化合物誘導体を合成した。結果を表4及び表5に記載した。
【0073】
【表4】
Figure 0004209509
【0074】
【表5】
Figure 0004209509
【0075】
(液晶の相転移温度の測定)
実施例1〜6で得られた化合物の相転移温度の測定結果を表6に示した。表中、「SmA 」はスメクチックA相を示す。
【0076】
【表6】
Figure 0004209509
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体は、スメクチックA相の液晶性を示すサーモトロピック液晶物質あり、電場などの外力により大きなトルクを持ち、応答速度が速い液晶の実現が可能な化合物であり、また、(メタ)アクリル基を有していることから高分子液晶のモノマー成分となり得る。また、本発明に係る製造方法によれば、このピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体を工業的に有利に製造することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1);
    Figure 0004209509
    (式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R2 は炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、A1 は炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、XはCl、Br又はIのハロゲン原子を示す。)で表されることを特徴とするピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体。
  2. 次式;R2 X(式中、R2 及びXは前記と同じ。)で表されるハロゲン化アルキル化合物と、下記一般式(2);
    Figure 0004209509
    (式中、R3 は炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)で表されるマロン酸ジエステル化合物とを反応させて、下記一般式(3);
    Figure 0004209509
    (式中、R2 及びR3 は前記と同じ。)で表されるモノアルキルマロン酸ジエステル化合物を得る第1工程、
    次いで、得られた前記一般式(3)の化合物を還元して、下記一般式(4);
    Figure 0004209509
    (式中、R2 は、前記と同じ。)で示される2−アルキル−1,3−プロパンジオール化合物を得る第2工程、
    次いで、得られた前記一般式(4)で表される化合物と、ピリジン−4−アルデヒドとを反応させて、下記一般式(5);
    Figure 0004209509
    (式中、R2 は前記と同じ。)で表される4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物を得る第3工程、
    次いで、得られた前記一般式(5)で表される化合物と、下記一般式(6);
    Figure 0004209509
    (式中、R1 、X及びA1 は前記と同じ。)で表される(メタ)アクリル基を有するハロゲン化アルキル化合物とを反応させて、下記一般式(1);
    Figure 0004209509
    (式中、R1 、R2 、X及びA1 は前記と同じ。)で表されるピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体を得る第4工程からなることを特徴とするピリニジウム塩型イオン性化合物誘導体の製造方法。
  3. 請求項1記載のピリジニウム塩型イオン性化合物誘導体を有効成分として含有する液晶組成物。
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