JP4468489B2 - 第１および第２の形式のプログラムを処理するための装置並びに方法 - Google Patents

Description

発明の分野
本発明は、一般的には、電子的プログラム・ガイドの処理の分野に関するものであり、さらに詳しくはオーディオのみのプログラム（番組）であるプログラム（番組）記述情報によって表わされるプログラムを処理するためのシステムおよび方法に関するものである。
発明の背景
テレビジョンやパーソナルコンピュータ（ＰＣ）のような電子装置は、ユーザ・インタフェース・システムを含む制御システムを必要とする。通常、ユーザ・インタフェースはユーザに情報を提供すると共に装置の使用を容易にするためのものである。ユーザ・インタフェースの一例としてテレビジョン・システムにおける電子的プログラム・ガイド（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｐｒｏｇｒａｍ Ｇｕｉｄｅ：ＥＰＧ）がある。
ＥＰＧは地方新聞あるいは他の印刷媒体に見られるＴＶ（テレビジョン）のリスティング（リストにのせる）に類似た情報を表示する対話式オン−スクリーン表示機能である。さらに、ＥＰＧはプログラム（番組）を照合し、デコードするのに必要な情報も含んでいる。ＥＰＧは、通常、次の１時間から最大７日までの範囲内にあるＥＰＧによってカバーされる時間フレーム内の各プログラムに関する情報を提供する。ＥＰＧに含まれる情報はチャンネル番号、プログラムのタイトル（表題）、開始時間、終了時間、経過時間、残り時間、（もし可能であれば）評価（ランク付け）、論題（トピック）、テーマ、そのプログラムについての簡単な説明を含んでいる。通常、ＥＰＧは一方の軸に時間情報、他方の軸にチャンネル情報を具えた２次元テーブルの形式で、あるいは格子目状フォーマットで配列されている。
専用チャンネル上に存在し、次の２乃至３時間の間の他のチャンネルに関する現在流れているプログラム（番組）を単にスクロールするだけの非対話式案内とは違って、ＥＰＧは、視聴者が将来に向ってある期間中、例えば最大で今後７日間の任意の時点における任意のチャンネルを選択することができる。さらに、ＥＰＧ機能は、プログラム（番組）情報を含む格子目内の個々のセルをハイライトする（強調する）機能を含んでいる。一旦ハイライトされると、視聴者はその選択されたプログラムに関する機能を実行することができる。例えば、そのプログラムが現在放送されておれば、そのプログラムに瞬時に切換えることができる。また、テレビジョン受像機が適正に構成されていて記録装置に接続されておれば、ワンタッチでプログラムをビデオカセットに記録（ＶＣＲ）等を行うことができる。このようなＥＰＧは従来から知られており、例えばヤング（Ｙｏｕｎｇ）氏他に与えられ、スターサイト テレカースト インコーポレイテッド（ＳｔａｒＳｉｇｈｔ Ｔｅｌｅｃａｓｔ Ｉｎｃ．）に譲渡された米国特許第５，３５３，１２１号、第５，４７９，２６８号、および第５，４７９，２６６号の明細書に記載されている。
さらに、チャニイ（Ｃｈａｎｅｙ）氏等に与えられ、本発明の譲受人と同じ譲受人に譲渡された米国特許第５，５１５，１０６号には、典型的なプログラム・ガイド・システムを実現するのに必要なデータ・パケット構造体を含む代表的な実例が詳細に説明されている。この代表的なデータ・パケット構造体は、チャンネル情報（例えば、チャンネル名、呼出し文字（コールレター）、チャンネル番号、形式等）と、プログラム（番組）に関連するプログラム記述情報（例えば、内容、タイトル、評価（各付け）、スター（俳優）等）の両方が、プログラム・ガイド・データベース・プロバイダから受信装置に効率的に伝送することができるように設計されている。
また、チャニイ氏の特許明細書に記載されているように、ユーザにとっては、例えばビデオおよびオーディオ・プログラム（番組）、オーディオのみのプログラム（番組）、ビデオのみのプログラム（番組）、あるいは実行可能なコンピュータのプログラムあるいは電子メール（Ｅ−メール）を含む各種の形式のプログラムの利用が可能であると想像される。上述の各種の形式のプログラムを唯一的に識別するために、送信されるべきプログラムの形式を示すためにプログラム・ガイド・パケット構造体中で例えば“クラス”フィールド（分野）が指定される。“クラス”フィールドは、上述のプログラムの形式にそれぞれ対応する例えば“オーディオ−ビデオ”、“オーディオ”、“ビデオ”、あるいは“データ”である。
文献１（Ｄ１）、米国特許第５，５８５，８６６号には、オーディオビジュアル（音声視覚）およびオーディオのみの両方のプログラムを受信することができる受信機が開示されている。Ｄ１に開示の受信機は、受信したオーディオのみのプログラムを再生し、同時に受信機のディスプレイ上に非可動の関連するプログラムのテキスト・データを表示することができる。勿論、ディスプレイ上に動画（アニメーション）化されたグラフィックスを含むグラフィックスを発生させるための各種の方法がその技術分野で知られている。例えば、各種の方法が文献２（Ｄ２）、コンピュータ・グラフィックスおよびインターネット技術に関する年会議の会報中（ｉｎ ｔｈｅ Ｐｒｏｃｅｅｄｉｎｇ Ｏｆ Ａｎｎｕａｌ Ｃｏｎｆｅｒｅｎｃｅ ｏｎ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｇｒａｐｈｉｃｓ ａｎｄ Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｔｅｃｈ．）の“カラー・テーブル・アニメーション（Ｃｏｌｏｒ Ｔａｂｌｅ Ａｎｉｍａｔｉｏｎ）”という名称のリチャード ジー シュラウプ（Ｒｉｃｈａｒｄ Ｇ．Ｓｈｒｏｕｐ）氏の論文、（ＳＩＧＧＲＡＰＨ’７９）、アメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ ６番、１９７９年８月８〜１０日、Ｖｏｌ．１３、ｎｏ．２、１９７９年８月、第８〜１３ページ、ＸＰ００２０７５１２８、コンピュータ・グラフィックス（ＡＣＭ）、１９７９年８月に開示されている。しかしながら、引用文献Ｄ１およびＤ２は、単独でもあるいは組合わせにおいても、オーディオのみのプログラムが付勢されているときに、自動的にあるいはユーザの要求に応答して予め蓄積（記憶）された動画（アニメーション）化されたされた画像を表示させることが望ましいことを教えていないし、それを示唆してもいない。動画（アニメーション）化された画像は、ユーザにさらに楽しみを提供することができ、また／あるいはスクリーン焼けを防止するためのスクリーン保護装置として機能することもできる。
発明の概要
従って、本発明者は、プログラム・ガイド情報中で受信した関連するプログラム（番組）記述に基づいて各形式のプログラム（番組）を別々に処理できることが望ましいことを認識した。特に、本発明者は、スクリーン上に動画化（アニメーション化）された予めプログラムされたオン−スクリーン表示メッセージを提供することが望ましく、それによってオーディオのみのプログラムが再生されているときも、ユーザは視覚的により楽しむことができるということを認識した。
従って、本発明の特徴によれば、オーディオとビデオの両方の内容をもった第１の形式のプログラムおよびオーディオのみの内容をもった第２の形式のプログラムを処理するための装置は、
動画（アニメーション）化された映像を表わす表示情報を蓄積（記憶）するためのメモリ（記憶）手段と、
選択されたプログラムがオーディオとビデオの両方の内容をもった第１の形式のプログラムであるか、オーディオのみの内容をもった第２の形式のプログラムであるかを決定する制御手段と、を具え、制御手段は、選択されたプログラムが第１の形式のプログラムであるときはオーディオの内容を再生させると共にビデオの内容を表示させ、選択されたプログラムが第２の形式のプログラムであるときはオーディオのみの内容を再生させると共に動画（アニメーション）化された映像を表示させることを特徴とする。
また、オーディオとビデオの両方の内容をもった第１の形式のプログラムおよびオーディオのみの内容をもった第２の形式のプログラムを処理するための方法は、
動画（アニメーション）化された映像を表わす表示情報を蓄積（記憶）し、
選択されたプログラムがオーディオとビデオの両方の内容をもった第１の形式のプログラムであるか、オーディオのみの内容をもった第２の形式のプログラムであるかを決定し、
選択されたプログラムが第１の形式のプログラムであるときはオーディオの内容を再生させると共にビデオの内容を表示させ、
選択されたプログラムが第２の形式のプログラムであるときはオーディオのみの内容を再生させると共に動画（アニメーション）化された映像を表示させることを特徴とする。
発明の効果
本願発明の構成により、オーディオのみのプログラムが再生されている間、予めユーザに選択されてメモリに蓄積（記憶）された動画（アニメーション）化された画像を表示させることができ、それによって、ユーザにさらなる楽しみを提供することができると共に、スクリーン焼付けを防止する効果も奏することができる。
【図面の簡単な説明】
図１は本発明に従ってオーディオのみのプログラム（番組）およびそれに関係するプログラム（番組）記述情報を含む、各種の形式のプログラムを処理するのに適したテレビジョン・システムの例を示す。
図２は本発明に従ってオーディオのみのプログラムおよびそれに関係するプログラム記述情報を含む、各種の形式のプログラムを処理するのに適したディジタル・ビデオ処理装置の例を示す。
図３は本発明に従ってオーディオのみのプログラムおよびそれに関係するプログラム記述情報を処理するのに適したディジタル・サテライト・システムの特有のインプリメンテーションのブロック図を示す。
図４は表示されたプログラム・ガイドの例を示す。
図５は本発明に従ってユーザの入力を処理し、オーディオのみのプログラムを処理する本発明によるフローチャートを示す。
図６は動画（アニメーション）スクリーンの例を示す。
発明の詳細な説明
図１は、本発明に従ってオーディオのみのプログラム（番組）およびそれに関係するプログラム（番組）記述情報を含む各種の形式のプログラムを処理するのに適したテレビジョン・システムの例を示す。図１に示すテレビジョン受像機はアナログＮＴＳＣテレビジョン信号とインターネット情報の両方を処理することができる。図１に示すシステムは、ＲＦ周波数のテレビジョン信号ＲＦ＿ＩＮを受信する第１の入力１１００と、ベースバンド・テレビジョン信号ＶＩＤＥＯ ＩＮを受信する第２の入力１１０２とを具備している。信号ＲＦ＿ＩＮはアンテナあるいはケーブルシステムのような信号源（ソース）から供給され、信号ＶＩＤＥＯ ＩＮは例えばビデオ・カセットレコーダ（ＶＣＲ）によって供給される。チューナ１１０５およびＩＦプロセッサ１１３０は通常の態様で動作して、信号ＲＦ＿ＩＮに含まれる特定のテレビジョン信号に同調し、これを復調する。ＩＦプロセッサ１１３０は、同調されたテレビジョン信号のビデオプログラム（番組）の部分を表わすベースバンド・ビデオ信号ＶＩＤＯを生成する。ＩＦプロセッサ１１３０は、またベースバンド・オーディオ信号を発生し、このベースバンド・オーディオ信号はオーディオ処理部（図１には示されていない）に供給されて、さらにオーディオ処理される。図１にはベースバンド信号としての入力１１０２が示されているが、テレビジョン受像機は、信号ＲＦ＿ＩＮあるいは第２のＲＦ信号源の何れかからの第２のベースバンド・ビデオ信号を発生するために、ユニット１１０５および１１３０と同様な第２のチューナおよびＩＦプロセッサを含むこともできる。
図１に示すシステムは、また、チューナ１１０５、ピクチャ−イン−ピクチャ（ＰＩＰ：画像内画像）処理ユニット１１４０、ビデオ信号プロセッサ１１５５、スターサイト（ＳｔａｒＳｉｇｈｔ：登録商標）データ処理モジュール１１６０のようなテレビジョン受像機の構成要素（コンポーネント）を制御するための主マイクロプロセッサ（ｍＰ）１１１０を含んでいる。ここで使用される用語“マイクロプロセッサ”は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、コントローラを含む各種の装置を表わすが、これらに限定されるものではない。マイクロプロセッサ１１１０は、周知のＩ²Ｃシリアル・データバス・プロトコルを使用したシリアル・データバスＩ²Ｃ ＢＵＳを経てコマンドとデータの双方を送受信することによってシステムを制御する。さらに具体的に云えば、主マイクロプロセッサ（ｍＰ）１１１０内の中央処理ユニット１１１２は、例えばＩＲ遠隔制御装置１１２５およびＩＲ受信機１１２２を介してユーザによって与えられるコマンドに応答して、図１に示すＥＥＰＲＯＭ １１２７のようなメモリ内に含まれている制御プログラムを実行する。例えば、遠隔制御装置１１２５で“ＣＨＡＮＮＥＬ ＵＰ（チャンネルアップ）”機能を付勢すると、ＣＰＵ １１１２はチャンネル・データと共に“チャンネル変更”コマンドをＩ²Ｃ ＢＵＳを介してチューナ１１０５に送る。その結果、チューナ１１０５はチャンネル走査リスト中にある次のチャンネルを同調する。ＥＥＰＲＯＭ １１２７中に蓄積された制御プログラムの他の例は、以下に説明するように本発明に従って図５および図６に示す動作を実行するためのソフトウエアである。
主マイクロプロセッサ１１１０はまた通信インターフェイス・ユニット１１１３の動作を制御して、情報をインターネットへ、およびインターネットからアップロードおよびダウンロードする機能を与える。通信インターフェイス・ユニット１１１３は、例えば電話回線あるいはケーブル・テレビジョン回線を経由して、例えばインターネット・サービス・プロバイダに接続するためのモデムを含んでいる。この通信機能は図１のシステムに、テレビジョン・プログラム（番組）の受信に加えて電子メール（Ｅ−ｍａｉｌ）機能、およびウエブ・ブラウザ機能（ｗｅｂ（ｗｗｗ） ｂｒｏｗｓｉｎｇ）のようなインターネットに関連する機能を与える。
ＣＰＵ １１１２はマイクロプロセッサ（ｍＰ）１１１０内のバス１１１９を経由してこのマイクロプロセッサ（ｍＰ）１１１０内の各種の機能を制御する。とりわけＣＰＵ １１１２は補助データプロセッサ１１１５とオン−スクリーン表示（ＯＳＤ）プロセッサ１１１７を制御する。補助データプロセッサ１１１５は、ビデオ信号ＰＩＰＶからスターサイト（ＳｔａｒＳｉｇｈｔ：登録商標）データのような補助データを抜き出す。
周知のフォーマットでプログラム・ガイド用データ情報を提供するスターサイト・データは一般に特定のテレビジョン・チャンネルにおいてのみ受信され、そのテレビジョン受像機はスターサイト・データを抜き出すためにそのチャンネルに同調しなければならない。スターサイト・データの抜き出しがテレビジョン受像機の通常の使用と干渉しないようにするために、ＣＰＵ １１１２はテレビジョン受像機が通常の使用状態にない（例えば、午前２時）期間中のみ特定のチャンネルに同調してスターサイト・データの抜き出しを開始する。そのとき、ＣＰＵ １１１２は、補助データがスターサイト・データ用に使用されるライン１６のような水平ライン期間から抜き出されるようにデコーダ１１１５を構成する。ＣＰＵ１１１２は、デコーダ１１１５からＩ²Ｃ ＢＵＳを経てスターサイト（ＳｔａｒＳｉｇｈｔ：登録商標）モジュール１１６０への抽出されたスターサイト・データの転送を制御する。モジュール内のプロセッサはそのデータをフォーマット化して、それを上記モジュール内のメモリに記憶させる。ＳｔａｒＳｉｇｈｔ（登録商標）ＥＰＧディスプレイの付勢に応答して（例えば、ユーザが遠隔制御装置１２５上の特定のキーを付勢する）、ＣＰＵ １１１２はフォーマット化されたスターサイト（ＳｔａｒＳｉｇｈｔ：登録商標）ＥＰＧディスプレイ・データをスターサイト・モジュール１１６０からＩ²Ｃ ＢＵＳを経てＯＳＤプロセッサ１１１７に転送する。
ＯＳＤプロセッサ１１１７は通常の態様で動作して、Ｒ、Ｇ、Ｂのビデオ信号ＯＳＤ＿ＲＧＢを生成し、このビデオ信号ＯＳＤ＿ＲＧＢが表示装置（図示せず）に供給されると、図５に示し、後程説明するフローチャートに従ってオン−スクリーン・グラフィックスおよび／またはテキストのようなオン−スクリーン表示（Ｏｎ−Ｓｃｒｅｅｎ Ｄｉｓｐａｌｙ：ＯＳＤ）情報を表わす表示画像が生成される。ＯＳＤプロセッサ１１１７はまた制御信号ＦＡＳＴ−ＳＷＩＴＣＨ（ＦＳＷ：高速スイッチ）を発生する。この制御信号ＦＳＷは、オン−スクリーン表示が表示されるべきときにシステムのビデオ出力信号中に信号ＯＳＤ＿ＲＧＢを挿入するための高速切換え（スイッチ）を制御することを意図したものである。従って、ユーザが後程説明する本発明の動画（アニメーション）機能をイネーブル化する（動作可能状態にする）と、ＯＳＤプログラム（番組）１１１７はメモリ１１２７中に予め記憶され、あるいはプログラムされたオン−スクリーン表示情報を表わす対応する信号ＯＳＤ＿ＲＧＢを生成する。例えば、ユーザが遠隔制御装置１１２５上の特定のスイッチを付勢することによってＥＰＧをイネーブル化すると、ＣＰＵ １１１２はプロセッサ１１１７をイネーブル化する。これに応答してプロセッサ１１１７は、前述のように予め抜き出されて既にメモリに記憶されているプログラム・ガイド・データ情報を表わす信号ＯＳＤ＿ＲＧＢを発生する。プロセッサ１１１７はまたＥＰＧが表示されるべきときを表わす信号ＦＳＷを発生する。
ビデオ信号プロセッサ（Ｖｉｄｅｏ Ｓｉｇｎａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ：ＶＳＰ）１１５５はルマ（輝度）およびクロマ（色）処理のような通常のビデオ信号処理機能を実行する。ＶＳＰ １１５５で生成された出力信号は、表示画像を生成するために表示装置、例えば陰極線管あるいはＬＣＤ（図１には示されていない）に供給するのに適したものである。ＶＳＰ １１５５はまた、グラフィックスおよび／またはテキストが表示された画像中に含まれるべき時期にＯＳＤプロセッサ１１１７によって生成された信号を出力ビデオ信号路に結合するための高速スイッチを含んでいる。この高速スイッチは、テキストおよび／またはグラフィックスが表示されるべき時期に主マイクロプロセッサ１１１０中のＯＳＤプロセッサ１１１７によって発生される制御信号ＦＳＷによって制御される。
ＶＳＰ １１５５用の入力信号は、ピクチャ−イン−ピクチャ（ＰＩＰ：画像内画像）プロセッサ１１４０によって出力される信号ＰＩＰＶである。ユーザがＰＩＰモードを付勢すると、信号ＰＩＰＶは小画像（小ＰＩＸ）が挿入される大画像（大ＰＩＸ）を表わす。ＰＩＰモードが消勢されると、信号ＰＩＰＶは大画像のみを表わす。すなわち、信号ＰＩＰＶ中に小画像は含まれない。ＰＩＰプロセッサ１１４０は、ユニット１１４０中のビデオスイッチ、アナログ−ディジタル変換器（ＡＤＣ）、ＲＡＭ、およびディジタル−アナログ変換器（ＤＡＣ）のような機能を使用して通常の態様で上記の機能を与える。
上述のように、ＥＰＧディスプレイ中に含まれる表示データはＯＳＤプロセッサ１１１７によって処理され、高速切換え制御信号ＦＳＷに応答してＶＳＰ １１５５によって出力信号中に含められるようにされる。例えばユーザが遠隔制御装置１１２５上の適当なキーを押したとき、制御装置（マイクロプロセッサ）１１１０がＥＰＧディスプレイの付勢を検出すると、制御装置１１１０は、ＯＳＤプロセッサ１１１７に対してスターサイト・モジュール１１６０からのプログラム・ガイド・データのような情報を使用してＥＰＧディスプレイを生成させる。制御装置１１１０は、ＶＳＰ １１５５に対して信号ＦＳＷに応答してＯＳＤプロセッサ１１１７からのＥＰＧ表示データとビデオ画像信号とを合成させて、ＥＰＧを含む表示を生成させる。ＥＰＧは表示領域の全部または一部のみを占有することができる。
ＥＰＧディスプレイが付勢されると、制御装置１１１０はＥＥＰＲＯＭ １１２７に蓄積された制御プログラムを実行する。制御プログラムは、ＥＰＧディスプレイ中のカーソルおよび／またはハイライト位置指示器（ポジション・インジケータ）のような位置指示器の位置をモニタする。ユーザは遠隔制御装置１１２５の方向および選択キーを使用して位置指示器（ポジション・インジケータ）の位置を制御する。これ以外にシステムはマウス装置を含むこともある。制御装置１１１０は、例えばマウス・ボタンのクリックのような選択装置の付勢を検出し、例えば特定のプログラム（番組）に同調する所望の機能を決定するために表示されるべきＥＰＧデータに関連する現在のカーソル位置情報を評価する。次いで制御装置１１１０は選択された機能に付帯する制御動作を付勢する。
上に述べた図１に示すシステムの機能の例示の実施例は、マイクロプロセッサ（ｍＰ）１１１０が具えた機能を与えるＳＧＳ−Ｔｈｏｍｓｏｎ Ｍｉｃｒｏｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ（エスジーエス−トムソン マイクロエレクトロニクス）社製のＳＴ９２９６マイクロプロセッサ、ＰＩＰプロセッサ１１４０が具えた前述の基本的なＰＩＰ機能を与える三菱電機（株）製のＭ６５６１６ピクチャ−イン−ピクチャ・プロセッサ、およびＶＳＰ １１５５の機能を与えるための三洋電機（株）製のＬＡ７６１２ビデオ信号プロセッサを含んでいる。
図２は、本発明に従ってオーディオのみのプログラム（番組）とそれに関係するプログラム・ガイドを処理することのできる電子装置の他の例を示す。以下に説明するように図２に示すシステムは、放送プログラム（番組）を表わすＭＰＥＧコード化トランスポート・ストリームを受信するＭＰＥＧコンパチブル・システムである。しかし、図２に示すシステムは一例にすぎない。ユーザ・インタフェース・システムもまた、他の形式のコード化されたデータストリームを必要とする非ＭＰＥＧコンパチブル・システムを含む他の形式のディジタル信号処理システムに適用することができる。例えば、他の装置は、ディジタル・ビデオ・ディスク（ＤＶＤ）システムとＭＰＥＧプログラム・ストリーム、および所謂“ＰＣＴＶ”のようなコンピュータとテレビジョンの機能を組合わせたシステムを含んでいる。さらに、以下に説明するシステムは放送プログラム（番組）を処理するものとして説明されているが、これも単なる例にすぎない。本願明細書において、“プログラム（番組）”の用語は、電話メッセージ、コンピュータ・プログラム、インターネット・データ、あるいは他の通信手段のような任意の形式のパケット化されたデータを表わすために使用されている。
概略を説明すると、図２のビデオ受信機システムにおいて、ビデオ・データで変調されたキャリアはアンテナ１０で受信され、ユニット１５で処理される。生成されたディジタル出力信号は復調器２０で復調され、デコーダ３０によってデコードされる。デコーダ３０の出力は、遠隔制御ユニット１２５からのコマンドに応答するトランスポート・システム２５によって処理される。システム２５は、蓄積し、さらにデコードするため、あるいは他のシステムへのコミュニケーション（通信）のために圧縮されたデータ出力を供給する。
ビデオおよびオーディオ・デコーダ８５、８０はそれぞれシステム２５からの圧縮されたデータをデコードしてディスプレイ用の出力を供給する。データポート７５はシステム２５からの圧縮されたデータを例えばコンピュータあるいは高精細度テレビジョン（ＨＤＴＶ）受像機のような他の装置に通信するためのインタフェースを与えている。記憶装置９０はシステム２５からの圧縮されたデータを記憶媒体１０５に記憶させる。再生モード中は記憶装置９０はまた、システム２５で処理して、デコードし、他の装置へ通信するためにあるいは異なる記憶媒体（簡略化された図面には示されていない）に蓄積させるために、記憶媒体１０５からの圧縮されたデータの検索をサポートする。
図２を子細に検討すると、アンテナ１０で受信されたビデオデータで変調されたキャリアは、入力プロセッサ１５でディジタル形式に変換され、処理される。プロセッサ１５は無線周波数（ＲＦ）チューナ、中間周波数（ＩＦ）ミキサおよび増幅段を含み、入力ビデオ信号をさらに処理するのに適した低周波数帯域に逓降変換（ダウン・コンバート）する。得られたディジタル出力信号は復調器２０で復調され、デコーダ３０でデコードされる。デコーダ３０からの出力はトランスポート・システム２５によってさらに処理される。
サービス検出器３３のマルチプレクサ（ｍｕｘ）３７には、デコーダ３０からの出力、あるいはデスクランブル・ユニット４０によってさらに処理された上記デコーダ３０の出力の何れかがセレクタ（選択器）３５を経由して供給される。デスクランブル・ユニット４０は、例えばＩＳＯ ７８１６およびＮＲＳＳ（ナショナル リニューアブル セキュリティ スタンダーズ：Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｒｅｎｅｗａｂｌｅ Ｓｅｃｕｒｉｔｙ Ｓｔａｎｄａｒｄｓ）の委員会標準によるスマート・カードのようなリムーバブル（交換可能）ユニットである。（ＮＲＳＳリムーバブル条件付きアクセス・システムはＥＩＡ 草案記録文書（Ｄｒａｆｔ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ）ＩＳ−６７９、且つプロジェクトＰＮ−３６３９で定義されている）。セレクタ３５は挿入可能で、コンパチブルなデスクランブル・カードの存在を検出し、現在ビデオ受信機ユニットにカードが挿入されているときのみユニット４０の出力をマルチプレクサ３７に供給する。それ以外の場合は、セレクタ３５はデコーダ３０からの出力をマルチプレクサ３７に供給する。挿入可能カードが存在すると、ユニット４０は例えば付加プレミアム（ｐｒｅｍｉｕｍ）プログラム（番組）・チャンネルをデスクランブルし、付加プログラム（番組）サービスを視聴者に提供することが可能になる。好ましい実施例では、ＮＲＳＳユニット４０およびスマート・カード・ユニット１３０（スマート・カード・ユニット１３０については後述する）は、任意のある時点でＮＲＳＳカードあるいはスマート・カードの何れか一方のみが挿入されるように同じシステムのインタフェースを分担している。しかしながら、インタフェースは並列動作が可能なように分けることもできる。
セレクタ３５からマルチプレクサ３７に供給されるデータは、ＭＰＥＧシステム標準、セクション２．４で特定されているようにＭＰＥＧ準拠（コンプライアント）パケット化トランスポート・データストリーム（ＭＰＥＧ ｃｏｍｐｌｉａｎｔ ｐａｃｋｅｔｉｚｅｄ ｔｒａｎｓｐｏｒｔ ｄａｔａｓｔｒｅａｍ）の形であり、プログラム・ガイド情報および１以上のプログラム（番組）チャンネルのデータの内容を含む。特定のプログラム・チャンネルを含む個々のパケットはパケット識別子（Ｐａｃｋｅｔ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｅｒｓ：ＰＩＤ）によって識別される。トランスポート・ストリームは、ＰＩＤを識別し、パケット化されたデータストリームからなるすべてのプログラム・チャンネルの内容を回復するために個々のデータ・パケットをアセンブルする。システム制御装置１１５の制御の下でトランスポート・システム２５は、通信インタフェース・ユニット１１６を経由して入力トランスポート・ストリーム、記憶装置９０あるいはインターネット・サービス・プロバイダからプログラム（番組）情報を獲得し、照合する。特定のプログラム・チャンネルの内容あるいはプログラム・ガイド情報の何れかからなる個々のパケットはヘッダ情報内に含まれるそれらのパケット識別子（ＰＩＤ）によって識別される。前述のように、プログラム・ガイド情報に含まれるプログラム記述（記述説明）は、そのプログラムに関係するタイトル、スター（俳優）、評価（格付け）等の各種のプログラム（番組）記述フィールド（記述分野）を含んでいる。
図２に示すビデオ受信機に組み込まれたユーザ・インタフェースは、ユーザがオン−スクリーン表示（Ｏｎ−Ｓｃｒｅｅｎ Ｄｉｓｐｌａｙ：ＯＳＤ）メニューから所望の機能を選択することによって各種の機能を付勢することができるようにする。ＯＳＤメニューは前述のような電子的プログラム・ガイド（ＥＰＧ）および以下に述べるような他の機能を含んでいる。
ＯＳＤメニューに表示されるデータ表示情報は、テキスト／グラフィックスを表わすオン−スクリーン表示（ＯＳＤ）情報、記憶されたプログラム・ガイド情報、記憶されたグラフィックス情報、および／または上述のように入力信号を経て受信されたプログラム・ガイドおよびテキスト／グラフィックス情報に応答して、以下に説明する図５に示された代表的な制御プログラムに従ってシステム制御装置１１５によって発生される。図５のソフトウエア制御プログラムはシステム制御装置１１５によって例えば組み込みメモリ（図示せず）に記憶される。
遠隔制御ユニット１２５（あるいはマウスのような選択手段）を使用して、ユーザはＯＳＤメニューから見ようとするプログラム（番組）、記録すべきプログラム、記録媒体の形式、および記録の態様のような項目を選択することができる。システム制御装置１１５はインタフェース１２０によって与えられる選択情報を使用して、記録および表示用プログラム（番組）を選択し、選択された記録装置および媒体（メディア）に適したＰＳＩを発生させるようにシステム２５を構成する。制御装置１１５は、素子４５、４７、５０、５５、６５および９５内の制御レジスタの値をデータバスを介して設定することによって、および制御信号Ｃによってマルチプレクサ３７および１１０を経て信号路を選択することによって、システム２５の上記素子４５、４７、５０、５５、６５および９５を構成する。
制御信号Ｃに応答して、マルチプレクサ３７は、ユニット３５からのトランスポート・ストリーム、あるいは再生モードでは記憶インタフェース９５を経て記憶装置９０から検索されたデータストリームの何れかを選択する。通常の非再生動作では、ユーザが見るために選択したプログラム（番組）を含むデータ・パケットは選択ユニット４５でそれらのＰＩＤによって識別される。選択されたプログラム・パケットの見出しデータ（ヘッダ・データ）中の暗号化インジケータが、パケットが暗号化されていることを示すと、ユニット４５はそのパケットを復号（解読）ユニット５０に送る。それ以外の場合は、ユニット４５は非暗号化パケットをトランスポート・デコーダ５５に供給する。同様に、記録（蓄積）のためにユーザが選択したプログラムを含むデータ・パケットが選択ユニット４７でそれらのＰＩＤによって識別される。ユニット４７は、パケットの見出し（ヘッダ）暗号化インジケータ情報に基づいて暗号化されたパケットを復号ユニット５０に供給し、非暗号化パケットをマルチプレクサ１１０に供給する。
復号器（復号ユニット）４０および５０の機能は、ＮＲＳＳ標準とコンパチブルな単一のリムーバブル（交換可能な）スマート・カード中で実行される。この方法は、サービス・プロバイダが暗号化技法を変更したいとき、あるいは例えば異なるサービスをデスクランブルするためにセキュリティ・システムを容易に変更できるようにしたいときに、容易に置換できる１個のリムーバブル・ユニット中にすべてのセキュリティに関連する機能を配置するものである。
ユニット４５および４７は、マルチプレクサ３７によって与えられた入力パケットのＰＩＤを制御装置１１５によって上記ユニット４５および４７内の制御レジスタ中に予めロードされたＰＩＤの値と整合させるＰＩＤ検出フィルタを使用している。記録されるべきデータ・パケットおよびビデオ画像を生じさせるに当たって使用するためにデコードされるべきデータ・パケットを識別するために、上記予めロードされたＰＩＤはユニット４７および４５中で使用される。予めロードされたＰＩＤはユニット４５および４７中のルックアップ・テーブル中に記録される。ＰＩＤルックアップ・テーブルは、暗号化キーを各予めロードされたＰＩＤと関連させるユニット４５および４７中の暗号化キー・テーブルにマップ（写像）されたメモリである。メモリ・マップド（ｍａｐｐｅｄ）ＰＩＤおよび暗号化キー・ルックアップ・テーブルは、ユニット４５および４７が予めロードされたＰＩＤを含む暗号化パケットを、それらの復号を可能にする関連する暗号化キーに整合させるようにする。非暗号化パケットは関連する暗号化キーをもたない。ユニット４５および４７は識別されたパケットおよびそれらに関連する暗号化キーを復号器（復号ユニット）５０に供給する。ユニット４５中のＰＩＤルックアップ・テーブルもまた、予めロードされたＰＩＤを含むパケットをパケット・バッファ６０中の対応する宛て先（デスティネーシン）バッファ・ロケーション（位置）に整合させる宛て先テーブルにマップされたメモリである。見るためにあるいは記録するためにユーザが選択したプログラム（番組）に関連する暗号化キーおよび宛て先バッファ・ロケーションのアドレスは制御装置１１５によって割り当てられたＰＩＤと共にユニット４５および４７中に予めロードされる。暗号化キーは、入力データストリームから取出された暗号化コードからＩＳＯ ７８１６−３コンプライアント・スマート・カード・システム１３０によって発生される。暗号化キーの発生は、入力データストリーム中のコード化された情報から決定された、および／または挿入可能なスマート・カード自体（国際標準機構の１９８９年の文書ＩＳＯ ７８１６−３にはスマート・カード・システム用のインタフェースおよび信号の構成が指定されている）に予め記録された顧客の権利に支配される。
ユニット４５および４７によってユニット５０に供給されるパケットは、商務省（Ｄｅｐａｒｔｍｅｎｔ ｏｆ Ｃｏｍｍｅｒｃｅ）、国家技術情報サービス（Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｔｅｃｈｎｉｃａｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｓｅｒｖｉｃｅ）によって提供される連邦情報標準（Ｆｅｄｅｒａｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｓｔａｎｄａｒｄｓ：ＦＩＰＳ）の刊行物（Ｐｕｂｌｉｃａｔｉｏｎｓ）４６、７４および８１で定義されたデータ暗号化標準（Ｄａｔａ Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ Ｓｔａｎｄａｒｄ：ＤＥＳ）のような暗号化技術を使用して暗号化される。ユニット５０は選択された暗号化アルゴリズムに適した復号技術を適用することにより、ユニット４５および４７によって与えられる対応する暗号化キーを使用して暗号化されたパケットを復号する。表示用プログラム（番組）を含むユニット５０からの復号済パケットおよびユニット４５からの非暗号化パケットはデコーダ５５に供給される。記録用のプログラム（番組）を含むユニット５０からの復号済パケットおよびユニット４７からの非暗号化パケットはマルチプレクサ１１０に供給される。
ユニット６０は制御装置１１５によってアクセス可能な４個のパケット・バッファを具備している。これらのバッファのうちの１個は制御装置１１５で使用するように予定されたデータを保持するために割り当てられ、他の３個のバッファはアプリケーション装置７５、８０および８５で使用するように予定されたパケットを保持するために割り当てられる。制御装置１１５およびアプリケーション・インタフェース７０の双方によるユニット６０内の４個のバッファに記憶されたパケットに対するアクセスはバッファ制御ユニット６５によって制御される。ユニット４５は、デコーディング（復号）のためにこのユニット４５によって識別された各パケット用の宛て先フラグをユニット６５に供給する。フラグは個々のユニット６０に識別されたパケット用の宛て先ロケーションを指示し、制御ユニット６５によって内部メモリ・テーブル中に記憶される。制御ユニット６５は、先入れ先出し（ＦＩＦＯ）の法則に基づいてバッファ６０に記憶されたパケットに付帯する一連の読出し／書込みポインタを決定する。宛て先フラグと共同して書込みポインタは、ユニット４５または５０からの識別されたパケットをユニット６０内の適当な宛て先バッファ内の次の空き位置に連続して記憶させることができるようにする。読出しポインタは、制御装置１１５およびアプリケーション・インタフェース７０によって適当なユニット６０の宛て先バッファから連続読出しができるようにする。
ユニット４５および５０によってデコーダ５５に供給された非暗号化パケットおよび復号済パケットは、ＭＰＥＧシステム標準のセクション２．４．３．２によって指定されているようなトランスポート・ヘッダを含んでいる。デコーダ５５は、非暗号化および復号済パケットが（ＭＰＥＧシステムの標準毎に）適応分野（アダプテーション・フィールド：ａｄａｐｔａｔｉｏｎ ｆｉｅｌｄ）を含むか否かをトランスポート・ヘッダから決定する。適応分野は、コンテント（内容）パケットの同期化とデコーディングを可能にする例えばプログラム・クロック・レファレンス（Ｐｒｏｇｒａｍ Ｃｌｏｃｋ Ｒｅｆｅｒｅｎｃｅ：ＰＣＲ）を含むタイミング情報を含んでいる。アダプテーションの分野を含むパケットであるタイミング情報パケットの検出時に、デコーダ５５は、システムを割り込みにセットすることによって割り込みメカニズムを経てパケットが受信されたことを制御装置１１５に通知する。さらに、デコーダ５５はユニット６５中のタイミング・パケット識別フラグを変更して、そのパケットをユニット６０に供給する。ユニット６５の宛て先フラグを変更することにより、ユニット６５はデコーダ５５によって与えられるタイミング情報パケットを、アプリケーション・バッファ・ロケーションの代わりに、制御装置１１５で使用するためのデータを保持するために割り当てられたユニット６０のバッファ・ロケーションに方向転換させる。
デコーダ５５でセットされたシステムの割り込みを受信したとき、制御装置１１５はタイミング情報およびＰＣＲ値を読取り、それを内部メモリに記憶させる。連続するタイミング情報パケットのＰＣＲ値は、システム２５のマスター・クロック（２７ＭＨｚ）を調整するために制御装置１１５で使用される。制御装置１１５で発生された連続するタイミング・パケットの受信相互間の時間間隔のＰＣＲ基準評価値とマスター・クロック基準評価値との間の差はシステム２５のマスター・クロックを調整するために使用される。制御装置１１５は、マスター・クロックを発生させるために使用される電圧制御発振器の入力制御電圧を調整するために、取出された時間評価値の差を供給することによってこれを実行する。制御装置１１５は、タイミング情報を内部メモリに記憶させた後、システムの割り込みをリセットする。
ユニット４５および５０から供給されてデコーダ５５で受信された、オーディオ、ビデオ、キャプション（表題、見出し、説明、挿絵等）、および他の情報を含むプログラム（番組）の内容を含むパケットは、ユニット６５によってデコーダ５５からパッケット・バッファ６０中の指定されたアプリケーション装置のバッファに導かれる。アプリケーション制御ユニット７０は、バッファ６０中の指定されたバッファからのオーディオ、ビデオ、キャプション、および他のデータを連続して取出して（検索して）、そのデータを対応するアプリケーション装置７５、８０および８５に供給する。アプリケーション装置は、オーディオ・デコーダ８０、ビデオ・デコーダ８５、および高速データ・ポート７５を含んでいる。例えば、パケット・データは後程説明する図５に示すフローチャートによるプログラムの形式によって処理される。また、上述のような制御装置１１５によって発生された複合プログラム・ガイドに対応するパケット・データはビデオ・デコーダ８５に送られて、このビデオ・デコーダ８５に接続されたモニタ（図示せず）上に表示させるのに適したビデオ信号にフォーマット化される。また、例えばデータ・ポート７５はコンピュータ・プログラムのような高速データをコンピュータに供給するために使用される。また、これ以外にポート７５を、例えば選択されたプログラムあるいはプログラム・ガイドに対応する画像を表示させるために、出力データをＨＤＴＶデコーダに供給するためにも使用することができる。
ＰＳＩ（Ｐｒｏｇｒａｍ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ：プログラム（番組）特定情報）を含むパケットはユニット６０中の制御装置１１５のバッファ用に予定されたユニット４５によって認識される。プログラム（番組）内容を含むパケットについて説明した態様と同じ態様でＰＳＩパケットはユニット４５、５０および５５を経てユニット６５によってこのバッファに導かれる。制御装置１１５はユニット６０からＰＳＩを読取り、それを内部メモリ内に記憶させる。
制御装置１１５はまた記憶されたＰＳＩから圧縮された（ｃｏｎｄｅｎｓｅｄ）ＰＳＩ（ＣＰＳＩ）を発生して、このＣＰＳＩを選択可能な記憶媒体上に記憶させるのに適したパケット化されたデータストリームに組み入れる。パケットの識別および方向付けは、前述のように、ユニット４５および４７のＰＩＤ、宛て先および暗号化キー・ルックアップ・テーブル、および制御ユニット６５の機能と共同して制御装置１１５により支配される。
さらに、制御装置１１５は、図１のインタフェース・ユニット１１１３と同様な態様で動作する通信インタフェース・ユニット１１６に結合されている。即ち、ユニット１１６はインターネットへの情報のアップロードおよびインターネットからの情報のダウンロードを行う能力を与える。通信インターネット・ユニット１１６は、例えば電話回線あるいはケーブル・テレビジョン回線を経て、例えばインターネット・サービス・プロバイダに接続するためのモデムを含んでいる。この通信能力により、図２に示すシステムはテレビジョンプログラム（番組）の受信に加えて電子メール（Ｅ−ｍａｉｌ）機能、およびウエブ・ブラウザ機能（ｗｅｂ（ｗｗｗ） ｂｒｏｗｓｉｎｇ）のようなインターネットに関連する機能を与えることができる。
図３は図２に全体的に示し、上に詳細に説明した電子装置の特定の実例を示す。図３は衛星受信セットトップ・ボックスを示し、これはヒューズ エレクトロニクス（Ｈｕｇｈｅｓ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ）より提供されているＤｉｒｅｃＴＶ（ディレクＴＶ：登録商標）衛星サービスを受信するために、アメリカ合衆国 インディアナ州 インディアナポリスにあるトムソン コンシユーマ エレクトロニクス（Ｔｈｏｍｓｏｎ Ｃｏｎｓｕｍｅｒ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ）社で設計され、製造されたものである。
図３に示すように、セットトップ・ボックスは衛星アンテナ３１７からの９５０〜１４５０ＭＨｚの範囲の適用可能な衛星ＲＦ信号を受信し、同調するチューナ３０１を有している。同調されたアナログ信号はリンク・モジュール３０２に出力されてさらに処理される。リンク・モジュール３０２はチューナ３０１から送られるアナログ同調信号Ｉ＿ｏｕｔおよびＯ＿ｏｕｔに応答して、これらのアナログ信号の濾波および条件付け（コンディショニング）、アナログ信号のディジタル出力信号ＤＡＴＡへの変換を含めて、上記アナログ同調信号Ｉ＿ｏｕｔおよびＯ＿ｏｕｔをさらに処理する。リンク・モジュール３０２は集積回路（ＩＣ）として構成されている。リンク・モジュールＩＣは、フランス国 グルノーブルにあるエスジーエス−トムソン マイクロエレクトロニクス（ＳＧＳ−Ｔｈｏｍｓｏｎ Ｍｉｃｒｏｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ）で製造されたもので、部品番号ＳＴ １５３３９−６１０をもっている。
リンク・モジュール３０２からのディジタル出力ＤＡＴＡは、トランスポート・ユニット３０３で認識され、処理可能な準拠（コンプライアント）パケット化データストリームからなる。図２に関連して詳細に説明したようにこのデータストリームは、ディレクＴＶ（Ｄｉｒｅｃｔ ＴＶ）からの衛星放送サービスの１あるいはそれ以上のプログラム・チャンネルのプログラム・ガイドデータ情報とデータの内容を含んでいる。上述のように、プログラム・ガイドデータは、例えば“クラス（ｃｌａｓｓ）”の形式によって指示されるようなプログラムの形式（例えば、オーディオのみ、ビデオのみ等）に関連する情報を含んでいる。
トランスポート・ユニット３０３の機能は図２に示すトランスポート・システム２５と同じで、既に説明した通りである。上述のように、トランスポート・ユニット３０３はヘッダ情報中に含まれるパケット識別子（ＰＩＤ）に従ってパケット化されたデータストリームを処理する。処理されたデータストリームは次いでＭＰＥＧコンパチブル、圧縮オーディオおよびビデオ・パケットにフォーマット化され、さらに処理するためにＭＰＥＧデコーダ３０４に結合される。
トランスポート・ユニット３０３は、ＲＩＳＣ（Ｒｅｄｕｃｅｄ Ｉｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ Ｓｅｔ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ）ベースのマイクロプロセッサであるアドバンスドＲＩＳＣマイクロプロセッサ（ＡＲＭ）３１５によって制御される。ＡＲＭマイクロプロセッサ３１５はＲＯＭ ３０８中にある制御ソフトウエアを実行するものである。そのソフトウエアの１つのコンポーネントは、以下に説明するように本発明の特徴に従って、それらのプログラムの形式に従ってそのプログラムを処理する例えば図５に示す制御プログラムである。
トランスポート・ユニット３０３は集積回路として実現される。トランスポート・ユニットの好ましい実施例は、例えば部品番号ＳＴ １５２７３−８１０あるいはＳＴ １５１０３−６５Ｃをもったエスジーエス−トムソン マイクロエレクトロニクス（ＳＧＳ−Ｔｈｏｍｓｏｎ Ｍｉｃｒｏｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ）社製のＩＣでよい。
トランスポート・ユニット３０３からの、ＭＰＥＧコンパチブル、圧縮オーディオおよびビデオ・パケットはＭＰＥＧデコーダ３０４に送られる。ＭＰＥＧデコーダはトランスポート・ユニット３０３から送られる圧縮ＭＰＥＧデータストリームをデコードする。デコーダ３０４は適用可能なオーディオ・ストリームを出力し、このオーディオ・ストリームはディジタル・オーディオ・データをアナログ音声に変換するためにオーディオ・ディジタル−アナログ変換器（ＤＡＣ）３０５によってさらに処理される。デコーダ３０４はまた画像ピクセル情報を表わす適用可能なディジタル・ビデオ・データをＮＴＳＣエンコーダ（符号器）３０６に出力する。ＮＴＳＣエンコーダ３０６はこのビデオ・データをさらに処理して、通常のＮＴＳＣテレビジョン・スクリーン上にビデオ画像が表示されるようにＮＴＳＣコンパチブル・アナログ・ビデオ信号に変換する。ＭＰＥＧデコーダの好ましい実施例の一例は、部品番号ＳＴ １３５２０をもったエスジーエス−トムソン マイクロエレクトロニクス（ＳＧＳ−Ｔｈｏｍｓｏｎ Ｍｉｃｒｏｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ）社製のＩＣである。
ＭＰＥＧ ＩＣ ３０４中にＯＳＤプロセッサ３２０が含まれる。ＯＳＤプロセッサ３２０は記憶されたＯＳＤ情報を含むＳＤＲＡＭ ３１６からデータを読取る。ＯＳＤ情報はビットマップＯＳＤグラフィックス／テキスト画像に対応する。ＯＳＤプロセッサ３２０は、通常の態様でＲＡＭマイクロプロセッサ３１５の制御の下でＯＳＤ画像の各ピクセルの色を変更することができる。
ＯＳＤプロセッサ３２０は、また、ＡＲＭプロセッサ３１５の制御の下で、図４に示すような典型的なプログラム・ガイドを発生する必要がある。本発明の代表的な実施例では、案内表示を発生させるユーザの要求が検出されると、ＡＲＭマイクロプロセッサ３１５はプログラム・ガイド情報プロバイダによって提供されるデータストリームから得られたプログラム・ガイドデータ情報を処理し、この案内データ情報を図４に示す全“格子目状案内（ｇｒｉｄ ｇｕｉｄｅ）”に対応するＯＳＤピクセル・データにフォーマット化する。次いで、トランスポート・ユニット３０３からのＯＳＤピクセル・データは、前述の案内情報を作成するためにＭＰＥＧオーディオ／ビデオ・デコーダ３０４中のＯＳＤプロセッサ３２０に転送される。
図４に示すように、“格子目状案内（ｇｒｉｄ ｇｕｉｄｅ）”４００は、通常ディスプレイの全スクリーンを占有する。格子目状案内４００は、新聞の一覧表に示されたＴＶの番組表と同様な時間−チャンネルの形式でプログラム（番組）表を示す。具体的には、案内の一方の次元（例えば水平）は時間情報を示し、案内の他方の次元（垂直）はチャンネル（番組）情報を示している。案内の頂部に時間ライン４０１を設けることによってユーザに時間情報が通知され、その時間情報は３０分間隔で区切られている。チャンネル番号４１０〜４１６と対応するチャンネル局名４２０〜４２６によってユーザにチャンネル情報が提供される。
さらに、プログラム・ガイドにはアイコンであるインターネット４５０と電子メール（Ｅ−メール）４６０が含まれている。これらのアイコンをクリックすることにより、ユーザはインターネットをネットサーフィンすることができ、また通信インタフェース・ユニット３０７を通して電子メールをそれぞれ送信、受信することができる。さらに、インターネットのウエブ・サイト・アイコンをプログラム・ガイド格子目内に組み込むこともできる。例えば、格子目４７０内の“ＥＳＰＮ．ｃｏｍ”をクリックすることによりユーザは、例えばＥＳＰＮウエブ・サイトに自動的にリンクされる。
図３のさらに別の関連する機能は、例えばインターネットにアクセスするための図２に示す通信インタフェース・ユニット１１６に相当するモデム３０７を含んでいる点である。条件付きアクセス・モジュール（Ｃｏｎｄｉｔｉｏｎａｌ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｏｄｕｌｅ：ＣＡＭ）３０９は図２に示すＮＲＳＳ解読ユニット１３０に相当し、条件付きアクセス情報を提供する。広帯域データ・モジュール３１０は図２に示す高速データ・ポート７５に相当し、例えばＨＤＴＶあるいはコンピュータに対するアクセス用高速データを供給する。キーボード／ＩＲ受信機モジュール３１２は図２に示す遠隔ユニット・インタフェース１２０に相当し、ユーザ制御ユニット３１４からのユーザ制御コマンドを受信する。ディジタルＡＶバス・モジュール３１３は図２に示すＩ／Ｏポート１００に相当し、ＶＣＲやＤＶＤプレヤーのような外部装置への接続を行う。
図５は、本発明の特徴による機能を実行するための、図１のＣＰＵ１１１２、図２の制御装置１１５、図３のＡＲＭマイクロプロセッサ３１５の何れかによって実行される代表的な制御プログラムのフローチャートを示す。制御プログラムは、図１乃至図３で説明したシステムの何れのシステムで実行した場合も、本発明による同等機能を与えるものであることは当業者には明らかである。従って、冗長を避けるために、以下では図３に示す代表的なハードウエア構成に関してのみ制御プログラムを説明する。
ステップ５１０に示し且つ上で説明したように、本発明の特徴に従って表示されるグラフィックス／テキスト画像を表わすオン−スクリーン表示情報は、一般に事前プログラム（プリプログラム）されており、例えばＳＤＲＡＭ ３１６中に既に蓄積されている。また、ステップ５１５に示すように、図３に示すシステムは、プログラム・ガイド・データ中に記述されている各プログラム用のプログラム・ガイドデータ中に含まれるプログラム記述情報を処理し、記憶する。特に、プログラムの形式（例えば、オーディオのみ、ビデオのみ、オーディオ−ビデオ、データ等）を表わす“クラス”情報はＡＲＭプロセッサ３１５で検索され、ＤＲＡＭ ３１６中に蓄積される。
ステップ５２０で、ユーザは図３に示すシステムのユーザ制御ユニット３１４を使用して、例えば図４に示すプログラムを含む格子目をハイライトすることにより、この図４に示すプログラム・ガイドからプログラムを選択することができる。一例として、図４に示すように、ユーザは格子目４３０のプログラム“ＳＯＮＧ １”をハイライトして、そのプログラム“ＳＯＮＧ １”を選択している。
一旦プログラム（番組）が選択されると、ＡＲＭプロセッサ３１５は、ステップ５２５に示されているように、選択されたプログラムがオーディオのみのプログラムであるか否かを決定する。前述のように、ＡＲＭプロセッサはこの選択されたプログラム用のプログラム・ガイドデータ中に含まれる“クラス”情報を検査することにより、上記の決定をする。ＲＡＭプロセッサ３１５が、このプログラムはオーディオのみのプログラムではなく、例えばオーディオとビデオの情報を同時にもつプログラムであると決定すると、ＡＲＭプロセッサ３１５はこのプログラムを通常通りに処理して、ステップ５３０に示すように、受信したビデオを表示し、同時にプログラムの受信したオーディオ部分を再生する。
一方、ステップ５２５においてＡＲＭプロセッサが受信したプログラムがオーディオのみのプログラムであると決定すると、ステップ５３５に示すように、ＡＲＭプロセッサ３１５はユーザが予め動画（アニメーション）機能を選択しているか否かをさらに決定する。ＡＲＭプロセッサがユーザが動画（アニメーション）機能を予め選択していないことを決定すると、ステップ５４０に示すように、ＡＲＭプロセッサは受信したオーディオ・プログラムを再生し、ブランク（空白）または青のスクリーンのみを表示させる。一方、ＡＲＭプロセッサ３１５がユーザが動画（アニメーション）機能を予め選択しており、選択されたプログラムがオーディオのみのプログラムであると決定すると、ＡＲＭプロセッサはステップ５４５に進む。
ステップ５４５でＡＲＭプロセッサ３１５は、ＯＳＤプロセッサ３２０に対して、メモリ３１６から本発明による動画（アニメーション）機能を実行するためのプログラムされたＯＳＤ情報を検索するよう命令する。ＡＲＭプロセッサ３１５は、またＯＳＤプロセッサ３２０に対してディスプレイ６００上に図６に示すようなＯＳＤ情報を表示するするように命令する。
本発明の代表的な実施例におけるＯＳＤ情報は複数のスクリーン素子６０１〜６０６を有するスクリーンに対応する。この場合のスクリーン素子は、例えば一連の動物の足跡プリント６０１〜６０６である。ＡＲＭプロセッサは、さらにプロセッサ３２０に対して、このオーディオのみのプログラムに関するプログラム・ガイド情報中に含まれる関係するプログラム記述情報を表示するように命令する。例えば、このプログラムの内容、タイトル、アーチスト、クラスの形式に関するプログラム記述情報が図６に示すようにスクリーン６００上に表示される。
さらに本発明の実施例におけるオン−スクリーン素子６０１〜６０６の動画（アニメーション）効果を達成するために、ＡＲＭプロセッサはスクリーン素子６０１〜６０６の色体系（ｃｏｌｏｒ ｓｃｈｅｍｅ：カラー・スキーム）を変更する。例えば、ＡＲＭプロセッサはＯＳＤプロセッサ３２０に対し、最初動物の足跡プリント６０１〜６０６すべてを背景色（例えば青）と同じ色で表示するように命令する。次にＯＳＤプロセッサは、動物の足跡プリント６０１から始まって動物の足跡プリント６０６等に向けて各足跡プリントの色を順次変化させる。これによって視聴者は、足跡を後ろに残して、その足跡が上のほうに段々と進んで行くように見える可視効果を得ることができる。
さらに、ここで述べたような動画（アニメーション）機能で使用される同じオン−スクリーン表示情報をスクリーンの保護用としても使用することができる。例えば、ユーザの最後のコマンドがユーザ制御手段３１４により入力されてからの経過時間を追うタイマ・ルーチンを持たせることができる。ユーザの最後の入力後ある時間（例えば３分）経過すると、ＡＲＭプロセッサはＯＳＤプロセッサに対して上述の動画（アニメーション）機能で使用された同じＯＳＤ情報を表示させるように命令し、それによってスクリーン焼けを防止することができる。このことは、２つの目的を達成するのに同じＯＳＤ情報を使用することによりシステムの資源（リソース）、特にメモリの資源を保存するので有利である。
ここで図示し、説明した各実施例は単なる説明のためのもので、本発明の範囲内および本発明の精神から逸脱しない範囲で各種の修正、変更が可能なことは当業者には明らかである。

Claims (5)

1. オーディオとビデオの両方の内容をもった第１の形式のプログラムおよびオーディオのみの内容をもった第２の形式のプログラムを処理するための装置であって、
   アニメーション化された映像を表わす表示情報を蓄積するメモリ手段であって、前記アニメーション化された映像を表示する機能は、予めユーザによって選択される、前記メモリ手段と、
   選択されたプログラムがオーディオとビデオの両方の内容をもった前記第１の形式のプログラムであるか、オーディオのみの内容をもった前記第２の形式のプログラムであるかを決定する制御手段と、
   を具え、
   前記制御手段は、選択されたプログラムが前記第１の形式のプログラムであるときはオーディオの内容を再生させると共にビデオの内容を表示させ、選択されたプログラムが前記第２の形式のプログラムであるときはオーディオのみの内容を再生させると共に前記アニメーション化された映像及び前記第２の形式のプログラムの内容に関する情報を表示させる、
   前記処理するための装置。
2. 前記制御手段は、受信したプログラム・ガイド情報に基づいてプログラムの形式を決定する請求項１の装置。
3. 前記アニメーション化された映像が、スクリーン保護機能を有する請求項１の装置。
4. オーディオとビデオの両方の内容をもった第１の形式のプログラムおよびオーディオのみの内容をもった第２の形式のプログラムを処理するための方法であって、
   アニメーション化された映像を表わす表示情報を蓄積するステップであって、前記アニメーション化された映像を表示する機能は、予めユーザによって選択される、前記蓄積するステップと、
   選択されたプログラムがオーディオとビデオの両方の内容をもった第１の形式のプログラムであるか、オーディオのみの内容をもった第２の形式のプログラムであるかを決定するステップと、
   選択されたプログラムが第１の形式のプログラムであるときはオーディオの内容を再生させると共にビデオの内容を表示させるステップと、
   選択されたプログラムが第２の形式のプログラムであるときはオーディオのみの内容を再生させると共に前記アニメーション化された映像及び前記第２の形式のプログラムの内容に関する情報を表示させるステップと、
   を含む、前記処理するための方法。
5. 前記決定するステップが、受信したプログラム・ガイド情報に基づくものである請求項４の方法。

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