JP4465700B2 - ノイズフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズフィルタなどの電子機器の筐体内部にプリント基板を取付けた電子機器の機構構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題 】
従来の大電流用ノイズフィルタは、例えば特開平7−45457号公報などに開示されるように、断面矩形または台形の平角電線を筒状に巻回した同じ巻回方向の2個の分割巻線を8の字状につないだ2個以上のめがね形巻線と、一対の脚部を有する分割型の閉磁路コアとを組み合わせたチョークコイルを、外部接続端子を備えた箱形のケース本体に収納して構成される。また別の例えば特開平11-297540号公報や、特開2000-150250号公報には、鍔部を有するボビンの筒部に前述の平角電線を使用しためがね形巻線を巻いて構成されるノイズフィルタに関し、鍔部と筒部とからなる一対のボビン素体でボビンを構成し、各ボビン素体の筒部の先端を凹凸嵌合してボビンを組み合わせたものが開示され、このボビンの筒部にU形コアを構成する一対の脚部を一側から挿入し、一方のボビン素体からU形コアの脚部両側にある溝にU形ボルトを嵌めて、U形ボルトの先端のねじ部を他方のボビン素体から外側に突出させ、さらに締結用金具をU形ボルトの先端側から嵌合して装着し、U形ボルトにナットを螺合して締め付けることで、一体化したコイル組立体を得るようにしている。
【0003】
この場合、めがね形巻線を流れる電流が多くなるほど、平角電線の断面積ひいてはめがね形巻線の全体形状も大型化するので、特にボビンの筒部の長さがその分だけ必要になり、樹脂量が増加するという問題がある。また、部品点数を減らすためには、ボビンの形状を共通化したいという要求もある。さらに、閉磁路コアが大型化した場合は、閉磁路コアを製造する上で、一対の脚部間の寸法公差を大きく取りたいが、複数のボビンを嵌合連結した構造では、各ボビン毎の動きに自由度がなくなり、脚部間の寸法公差を厳しく管理しないと、組立時においてボビンの筒部に閉磁路コアの脚部が挿通できない虞れを生じる。
【0004】
また、上記各公報におけるノイズフィルタは、いずれも基盤などの取付面に取付けられる底面すなわち被取付面から反対側の上面に至る上下方向の高さが、左右側面間の左右方向の幅や、前後側面の前後方向の幅よりも短かい、いわゆる低背型形状を有している。そのため、被取付面の占有面積が大きく、限られた基盤などの取付スペースにノイズフィルタを上手く配置することが困難であった。
【0005】
こうした問題に対し、本願出願人は図10に示すような形状のノイズフィルタを提案している。同図において、ケース101は、左右側面の一側に開口部102を有するケース本体103と、このケース本体103の開口部を覆うケースカバー104とにより構成される。ケース本体103には、断面矩形の平角電線を筒状に巻回した同じ巻回方向の2個の分割巻線105,106を8の字状につないで構成される3個のめがね形巻線107が、チョークコイルの構成部品として設けられる。ここでの各めがね形巻線107は、入力端子121から出力端子122に至る三相の各電源ラインに挿入接続されるが、単相の各電源ラインに対し、2個のめがね形巻線107を挿入接続してもよい。
【0006】
ケース101は、低背型と同じように、被取付面115と、その反対側にある前面116と、左右側面117と、上下側面118とにより外面を形成しているが、入力端子121付きの端子台123、および出力端子122付きの端子台124は、他の外部機器との配線の作業性を高めるために、上下側面118ではなく前面116に各々取付けられている。また、低背型とは異なり、チョークコイルを構成するめがね形巻線107の上面および底面が、ケース101の左右側面117に対向するように縦置きに設けられる。これにより、被取付面115の占有面積を極力少なくして、限られた基盤取付面などのスペースにノイズフィルタを上手く配置できるようにしている。
【0007】
上記縦長矩形箱状のケース101を有するノイズフィルタでは、中央が開口した分割巻線105,106の上部および底部が左右側面117に臨むように、めがね形巻線107を縦置きに配置せざるを得ないため、分割巻線105,106の引出し端部126,127は、ケース101の前後方向に沿って一列に並設される。そのため、製造時において入力端子121と引出し端部126、および出力端部122と引出し端部127をそれぞれ連結する際に、開口部102から見て下側にある引出し端部126,127は、その真上に位置する引き出し端部126,127が取付け作業の邪魔となり、作業性が極めて悪い。また、各分割巻線105,106の両端部である引出し端部126,127は、めがね形巻線107の中心Cから見て、一番離れた対角線上の位置から引出されているため、入力端子121から引出し端部126に至る距離と、出力端子122から引出し端部127に至る距離が一致しなくなり、これらの間を同一の部品で連結することができない。
【0008】
本発明は、上記問題点に着目して成されたものであって、閉磁路コアの脚部の寸法公差を大きく取ることができ、コイルの端部から入力端子、およびコイルの端部から出力端子に、同一形状の連結部材を使用することができると共に、コイルの端部の取付け作業時において、その上側にある別のコイルの端部が作業の邪魔にならない製造性に優れたノイズフィルタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1におけるノイズフィルタは、コイルと、このコイルを保持する鍔部と筒部を有する複数のボビンと、前記ボビンの筒部に挿通する一対の脚部を有する閉磁路コアとを組み合わせてチョークコイルとし、このチョークコイルをケース内に収容してなるノイズフィルタにおいて、前記コイルの軸芯方向に配置される前記ボビンの各筒部を貫通して円筒状の絶縁フィルムを配設し、さらに前記ケースには、入力端子と出力端子が上下方向両側の離れた位置に各々設けられ、前記チョークコイルは、第1コイルユニットと第2コイルユニットとにより構成され、前記第1コイルユニットと前記第2コイルユニットのそれぞれの前記コイルは、平角電線を巻回してなる2個の分割巻線を8の字状につないだめがね形巻線を重ね合わせて構成され、このめがね形巻線は、前記各分割巻線が向かい合う部分から、同一直線状で平行に且つ外側反対方向に延設する一端部と他端部とを有し、前記一端部と他端部に、螺着部材を取付け固定する孔を同軸上に配置すると共に、前記螺着部材をねじ止めする際に使用する棒状工具が挿通可能となるように、前記孔が開口形成され、前記第1コイルユニットの他端部と前記第2コイルユニットの一端部は、前記孔に前記螺着部材を挿通して、この螺着部材を螺着することで接続され、前記第1コイルユニットの一端部は、前記孔に前記螺着部材を挿通して、この螺着部材を螺着することで、前記入力端子に取付けた連結部材に接続され、前記第2コイルユニットの他端部は、前記孔に前記螺着部材を挿通して、この螺着部材を螺着することで、前記出力端子に取付けた連結部材に接続されるように構成される。
【0010】
この場合、コイルを保持する各ボビンの筒部に、閉磁路コアの一対の脚部を挿通してチョークコイルを組み立てる。その際、コイルの軸芯方向に配置されるボビンの各筒部を貫通して、ある程度柔軟性を有する円筒状の絶縁フィルムが配設されるため、チョークコイルの組立時において、コイルの軸芯方向に配置されたボビンを相互に嵌合連結させる必要がない。そのため、ある程度自由に各ボビンを動かすことができ、閉磁路コアの脚部を各ボビンの筒部にスムーズに挿通させることができる。これにより、各ボビンの筒部を短く形成できる分、ボビンの小形化を達成できると共に、閉磁路コアの脚部間の寸法公差を厳しく管理する必要もない。
【0011】
また、積層しためがね形巻線の端部に螺着部材を利用して他の部材を取付ける際に、その上側にあるめがね形巻線の端部に開口形成した孔から棒状工具を挿通すれば、前記螺着部材を支障なくねじ止めすることが可能になる。したがって、コイルの端部の取付け作業時において、その上側に別のコイルの端部があっても、作業の邪魔にはならず、製造性を向上させることができる。
【0012】
しかも、入力端子や出力端子との接続を図るための両端部が、一対の分割巻線の向かい合う位置から、同一直線上で平行にかつ外側反対方向に引出されているので、コイルの両端部の引出し方向と直交して入力端子や出力端子があっても、コイルの両端部から入力端子や出力端子に至る距離が一致する。したがって、コイルの端部から入力端子、およびコイルの端部から出力端子に、同一形状の連結部材を使用することができる。
【0013】
さらに、第1コイルユニットおよび第2コイルユニットをケースに並設した時に、連結部材などを介さず各めがね形巻線を同一直線状に揃えて接続することができる。
【0014】
本発明の請求項2におけるノイズフィルタは、前記閉磁路コアを両側から保持固定するクランプ部材を、前記ケースの外郭面に取付けたことを特徴とする。
【0015】
このようにすると、本来閉磁路コアを保持固定するために設けたクランプ部材を、ケースの外郭面を補強する補強部材として兼用することができる。
【0016】
本発明の請求項3におけるノイズフィルタは、前記コイルが筒形に巻回した4個の分割巻線を接続してなり、入力側から順に前記第1コイルユニットを構成する第1の分割巻線および第2の分割巻線と、前記第2コイルユニットを構成する第3の分割巻線および第4の分割巻線が四角形の四隅に配置されると共に、前記閉磁路コアは前記第1の分割巻線と前記第4の分割巻線に前記各脚部が挿通する第1のコアと、前記第2の分割巻線と前記第3の分割巻線に前記各脚部が挿通する第2のコアとからなることを特徴とする。
【0017】
この場合、第1の分割巻線と第1のコアの一方の脚部とにより第1のインダクタンスが形成され、隣り合う第2の分割巻線および第3の分割巻線と第2のコアの各脚部とにより第2のインダクタが形成され、第4の分割巻線と第1のコアの他方の脚部とにより第3のインダクタンスが形成される。つまり、閉磁路コアの配置を変えるだけで、2個のインダクタンスから3個のインダクタンスにチョークコイルとしての特性を容易に変えることが可能になる。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、本発明におけるノイズフィルタについて添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
以下、本発明のノイズフィルタについて添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図9は本発明の一実施例を示すものであり、図1および図2において、1は例えばFA(Factory Automation)用装置や工作機に設けられる縦置きの基盤で、この基盤1の垂直面である平坦な取付面2に、ノイズフィルタ3の外郭をなすケース4が取付け固定される。このケース4は金属製で、前記基盤1の取付面2に対向し当接する被取付面11を底面に形成すると共に、この被取付面11とは反対側に前面すなわちフロント面12を形成し、その間に一対の第1の側面である上下側面13と第2の側面である左右側面14をそれぞれ形成しており、その内部には後述するチョークコイル41が縦置きに配置される、いわゆる縦長矩形箱状を有する。なお実際には、各外面11〜14の縁部に湾曲状の面取りを形成したものや、後述する区画部15をフロント面12から前方に突出させたものも、ここでいう矩形箱状として許容する。
【0020】
17は被取付面11と面一に形成された取付部で、これはケース4の上下側面13よりフランジ状に延設される。取付部17はケース4を取付面2に確実に取付けるためのものであって、取付部17に形成したネジ挿通部18に止め具であるネジ(図示せず)を挿通し、これを取付面2のネジ孔(図示せず)に螺着することで、取付部17がネジの頭部と取付面2との間に挟持され、ケース4が略垂直な取付面2に取付け固定される。特に本実施例では、上方の取付部17にあるネジ挿通部18を丸穴とすることにより、ネジの仮止め状態において、ケース4が落下することを防止できる。
【0021】
ケース4のフロント面12には、三相の各電源ラインに対応して3個の入力端子21と出力端子22を各々左右方向に並設した端子台23,24が取付けられる。この端子台23,24は実際には同一部品で、フロント面12の上下方向両側の離れた位置に各々設けられている。また、端子台23,24の間には、フロント面12より前方に突出する区画部15が形成される。区画部15の前面は、端子台23,24を保護するために、この端子台23,24の上端部よりも若干高い位置に形成される。26は入力端子21に近傍にあるグランド端子、27は出力端子14の近傍にあるグランド端子で、これらの接地用のグランド端子26,27は、いずれも入力端子21や出力端子22の左右方向に並設してフロント面12上に配置される。入力端子21,出力端子22およびグランド端子26,27には、いずれも止着部材である同一形状のねじ28が螺着されており、これらの各端子21,22,26,27へのリード線取付け作業は、ケース4の取付面2への取付作業を含めて、いずれも同じドライバーなどの工具で、同じ方向から行なえるようになっている。なお、29はケース4内に空気の流通路を形成するための風穴である。
【0022】
次に、ノイズフィルタ3の内部構造を図3〜図8にて説明する。前記ケース4は、図3に示すケース本体32と、このケース本体32の底面をなす底板33と、ケース本体32の一側面にある開口部34を覆うケースカバー35とにより構成され、このケースカバー35をねじ止めするための折曲げ部36が、ケース本体32の開口部34周縁に何ヶ所か折曲げ形成される。ケース本体32には、入力端子21から出力端子22に至る三相の各電源ラインに挿入接続されるチョークコイル41と、チョークコイル41以外のノイズ除去回路を構成する3つに分割した電子部品ユニット42(42A〜42C)がそれぞれ配設される。
【0023】
チョークコイル41は、連結部材であるバスバー43を介して入力端子21にコイル44の一端部45が接続する第1コイルユニット47と、別の連結部材であるバスバー48を介して出力端子22にコイル49の他端部51が接続する第2コイルユニット52とにより構成され、コイル44の他端部46とコイル49の一端部50が接続可能に重なり合うように、各コイルユニット47,52がケース本体32の内部に配置される。第1のコイルユニット47は、各電源ラインに2個のめがね形巻線を並列接続した合計で6個のめがね形巻線55A〜55Fを備えている。同様に第2のコイルユニット52も、各電源ラインに2個のめがね形巻線を並列接続した合計で6個のめがね形巻線56A〜56Fを備えている。めがね形巻線55A〜55F若しくはめがね形巻線56A〜56Fは、いずれも同じ巻回方向に並べてケース本体32の左右方向に配設される。
【0024】
ここで、一つのめがね形巻線55Aに着目すると、めがね形巻線55Aは図3に示すように、断面矩形(直方形)または台形の平角電線を厚さ方向に積層し、厚さ方向と直交する幅方向が筒形の巻線の中心を向くようにして、円筒状をなす第1の分割巻線57を所定の巻数で巻回し、そこから8の字状に別の第2の分割巻線58を所定の巻数で巻回して形成される。ここでの第1の分割巻線57と第2の分割巻線の巻数は、コモンモードチョークコイルを形成するときには漏洩インダクタンスと浮遊容量を小さくし、かつインダクタンス本体を小形化にするため同じ巻数にするが、ノーマル成分を必要とする場合は、数ターンの差で双方の筒形巻線を形成する。めがね形巻線55Aは機械で巻回できるが、特に本実施例においては、そのまき始めと巻き終りの両端に引出された一端部45と他端部46が、第1の分割巻線57と第2の分割巻線58の向かい合う部分から、同一直線上で平行に、外方反対方向に所要の長さに延ばして設けられる。これは、第1コイルユニット47の他のめがね形巻線55B〜55Fのみならず、別の第2コイルユニット52の各めがね形巻線56A〜56Fにおける一端部50と他端部51についても、同じように構成される。このように各めがね形巻線55A〜55F,56A〜56Fを構成する一対の分割巻線57,58の向かい合う部分から、両端部を同一直線上で平行に、かつ互いが外側反対方向に延設することで、コイルユニット47,52を本体ケース33に並設した時に、連結部材などを介さずに各めがね形巻線55A〜55F,56A〜56Fを同一直線上に揃えて接続することができる。また、めがね形巻線55A〜55Fの一端部45と直交する方向にある入力端子21から、めがね形巻線55A〜55Fの一端部45に至る距離と、同じようにめがね形巻線56A〜56Fの他端部51と直交する方向にある出力端子22から、めがね形巻線56A〜56Fの他端部51に至る距離が一致し、同じ形状の連結部材すなわちバスバー43,48を用いることが可能になる。
【0025】
コイルユニット47,52を構成するコイル44,49としては、断面が略円形の丸線を使用することも可能であるが、ここでは占積率が高く大電流に適した平角電線からなるめがね形巻線55A〜55F,56A〜56Fを使用し、コイル44,49の半径方向の線材幅が巻芯方向の線材幅より大となるように縦巻きに巻かれている。各めがね形巻線55A〜55Fまたは各めがね形巻線56A〜56Fはいずれも同一形状で、各めがね形巻線55A〜55Fの一端部45には、バスバー43や電子回路ユニット42Aに接続するリード61の先端部との連結用の孔62が同軸上に設けられる。また、一方の各めがね形巻線55A〜55Fの他端部46と、他方の各めがね形巻線56A〜56Fの一端部50にも、双方のめがね形巻線55A〜55F,56A〜56F(例えば、めがね形巻線55A,55Bと対応するめがね形巻線56A,56B)と、電子回路ユニット42Bに接続するリード63の先端部との連結用の孔64が同軸上に設けられる、さらに、各めがね形巻線56A〜56Fの他端部51にも、バスバー48や電子回路ユニット42Cに接続するリード65の先端部との連結用の孔66が同軸上に設けられる。これらの孔62,64,66には、いずれもねじやナットなどの螺着部材67が取付け固定されるが、この螺着部材67をねじ止めする際に使用するドライバーなどの棒状工具が挿通可能な大きさに、各孔62,64,66が形成される。
【0026】
図6〜図8に示すように、各めがね形巻線55A〜55Fまたは各めがね形巻線56A〜56Fの両側には、同一形状をなす絶縁材料からなる複数のボビン71が設けられる。このボビン71は周知のように、コイル44,49を構成する各めがね形巻線55A〜55F若しくは各メガネ形巻線56A〜56Fを保持するもので、鍔部72と、この鍔部72の一方向に突出する筒部73とにより構成される。また、筒部73の直径は、各めがね形巻線55A〜55F若しくは各メガネ形巻線56A〜56Fの直径よりも若干小さく、いずれも各めがね形巻線55A〜55F若しくは各メガネ形巻線56A〜56Fの開口した各軸芯部68に、一つのボビン71の筒部73が挿通するように、各ボビン71が装着される。このとき、各ボビン71の筒部73は同軸上に配置されるが、その先端は別のボビン71とは嵌合しておらず、代わりに各ボビン71の筒部73と各めがね形巻線55A〜55F若しくは各メガネ形巻線56A〜56Fの軸芯部68を貫通して円筒状の絶縁フィルム74が配設される。この絶縁フィルム74は、絶縁性を有しかつ柔軟性に富む材料ならば、どのようなものでも構わない。75は同一形状の2個のUU形コア76,76を突き合わせて構成される分割型の閉磁路コアで、これは一対の脚部77が前述の絶縁フィルム74の円筒中心部を貫通するようにして配設される。なお、図6では一方のめがね形巻線55A〜55Fのみ図示しているが、他方のめがね形巻線56A〜56Fも同様に構成される。
【0027】
第1のコイルユニット47は、前記めがね形巻線55A〜55Fと、ボビン71と、絶縁フィルム74と、閉磁路コア75の他に、これらの各部材からなる組立体をコイルユニット47の両側から保持する一対のクランプ部材79を設けて構成される。同様に、第2のコイルユニット52も、前記めがね形巻線56A〜56Fと、ボビン71と、絶縁フィルム74と、閉磁路コア75の他に、これらの各部材からなる組立体をコイルユニット52の両側から保持する一対のクランプ部材79を設けて構成される。クランプ部材79には、前記組立体をその間に挟持するための連結部材80が設けられる。本実施例における連結部材80は、クランプ部材79の両側にある孔81を挿通するボルトと、このボルトの両端に螺着されるナットとにより構成されるが、これに限定されるものではない。また、各クランプ部材79は、窓部82を有する凹状のコア押え部83が形成される。窓部82の一側には、コア押さえ部83に装着した閉磁路コア75の脚部77に嵌合する一対のコア嵌合片84が形成される。このコア嵌合片84により、閉磁路コア75の振動に伴なうぐらつきを防止する。ここには図示していないが,場合によっては、一方のコア嵌合片84に弾性部材としてのスプリングを設け、閉磁路コア75を常時一方向に付勢する構成としてもよい。このようにすると、閉磁路コア75を構成する一対のUU形コア76,76は、各クランプ部材79に設けられた弾性部材により、常に同じ方向に押されてクランプ部材79の別な部位(他方のコア嵌合片84)突き当てられることになり、各UU形コア76,76に若干の寸法公差があったとしても、UU形コア76,76の突き合せ面が一致する。よって、突き合せ面のずれによる磁束の漏れなどの懸念を一掃できる。また、脚部77の両側(前後方向)を押すようにコア嵌合片84を設けるだけでなく、これと直交する脚部77の方向(左右方向)を押すように、別のコア嵌合部を設けてもよい。こうすると、閉磁路コア75の振動に伴なうぐらつきが一層防止される。その他、クランプ部材79には、ケース4の三面に取付け可能なネジ孔付きの取付け部86〜88が異なる三方向にそれぞれ形成される。これにより、クランプ部材79は単に閉磁路コア75を保持する部材としてではなく、ケース4の補強リブとしても作用する。なお、本実施例の閉磁路コア75は、断面が八角形に形成されているが、例えば四角形や六角形でもよく、その断面形状は任意である。
【0028】
このように構成されるノイズフィルタ3の製造に際しては、先ず、ケース本体32の開口部34を上に向け、ケース本体32の所定位置に電子回路ユニット42A〜42Cを取付けると共に、この電子回路ユニット42A〜42Cのコネクタ(図示せず)を利用して、外部との接続用のリード61,63,65をそれぞれ装着する。また、各入力端子21と出力端子22にそれぞれバスバー43,48の基端部を接続する。次に、製造時においてケース本体32の底面に当る左右側面14の一方に、それぞれコイルユニット47,52を構成する一方のクランプ部材79を取付ける。この取付けに際しては、ケース本体32の左右側面14に形成した図示しない長孔にねじを挿通し、このねじをクランプ部材79の取付け部86に螺着して仮固定する。また、区画部15の前面にある孔91にねじ92を挿通し、このねじをクランプ部材79の取付け部87に螺着して仮固定する。これらのねじの挿通孔を長孔とする理由は、完成したコイルユニット47,52の取付け位置を調整できるようにするためである。
【0029】
その後は、コイルユニット47,52の組立て作業が実質的に行なわれる。これを第1のコイルユニット47に着目して説明すると、先ず、閉磁路コア75を構成する一方のUU形コア76を、脚部77の突き合せ面が上を向くようにして、クランプ部材79のコア押さえ部83に装着する。すると、脚部77の両側がコア嵌合片84に嵌合され、そこで仮固定される。次に、クランプ部材79に取付けたUU形コア76の脚部77に絶縁フィルム74を取付け、同一形状をなす7個のボビン71の間に6個のめがね形巻線55A〜55Fを介在させながら、これらのボビン71とめがね形巻線55A〜55Fを絶縁フィルム74を利用して順に積層する。その際、コイルユニット47の最も外側にあるボビン71だけは、完成したコイルユニット47として筒部73が外方に突出しないように、筒部73をめがね形巻線55Aおよびめがね形巻線55Fの軸芯部68に向かい合わせて装着する。なお、ボビン71やめがね形巻線55A〜55Fの積層数は、実施例に限定されない。ボビン71を構成する筒部73は、各めがね形巻線55A〜55Fの軸芯方向の厚さよりも短く、各ボビン71はお互いに嵌合されることなく独立して装着される。一方のUU形コア76の脚部77だけでは、全てのボビン71とめがね形巻線55A〜55Fを積層することはできないが、この場合は二つのUU形コア76,76の各脚部77に挿通する長さの絶縁フィルム74を先に取付けているので、この絶縁フィルム74を利用して全てのボビン71とめがね形巻線55A〜55Fを支障なく積層することができる。そして、全てのボビン71とめがね形巻線55A〜55Fを積層した後で、この積層体の上側から他方のUU形コア76を装着し、互いのUU形コア76,76の脚部77を突き合わせる。
【0030】
上記一対のUU形コア76,76を組み合わせた磁性部材からなる閉磁路コア75は、各UU形コア76の脚部77間の寸法公差が比較的大きいが、コイル44ひいては各めがね形巻線55A〜55Fを保持する個々のボビン71間に、柔軟性に富む絶縁フィルム74を介在させているため、コイルユニット47の組立時にボビン71を相互に嵌合連結させる必要がない。そのため、ある程度自由に各ボビン71を動かすことができ、閉磁路コア75の脚部77を筒部73にスムーズに挿通させることができる。
【0031】
そして、他方のクランプ部材79のコア押さえ部83に他方のUU形コア76を装着し、このUU形コアの脚部77両側をコア嵌合片84に嵌合させた後、双方のクランプ部材79の対向する孔81を利用して連結部材80を取付け、ボビン71とめがね形巻線55A〜55Fからなる積層体を、一対のクランプ部材79,79間に挟持固定する。これにより、コイルユニット47の組立て作業が完了する。なお、コイルユニット52の組立て作業についても全く同様にして行われるが、本実施例では一方のコイルユニット47を構成するめがね形巻線55A〜55Fの他端部46と、他方のコイルユニット52を構成するめがね形巻線56A〜56Fの一端部50が重なり合うため、実際にはコイルユニット47,52で交互にめがね形巻線55A〜55Fとめがね形巻線56A〜56Fを組み立てて行く。
【0032】
コイルユニット47,52の組立て作業が終了すると、各部の配線に伴なう取付け作業が行なわれる。入力端子21側の取付け作業では、入力端子21に予め取付けたバスバー43の先端部と、これに対応する一対のめがね形巻線(例えば、55Eと55F)の一端部45と共に、電子回路ユニット42Aに予め接続したリード61の先端部を重ね合わせ、孔60に螺着部材67であるねじを挿通して裏側にあるナット(図示せず)にこのねじを螺着することで、これらの各部材を相互に接続する。その場合、めがね形巻線55E,55Fの上側にある他のめがね形巻線55A〜55Dの一端部45には、ドライバーの先端部が挿通可能な孔60が同軸上に配置されるため、この孔60を通して下側のめがね形巻線55E,55Fの一端部45に、バスバー43やリード61の先端部を支障なく取付けることができる。
【0033】
また、出力端子22側の取付け作業も、バスバー48の先端部と、これに対応する一対のめがね形巻線(例えば、56Eと56F)の他端部51と共に、電子回路ユニット42Cに予め接続したリード65の先端部を重ね合わせ、孔66に螺着部材67であるねじを挿通して裏側にあるナット(図示せず)にこのねじを螺着することで、これらの各部材を相互に接続する。その場合、めがね形巻線56E,56Fの上側にある他のめがね形巻線56A〜56Dの一端部51には、ドライバーの先端部が挿通可能な孔66が同軸上に配置されるため、この孔66を通して下側のめがね形巻線56E,56Fの一端部51に、バスバー48やリード65の先端部を支障なく取付けることができる。
【0034】
さらに、コイル44,49間の取付け作業についても、一対のめがね形巻線(例えば、55Eと55F)の他端部46と、これに対応する一対のめがね形巻線56E,56Fの一端部50と共に、電子回路ユニット42Bに予め接続したリード63の先端部を重ね合わせ、孔64に螺着部材67であるねじを挿通して裏側にあるナット(図示せず)にこのねじを螺着することで、これらの各部材を相互に接続する。その場合、めがね形巻線55E,55F,56E,56Fの上側にある他のめがね形巻線55A〜55Dの他端部46と、別のめがね形巻線56A〜56Dの一端部51には、ドライバーの先端部が挿通可能な孔64が同軸上に配置されるため、この孔64を通して下側のめがね形巻線55E,55Fの他端部46や、めがね形巻線56E,56Fの一端部50を、リード63の先端部と共に支障なく取付けることができる。
【0035】
その後、ケース本体32の底面に底板33を取付けると共に、ケース本体32の開口部34にケースカバー35を取付けることで、ノイズフィルタ3に関する全ての組立て作業が完了する。ケース本体32に底板33を取付ける際には、各クランプ部材79,79の取付け部88にあるねじ孔が、底板33に形成した挿通孔(図示せず)に一致するように、ケース本体32に仮固定したコイルユニット47,52の位置を調整する。そして、この状態で底板33に形成した挿通孔にねじを挿通して、このねじを取付け部88のねじ孔に螺着する。また、ケース本体32にケースカバー35を取付ける場合も、同様に後で取り付けたクランプ部材79の取付け部86にあるねじ孔が、ケースカバー35に形成した挿通孔96に一致するように、ケース本体32に仮固定したコイルユニット47,52の位置を調整する。そして、この状態でケースカバー35に形成した挿通孔96にねじ97を挿通して、このねじ97を取付け部88のねじ孔に螺着する。これにより、各クランプ部材79,79がケース4の三面で強固に取付け固定されると共に、ケース4の補強用リブとして作用する。
【0036】
以上のように本実施例では、コイル44,49と、このコイル44,49を保持する鍔部と筒部を有する複数のボビン71と、ボビン71の筒部73に挿通する一対の脚部77を有する閉磁路コア75とを組み合わせてチョークコイル41とし、このチョークコイル41をケース4内に収容してなるノイズフィルタ3において、コイル44,49の軸芯方向に配置されるボビン71の各筒部73を貫通して円筒状の絶縁フィルム74を配設し、さらにケース4には、入力端子21と出力端子22が上下方向両側の離れた位置に各々設けられ、チョークコイル41は、第1コイルユニット47と第2コイルユニット52とにより構成され、第1コイルユニット47のコイル44と第2コイルユニット52のコイル49は、平角電線を巻回してなる2個の分割巻線57,58を8の字状につないだ複数のめがね形巻線55A〜55F,56A〜56Fを重ね合わせて構成され、このめがね形巻線55A〜55F,56A〜56Fは、前記各分割巻線57,58が向かい合う部分から、同一直線上で平行にかつ外側反対方向に延設する両端部(一端部45,50や他端部46,51)を有し、一端部45,50と他端部46,51に、螺着部材67を取付け固定する孔62,64,66を同軸上に配置すると共に、螺着部材67をねじ止めする際に使用する棒状工具が挿通可能となるように、前記孔62,64,66が開口形成され、第1コイルユニット47の他端部46と第2コイルユニット52の一端部50は、孔64に螺着部材67を挿通して、この螺着部材67を螺着することで接続され、第1コイルユニット47の一端部45は、孔62に螺着部材67を挿通して、この螺着部材67を螺着することで、入力端子21に取付けた連結部材としてのバスバー43に接続され、前記第2コイルユニット52の他端部51は、孔66に螺着部材67を挿通して、この螺着部材67を螺着することで、出力端子22に取付けた連結部材としてのバスバー48に接続される。
【0037】
この場合、コイル44,49を保持する各ボビン71の筒部73に、閉磁路コア75の一対の脚部77を挿通してチョークコイル41を組み立てる。その際、コイル44,49の軸芯方向に配置されるボビン71の各筒部73を貫通して、ある程度柔軟性を有する円筒状の絶縁フィルム74が配設されるため、チョークコイル41の組立時において、コイル44,49の軸芯方向に配置されたボビン71を相互に嵌合連結させる必要がない。そのため、ある程度自由に各ボビン71を動かすことができ、閉磁路コア75の脚部77を各ボビン71の筒部73にスムーズに挿通させることができる。これにより、各ボビン71の筒部73を短く形成できる分、ボビン71の小形化を達成できると共に、閉磁路コア75の脚部77間の寸法公差を厳しく管理する必要もなく、結果的に閉磁路コア75の脚部77の寸法公差を大きく取ることができる。
【0038】
また、積層しためがね形巻線(例えば55Eと55F)の端部に螺着部材67を利用して他の部材を取付ける際に、その上側にあるめがね形巻線55A〜55Dの端部に開口形成した孔62から棒状工具を挿通すれば、螺着部材67を支障なくねじ止めすることが可能になる。したがって、めがね形巻線55E,55Fの端部の取付け作業時において、その上側に別のめがね形巻線55A〜55Dの端部があっても、作業の邪魔にはならず、製造性を向上させることができる。
【0039】
さらに、入力端子21や出力端子22などとの接続を図るための一端部45や他端部51が、一対の分割巻線57,58の向かい合う位置から、同一直線上で平行にかつ外側反対方向に引出されているので、コイル44の一端部45やコイル49の他端部51の引出し方向と直交して入力端子21や出力端子22などがあっても、コイル44の一端部45から入力端子21、およびコイル49の他端部51から出力端子22に至る距離が一致する。したがって、コイル44の一端部45と入力端子21との間と、コイル49の他端部51と出力端子22との間に、同一形状の連結部材(バスバー43,48)を使用することができる。しかも、コイルユニット47,52を本体ケース33に並設した時に、連結部材などを介さずに各めがね形巻線55A〜55F,56A〜56Fを同一直線上に揃えて接続することができる。
【0040】
また本実施例では、閉磁路コア75を両側から保持固定するクランプ部材79を、ケース4の外郭面に取付けている。このようにすると、本来閉磁路コア75を保持固定するために設けたクランプ部材79を、ケース4の外郭面を補強する補強部材として兼用することができる。特に本実施例では、ケース4の三方の外郭面にクランプ部材79を取付けているため、クランプ部材79をケース4に対しより強固に取付け固定することができる。
【0041】
ところで、上記図1〜図8に示す実施例では、コイルユニット47のめがね形巻線55A〜55Fに共通して一方の閉磁路コア75を組み合わせ、別のコイルユニット52のめがね形巻線56A〜56Fに共通して他方の閉磁路コア75を組み合わせているが、図9に示すように閉磁路コア75を配置してもよい。具体的には、筒形に巻回した4個の分割巻線57A,58A,58B,57Bを接続してコイル44,49を構成し、入力側から順に第1コイルユニット47を構成する第1の分割巻線57Aおよび第2の分割巻線58Aと、第2コイルユニット52を構成する第3の分割巻線58Bおよび第4の分割巻線57Bを四角形の四隅に位置してそれぞれ配設する。そして、特にこの図9では、第1の分割巻線57Aと第4の分割巻線57Bに各脚部77,77が挿通する第1のコア75Aと、第2の分割巻線58Aと第3の分割巻線58Bに各脚部77,77が挿通する第2のコア75Bとにより閉磁路コア75を構成している。
【0042】
このようにすると、第1の分割巻線57Aと第1のコア75Aの一方の脚部77とにより第1のインダクタンスL1が形成され、隣り合う第2の分割巻線58Aおよび第3の分割巻線58Bと第2のコア75Bの各脚部77,77とにより第2のインダクタL2が形成され、第4の分割巻線57Bと第1のコア75Aの他方の脚部77とにより第3のインダクタンスL3が形成される。つまり、閉磁路コア75の配置を変えるだけで、2個のインダクタンスから3個のインダクタンスL1〜L3にチョークコイル41としての特性を容易に変えることが可能になる。なおこれは、平角電線以外の各種巻線にも適用可能である。
【0043】
以上、本発明におけるノイズフィルタについて前記実施例に基づき説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では三相用のノイズフィルタに言及したが、入力端子21や出力端子22が2個の単相用のノイズフィルタにも適用できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の請求項1におけるノイズフィルタによれば、閉磁路コアの脚部の寸法公差を大きく取ることができる。また、ボビンの小形化も達成できる。
【0045】
また、コイルの端部の取付け作業時において、その上側にある別のコイルの端部が作業の邪魔にならない製造性に優れたノイズフィルタを提供できる。
【0046】
さらに、コイルの端部から入力端子、およびコイルの端部から出力端子に、同一形状の連結部材を使用することができ、しかも連結部材などを介さずに各めがね形巻線を同一直線上に揃えて接続することができる。
【0047】
本発明の請求項2におけるノイズフィルタによれば、ケースの外郭面を補強する補強部材としてクランプ部材を兼用することができる。
【0048】
本発明の請求項3におけるノイズフィルタによれば、閉磁路コアの配置を変えるだけで、チョークコイルとしての特性を容易に変えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるノイズフィルタの正面図である。
【図2】 同上ノイズフィルタの側面図である。
【図3】 同上ケースカバーと他方のクランプ部材を外した状態のノイズフィルタの側面図である。
【図4】 同上ケースカバーのみを外した状態のノイズフィルタの側面図である。
【図5】 同上ケースカバーと底板を外した状態の背面図である。
【図6】 同上コイルユニットの要部分解図である。
【図7】 同上ボビンの平面図である。
【図8】 同上ボビンの断面図である。
【図9】 同上チョークコイルの別の変形例を示す要部の側面図である。
【図10】 従来例を示すノイズフィルタの分解斜視図である。
【符号の説明】
4 ケース
21 入力端子
22 出力端子
41 チョークコイル
43,48 バスバー(連結部材)
44,49 コイル
45,50 一端部(両端部,端部)
46,51 他端部(両端部,端部)
47 第1コイルユニット
52 第2コイルユニット
55A〜55F めがね形巻線
56A〜56F めがね形巻線
57,58 分割巻線
62,64,66 孔
67 螺着部材
71 ボビン
73 筒部
74 絶縁フィルム
77 脚部
79 クランプ部材
Claims (3)
- コイルと、このコイルを保持する鍔部と筒部を有する複数のボビンと、前記ボビンの筒部に挿通する一対の脚部を有する閉磁路コアとを組み合わせてチョークコイルとし、このチョークコイルをケース内に収容してなるノイズフィルタにおいて、
前記コイルの軸芯方向に配置される前記ボビンの各筒部を貫通して円筒状の絶縁フィルムを配設し、
さらに前記ケースには、入力端子と出力端子が上下方向両側の離れた位置に各々設けられ、
前記チョークコイルは、第1コイルユニットと第2コイルユニットとにより構成され、
前記第1コイルユニットと前記第2コイルユニットのそれぞれの前記コイルは、平角電線を巻回してなる2個の分割巻線を8の字状につないだめがね形巻線を重ね合わせて構成され、
このめがね形巻線は、前記各分割巻線が向かい合う部分から、同一直線状で平行に且つ外側反対方向に延設する一端部と他端部とを有し、前記一端部と他端部に、螺着部材を取付け固定する孔を同軸上に配置すると共に、前記螺着部材をねじ止めする際に使用する棒状工具が挿通可能となるように、前記孔が開口形成され、
前記第1コイルユニットの他端部と前記第2コイルユニットの一端部は、前記孔に前記螺着部材を挿通して、この螺着部材を螺着することで接続され、
前記第1コイルユニットの一端部は、前記孔に前記螺着部材を挿通して、この螺着部材を螺着することで、前記入力端子に取付けた連結部材に接続され、
前記第2コイルユニットの他端部は、前記孔に前記螺着部材を挿通して、この螺着部材を螺着することで、前記出力端子に取付けた連結部材に接続されることを特徴とするノイズフィルタ。 - 前記閉磁路コアを両側から保持固定するクランプ部材を、前記ケースの外郭面に取付けたことを特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
- 前記コイルは筒形に巻回した4個の分割巻線を接続してなり、入力側から順に前記第1コイルユニットを構成する第1の分割巻線および第2の分割巻線と、前記第2コイルユニットを構成する第3の分割巻線および第4の分割巻線が四角形の四隅に配置されると共に、前記閉磁路コアは前記第1の分割巻線と前記第4の分割巻線に前記各脚部が挿通する第1のコアと、前記第2の分割巻線と前記第3の分割巻線に前記各脚部が挿通する第2のコアとからなることを特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
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