JP4458296B2 - 誘電体共振器、誘電体フィルタ及びその特性調整方法 - Google Patents

誘電体共振器、誘電体フィルタ及びその特性調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、誘電体共振器、誘電体フィルタ及びその特性調整方法に関する。
携帯電話機で採用されているBT/W−LANなどの近距離無線通信システムにおいて用いられる誘電体フィルタとして、誘電体基体の内部に、キャパシタ電極などを構成する平面電極と共に、インダクタンスを生じる縦導体とを内蔵させた積層タイプのものが、知られている。インダクタンスを生じる縦導体は、スルーホール導体、又は、ビアホール導体と称されることもあり、一般には、平面電極膜の膜面に対して、垂直になるように配置される。
これらの誘電体共振器や誘電体フィルタは、携帯電話機の小型化、薄型化の進展に伴い、より一層の小型化、低背化が要求されるようになっている。
しかし、インダクタンスを生じる縦導体が、平面電極膜の膜面に対して、垂直になるように配置されている従来の誘電体共振器では、低背化すると、インダクタンスを生じる縦導体の長さが短くならざるを得ず、反射的にQ値が下がり、フィルタの伝送品質が劣化する。
また、誘電体フィルタでは、誘電体共振器数を選択することによって、所望の周波数帯域幅を確保するのが普通である。
ところが、小型化の要請から外形寸法が制限されており、このような制限のもとでは、周波数帯域幅を拡大するべく、誘電体共振器数を増すほどに、誘電体共振器が高密度で配置されることになり、誘電体共振器相互の電磁結合が強くなりすぎる傾向にある。インダクタンスを生じる縦導体が、平面電極膜の膜面に対して、垂直になるように配置されている従来の誘電体共振器では、その傾向が特に強く現れる。そこで、所望のフィルタ特性を得るべく、誘電体共振器相互の電磁結合を適切に調整する必要がある。
誘電体共振器相互の電磁結合を調整するもっとも簡易な手法は、誘電体共振器の間隔を調整することである。しかし、取りえる外形寸法が決まっている誘電体フィルタでは、誘電体共振器の間隔を調整するなどの処理をすることができない。
低背化に伴う誘電体共振器の損失を低減させる技術として、特許文献1は、層状に配置された内部電極のうち、最も外側に配置された内部電極を幅広にする技術を開示しているが、上述した要求に充分には応えることができない。
特開2001−237619号公報
本発明の課題は、低背化された場合でも、インダクタンス値及びQ値を容易に所望値に調整しえる誘電体共振器及びその調整方法を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、共振器間の電磁結合を容易に調整しえる誘電体フィルタ及びその調整方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明は、誘電体共振器、誘電体フィルタ、及び、特性調整方法を開示する。
1.誘電体共振器及びその特性調整方法
本発明に係る誘電体共振器は、誘電体基体と、内部電極と、縦導体とを含んでおり、前記内部電極は、膜面が前記誘電体基体の厚さ方向と直交する平面にあり、前記縦導体は、インダクタンスを生じる部分であって、少なくとも一端が前記内部電極に接続されている。前記縦導体は、前記平面に対して傾斜し、前記誘電体基体の厚さ方向に延びている。
上述したように、本発明に係る誘電体共振器では、前記縦導体が、前記誘電体基体の厚さ方向と直交する平面に対して傾斜し、前記誘電体基体の厚さ方向に延びているので、低背化された場合でも、インダクタンスを生じる縦導体の長さを拡大することができる。このため、低背化された場合でも、インダクタンス値及びQ値を容易に所望値に調整しえる。
前記インダクタンス値又はQ値の調整は、前記縦導体の前記平面に対する傾斜角度を調整することによって、容易に実行することができる。傾斜角度は、60度以上90度未満の範囲に設定することが好ましい。
前記縦導体は、一本のピン状導体であってもよいし、前記誘電体基体の所定厚さ毎の導体膜を、積層して構成されたものであってもよい。
後者の場合、セラミックグリーンシートで構成される誘電体基体に、あらかじめ、縦導体充填用の貫通孔を開けておき、この貫通孔内にスクリーン印刷などの手段によって導電性ペーストを注入し、こうして得られたセラミックグリーンシートを、少しずつずらして積層することにより、所定の傾斜角度を有する縦導体を形成することができる。こうして得られた縦導体は、セラミックグリーンシートのずらし量によって制御された傾斜角度を持つことになる上、ずらし量と貫通孔の形状選定によって、縦導体にエッジ部分が生じるのを極力回避し、エッジ効果によるQ値の低下や、損失の増大が抑えられることなどの利点をもたらす。
たとえば、セラミックグリーンシート毎の導体膜の形状を、底面が小面積で上面が大面積で、底面と上面との間の外周面が傾斜する形状とし、セラミックグリーンシートを積層する場合に、一方のセラミックグリーンシートに備えられた導体膜の上面側外周縁に、他方のセラミックグリーンシートに備えられた導体膜の底面外周縁を位置合わせするなどして、導体膜の傾斜が前記導体膜全体の傾斜角度に反映されているような構成をとることができる。このような構成の場合には、縦導体の全長にわたって、エッジ部分の発生が極力抑制されることになるので、縦導体におけるエッジ効果によるQ値の低下や、損失の増大が抑えられる。
一般的な誘電体共振器では、前記内部電極は、少なくとも2つであり、互いに間隔をおいて、前記誘電体基体の内部に埋設され、前記縦導体は、両端が前記内部電極のそれぞれに接続される。前記2つの内部電極の一方は、通常は、キャパシタ電極を構成する。これにより、縦導体によるインダクタンスと、キャパシタ電極によるキャパシタンス成分とによるLC共振回路を有する誘電体共振器が得られる。
2.誘電体フィルタ及びその特性調整方法
本発明に係る誘電体フィルタは、基本的には、本発明によって、教示され、示唆された誘電体共振器の複数を順次に接続することによって構成される。複数の誘電体共振器のそれぞれは、誘電体基体を共有して一体化される。これにより、極限まで小型化、低背化された誘電体フィルタが実現される。
誘電体基体の共有による一体化に当たっては、前記複数の誘電体共振器は、一方向に順次に配列される。その場合、前記複数の誘電体共振器のそれぞれは、前記縦導体が、配列方向と直交する方向に配置される。
上記構造の誘電体フィルタによれば、誘電体共振器それぞれについて上述した本発明の作用効果が得られるのに加えて、誘電体共振器間では、誘電体基体の厚さ方向と直交する平面に対する傾斜角度に応じた電磁結合を得ることができる。
誘電体共振器間の電磁結合は、誘電体基体の厚さ方向と直交する平面に対する傾斜角度を調整することにより、容易に調整しえる。
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)低背化された場合でも、インダクタンス値及びQ値を容易に所望値に調整しえる誘電体共振器及びその調整方法を提供することができる。
(b)共振器間の電磁結合を容易に調整しえる誘電体フィルタ及びその調整方法を提供することができる。
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
1.誘電体共振器及びその特性調整方法
図1は、本発明に係る誘電体共振器の内部電極構造を示す透視斜視図、図2は、図1に示した誘電体共振器の拡大断面図、図3は、図1及び図2に示した誘電体共振器の電気回路図である。図示の誘電体共振器は、誘電体基体1、内部電極21〜25、縦導体3及び端子電極41〜44を含んでいる。
誘電体基体1は、セラミック誘電体でなる六面体状ブロックである。用いられるセラミック誘電体材料は、周知のものでよい。例えば、低温同時焼成セラミック(LTCC)などはその一例である。
内部電極21〜24は、膜面が誘電体基体1の厚さ方向Zと直交する平面を構成している。厚さ方向Zと直交する平面とは、図示の場合、誘電体基体1において、その幅方向Xと長さ方向Yの作るXY平面である。内部電極21〜24を構成する電極材料としは、Ni、Cu、Agなどを用いることができる。誘電体基体1として、LTCCを用いた場合は、電極材料として、Cu、Agなど、高周波特性に優れた低抵抗材料を用いることができる。
内部電極21〜24のうち、内部電極21は、その一端縁が、誘電体基体1の幅方向Xの一端面に設けられた端子電極41に接続されており、誘電体基体1の内部では、内部電極22に対して、所与の厚みを有する誘電体層を介して対向する。これにより、内部電極21と内部電極22との間には、これらをキャパシタ電極とするキャパシタンスC1(図3参照)が発生する。
内部電極22は、内部電極23と誘電体層を介して対向しており、これにより、内部電極22と内部電極23との間には、これらをキャパシタ電極とするキャパシタンスC2(図3参照)が取得される。内部電極22の一端は、誘電体基体1の長さ方向Yの一端面に設けられた端子電極42に接続されている。
内部電極23は、その一端が、誘電体基体1の幅方向Xの他端、即ち、端子電極41の設けられた一端面とは反対側の他端面に付与された端子電極43に接続されている。この内部電極23及び端子電極43はアースに接続される。内部電極23は、更に、誘電体基体1の長さ方向Yの一端面に設けられた端子電極44にも接続されている。
縦導体3は、インダクタンスL1(図3参照)を生じる部分であって、一端が内部電極23の一面上に接続されている。縦導体3の他端側は、誘電体基体1の厚み方向Zで見て、上側に配置された内部電極24に接続されている。内部電極24は、一端が端子電極43に接続され、更に、長さ方向Yで見た他端が端子電極44に接続されている。
上述した構造により、図3に示す誘電体共振回路が構成される。もっとも、図3の誘電体共振回路に限らず、内部電極21〜24の数、形状、配置位置や、それに対する縦導体3の接続構造に応じた異なる共振回路を構成することができる。また、内部電極21〜24のうち、内部電極23、24は、アース電極となるものであるから、必ずしも、誘電体基体1の内部に埋設する必要はない。
本発明の特徴は、縦導体3を有する誘電体共振器において、縦導体3が、内部電極21〜24の膜面に対して、傾斜角度θ1で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びていることにある。図示実施例の場合、内部電極21〜24の膜面は、誘電体基体1において、厚み方向Zに対して直交するXY平面とみてよい。従って、縦導体3が、内部電極21〜24の膜面に対して、傾斜角度θ1で傾斜しているという意味は、縦導体3が、誘電体基体1において、厚み方向Zに対して直交するXY平面に対して傾斜角度θ1で傾斜していることと同義である。傾斜角度θ1の取り方としては、縦導体3の中心軸線O1を基準にしてもよいし、縦導体3の外周線を基準にしてもよい。また、XY平面に対する法線(垂線)を基準とし、これに対する中心軸線O1の傾斜を、傾斜角度としてもよい。
上述したように、本発明に係る誘電体共振器では、縦導体3が、内部電極21〜24の膜面に対して傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びているので、低背化された場合でも、インダクタンスL1を生じる縦導体3の長さを拡大することができる。このため、低背化された場合でも、インダクタンス値及びQ値を容易に所望値に調整しえる。
インダクタンス値又はQ値の調整は、縦導体3の傾斜角度θ1を調整することによって、容易に実行することができる。傾斜角度θ1は、90度未満であることは当然であるが、60度以上の範囲に設定することが好ましい。
縦導体3は、一本のピン状導体であってもよいし、誘電体基体1の所定厚さ毎の導体膜を、積層して構成されたものであってもよい。
後者の場合、セラミックグリーンシートで構成される誘電体基体1に、あらかじめ、縦導体3を充填する貫通孔を開けておき、この貫通孔内にスクリーン印刷などの手段によって導電性ペーストを注入し、得られたセラミックグリーンシートを、少しずつ、ずらして積層することにより、所定の傾斜角度θ1を有する縦導体3を形成することができる。こうして得られた縦導体3は、セラミックグリーンシートのずらし量によって制御された傾斜角度θ1を持つことになる上、ずらし量と貫通孔の形状選定によって、縦導体3にエッジ部分が生じるのを極力回避し、エッジ効果によるQ値の低下や、損失の増大が抑えられることなどの利点をもたらす。
たとえば、セラミックグリーンシート毎の導体膜の形状を、底面が小面積で上面が大面積で、底面と上面との間の外周面が傾斜する形状とし、セラミックグリーンシートを積層する場合に、一方のセラミックグリーンシートに備えられた導体膜の上面側外周縁に、他方のセラミックグリーンシートに備えられた導体膜の底面外周縁を位置合わせするなどして、導体膜の傾斜が導体膜全体の傾斜角度θ1に反映されているような構成をとることができる。このような構成の場合には、縦導体3の全長にわたって、エッジ部分の発生が極力抑制されることになるので、縦導体3におけるエッジ効果によるQ値の低下や、損失の増大が抑えられる。この点については、後述の製造方法において、更に具体的に説明する。
表1は、外形形状、共振周波数及び縦導体の傾斜角度θの異なるサンプルS1〜S6について、Q値の測定データを示す。
Figure 0004458296
本発明に係るサンプルS5、S6と、従来品に属するサンプルS1〜S4とを対比すると、本発明によれば、同一外形形状を保って、共振周波数を低下させると共に、高いQ値を保つことができる。
図4は、本発明に係る誘電体共振器の別の実施例を示す図である。この実施例の特徴は、内部電極23、24の間に、複数の縦導体31、32を併設したことである。縦導体31は、内部電極21〜24の膜面、即ちXY平面に対して、傾斜角度θ1で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びている。縦導体32は、内部電極21〜24の膜面に対して、傾斜角度θ12で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びている。これにより、誘電体基体1の形状の大型化、及び、厚み増大を招くことなく、増大されたインダクタンス値を得ることができる。縦導体31、32の個数は、更に増加することができる。
2.誘電体フィルタ及びその特性調整方法
本発明に係る誘電体フィルタは、基本的には、図1〜図4に図示され、教示され、示唆された誘電体共振器の複数を、順次に接続することによって構成される。複数の誘電体共振器のそれぞれは、誘電体基体1を共有して一体化される。これにより、極限まで小型化、低背化された誘電体フィルタが実現される。図5〜図11にその一例を示す。
図5は実現しようとする誘電体フィルタ(バンドパスフィルタ)の電気回路図、図6は図5の電気回路を有する誘電体フィルタの外観斜視図、図7は図5及び図6に示した誘電体フィルタの内部電極構造を示す分解図、図8は図7に示した分解図のうち、重要な部分を拡大して示す図、図9は図6の9−9線断面図、図10は図6の10−10線断面図、図11は図6の11−11線断面図である。
まず、図5を参照すると、実施例の誘電体フィルタは、複数(3つ)の誘電体共振器Q1〜Q3を、順次に配置した回路構成をもつ。誘電体共振器Q1は、インダクタンスL1の一端にキャパシタンスC11の一端を接続した回路構成であり、誘電体共振器Q2は、インダクタンスL2の一端にキャパシタンスC12の一端を接続した回路構成であり、誘電体共振器Q3は、インダクタンスL3の一端にキャパシタンスC13の一端を接続した回路構成である。インダクタンスL1〜L3のうち、インダクタンスL1の一端は、入出力端子41に導かれ、インダクタンスL3の一端は、入出力端子42に導かれている。
インダクタンスL1〜L3は、他端が共通に接続され、端子43、44に導かれている。端子43、44はアースされる。
誘電体共振器Q1と誘電体共振器Q2はキャパシタンスC21によって結合され、誘電体共振器Q2と誘電体共振器Q3は、キャパシタンスC22によって結合されている。また、誘電体共振器Q1と終段の誘電体共振器Q3との間には、キャパシタンスC31が接続されている。キャパシタンスC11〜C13の他端は共通に接続され、端子45、46に導かれている。端子45、46はアースされる。
誘電体共振器Q1〜Q3のそれぞれは、基本的には、図1〜図4に示した構造を有し、誘電体基体1を共有して一体化されている。誘電体基体1の共有による一体化に当たっては、誘電体共振器Q1〜Q3は、長さ方向Yに順次に配列される。その場合、誘電体共振器Q1〜Q3のそれぞれの縦導体は、配列方向である長さ方向Yと直交する幅方向Xに配置される。
誘電体共振器Q1〜Q3の個別的構造については、図5〜図11、特に、図9〜図11を参照して述べる。誘電体共振器Q1〜Q3は誘電体基体1を共用し、その長さ方向Yに順次に配列されている。誘電体基体1の外形形状は、標準的には、長さY=2.0mm,幅X=1.25mm、厚さZ=0.5mmであるが、より小型のもの、例えば、長さY=1.6mm,幅X=0.8mm、厚さZ=0.5mm、更に小型化された長さY=1.0mm,幅X=0.5mm、厚さZ=0.5mmのものであってもよい。
まず、誘電体共振器Q1は、図9に図示するように、アース電極となる内部電極24と内部電極221との間に配置された縦導体311、321を有している。縦導体311は、XY平面に対して、傾斜角度θ11で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びている。縦導体321は、XY平面に対して、傾斜角度θ21で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びている。内部電極221は、連結導体331により、内部電極211に接続されている。
次に、誘電体共振器Q2は、図10に図示するように、アース電極となる内部電極24と内部電極222との間に配置された縦導体312、322を有している。縦導体312は、XY平面に対して、傾斜角度θ12で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びている。縦導体322は、XY平面に対して、傾斜角度θ22で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びている。内部電極211は、その上に間隔を隔てて配置された内部電極241と対向する。
誘電体共振器Q3は、図11に図示するように、内部電極24と内部電極223との間に配置された縦導体313、323を有している。縦導体313は、XY平面に対して、傾斜角度θ13で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びている。縦導体323は、XY平面に対して、傾斜角度θ23で傾斜し、誘電体基体1の厚さ方向Zに延びている。内部電極223は、連結導体332により内部電極212と接続され、内部電極212は、その上に間隔を隔てて配置された内部電極242と対向する。
上述した電極構造により、図5に示した電気回路が構成される。図5のキャパシタンスC31は、内部電極211と内部電極241の間に発生するキャパシタンス、及び、内部電極212と内部電極242の間に発生するキャパシタンスによるものである。
上記構造の誘電体フィルタによれば、誘電体共振器それぞれについて上述した本発明の作用効果が得られるのに加えて、誘電体共振器間では、縦導体311〜313、321〜323のXY平面に対する傾斜角度θ11〜θ13、θ21〜θ23に応じた電磁結合を得ることができる。
具体例として、誘電体基体1の外形形状が、長さY=1.6mm,幅X=0.8mm、厚さZ=0.5mmであって、図5〜図11に示す3段構造の誘電体フィルタについて、傾斜角度θと結合係数kとの関係を求めたところ、表2のような結果が得られた。表2において、feは偶モードの共振周波数(GHz)、f0は奇モードの共振周波数(GHz)、kは結合係数である。結合係数kは、k=2(f1〜f2)/(f1+f2)として求められる。
Figure 0004458296
図12は、表2の結果に基づいて、傾斜角度θ(度)と、誘電体共振器間の結合係数kとの関係をグラフ化して示すデータである。図示するように、縦導体の傾斜角度θを変えると、それに対応して、誘電体共振器間の結合係数kを調整することができる。
図13は、図5〜図11に示した誘電体フィルタの周波数と、リターンロス特性S11及び伝送特性S21を示すグラフである。横軸に周波数(GHz)をとり、縦軸にリターンロス及び伝送量(dB)をとってある。
上述したように、本発明によれば、傾斜角度θを調整することにより、誘電体共振器間の結合係数を調整することができるので、それに対応して、フィルタ特性をも調整できることになる。
3.製造方法
次に、図14〜図18を参照し、本発明に係る誘電体共振器及び誘電体フィルタについて、縦導体の製造を中心とした製造方法について説明する。まず、図14に示すように、誘電体セラミックペーストを用いて形成した厚さd10のセラミックグリーンシート10に、必要とする適当な孔径を有する貫通孔101を形成する。このような貫通孔101は、パンチング穿孔、又は、レーザ穿孔などの手段によって形成することができる。貫通孔101は、いわゆるすり鉢状に形成することが好ましい。即ち、図15に図示するように、底面の孔径W11が、上面側の孔径W12よりも小さくなるように形成する。これにより、貫通孔101の内壁面Oが、セラミックグリーンシート10の表面に対して、孔径W11と孔径W12との差に応じた傾斜角度θを持つようになる。
次に、図15に図示するように、セラミックグリーンシート10を、支持台50の上に載置し、印刷製版60を用いてスクリーン印刷を行う。スクリーン印刷においては、印刷製版60の上で、スキージ61を矢印F1の方向に移動させ、導電性ペースト62を押出す。これにより、図17に示すように、貫通孔101の内部に導電性ペースト62が押出され、貫通孔101の内部に導体膜301が形成される。導体膜301は、貫通孔101の全体を満たすのではなく、少し空間的余裕が生じる量に設定することが好ましい。
上述のようにして得られた複数枚のセラミックグリーンシート101〜104を乾燥させるなどした後、図17に示すように、セラミックグリーンシート101〜104を、支持台50の上で順次に積層し、プレス装置80によって押圧P1して圧着させる。これにより、図18に示すように、導体膜301〜304を一体化した縦導体3が得られる。
セラミックグリーンシート101〜104の積層に当たっては、一方のセラミックグリーンシート101〜104に備えられた導体膜301〜304の上面側外周縁に、他方のセラミックグリーンシート102〜104に備えられた導体膜302〜304の底面外周縁を位置合わせするなどして、導体膜302〜304の持つ傾斜角度、つまり、貫通孔の内壁面の傾斜角度θが、導体膜3の全体の傾斜角度θ1に反映されているような構成をとることができる。これにより、縦導体3の全長にわたって、エッジ部分の発生が極力抑制されることになるので、縦導体におけるエッジ効果によるQ値の低下や、損失の増大が抑えられる。この後、分割、焼成し、端子電極付与などの必要な工程を経て、目的とする誘電体共振器又は誘電体フィルタが得られる。なお、上述した工程のうち、分割工程までは、多数の誘電体共振器要素又は誘電体フィルタ要素を、例えば格子状に配列した大判の誘電体基体の上で実行される。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、例えば、図14で貫通孔101をパンチングにより穿孔する場合はW11=W12となる。この場合は孔を少しずつずらすことにより傾斜角度θの導体形状を実現できる。本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る誘電体共振器の内部電極構造を示す透視斜視図である。 図1に示した誘電体共振器の拡大断面図である。 図1及び図2に示した誘電体共振器の電気回路図である。 本発明に係る誘電体共振器の別の一実施例を示す斜視図である。 誘電体フィルタの電気回路図である。 図5の電気回路を有する誘電体フィルタの外観斜視図である。 本発明に係る誘電体共振器を製造する工程の一実施例を示す工程図である。 図7に示した分解図のうち、重要な部分を拡大して示す図である。 図6の9−9線断面図である。 図6の10−10線断面図である。 図6の11−11線断面図である。 表2の結果に基づいて、傾斜角度θ(度)と、誘電体共振器間の結合係数kとの関係をグラフ化して示すデータである。 図5〜図11に示した誘電体フィルタの周波数と、リターンロス特性及び伝送特性を示すグラフである。 本発明に係る誘電体共振器又は誘電体フィルタの製造方法を示す図である。 図14に示した工程の後の工程を示す図である。 図15に示した工程の後の工程を示す図である。 図16に示した工程の後の工程を示す図である。 図17に示した工程の後の工程を示す図である。
符号の説明
1 誘電体基体
21〜24 内部電極
31、32 縦導体

Claims (9)

  1. 誘電体基体と、内部電極と、縦導体とを含む誘電体共振器であって、
    前記内部電極は、膜面が前記誘電体基体の厚さ方向と直交する平面にあり、
    前記縦導体は、インダクタンスを生じる部分であって、前記誘電体基体の所定厚さ毎の導体膜を積層して構成され、少なくとも一端が前記内部電極に接続され、前記平面に対して傾斜し、前記誘電体基体の厚さ方向に延びている、
    誘電体共振器。
  2. 請求項1に記載された誘電体共振器であって、前記縦導体は、前記平面を基準にした傾斜角度が、60度以上90度未満である、誘電体共振器。
  3. 請求項1又は2に記載された誘電体共振器であって、前記導体膜のそれぞれは、底面が小面積で上面が大面積であり、底面と上面との間の外周面が傾斜しており、その傾斜が前記導体膜の傾斜角度に反映されている、誘電体共振器。
  4. 請求項1乃至の何れかに記載された誘電体共振器であって、
    前記内部電極は、少なくとも2つであり、互いに間隔をおいて、前記誘電体基体の内部に埋設されており、
    前記縦導体は、両端が前記内部電極のそれぞれに接続されている、
    誘電体共振器。
  5. 請求項に記載された誘電体共振器であって、前記2つの内部電極の一方は、キャパシタ電極を構成する、誘電体共振器。
  6. 複数の誘電体共振器を含む誘電体フィルタであって、
    前記複数の誘電体共振器は、請求項1乃至5の何れかに記載されたものであり、それぞれは、前記誘電体基体を共有して一体化されている、
    誘電体フィルタ。
  7. 請求項6に記載された誘電体フィルタであって、
    前記複数の誘電体共振器は、一方向に順次に配列されており、
    前記複数の誘電体共振器のそれぞれは、前記縦導体が、配列方向と直交する方向に位置する、
    誘電体フィルタ。
  8. 誘電体共振器のインダクタンス値又はQ値を調整する方法であって、
    前記誘電体共振器は、誘電体基体と、内部電極と、縦導体とを含んでおり、
    前記内部電極は、膜面が前記誘電体基体の厚さ方向と直交する平面にあり、
    前記縦導体は、インダクタンスを生じる部分であって、少なくとも一端が前記内部電極に接続され、前記膜面に対して傾斜し、前記誘電体基体の厚さ方向に延びており、
    前記縦導体の前記平面に対する傾斜角度を調整することによって、前記インダクタンス値又はQ値を調整する、
    方法。
  9. 複数の誘電体共振器を含む誘電体フィルタにおいて、前記誘電体共振器間の結合を調整する方法であって、
    前記誘電体共振器のそれぞれは、誘電体基体と、内部電極と、縦導体とを含んでおり、
    前記内部電極は、膜面が前記誘電体基体の厚さ方向と直交する平面にあり、
    前記縦導体は、インダクタンスを生じる部分であって、前記誘電体基体の所定厚さ毎の導体膜を積層して構成され、少なくとも一端が前記内部電極に接続され、前記平面に対して傾斜し、前記誘電体基体の厚さ方向に延びており、
    前記複数の誘電体共振器は、一方向に順次に配列されており、
    前記複数の誘電体共振器のそれぞれは、前記縦導体が、配列方向と直交する方向に位置しており、
    前記縦導体の前記平面に対する傾斜角度を調整することによって、前記誘電体共振器間の結合を調整する、
    方法。
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