JPH1028006A - 積層共振器および積層誘電体フィルタならびに積層誘電体フィルタの共振特性調整方法 - Google Patents

積層共振器および積層誘電体フィルタならびに積層誘電体フィルタの共振特性調整方法

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JPH1028006A
JPH1028006A JP18090196A JP18090196A JPH1028006A JP H1028006 A JPH1028006 A JP H1028006A JP 18090196 A JP18090196 A JP 18090196A JP 18090196 A JP18090196 A JP 18090196A JP H1028006 A JPH1028006 A JP H1028006A
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via conductor
resonator
electrode
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JP18090196A
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Yoshifumi Yamagata
佳史 山形
Yasuyuki Yoshida
康幸 吉田
Toshihiko Kawada
俊彦 河田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同軸型積層共振器を用いた積層誘電体フィル
タにおいては、同軸型積層共振器にインピーダンスの不
連続が生じるためにQ値が低下していた。 【解決手段】 誘電体層が積層された積層体79の内部に
ほぼ垂直に形成されたビア導体80と、側面グランド電極
81と、主面グランド電極82・83と、ビア導体80に接続さ
れた開放端電極84とからなる積層共振器を複数個配設し
た積層誘電体フィルタ78により、インピーダンスの不連
続部分によるインピーダンスの不整合の発生をなくして
Q値の低下を抑制し、かつ小型化を図ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の移動
体通信機器に使用される、導電体を配した誘電体層を積
層して成る同軸型の積層共振器およびそれを用いたフィ
ルタならびにそのフィルタの共振特性調整方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】導電体を配した誘電体層を積層して成る
同軸型の積層共振器を用いたフィルタである同軸型積層
誘電体フィルタは、小型で高機能化が可能なフィルタと
して携帯電話や携帯無線機・自動車電話を始めとする移
動体通信機器等に使用されている。従来の同軸型積層誘
電体フィルタの構造は、高誘電率材料から成るグリーン
シートに内部電極パターンやビア接続部を形成したもの
を多数層積層したものであり、特開平7−142914号には
図15に分解斜視図で示すような構造の同軸型積層誘電体
フィルタが開示されている。
【0003】図15は2段フィルタの例であり、多数枚の
高誘電率材料からなるグリーンシート1に、同軸共振器
断面に相当する大きさの2個の内部電極パターン2と、
両内部電極パターン2内の位置にそれぞれ9箇所(中心
に1箇所、その周囲に8箇所)のビア接続部3とを形成
する。内部電極パターン2はグリーンシート1上に銀ペ
ースト等をスクリーン印刷法によって印刷したものであ
り、ビア接続部3はグリーンシート1に微小貫通穴を形
成し、その内部に銀ペースト等の導電材料を充填したも
のである。
【0004】このような内部電極パターン2とビア接続
部3を形成したグリーンシート1を多数枚積層し、プレ
スによって加圧一体化した後、焼成すると、ビア接続部
3によって各内部電極が相互に導通した状態となり、そ
れが同軸型共振器の内導体となる。この焼結品の外表面
に、導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより同
軸型共振器の外導体を形成する。
【0005】このようにして得られた同軸型積層誘電体
フィルタの断面図を図16に示す。同図の同軸型積層誘電
体フィルタ4において、5はグリーンシート1を焼結し
て得られた誘電体、6は内部電極パターン2を焼結して
得られた内導体、7はビア接続部3を焼結して得られた
ビア導体、8は外導体である。図16に示すように、内導
体6の一端を開放し他端を短絡とする構造により1/4
波長の同軸型共振器による同軸型積層誘電体フィルタ4
となる。なお、内導体6の両端を開放または短絡とする
構造では1/2波長の同軸型共振器によるものとなる。
【0006】これによれば、グリーンシート1にフィル
タ4断面に相当する内部電極パターン2とその内部電極
パターン2間を接続するビア接続部3を形成し、積層一
体化後に焼成してビア導体7により接続された内導体6
を形成するので、小型化に適しており、回路パターンな
どを内部に組み込むことができるため高機能化が可能と
なり、更に、多種類のフィルタを製作する場合、印刷用
スクリーンを変えるだけで対応できるというものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の同軸型積層誘電体フィルタ4では、内導体
6とビア導体7の大きさ(径)が異なるため、これら内
導体6とビア導体7とで構成する同軸線路部分での特性
インピーダンスの不連続部分が多くなり、その結果、イ
ンピーダンスの不整合を生じて同軸型共振器のQ値が低
下してしまうという問題点があった。
【0008】また、ビア導体7のビア径が小さいため、
電流経路断面が狭くなり、それによっても同軸型共振器
のQ値が低下するという問題点もあった。
【0009】さらに、同軸型積層誘電体フィルタを作製
した後、フィルタの特性が所望の範囲からずれていた場
合に、同軸型共振器の共振周波数や同軸型共振器間の結
合度を調整することは困難であるという問題点もあっ
た。
【0010】本発明は上記問題点を解決すべく本発明者
が鋭意研究に努めた結果完成されたものであり、その目
的は、同軸型共振器を用いた同軸型積層誘電体フィルタ
において、同軸線路部分の特性インピーダンスの不整合
をなくすとともに広い電流経路断面を確保して、Q値の
低下を抑制することができる同軸型の積層共振器ならび
に積層誘電体フィルタを提供することにある。
【0011】また、本発明は、同軸型積層誘電体フィル
タにおいて、同軸型共振器の小型化が図れるとともに同
軸型共振器の共振周波数と同軸型共振器間の結合度を調
整することができる、小型かつ高性能の同軸型積層誘電
体フィルタを提供することも目的とする。
【0012】さらに、本発明は、上記の積層誘電体フィ
ルタに対して、同軸型共振器の共振周波数と同軸型共振
器間の結合度を調整することができる共振特性調整方法
を提供することも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層共振器は、複数の誘電体層が積層されて成るほぼ直
方体状の積層体と、その積層体の内部に前記複数の誘電
体層にほぼ垂直に形成されたビア導体と、前記積層体の
前記ビア導体と平行な側面に形成された側面グランド電
極とから成ることを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項2に係る積層共振器は、請
求項1に係る積層共振器において、前記積層体の前記ビ
ア導体と垂直な少なくとも一方の主面に主面グランド電
極が形成されているとともに、前記ビア導体の一方端が
前記主面グランド電極に接続されていることを特徴とす
るものである。
【0015】本発明の請求項3に係る積層共振器は、請
求項2に係る積層共振器において、前記ビア導体の他方
端に、前記誘電体層を介して前記主面グランド電極と対
向した、前記誘電体層と平行に形成された面状の開放端
電極が接続されていることを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項4に係る積層共振器は、請
求項3に係る積層共振器において、前記開放端電極から
前記ビア導体を囲繞するように、環状の導体もしくはほ
ぼ環状に配列された複数個の導体から成る開放端補助電
極が延設されていることを特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項5に係る積層共振器は、請
求項2乃至請求項4に係る積層共振器において、前記ビ
ア導体の他方端側の前記主面グランド電極から、前記ビ
ア導体もしくは前記開放端電極を囲繞するように、環状
の導体もしくはほぼ環状に配列された複数個の導体から
成るグランド補助電極が延設されていることを特徴とす
るものである。
【0018】本発明の請求項6に係る積層誘電体フィル
タは、複数の誘電体層が積層されて成る積層体の内部
に、請求項1乃至請求項5に係る積層共振器が複数個、
前記ビア導体同士をほぼ平行として配設されて成ること
を特徴とするものである。
【0019】本発明の請求項7に係る積層誘電体フィル
タの共振特性調整方法は、請求項6に係る積層誘電体フ
ィルタの共振特性調整方法であって、各積層共振器と対
向する前記ビア導体の他方端側の前記主面グランド電極
の一部を除去することにより各積層共振器の共振周波数
を調整し、または隣接する積層共振器間に位置する前記
主面グランド電極の一部を除去することにより前記積層
共振器間の結合度を調整することを特徴とするものであ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変
更や改良を加えることは何ら差し支えない。
【0021】図1(a)〜(c)はそれぞれ本発明の請
求項1に係る積層共振器の実施形態を示す部分断面図で
ある。同図(a)の積層共振器11において、12は複数の
誘電体層が積層された積層体、13はその内部に誘電体層
にほぼ垂直に形成されたビア導体、14は積層体12のビア
導体13と平行な側面に形成された側面グランド電極であ
る。
【0022】また、同図(b)および(c)は積層共振
器11を基本構成とした他の実施形態を示しており、
(b)の積層共振器15は積層体12のビア導体13と垂直な
一方の主面に主面グランド電極16を形成した例であり、
(c)の積層共振器17はさらに他方の主面にも主面グラ
ンド電極18を形成した例である。これら主面グランド電
極16・18は側面グランド電極14と接続されて積層体12表
面のグランド電極となっており、このような表面のグラ
ンド電極の一部に、グランド電極と区分されて入出力電
極が形成される。
【0023】これらのような本発明の請求項1に係る積
層共振器11・15・17によれば、複数の誘電体層が積層さ
れた積層体12の内部に誘電体層にほぼ垂直に形成された
ビア導体13と、積層体12のビア導体13と平行な側面に形
成された側面グランド電極14とにより構成されることか
ら、極めて簡単な構造により1/2波長の同軸型共振器
となるとともに、ビア導体13で構成される同軸線路部分
の特性インピーダンスの不連続部分がなくなり、インピ
ーダンスの不整合を生じて同軸型共振器のQ値の低下が
生じることがなくなる。
【0024】また、積層体12の内部にはビア導体13を形
成するだけでよいことからビア導体13のビア径を大きく
できるため、電流経路断面を広くでき、それによっても
同軸型共振器のQ値の低下を防ぐことができる。
【0025】図2(a)および(b)はそれぞれ本発明
の請求項2に係る積層共振器の実施形態を示す部分断面
図である。同図(a)の積層共振器19において、20は複
数の誘電体層が積層された積層体、21はその内部に誘電
体層にほぼ垂直に形成されたビア導体、22は積層体20の
ビア導体21と平行な側面に形成された側面グランド電
極、23は積層体20のビア導体21と垂直な一方の主面に形
成された主面グランド電極である。そして、ビア導体21
の一方端は主面グランド電極23に接続されている。
【0026】また、同図(b)は積層共振器19を基本構
成とした他の実施形態を示しており、(b)の積層共振
器24は積層体20の他方の主面にも主面グランド電極25を
形成した例である。これら主面グランド電極23・25も側
面グランド電極22と接続されて積層体20表面のグランド
電極となっており、このような表面のグランド電極の一
部に、グランド電極と区分されて入出力電極が形成され
る。
【0027】これらのような本発明の請求項2に係る積
層共振器19・24によれば、請求項1に係る積層共振器に
対して、積層体20のビア導体21と垂直な少なくとも一方
の主面に主面グランド電極23を形成してそれにビア導体
21の一方端を接続したことから、極めて簡単な構造によ
り1/4波長の同軸型共振器となる。
【0028】これらの積層共振器19・24においても、ビ
ア導体21で構成される同軸線路部分の特性インピーダン
スの不連続部分によるインピーダンスの不整合を生じる
ことがなく、ビア導体21のビア径を大きくできて電流経
路断面を広くできるため、同軸型共振器のQ値の低下が
生じなくなる。
【0029】図3は本発明の請求項3に係る積層共振器
の実施形態を示す部分断面図である。同図の積層共振器
26において、27は複数の誘電体層が積層された積層体、
28はその内部に誘電体層にほぼ垂直に形成されたビア導
体、29は積層体27のビア導体28と平行な側面に形成され
た側面グランド電極、30・31は積層体27のビア導体28と
垂直な主面に形成された主面グランド電極である。ビア
導体27の一方端は主面グランド電極30に接続されてい
る。
【0030】そして、32は開放端電極であり、積層体27
の誘電体層を介して主面グランド電極32と対向して誘電
体層と平行に面状に形成されて、ビア導体28の他方端に
接続されている。この開放端電極32の形状は四角形や円
形の他、三角形や多角形・楕円形など種々の形状であっ
てよく、所望の特性に応じてその大きさとともに適宜設
定すればよい。
【0031】なお、主面グランド電極30・31も側面グラ
ンド電極29と接続されて積層体27表面のグランド電極と
なっており、このような表面のグランド電極の一部に、
グランド電極と区分されて入出力電極が形成される。
【0032】このような本発明の請求項3に係る積層共
振器26によれば、請求項2に係る積層共振器に対して、
ビア導体28の他方端に、誘電体層を介して主面グランド
電極31と対向した、誘電体層と平行に形成された面状の
開放端電極32を接続したことから、これら開放端電極32
と主面グランド電極31との間に生じる容量が同軸型共振
器と並列に入ることとなり、同軸型共振器の軸方向長さ
を短くした1/4波長の同軸型共振器を得ることができ
る。
【0033】図4は本発明の請求項4に係る積層共振器
の実施形態を示す部分断面図である。同図の積層共振器
33において、34は複数の誘電体層が積層された積層体、
35はその内部に誘電体層にほぼ垂直に形成されたビア導
体、36は積層体34のビア導体35と平行な側面に形成され
た側面グランド電極、37・38は積層体34のビア導体35と
垂直な主面に形成された主面グランド電極である。ビア
導体35の一方端は主面グランド電極37に接続されてい
る。また、39は開放端電極であり、ビア導体35の他方端
に接続されている。
【0034】そして、40は開放端補助電極であり、環状
の導体もしくはほぼ環状に配列された複数個の導体が開
放端電極39からビア導体35を囲繞するように延設されて
成るものである。
【0035】図5(a)および(b)に、開放端補助電
極の例を開放端電極39を上から見た状態の部分平面図で
示す。同図(a)は環状の導体を開放端電極39から延設
して開放端補助電極40aを形成した例であり、(b)は
複数個の導体、ここでは小径のビア導体をほぼ環状に配
列して開放端電極39から延設して開放端補助電極40bを
形成した例である。なお、これらの図において41・42は
積層体34の他の側面に形成された側面グランド電極であ
る。
【0036】開放端補助電極40の形状は、これらの例の
他、三角形や多角形・楕円形など種々の環状としたもの
であっても、また、種々の形状の複数個の導体を種々の
環状に配列したものであってもよく、所望の特性に応じ
てその長さや厚みとともに適宜設定すればよい。
【0037】なお、主面グランド電極37・38も側面グラ
ンド電極36・41・42と接続されて積層体34表面のグラン
ド電極となっており、このような表面のグランド電極の
一部に、グランド電極と区分されて入出力電極が形成さ
れる。
【0038】このような本発明の請求項4に係る積層共
振器33によれば、請求項3に係る積層共振器に対して、
ビア導体35の他方端に形成された開放端電極39から、環
状の導体もしくはほぼ環状に配列された複数個の導体か
ら成る開放端補助電極40を、ビア導体35を囲繞するよう
に延設したことから、分布定数的に同軸型共振器と並列
に発生した容量が開放端電極39と主面グランド電極38と
の間に生じる容量に加わって同軸型共振器と並列に入る
こととなり、同軸型共振器の軸方向長さをさらに短くし
た1/4波長の同軸型共振器を得ることができる。
【0039】なお、この請求項4に係る積層共振器33に
おいては、ビア導体35と開放端電極39と開放端補助電極
40との間でインピーダンスが不連続となるが、開放端補
助電極40は電流がほとんど流れない開放端部分であるの
で、同軸型共振器のQ値の低下はほとんど生じない。
【0040】図6(a)〜(c)はそれぞれ本発明の請
求項5に係る積層共振器の実施形態を示す部分断面図で
ある。同図(a)の積層共振器43において、44は複数の
誘電体層が積層された積層体、45はその内部に誘電体層
にほぼ垂直に形成されたビア導体、46は積層体44のビア
導体45と平行な側面に形成された側面グランド電極、47
・48は積層体44のビア導体45と垂直な主面に形成された
主面グランド電極である。ビア導体45の一方端は主面グ
ランド電極47に接続されている。
【0041】そして、49はグランド補助電極であり、前
記の開放端補助電極40と同様に、環状の導体もしくはほ
ぼ環状に配列された複数個の導体がビア導体45の他方端
側の主面グランド電極48からビア導体45を囲繞するよう
に延設されて成るものである。これにより、請求項2に
係る積層共振器に対してグランド補助電極49を設けた例
となっている。
【0042】また、同図(b)および(c)は積層共振
器43を基本構成としてそれぞれ請求項3および請求項4
に係る積層共振器に対してグランド補助電極を設けた実
施形態を示しており、(b)の積層共振器50はビア導体
45の他方端に開放端電極51が形成され、グランド補助電
極49はこの開放端電極51ならびにビア導体45を囲繞する
ように延設されている。(c)の積層共振器52は開放端
電極51に開放端補助電極53が形成され、グランド補助電
極49はこれら開放端補助電極53が延設された開放端電極
51ならびにビア導体45を囲繞するように延設されてい
る。
【0043】グランド補助電極49の形状や配置・寸法・
厚み等は、前記の開放端補助電極40と同様に、円形や三
角形・多角形・楕円形など種々の環状とした形状であっ
ても、また、種々の形状の複数個の導体を種々の環状に
配列したものであってもよく、所望の特性に応じて適宜
設定すればよい。
【0044】なお、主面グランド電極47・48も側面グラ
ンド電極46と接続されて積層体44表面のグランド電極と
なっており、このような表面のグランド電極の一部に、
グランド電極と区分されて入出力電極が形成される。
【0045】これらのような本発明の請求項5に係る積
層共振器43・50・52によれば、請求項2乃至請求項4に
係る積層共振器に対して、ビア導体45の他方端側に形成
された主面グランド電極48から、環状の導体もしくはほ
ぼ環状に配列された複数個の導体から成るグランド補助
電極49を、ビア導体45もしくは開放端電極51を囲繞する
ように延設したことから、ビア導体45ならびにビア導体
45と開放端電極51・開放端補助電極53により構成される
同軸型共振器との間に並列に容量が発生して同軸共振器
と並列に入ることとなり、これによっても同軸型共振器
の軸方向長さをさらに短くした1/4波長の同軸型共振
器を得ることができる。
【0046】次に、図7(a)〜(c)はそれぞれ本発
明の請求項6に係る積層誘電体フィルタの実施形態を示
す断面図であり、図7においては請求項1に係る積層共
振器を配設した例を示している。
【0047】図7(a)の積層誘電体フィルタ61におい
て、62は複数の誘電体層が積層された積層体、63はその
内部に誘電体層にほぼ垂直に形成されたビア導体、64は
積層体62のビア導体63と平行な側面に形成された側面グ
ランド電極である。同図においては、請求項1に係る積
層共振器が2個、ビア導体63同士をほぼ平行として配設
された例を示している。
【0048】また、同図(b)および(c)は積層誘電
体フィルタ61を基本構成とした他の実施形態を示してお
り、(b)の積層誘電体フィルタ65は積層体62のビア導
体63と垂直な一方の主面に主面グランド電極66を形成し
た例であり、(c)の積層誘電体フィルタ67はさらに他
方の主面にも主面グランド電極68を形成した例である。
これら主面グランド電極66・68は側面グランド電極64と
接続されて積層体62表面のグランド電極となっており、
このような表面のグランド電極の一部に、グランド電極
と区分されて入出力電極が形成される。また、主面グラ
ンド電極66・68は後述するように各積層共振器の共振周
波数を調整し、積層共振器間の結合容量と相互インダク
タンスを調整して積層共振器間の結合度を調整するもの
となる。
【0049】これらのような本発明の請求項6に係る積
層誘電体フィルタ61・65・67によれば、積層体62の内部
に請求項1に係る積層共振器を複数個、ビア導体63同士
をほぼ平行として配設したという極めて簡単な構造によ
り、1/2波長の同軸型共振器を用いた積層誘電体フィ
ルタ61・65・67となる。これにより、ビア導体63で構成
される同軸線路部分の特性インピーダンスの不連続部分
によるインピーダンスの不整合が生じることがなく、ま
た、ビア導体63のビア径を大きくして電流経路断面を広
くできることから、同軸型共振器のQ値の低下を防止し
た良好な特性の小型の積層誘電体フィルタ61・65・67と
なる。
【0050】図8(a)〜(c)はそれぞれ本発明の請
求項6に係る積層誘電体フィルタの他の実施形態を示す
断面図であり、図8においては請求項2に係る積層共振
器を配設した例を示している。
【0051】図8(a)の積層誘電体フィルタ69におい
て、70は複数の誘電体層が積層された積層体、71はその
内部に誘電体層にほぼ垂直に形成されたビア導体、72は
積層体70のビア導体71と平行な側面に形成された側面グ
ランド電極、73は積層体70のビア導体71と垂直な一方の
主面に形成された主面グランド電極である。そして、ビ
ア導体71のそれぞれの一方端は主面グランド電極73に接
続されている。同図においては、請求項2に係る積層共
振器が2個、ビア導体71同士をほぼ平行として配設され
た例を示している。
【0052】また、同図(b)および(c)は積層誘電
体フィルタ69を基本構成とした他の実施形態を示してお
り、(b)の積層誘電体フィルタ74は積層体70の他方の
主面にも主面グランド電極75を形成した例であり、
(c)の積層誘電体フィルタ76はビア導体71の一方端を
一方の主面グランド電極73に、ビア導体77の一方端を他
方の主面グランド電極75にそれぞれ接続した例である。
これら主面グランド電極73・75も側面グランド電極72と
接続されて積層体70表面のグランド電極となっており、
このような表面のグランド電極の一部に、グランド電極
と区分されて入出力電極が形成される。また、主面グラ
ンド電極73・75は後述するように各積層共振器の共振周
波数を調整し、積層共振器間の結合容量と相互インダク
タンスを調整して積層共振器間の結合度を調整するもの
となる。
【0053】これらのような本発明の請求項6に係る積
層誘電体フィルタ69・74・76によれば、積層体70の内部
に請求項2に係る積層共振器を複数個、ビア導体71・77
同士をほぼ平行として配設したという極めて簡単な構造
により、1/4波長の同軸型共振器を用いた積層誘電体
フィルタ69・74・76となる。これにより、ビア導体70で
構成される同軸線路部分の特性インピーダンスの不連続
部分によるインピーダンスの不整合が生じることがな
く、また、ビア導体71・77のビア径を大きくして電流経
路断面を広くできることから、同軸型共振器のQ値の低
下を防止した良好な特性の小型の積層誘電体フィルタ69
・74・76となる。
【0054】図9(a)および(b)はそれぞれ本発明
の請求項6に係る積層誘電体フィルタの他の実施形態を
示す断面図であり、図9においては請求項3に係る積層
共振器を配設した例を示している。
【0055】図9(a)の積層誘電体フィルタ78におい
て、79は複数の誘電体層が積層された積層体、80はその
内部に誘電体層にほぼ垂直に形成されたビア導体、81は
積層体79のビア導体80と平行な側面に形成された側面グ
ランド電極、82・83は積層体79のビア導体80と垂直な主
面に形成された主面グランド電極である。ビア導体80の
それぞれの一方端は主面グランド電極82に接続されてい
る。84は開放端電極であり、積層体79の誘電体層を介し
て主面グランド電極83と対向して誘電体層と平行に面状
に形成されて、ビア導体80の他方端に接続されている。
同図においては、請求項3に係る積層共振器が2個、ビ
ア導体80同士をほぼ平行として配設された例を示してい
る。
【0056】また、同図(b)は積層誘電体フィルタ78
を基本構成とした他の実施形態を示しており、(b)の
積層誘電体フィルタ85はビア導体80の一方端を一方の主
面グランド電極82に接続し、ビア導体86の一方端を他方
の主面グランド電極83に接続してその他方端に開放端電
極87を接続した例である。これら主面グランド電極82・
83も側面グランド電極81と接続されて積層体79表面のグ
ランド電極となっており、このような表面のグランド電
極の一部に、グランド電極と区分されて入出力電極が形
成される。また、主面グランド電極82・83は後述するよ
うに各積層共振器の共振周波数を調整し、積層共振器間
の結合容量と相互インダクタンスを調整して積層共振器
間の結合度を調整するものとなる。
【0057】これらのような本発明の請求項6に係る積
層誘電体フィルタ78・85によれば、積層体79の内部に請
求項3に係る積層共振器を複数個、ビア導体80・86同士
をほぼ平行として配設したという極めて簡単な構造によ
り、1/4波長の同軸型共振器を用いた積層誘電体フィ
ルタ78・85となる。これにより、ビア導体80・86で構成
される同軸線路部分の特性インピーダンスの不連続部分
によるインピーダンスの不整合が生じることがなく、ま
た、ビア導体80・86のビア径を大きくして電流経路断面
を広くできることから、同軸型共振器のQ値の低下を防
止した良好な特性の小型の積層誘電体フィルタ78・85と
なるとともに、開放端電極84・87と主面グランド電極82
・83との間に生じる容量が同軸型共振器と並列に入るこ
ととなり、同軸型共振器の軸方向長さを短くしたさらに
小型の積層誘電体フィルタ78・85を得ることができる。
【0058】図10(a)および(b)はそれぞれ本発明
の請求項6に係る積層誘電体フィルタの他の実施形態を
示す断面図であり、図10においては請求項4に係る積層
共振器を配設した例を示している。
【0059】図10(a)の積層誘電体フィルタ88におい
て、89は複数の誘電体層が積層された積層体、90はその
内部に誘電体層にほぼ垂直に形成されたビア導体、91は
積層体89のビア導体90と平行な側面に形成された側面グ
ランド電極、92・93は積層体89のビア導体90と垂直な主
面に形成された主面グランド電極である。ビア導体90
のそれぞれの一方端は主面グランド電極92に接続され
ている。94は開放端電極であり、積層体89の誘電体層を
介して主面グランド電極93と対向して誘電体層と平行に
面状に形成されて、ビア導体90の他方端に接続されてい
る。95は開放端補助電極であり、環状の導体もしくはほ
ぼ環状に配列された複数個の導体が開放端電極94からビ
ア導体90を囲繞するように延設されて成る。同図におい
ては、請求項4に係る積層共振器が2個、ビア導体90同
士をほぼ平行として配設された例を示している。
【0060】また、同図(b)は積層誘電体フィルタ88
を基本構成とした他の実施形態を示しており、(b)の
積層誘電体フィルタ96はビア導体90の一方端を一方の主
面グランド電極92に接続し、ビア導体97の一方端を他方
の主面グランド電極93に接続してその他方端に開放端電
極98を接続した例である。これら主面グランド電極92・
93も側面グランド電極91と接続されて積層体89表面のグ
ランド電極となっており、このような表面のグランド電
極の一部に、グランド電極と区分されて入出力電極が形
成される。また、主面グランド電極92・93は後述するよ
うに各積層共振器の共振周波数を調整し、積層共振器間
の結合容量と相互インダクタンスを調整して積層共振器
間の結合度を調整するものとなる。
【0061】これらのような本発明の請求項6に係る積
層誘電体フィルタ88・96によれば、積層体89の内部に請
求項4に係る積層共振器を複数個、ビア導体90・97同士
をほぼ平行として配設したという簡単な構造により、1
/4波長の同軸型共振器を用いた積層誘電体フィルタ88
・96となる。これにより、ビア導体90・97を囲繞するよ
うに延設した開放端補助電極95・99により分布定数的に
同軸型共振器と並列に発生した容量が開放端電極94・98
と主面グランド電極92・93との間に生じる容量に加わっ
て同軸型共振器と並列に入ることとなり、同軸型共振器
の軸方向長さをさらに短くしたより小型の積層誘電体フ
ィルタ88・96を得ることができる。
【0062】図11(a)および(b)はそれぞれ本発明
の請求項6に係る積層誘電体フィルタの他の実施形態を
示す断面図であり、図11においては請求項5に係る積層
共振器を配設した例を示している。
【0063】図11(a)の積層誘電体フィルタ100 にお
いて、101 は複数の誘電体層が積層された積層体、102
はその内部に誘電体層にほぼ垂直に形成されたビア導
体、103 は積層体101 のビア導体102 と平行な側面に形
成された側面グランド電極、104 ・105 は積層体101 の
ビア導体102 と垂直な主面に形成された主面グランド電
極である。ビア導体102 のそれぞれの一方端は主面グラ
ンド電極104 に接続されている。106 はグランド補助電
極であり、環状の導体もしくはほぼ環状に配列された複
数個の導体がビア導体102 の他方端側の主面グランド電
極105 からビア導体106 を囲繞するように延設されて成
るものである。
【0064】また、同図(b)および(c)は積層誘電
体フィルタ100 を基本構成とした他の実施形態を示して
おり、(b)の積層誘電体フィルタ107 はビア導体102
の他方端に開放端電極108 が形成され、グランド補助電
極106 はこの開放端電極108ならびにビア導体102 を囲
繞するように延設されている。(c)の積層誘電体フィ
ルタ109 は開放端電極108 に開放端補助電極110 が形成
され、グランド補助電極106 はこれら開放端補助電極11
0 が延設された開放端電極108 ならびにビア導体102 を
囲繞するように延設されている。
【0065】これら図11(a)〜(c)においては、請
求項5に係る積層共振器が2個、ビア導体102 同士をほ
ぼ平行として配設された例を示している。
【0066】また、主面グランド電極104 ・105 も側面
グランド電極103 と接続されて積層体101 表面のグラン
ド電極となっており、このような表面のグランド電極の
一部に、グランド電極と区分されて入出力電極が形成さ
れる。また、主面グランド電極104 ・105 は後述するよ
うに各積層共振器の共振周波数を調整し、積層共振器間
の結合容量と相互インダクタンスを調整して積層共振器
間の結合度を調整するものとなる。
【0067】なお、図11においてはビア導体102 の一方
端を一方の主面グランド電極104 に接続した例を示した
が、図8(c)や図9(b)・図10(b)のように片方
のビア導体を他方の主面グランド電極105 に接続したも
のとしてもよい。
【0068】これらのような本発明の請求項6に係る積
層誘電体フィルタ100 ・107 ・109によれば、積層体101
の内部に請求項5に係る積層共振器を複数個、ビア導
体102 同士をほぼ平行として配設したという簡単な構造
により、1/4波長の同軸型共振器を用いた積層誘電体
フィルタ100 ・107 ・109 となる。これにより、ビア導
体102 ならびに開放端電極108 を囲繞するように延設し
たグランド補助電極106 によりビア導体102 ならびにビ
ア導体102 と開放端電極108 ・開放端補助電極110 によ
り構成される同軸型共振器との間に並列に容量が発生し
て同軸共振器と並列に入ることとなり、同軸型共振器の
軸方向長さをさらに短くしたより一層小型の積層誘電体
フィルタ100 ・107 ・109 を得ることができる。
【0069】また、以上の請求項6に係る積層誘電体フ
ィルタの実施形態においては積層体の内部に積層共振器
を2個配設した例を説明したが、積層共振器は3個以上
を配設したものでもよく、それらを複数列としてマトリ
ックス状に配設したものでもよいことは言うまでもな
い。
【0070】以上のような本発明の積層共振器および積
層誘電体フィルタに使用される誘電体層の材料として
は、所望の共振器特性およびフィルタ特性に応じて適宜
選択すればよいが、例えば高周波特性が良く誘電率が90
〜100 程度のチタン酸バリウム系のセラミックスや誘電
率が20前後のガラスセラミックス材料等を用いる。ま
た、誘電体層の厚みは例えば50〜200 μm程度とすれば
よい。
【0071】このような積層体は、誘電体材料粉末とバ
インダとを混合してドクターブレード法やロール圧延法
などによりシート状にし所定の寸法に成形したグリーン
シートを積層・圧着して焼成することにより作製され
る。
【0072】また、積層体の内部に形成されるビア導体
や開放端電極・開放端補助電極・補助グランド電極は、
前記積層体の作製に際して、ビア導体となる所定の貫通
孔を形成したグリーンシートに銅や銀等の金属粉末とバ
インダとを混合した導電性ペーストをスクリーン印刷法
等により被着・充填させ、それらを積層・圧着して焼成
することにより形成される。
【0073】本発明の積層共振器の作製法の例を、図3
に示した積層共振器26の場合を例にとり、図12に部分分
解斜視図で示す。同図において111 は誘電体材料粉末と
バインダを混合して所定の寸法に成形したグリーンシー
トであり、112 は焼成後にビア導体28となる貫通孔に充
填された導電性ペースト、113 は焼成後に開放端電極32
となる導電性ペーストのパターンである。導電性ペース
トのパターン113 の下には、点線で示すように貫通孔に
充填された導電性ペースト112 が配されている。これら
を各貫通孔の導電性ペースト112 が連続して接続される
ように積層して圧着し、焼成する。その後、積層体の側
面および主面にそれぞれ所定のパターンで導電性ペース
トを塗布して焼き付けることにより、側面グランド電極
29および主面グランド電極30・31を形成して、積層共振
器26が得られる。
【0074】次に、本発明の請求項7に係る積層誘電体
フィルタの共振特性調整方法につき、図面に基づいて説
明する。本発明の積層誘電体フィルタの共振特性調整方
法は図7〜図11に実施形態を例示した請求項6に係る積
層誘電体フィルタの共振特性調整方法であって、それら
の積層誘電体フィルタにおいて各積層共振器と対向す
る、ビア導体の他方端側の主面グランド電極の一部を除
去することにより、各積層共振器の共振周波数を調整す
ることを特徴とするものである。また、隣接する積層共
振器間に位置する主面グランド電極の一部を除去するこ
とにより、積層共振器間の結合度を調整することを特徴
とするものである。
【0075】上記の共振特性調整方法のうち共振周波数
の調整については、図1〜図4および図6に示した積層
共振器ならびに図7〜図11に示した本発明の請求項6に
係る積層誘電体フィルタにおいて、ビア導体に対向した
主面グランド電極上に矢印で示した部位の電極層を削除
することにより、ビア導体と主面グランド電極との間の
容量を調整することができ、その結果、積層共振器なら
びに積層誘電体フィルタの共振周波数を調整することが
できるものである。
【0076】積層共振器間の結合度の調整については、
図7〜図11に示した本発明の請求項6に係る積層誘電体
フィルタにおいて、隣接する積層共振器間に位置する主
面グランド電極の白抜き矢印で示した部位の一部を除去
することにより、積層共振器間を結合する容量と相互イ
ンダクタンスを調整することができることから、積層共
振器間の結合度を調整することができるものである。ま
た、積層共振器がマトリックス状に配設されている場合
は、それぞれの隣接する積層共振器間に対して結合度の
調整が可能である。
【0077】これらの共振特性調整方法においては、ビ
ア導体に開放端電極が接続されていると、その調整幅を
大きくとることができて、より好適となる。
【0078】以上のような本発明の請求項6に係る積層
誘電体フィルタならびに請求項7に係る共振特性調整方
法の例について、図9(a)に示した積層誘電体フィル
タ78を基本構成として、図13ならびに図14に示す。
【0079】図13(a)は本発明の請求項6に係る積層
誘電体フィルタならびに請求項7に係る積層誘電体フィ
ルタの共振特性調整方法の一実施形態を示すための積層
誘電体フィルタの外観斜視図であり、同図(b)はその
断面図である。これらに図示した積層誘電体フィルタ11
4 において、115 は複数の誘電体層が積層された積層
体、116 はその内部に誘電体層にほぼ垂直に形成された
ビア導体、117 ・117'は積層体115 のビア導体116 と平
行な側面に形成された側面グランド電極、118 ・119 は
積層体115 のビア導体116 と垂直な主面に形成された主
面グランド電極である。ビア導体116 のそれぞれの一方
端は主面グランド電極118 に接続されている。また、主
面グランド電極118 ・119 は側面グランド電極117 ・11
7'と接続されて積層体115 表面のグランド電極となって
おり、このような表面のグランド電極の一部に、グラン
ド電極と区分されて入出力電極120 が形成されている。
121は開放端電極であり、積層体115 の誘電体層を介し
て主面グランド電極119 と対向して誘電体層と平行に面
状に形成されて、ビア導体116 の他方端に接続されてい
る。
【0080】このような構成の積層誘電体フィルタ114
であれば、入出力電極120 とビア導体116 とが容量結合
したフィルタとなり、減衰域が容量性の入力インピーダ
ンスとなる。
【0081】そして、122 はビア導体116 の他方端側の
主面グランド電極119 の一部を除去した部分であり、こ
の除去した部分122 は各積層共振器の共振周波数を調整
するためのものである。また123 は隣接する積層共振器
間に位置する主面グランド電極119 の一部を除去した部
分であり、この除去した部分123 は積層共振器間の結合
度を調整するためのものである。
【0082】これにより、結合度と共振周波数は、主面
グランド電極119 の一部を除去する位置とその面積の大
きさにより自由に調整することができる。
【0083】図14(a)は本発明の請求項6に係る積層
誘電体フィルタならびに請求項7に係る積層誘電体フィ
ルタの共振特性調整方法の他の実施形態を示すための積
層誘電体フィルタの外観斜視図であり、同図(b)はそ
の断面図である。これらに図示した積層誘電体フィルタ
124 において、125 は複数の誘電体層が積層された積層
体、126 はその内部に誘電体層にほぼ垂直に形成された
ビア導体、127 ・127'は積層体125 のビア導体126 と平
行な側面に形成された側面グランド電極、128・129 は
積層体125 のビア導体126 と垂直な主面に形成された主
面グランド電極である。ビア導体126 のそれぞれの一方
端は主面グランド電極128 に接続されている。また、主
面グランド電極128 ・129 は側面グランド電極127 ・12
7'と接続されて積層体125 表面のグランド電極となって
おり、このような表面のグランド電極の一部に、グラン
ド電極と区分されて入出力電極130 が形成されている。
131 は開放端電極であり、積層体125 の誘電体層を介し
て主面グランド電極129 と対向して誘電体層と平行に面
状に形成されて、ビア導体126 の他方端に接続されてい
る。
【0084】このような構成の積層誘電体フィルタ124
であれば、入出力電極130 とビア導体126 とが誘導結合
したフィルタとなり、減衰域が誘導性のインピーダンス
となる。
【0085】そして、132 はビア導体126 の他方端側の
主面グランド電極129 の一部を除去した部分であり、こ
の除去した部分132 は各積層共振器の共振周波数を調整
するためのものである。また133 は隣接する積層共振器
間に位置する主面グランド電極129 の一部を除去した部
分であり、この除去した部分133 は積層共振器間の結合
度を調整するためのものである。
【0086】これにより、結合度と共振周波数は、主面
グランド電極129 の一部を除去する位置とその面積の大
きさにより自由に調整することができる。
【0087】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る積層共振器によ
れば、複数の誘電体層が積層された積層体の内部に誘電
体層にほぼ垂直に形成されたビア導体と、積層体のビア
導体と平行な側面に形成された側面グランド電極とによ
り構成されることから、極めて簡単な構造により1/2
波長の同軸型共振器となるとともに、ビア導体で構成さ
れる同軸線路部分の特性インピーダンスの不連続部分が
なくなってインピーダンスの不整合を生じて同軸型共振
器のQ値の低下が生じることがなくなり、また、積層体
の内部にはビア導体を形成するだけでよいことからビア
導体のビア径を大きくできるため、電流経路断面を広く
でき、それによっても同軸型共振器のQ値の低下を抑制
できる積層共振器を提供することができた。
【0088】本発明の請求項2に係る積層共振器によれ
ば、請求項1に係る積層共振器に対して、積層体のビア
導体と垂直な少なくとも一方の主面に主面グランド電極
を形成してそれにビア導体の一方端を接続したことか
ら、極めて簡単な構造により1/4波長の同軸型共振器
となるとともに、ビア導体で構成される同軸線路部分の
特性インピーダンスの不連続部分によるインピーダンス
の不整合を生じることがなく、ビア導体21のビア径を大
きくできて電流経路断面を広くできるため、同軸型共振
器のQ値の低下を抑制できる積層共振器を提供すること
ができた。
【0089】本発明の請求項3に係る積層共振器によれ
ば、請求項2に係る積層共振器に対して、ビア導体の他
方端に、誘電体層を介して主面グランド電極と対向し
た、誘電体層と平行に形成された面状の開放端電極を接
続したことから、これら開放端電極と主面グランド電極
との間に生じる容量が同軸型共振器と並列に入ることと
なり、Q値の低下を抑制することができるとともに同軸
型共振器の軸方向長さを短くした1/4波長の同軸型共
振器を提供することができた。
【0090】本発明の請求項4に係る積層共振器によれ
ば、請求項3に係る積層共振器に対して、ビア導体の他
方端に形成された開放端電極から、環状の導体もしくは
ほぼ環状に配列された複数個の導体から成る開放端補助
電極を、ビア導体を囲繞するように延設したことから、
分布定数的に同軸型共振器と並列に発生した容量が開放
端電極と主面グランド電極との間に生じる容量に加わっ
て同軸型共振器と並列に入ることとなり、同軸型共振器
のQ値の低下を抑制できるとともに同軸型共振器の軸方
向長さをさらに短くした1/4波長の同軸型共振器を提
供することができた。
【0091】本発明の請求項5に係る積層共振器によれ
ば、請求項2乃至請求項4に係る積層共振器に対して、
ビア導体の他方端側に形成された主面グランド電極か
ら、環状の導体もしくはほぼ環状に配列された複数個の
導体から成るグランド補助電極を、ビア導体もしくは開
放端電極を囲繞するように延設したことから、ビア導体
ならびにビア導体と開放端電極・開放端補助電極により
構成される同軸型共振器との間に並列に容量が発生して
同軸共振器と並列に入ることとなり、これによっても同
軸型共振器のQ値の低下を抑制できるとともに同軸型共
振器の軸方向長さをさらに短くした1/4波長の同軸型
共振器を提供することができた。
【0092】また、本発明の請求項6に係る積層誘電体
フィルタによれば、積層体の内部に請求項1乃至請求項
5に係る積層共振器を複数個、ビア導体同士をほぼ平行
として配設したことにより、同軸線路部分の特性インピ
ーダンスの不整合をなくすとともに広い電流経路断面を
確保してQ値の低下を抑制するとともに、同軸型共振器
の共振周波数と同軸型共振器間の結合度を調整すること
ができる、小型かつ高性能の積層誘電体フィルタを提供
することができた。
【0093】さらに、本発明の請求項7に係る積層誘電
体フィルタの共振特性調整方法によれば、各積層共振器
と対向する、ビア導体の他方端側の主面グランド電極の
一部、あるいは隣接する積層共振器間に位置する主面グ
ランド電極の一部を除去することにより、各積層共振器
の共振周波数あるいは積層共振器間の結合度を、積層誘
電体フィルタの作製後において容易に調整することがで
きる共振特性調整方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の積層共振器
の実施形態を示す部分断面図である。
【図2】(a)および(b)はそれぞれ本発明の積層共
振器の実施形態を示す部分断面図である。
【図3】本発明の積層共振器の実施形態を示す部分断面
図である。
【図4】本発明の積層共振器の実施形態を示す部分断面
図である。
【図5】(a)および(b)はそれぞれ本発明の積層共
振器の実施形態を示す部分平面図である。
【図6】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の積層共振器
の実施形態を示す部分断面図である。
【図7】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の積層誘電体
フィルタの実施形態を示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の積層誘電体
フィルタの実施形態を示す断面図である。
【図9】(a)および(b)はそれぞれ本発明の積層誘
電体フィルタの実施形態を示す断面図である。
【図10】(a)および(b)はそれぞれ本発明の積層
誘電体フィルタの実施形態を示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の積層誘電
体フィルタの実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明の積層共振器の作製法の例を示す部分
分解斜視図である。
【図13】(a)および(b)はそれぞれ本発明の積層
誘電体フィルタの実施形態を示す外観斜視図および断面
図である。
【図14】(a)および(b)はそれぞれ本発明の積層
誘電体フィルタの実施形態を示す外観斜視図および断面
図である。
【図15】従来の同軸型積層誘電体フィルタの例を示す
分解斜視図である。
【図16】従来の同軸型積層誘電体フィルタの例を示す
断面図である。
【符号の説明】
11,15,17,19,24,26,33,43,50,52 ・・・積層共振器、1
2,20,27,34,44,62,70,79,89,101,115,125・・・積層
体、13,21,28,35,45,63,71,80,86,90,97,102,116,126・
・・ビア導体、14,22,29,36,46,64,72,81,91,103,117,1
17',130,130'・・・側面グランド電極、16,18,23,25,3
0,31,37,38,47,48,66,68,73,75,82,83,92,93,104,105,1
18,119,128,129 ・・・主面グランド電極、32,39,51,8
4,87,94,98,108,121,131・・・開放端電極、40,53,95,9
9,110 ・・・開放端補助電極、49,106・・・グランド補
助電極、61,65,67,69,74,76,78,85,88,96,100,107,109,
114,124・・・積層誘電体フィルタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層が積層されて成るほぼ直
    方体状の積層体と、該積層体の内部に前記複数の誘電体
    層にほぼ垂直に形成されたビア導体と、前記積層体の前
    記ビア導体と平行な側面に形成された側面グランド電極
    とから成ることを特徴とする積層共振器。
  2. 【請求項2】 前記積層体の前記ビア導体と垂直な少な
    くとも一方の主面に主面グランド電極が形成されている
    とともに、前記ビア導体の一方端が前記主面グランド電
    極に接続されていることを特徴とする請求項1記載の積
    層共振器。
  3. 【請求項3】 前記ビア導体の他方端に、前記誘電体層
    を介して前記主面グランド電極と対向した、前記誘電体
    層と平行に形成された面状の開放端電極が接続されてい
    ることを特徴とする請求項2記載の積層共振器。
  4. 【請求項4】 前記開放端電極から前記ビア導体を囲繞
    するように、環状の導体もしくはほぼ環状に配列された
    複数個の導体から成る開放端補助電極が延設されている
    ことを特徴とする請求項3記載の積層共振器。
  5. 【請求項5】 前記ビア導体の他方端側の前記主面グラ
    ンド電極から、前記ビア導体もしくは前記開放端電極を
    囲繞するように、環状の導体もしくはほぼ環状に配列さ
    れた複数個の導体から成るグランド補助電極が延設され
    ていることを特徴とする請求項2乃至請求項4記載の積
    層共振器。
  6. 【請求項6】 複数の誘電体層が積層されて成る積層体
    の内部に請求項1乃至請求項5記載の積層共振器が複数
    個、前記ビア導体同士をほぼ平行として配設されて成る
    ことを特徴とする積層誘電体フィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の積層誘電体フィルタの共
    振特性調整方法であって、各積層共振器と対向する前記
    ビア導体の他方端側の前記主面グランド電極の一部を除
    去することにより各積層共振器の共振周波数を調整し、
    または隣接する積層共振器間に位置する前記主面グラン
    ド電極の一部を除去することにより前記積層共振器間の
    結合度を調整することを特徴とする積層誘電体フィルタ
    の共振特性調整方法。
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