JP3955212B2 - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、数百MHz〜数GHzのマイクロ波帯において共振回路を構成する積層型誘電体フィルタに関し、特に、製造ばらつきを抑制することができ、小型化並びに高歩留まり化を実現させることができる積層型誘電体フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、携帯電話等の無線通信システムの多様化に伴い、積層型誘電体フィルタに対して、小型化、低損失化の要請が強くなってきている。
【0003】
積層型誘電体フィルタの小型化を実現させるためには、共振器(共振電極)を小さくしなければならない。
【0004】
そこで、従来では、共振電極の開放端に容量を付加する手法が一般的に行われており、特に、積層型誘電体フィルタ100では、例えば図6及び図7に示すように、複数の誘電体層(S1〜S9:図7参照)が積層、焼成一体化され、かつ、表面にアース電極102が形成された誘電体基板104を有し、該誘電体基板104内に2組の共振器(第1及び第2の共振器106A及び106B)を有して構成されている。各共振器106A及び106Bは、例えばそれぞれ2つの共振電極(108A1、108A2)及び(108B1、108B2)がその積層方向に重ねられて構成され、積層方向の各共振電極間には誘電体層が介在されている。
【0005】
更に、各共振電極(108A1、108A2)及び(108B1、108B2)に対してそれぞれ3枚の内層アース電極(112A1、112A2、112A3)及び(112B1、112B2、112B3)を形成し、これら3枚の内層アース電極(112A1、112A2、112A3)及び(112B1、112B2、112B3)で、前記共振電極(108A1、108A2)及び(108B1、108B2)の開放端を挟み込む方法が採用されている。
【0006】
つまり、各共振電極(108A1、108A2)及び(108B1、108B2)の開放端と内層アース電極(112A1、112A2、112A3)及び(112B1、112B2、112B3)間に容量を形成することにより、フィルタの通過帯域の周波数を下げることができると共に、サイズを小さくすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の積層型誘電体フィルタ100において、フィルタの通過帯域を更に低下させたり、小型化を図る場合、例えば図8に示すように、共振器106A及び106Bを構成する共振電極(108A1、108A2、・・・108An)及び(108B1、108B2、・・・108Bn)の数を増やして、誘電体層の積層方向に配置させ、各共振電極(108A1、108A2、・・・108An)及び(108B1、108B2、・・・108Bn)の開放端間にそれぞれ内層アース電極(112A1、112A2、・・・112An)及び(112B1、112B2、・・・112Bn)を配置させていく方法が考えられる。
【0008】
しかし、単純に共振電極(108A1、108A2、・・・108An)及び(108B1、108B2、・・・108Bn)を積層していった場合、共振電極(108A1、108B1)及び(108An、108Bn)の短絡端部分が上下面のアース電極102に近づき、結果的に無負荷Qが低下するという問題がある。
【0009】
ここで、誘電体基板104の上下面に形成されたアース電極102間の距離をLaとし、複数の共振電極(108A1、108A2、・・・108An)及び(108B1、108B2、・・・108Bn)における短絡端部分のうち、誘電体基板104の上面に形成されたアース電極102に最も近い共振電極(108A1、108B1)の短絡端部分と、誘電体基板104の下面に形成されたアース電極102に最も近い共振電極(108An、108Bn)の短絡端部分との間の距離をLbとしたとき、Lb/Laと無負荷Qとの間には、図9に示すような関係がある。
【0010】
即ち、無負荷Qは、Lb/Laが0.15付近までは上昇傾向にあるが、0.15を過ぎたあたりから下降していることがわかる。
【0011】
また、単純に共振電極(108A1、108A2、・・・108An)及び(108B1、108B2、・・・108Bn)を積層していった場合、共振器106A及び106B間の結合度を調整するための結合調整電極120(図6、図7参照)や各共振器106A及び106Bと入力端子及び出力端子との接続を行う入力用電極122及び出力用電極124(図6、図7参照)を形成するためのスペースを新たに設ける必要があり、積層型誘電体フィルタ100の小型化を図ることができない。
【0012】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、積層型誘電体フィルタの通過帯域の低下、小型化及び低損失化を共に実現させることができる積層型誘電体フィルタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る積層型誘電体フィルタは、複数の誘電体層が積層されて構成された誘電体基板の表面にアース電極が形成され、前記誘電体基板内に1以上の共振器と内層アース電極とを有し、前記共振器は、1以上の共振電極を有し、かつ、その開放端部分が多層化されて構成され、前記内層アース電極は、前記共振電極の開放端部分のみに対向された積層型誘電体フィルタであって、前記誘電体基板のうち、前記複数の誘電体層の積層方向中央部分に短絡端部分を有する共振電極本体が形成され、前記誘電体基板内であって、前記誘電体基板の上面と前記共振電極本体との間に、1以上の第1開放端部分が形成され、前記誘電体基板内であって、前記誘電体基板の下面と前記共振電極本体との間に、1以上の第2開放端部分が形成され、前記第1開放端部分と前記第2開放端部分は、ビアホールを通じて前記共振電極本体と接続され、前記1以上の第1開放端部分のうち、前記誘電体基板の上面に最も近い第1開放端部分と、前記1以上の第2開放端部分のうち、前記誘電体基板の下面に最も近い第2開放端部分との間に前記内層アース電極が形成されていることを特徴とする。
【0014】
共振器を構成する1以上の共振電極の開放端部分を多層化したため、開放端部分のみを誘電体層の積層方向にそれぞれ間をあけて配置することが可能となり、共振電極の開放端部分の間に内層アース電極を配置することができる。これにより、積層型誘電体フィルタの通過帯域の低下及び小型化を有効に図ることができる。しかも、共振電極の短絡端部分については上下面のアース電極から離れた位置に形成することが可能となるため、無負荷Qの低下はほとんどない。
【0015】
このように、本発明においては、積層型誘電体フィルタの通過帯域の低下、小型化及び低損失化を共に実現させることができる。
【0017】
また、前記第1開放端部分から前記誘電体基板の上面に形成された前記アース電極までの最短距離をLo1、前記第2開放端部分から誘電体基板14の下面に形成されたアース電極12までの最短距離をLo2とし、前記共振電極の短絡端部分から前記誘電体基板の上面に形成された前記アース電極までの最短距離をLc1、前記共振電極の短絡端部分から前記誘電体基板の下面に形成された前記アース電極までの最短距離をLc2としたとき、Lo1<Lc1、かつ、Lo2<Lc2とすることが好ましい。
【0018】
また、1つの前記内層アース電極の面積を、1つの前記共振電極の1つの開放端部分の面積よりも大きく設定し、1つの前記内層アース電極にて前記1つの開放端部分を平面的に覆うように形成してもよい。
【0019】
この場合、前記内層アース電極に、前記ビアホールとの絶縁を確保するための電極未形成部分を有することが好ましい。更にこの場合、共振電極の開放端部分と内層アース電極との間に位置ずれがあったとしても、共振電極の開放端部分と内層アース電極との対向面積に変化はないため、積層ずれによる特性変動は生じない。これは、積層型誘電体フィルタの製造工数の削減並びに歩留まりの向上につながる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る積層型誘電体フィルタのいくつかの実施の形態例を図1〜図5を参照しながら説明する。
【0021】
第1の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタ10Aは、図1に示すように、複数の誘電体層(S1〜S11:図3参照)が積層、焼成一体化され、かつ、表面にアース電極12が形成された誘電体基板14を有し、該誘電体基板14内に2組の共振器(第1及び第2の共振器16A及び16B)を有して構成されている。各共振器16A及び16Bは、例えばそれぞれ3つの共振電極本体(18A、20A、22A)及び(18B、20B、22B)がその積層方向に重ねられて構成され、積層方向の各共振電極本体間には誘電体層が介在されている。
【0022】
共振器16A及び16Bを1/4波長の共振器とした場合は、誘電体基板14の側面のうち、共振電極本体(18A、20A、22A)及び(18B、20B、22B)が露出する面にアース電極12を形成して各共振電極本体(18A、20A、22A)及び(18B、20B、22B)の一方の端部をアース電極12と短絡させた構造が採用される。
【0023】
前記誘電体基板14は、一方の側面に入力端子24が形成され、他方の側面に出力端子26が形成されている。なお、入力端子24とアース電極12間、並びに出力端子26とアース電極12間にはそれぞれ絶縁のための領域(誘電体基板14が露出した部分)28及び30が設けられている。
【0024】
そして、第1及び第2の共振器16A及び16Bは、各開放端部分が多層化されて、それぞれ7つの開放端部分に分離され、そのうち、4つの開放端部分がそれぞれ共振電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)として共振電極本体(18A、20A、22A)及び(18B、20B、22B)とは別の平面上に形成された形態となっている。従って、以下の説明では、第1及び第2の共振器16A及び16Bの開放端部分を構成する各4つの共振電極を便宜的に開放端電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)と記す。
【0025】
更に、この第1の実施の形態では、第1の開放端電極40A及び40Bと第2の開放端電極42A及び42Bとの間に第1の内層アース電極48A及び48Bが形成され、2層目の共振電極本体20A及び20Bと同一平面上に第2の内層アース電極50A及び50Bが形成され、第3の開放端電極44A及び44Bと第4の開放端電極46A及び46Bとの間に第3の内層アース電極52A及び52Bが形成されている。
【0026】
この場合、各共振器16A及び16Bの開放端部分を第1〜第3の内層アース電極(48A、50A、52A)及び(48B、50B、52B)を介してアース電極12と容量結合させることで、各共振器16A及び16Bの電気長を短くすることができる。
【0027】
具体的に、第1の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタ10Aの構成を図3に基づいて説明すると、まず、誘電体基板14は、第1〜第11の誘電体層S1〜S11が順次積層されて構成されている。これら第1〜第11の誘電体層S1〜S11はそれぞれ1枚あるいは複数枚の層にて構成される。
【0028】
そして、第2の誘電体層S2の一主面には、2つの第1の開放端電極40A及び40Bが形成され、第3の誘電体層S3の一主面には、2つの第1の内層アース電極48A及び48Bが形成され、第4の誘電体層S4の一主面には、2つの第2の開放端電極42A及び42Bと、第1及び第2の共振器16A及び16B間の結合度を調整するための結合調整電極60が形成されている。
【0029】
また、第5の誘電体層S5の一主面には、1層目の2つの共振電極本体18A及び18Bが形成され、第6の誘電体層S6の一主面には、2層目の2つの共振電極本体20A及び20Bと、第2の内層アース電極50A及び50Bが形成され、第7の誘電体層S7の一主面には、3層目の2つの共振電極本体22A及び22Bが形成されている。
【0030】
更に、第8の誘電体層S8の一主面には、2つの第3の開放端電極44A及び44Bと、第1の共振器16Aと入力端子24(図1参照)とを容量を介して接続するための入力用電極62と、第2の共振器16Bと出力端子26(図1参照)とを容量を介して接続するための出力用電極64とが形成され、第9の誘電体層S9の一主面には、2つの第3の内層アース電極52A及び52Bが形成され、第10の誘電体層S10の一主面には、2つの第4の開放端電極46A及び46Bが形成されている。
【0031】
そして、入力側の第1の開放端電極40A、第2の開放端電極42A、1層目の共振電極本体18A、2層目の共振電極本体20A、3層目の共振電極本体22A、第3の開放端電極44A及び第4の開放端電極46Aはそれぞれ第1のビアホール70Aを通じて電気的に接続され、出力側の第1の開放端電極40B、第2の開放端電極42B、1層目の共振電極本体18B、2層目の共振電極本体20B、3層目の共振電極本体22B、第3の開放端電極44B及び第4の開放端電極46Bはそれぞれ第2のビアホール70Bを通じて電気的に接続されている。
【0032】
また、図2に示すように、第1の開放端電極40A及び40Bから誘電体基板14の上面に形成されたアース電極12までの距離をLo1、第4の開放端電極46A及び46Bから誘電体基板14の下面に形成されたアース電極12までの距離をLo2とし、1層目の共振電極本体18A及び18Bの短絡端部分から誘電体基板14の上面に形成されたアース電極12までの距離をLc1、3層目の共振電極本体22A及び22Bの短絡端部分から誘電体基板14の下面に形成されたアース電極12までの距離をLc2としたとき、Lo1<Lc1、かつ、Lo2<Lc2となっている。
【0033】
更に、誘電体基板14の上下面に形成されたアース電極12間の距離をLaとし、1層目の共振電極本体18A及び18Bにおける短絡端部分と、3層目の共振電極本体22A及び22Bにおける短絡端部分との間の距離をLbとしたとき、0.03<Lb/La<0.5を満足するようにしている。
【0034】
このように、第1の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタ10Aにおいては、第1及び第2の共振器16A及び16Bの開放端部分を多層化したため、開放端部分のみを誘電体層の積層方向にそれぞれ間をあけて配置することが可能となり、開放端電極の間に内層アース電極(48A、50A、52A)及び(48B、50B、52B)を配置することができる。これにより、積層型誘電体フィルタ10Aの通過帯域の低下及び小型化を有効に図ることができる。
【0035】
しかも、共振電極本体(18A、20A、22A)及び(18B、20B、22B)の短絡端部分については上下面のアース電極12から離れた位置に形成することが可能となるため、無負荷Qの低下はほとんどない。
【0036】
特に、誘電体基板14の上下面に形成されたアース電極12間の距離Laと、1層目の共振電極本体18A及び18Bにおける短絡端部分と3層目の共振電極本体22A及び22Bにおける短絡端部分との間の距離Lbとの比Lb/Laの関係をみた場合、図9に示すように、無負荷Qが最も高いポイントに設定することも可能となる。また、前記比Lb/Laとしては、0.03<Lb/La<0.5の範囲がよい。好ましくは、0.05<Lb/La<0.45の範囲がよく、更に好ましくは0.05<Lb/La<0.35の範囲がよい。特に、0.05<Lb/La<0.45の範囲に設定すれば、低損失の積層型誘電体フィルタ10Aを得ることができる。
【0037】
従って、この第1の実施の形態においては、積層型誘電体フィルタ10Aの通過帯域の低下、小型化及び低損失化を共に実現させることができる。
【0038】
次に、第2の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタ10Bについて図4及び図5を参照しながら説明する。
【0039】
この第2の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタ10Bは、図4及び図5に示すように、上述した第1の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタ10Aとほぼ同様の構成を有するが、全ての内層アース電極(48A、50A、52A、54A)及び(48B、50B、52B、54B)が共振電極本体(18A、20A、22A)及び(18B、20B、22B)とは別の平面上に形成されている点と、各内層アース電極(48A、50A、52A、54A)及び(48B、50B、52B、54B)の面積が、1つの開放端電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)の面積よりも大きく、平面的に内層アース電極(48A、50A、52A、54A)及び(48B、50B、52B、54B)にて開放端電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)を覆うように形成されている点と、内層アース電極(48A、50A、52A、54A)及び(48B、50B、52B、54B)に、ビアホール70A及び70Bとの絶縁を確保するための電極未形成部(80A、82A、84A、86A)及び(80B、82B、84B、86B)を有する点で異なる。
【0040】
具体的に図5を参照しながら説明すると、まず、誘電体基板14は、第1〜第13の誘電体層S1〜S13が順次積層されて構成されている。これら第1〜第13の誘電体層S1〜S13はそれぞれ1枚あるいは複数枚の層にて構成される。
【0041】
そして、第2の誘電体層S2の一主面には、2つの第1の開放端電極40A及び40Bが形成され、第3の誘電体層S3の一主面には、2つの第1の内層アース電極48A及び48Bが形成され、第4の誘電体層S4の一主面には、2つの第2の開放端電極42A及び42Bが形成され、第5の誘電体層S5の一主面には、2つの第2の内層アース電極50A及び50Bと結合調整電極60とが形成されている。
【0042】
また、第6の誘電体層S6の一主面には、1層目の2つの共振電極本体18A及び18Bが形成され、第7の誘電体層S7の一主面には、2層目の2つの共振電極本体20A及び20Bが形成され、第8の誘電体層S8の一主面には、3層目の2つの共振電極本体22A及び22Bが形成されている。
【0043】
更に、第9の誘電体層S9の一主面には、2つの第3の内層アース電極52A及び52Bと入力用電極62と出力用電極64とが形成され、第10の誘電体層の一主面S10には、2つの第3の開放端電極44A及び44Bが形成され、第11の誘電体層S11の一主面には、2つの第4の内層アース電極54A及び54Bが形成され、第12の誘電体層S12の一主面には、2つの第4の開放端電極46A及び46Bが形成されている。
【0044】
そして、入力側の第1〜第4の内層アース電極48A、50A、52A及び54Aは、第1〜第4の開放端電極40A、42A、44A及び46Aを平面的に覆うように形成され、更に、それぞれ第1のビアホール70Aとの絶縁を確保するための電極未形成部80A、82A、84A及び86Aを有し、出力側の第1〜第4の内層アース電極48B、50B、52B及び54Bは、第1〜第4の開放端電極40B、42B、44B及び46Bを平面的に覆うように形成され、更に、それぞれ第2のビアホール70Bとの絶縁を確保するための電極未形成部80B、82B、84B及び86Bを有する。
【0045】
この第2の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタ10Bにおいても、通過帯域の低下、小型化及び低損失化を共に実現させることができる。特に、内層アース電極(48A、50A、52A、54A)及び(48B、50B、52B、54B)の面積を、開放端電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)の面積よりも大きく設定し、平面的に内層アース電極(48A、50A、52A、54A)及び(48B、50B、52B、54B)にて開放端電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)を覆うようにしたので、開放端電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)と内層アース電極(48A、50A、52A、54A)及び(48B、50B、52B、54B)との間に位置ずれがあったとしても、開放端電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)と内層アース電極(48A、50A、52A、54A)及び(48B、50B、52B、54B)との対向面積に変化はないため、積層ずれによる特性変動は生じない。これは、積層型誘電体フィルタ10Bの製造工数の削減並びに歩留まりの向上につながる。
【0046】
上述の実施の形態では、2つの共振器16A及び16Bを有する積層型誘電体フィルタ10A及び10Bに適用した例を示したが、その他、3つ以上の共振器を有する積層型誘電体フィルタにも適用させることができる。
【0047】
また、上述の実施の形態では、各共振器16A及び16Bをそれぞれ3層の共振電極本体(18A、20A、22A)及び(18B、20B、22B)にて構成した例を示したが、その他、1層の共振電極、あるいは2層の共振電極、あるいは4層以上の共振電極にて構成するようにしてもよい。
【0048】
また、上述の実施の形態では、各共振器16A及び16Bについてそれぞれ4つの開放端電極(40A、42A、44A、46A)及び(40B、42B、44B、46B)を形成した例を示したが、2つの開放端電極、あるいは3つの開放端電極、あるいは5つ以上の開放端電極を形成するようにしてもよい。
【0049】
なお、この発明に係る積層型誘電体フィルタは、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る積層型誘電体フィルタによれば、通過帯域の低下、小型化及び低損失化を共に実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタの構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタの構成を示す縦断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタの構成を示す分解斜視図である。
【図4】第2の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタの構成を示す縦断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係る積層型誘電体フィルタの構成を示す分解斜視図である。
【図6】従来例に係る積層型誘電体フィルタの構成を示す縦断面図である。
【図7】従来例に係る積層型誘電体フィルタの構成を示す分解斜視図である。
【図8】多数の共振電極を積層していった場合の積層型誘電体フィルタの構成を示す説明図である。
【図9】Lb/Laと無負荷Qとの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10A、10B…積層型誘電体フィルタ
12…アース電極
14…誘電体基板
16A…第1の共振器
16B…第2の共振器
18A、18B…1層目の共振電極本体
20A、20B…2層目の共振電極本体
22A、22B…3層目の共振電極本体
40A、40B…第1の開放端電極
42A、42B…第2の開放端電極
44A、44B…第3の開放端電極
46A、46B…第4の開放端電極
48A、48B…第1の内層アース電極
50A、50B…第2の内層アース電極
52A、52B…第3の内層アース電極
54A、54B…第4の内層アース電極
70A…第1のビアホール
70B…第2のビアホール
Claims (4)
- 複数の誘電体層が積層されて構成された誘電体基板の表面にアース電極が形成され、前記誘電体基板内に1以上の共振器と内層アース電極とを有し、
前記共振器は、1以上の共振電極を有し、かつ、その開放端部分が多層化されて構成され、
前記内層アース電極は、前記共振電極の開放端部分のみに対向された積層型誘電体フィルタであって、
前記誘電体基板のうち、前記複数の誘電体層の積層方向中央部分に短絡端部分を有する共振電極本体が形成され、
前記誘電体基板内であって、前記誘電体基板の上面と前記共振電極本体との間に、1以上の第1開放端部分が形成され、
前記誘電体基板内であって、前記誘電体基板の下面と前記共振電極本体との間に、1以上の第2開放端部分が形成され、
前記第1開放端部分と前記第2開放端部分は、ビアホールを通じて前記共振電極本体と接続され、
前記1以上の第1開放端部分のうち、前記誘電体基板の上面に最も近い第1開放端部分と、前記1以上の第2開放端部分のうち、前記誘電体基板の下面に最も近い第2開放端部分との間に前記内層アース電極が形成されていることを特徴とする積層型誘電体フィルタ。 - 請求項1記載の積層型誘電体フィルタにおいて、
前記第1開放端部分から前記誘電体基板の上面に形成された前記アース電極までの最短距離をLo1、前記第2開放端部分から誘電体基板14の下面に形成されたアース電極12までの最短距離をLo2とし、
前記共振電極の短絡端部分から前記誘電体基板の上面に形成された前記アース電極までの最短距離をLc1、前記共振電極の短絡端部分から前記誘電体基板の下面に形成された前記アース電極までの最短距離をLc2としたとき、
Lo1<Lc1、かつ、Lo2<Lc2であることを特徴とする積層型誘電体フィルタ。 - 請求項1又は2記載の積層型誘電体フィルタにおいて、
1つの前記内層アース電極の面積は、1つの前記共振電極の1つの開放端部分の面積よりも大きく設定され、1つの前記内層アース電極にて前記1つの開放端部分を平面的に覆うように形成されていることを特徴とする積層型誘電体フィルタ。 - 請求項3記載の積層型誘電体フィルタにおいて、
1つの前記内層アース電極は、前記ビアホールとの絶縁を確保するための電極未形成部分を有することを特徴とする積層型誘電体フィルタ。
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