JP4279695B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばダイポールアンテナやループアンテナ等の平衡入力方式のアンテナ装置に関する。
一般に、基本的なアンテナ素子としては、平衡入力方式のダイポールアンテナ及びループアンテナや、不平衡入力方式のモノポールアンテナ及びヘリカルアンテナ等がある。
平衡入力方式のアンテナ装置は、グランド板を利用せず、アンテナ装置自身で励振する構造(グランド板がない状態でアンテナ装置として動作する構造)であり、不平衡入力方式のアンテナ装置は、グランド板を利用して励振する構造である。
これらの不平衡入力のアンテナ装置は、アンテナ装置自身のみでなく、グランド板と一体となってアンテナ装置として動作するため、グランド板のサイズ、アンテナのマウント位置等の影響を受けやすい欠点を持っている。即ち、不平衡入力方式のアンテナ装置を移動体通信機に搭載して使用した場合、通信機の筐体はグランド板として機能するが、グランド板は無限平面ではないため、筐体の形、サイズによってアンテナ装置を調整しなくてはならないという不都合がある。
一方、平衡入力方式のアンテナ装置は、筐体の影響を受けにくく、不平衡入力方式のアンテナ装置よりも調整の手間が少なくて済むという利点がある。また、性能面では、同一の原理で励振する不平衡入力方式のアンテナ装置と比較すると、アンテナ装置自身が大きいため、利得、帯域幅の面で有利になる。
更に、従来では、アンテナ装置の小型化並びに通信機の小型化を図るために、例えば誘電体基板の表面に電極膜によるアンテナ電極を形成したものが多数提案されている(例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
特開平10−41722号公報 特開平9−162633号公報 特開平10−32413号公報
ところで、従来においては、これまで、高周波帯域のアンテナ装置として、不平衡入力方式のアンテナ装置(モノポール、逆F型モノポール、パッチアンテナ等)が使用されてきた。
その理由は、近年の携帯電話や無線LAN等に代表される無線通信では、スイッチやバンドパスフィルタなどのアンテナ装置へ接続される初段の部品の入出力が不平衡だからである。
このような状況で、不平衡出力方式の上述のような初段の部品に平衡入力方式のアンテナ装置を接続する場合は、平衡−不平衡変換器であるバランを別途使用する必要がある。
別途バランを設けると、部品点数の増大、基板占有面積の拡大が生じ、基本的な要求であるアンテナ装置の小型化を実現できないという問題がある。
つまり、現状では、不平衡入力方式のアンテナ装置を使用する方が挿入損失、コストの面で有利になる。
しかしながら、別途バランを使用しなくても平衡入力方式のアンテナ装置を不平衡出力方式の初段の部品(ローノイズアンプやバンドパスフィルタなど)に接続することができれば、平衡入力方式のアンテナ装置が有する利点を十分に発揮させることができ、アンテナ装置の更なる小型化、高性能化を促進させることができることは明らかである。
なお、誘電体基板にアンテナ電極を形成した各種提案例に係るアンテナ装置においては、もっぱらアンテナの形成パターンに関するものであり、初段の部品への接続については何ら問題提起がなされていない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、別途バランを使用しなくても、不平衡出力方式の初段の部品に対して平衡入力方式のアンテナ装置を接続することができ、アンテナ装置を有する電子機器(通信機器を含む)の小型化及び高性能化を実現させることができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
第1の本発明に係るアンテナ装置は、複数の誘電体層が積層されて構成され、直方体状を有する誘電体基板と、該誘電体基板に、平衡入出力方式のアンテナを有するアンテナ部と、複数のストリップラインを有する不平衡−平衡変換部が形成されたアンテナ装置において、前記不平衡−平衡変換部は、前記誘電体基板内の第1形成面に形成され、一端が前記不平衡−平衡変換部の不平衡入出力部を構成する第1のストリップラインと、前記誘電体基板内の第2形成面に形成され、かつ、各一端がそれぞれアース電極に接続された第2及び第3のストリップラインとを有し、前記アンテナ部は、前記第2形成面において、前記第2のストリップラインから連続して形成され、前記誘電体基板の長手方向に沿って延びる第1アンテナ電極と、前記第2形成面において、前記第3のストリップラインから連続して形成され、前記誘電体基板の長手方向に沿って延びる第2アンテナ電極とを有することを特徴とする。
アンテナ部と不平衡−平衡変換部とを一体化するようにしているため、平衡入出力方式のアンテナ装置を不平衡入出力方式の初段の部品に接続する際に、別途バランを使用する必要がなく、バランの部品コスト、実装コストを省くことができる。また、不平衡−平衡変換部をストリップラインにて形成するようにしたので、不平衡−平衡変換部の実装面積を小さくすることができる。特に、不平衡−平衡変換部を構成する第2及び第3のストリップラインの形成面にアンテナ部を構成する第1及び第2のアンテナ電極を連続して形成するようにしたので、縦方向のサイズを小さくすることができ、アンテナ装置の更なる小型化を図ることができる。
このように、第1の本発明においては、別途バランを使用しなくても、不平衡出力方式の初段の部品に対して平衡入力方式のアンテナ装置を接続することができ、アンテナ装置を有する電子機器(通信機器を含む)の小型化及び高性能化を実現させることができる。
そして、第1の本発明において、前記誘電体基板内に、さらにフィルタ部を有し、前記フィルタ部は、前記第1形成面と内層アース電極を間に挟んで対向する第3形成面に形成された共振電極を有するようにしてもよい。この場合、前記第1形成面に形成された前記第1ストリップラインの前記一端が、前記内層アース電極と前記第3形成面との間に形成された接続部を介して前記第3形成面に形成された前記共振電極と電気的に接続されていてもよい。
これにより、別途バランを使用しなくても、不平衡出力方式の初段の部品に対して平衡入力方式のアンテナ装置を接続することができることはもちろん、フィルタ部として小型化に有利な1/4波長の共振器にて構成することができ、アンテナ部とフィルタ部とが一体化された部品の小型化を図ることができる。
また、一体化することで、フィルタ部と不平衡−平衡変換部間の特性インピーダンスを特定の値(例えば50Ω)に設定する必要がなくなり、両者間の特性インピーダンスを任意に決定することができるため、それぞれの設計の自由度を増すことができる。また、両者間の特性インピーダンスを低く設定することができることから、フィルタ部を形成しやすくなり、不平衡−平衡変換部を構成するストリップラインの線幅を広げることができるため、不平衡−平衡変換部の損失も低減できるという効果がある。
次に、第2の本発明に係るアンテナ装置は、複数の誘電体層が積層されて構成され、直方体状を有する誘電体基板と、該誘電体基板内に、平衡入出力方式のアンテナを有するアンテナ部と、複数のストリップラインを有する不平衡−平衡変換部とが形成されたアンテナ装置において、前記不平衡−平衡変換部は、前記誘電体基板内の第1形成面に形成され、かつ、一端が前記不平衡−平衡変換部の不平衡入出力部を構成する第1のストリップラインと、前記誘電体基板内の第2形成面に形成され、かつ、一端がアース電極に接続された第2のストリップラインと、前記誘電体基板内の第3形成面に形成され、かつ、一端が開放とされ、他端が前記第1のストリップラインの他端に接続された第3のストリップラインと、前記誘電体基板内の第4形成面に形成され、かつ、一端がアース電極に接続された第4のストリップラインとを有し、前記アンテナ部は、前記第2形成面において、前記第2のストリップラインから連続して形成され、前記誘電体基板の長手方向に沿って延びる第1アンテナ電極と、前記第4形成面において、前記第4のストリップラインから連続して形成され、前記誘電体基板の長手方向に沿って延びる第2アンテナ電極とを有することを特徴とするそして、第2の本発明において、前記誘電体基板内に、さらにフィルタ部を有し、前記フィルタ部は、前記第1形成面と内層アース電極を間に挟んで対向する第5形成面に形成された共振電極を有するようにしてもよい。この場合、前記第1形成面に形成された前記第1ストリップラインの前記一端が、前記内層アース電極と前記第5形成面との間に形成された接続部を介して前記第5形成面に形成された前記共振電極と電気的に接続されていてもよい。上述した第1及び第2の本発明において、前記アンテナ部における前記誘電体基板の実効誘電率が、前記不平衡−平衡変換部における前記誘電体基板の実効誘電率よりも高くすることが好ましい。これにより、アンテナ部での波長短縮効果を利用することができ、設計の自由度を高めることができると共に、不平衡−平衡変換部での浮遊結合を抑制することができる。また、上述した第1及び第2の本発明において、前記第1アンテナ電極及び前記第2アンテナ電極は、それぞれミアンダ形状であってもよい。また、前記アンテナ部のインピーダンスが任意の値に設定されていてもよい。
以上説明したように、本発明に係るアンテナ装置によれば、別途バランを使用しなくても、不平衡出力方式の初段の部品に対して平衡入力方式のアンテナ装置を接続することができ、アンテナ装置を有する電子機器(通信機器を含む)の小型化及び高性能化を実現させることができる。
以下、本発明に係るアンテナ装置のいくつかの実施の形態例を図1〜図15を参照しながら説明する。
まず、第1の実施の形態に係るアンテナ装置10Aは、図1に示すように、複数の誘電体層(S1〜S6:図2参照)が積層、焼成一体化され、かつ、両主面(第2の誘電体層S2の一主面及び第6の誘電体層S6の一主面)にそれぞれ内層アース電極12a及び12bが形成された誘電体基板14を有する。
そして、誘電体基板14の上面(第1の誘電体層S1の一主面)に、図2に示すように、2本のアンテナ電極18a及び18bからなるアンテナ部20が形成され、誘電体基板14内に、複数のストリップライン22、24及び26を有する不平衡−平衡変換部(以下、便宜的に変換部28と記す)と、外部回路と変換部28とを接続するための接続部30とが形成されている。ここで、アンテナ部20を構成する2本のアンテナ電極18a及び18bは共に直線形状を有し、誘電体基板14の長手方向に沿って、かつ、各開放端が互いに離間する位置となるように第1の誘電体層S1上に形成されている。
また、誘電体基板14は、図2に示すように、上から順に、第1の誘電体層S1〜第6の誘電体層S6が積み重ねられて構成されている。これら第1〜第6の誘電体層S1〜S6は1枚あるいは複数枚の層にて構成される。
アンテナ部20と変換部28は、誘電体基板14上、第1〜第6の誘電体層S1〜S6の積層方向上下に分離された領域にそれぞれ形成されている。例えば、図2上、積層方向上部にアンテナ部20が形成され、積層方向下部に変換部28が形成され、アンテナ部20と変換部28間に接続部30が形成されている。
つまり、第1の誘電体層S1にアンテナ部20が形成され、第3の誘電体層S3に接続部30が形成され、第4及び第5の誘電体層S4及びS5にかけて変換部28が形成されている。なお、第2の誘電体層S2の一主面に形成されたアース電極12aは、アンテナ部20と変換部28とのアイソレーションを目的とした内層アース電極としても機能する。
また、このアンテナ装置10Aにおいては、図1に示すように、誘電体基板14の外周面のうち、第1の側面14aには、その中央部分に外部回路と接続するための不平衡入出力端子34が形成され、その両側にアース電極12a及び12bをつなぐアース電極12cが形成されている。これら不平衡入出力端子34とアース電極(内層アース電極を含む)との間には、それぞれ絶縁をとるための領域が確保されている。
そして、接続部30は、図2に示すように、第3の誘電体層S3の一主面に形成された接続電極36を有して構成され、該接続電極36は、一端が不平衡入出力端子34に接続され、他端が第3の誘電体層S3のほぼ中央部分に位置し、変換部28の入出力側とビアホール38を通じて接続されるようになっている。
第4の誘電体層S4の一主面には、変換部28を構成する第1のストリップライン22が形成されている。この第1のストリップライン22は、上述した接続電極36の他端に対応する箇所(第1の接続端40)から渦巻き状に展開され、更に、第1の接続端40と線対称の位置(第1及び第2の平衡入出力端42a及び42bを結ぶ線分の2等分線mを基準とした線対称の位置)に配された終端44に向かって渦巻き状に収束するような形状とされている。第1の接続端40と接続電極36の他端とはビアホール38を介して電気的に接続されている。
また、第5の誘電体層S5の一主面には、変換部28を構成する第2及び第3のストリップライン24及び26が形成されている。第2のストリップライン24は、上述した第1のストリップライン22における第1の接続端40に対応する箇所(第2の接続端46)から第1の平衡入出力端42aに向かって渦巻き状に展開された形状を有し、第3のストリップライン26は、上述した第1のストリップライン22における終端44に対応する箇所(第3の接続端48)から第2の平衡入出力端42bに向かって渦巻き状に展開された形状を有する。
特に、第2及び第3のストリップライン24及び26は、その渦巻き状の形状が互いに線対称(前記2等分線mを基準とした線対称)とされている。
前記第2及び第3の接続端46及び48は、第6の誘電体層S6の一主面に形成されたアース電極12bにそれぞれビアホール50及び52を介して電気的に接続されている。
また、第1の平衡入出力端42aは、アンテナ部20における第1のアンテナ電極18aの端部にビアホール54を通じて電気的に接続され、第2の平衡入出力端42bは、アンテナ部20における第2のアンテナ電極18bの端部にビアホール56を通じて電気的に接続されている。
更に、この第1の実施の形態では、誘電体基板14を構成する複数の誘電体層として、任意に設定した異種材料による第1〜第6の誘電体層S1〜S6を使用し、これらの誘電体層S1〜S6を積層、焼成一体化するようにしている。
特に、アンテナ部20が形成される部分の誘電体層(第1の誘電体層S1)として高誘電率(例えばε=25)の誘電体層を使用し、変換部28が形成される部分の誘電体層(第4及び第5の誘電体層S4及びS5)として低誘電率(例えばε=7)の誘電体層を使用している。
このように、第1の実施の形態に係るアンテナ装置10Aにおいては、誘電体基板14に、平衡入出力方式のアンテナ部20を形成し、誘電体基板内14に、第1〜第3のストリップライン22、24及び26を有する変換部28を形成し、アンテナ部20と変換部28とを一体化するようにしたので、平衡入出力方式のアンテナ装置を不平衡入出力方式の初段の部品に接続する際に、別途バランを使用する必要がなく、バランの部品コスト、実装コストを省くことができる。また、変換部28を第1〜第3のストリップライン22、24及び26にて形成するようにしたので、変換部28の実装面積を小さくすることができる。
つまり、この第1の実施の形態においては、別途バランを使用しなくても、不平衡出力方式の初段の部品に対して平衡入力方式のアンテナ装置を接続することができ、アンテナ装置10Aを有する電子機器(通信機器を含む)の小型化及び高性能化を実現させることができる。
特に、この第1の実施の形態では、アンテナ部20が形成される部分の誘電体層と、変換部28が形成される部分の誘電体層とをそれぞれ異種材料にて構成し、アンテナ部20が形成される部分の誘電体層の誘電率を、変換部28が形成される部分の誘電体層の誘電率よりも高くしたので、アンテナ部20での波長短縮効果を利用することができ、設計の自由度を高めることができると共に、変換部28での浮遊結合を抑制することができる。
また、第2及び第3のストリップライン24及び26は、第1及び第2の平衡入出力端42a及び42bを結ぶ線分の2等分線mを中心に線対称となるように形成するようにしたので、アンテナ部20の入出力特性のバランスを良好にすることができる。
更に、アンテナ部20と変換部28間の特性インピーダンスを特定の値(例えば50Ω)に設定する必要がなくなり、両者間の特性インピーダンスを任意に決定することができる。そのため、アンテナ部20の小型化を図ることができ、アンテナ装置10A並びに該アンテナ装置10Aを実装した通信機器等の小型化を図ることができる。
次に、第2の実施の形態に係るアンテナ装置10Bについて図3及び図4を参照しながら説明する。なお、第1の実施の形態に係るアンテナ装置10Aと対応するものについては同符号を付してその重複説明を省略する。
この第2の実施の形態に係るアンテナ装置10Bは、図4に示すように、上述した第1の実施の形態に係るアンテナ装置10Aとほぼ同様の構成を有するが、変換部28の形成面にアンテナ部20が形成されている点で異なる。
具体的には、この第2の実施の形態に係るアンテナ装置10Bは、図3及び図4に示すように、複数の誘電体層(S1〜S5:図4参照)が積層、焼成一体化され、かつ、両主面(第1の誘電体層S1の一主面及び第5の誘電体層S5の一主面)にそれぞれアース電極12a及び12bが形成された誘電体基板14を有する。また、第2の誘電体層S2の一主面には接続部30を構成する接続電極36が形成され、第3の誘電体層S3の一主面には変換部28を構成する第1のストリップライン22が形成されている。
そして、第4の誘電体層S4の一主面には、変換部28を構成する第2及び第3のストリップライン24及び26が形成され、更に、第2及び第3のストリップライン24及び26からそれぞれ第1及び第2のアンテナ電極18a及び18bが第3の誘電体層S3の長手方向に沿って形成されている。
この第2の実施の形態に係るアンテナ装置10Bにおいては、上述の第1の実施の形態に係るアンテナ装置10Aと同様に、平衡入出力方式のアンテナ装置を不平衡入出力方式の初段の部品に接続する際に、別途バランを使用する必要がなく、バランの部品コスト、実装コストを省くことができる。
特に、変換部28を構成する第2及び第3のストリップライン24及び26の形成面にアンテナ部20を構成する第1及び第2のアンテナ電極18a及び18bを形成するようにしたので、縦方向のサイズを小さくすることができ、アンテナ装置10Bの更なる小型化を図ることができる。
なお、上述の例では、アンテナ装置10Bのパターン形状として直線形状を示したが、その他、図5に示すように、ミアンダ形状にしてもよいし、図6に示すように、ループ形状のアンテナ電極18としてもよい。また、図7に示すように、誘電体基板14の側面のうち、アンテナ電極18a及び18bの開放端と対向する側面に接地電極19を形成するようにしてもよい。この場合、アンテナ電極の小型化を図ることができる。
次に、第3の実施の形態に係るアンテナ装置10Cについて図8及び図9を参照しながら説明する。なお、図3及び図4と対応するものについては同符号を付してその重複説明を終了する。また、この第3の実施の形態では、アンテナ部20を通じて信号を空間上に出力する例を主体に説明する。もちろん、この逆の形態も適用できる。
この第3の実施の形態に係るアンテナ装置10Cは、上述した第2の実施の形態に係るアンテナ装置10Bとほぼ同様の構成を有するが、アンテナ部20と変換部28に加えてフィルタ部100が一体化されている点で異なる。
具体的には、この第3の実施の形態に係るアンテナ装置10Cは、図8及び図9に示すように、複数の誘電体層(S1〜S11:図9参照)が積層、焼成一体化され、かつ、両主面(第1の誘電体層S1の一主面及び第11の誘電体層S11の一主面)にそれぞれアース電極12a及び12bが形成された誘電体基板14を有する。
誘電体基板14内には、上述したように、アンテナ部20と変換部28に加えて、2つの1/4波長の共振器(入力側共振器並びに出力側共振器)を構成する第1及び第2の入力側共振電極102a及び102b並びに第1及び第2の出力側共振電極104a及び104bを有するフィルタ部100が形成されている。この例では、積層方向に並ぶ第1及び第2の入力側共振電極102a及び102bにて1つの入力側共振器が構成され、積層方向に並ぶ第1及び第2の出力側共振電極104a及び104bにて1つの出力側共振器が構成されている。
アンテナ部20、変換部28及びフィルタ部100は、誘電体基板14上、誘電体層S1〜S11の積層方向上下に分離された領域にそれぞれ形成されている。例えば、図9上、積層方向上部にアンテナ部20及び変換部28が形成され、積層方向下部にフィルタ部100が形成され、両者間に接続部30が形成されている。
つまり、第2及び第3の誘電体層S2及びS3に変換部28が形成され、第6の誘電体層S6から第9の誘電体層S9にかけてフィルタ部100が形成され、第5及び第6の誘電体層S5及びS6に接続部30が形成されている。更に、この誘電体基板14内には、フィルタ部100と変換部28とのアイソレーションを目的とした内層アース電極106が形成されている。
なお、第2の実施の形態と同様に、変換部28を構成する第2及び第3のストリップライン24及び26からそれぞれアンテナ部20を構成する第1及び第2のアンテナ電極18a及び18bが第2の誘電体層S2の長手方向に沿って形成されている。
第1及び第2の入力側共振電極102a及び102b並びに第1及び第2の出力側共振電極104a及び104bは、それぞれ2つの1/4波長の共振器を構成することから、各共振電極102a、102b、104a及び104bの短絡端が、第11の誘電体層S11の一主面に形成されたアース電極12bにそれぞれビアホール108及び110を介して接続された形態となっている。
また、このアンテナ装置10Cにおいては、図8に示すように、誘電体基板14の外周面のうち、第2の側面14bには、その中央部分にフィルタ部100の不平衡入力端子112が形成され、その両側にアース電極12a及び12b間をつなぐアース電極12dが形成されている。この第2の側面14bの反対側の第1の側面14aにも、アース電極12a及び12b間をつなぐアース電極12cが形成されている。これら不平衡入力端子112とアース電極(内層アース電極を含む)との間には、それぞれ絶縁をとるための領域が確保されている。
そして、図9に示すように、第7の誘電体層S7の一主面には、第1の入力側共振電極102a及び第1の出力側共振電極104aが形成され、そのうち、第1の入力側共振電極102aの開放端近傍と不平衡入力端子112(図8参照)との間に第1のリード電極114が形成されている。
第8の誘電体層S8の一主面には、第2の入力側共振電極102b及び第2の出力側共振電極104bが形成され、そのうち、第2の入力側共振電極102bの開放端近傍と不平衡入力端子112との間に第2のリード電極116が形成されている。
第6の誘電体層S6の一主面には、第4の誘電体層S4の一主面に形成された内層アース電極106にビアホール118及び120を介して接続され、かつ、それぞれ第1の入力側共振電極102a及び第1の出力側共振電極104aの各開放端と第6の誘電体層S6を間に挟んで重なる第1及び第2の内層アース電極122及び124が形成されている。
また、第6の誘電体層S6の一主面には、入力側共振器及び出力側共振器間の結合度を調整するための結合調整電極126が形成され、更に、第1の出力側共振電極104aと第6の誘電体層S6を間に挟んで重なる出力容量電極128が形成されている。この出力容量電極128は、第5の誘電体層S5に設けられたビアホール130を介して接続電極132と電気的に接続されるようになっている。
第9の誘電体層S9の一主面には、第11の誘電体層S11の一主面に形成されたアース電極12bにビアホール134及び136を介して接続され、かつ、それぞれ第2の入力側共振電極102b及び第2の出力側共振電極104bの各開放端と第8の誘電体層S8を間に挟んで重なる第3及び第4の内層アース電極138及び140が形成されている。
第5の誘電体層S5の一主面には、フィルタ部100の出力側と変換部28の入力側とを接続するための接続電極132が形成されている。この接続電極132は、一端が上述したビアホール130に接続され、他端が前記第1の入力側共振電極102aと第5及び第6の誘電体層S5及びS6を間に挟んで重なるように配置され、かつ、変換部28に通じるビアホール38と接続されている。上述の出力容量電極128、ビアホール130及び接続電極132にて接続部30が構成されることになる。
第4の誘電体層S4の一主面には、内層アース電極106が形成されており、この内層アース電極106には、ビアホール38と絶縁をとるための領域、即ち電極膜が形成されていない領域が確保されている。
第3の誘電体層S3の一主面には、変換部28を構成する第1のストリップライン22が形成されている。第2の誘電体層S2の一主面には、変換部28を構成する第2及び第3のストリップライン24及び26が形成され、更に、第2及び第3のストリップライン24及び26からそれぞれ第1及び第2のアンテナ電極18a及び18bが第2の誘電体層S2の長手方向に沿って延在されている。
このように、第3の実施の形態に係るアンテナ装置10Cにおいては、誘電体基板14内に、平衡入出力方式のアンテナ部20と、不平衡入出力方式のフィルタ部100と、第1〜第3のストリップライン22、24及び26を有する変換部28とを一体化するようにしたので、フィルタ部100として小型化に有利な1/4波長の共振器にて構成することができ、1/2波長の共振器を有するアンテナ装置よりも小型化を図ることができる。
また、一体化することで、フィルタ部100と変換部28間の特性インピーダンスを特定の値(例えば50Ω)に設定する必要がなくなり、両者間の特性インピーダンスを任意に決定することができるため、それぞれの設計の自由度を増すことができる。また、両者間の特性インピーダンスを低く設定することができることから、フィルタ部100を形成しやすくなり、変換部28を構成するストリップライン22、24及び26の線幅を広げることができるため、変換部28の損失も低減できるという効果がある。
また、誘電体基板14のうち、誘電体層の積層方向下部にフィルタ部100を形成し、積層方向上部に変換部28を形成するようにしたので、フィルタ部100と変換部28との間に、これらフィルタ部100と変換部28間のアイソレーションを目的とした内層アース電極106を容易に形成することができ、特性の向上を図ることができる。また、変換部28とフィルタ部100を誘電体基板14の上下に配置することで実装面積も低減する。
ところで、第1の出力側共振電極104aと変換部28とを直接接続するタップ構造とした場合、フィルタ部100と変換部28とが通過特性上の減衰域で不要なマッチングを起こし、減衰域で不要なピークが形成されることとなる。しかし、この第3の実施の形態では、第1の出力側共振電極104aに対して出力容量電極128を通じ、容量を介してフィルタ部100と変換部28とを接続するようにしたので、前記容量にて変換部28の位相を変え、フィルタ部100との不要マッチングを抑制することができる。しかも、接続電極132をフィルタ部100側(内層アース電極106よりもフィルタ部100寄り)に形成するようにしたので、通過特性において不要なピークは発生しなくなる。なお、この第3の実施の形態では、フィルタ部100の共振器をそれぞれ2層の共振電極にて構成したが、それぞれ1層の共振電極で構成してもよい。
次に、第4の実施の形態に係るアンテナ装置10Dについて図10及び図11を参照しながら説明する。なお、図8及び図9と対応するものについては同符号を付してその重複説明を終了する。
この第4の実施の形態に係るアンテナ装置10Dは、図10及び図11に示すように、複数の誘電体層(S1〜S12:図10参照)が積層、焼成一体化され、かつ、両主面(第1の誘電体層S1の一主面及び第12の誘電体層S12の一主面)にそれぞれアース電極12a及び12bが形成された誘電体基板14を有する。
そして、図11に示すように、誘電体基板14のうち、誘電体層S1〜S12の積層方向左部にフィルタ部100が形成され、積層方向右部に変換部28及びアンテナ部20が形成され、更に、積層方向下部に接続部30が形成されている。
また、図10に示すように、誘電体基板14の外周面のうち、第1の側面14aには、その中央部分に不平衡入力端子112が形成され、その両側にアース電極12a及び12b間をつなぐアース電極12cが形成されている。第1の側面14aの反対側の第2の側面14bにも、アース電極12a及び12b間をつなぐアース電極12dが形成されている。これら不平衡入力端子112とアース電極(内層アース電極を含む)との間には、それぞれ絶縁をとるための領域が確保されている。
まず、フィルタ部100は、図11に示すように、第4の誘電体層S4の一主面に形成された1/4波長の入力側共振器を構成する入力側共振電極102と、第8の誘電体層S8の一主面に形成された1/4波長の出力側共振器を構成する出力側共振電極104とを有する。これら共振電極102及び104は、途中で屈曲されたL字状の形状を有し、各短絡端が第1の側面14a(図10参照)のアース電極12cに接続され、各開放端部分が中間部分よりも幅広に形成されている。
また、第2の誘電体層S2の一主面には、一端が不平衡入力端子112に接続された入力電極150が形成されている。この入力電極150は第2及び第3の誘電体層S2及びS3間に形成されたビアホール152を介して入力側共振電極102に電気的に接続されるようになっている。
第3の誘電体層S3の一主面には、一端がアース電極12cに接続され、第3の誘電体層S3を間に挟んで入力側共振電極102の開放端部分と重なる内層アース電極154が形成されている。
第5の誘電体層S5の一主面には、入力側共振電極102と第4の誘電体層S4を間に挟んで重なり、結合調整電極126を構成する第1の電極126aが形成され、更に、一端がアース電極12cに接続され、第4の誘電体層S4を間に挟んで入力側共振電極102の開放端部分と重なる内層アース電極156が形成されている。
第7の誘電体層S7の一主面には、出力側共振電極104と第7の誘電体層S7を間に挟んで重なり、結合調整電極126を構成する第2の電極126bが形成され、更に、一端がアース電極12cに接続され、第7の誘電体層S7を間に挟んで出力側共振電極104の開放端部分と重なる内層アース電極158が形成されている。
第9の誘電体層S9の一主面には、一端がアース電極12cに接続され、第8の誘電体層S8を間に挟んで出力側共振電極104の開放端部分と重なる内層アース電極160が形成されている。
なお、結合調整電極126は、上述した第1及び第2の電極126a及び126bと、第5及び第6の誘電体層S5及びS6にかけて形成され、かつ、前記第1及び第2の電極126a及び126bを電気的に接続するビアホール126cとで構成されている。
一方、変換部28は、第3、第7及び第10の誘電体層S3、S7及びS10の各一主面に形成され、それぞれアース電極12dに接続された内層アース電極162、164及び166と、第9、第8、第6及び第5の誘電体層S9、S8、S6及びS5の一主面に形成された第1〜第4のストリップライン22、24、26及び168とを有する。そして、第2及び第4のストリップライン24及び168には、それぞれ誘電体基板14の長手方向に延在するように形成された第1及び第2のアンテナ電極18a及び18bが接続されている。
第9の誘電体層S9の一主面に形成された第1のストリップライン22は、接続部30に接続される第1の接続端40から終端44(誘電体基板14の第2の側面14bに近接する箇所)にかけて渦巻き状に展開された形状を有する。
第2のストリップライン24は、第7の誘電体層S7に形成されたビアホール170を介して内層アース電極164に接続される第2の接続端46から第1のアンテナ電極18aに向かって渦巻き状に展開された形状を有する。
第3のストリップライン26は、上述した第1のストリップライン22の終端44に対応する箇所(第3の接続端48)から終端172にかけて渦巻き状に収束するような形状を有し、第1のストリップライン22における終端44と第3の接続端48とは、第6〜第8の誘電体層S6〜S8にかけて形成されたビアホール174を通じて電気的に接続されている。
第4のストリップライン168は、第3及び第4の誘電体層S3及びS4にかけて形成されたビアホール176を介して内層アース電極162に接続される第4の接続端178から第2のアンテナ電極18bに向かって渦巻き状に展開された形状を有する。
つまり、この変換部28は、第1のストリップライン22と第2のストリップライン24による一方のカップリングラインと、第3のストリップライン26と第4のストリップライン168による他方のカップリングラインとが内層アース電極164にて分離された形態となっている。
接続部30は、第10の誘電体層S10の一主面に、出力側共振電極104の中央部分と対向するように形成された出力容量電極128と、第11の誘電体層S11の一主面に形成され、かつ、一端がビアホール130を介して出力容量電極128に接続され、他端がビアホール38を介して第1のストリップライン22における第1の接続端40に接続された接続電極132にて構成されている。なお、第10の誘電体層S10の一主面に形成された内層アース電極166には、前記ビアホール38と絶縁をとるための領域、即ち電極膜が形成されていない領域が確保されている。
この第4の実施の形態に係るアンテナ装置10Dにおいては、第1の実施の形態に係るアンテナ装置10Aと同様に、小型化を有効に図ることができると共に、それぞれの設計の自由度を増すことができる。
フィルタ部100と変換部28とのアイソレーションがとれていないため、両者間の不要な結合のおそれがあるが、変換部28において、第1及び第2のストリップライン22及び24による一方のカップリングラインと、第3及び第4のストリップライン26及び168による他方のカップリングラインとを内層アース電極164にて分離する形態にしたため、カップリングライン同士での干渉を抑制することができ、変換部28における入出力特性のバランスを良好にすることができる。
次に、第5の実施の形態に係るアンテナ装置10Eについて図12及び図13を参照しながら説明する。
この第5の実施の形態に係るアンテナ装置10Eは、図12及び図13に示すように、複数の誘電体層(S1〜S15:図13参照)が積層、焼成一体化され、かつ、両主面にそれぞれアース電極12a及び12b(図12参照)が形成された誘電体基板14を有する。特に、この第5の実施の形態では、第1〜第15の誘電体層S1〜S15の各一主面とアース電極12a及び12bの形成面とが直交した関係にある。
そして、図13に示すように、誘電体基板14のうち、誘電体層S1〜S15の積層方向前半部分にフィルタ部100が形成され、積層方向後半部分にアンテナ部20と変換部28が形成され、積層方向中央部分に、接続部30が形成されている。
また、図12に示すように、誘電体基板14の外周面のうち、第1の側面14aの中央部分に不平衡入力端子112が形成され、第2の側面14bには、アース電極12a及び12b間をつなぐアース電極12dが形成されている。更に、不平衡入力端子112とアース電極(内層アース電極を含む)との間には、それぞれ絶縁をとるための領域が確保されている。
まず、フィルタ部100は、図13に示すように、第4の誘電体層S4の一主面に形成された1/4波長の入力側共振器を構成する入力側共振電極102と、第7の誘電体層S7の一主面に形成された1/4波長の出力側共振器を構成する出力側共振電極104とを有する。これら共振電極102及び104の開放端部分は中間部分よりも幅広に形成され、短絡端部分は、上下のアース電極12a及び12b(図12参照)に接続されるように二股に分かれた形状となっている。
また、第2の誘電体層S2の一主面には入力電極150が形成されている。この入力電極150は、第1の誘電体層S1に形成されたビアホール190を介して不平衡入力端子112に電気的に接続され、第2及び第3の誘電体層S2及びS3にかけて形成されたビアホール152を介して入力側共振電極102に電気的に接続されている。なお、この入力電極150は、インピーダンス調整用の電極であり、この例では50Ωに調整するようにしている。
第3の誘電体層S3の一主面には、両端がそれぞれアース電極12a及び12bに接続され、第3の誘電体層S3を間に挟んで入力側共振電極102の開放端部分と重なる内層アース電極154が形成されている。
第5の誘電体層S5の一主面には、入力側共振電極102と第4の誘電体層S4を間に挟んで重なり、結合調整電極126を構成する第1の電極126aが形成され、更に、両端がそれぞれアース電極12a及び12bに接続され、第4の誘電体層S4を間に挟んで入力側共振電極102の開放端部分と重なる内層アース電極156が形成されている。
第6の誘電体層S6の一主面には、出力側共振電極104と第6の誘電体層S6を間に挟んで重なり、結合調整電極126を構成する第2の電極126bが形成され、更に、両端がそれぞれアース電極12a及び12bに接続され、第6の誘電体層S6を間に挟んで出力側共振電極104の開放端部分と重なる内層アース電極158が形成されている。
なお、結合調整電極126は、上述した第1及び第2の電極126a及び126bと、第5の誘電体層S5に形成され、かつ、前記第1及び第2の電極126a及び126bを電気的に接続するビアホール126cとで構成されている。
第8の誘電体層S8の一主面には、両端がそれぞれアース電極12a及び12bに接続され、第7の誘電体層S7を間に挟んで出力側共振電極104の開放端部分と重なる内層アース電極160が形成され、更に、出力側共振電極104の中央部分に対して第7の誘電体層S7を間に挟んで重なり、かつ、一端が変換部28に接続されたほぼL字状の接続電極132が形成されている。この接続電極132は、出力容量電極128を兼ねた機能を有し、該接続電極132にて接続部30が構成されている。
また、第9の誘電体層S9の一主面には、それぞれアース電極12a及び12bに接続され、フィルタ部100と変換部28とのアイソレーションを目的とした内層アース電極106が形成されている。
一方、変換部28は、第12及び第15の誘電体層S12及びS15の各一主面に形成され、それぞれアース電極12a及び12bに接続された内層アース電極164及び192と、第10、第11、第13及び第14の誘電体層S10、S11、S13及びS14の各一主面に形成された第1〜第4のストリップライン22、24、26及び168とを有する。
第10の誘電体層S10の一主面に形成された第1のストリップライン22は、第1の接続端40から終端44(第10の誘電体層S10のほぼ中央部分)にかけて渦巻き状に収束された形状を有する。第1の接続端40には第8及び第9の誘電体層S8及びS9にかけて形成されたビアホール38を介して接続電極132が接続されている。
第2のストリップライン24は、第2の接続端46から第1のアンテナ電極18aに向かって渦巻き状に展開された形状を有する。第2の接続端46には第11の誘電体層S11に形成されたビアホール170を介して内層アース電極164が接続されている。
第3のストリップライン26は、上述した第1のストリップライン22の終端44に対応する箇所(第3の接続端48)から終端172にかけて渦巻き状に展開されたような形状を有し、前記終端44と第3の接続端48とは、第10〜第12の誘電体層S10〜S12にかけて形成されたビアホール174を通じて電気的に接続されている。なお、第12の誘電体層S12の一主面に形成された内層アース電極164には、前記ビアホール174と絶縁をとるための領域、即ち電極膜が形成されていない領域が確保されている。
第4のストリップライン168は、第14の誘電体層S14に形成されたビアホール176を介して内層アース電極192に接続される第4の接続端178から第2のアンテナ電極18bに向かって渦巻き状に展開された形状を有する。
つまり、この変換部28においても、上述した第4の実施の形態に係るアンテナ装置10Dの変換部28と同様に、第1及び第2のストリップライン22及び24による一方のカップリングラインと、第3及び第4のストリップライン26及び168による他方のカップリングラインとが内層アース電極164にて分離された形態となっている。
この第5の実施の形態に係るアンテナ装置10Eにおいては、第1の実施の形態に係るアンテナ装置10Aと同様に、小型化を有効に図ることができると共に、それぞれの設計の自由度を増すことができる。しかも、フィルタ部100と変換部28とのアイソレーションが内層アース電極106によって確保されているため、両者間の不要な結合を有効に防止することができる。
また、変換部28において、第1及び第2のストリップライン22及び24による一方のカップリングラインと、第3及び第4のストリップライン26及び168による他方のカップリングラインとを内層アース電極164にて分離する形態にしたため、カップリングライン同士での干渉を抑制することができ、変換部28における出力特性のバランスを良好にすることができる。
更に、この第5の実施の形態に係るアンテナ装置10Eにおいては、入力側共振器及び出力側共振器を構成する各共振電極102及び104の形成面と、アース電極12a及び12bの形成面とが互いに直交しており、また、フィルタ部100の不平衡入力端子112の形成面と、変換部28を構成する各ストリップライン22、24、26及び168の形成面とが互いに平行な関係にあるため、不平衡入力端子112と各ストリップライン22、24、26及び168とを離れた位置に形成することが可能となり、不平衡入力端子112と各ストリップライン22、24、26及び168との不要な干渉をなくすことができる。
次に、第6の実施の形態に係るアンテナ装置10Fについて図14及び図15を参照しながら説明する。
この第6の実施の形態に係るアンテナ装置10Fは、上述した第3〜第5の実施の形態に係るアンテナ装置10C〜10Eとは異なり、フィルタ部100が平衡入力方式で構成されている。
具体的には、この第6の実施の形態に係るアンテナ装置10Fは、図14及び図15に示すように、複数の誘電体層(S1〜S15:図15参照)が積層、焼成一体化され、かつ、両主面(第1の誘電体層S1の一主面及び第15の誘電体層S15の一主面)にそれぞれアース電極12a及び12bが形成された誘電体基板14を有する。
そして、図15に示すように、誘電体基板14のうち、誘電体層S1〜S15の積層方向上部に例えばアンテナ部20とフィルタ部100間の平衡−不平衡変換を行う第1の変換部28Aが形成され、積層方向下部に例えばフィルタ部100と外部回路間の不平衡−平衡変換を行う第2の変換部28Bが形成され、更に、積層方向中央部にフィルタ部100が形成されている。また、第1の変換部28Aとフィルタ部100間には第1の接続部30Aが形成され、第2の変換部28Bとフィルタ部100間には第2の接続部30Bが形成されている。つまり、この第6の実施の形態に係るアンテナ装置10Fは、第3の実施の形態に係るアンテナ装置10Cに第2の変換部28B及び第2の接続部30Bが追加された構成を有する。
従って、第3の実施の形態に係るアンテナ装置10Cと対応する構成部材には同じ符号を付してその重複説明を省略する。また、第1の変換部28A及び第2の変換部28B並びに第1の接続部30A及び第2の接続部30Bの各構成部材には、「第1の」に対応する部材の符号にAを付し、「第2の」に対応する部材の符号にBを付して、これら変換部28A、28B並びに接続部30A、30Bの重複説明を省略する。
この第6の実施の形態では、フィルタ部100の上方に第1の変換部28Aが配置されることから、第1の入力側共振電極102a及び第1の出力側共振電極104aが形成された第7の誘電体層S7と、第2の入力側共振電極102b及び第2の出力側共振電極104bが形成された第9の誘電体層S9との間に配置された第8の誘電体層S8の一主面に結合調整電極126を形成するようにしている。
また、第1及び第2の入力側共振電極102a及び102b間には、各開放端部分を電気的に接続するビアホール200が形成され、第1及び第2の出力側共振電極104a及び104b間には、各開放端部分を電気的に接続するビアホール202が形成されている。
また、図14に示すように、誘電体基板14の外周面のうち、第2の側面14bには、中央部分にアース電極12a及び12b間をつなぐアース電極12dが形成され、その両側に第1及び第2の平衡入力端子112a及び112bが形成されている。第1の側面14aにも、その中央部分にアース電極12a及び12bをつなぐアース電極12cが形成されている。これら第1及び第2の平衡入力端子112a及び112bとアース電極(内層アース電極を含む)との間には、それぞれ絶縁をとるための領域が確保されている。
この第6の実施の形態に係るアンテナ装置10Fにおいては、1/4波長の共振器を用いた平衡入出力方式の積層型誘電体フィルタを有するアンテナ装置を容易に作製することができると共に、該アンテナ装置10Fの小型化をも図ることができる。
なお、この発明に係るアンテナ装置は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。また、第3〜第6の実施の形態に係るアンテナ装置10C〜10Fでは、フィルタ部100に2つの共振器を用いているが、1つ以上の共振器であればよい。
第1の実施の形態に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係るアンテナ装置を示す分解斜視図である。 第2の実施の形態に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 第2の実施の形態に係るアンテナ装置を示す分解斜視図である。 アンテナ電極の他の形状を示す斜視図である。 アンテナ電極の更に他の形状を示す斜視図である。 アンテナ電極の開放端に対向して接地電極を形成した例を示す斜視図である。 第3の実施の形態に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 第3の実施の形態に係るアンテナ装置を示す分解斜視図である。 第4の実施の形態に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 第4の実施の形態に係るアンテナ装置を示す分解斜視図である。 第5の実施の形態に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 第5の実施の形態に係るアンテナ装置を示す分解斜視図である。 第6の実施の形態に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 第6の実施の形態に係るアンテナ装置を示す分解斜視図である。
符号の説明
10A〜10F…アンテナ装置 12a〜12d…アース電極
14…誘電体基板 18a…第1のアンテナ電極
18b…第2のアンテナ電極 20…アンテナ部
22…第1のストリップライン 24…第2のストリップライン
26…第3のストリップライン 28、28A、28B…変換部
30、30A、30B…接続部 34…不平衡入出力端子
36…接続電極 42a…第1の平衡入出力端
42b…第2の平衡入出力端 100…フィルタ部
102a…第1の入力側共振電極 102b…第2の入力側共振電極
104a…第1の出力側共振電極 104b…第2の出力側共振電極
112…不平衡入力端子 128…出力容量電極
132…接続電極 168…第4のストリップライン

Claims (9)

  1. 複数の誘電体層が積層されて構成され、直方体状を有する誘電体基板と、該誘電体基板に、平衡入出力方式のアンテナを有するアンテナ部と、複数のストリップラインを有する不平衡−平衡変換部が形成されたアンテナ装置において、
    前記不平衡−平衡変換部は、
    前記誘電体基板内の第1形成面に形成され、一端が前記不平衡−平衡変換部の不平衡入出力部を構成する第1のストリップラインと、
    前記誘電体基板内の第2形成面に形成され、かつ、各一端がそれぞれアース電極に接続された第2及び第3のストリップラインとを有し、
    前記アンテナ部は、
    前記第2形成面において、前記第2のストリップラインから連続して形成され、前記誘電体基板の長手方向に沿って延びる第1アンテナ電極と、
    前記第2形成面において、前記第3のストリップラインから連続して形成され、前記誘電体基板の長手方向に沿って延びる第2アンテナ電極とを有することを特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項1記載のアンテナ装置において、
    前記誘電体基板内に、さらにフィルタ部を有し、
    前記フィルタ部は、前記第1形成面と内層アース電極を間に挟んで対向する第3形成面に形成された共振電極を有することをアンテナ装置。
  3. 請求項2記載のアンテナ装置において、
    前記第1形成面に形成された前記第1ストリップラインの前記一端が、前記内層アース電極と前記第3形成面との間に形成された接続部を介して前記第3形成面に形成された前記共振電極と電気的に接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 複数の誘電体層が積層されて構成され、直方体状を有する誘電体基板と、該誘電体基板内に、平衡入出力方式のアンテナを有するアンテナ部と、複数のストリップラインを有する不平衡−平衡変換部とが形成されたアンテナ装置において、
    前記不平衡−平衡変換部は、
    前記誘電体基板内の第1形成面に形成され、かつ、一端が前記不平衡−平衡変換部の不平衡入出力部を構成する第1のストリップラインと、
    前記誘電体基板内の第2形成面に形成され、かつ、一端がアース電極に接続された第2のストリップラインと、
    前記誘電体基板内の第3形成面に形成され、かつ、一端が開放とされ、他端が前記第1のストリップラインの他端接続された第3のストリップラインと、
    前記誘電体基板内の第4形成面に形成され、かつ、一端がアース電極に接続された第4のストリップラインとを有し、
    前記アンテナ部は、
    前記第2形成面において、前記第2のストリップラインから連続して形成され、前記誘電体基板の長手方向に沿って延びる第1アンテナ電極と、
    前記第4形成面において、前記第4のストリップラインから連続して形成され、前記誘電体基板の長手方向に沿って延びる第2アンテナ電極とを有することを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項4記載のアンテナ装置において、
    前記誘電体基板内に、さらにフィルタ部を有し、
    前記フィルタ部は、前記第1形成面と内層アース電極を間に挟んで対向する第5形成面に形成された共振電極を有することをアンテナ装置。
  6. 請求項5記載のアンテナ装置において、
    前記第1形成面に形成された前記第1ストリップラインの前記一端が、前記内層アース電極と前記第5形成面との間に形成された接続部を介して前記第5形成面に形成された前記共振電極と電気的に接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアンテナ装置において、
    前記アンテナ部における前記誘電体基板の実効誘電率が、前記不平衡−平衡変換部における前記誘電体基板の実効誘電率よりも高いことを特徴とするアンテナ装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアンテナ装置において、
    前記第1アンテナ電極及び前記第2アンテナ電極は、それぞれミアンダ形状であることを特徴とするアンテナ装置。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のアンテナ装置において、
    前記アンテナ部のインピーダンスが任意の値に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。
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