JP4455839B2 - 温度センサの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のATF(Automatic Transmission Fluid)等の温度を検知する温度センサ、その製造方法及び温度センサ用型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の自動変速機(Automatic Transmission)の油温等を検知するものとして、サーミスタを搭載した温度センサが利用されている。温度センサにより検出された油温の情報は、自動変速機の電子制御装置(ECU)に送信される。そして、電子制御装置は、油温の情報に基づいて変速タイミング等を制御する。このような温度センサの一例が、下記特許文献1に開示されている。一般的に、温度センサは、一対のリード線が感温部に接続されたサーミスタを内蔵しており、かかるサーミスタを66ナイロン等の樹脂によりインサート成形することで形成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−185704号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の温度センサには、次のような問題があった。すなわち、インサート成形するにあたり、樹脂の注入圧力によって感温部が金型のキャビティ内で位置ずれすることがあった。位置ずれ量が大きい場合には、感温部が樹脂部分から露出してしまうという事態も生じていた。そのため、感温部を覆い隠すという目的で2回目のインサート成形(いわゆる2次成形)を実施しなければならず、感温部周囲の樹脂サイズを小型化することが困難であった。
【0005】
本発明は、このような事情の下でなされたものであり、インサート成形時に、感温部が樹脂部の表面に露出する事態を抑制することができる温度センサの製造方法、温度センサ及び温度センサ用型を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を達成するために、本発明に係る温度センサの製造方法は、感温部及びこれに接続された一対のリード線を有するサーミスタを準備するステップと、感温部が収容される第1キャビティ領域と、この第1キャビティ領域に連続する第2キャビティ領域と、仕切り壁と、を有する型であって、このリード線が第2キャビティ領域の内壁に接触した場合に感温部が第1キャビティ領域の内壁に到達しないように、第2キャビティ領域の幅が第1キャビティ領域の幅よりも狭い型を準備するステップと、第1キャビティ領域に感温部が位置し、仕切り壁の両側に一本ずつリード線が通り、第2キャビティ領域で一対のリード線が離間して並列するように、サーミスタを型内に配するステップと、型に樹脂を注入してインサート成形を行い第1キャビティ領域における感温部を覆って温度測定対象に直接触れる第1の樹脂部と、第2キャビティ領域における一対のリード線を一体的に覆う第2の樹脂部を形成するステップとを含むことを特徴としている。
また、本発明に係る温度センサの製造方法は、感温部及びこれに接続された一対のリード線を有するサーミスタを準備するステップと、感温部が収容され幅に対して高さが短い断面扁平楕円状の第1キャビティ領域と、この第1キャビティ領域に連続する第2キャビティ領域と、仕切り壁と、を有する型であって、リード線が第2キャビティ領域の内壁に接触した場合に感温部が第1キャビティ領域の内壁に到達しないように、第2キャビティ領域の幅が第1キャビティ領域の幅よりも狭い型を準備するステップと、第1キャビティ領域に感温部が位置し、仕切り壁の両側に一本ずつリード線が通り、第2キャビティ領域で一対のリード線が幅の方向に離間して並列するように、サーミスタを型内に配するステップと、型に樹脂を注入してインサート成形を行い、第1キャビティ領域における感温部を覆って温度測定対象に直接触れる第1の樹脂部と、第2キャビティ領域における一対のリード線を一体的に覆う第2の樹脂部を形成するステップと、を含むことを特徴としている。
また、本発明に係る温度センサの製造方法は、感温部及びこれに接続された一対のリード線を有するサーミスタを準備するステップと、感温部が収容される第1キャビティ領域と、この第1キャビティ領域に連続する第2キャビティ領域と、仕切り壁と、を有する型であって、リード線が第2キャビティ領域の内壁に接触した場合に感温部が第1キャビティ領域の内壁に到達しないように、第2キャビティ領域の幅が第1キャビティ領域の幅よりも狭いと共に、第2キャビティ領域における幅方向の両端部の高さが幅よりも短い型を準備するステップと、第1キャビティ領域に感温部が位置し、仕切り壁の両側に一本ずつリード線が通り、第2キャビティ領域の両端部で一対のリード線が幅の方向に離間して並列するように、サーミスタを型内に配するステップと、型に樹脂を注入してインサート成形を行い、第1キャビティ領域における感温部を覆って温度測定対象に直接触れる第1の樹脂部と、第2キャビティ領域における一対のリード線を一体的に覆う第2の樹脂部を形成するステップと、を含むことを特徴としている。
【0007】
この製造方法では、型の第1キャビティ領域にサーミスタの感温部を収容するとともに、該領域に連続する第2キャビティ領域に一対のリード線を離間して並列させる。そして、第2キャビティ領域の幅が第1キャビティ領域よりも狭くなっているため、樹脂の注入圧力によってサーミスタが位置ずれしたとしても、リード線が第2キャビティ領域の内壁面に接触することによってサーミスタの移動が規制される。そのため、感温部が第1キャビティ領域の内壁面にまで到達する事態を抑止できる。これにより、得られる温度センサにおいては、サーミスタの感温部がそれを覆う樹脂部の表面に露出する事態が抑制されている。尚、本発明でいう各キャビティ領域の幅とは、サーミスタのリード線の並び方向に相当する長さをいう。
また、仕切り壁によって、リード線の移動を規制することができるため、サーミスタの位置ずれを更に効果的に行うことができる。
【0008】
また、第2キャビティ領域におけるリード線が配される領域は、上記の幅と交差する方向の高さが第1キャビティ領域よりも低いことが好適である。この場合は、樹脂の注入圧力によって上記幅と交差する方向にサーミスタが移動された場合にも、第2キャビティ領域の内壁面によってリード線の移動を規制できるため、感温部が第1キャビティ領域の内壁面にまで到達する事態を抑止できる。このため、感温部がそれを覆う樹脂部の表面に露出する事態を更に効果的に抑制することができる。
【0010】
また、上記サーミスタの各リード線には、導線が接続されており、上記の型は、当該導線の周囲を覆う保護部を成形するための保護部用キャビティ領域を有し、第1キャビティ領域及び第2キャビティ領域に樹脂を注入する処理において、保護部用キャビティ領域にも樹脂を注入するようにしてもよい。
【0011】
一度インサート成形をした後に、他の型を用いて2回目の樹脂成形(いわゆる2次成形)をすることがある。また、リード線に接続された導線を金型等で曲げて保持した状態で、かかる2次成形を行うこともある。この場合に、上記保護部によって導線の周囲を覆うことで、金型等との接触によって導線が損傷することを抑止できる。そして、このような保護部を第1キャビティ領域及び第2キャビティ領域とともに形成することで、樹脂注入の回数を減少することができ、製造作業の簡易化を達成できる。
【0012】
また、インサート成形で得られた成形体を、第1キャビティ領域によって成形された部分の少なくとも一部を除いて、第2の樹脂で覆うステップを更に含むようにしてもよい。すなわち、第2の樹脂によって2次成形を行うことになる。この際、本発明ではサーミスタの位置ずれが抑制されているため、樹脂部における型の第1キャビティ領域によって形成された領域の少なくとも一部を除いて、2次成形を実施することができる。そのため、使用する樹脂量を低減することができ、コスト削減も図ることができる。
【0013】
上記の樹脂は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)であることが好ましい。この樹脂は、耐油性、耐熱性が高く、且つ熱伝導性が高いため、サーミスタの温度検知レベルを妨げない。また、該樹脂のなかでも、流動性が高いグレードのものを使用することが好ましい。これにより、型形状が複雑であっても、樹脂成形を高精度で行うことができる。また、上記樹脂と第2の樹脂とは、同じ材料でもよいし、異なる材料にしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る温度センサ、その製造方法及び温度センサ用型の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0020】
図1は、本実施形態の温度センサを示す斜視図であり、図2は、図1におけるII-II方向の断面図であり、図3は、図1におけるIII-III方向の断面図である。温度センサ1は、サーミスタを内蔵しており、自動車の自動変速機に使用される油(ATF)等の温度を検知する。
【0021】
まず、図4を参照して、温度センサ1に内蔵されるサーミスタ10について説明する。本実施形態で使用するサーミスタ10は、温度上昇に伴い抵抗値が減少するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタとなっており、水や油等の温度を検知する感温部11と、その両側に接続された一対のリード線12,13とを備えている。感温部11は、例えばマンガン、ニッケル、コバルト等から形成されており、いわゆるスピネル構造の結晶粒が集まった多結晶体となっている。また、この感温部11は、その周囲を覆う樹脂部(後述する)から受ける応力を緩和するために、エポキシ系樹脂でコーティングされている。一方、リード線12,13には、テフロン被覆された導線14,15が、圧着端子16,17をかしめることで接続されている。
【0022】
次に、温度センサ1の構成を説明する。図2に示すように、温度センサ1は、サーミスタ10を直接覆う樹脂部20と、この樹脂部20を覆う外側樹脂部50とから構成されている。樹脂部20は最初のインサート成形(1次成形)で形成され、外側樹脂部50は2回目のインサート成形(2次成形)で形成される。サーミスタ10の使用温度範囲は、例えば−40℃〜150℃の範囲である。
【0023】
樹脂部20は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)で形成されており、先端には、サーミスタ10の感温部11を覆うと共に温度測定対象の油等に直接触れる第1領域21が形成されている。第1領域21は、その断面形状は扁平楕円となっている。
【0024】
ここで、図5〜図7を参照して、樹脂部20を更に詳説する。各図は、1次成形後における成形体(以下、「1次成形体」と称す)を示すものであり、図5は、1次成形体の斜視図であり、図6は、図5のVI-VI断面図であり、図7は、図5のVII-VII方向の側面図である。
【0025】
1次成形体には、上記の第1領域21に連続して第2領域22が形成されている。第2領域22は、並列されたサーミスタ10の一対のリード線12,13の一部を覆っている。第1領域21における第2領域22と繋がる部分には、縁部の厚みが周囲に向けて徐々に薄くなる円盤部21aが形成されている。円盤部21aの周囲を外側に張り出すようにしているのは、沿面距離を多くし、2次成形の樹脂との密着性を高めるためである。
【0026】
また、第2領域22は、断面が十字形状になっており、その幅W2は第1領域21の幅W1よりも狭くなっている(図6参照)。ここでいう幅とは、リード線12,13の並び方向(図中のX方向)に相当する長さをいう。リード線12,13は、第2領域22における幅方向の両端に位置している。また、第2領域22におけるリード線12,13が配された領域は、その高さH2(上記幅方向と交差する方向;Y方向)が第1領域21の同方向の高さH1よりも低くなっている。
【0027】
第2領域22には、第3領域23が繋がっている。第3領域23は、その幅が第2領域22よりも広くなっており、リード線12,13と導線14,15とを連結する上記の圧着端子16,17を収容している。また、圧着端子16,17間すなわちリード線12,13間には、リード線の並列方向と交差する方向(Y方向)に長手方向が向いた貫通孔24が形成されている。第3領域23における貫通孔24の図中上方の表裏面からは、一対の固定部27,27が突出している(図5,図7参照)。固定部27,27は断面V字形状の溝部を有しており、固定用のバーを溝部に当接させることによって、2次成形時に1次成形体を位置決めすることができる。更に、第3領域23の上部両端には、一対の薄板部25,26が立設されており、薄板部25,26間から導線14,15が上方に向かって延出されている。
【0028】
薄板部25,26の近傍には、導線14,15の周囲を覆う略直方体形状の保護部28が形成されている。保護部28は、上記の第1〜第3領域と一体的に同一材料で形成されており、2次成形時に導線14,15が金型と接触して損傷するのを防止する役割を有している。
【0029】
次に、再び図1〜図3を参照して、外側樹脂部50について詳説する。外側樹脂部50は温度センサ1の外形を画成するものであり、樹脂部20における第1領域21の大部分を除いた領域を覆っている。すなわち、温度測定対象の水や油等に接触する領域の形状は、1次成形で定められることになる。外側樹脂部50の図中下部の領域には、一対のリング部51,52が形成されており、その間にはOリングを嵌め込むためのリング溝53が形成されている。
【0030】
外側樹脂部50における上側のリング部52の上方には、後述のキープレートが挿し込まれる直方体形状のキー受部54が形成されている。キー受部54は、キープレートの鉛直方向の位置ずれを防止するために、Y方向の厚みが、その下側に位置するリング部52及び上側に位置する直方体形状の頭部55よりも狭くなっている。また、頭部55の一側面には、突出部56が形成されており、1次成形体において鉛直方向(Z方向)に飛び出した導線14,15は、略直角に折り曲げられて突出部56から突出している。
【0031】
以上が温度センサ1の構成である。図8に、このような温度センサ1の適用例を示す。同図は、温度センサ1を自動変速機の油Fの温度測定に適用した例であり、油Fを収容するケース60に装着されている。ケース60には、円形の貫通孔60hが形成されており、該貫通孔60hに温度センサ1のリング部51,52が収まっている。リング溝53にはOリングが嵌め込まれ、ケース60と温度センサ1との隙間を密封している。樹脂部20の第1領域21は、油F中に浸漬している。一方、ケース60の外側に位置するキー受部54にはキープレート61が挿し込まれ、該キープレート61はビス62によってケース60に固定されている。そして、温度センサ1により検出した油温の情報は、自動変速機の電子制御装置(ECU)に送信される。電子制御装置は、受信した油温の情報に基づいて変速タイミング等を制御する。
【0032】
次に、本実施形態の温度センサの製造方法及びこの方法に好適に使用される温度センサ用型を説明する。
【0033】
まず、図9に示すように、温度センサ1をインサート成形(1次成形)するための金型(温度センサ用型)70を準備する。金型としては、固定側型及び移動側型を用いるが、ここでは固定側の金型70のみを詳説する。移動側の型については、温度センサの外形に応じたものとすることができる。金型70のキャビティは、樹脂部20の第1領域21を形成するための第1キャビティ領域71、該領域71に連続すると共に第2領域22を形成するための第2キャビティ領域72、及び、該領域72に連続すると共に第3領域23を形成するための第3キャビティ領域73を有している。第2キャビティ領域72の幅WC2は、第1キャビティ領域71の幅WC1よりも狭くなっている。
【0034】
また、第1キャビティ領域71における第2キャビティ領域72とは反対側の領域には、第1キャビティ領域71の先端まで注入樹脂を行き渡らせるための空間74が形成されている。また、第3キャビティ領域72には、上記貫通孔24を形成する仕切り壁75が立設されている。移動側の型にも同様の仕切り壁81(図10参照)が設けられており、型締めした際に仕切り壁75,81が互いに当接するようになっている。また、仕切り壁75における第2キャビティ領域72とは反対側には、1次成形体の上記固定部27を形成するための溝部76が設けられている。溝部76は、中央部が最も浅く、両端部が最も深くなるような傾斜を有している。更に、第3キャビティ領域72には、1次成形体の薄板部25,26を形成するための空間77,78が設けられている。空間77,78には、導線14,15を保護する保護部28を形成するための保護部用キャビティ領域79が繋がっている。
【0035】
金型70は、図示は省略するが、この他にも公知の様々な要素を備えている。かかる要素としては、例えば、キャビティに樹脂を注入するためのゲート、成形体を金型から取り出すためのエジェクタピン、固定側と移動側の型を正確にはめ合わせるためのガイドピン及びガイドピンブシュ等が挙げられる。
【0036】
以上のような金型70を準備した後、これにサーミスタ10をセットする。この際、図9に示すように、第1キャビティ領域71に感温部11が位置し、第2キャビティ領域72で一対のリード線12,13が並列するようにする。また、仕切り壁75の両側に一本ずつリード線12,13が通るようにする。サーミスタ10をセットした後、固定側の金型70に向けて移動側の金型を移動させ、型締めを行う。
【0037】
図10は、図9のX-X方向における型締めした状態の断面図である。符号80は、移動側の金型を示す。図10に明示されるように、第2キャビティ領域72は、その幅WC2が第1キャビティ領域71の幅WC1より狭いだけでなく、リード線12,13が配される領域の高さHC2も第1キャビティ領域71の高さHC1よりも低くなっている。
【0038】
型締めを終えた後、ゲートを通じてキャビティ内へ樹脂を高圧で注入し、インサート成形を行う。ここでは流動性の高いポリフェニレンサルファイドを使用するため、型形状が複雑であっても、キャビティの隅々まで樹脂が行き渡り、高精度の樹脂成形を実現することができる。また、該樹脂は熱伝導性が高いため、サーミスタの温度検知レベルを妨げない。更に、金型70は上記のように構成されているため、第1キャビティ領域71及び第2キャビティ領域72に樹脂を注入する処理において、同時に保護部用キャビティ領域79にも樹脂を注入することができる。これにより、第1領域21及び第2領域22等を形成する処理と、保護部28を成形する処理とで2回射出成形をする必要がなくなり、樹脂注入の回数を減少することができ、製造作業の簡易化を達成できる。
【0039】
ここで、本実施形態の製造方法では、次のような効果が得られる。すなわち、樹脂注入時にサーミスタ10に圧力が作用し、該サーミスタ10が位置ずれしたとしても、リード線12,13が第2キャビティ領域72の内壁面72a,72bに接触することによってサーミスタ10の移動が規制される。そのため、インサート成形時に感温部11が第1キャビティ領域71の内壁面71a,71bにまで到達する事態を抑止できる。これにより、得られる温度センサ1においては、サーミスタ10の感温部11がそれを覆う樹脂部20の表面に露出する事態が抑制されている。しかも、感温部11の露出が抑制されていることから、後述の2次成形においてサーミスタ10が位置する第1領域21を覆う必要が無くなり、感温部11周囲の樹脂サイズの小型化を図ることができる。
【0040】
また、第2キャビティ領域72におけるリード線12,13が配される領域の高さHC2は第1キャビティ領域71の高さHC1よりも低くなっているため、樹脂の注入圧力によって該高さ方向にサーミスタ10が位置ずれした場合にも、第2キャビティ領域72の内壁面72c,72dによってリード線12,13の移動を規制できるため、感温部11が第1キャビティ領域71の内壁面71c,71dにまで到達する事態を抑止できる。このため、感温部11がそれを覆う樹脂部20の表面に露出する事態を更に効果的に抑制することができる。
【0041】
更に、本実施形態では、仕切り壁75の両側に一本ずつリード線12,13が通るようにサーミスタ10を金型70にセットしている。このため、仕切り壁75によって、リード線12,13が互いに近付く方向へ移動するのを規制できるため、サーミスタ10の位置ずれを更に効果的に行うことができる。
【0042】
1次成形の樹脂注入を終えた後、型開きをしてからエジェクトピンにより成形体を金型から取り出す。次いで、保護部28と薄板部25,26とを繋ぐ部分を切断すると共に、空間74によって形成された部分を切り落とす。これにより、図5〜図7に示した1次成形体が得られる。
【0043】
次に、図11を参照して、1次成形体に対して2次成形を施す過程を説明する。まず、直線状に延びていた導線14,15を略直角に折り曲げて、サーミスタ10を覆う第1領域21を金型85の貫通孔に挿入する一方、導線14,15を覆う保護部28を一対の下型90及び上型91によって狭持させる。つまり、この第1領域21の大部分の周囲(先端部分から第2領域22の近傍までの領域)は2次成形においては樹脂が成形されない。また、下型90のキャビティを形成する内面には、バー92が取り付けられており、該バー92が1次成形体の一方の固定部27に当接するようになっている。
【0044】
固定側の金型である下型90及び上型91に対して1次成形体を固定した後、移動側の金型94を移動させて型締めする。この際、金型94に取り付けられたバー93が1次成形体の他方の固定部27に当接するようになっており、金型内で1次成形体を位置決め及び固定することができる。
【0045】
以上の準備が整ったら、金型のゲートから樹脂を注入し、2次成形を実施する。ここでは、1次成形と同様にポリフェニレンサルファイドを注入するが、他の樹脂を使用してもよい。2次成形において、上記のように導線14,15は、保護部28を介して下型90及び上型91によって狭持されているため、これらの型から受ける損傷を抑制できる。2次成形の樹脂注入を終えた後、型開きをしてからエジェクトピンにより成形体を金型から取り出す。これにより、図1〜図3に示した本実施形態の温度センサ1が得られる。
【0046】
このようにして得られた温度センサ1は、サーミスタ10の感温部11を覆う第1領域21は1次成形のみでその外形が定められており、2次成形によって第1領域21を覆う必要は無いため、感温部周囲の樹脂サイズを小型化することができる。また、使用する樹脂量を低減することができ、コスト削減も図ることができる。尚、本実施形態では、2次成形で形成される外側樹脂部は、第1領域21の少なくとも一部を除いて樹脂部を覆っていればよく、第1領域をすべて除くようにしてもよいし、更には、第1領域以外の領域も除くようにしてもよい。
【0047】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、導線を曲げるための保護部は必ずしも設けなくてもよい。更に、2次成形を実施せずに、1次成形のみによって温度センサを製造するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インサート成形時に、感温部が樹脂部の表面に露出する事態を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度センサを示す斜視図である。
【図2】図1のII-II方向を示す断面図である。
【図3】図1のIII-III方向を示す断面図である。
【図4】温度センサに収容されるサーミスタを示す図である。
【図5】1次成形体を示す斜視図である。
【図6】図5のVI-VI方向を示す断面図である。
【図7】図5のVII-VII方向を示す側面図である。
【図8】温度センサを自動変速機に適用した状態を示す図である。
【図9】温度センサ用型における固定側の型を示す図である。
【図10】図9のX-X方向を示す断面図である。
【図11】2次成形を実施する過程を示す図である。
【符号の説明】
1…温度センサ、10…サーミスタ、11…感温部、12,13…リード線、14,15…導線、16,17…圧着端子、20…樹脂部、21…第1領域(樹脂部)、22…第2領域(樹脂部)、23…第3領域(樹脂部)、24…貫通孔、25,26…薄板部、27…固定部、28…保護部、50…外側樹脂部、53…リング溝、54…キー受部、60…ATFのケース、61…キープレート、70…金型(温度センサ用型)、71…第1キャビティ領域、72…第2キャビティ領域、73…第3キャビティ領域、75,81…仕切り壁、79…保護部用キャビティ領域。

Claims (7)

  1. 感温部及びこれに接続された一対のリード線を有するサーミスタを準備するステップと、
    前記感温部が収容される第1キャビティ領域と、この第1キャビティ領域に連続する第2キャビティ領域と、仕切り壁と、を有する型であって、前記リード線が前記第2キャビティ領域の内壁に接触した場合に前記感温部が前記第1キャビティ領域の内壁に到達しないように、前記第2キャビティ領域の幅が前記第1キャビティ領域の幅よりも狭い型を準備するステップと、
    前記第1キャビティ領域に前記感温部が位置し、前記仕切り壁の両側に一本ずつ前記リード線が通り、前記第2キャビティ領域で前記一対のリード線が離間して並列するように、前記サーミスタを前記型内に配するステップと、
    前記型に樹脂を注入してインサート成形を行い、前記第1キャビティ領域における前記感温部を覆って温度測定対象に直接触れる第1の樹脂部と、前記第2キャビティ領域における前記一対のリード線を一体的に覆う第2の樹脂部を形成するステップと、
    を含むことを特徴とする温度センサの製造方法。
  2. 感温部及びこれに接続された一対のリード線を有するサーミスタを準備するステップと、
    前記感温部が収容され幅に対して高さが短い断面扁平楕円状の第1キャビティ領域と、この第1キャビティ領域に連続する第2キャビティ領域と、仕切り壁と、を有する型であって、前記リード線が前記第2キャビティ領域の内壁に接触した場合に前記感温部が前記第1キャビティ領域の内壁に到達しないように、前記第2キャビティ領域の幅が前記第1キャビティ領域の幅よりも狭い型を準備するステップと、
    前記第1キャビティ領域に前記感温部が位置し、前記仕切り壁の両側に一本ずつ前記リード線が通り、前記第2キャビティ領域で前記一対のリード線が前記幅の方向に離間して並列するように、前記サーミスタを前記型内に配するステップと、
    前記型に樹脂を注入してインサート成形を行い、前記第1キャビティ領域における前記感温部を覆って温度測定対象に直接触れる第1の樹脂部と、前記第2キャビティ領域における前記一対のリード線を一体的に覆う第2の樹脂部を形成するステップと、
    を含むことを特徴とする温度センサの製造方法。
  3. 感温部及びこれに接続された一対のリード線を有するサーミスタを準備するステップと、
    前記感温部が収容される第1キャビティ領域と、この第1キャビティ領域に連続する第2キャビティ領域と、仕切り壁と、を有する型であって、前記リード線が前記第2キャビティ領域の内壁に接触した場合に前記感温部が前記第1キャビティ領域の内壁に到達しないように、前記第2キャビティ領域の幅が前記第1キャビティ領域の幅よりも狭いと共に、前記第2キャビティ領域における幅方向の両端部の高さが幅よりも短い型を準備するステップと、
    前記第1キャビティ領域に前記感温部が位置し、前記仕切り壁の両側に一本ずつ前記リード線が通り、前記第2キャビティ領域の前記両端部で前記一対のリード線が前記幅の方向に離間して並列するように、前記サーミスタを前記型内に配するステップと、
    前記型に樹脂を注入してインサート成形を行い、前記第1キャビティ領域における前記感温部を覆って温度測定対象に直接触れる第1の樹脂部と、前記第2キャビティ領域における前記一対のリード線を一体的に覆う第2の樹脂部を形成するステップと、
    を含むことを特徴とする温度センサの製造方法。
  4. 前記第2キャビティ領域における前記リード線が配される領域は、前記幅と交差する方向の高さが前記第1キャビティ領域よりも低いことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項記載の温度センサの製造方法。
  5. 前記サーミスタの前記各リード線には、導線が接続されており、
    前記型は、当該導線の周囲を覆う保護部を成形するための保護部用キャビティ領域を有し、
    前記第1キャビティ領域及び前記第2キャビティ領域に前記樹脂を注入する処理において、前記保護部用キャビティ領域にも樹脂を注入することを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項記載の温度センサの製造方法。
  6. 前記インサート成形で得られた成形体を、前記第1キャビティ領域によって成形された部分の少なくとも一部を除いて、第2の樹脂で覆うステップを更に含むことを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項記載の温度センサの製造方法。
  7. 前記樹脂は、ポリフェニレンサルファイドであることを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項記載の温度センサの製造方法。
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