JP2022123519A - 温度センサユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象物の温度を精度良く測定することが可能な温度センサユニットを提供すること。【解決手段】温度センサユニット10は、検出部22と、検出部22を内部に含むセンサケース21と、センサケース21の少なくとも一部を内部に含み、測定対象物である導体40の被測定部41が埋設された外装ケース30と、を有する。被測定部41とセンサケース21との間には、外装ケース30の充填部32が充填されている。【選択図】図3A

Description

本発明は、測定対象物の温度を検出する温度センサユニットに関する。
導体等の測定対象物の温度を測定する温度センサユニットして、特許文献1に記載の温度センサユニットが知られている。特許文献1に記載の温度センサユニットには、有底筒形状からなる本体部を有するセンサケースが具備されており、本体部の内部には温度センサが樹脂で固定された状態で挿入されている。センサケースを測定対象物の被測定部に固定し、本体部の側面を測定対象物の表面に接触させることにより、被測定部の熱が温度センサ内の検知部に伝達され、検知部で測定対象物の温度を検出することが可能となっている。
ところで、本体部あるいは測定対象物の表面には微小な凹凸が形成されている場合があり、この場合、本体部の側面を測定対象物の表面に接触させると、その接触部に隙間が形成されることになる。このような隙間が形成されると、隙間が断熱層(断熱空間)として作用する結果、被測定部の熱が断熱層で遮られて検知部に伝達されにくくなる。隙間の形状等は、測定対象物ごとに一様であるとは限らないため、隙間の形状等に応じて、測定対象物ごとに検出温度がばらつくおそれがあるだけでなく、測定対象物の正確な温度を検出することが困難となる。
特開2020-173113号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、測定対象物の温度を精度良く測定することが可能な温度センサユニットを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る温度センサユニットは、
検出部と、
前記検出部を内部に含む第1ケースと、
前記第1ケースの少なくとも一部を内部に含み、測定対象物の被測定部が埋設された第2ケースと、を有し、
前記被測定部と前記第1ケースとの間には、前記第2ケースの一部が充填されている。
本発明に係る温度センサユニットでは、第2ケースには第1ケースの少なくとも一部が内部に含まれているとともに、測定対象物の被測定部が埋設されている。さらに、被測定部と第1ケースとの間には、第2ケースの一部が充填されている。そのため、例えば被測定部あるいは第1ケースの表面に凹凸が形成されている場合であっても、その凹部を塞ぐように第2ケースの一部が凹部内に入り込み、さらに被測定部の表面形状に追随するように被測定部の表面に第2ケースの一部が付着することにより、被測定部と第1ケースとが第2ケースの一部を介して隙間なく接続された状態を形成することが可能である。このような状態においては、被測定部と第1ケースとの間に上記隙間に起因する断熱層(断熱空間)が形成されにくく、測定対象物ごとに凹凸の形状等が異なっていたとしても、その凹部を良好に塞ぐことが可能である。したがって、測定対象物の形状等に依らず、被測定部と第1ケースとの間に隙間が形成されることを有効に防止し、検出温度に個体ばらつきが発生する問題を回避することができる。
また、被測定部と第1ケースとの間では熱結合が良好となり、被測定部の熱は断熱層に遮られることなく第2ケースの一部を介して第1ケースへ良好に伝達される。そのため、測定対象物の正確な温度を検出部で検出することができる。また、第2ケースの一部を介して被測定部と第1ケースとが接続されることにより、第1ケースと被測定部との間の剥離強度(引張強度)を十分に高めることが可能となり、第1ケースが測定対象物に対して剥離あるいは位置ずれすることを有効に防止することができる。以上より、本発明に係る温度センサユニットによれば、測定対象物の温度を精度良く測定することが可能な温度センサユニットを実現することができる。
好ましくは、前記被測定部および前記第1ケースは、前記第2ケースに着脱不能に接合されている。このような構成とした場合、被測定部と第1ケースの間に位置する第2ケースの一部に対して、被測定部および第1ケースが一体的に接合されやすくなり、第2ケースの一部と被測定部とを隙間なく接合することが可能になるとともに、第2ケースの一部と第1ケースとを隙間なく一体的に接合することが可能となる。したがって、被測定部と第1ケースとの間に隙間が形成されることを有効に防止し、測定対象物の温度の検出精度を高めることができる。また、上記のような構成とすることにより、被測定部が第2ケースから離脱あるいは位置ずれすることを有効に防止することができる。なお、被測定部および第1ケースを第2ケースに着脱不能に接合するための方法として、例えばこれらを射出成型等により一体成型する方法が挙げられる。
好ましくは、前記第1ケースと前記第2ケースとは密着している。このような構成とすることにより、被測定部と第1ケースの間に位置する第2ケースの一部と第1ケースとが一体的に接合され、第2ケースの一部と被測定部との間に、断熱層として作用する隙間が形成されることを効果的に防止することができる。また、第2ケースの一部が第1ケースの表面形状に追随するように密着することにより、その凹部を良好に塞ぐことが可能となり、第1ケースの内部に含まれる検出部の温度特性を良好なものとすることができる。
好ましくは、前記第1ケースおよび前記第2ケースはそれぞれ樹脂で形成され、前記第1ケースを形成する材料の主成分と前記第2ケースを形成する材料の主成分とは同一である。このような構成とすることにより、第1ケースおよび第2ケースの熱特性(熱伝導率、線膨張係数等)を近似させることが可能となり、検出部において被測定部の本来の温度を高精度で検出することができる。
好ましくは、前記第1ケースと向き合う前記被測定部の対向面には、前記被測定部の幅方向の一端から他端にかけて延在する第1凹部が形成されている。このような構成とした場合、被測定部が第2ケースに埋設される過程において、第2ケースの一部が第1凹部に入り込み、被測定部と第1ケースとの間に、第2ケースの一部からなるブリッジが形成される。このブリッジは被測定部に対する抜け止めとして機能するため、特に被測定部の幅方向に直交する方向に関して、被測定部が第2ケースから離脱あるいは位置ずれすることを防止することができる。
また、上述した温度センサユニットは、例えば、金型の内部に第1ケースおよび被測定部を配置し、そこに第2ケースを形成する材料を流し込むことにより製造することが可能であるが、上記のような構成とすることにより、第2ケースを形成する材料が、第1凹部を介して、被測定部の幅方向の一端側から流入するとともに、被測定部の幅方向の他端側から流出する。そのため、被測定部と第1ケースとの間に第2ケースの一部を容易に充填する(入り込ませる)ことが可能となり、被測定部と第1ケースとの間に、断熱層として作用する隙間が形成されることを容易に防止することができる。
好ましくは、前記第1ケースは、前記第1凹部を挟んだ一方側および他方側において、前記測定対象物の表面に当接している。このような構成とすることにより、第1ケースが測定対象物に固定され、被測定部に対して、第1ケースの内部に含まれる検出部を良好に位置決めすることができる。
好ましくは、前記検出部は、前記第1凹部に対応する位置に配置されている。前述のとおり、第1凹部の位置では被測定部と第1ケースとの間に隙間が形成されにくくなっているため、上記のような構成とすることにより、被測定部の熱を断熱層に遮られることなく検出部に良好に伝達させ、検出部において被測定部の温度を精度良く検出することができる。
前記被測定部と向き合う前記第1ケースの対向面には、前記第1ケースの幅方向の一端から他端にかけて延在する第2凹部が形成されていてもよい。この場合、被測定部が第2ケースに埋設される過程において、第2ケースを形成する材料が、第2凹部を介して、第1ケースの幅方向の一端側から流入するとともに、第1ケースの幅方向の他端側から流出する。そのため、被測定部と第1ケースとの間に第2ケースの一部を容易に充填する(入り込ませる)ことが可能となり、被測定部と第1ケースとの間に、断熱層として作用する隙間が形成されることを容易に防止することができる。また、上記のような構成とした場合も、被測定部と第1ケースとの間には、第2ケースの一部によって、抜け止めとして機能するブリッジが形成されるため、特に被測定部の幅方向に直交する方向に関して、被測定部が第2ケースから離脱あるいは位置ずれすることを防止することができる。
図1は本発明の第1実施形態に係る温度センサユニットの構成を示す斜視図である。 図2は図1に示す温度センサユニットの内部構成を示す斜視図である。 図3Aは図2に示す温度センサユニットのIIIA-IIIA線に沿う断面図である。 図3Bは図2に示す温度センサユニットのIIIB-IIIB線に沿う断面図である。 図4は本発明の第2実施形態に係る温度センサユニットの構成を示す斜視図である。 図5は図4に示す温度センサユニットの内部構成を示す斜視図である。 図6Aは図5に示す温度センサユニットのVIA-VIA線に沿う断面図である。 図6Bは図5に示す温度センサユニットのVIB-VIB線に沿う断面図である。 図7は本発明の第3実施形態に係る温度センサユニットの内部構成を示す斜視図である。 図8は図7に示す温度センサユニットのVIII-VIII線に沿う断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る温度センサユニット10は、測定対象物である導体40の温度を測定するためのものであり、例えば自動車用の三相モータのY型結線の中点(中継線)や、回転電機の三相コイルのY型結線の中点等に取り付けられて使用される。温度センサユニット10は、温度センサ20と、外装ケース30と、導体40とを有する。本実施形態における温度センサユニット10では、その製造段階において、その内部に導体40が温度センサユニット10の一部として収容され、導体40は温度センサ20とともに外装ケース30に対して一体となって固定されている。
以下に示す図面において、X軸は導体40の長手方向(延在方向)に対応し、Y軸は導体40の短手方向(幅方向)に対応し、Z軸は導体40の厚み方向に対応するものとする。以下では、Z軸正方向側を上方と呼び、Z軸負方向側を下方と呼ぶ。
温度センサ20は、いわゆるサーミスタ式の温度センサで構成されており、図2に示すように、センサケース21と、検出部22と、リード保持部材23とを有する。温度センサ20は、他の種の温度センサで構成されてもよく、例えばNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタ、リニア抵抗器、熱電対等で構成されていてもよい。
検出部22は、センサケース21の内部に配置されており、センサケース21で覆われている。図3Aおよび図3Bに示すように、検出部22は、検出素子22aと、被覆部22bと、一対のリード線22c,22cとを有する。検出素子22aは、温度の測定を目的とした素子(感熱素子)であり、本実施形態ではサーミスタ素子で構成されている。検出素子22aは、検出した温度を示す電気信号を出力する。検出素子22aは、被覆部22bの内部に配置され、被覆部22bで覆われている。
一対のリード線22c,22cの一方の端部は、それぞれ検出素子22aのY軸方向の一方側および他方側に接続されている。リード線22c,22cは、例えば銅、鉄、ニッケル、ジュメット線等の導電材料で構成される。図2に示すように、リード線22c,22cの他方の端部は、センサケース21の内部において、カシメ等により一対の配線50,50に接続されている。
配線50,50は、例えば塩ビ電線、ポリエチレン電線、シリコン電線、フッ素電線等の導電材料で構成される。配線50,50の芯線は、たとえば銅、鉄、アルミニウム等の導電材料により構成されている。配線50,50は、センサケース21の外側へ引き出され、図示しない回路等に接続されている。リード線22c,22cおよび配線50,50を介して、検出素子22aから出力される電気信号を、図示しない制御装置等に送信することが可能となっている。
図3Aに示すように、被覆部22bは、絶縁性の樹脂あるいはガラス等で構成され、検出素子22aを内部に含み、検出素子22aを覆っている。被覆部22bは、X軸方向に長軸を有する略楕円球状に形成されているが、その形状は特に限定されるものではなく、略直方体形状等であってもよい。被覆部22bとセンサケース21の下面との間の距離は、好ましくは0.5~1mmである。
リード保持部材23は、センサケース21の内部に配置されており、検出部22にX軸方向に隣接して配置されている。リード保持部材23は、検出素子22aに接続されたリード線22c,22cを保持するためのものである。リード線22c,22cをリード保持部材23に保持させておくことにより、センサケース21の内部において、リード線22c,22cをX軸方向に沿って安定して引き出すことが可能となっている。
センサケース(第1ケース)21は、検出部22を収容(被覆)し、これを保護するためのものである。センサケース21の内部には、検出部22の他に、リード保持部材23および配線50,50の一部等が収容されている(埋め込まれている)。センサケース21は、X軸方向に長辺を有する略直方体形状を有する。センサケース21は、樹脂で形成されており、内側樹脂部21aと外側樹脂部21bとを有する。なお、センサケース21には、内側樹脂部21aおよび外側樹脂部21bの他に他の樹脂部が含まれていてもよい。
外側樹脂部21bは、有底筒形状を有し、内側樹脂部21aを外側から覆っている。外側樹脂部21bは、例えば熱可塑性樹脂で構成され、PBT(polybutylene terephthalate)やPPS(Poly Phenylene Sulfide)等の樹脂で形成されている。外側樹脂部21bは、検出部22および内側樹脂部21aをセンサケース21の内部に収容するためのケースとして機能する。外側樹脂部21bのX軸負方向側の端部には開口が形成されており、該開口を介して、外側樹脂部21bの内部に検出部22およびリード保持部材23を配置(挿入)するとともに、内側樹脂部21aを形成する樹脂材料を外側樹脂部21bの内部に充填することが可能となっている。
外側樹脂部21bの先端側の一部は、外装ケース30の内部に埋設されており、外装ケース30で覆われている。外側樹脂部21bの残りの部分は、外装ケース30のX軸負方向側の端面から突出しており、外装ケース30の外側に配置されている。外側樹脂部21bの一部は、外装ケース30の内部においてこれと密着しており、外装ケース30に着脱不能に接合されている。
内側樹脂部21aは、例えば熱硬化性樹脂で構成され、エポキシ樹脂等で形成されている。内側樹脂部21aの内部には検出部22およびリード保持部材23が埋設されており、内側樹脂部21aにより検出部22等を保護することが可能となっている。
導体40は、導電性を有する長手状(略直方体形状)の板状部材で構成され、外装ケース30をX軸方向に貫通している。導体40は、例えば、三相コイルのU相、V相あるいはW相に接続される結線導体(バスバー)として機能する。あるいは、導体40は、それ自体が三相コイルのU相、V相あるいはW相として機能するものであってもよい。導体40は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料等で構成されている。
導体40は、被測定部41と、凹部42と、凸部43と、当接部44a,44bとを有する。図面において、導体40の表面のうち、Z軸正方向側の面を上面と呼び、Z軸負方向側の面を下面と呼ぶ。また、センサケース21(外側樹脂部21b)の表面のうち、Z軸正方向側の面を上面と呼び、Z軸負方向側の面を下面と呼ぶ。
被測定部41は、導体40のうち、温度センサ20(外側樹脂部21b)が固定されている部分(当接している部分(センサ固定部))である。被測定部41の一部は、外装ケース30の内部に埋設されており、外装ケース30で覆われている。被測定部41の当該部分は、外装ケース30に着脱不能に接合されている。被測定部41の残りの部分は、外装ケース30のX軸負方向側の端面から突出しており、外装ケース30の外側に配置されている。
凹部42は、被測定部41に形成されており、外装ケース30の内部に配置されている。凹部42の一部が、外装ケース30の外側に露出していてもよい。図示の例では、凹部42は被測定部41の一部にのみ形成されており、凹部42のX軸方向の両側では、被測定部41の上面はフラットになっている。凹部42は、導体40の表面のうち、温度センサ20のセンサケース21と向き合う面(上面)に形成されている。以下では、このセンサケース21と向き合う被測定部41の上面を対向面410と呼ぶ場合がある。また、被測定部41と向き合うセンサケース21(外側樹脂部21b)の下面を対向面210と呼ぶ場合がある。
図2に示すように、凹部42は、被測定部41の幅方向(Y軸方向)の一端から他端にかけて、Y軸方向に延在している。凹部42は、そのX軸方向の一方側と他方側にのみ内壁面(テーパ部420,420)を有し、そのY軸方向の一方側と他方側とには内壁面は形成されていない。すなわち、凹部42は、その周囲が全範囲にわたって内壁面で包囲された凹部とはなっておらず、導体40の幅方向に沿って、導体40のY軸方向の一端と他端とを直線的に接続する連通路(導体40のY軸方向の一端と他端とが開放された開放路)が形成されている。なお、この連通路は、後述する温度センサユニット10の製造過程において、流動樹脂の通過路となる。
図3Aに示すように、凹部42は、X軸方向に所定の長さを有し、そのX軸方向の長さは、好ましくはセンサケース21の外側樹脂部21bのX軸方向の長さ以下である。また、凹部42のX軸方向の長さは、好ましくは外装ケース30のX軸方向の長さ以下である。また、図示の例では、凹部42のX軸方向の長さは、検出部22(被覆部22b)のX軸方向の長さよりも大きくなっている。凹部42のX軸方向の長さは、好ましくは検出部22のX軸方向の長さの1~3倍である。本実施形態では、検出部22は、特に凹部42の位置において、被測定部41の温度を検出する。凹部42のX軸方向の長さを上記範囲に設定することにより、検出部22により凹部42の位置における被測定部41の温度を精度良く検出することが可能となる。なお、凹部42の位置における被測定部41の温度は、導体40の温度を直接的または間接的に示している。
凹部42は、Z軸方向に所定の深さを有する。凹部42の深さd1は、好ましくは0.1~1mmであり、さらに好ましくは0.2~0.5mmである。凹部42の深さd1と、導体40のZ軸方向の厚みt1との比d1/t1は、好ましくは1/8~1/2であり、さらに好ましくは1/5~1/3である。凹部42の深さd1は、検出部22のZ軸方向の厚みよりも小さくなっている。
凹部42の深さd1は、センサケース21の外側樹脂部21bのZ軸方向の厚みt2よりも小さくなっている。外側樹脂部21bのZ軸方向の厚みt2は、好ましくは0.3~1.2mmであり、さらに好ましくは0.5~1mmである。凹部42の深さd1と外側樹脂部21bの厚みt2との比d1/t2は、好ましくは1/6~5/6であり、さらに好ましくは1/4~3/4である。なお、上記厚みt2は、外側樹脂部21bのうち、被測定部41と対向して配置された部分の厚みである。
凹部42は、一対のテーパ部420,420を有する。一方のテーパ部420は凹部42のX軸方向の一方側の端部に形成されおり、他方のテーパ部420は凹部42のX軸方向の他方側の端部に形成されている。テーパ部420,420は、上方に向かうにしたがって、凹部42が幅広となるように形成されている。詳細については後述するが、被測定部41の上面とセンサケース21の下面との間には、外装ケース30の一部(充填部32)が充填されている。凹部42にテーパ部420,420が具備されることにより、凹部42の位置において、充填部32と被測定部41との接触面積を十分に確保することが可能となり、充填部32と被測定部41とを強固に接続し、導体40が外装ケース30から脱落することを防止することができる。
検出部22は、X軸方向に関して、凹部42に対応する位置に配置されている。より詳細には、検出部22は、凹部42の上方に積層されるように配置されている。また、検出部22は、凹部42のX軸方向の一方側の端部と他方側の端部との間の領域に配置されている。図示の例では、上方から見て、検出部22の全体が凹部42のX軸方向の内側の領域に配置されているが、検出部22の一部が凹部42のX軸方向の一方側の端部からはみ出していてもよく、あるいは検出部22の一部が凹部42のX軸方向の他方側の端部からはみ出していてもよい。すなわち、検出部22(好ましくは検出素子22a)の少なくとも一部が、X軸方向に関して、凹部42に対応する位置(重複する位置)に配置されていることが好ましい。
凸部43は、被測定部41の下面に形成されており、凹部42のZ軸方向の反対側に配置されている。凸部43は、温度センサ20が配置されている側とは反対側(下方)に突出しており、その突出長(凸部43の高さ)は凹部42の深さd1と略等しくなっている。
凸部43は、一対のテーパ部430,430を有する。一方のテーパ部430は凸部43のX軸方向の一方側の端部に形成されており、他方のテーパ部430は凸部43のX軸方向の他方側の端部に形成されている。詳細については後述するが、外装ケース30は外装部31を有しており、外装部31の一部は凸部43の下方に及んでいる。凸部43にテーパ部430,430が具備されることにより、導体40の下側において、外装部31と被測定部41との接触面積を十分に確保することが可能となり、外装部31と被測定部41とを強固に接続し、導体40が外装ケース30から脱落することを防止することができる。なお、凸部43は必須ではなく、省略してもよい。
当接部44aは、被測定部41の上面のうち、凹部42を挟んでX軸正方向側において、センサケース21の外側樹脂部21bと当接している部分である。当接部44aは、センサケース21の先端部に位置する外側樹脂部21bに当接しており、これを支持する。当接部44aは、外装ケース30の内部に配置されており、外装ケース30で覆われている。
当接部44bは、被測定部41の上面のうち、凹部42を挟んでX軸負方向側において、センサケース21の外装樹脂部21bと当接する部分である。当接部44bは、センサケース21の基端部(あるいは、略中央部)に位置する外側樹脂部21bに当接しており、これを支持する。当接部44bの一部は、外装ケース30の内部に配置されており、外装ケース30で覆われている。当接部44bの残りの部分は、外装ケース30の外部に配置されている。当接部44aのX軸方向の長さは、当接部44bのX軸方向の長さよりも小さくなっている。
センサケース21は、凹部42の位置では、これを跨いで被測定部41の上方に配置されるのみであり、当接部44a,44bの位置において、被測定部41の上面に載置されている。当接部44a,44bにセンサケース21を載置することにより、センサケース21を安定した状態で被測定部41の上面に固定(積層)することが可能となっている。また、このようにセンサケース21が被測定部41の上面に固定されることにより、被測定部41(特に凹部42)に対して、センサケース21の内部に含まれる検出部22を良好に位置決めすることができる。
外装ケース(第2ケース)30は、温度センサ20および被測定部41を内部に収容(被覆)し、これらを保護するためのものである。外装ケース30は、外装部31と、充填部32とを有する。
図2に示すように、外装部31のY軸方向およびZ軸方向の長さはセンサケース21のY軸方向およびZ軸方向の長さよりも大きくなっており、外装部31はセンサケース21の少なくとも一部を内部に含んでいる。図示の例では、センサケース21の半分以上の領域が外装部31の内部に収容されており、温度センサ20の先端部は外装部31の内部に配置されている。なお、外装ケース30の内部にセンサケース21の全部が収容されていてもよい。あるいは、温度センサ20の先端部が外装ケース30のX軸正方向側の端面から突出し、センサケース21が外装ケース30をX軸方向に沿って貫通していてもよい。
外装ケース30は、例えばPBTやPPS等の熱可塑性樹脂で形成されており、外装ケース30を形成する材料の主成分は、センサケース21の外側樹脂部21bを形成する材料の主成分と同一となっている。そのため、センサケース21と外装ケース30の熱特性(熱伝導率、線膨張係数等)は近似しており、センサケース21および外装ケース30を介して、図3Aに示す被測定部41の熱は検出部22に良好に伝達される。したがって、検出部22において、被測定部41の本来の温度を高精度で検出することが可能となっている。
外装部31は、略直方体形状を有し、被測定部41とセンサケース21の一部とを内部に収容する。外装部31は、被測定部41とセンサケース21とに対して一体となっており、被測定部41とセンサケース21の一部とを被覆することにより、被測定部41にセンサケース21が固定された状態を維持する役割を果たす。なお、外装部31の形状は図示の形状に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
図3Bは温度センサユニット10を凹部42の位置においてYZ平面に対して平行となるように切ったときの断面図であるが、この図に示すように、外装部31は、凹部42の位置において、被測定部41およびセンサケース21を全方位的に囲んでおり、外装部31の内部には空間が形成されていない。外装部31は、センサケース21の上方に位置する部分と、被測定部41の下方に位置する部分と、センサケース21および被測定部41の両側方に位置する部分とに大別され、これら各部分は連続的に接続されている(一体となっている)。なお、図3Aに示すように、外装部31は、導体40のうち被測定部41以外の部分も覆っており、具体的には、センサケース21の先端部よりも先に位置する導体40の一部が外装部31によって覆われている。
充填部32は、凹部42の位置において、被測定部41の上面とセンサケース20(外側樹脂部21b)の下面との間に充填(配置)されている。充填部32は、凹部42の内部に入り込んでおり、凹部42の内部形状に対応した形状を有している。充填部32は、凹部42の位置において、被測定部41の上面に接触(接合)している。充填部32と被測定部41との接触面において、充填部42は、被測定部41に対して、その上面の表面形状に倣うように付着している。
また、充填部32は、凹部42の位置において、外側樹脂部21bの下面に対して密着しており、外側樹脂部21bと一体となっている。すなわち、センサケース21と外装ケース30とは充填部32を介して密着しており、これらの接合部には断層を確認することができる。充填部32と外側樹脂部21bとの接合面において、充填部42は、外側樹脂部21bに対して、その下面の表面形状に倣うように付着している。
充填部32の高さは、凹部42の深さd1と略等しくなっている。また、充填部32のX軸方向に沿う長さは、凹部42のX軸方向に沿う長さと略等しくなっており、充填部32のY軸方向に沿う長さは、凹部42のY軸方向に沿う長さと略等しくなっている。なお、凹部42のY軸方向に沿う長さは、導体40のY軸方向幅と等しくなっている。
詳細については後述するが、温度センサユニット10は、例えば、金型(成形型)の内部にセンサケース21および被測定部41を配置し、そこに外装ケース30を形成する材料を流し込むことにより製造することが可能である。すなわち、外装ケース30は、センサケース21および被測定部41をインサート部品とするインサート成形品であり、あるいはセンサケース21および被測定部41を包むモールド成形品である。
この製造過程(被測定部41が外装ケース30に埋設される過程)において、凹部42は流動樹脂の抜け穴(逃げ穴)として機能し、外装ケース30を形成する材料が、凹部42のY軸方向の一端を介して凹部42の内部に流入するとともに、凹部42のY軸方向の他端を介して凹部42の外部に流出する。これにより、被測定部41とセンサケース21との間に外装ケース30一部である充填部32を充填する(入り込ませる)ことが可能となり、被測定部41とセンサケース21との間に断熱層として作用する隙間が形成されることを防止することができる。
図3Bに示すように、充填部32は、被測定部41のY軸方向の一方側と他方側とにおいて、外装部31に接続されている(一体となっている)。充填部32は、被測定部41のY軸方向の一方側から他方側にかけて延在するブリッジを形成している。このブリッジは被測定部41に対する外装ケース30からの抜け止めとして機能し、アンカー効果により、特にX軸方向に関して被測定部41が外装ケース30から離脱あるいは位置ずれすることを防止することが可能となっている。
センサケース21は、Z軸方向に関して、充填部32と、センサケース21の上方に位置する外装部31とで挟まれている。被測定部41は、Z軸方向に関して、充填部32と、被測定部41の下方に位置する外装部31とで挟まれている。凹部42の位置では、センサケース21と被測定部41とは直接的に接続されてはおらず、充填部32を介して間接的に接続されている。
次に、図3A等を参照しつつ、温度センサユニット10の製造方法について説明する。まず、温度センサ20と、導体40と、外装ケース30を成型するための成形型とを用意する。温度センサ20としては、市場で販売されているものを用いることができる。また、成形型としては、第1型および第2型をそれぞれ上下に配置してなるものを用いることができる。次に、成形型の内部に温度センサ20の一部と導体40の一部とを上下に配置した状態で配置する。
より詳細には、温度センサ20については、その先端部を導体40の当接部44aに載置しておくとともに、その基端部(略中央部)を導体40の当接部44bに載置しておく。これにより、当接部44aと当接部44bとの間に位置する凹部42の上方がセンサケース21(外側樹脂部21b)によって塞がれ、被測定部41の上面と外側樹脂部21bの下面とで囲まれた空間が形成される。この凹部42に対応する空間の内部には、後述するように、充填部32が形成される。なお、被測定部41のY軸方向の両側にはいずれの部材も配置されていないため、上記空間のY軸方向の両側には開口部が形成される。
次に、成形型を閉鎖し、成形型の内部に形成されたキャビティに、外装ケース30を形成する樹脂を流し込む。これにより、センサケース21の一部と、導体40の被測定部41の一部が上記樹脂で覆われ、これが硬化することにより外装部31が形成される。また、上記樹脂は、被測定部41の上面と外側樹脂部21bの下面との間に形成された上記空間に対して、Y軸方向の一方側の開口部から流入するとともに、Y軸方向の他方側の開口部から流出する。これにより、上記空間内に上記樹脂が充填され、これが硬化することにより充填部32が形成される。
次に、成形型を開放し、温度センサ20および導体40が一体成形された外装ケース30(樹脂成形体)を取り出す。このように射出成形によって温度センサユニット10を製造することにより、被測定部41およびセンサケース21が外装ケース30に着脱不能に接合された温度センサユニット10を形成することができる。
以上、本実施形態に係る温度センサユニット10では、図3Aに示すように、被測定部41とセンサケース21(外側樹脂部21b)との間には、充填部32が充填されている。そのため、例えば被測定部41あるいは外側樹脂部21bの表面に凹凸が形成されている場合であっても、その凹部を塞ぐように充填部32が凹部内に入り込み、さらに被測定部41の表面形状に追随するように被測定部41の表面に充填部32が付着することにより、被測定部41と外側樹脂部21bとが充填部32を介して隙間なく接続された状態を形成することが可能である。このような状態においては、被測定部41と外側樹脂部21bとの間に上記隙間に起因する断熱層(断熱空間)が形成されにくく、測定対象である導体40ごとに凹凸の形状等が異なっていたとしても(不均一な凹凸が形成されていたとしても)、その凹部を良好に塞ぐことが可能である。したがって、導体40の表面形状等に依らず、被測定部41と外側樹脂部21bとの間に隙間が形成されることを有効に防止し、検出温度に個体ばらつきが発生する問題を回避することができる。
また、被測定部41とセンサケース21との間では熱結合が良好となり、被測定部41の熱は断熱層に遮られることなく充填部32を介してセンサケース21へ良好に伝達される。そのため、導体40の正確な温度を検出部22で検出することができる。また、充填部32を介して被測定部41と外側樹脂部21bとが接続されることにより、センサケース21と被測定部41との間の剥離強度(引張強度)を十分に高めることが可能となり、センサケース21が被測定部41に対して剥離あるいは位置ずれすることを有効に防止することができる。
また、本実施形態では、被測定部41およびセンサケース21が、外装ケース30に着脱不能に接合されている。そのため、被測定部41とセンサケース21との間に位置する充填部32に対して、被測定部41およびセンサケース21が一体的に接合されやすくなり、充填部32と被測定部41とを隙間なく接合することが可能になるとともに、充填部32とセンサケース21とを隙間なく一体的に接合することが可能となる。したがって、被測定部41とセンサケース21との間に隙間が形成されることを有効に防止し、導体40の温度の検出精度を高めることができる。また、上記のような構成とすることにより、被測定部41が外装ケース30から離脱あるいは位置ずれすることを有効に防止することができる。
また、本実施形態では、センサケース21と外装ケース30とが密着している。そのため、被測定部41とセンサケース21の間に位置する充填部32とセンサケース21とが一体的に接合され、充填部32と被測定部41との間に、断熱層として作用する隙間が形成されることを効果的に防止することができる。また、充填部32がセンサケース21の表面形状に追随するように密着することにより、その凹部(センサケース21の表面に形成され得る凹部)を良好に塞ぐことが可能となり、センサケース21の内部に含まれる検出部22の温度特性を良好なものとすることができる。
また、本実施形態では、検出部22が、凹部42に対応する位置に配置されている。そのため、被測定部41の熱を断熱層に遮られることなく検出部22に良好に伝達させ、検出部22において被測定部41の温度を精度良く検出することができる。
第2実施形態
図4に示す本発明の第2実施形態に係る温度センサユニット110は、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係る温度センサユニット10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図面において、第1実施形態の温度センサユニット10における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明については省略する。
温度センサユニット110は、外装ケース130と、導体140とを有するという点において、第1実施形態における温度センサユニット10とは異なる。図5に示すように、導体140は、略U字形状となるように折り曲げられた形状を有しており、下側延在部145と、上側延在部146と、屈曲部147とを有する。屈曲部147は、下側延在部145と上側延在部146とを接続する略U字形状の部分である。下側延在部145は、図2に示す導体40と同一の形状を有する。上側延在部146は、下側延在部145と実質的に同一の形状(上下反転させた対称形状)を有し、同一の構成を有する。
下側延在部145と上側延在部146との間には、温度センサ20が配置されている。下側延在部145と上側延在部146との間の距離は、温度センサ20のセンサケース21のZ軸方向の高さと略等しくなっている。そのため、温度センサ20を導体140の内側に固定したとき、センサケース21(外側樹脂部21b)の下面および上面は導体140の内面に当接する。
より詳細には、図6Aに示すように、センサケース21の下面は、下側延在部145の被測定部41aに形成された当接部44a,44bの位置において、被測定部41aに当接し固定される。センサケース21の上面は、上側延在部146の被測定部41bに形成された当接部44a,44bの位置において、被測定部41bに当接し固定される。
また、センサケース21の下面の一部は、下側延在部145の被測定部41aに形成された凹部42aと向かい合っており、センサケース21の上面の一部は、上側延在部146の被測定部41bに形成された凹部42bと向かい合っている。
図6Aおよび図6Bに示すように、外装ケース130は、2つの充填部32a,32bを有するという点において、第1実施形態における外装ケース30とは異なる。一方の充填部32aは、下側延在部145の被測定部41aの上面とセンサケース21(外側樹脂部21b)の下面との間に配置されており、被測定部41aとセンサケース21とを接続している。他方の充填部32bは、上側延在部146の被測定部41bの下面とセンサケース21(外側樹脂部21b)の上面との間に配置されており、被測定部41bとセンサケース21とを接続している。
本実施形態では、導体140には2つの被測定部41a,41bが具備されており、被測定部41a,41bは、2つの充填部32a,32bを介して、センサケース21の上面および下面に接続されている。そのため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態ででは、略U字形状を有する導体140において、検出部22によって、下側延在部145の温度だけでなく、上側延在部146の温度も検出する。そのため、下側延在部145および上側延在部146のいずれか一方のみの検出温度に基づいて導体140の温度を測定する場合に比べて、導体140の温度の測定性能を高めることができる。
第3実施形態
図7に示す本発明の第3実施形態に係る温度センサユニット210は、以下に示す点を除いて、第2実施形態に係る温度センサユニット110と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図面において、第2実施形態の温度センサユニット110における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明については省略する。
温度センサユニット210は、導体240と、温度センサ220とを有するという点において、第2実施形態における温度センサユニット110とは異なる。導体240は、下側延在部245と上側延在部246とを有するという点において、第2実施形態における導体140とは異なっており、下側延在部245と上側延在部246とは、それぞれ図5に示す凹部42aと凹部42bとを具備していない。すなわち、導体240は、その内面および外面がフラットな形状からなる略U字形状の導体で構成されている。
温度センサ220は、センサケース221を有するという点において、第1実施形態における温度センサ20とは異なる。図8に示すように、センサケース221は外側樹脂部221bを有し、外側樹脂部221bはケース凹部24a,24bを有する。
ケース凹部24a,24bは、センサケース221のZ軸方向の中心部に向かって凹んでいる。ケース凹部24aは外側樹脂部221bの下面に形成されており、ケース凹部24bは外側樹脂部221bの上面に形成されている。ケース凹部24a,24bは、第2実施形態における凹部42a,42b(図6A)に対応する形状を有しており、ケース凹部24a,24bのX軸方向の長さおよびZ軸方向の深さは、凹部42a,42bのX軸方向の長さおよびZ軸方向の深さと同様となっている。また、ケース凹部24a,24bと検出部22との位置関係についても、凹部42a,42bと検出部22との位置関係と同様である。なお、外側樹脂部221bの厚みは、第2実施形態における外側樹脂部21bの厚みと同様となっている。
ケース凹部24a,24bは、一対のテーパ部25,25を有している。テーパ部25,25は、第2実施形態におけるテーパ部420,420と同様の形状および機能を有する。外側樹脂部221bは、その上面に当接部26a,26bを有するとともに、その下面にも当接部26a,26bを有する。外側樹脂部221bの下面に形成された当接部26a,26bは、凹部24aのX軸方向の外側に形成されており、下側延在部245の上面と当接する。外側樹脂部221bの上面に形成された当接部26a,26bは、凹部24bのX軸方向の外側に形成されており、上側延在部246の下面と当接する。当接部26aは外側樹脂部221bの先端側に形成されており、当接部26bは外側樹脂部221bの基端側(あるいは、略中央部)に形成されている。
ケース凹部24aの位置において、被測定部41aの上面とセンサケース221(外側樹脂部221b)の下面との間には、充填部32aが配置(充填)されている。ケース24bの位置において、被測定部41bの下面とセンサケース221(外側樹脂部221b)の上面との間には、充填部32bが配置(充填)されている。本実施形態のように、凹部を形成する対象を、導体240からセンサケース220(外側樹脂部221b)に変更した場合であっても、被測定部41a,41bとセンサケース221との間に充填部32a,32bを形成することが可能であり、被測定部41a,41bは、2つの充填部32a,32bを介して、センサケース221の上面および下面に接続される。したがって、本実施形態においても、第2実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、被測定部41aと向き合うセンサケース221(外側樹脂部221b)の対向面には、センサケース221のY軸方向の一端から他端にかけて延在するケース凹部24a,24bが形成されている。この場合、被測定部41a,41bが外装ケース130に埋設される過程において、外装ケース130を形成する材料が、ケース凹部24a,24bを介して、センサケース221のY軸方向の一端側から流入するとともに、センサケース221のY軸方向の他端側から流出する。そのため、被測定部41a,41bとセンサケース221との間に外装ケース130の一部を容易に充填する(入り込ませる)ことが可能となり、被測定部41a,41bとセンサケース221との間に、断熱層として作用する隙間が形成されることを容易に防止することができる。また、上記のような構成とした場合も、被測定部41a,41bとセンサケース221との間には、外装ケース130の一部によって、抜け止めとして機能するブリッジが形成されるため、特に被測定部41a,41bのX軸方向に関して、被測定部41aが外装ケース130から離脱あるいは位置ずれすることを防止することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
上記第1実施形態では、図3Aに示すように、導体40には1個の凹部42が具備されていたが、複数の凹部42がX軸方向に沿って隣接して配置されていてもよい。ただし、検出部22(好ましくは、検出素子22a)は、凹部42に対応する位置に配置されていることが好ましく、凹部42(好ましくは、凹部42の底面)の上方に積層されていることが好ましい。上記第2実施形態における下側延在部145に形成された凹部42aあるいは上側延在部146に形成された凹部42bについても同様である。また、上記第3実施形態におけるセンサケース221に形成されたケース凹部24a,24bについても同様である。
上記第1実施形態において、導体40、センサケース21および外装ケース30の形状は図示の形状に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。上記第2実施形態および上記第3実施形態についても同様である。
上記第1実施形態あるいは上記第2実施形態に、上記第3実施形態に示す技術を適用し、センサケース21にケース凹部を具備させてもよい。
10,110,210…温度センサユニット
20,220…温度センサ
21,221…センサケース
21a…内側樹脂部
21b,221b…外側樹脂部
210…対向面
22…検出部
22a…検出素子
22b…被覆部
22c…リード線
23…リード保持部材
24a,24b…ケース凹部
25…テーパ部
26a,26b…当接部
30,130…外装ケース
31,131…外装部
32,32a,32b…充填部
40,140,240…導体
41,41a,41b…被測定部
410…対向面
42,42a,42b…凹部
420,430…テーパ部
43…凸部
44a,44b…当接部
145,245…下側延在部
146,246…上側延在部
147…屈曲部
50…配線

Claims (8)

  1. 検出部と、
    前記検出部を内部に含む第1ケースと、
    前記第1ケースの少なくとも一部を内部に含み、測定対象物の被測定部が埋設された第2ケースと、を有し、
    前記被測定部と前記第1ケースとの間には、前記第2ケースの一部が充填されている温度センサユニット。
  2. 前記被測定部および前記第1ケースは、前記第2ケースに着脱不能に接合されている請求項1に記載の温度センサユニット。
  3. 前記第1ケースと前記第2ケースとは密着している請求項1または2に記載の温度センサユニット。
  4. 前記第1ケースおよび前記第2ケースはそれぞれ樹脂で形成され、
    前記第1ケースを形成する材料の主成分と前記第2ケースを形成する材料の主成分とは同一である請求項1~3のいずれかに記載の温度センサユニット。
  5. 前記第1ケースと向き合う前記被測定部の対向面には、前記被測定部の幅方向の一端から他端にかけて延在する第1凹部が形成されている請求項1~4のいずれかに記載の温度センサユニット。
  6. 前記第1ケースは、前記第1凹部を挟んだ一方側および他方側において、前記測定対象物の表面に当接している請求項5に記載の温度センサユニット。
  7. 前記検出部は、前記第1凹部に対応する位置に配置されている請求項5または6に記載の温度センサユニット。
  8. 前記被測定部と向き合う前記第1ケースの対向面には、前記第1ケースの幅方向の一端から他端にかけて延在する第2凹部が形成されている請求項1~7のいずれかに記載の温度センサユニット。
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