JP4453253B2 - 分画された大豆蛋白およびその製造法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、大豆蛋白を含む溶液から7Sグロブリンに富んだ画分と11Sグロブリンに富んだ画分を製造する方法に関する。
背景技術
大豆の貯蔵蛋白は、pH4.5付近で沈澱し、比較的簡単に蛋白以外の成分と蛋白成分に分けることができる。この貯蔵蛋白は、大豆分離蛋白といわれ、食品工業における利用は多くこの形でなされる。蛋白はまた超遠心分析による沈降定数から、2S、7S、11S、15Sの各グロブリンに分類される。このうち、7Sグロブリンと11Sグロブリンはグロブリン画分の主要な構成蛋白成分(注:7Sグロブリン、11Sグロブリンは沈降法による分類名であり、免疫学的命名法にいうβ−コングリシニン、グリシニンに実質的に相当する。)であり、この両者は粘性・凝固性・界面活性等において異なる性質を有する。したがって、大豆蛋白質を7Sグロブリンに富んだ区分と11Sグロブリンに富んだ区分に分画することにより両蛋白の性質を利用することが可能となり、産業における蛋白利用分野の拡大が期待できる。
7Sグロブリン、11Sグロブリンは幾つかのサブユニットからなり、7Sグロブリンはα、α’、βの3種類のサブユニット、11Sグロブリンは酸性ポリペプチド(A)と塩基性ポリペプチド(B)を一対とした数種のサブユニットからなっている。その存在比率は、典型的にはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で得られたパターンのデンシトメトリーによる面積比で7Sグロブリン:11Sグロブリンが略1:2である。7Sグロブリンと11Sグロブリンの性質は、分子量も荷電の状態もよく似ている。特に、両グロブリンはサブユニットの組み合わせにより多様性を持つ蛋白で、これらの性質はある程度幅があり、相互にオーバーラップしている。したがって、両者の相互の混入がない有効な分離をするのは、容易でない。
従来から知られている分画法を以下に示す。すなわち、等電点の違いを利用するもの:抽出pHを11Sグロブリンの等電点近傍で行い、7Sグロブリンのみを抽出させる方法(特開昭55−124457号公報)。カルシウムとの反応性の違いを利用するもの:抽出時に少量のカルシウム塩を添加、7Sグロブリンに富む画分を抽出させる方法(特開昭48−56843号公報)。pH・イオン強度での溶解性の違いを利用する方法:pH1.2〜4.0の塩化ナトリウムまたは塩化カリウム存在下で不溶性区分を除去して7Sグロブリンを製造する方法(特開昭49−31843号公報)、等電点沈澱したスラリーをpH5.0〜5.6に調整し、かつ塩化ナトリウム濃度を0.01〜0.2Mのモル濃度に調整して、7S、11S画分を分離する方法(特開昭58−36345号公報)。冷沈現象と還元剤等を利用するもの:11Sグロブリンが低温下では溶解性が低下する現象(冷沈現象とよぶ)を利用したもので、大豆蛋白原料を亜硫酸化合物、グルタチオン化合物、またはシステイン化合物の存在下、かつpH6.5以上の水系下処理し、pH5.5〜7.0かつ20℃以下の範囲に調整して7Sグロブリンに富んだ可溶性画分と11Sグロブリンに富んだ不溶性画分に分画する方法(特開昭61−187755号公報)。
これら従来から知られている分画方法は、7Sグロブリンと11SグロブリンのpH、イオン強度、ある種の塩の存在、温度等による溶解性の違いをたくみに利用した技術であるが、ある程度明確な分画を示しても実験室的方法の域を免れず、工業的な分画法としては不適当であるという問題点があり、実用面で問題を残していた。例えば、特開昭61−187755号公報の方法では、冷沈現象は温度に強く依存するため5℃程度まで冷却する必要があり、工業的な低い遠心力で分離するには大量の亜硫酸化合物など添加を要するという実用面での問題と、可溶性画分への11Sグロブリンの混入が少なからずあるという分画精度面での問題を残していた。
7Sグロブリンに富む蛋白を得るということでは、育種による11Sグロブリン欠損大豆、すなわち7Sグロブリンに富んだ種子(Breeding Science,46,11,1996)から蛋白を分離することが検討され、それを応用した報告(Breeding Science,50,101,2000)や特許(US 6,171,640 B1)も出されている。
以上のように、可溶性および不溶性各画分への相互の混入率が少なく、かつ簡便に効率よく工業規模での製造が行える7Sグロブリンに富んだ画分と11Sグロブリンに富んだ画分の分画法の開発研究が行われている。
一方、大豆由来の蛋白には、細胞膜をはじめプロテインボディー・オイルボディー等の膜を構成する極性脂質との親和力の高い蛋白質(脂質会合蛋白質)が存在し、工業的に生産する分離大豆蛋白の約35%をも占めていることが佐本らにより報告されている(Biosci.Biotechnol.Biochem.,62(5),935−940(1998))。この脂質会合蛋白質は膜蛋白質を主体とする蛋白群の総称で、特にSDS−ポリアクリルアミド電気泳動による推定分子量において主に34kDa、24kDa、18kDaを示す蛋白質を含み、クロロホルム:エタノール=2:1の極性溶媒により抽出される極性脂質を10〜12重量%程度含有する。
従来の分画法は7Sと11Sのみに注目しており、各画分に混在する脂質会合蛋白質については考慮されていない場合が多かった。その理由として、脂質会合蛋白質はSDS−ポリアクリルアミド電気泳動による分析では7Sや11Sほど明確に特定することができず、その存在を過少に評価する場合が多かった。言い換えれば、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動により測定される純度だけでは、真の純度を過大に評価している場合が多く、真に純度の高い7Sや11Sを得るには、この脂質会合蛋白質の挙動を考慮する必要がある。つまり、これまでの7S/11Sの2画分への分画では、7Sと11Sの比率によってのみ分画品の純度を議論している場合が多かった。しかし各画分には脂質会合蛋白質を随伴し、実際の蛋白質組成としては脂質会合蛋白質を多く含む精製純度のやや低い粗分画品となっている場合が多かった。
本発明の目的の一つは、7Sグロブリンと11Sグロブリンの新規な分画法を提案するものであり、特に工業的規模で行え、高精度で効率のよい分画法を目的とする。また他の目的は、脂質会合蛋白質の混入率が少なく、純度の高い7Sグロブリンと11Sグロブリンの、特徴ある性質を有する蛋白画分を得ることにある。
発明の開示
本発明は、大豆蛋白を含む溶液を微酸性下で加温した後、pH5.6〜6.6において可溶性画分と、不溶性画分に分画することを特徴とする分画大豆蛋白の製造法である。上記微酸性はpH3.8〜6.8が好ましく、加温する温度は30〜75℃が好ましい。これにより7Sグロブリンに富み脂質会合蛋白質の少ない可溶性画分を得ることができる。またこれにより11Sグロブリンおよび脂質会合蛋白質に富んだ不溶性画分が生成するが、この不溶性の画分の11Sグロブリンを略中性の水溶液中で抽出することにより、脂質会合蛋白質を不溶化させたまま11Sグロブリンのみを溶解させ分離することが可能で、11Sグロブリンに富み脂質会合蛋白質の少ない画分を得ることができる。
また、本発明は製造工程中、フィターゼによるフィチン酸分解を施すことにより、分離工程での分離精度を向上させるとともに、低フィチン酸の、高純度7Sグロブリン大豆蛋白や高純度11Sグロブリン大豆蛋白を得ることができる。
上記製造法によって得られた可溶性画分は7Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.4以上であり、条件を適当に選択することによって当該比が0.8以上、0.85以上、或いは0.9以上の高純度蛋白を容易に得ることができる。また該可溶性画分は11Sグロブリンや7Sグロブリン以外の蛋白の少ない、特に脂質会合蛋白質が10%/全蛋白固形分以下の大豆蛋白であり、より正確な意味での高純度7Sグロブリンを得ることができる。もう一つの画分である不溶性画分は、11Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.7以上の画分であり、条件を適当に選択することによって当該比が0.8以上、0.85以上、或いは0.9以上の高純度蛋白を容易に得ることができる。
ここに、7Sグロブリンや11Sグロブリンの相対量は、(後述の補正純度の場合を除いて)SDS−ポリアクリルアミド電気泳動で得られた泳動パターンをデンシトメーターで測定し、該当画分の面積比率で表わす。
また、上記脂質会合蛋白質は、ほとんど変性していない酸沈澱グロブリンから硫酸ナトリウムを用いて精密に得ると酸沈澱グロブリン中に30〜35%程度存在し(前記Biosci.Biotechnol.Biochem.,62(5),935−940(1998))、またクロロホルム/メタノール=2:1(容量比)で抽出される極性脂質が、該酸沈澱グロブリン固形物中には、3〜4重量%が存在し、他方脂質会合蛋白質中には10〜12%存在する事実から、上記極性脂質(以下「クロメタ油分」と略すことがある)は酸沈澱グロブリンの中でも脂質会合蛋白質中に偏在し、クロメタ油分の10重量倍が脂質会合蛋白質であると換算できる。ただしこの換算は脂質会合蛋白質がヘキサンなどによる脱脂の工程を経ている対象に適用でき、ヘキサン抽出の工程を経ていない対象である場合にはヘキサンで予め脱脂した後に適用できる。7Sグロブリンに富む上記可溶性画分は、本発明によればクロメタ油分は1%以下であり、換算すると脂質会合蛋白質は10%以下である。
もう一方の不溶性画分は11Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.7以上であり、この不溶性の画分の11Sグロブリンは、略中性(pH6.5〜8.5)の水溶液中で抽出することにより、脂質会合蛋白質を不溶化させたまま11Sグロブリンのみを溶解させ分離することが可能で、11Sグロブリンに富み(11Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.7以上)、脂質会合蛋白質の少ない画分は、脂質会合蛋白質が20%/全蛋白以下、すなわちクロロホルム:メタノール=2:1で抽出される極性脂質が2%以下の大豆蛋白画分となる。
さらに、これらの両画分はフィターゼによるフィチン酸分解により、得られる蛋白当たり1.2%以下の低フィチンの蛋白画分を得ることができる。分画効率を上げるためのフィターゼの処理時期は分画前のいずれかの工程で行うのがよい。
発明を実施するための最良の形態
本発明に用いた分析方法を以下に記載する。
*粗蛋白質;ケールダール法に基づき窒素含量を求め、係数6.25をかけて粗蛋白質に換算した。
*SDS−ポリアクリルアミド電気泳動;Laemmli(Nature,227,680(1970))の方法に基づきゲル濃度10−20%のグラディエントゲルで分析した。アプライ量は10μgとした。
*フィチン酸;Alii Mohamedの方法(Cereal Chemistry 63,475−478.1986)に準拠して測定した。
*クロメタ油分;試料乾物に対してクロロホルム・メタノールの混合液(容量比、2:1)を約50倍加え、還流抽出される固形分の重量比をクロメタ油分として測定した。
*純度(SPE基準);上記のSDS−ポリアクリルアミド電気泳動で得られた泳動パターンをデンシトメーターで測定し、その全体に対する該当画分の面積比率を純度(SPE基準)とした。ここに7Sグロブリン含量はα、α’、βサブユニットの総量を指し、11Sグロブリン含量は酸性ポリペプチド(A)と塩基性ポリペプチド(B)の総量を指す。
*補正純度;上記で得られた純度(SPE基準)から、混在する脂質会合蛋白質の量も考慮した補正純度を以下のように算出した。すなわち試料の純度(SPE基準)の値をA%として、当該試料中には7Sグロブリン及び11Sグロブリン以外にクロメタ油分の10重量倍に相当する脂質会合蛋白質も存在するので、7Sグロブリン及び11Sグロブリンに脂質会合蛋白質の量を含めた合計蛋白に対する純度として算出する。
補正純度(%)=(100(%)−クロメタ油分(%)*10)*A(%)/100
以下に本発明の好ましい態様を記載する。
本品に用いる原料大豆は市販の大豆または育種や遺伝子操作などにより、特定の画分が欠損した大豆のいずれも用いることが可能である。
また大豆蛋白を含む溶液は、大豆の加水スラリー若しくは同スラリーから得られる豆乳であってもよいが、脱脂大豆の加水スラリー、同スラリーから得られる脱脂豆乳、酸沈澱大豆蛋白スラリーまたは分離大豆蛋白溶液がより好ましい。
本発明の実施に際して、7Sグロブリンに富んだ画分と11Sグロブリンに富んだ画分に分画するためには、未変性もしくは低変性大豆蛋白溶液が好ましい。大豆蛋白溶液をpH3.8〜6.8、好ましくはpH4.0〜6.6、より好ましくはpH4.2〜6.2の微酸性下で30〜75℃、好ましくは35〜65℃、さらに好ましくは40〜60℃の加温処理した後、pH5.6〜6.6、好ましくはpH5.6〜6.4に調整すれば7Sグロブリンに富んだ可溶性画分と11Sグロブリンに富んだ不溶性画分の分離が容易になる。また、製造工程中、特に可溶性画分と不溶性画分を分画するまでのいずれかの工程で、大豆蛋白と共存するフィチン酸をフィターゼで分解することにより、7Sグロブリンに富んだ画分と11Sグロブリンに富んだ画分の分離が一層容易になる。フィターゼは加温処理と同時に行うと簡便である。フィターゼは、起源により多少異なるものの、通常pH3.5−9.0,温度20〜70℃、5分間〜3時間、蛋白重量(g)あたり0.1〜100unit程度作用させるのが適している。なお1unitのフィターゼ活性はpH5.5,37℃の下で反応初期の1分間にフィチン酸から1μモルのリン酸を遊離する酵素量を表わす。
上記加温処理のための加温保持時間の長短、還元剤添加の有無は、加温処理のpHや温度に比べて分離の難易にあまり大きく影響せずあまり重要ではない。加温処理時のpHが3.8〜6.8の範囲外、または温度が30℃〜75℃の範囲外であると、7Sグロブリンと11Sグロブリンの分離が難しくなる。また、分離時のpHが5.6未満では不溶性画分への7Sグロブリンの混入が多くなり、逆にpHが6.6を越えると可溶性画分への11Sグロブリンの混入が多くなり好ましくない。
加温処理後、微生物管理上冷却する方が好ましいが、そのままの温度で分画に移ってもよい。分画の手段は、公知の分離手段(ろ別、遠心分離等)を用いることができ、特に連続式遠心分離機(例えばデカンター)等を用いても容易に分離することができる。むろんバッチ式等の非連続式遠心分離機の使用を妨げるものではない。
本発明による可溶性画分である7Sグロブリンに富んだ画分と不溶性画分である11Sグロブリンに富んだ画分の分画状態は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で得られたパターンで評価できる(純度(SPE基準))。
しかし、SPE基準の純度では、脂質会合蛋白質がSDS−ポリアクリルアミド電気泳動での染色性が低いために過少に評価されるので、前記補正純度(%)=(100(%)−クロメタ油分(%)*10)*A(%)/100の式を用いた純度補正の値の方が、より真の純度に近い値と考えられる。
分離後の可溶性画分は、このまま、あるいは濃縮して、あるいは中和して、あるいは殺菌して、あるいは乾燥して、7Sグロブリンに富んだ画分として用いることができる。濃縮する手段としては、可溶性画分を等電点付近のpH(pH4.5〜5.3、好ましくはpH4.7〜5.1)に移行させて生じる沈澱カードを分離回収する方法が例示され、その後中和、加熱殺菌処理し、乾燥する形態が最も通常である。加熱殺菌処理は公知のHTST、UHT処理等で行うことができる。目的に応じて、溶液状態でプロテアーゼ等を用いた酵素処理をすることももちろん可能である。
また分離後の不溶性画分からは、略中性(概ねpH6.5〜8.5)の水溶液を用いて11Sグロブリン成分を抽出し、不溶性の脂質会合蛋白質と(不溶性画分がおから成分を含む場合はおから成分とも)分離することができる。この際、約4000G以上の、好ましくは約5000G以上の高G遠心分離にかけるのが、11Sグロブリンと脂質会合蛋白質との分離に好適であり、11Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.7以上を維持したまま、クロメタ油分が固形物中2%以下に低下した蛋白を得ることができる。
得られた11Sグロブリンを含む液は、このまま、あるいは濃縮して、あるいは中和して、あるいは乾燥して、11Sグロブリンに富んだ大豆蛋白として用いることができる。濃縮手段として、可溶性画分を等電点沈澱(pH4.5〜5.8、好ましくはpH4.7〜5.5)させて沈澱カードを分離回収する方法は物性を向上する上で好ましく、また等電点沈澱の後中和、加熱殺菌処理し、あるいはさらにプロテアーゼ等を用いた酵素処理することもできる。殺菌、乾燥した形態が最も通常である。加熱殺菌処理は公知のHTST、UHT処理等で行うことができる。
以下実施例により本発明の実施態様を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によってその技術範囲が限定されるものではない。
実施例
以下、この発明の実施例を示すが、本発明はこれらによってその技術範囲が限定されない。
実施例1
大豆を圧扁し、n−ヘキサンを抽出溶媒として油を抽出分離除去して得られた低変性脱脂大豆(窒素可溶指数:NSI 91)1重量部に、10重量部の抽出水を加え、室温、pH7.0において1時間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳を得た。この脱脂豆乳を塩酸を用いてpH3.6〜7.0の範囲に調整し、非加熱または80℃以下の範囲で加温を行った。pH調整した脱脂豆乳が所定の温度に達した後、直ちに30℃付近まで冷却し、pH5.8に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で7Sグロブリンを含む可溶性画分と11Sグロブリンを含む不溶性画分を遠心分離した。なお、この遠心分離時の各溶液の温度は25℃付近であった。上記pH、加熱の範囲における豆乳の可溶性画分と不溶性画分の分離状態を観察した結果、pH3.8〜6.8、好ましくはpH4.0〜6.6、さらに好ましくはpH4.2〜6.2の酸性下で、30℃以上、好ましくは35℃以上、さらに好ましくは40℃以上の加温処理を行うと可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。ただし、遠心分離後の可溶性画分と不溶性画分の蛋白組成をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動により評価した結果、70℃で加温処理を行うと不溶性画分に7Sグロブリンが混入し始め、80℃以上の加温処理では略全ての7Sグロブリンが不溶性画分に含まれていることが認められ、7Sグロブリンと11Sグロブリンを分画することができなかった。
これらの結果より、pH3.8〜6.8、好ましくはpH4.0〜6.6、さらに好ましくはpH4.2〜6.2の酸性下で、30〜75℃、好ましくは35〜65℃、さらに好ましくは40〜60℃の加温処理をした後に、pH5.8で遠心分離することにより、7Sグロブリンを含む可溶性画分と11Sグロブリンを含む不溶性画分を簡便に分離できることがわかった。
第1図は、上記加温処理条件のうちで、pH4.8における60℃加温処理により得られた可溶性画分と不溶性画分のSDS−ポリアクリルアミド電気泳動パターンである。
上記分離後の可溶性画分と不溶性画分の、7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法による泳動パターンをデンシトメーターで測定した該当画分の面積比率)(以下同じ)を表1に示した。
Figure 0004453253
また、得られた可溶性画分および不溶性画分のクロメタ油分は各々固形分中0.9%、3.2%で、不溶性画分への脂質会合蛋白質の濃縮が確認された。
実施例2
実施例1と同様に脱脂した低変性脱脂大豆1重量部に、10重量部の抽出水を加え、室温〜80℃、pH3.6〜7.2の範囲において30分間抽出し、スラリーを得た。この抽出スラリーを室温付近まで冷却した後、塩酸あるいは苛性ソーダを用いてpH5.8に調整し、バッチ式遠心分離機(3,000G)で7Sグロブリンを含む可溶性画分と11Sグロブリンを含む不溶性画分を遠心分離した。なお、遠心分離時の各溶液の温度は25℃付近であった。上記抽出温度、pHの範囲におけるスラリーの可溶性画分と不溶性画分の分離状態を観察した結果、pH3.8〜6.8、好ましくはpH4.0〜6.6、さらに好ましくはpH4.2〜6.2の酸性下で、30℃以上、好ましくは35℃以上、さらに好ましくは40℃以上の加温処理を行うと可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。ただし、遠心分離後の可溶性画分と不溶性画分の蛋白組成をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動により確認した結果、70℃で加温処理を行うと不溶性画分に7Sグロブリンが混入し始め、80℃以上の加温処理では略全ての7Sグロブリンが不溶性画分に含まれていることが認められ、7Sグロブリンと11Sグロブリンを分画することができなかった。
これらの結果より、pH3.8〜6.8、好ましくはpH4.0〜6.6、さらに好ましくはpH4.2〜6.2の酸性下で、30〜75℃、好ましくは35〜65℃、さらに好ましくは40〜60℃の抽出処理をした後に、pH5.8で遠心分離することにより、7Sグロブリンを含む可溶性画分と11Sグロブリンを含む不溶性画分を簡便に分離できることがわかった。
pH5.3で40℃の抽出処理の後に得られた可溶性画分と不溶性画分の7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比を実施例1の方法で算出し、表2に示した。
Figure 0004453253
なお、得られた可溶性画分および不溶性画分のクロメタ油分は各々固形分中0.8%、3.0%で、不溶性画分への脂質会合蛋白質の濃縮が確認された。
以上実施例1および実施例2の結果より、酸性下の加熱処理を経ることで、大豆蛋白を含む溶液から7Sグロブリンを含んだ可溶性画分と11Sグロブリンおよび脂質会合蛋白質を含んだ不溶性画分を、工業的な低い遠心力で分離することが可能であることがわかった。
実施例3
実施例1と同様に抽出した脱脂豆乳を、塩酸にてpH4.8に調整した後、50℃になるように加温を行った。pH調整した脱脂豆乳が50℃に達した直後、および50℃に60分間保持した後、30℃付近まで冷却し、苛性ソーダでpH5.8に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。このとき保持時間の違いによらず可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。
得られた可溶性画分と不溶性画分の7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比を実施例1の方法で算出し表3、表4に示した。
Figure 0004453253
Figure 0004453253
これらの結果より、保持時間の違いによる7Sグロブリンと11Sグロブリンの相互の混入は認められず、酸性下での加温保持時間は特に制限されないことがわかった。
実施例4
実施例1と同様に抽出した脱脂豆乳を、塩酸にてpH4.8に調整した後、50℃になるように加温を行った。pH調整した脱脂豆乳が50℃に達した後、直にちに30℃付近まで冷却し、苛性ソーダにてpH5.7およびpH6.0に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。
得られた可溶性画分と不溶性画分の7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比を実施例1の方法で算出し、表5および表6に示した。
Figure 0004453253
Figure 0004453253
Figure 0004453253
これらの結果より、遠心分離時のpH、すなわち、7Sグロブリンを含んだ可溶性画分と11Sグロブリンを含んだ不溶性画分の分離のpHには、ある程度の幅があることがわかった。
実施例5
実施例1と同様に抽出した脱脂豆乳を、塩酸にてpH4.8に調整した後、50℃になるように加温を行った。pH調整した脱脂豆乳が50℃に達した後、直にちに30℃付近まで冷却し、苛性ソーダにてpH5.8に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。得られた不溶性画分は加水(2倍重量)し、苛性ソーダでpH7.0に中和した後、高Gの遠心分離(5000G*10分)によりデファインをおこなって11Sグロブリンに富んだ上清を得た。一方、可溶性画分は塩酸にてpH4.9に調整した後、遠心分離(3000G*5分)してホエーを除き、沈澱カードを得た。沈澱カードは加水(4倍重量)し、苛性ソーダで中和し7Sグロブリンに富んだ画分を得た。
各々の画分を140℃15秒間殺菌し、これを噴霧乾燥して、7Sグロブリンおよび11Sグロブリンに富んだ2種類の粉末状分画大豆蛋白を得た。得られた7Sグロブリンと11Sグロブリンの成分組成を表7に示した。
Figure 0004453253
以上の結果より、脱脂豆乳を原料として、純度が高く、クロメタ油分の少ない7S、11Sが得られることがわかった。
実施例6
実施例1と同様に抽出した脱脂豆乳を、塩酸にてpH4.5に調整した後、バッチ式遠心分離機(2,000G)で遠心分離し、不溶性画分(以下酸沈カードと言う)と可溶性画分(ホエー)を分離した。酸沈カード(いわゆる分離大豆蛋白)に水を加え、十分に分散させた後、50℃になるように加温を行った。酸沈カード分散溶液が50℃に達した後、直ちに30℃付近まで冷却し、苛性ソーダでpH5.8に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。得られた不溶性画分は加水(2倍重量)し、苛性ソーダで中和した。一方、可溶性画分は塩酸にてpH4.9に調整した後、遠心分離してホエーを除き、沈澱カードを得た。沈澱カードは加水(4倍重量)し、苛性ソーダで中和した。各々の中和した画分を140℃15秒間殺菌し、これを噴霧乾燥して、7Sグロブリンおよび11Sグロブリンに富んだ2種類の分画大豆蛋白を得た。
上記分離後の可溶性画分と不溶性画分の7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比を実施例1の方法で算出し、表8に示した。
Figure 0004453253
この結果より、分画に用いる大豆蛋白溶液として、酸沈カード(分離大豆蛋白)を使用しても酸性下での加熱処理により、7Sグロブリンに富んだ可溶性画分と11Sグロブリンに富んだ不溶性画分を精度良く分離できることがわかった。
実施例7
実施例1と同様に抽出した脱脂豆乳を、塩酸にてpH6.2に調整した後、40℃になるように加温を行った。この溶液(フィチン酸含量2.20%/蛋白重量:Alii Mohamedの方法(Cereal Chemistry 63,475−478.1986)に準拠して測定)に蛋白重量あたり8unit相当(1unitのフィターゼ活性は、pH5.5、37℃の下で、反応初期の1分間に基質のフィチン酸から1μmolのリン酸を遊離する酵素量)のフィターゼ(ノボ社製「PHYTASE NOVO L」)を加え、30分間酵素反応を行った。反応後(フィチン酸合量0.05%/蛋白重量)、塩酸にてpH4.8に調整し、50℃になるように加温を行った。pH調整したフィターゼ反応後の溶液が50℃に達した後、直ちに30℃付近まで冷却し、苛性ソーダでpH6.2に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。
なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。得られた不溶性画分は加水(2倍重量)し、苛性ソーダで中和した。一方、可溶性画分は、塩酸にてpH4.9に調整した後、遠心分離してホエー画分を除き、沈澱カードを得た。沈澱カードは加水(4倍重量)し、苛性ソーダで中和した。各々の中和した画分を140℃15秒殺菌し、噴霧乾燥して、7Sグロブリンおよび11Sグロブリンに富んだ2種類の分画大豆蛋白を得た。
実施例1の方法に基づいて算出した上記分離後の可溶性画分と不溶性画分の7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比、および試料乾燥重量当りのフィチン酸含量を、表9に示した。
Figure 0004453253
この結果より、フィターゼによりフィチン酸を分解した大豆蛋白溶液を使用しても、酸性下での加熱処理により、7Sグロブリンに富んだ可溶性画分と、11Sグロブリンに富んだ不溶性画分を精度良く分離できることがわかった。
実施例8
実施例1と同様に抽出した脱脂豆乳をA、B2区に分けた。A区は塩酸にてpH4.8に調整した後、50℃になるように加温を行った。pH調整した脱脂豆乳が50℃に達した後、直ちに45℃付近まで冷却し、苛性ソーダでpH5.8に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。この時可溶性画分と不溶性画分は明確に分離した。なお、遠心分離時の溶液温度は40℃付近であった。得られた可溶性画分を40℃になるように加温した後、これらをA−1、A−2の2区に分け、A−1には蛋白重量あたり8unit相当のフィターゼ(ノボ社製「PHYTASE NOVO L」)を加え、30分間酵素反応を行った。反応後、A−1、A−2両区とも塩酸にてpH4.9に調整し、遠心分離(3,000G,5分間)してホエー画分を除き、沈澱カードを得た。沈澱カードは加水(4倍重量)し、苛性ソーダでpH7.0に中和した。各々の中和した画分を140℃15秒間殺菌し、これを噴霧乾燥して、フィターゼ処理した精製7Sグロブリン画分と、フィターゼ処理していない精製7Sグロブリン画分を得た(A−1、A−2)。
一方、B区はpH6.4に調整して、4℃にて一晩放置して、遠心分離(5,000G,4℃で10分間)して得られた上澄液を、pH4.5に調整し、遠心分離(3,000G、5分間)して得られた沈澱物を回収して冷沈法7Sグロブリンとした。
この冷沈法7Sグロブリン沈澱物に4倍量の水を加え、pH6.0に調整後B−1、B−2の2区に分けた。B−1には蛋白重量あたり8unit相当のフィターゼ(ノボ社製「PHYTASE NOVO L」)を加え、30分間酵素反応を行った。反応後B−1、B−2両区とも塩酸にてpH4.9に調整し、遠心分離(3,000G,5分間)してホエー画分を除き沈澱カードを得た。沈澱カードは加水後、苛性ソーダでpH7.0に中和して殺菌し、噴霧乾燥してフィターゼ処理した冷沈7Sグロブリン画分と、フィターゼ処理していない冷沈7Sグロブリン画分を得た(B−1、B−2)。
各試料の組成を表10に示した。
Figure 0004453253
但し、粗蛋白質は、粗蛋白質(/乾物)である。
以上の結果より、脂質会合蛋白質の存在はフィターゼ処理の有無には左右されないことがわかった。また、冷沈法で得られる7SグロブリンはSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法に基づく純度(SPE基準)では80%近い値を示すものの、脂質会合蛋白質を考慮した補正純度では、約60%程度しかないことがわかり、本発明による7Sグロブリンの純度の高さが示された。
実施例9
実施例6と同様に調製した酸沈カードに水を加えて十分に分散させた後、苛性ソーダでpH5.0に調整し、40℃になるように加温を行った。
この酸沈カード分散液に、蛋白重量あたり8unit相当のフィターゼ(ノボ社製「PYTASE NOVO L」)を加え、30分間酵素反応を行った。反応後、直ちに30℃付近まで冷却し、苛性ソータでpH6.0に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。得られた不溶性画分は加水(2倍重量)し、苛性ソーダで中和した。一方、可溶性画分は塩酸にてpH4.9に調整した後、遠心分離してホエー画分を除き、沈澱カードを得た。沈澱カードは加水(4倍重量)し、苛性ソーダで中和した。各々の中和した画分を140℃15秒間殺菌し、これを粉霧乾燥して、フィターゼ処理した7Sグロブリンおよび11Sグロブリンに富んだ2種類の分画大豆蛋白を得た。
上記分離後の実施例1の方法に基づいて算出した可溶性画分と不溶性画分の7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比、および乾燥重量あたりのフィチン酸含量を表11に示した。
Figure 0004453253
実施例10
実施例1と同様に脱脂した低変性脱脂大豆1重量部に、10重量部の40℃の抽出水を加え、塩酸にてpH5.3に調整した。この溶液に蛋白重量あたり8unit相当のフィターゼ(ノボ社製「PYTASE NOVO L」)を加え、40℃にて蛋白の抽出と酵素皮応を併せた30分間の処理を行い、酵素処理した抽出スラリーを得た。この酵素処理抽出スラリーを25℃付近まで冷却し、塩酸にてpH6.1に調整し、バッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。得られた不溶性画分は加水(脱脂大豆の7倍量)し、苛性ソーダでpH7.2に調整して、30分間抽出を行った後、遠心分離して不溶性画分を除いて11Sグロブリンに富んだ上清を得た。また、上清の一部は、高Gの遠心分離(5000G*10分)によりデファインをおこない、より清澄な上清を得た。得られた11Sグロブリンに富んだ上清は、塩酸にてpH5.0に調整し、遠心分離して沈澱カードを得た。沈澱カードは加水(4倍重量)し、苛性ソーダで中和後、140℃15秒間殺菌し、これを噴霧乾燥してフィターゼ処理した11Sグロブリンに富んだ分画大豆蛋白を得た。
一方、可溶性画分は、塩酸にてpH4.9に調整後、遠心分離して沈澱カード得た。沈澱カードは10倍量の水で水洗後、加水(4倍重量)し、苛性ソーダで中和して、140℃15秒間殺菌を行ったのち直ちに噴霧乾燥してフィターゼ処理した7Sグロブリンに富んだ分画大豆蛋白を得た。
実施例1の方法に基づいて算出した上記分離後の可溶性画分と不溶性画分の7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比、およびフィチン酸含量を表12に示した。
Figure 0004453253
また、7Sグロブリンに富む蛋白(表中7S)および11Sグロブリンに富む蛋白(表中11S)並びに比較のために市販分離蛋白(「フジプロ−F」、表中SPI)の粉体組成を表13に示した。
Figure 0004453253
但し、粗蛋白は、粗蛋白(/乾物)である。
さらに、得られた7Sグロブリンに富む蛋白のアミノ酸組成を測定したところ、メチオニン+システインの含硫アミノ酸の値は12mg/g蛋白質を示した。本来7Sグロブリンの完全な精製品の含硫アミノ酸含量は5mg/gであるのに対し、精製度の低い7Sグロブリン含有蛋白には、トリプシンインヒビターのように含硫アミノ酸を多量に含む蛋白質画分が混在するため、含硫アミノ酸含量は15mg/g以上を示すことが多いのに比べて、本品の含硫アミノ酸含量の値は低いので、この点からも本品の7Sグロブリンは高純度であることが示された。
実施例11
実施例1と同様に脱脂した低変性脱脂大豆1重量部に、10重量部の40℃の抽出水を加え、塩酸にてpH6.1に調整した。この溶液に蛋白重量あたり8unit相当のフィターゼ(ノボ社製「PYTASE NOVO L」)を加え、40℃にて蛋白の抽出と酵素反応を併せた30分間の処理を行い、酵素処理した抽出スラリーを得た。この酵素処理抽出スラリーを25℃付近まで冷却し、苛性ソーダにてpH6.1に調整し、バッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。得られた不溶性画分は加水(脱脂大豆の7倍量)し、苛性ソーダでpH7.2に調整して、30分間抽出を行った後、遠心分離して不溶性画分を除いて11Sグロブリンに富んだ上清を得た。得られた11Sグロブリンに富んだ上清は、塩酸にてpH5.0に調整し、遠心分離して沈澱カードを得た。沈澱カードは加水(4倍重量)し、苛性ソーダで中和後、140℃15秒間殺菌し、これを噴霧乾燥してフィターゼ処理した11Sグロブリンに富んだ分画大豆蛋白を得た。一方、可溶性画分は、塩酸にてpH4.9に調整した後、遠心分離して沈澱カード得た。沈澱カードは加水(4倍重量)し、苛性ソーダで中和後、140℃15秒間殺菌し、これを噴霧乾燥してフィターゼ処理した7Sグロブリンに富んだ分画大豆蛋白を得た。
実施例1の方法に基づいて算出した上記分離後の可溶性画分と不溶性画分の7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比、および試料固形分中フィチン酸含量を表14に示した。
Figure 0004453253
実施例12
実施例1と同様に調製した脱脂豆乳を、塩酸にてpH5.0に調整した後、40℃になるように加温を行った。この脱脂豆乳をそのまま、および蛋白重量あたり8unit相当のフィターゼ(ノボ社製「PYTASE NOVO L」)を加え、40℃に30分間保持した。その後、30℃付近まで冷却し、苛性ソーダにて、フィターゼを加えていない溶液はpH5.8、フィターゼを加えた溶液はpH6.0にそれぞれ調整した。各溶液100gをバッチ式遠心分離機(3000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。表15に、上記の方法で遠心分離された不溶性画分の沈澱量を示す。
Figure 0004453253
Figure 0004453253
実施例13
実施例6と同様に調製した酸沈カードに水を加えて十分に分散させた後、苛性ソーダでpH5.0に調整し、40℃になるように加温を行った。この酸沈カード分散液をそのまま、および蛋白重量あたり8unit相当のフィターゼ(ノボ社製「PYTASE NOVO L」)を加え、40℃に30分間保持した。その後、30℃付近まで冷却し、苛性ソーダにて、フィターゼを加えていない溶液はpH5.8、フィターゼを加えた溶液はpH6.0にそれぞれ調整した。各カードスラリーを5%濃度に調整し、バッチ式遠心分離機(3000G)で遠心分離した。このとき可溶性画分と不溶性画分は明確な分離をした。なお、この遠心分離時の溶液温度は25℃付近であった。
表16は、上記の方法で遠心分離された不溶性画分の沈澱量を示す。
Figure 0004453253
実施例12および実施例13の結果より、フィターゼによるフィチン酸の分解を行うことで、7Sグロブリンを含んだ可溶性画分と11Sグロブリンを含んだ不溶性画分を分離する際、不溶性画分の脱水率が高く、分離がより一層容易になることが示された。
比較例1
実施例1と同様に抽出した脱脂豆乳を、沸騰浴中にて10分間ボイルした。水冷した後塩酸にてpH4.8に調整後、50℃になるように加温した。pH調整した脱脂豆乳が50℃に達した後、直ちに30℃付近まで冷却し、pH5.8に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で遠心分離したが、不溶性画分および可溶性画分を明確に分離できなかった。そこで、バッチ式高速遠心分離機を用い8,000Gで遠心分離を行い、不溶性画分と可溶性画分を得た。しかしながら、得られた可溶性画分の蛋白回収率は30.3%と低下しており、その組成をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で確認したところ、7Sグロブリンが殆ど含まれていなかった。
これらの結果より、明らかに微酸性下での加熱処理前の加熱が分画に悪影響を及ぼすことがわかった。
(分画大豆蛋白の溶解特性)
実施例6で得られたフィチン酸を分解していない7Sグロブリンと11Sグロブリン、実施例9で得られたフィチン酸を分解した7Sグロブリンと11Sグロブリンの4種の分画大豆蛋白の溶解特性を相対的に比較した。
溶解特性は、塩酸を用いてpH調整した1%の分画大豆たんぱく溶液中の全蛋白量に対する9,000Gで遠心分離した可溶性画分に含まれる蛋白量の割合として求めた。なお、1%溶液の調製、pHの調整および遠心分離は25℃で行った。
第2図に7Sグロブリン、第3図に11Sグロブリンの溶解特性を示す。
これらの結果よりフィチン酸を分解することにより、7SグロブリンはpH4以下の溶解性が大きく向上し、11SグロブリンはpH6.5以上の溶解性が低下していることが示された。
産業上の利用可能性
以上説明したとおり、本願発明は大豆蛋白を含む溶液を微酸性下で加温した後、pH5.6〜6.6において可溶性画分と不溶性画分に効率よく、且つ工業的に分画することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、pH4.8/60℃加温処理により得られる可溶性画分および不溶性画分のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動パターンである。
第2図は、可溶性画分から得た7Sグロブリンに富む蛋白の溶解特性を示す図である。
第3図は、不溶性画分から得た11Sグロブリンに富む画分の溶解特性を示す図である。

Claims (14)

  1. 未変性大豆蛋白を含む溶液をpH3.8〜6.8,30〜75℃で加温した後、pH5.6〜6.6において可溶性画分と、不溶性画分に分画することを特徴とする分画大豆蛋白の製造法。
  2. 製造工程中、フィターゼによるフィチン酸分解をする請求項1記載の製造法。
  3. 請求項1記載の製造法で得られる可溶性画分の7Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.8以上である、分画大豆蛋白の製造法。
  4. 請求項1記載の製造法で得られる可溶性画分の固形分中、クロロホルム:メタノール=2:1で抽出される極性脂質が1%以下である、分画大豆蛋白の製造法。
  5. 請求項2記載の製造法で得られる可溶性画分の固形分中、フィチン酸含量が1.2%以下である、分画大豆蛋白の製造法。
  6. 請求項1記載の製造法で得られる不溶性画分の11Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.7以上である、分画大豆蛋白の製造法。
  7. 請求項2記載の製造法で得られる不溶性画分の固形分中、フィチン酸含量が1.2%以下である、分画大豆蛋白の製造法。
  8. 請求項1記載の製造法で得られる不溶性画分の11Sグロブリンを略中性の水溶液中で抽出し、これを遠心分離して抽出画分を採取する、分画大豆蛋白の製造法。
  9. 遠心分離が4000G以上の高G遠心分離である、請求項8記載の製造法。
  10. 製造工程中、フィターゼによるフィチン酸分解をする、請求項8記載の製造法。
  11. 請求項8記載の製造法で得られる抽出画分の固形分中、クロロホルム/メタノール=2:1で抽出される極性脂質が2%以下である、分画大豆蛋白の製造法。
  12. 請求項10記載の製造法で得られる抽出画分の固形分中、フィチン酸含量が1.2%以下である、分画大豆蛋白の製造法。
  13. 7Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.8以上であり、固形分中、クロロホルム/メタノール=2:1で抽出される極性脂質が1%以下、フィチン酸含量が1.2%以下である、7Sグロブリン蛋白。
  14. 11Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.7以上であり、固形分中、クロロホルム/メタノール=2:1で抽出される極性脂質が2%以下、フィチン酸含量が1.2%以下である、11Sグロブリン蛋白。
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