JP4449407B2 - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、高耐圧化と大電流容量化が両立する縦型パワー半導体素子およびその製造方法に関する。
一般に半導体素子は、片面のみに電極部を持つ横型素子と、両面に電極部を持つ縦型素子とに大別できる。縦型素子は、オン時にドリフト電流が流れる方向と、オフ時に逆バイアス電圧による空乏層が延びる方向とが、ともに基板の厚み方向(縦方向)である。たとえば、通常のプレーナ型のnチャネル縦型MOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)では、高抵抗のn-ドリフト層の部分は、MOSFETがオン状態のときは縦方向にドリフト電流を流す領域として働き、オフ状態のときは空乏化して耐圧を高める働きをする。
この高抵抗のn-ドリフト層の厚さを薄くする、すなわち電流経路長を短くすることは、オン状態ではドリフト抵抗が低くなるので、MOSFETの実質的なオン抵抗(ドレイン−ソース間抵抗)を下げる効果に繋がる。しかし、オフ状態ではpベース領域とn-ドリフト層との間のpn接合から拡張するドレイン−ベース間空乏層の拡張幅が狭くなるため、空乏電界強度がシリコンの最大(臨界)電界強度に速く達することになる。つまり、ドレイン−ソース電圧が素子耐圧の設計値に達する前に、ブレークダウンが生じるため、耐圧(ドレイン−ソース電圧)が低下してしまう。
逆に、n-ドリフト層を厚く形成すると、高耐圧化を図ることができるが、必然的にオン抵抗が大きくなるので、オン損失が増す。このように、オン抵抗(電流容量)と耐圧との間にはトレードオフ関係がある。この関係は、ドリフト層を持つIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、バイポーラトランジスタおよびダイオード等の半導体素子においても同様に成立することが知られている。この問題に対する解決法として、ドリフト層を、不純物濃度を高めたn型の領域とp型の領域とを交互に繰り返して多重接合した並列pn構造とした半導体素子が公知である(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
通常のプレーナ型のnチャネル縦型MOSFETとの構造上の違いは、ドリフト部が一様・単一の導電型層(不純物拡散層)ではなく、縦型層状のn型のドリフト領域と縦型層状のp型の仕切領域とを交互に繰り返して多重接合した並列pn構造で構成されるということである。並列pn構造の不純物濃度が高くても、オフ状態では並列pn構造の縦方向に配向する各pn接合から空乏層がその横方向双方に拡張し、ドリフト部全体が空乏化するため、高耐圧化を図ることができる。なお、本明細書では、このような並列pn構造のドリフト部を備える半導体素子を超接合半導体素子と称する。
特開2001−298190号公報 特開2002−184985号公報 特開2001−196573号公報
しかしながら、上述した超接合半導体素子では、活性領域の表層部分に形成された複数のpベース領域の真下にある並列pn構造では耐圧確保が図れるものの、活性領域の外側の非活性領域では最外のpベース領域のpn接合からの空乏層が素子の外方向や深さ方向へは広がり切らないため、空乏電界強度がシリコンの臨界電界強度に速く達してしまい、耐圧が低下してしまう。つまり、素子全体としてバランスよく高耐圧化を図ることができず、超接合半導体素子の機能を十分に引き出すことができないという問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、素子全体としてバランスよく十分な耐圧を確保できる超接合半導体素子を提供することを目的とする。また、本発明は、素子全体としてバランスよく十分な耐圧を確保できる超接合半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる半導体素子は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子において、前記第2の並列pn構造部の一部または全部におけるpn繰り返しピッチは、前記第1の主面側で前記第1の並列pn構造のpn繰り返しピッチよりも小さい部分と、前記第2の主面側で前記第1の並列pn構造のpn繰り返しピッチと同じ部分とを有することを特徴とする。
請求項2の発明にかかる半導体素子は、請求項1に記載の発明において、前記第2の並列pn構造部の、pn繰り返しピッチが前記第1の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さい部分の第2導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度よりも高いことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる半導体素子は、請求項1に記載の発明において、前記第2の並列pn構造部の、pn繰り返しピッチが前記第1の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さい部分の第1導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度よりも低いことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる半導体素子は、請求項1に記載の発明において、前記第2の並列pn構造部の、pn繰り返しピッチが前記第1の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さい部分の第2導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度よりも高く、かつ前記第2の並列pn構造部の、pn繰り返しピッチが前記第1の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さい部分の第1導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度よりも低いことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる半導体素子は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子において、前記第2の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度よりも第1の主面側で高いことを特徴とする。
請求項6の発明にかかる半導体素子は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子において、前記第2の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度よりも第1の主面側で低いことを特徴とする。
請求項7の発明にかかる半導体素子は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子において、前記第2の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度よりも第1の主面側で高く、かつ前記第2の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度よりも第1の主面側で低いことを特徴とする。
請求項1〜7の発明によれば、素子表面構造部が形成された第1の主面側において、非活性領域の並列pn構造部(第2の並列pn構造部)のpn繰り返しピッチが活性領域の並列pn構造部(第1の並列pn構造部)のpn繰り返しピッチよりも小さいので、ピッチが同じ場合よりも空乏層が広がりやすい。また、第2の主面側において、非活性領域の並列pn構造部のpn繰り返しピッチが活性領域の並列pn構造部のpn繰り返しピッチと同じであるので、pn繰り返しピッチの異なる領域でのチャージバランスのアンバランス化による耐圧の低下が抑制される。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項8の発明にかかる半導体素子の製造方法は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を成長させる工程と、前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、平坦になった前記第2の並列pn構造部の前記第2導電型エピタキシャル成長層の表面層にのみ選択的に第2導電型の不純物をイオン注入する工程と、を含むことを特徴とする。
請求項9の発明にかかる半導体素子の製造方法は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を成長させる工程と、前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、平坦になった前記第2の並列pn構造部の前記第1導電型エピタキシャル成長層の表面層にのみ選択的に第2導電型の不純物をイオン注入する工程と、を含むことを特徴とする。
請求項10の発明にかかる半導体素子の製造方法は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を成長させる工程と、前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、平坦になった前記第2の並列pn構造部の表面層全体に第2導電型の不純物をイオン注入する工程と、を含むことを特徴とする。
請求項11の発明にかかる半導体素子の製造方法は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を、前記第1の主面側において不純物濃度が低くなるように成長させる工程と、前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、を含むことを特徴とする。
請求項12の発明にかかる半導体素子の製造方法は、活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を、前記第1の主面側において不純物濃度が低くなるように成長させる工程と、前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、平坦になった前記第2の並列pn構造部の前記第2導電型エピタキシャル成長層の表面層にのみ選択的に第2導電型の不純物をイオン注入する工程と、を含むことを特徴とする。
請求項13の発明にかかる半導体素子の製造方法は、請求項11または12に記載の発明において、前記第1導電型エピタキシャル成長層の不純物濃度の低い部分の厚さが、前記第1の並列pn構造部および前記第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする際の研磨厚さよりも厚くなるように、前記低抵抗層上に前記第1導電型エピタキシャル成長層を成長させることを特徴とする。
請求項8〜13の発明によれば、耐圧構造部である非活性領域に、その表面側においてn型半導体領域と、そのn型半導体領域よりも不純物濃度が高いp型半導体領域とが交互に配列されてなる並列pn構造部を有する半導体素子を、容易に製造することができる。
本発明にかかる半導体素子によれば、非活性領域の並列pn構造部のpn繰り返しピッチが、素子表面構造部が形成された第1の主面側では活性領域の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さく、かつ第2の主面側では活性領域の並列pn構造部のpn繰り返しピッチと同じであるので、空乏層が広がりやすく、またチャージバランスのアンバランス化による耐圧の低下を抑制することができるので、素子全体としてバランスよく十分な耐圧を確保することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる半導体素子によれば、十分な耐圧を素子全体としてバランスよく有する、並列pn構造を備えた半導体素子を容易に製造することができるという効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明および添付図面において、nまたはpを冠記した層や領域は、それぞれ電子または正孔がキャリアであることを意味する。また、nやpに付す+または-は、それぞれ比較的高不純物濃度または比較的低不純物濃度であることを表す。なお、すべての図面において同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。図1に示すように、この半導体素子は、縦型MOSFETよりなる超接合半導体素子であり、同図の右半部は、MOSFETとして電流を駆動する活性領域1であり、左半部は活性領域1の外側で耐圧構造部を構成する非活性領域2である。
活性領域1の素子表面側には、pベース領域11、n+ソース領域12、p+コンタクト領域13、ゲート絶縁膜14、ゲート電極15、層間絶縁膜16、第1の電極であるソース電極17からなるnチャネルMOSFETの素子表面構造部10が形成されている。低抵抗層であるn+ドレイン層18は、活性領域1および非活性領域2にわたって、素子の裏面側に設けられている。
第2の電極であるドレイン電極19は、素子の裏面に設けられており、n+ドレイン層18に電気的に接続している。活性領域1において、MOSFETの素子表面構造部10とn+ドレイン層18との間のドリフト部は、たとえば縦形層状のn型半導体領域31と縦形層状のp型半導体領域32とが交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部3により構成されている。
非活性領域2の表面は、その縁部を除いて層間絶縁膜21で被覆されている。この層間絶縁膜21の活性領域1に近い部分は、活性領域1から延びるソース電極17により被われている。一方、非活性領域2を覆う層間絶縁膜21の非活性領域2の縁部側の部分は、非活性領域2の縁部の表面とともにストッパ電極22により被われている。ストッパ電極22は、非活性領域2の縁部の表面層に設けられたn+半導体領域23に接触している。
非活性領域2において、層間絶縁膜21とn+ドレイン層18との間の耐圧構造部は、たとえば縦形層状のn型半導体領域41,43と縦形層状のp型半導体領域42,44とが交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部4により構成されている。第2の並列pn構造部4において、n+ドレイン層18寄りの部分のn型半導体領域41およびp型半導体領域42の幅は、それぞれ活性領域1の第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32の幅とおおむね同じである。
それに対して、第2の並列pn構造部4では、その一部または全部において、層間絶縁膜21寄りの部分のn型半導体領域43およびp型半導体領域44の幅は、それぞれ第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32の幅よりも狭い。つまり、図1に示す超接合半導体素子では、素子表面と素子裏面との間に存在する並列pn構造部3,4のpn繰り返しピッチは、素子裏面側で一様であり、素子表面側では非活性領域2の一部または全部で活性領域1よりも小さくなっている。
以降、説明の便宜上、第2の並列pn構造部4において、素子表面側のpn繰り返しピッチが第1の並列pn構造部3よりも小さい並列pn構造部を狭ピッチ部とし、素子裏面側のpn繰り返しピッチが第1の並列pn構造部3とおおむね同じ並列pn構造部を広ピッチ部とする。特に限定しないが、図1に示す例では、第2の並列pn構造部4の狭ピッチ部は、最外のpベース領域11aから前記n+半導体領域23までの間に設けられている。そして、第2の並列pn構造部4において狭ピッチ部の下側の部分は、活性領域1の第1の並列pn構造部3と同じpn繰り返しピッチ、すなわち広ピッチ部となっている。なお、狭ピッチ部は最外のpベース領域11aの電界集中を防ぐため、最外のpベース領域11aのコーナ部から外周方向にかけて設けるのが好ましい。また、ソース電極17の終端17aの下部には、同じく電界集中を防ぐため、p型半導体領域44が位置するようにする。
また、第2の並列pn構造部4において、その広ピッチ部におけるn型半導体領域41およびp型半導体領域42の不純物濃度は、それぞれ活性領域1の第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32の不純物濃度と同じになっている。第2の並列pn構造部4の狭ピッチ部では、n型半導体領域43の不純物濃度は、第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31の不純物濃度と同じか、またはそれよりも低くなっており、p型半導体領域44の不純物濃度は、第1の並列pn構造部3のp型半導体領域32の不純物濃度と同じか、またはそれよりも高くなっている。そして、p型半導体領域44の表面濃度は、n型半導体領域43の表面濃度よりも高くなっている。なお、図1において、点線のハッチングは、表面濃度が活性領域1と異なる領域であることを表している。
特に限定されるものではないが、一例として、各部の寸法および不純物濃度を挙げる。第1の並列pn構造部3および第2の並列pn構造部4の素子深さ方向の長さはおおよそ50μmである。第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32、並びに第2の並列pn構造部4の広ピッチ部におけるn型半導体領域41およびp型半導体領域42のそれぞれの幅はおおよそ5μmである。第2の並列pn構造部4の狭ピッチ部におけるn型半導体領域43およびp型半導体領域44のそれぞれの幅はおおよそ2.5〜3μmである。
また、n+ドレイン層18の不純物濃度は2×1018cm-3程度である。第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32、並びに第2の並列pn構造部4の広ピッチ部におけるn型半導体領域41およびp型半導体領域42のそれぞれの不純物濃度は4.5×1015cm-3程度である。
第2の並列pn構造部4の狭ピッチ部におけるn型半導体領域43の表面濃度はおおよそ5×1014〜3.5×1015cm-3である。第2の並列pn構造部4の狭ピッチ部におけるp型半導体領域44の表面濃度はおおよそ5.5×1015〜8.5×1015cm-3である。
上述した実施の形態1によれば、非活性領域2に、活性領域1における並列pn構造部(第1の並列pn構造部3)のpn繰り返しピッチよりも狭いピッチの並列pn構造部(第2の並列pn構造部4)が設けられているため、非活性領域2で空乏層が広がりやすい。加えて、非活性領域2の第2の並列pn構造部4では、その表面側においてn型半導体領域43の不純物濃度が低く、かつp型半導体領域44の不純物濃度が高いので、非活性領域2の表面側で空乏層が広がりやすくなり、表面側での電界が緩和される。さらに、非活性領域2の表面側の電位がその直下の並列pn構造部に伝わり、表面の空乏層が広がることによって、その直下の並列pn構造部にも空乏層が広がる。
したがって、非活性領域2で空乏層が広がりやすくなり、十分な耐圧を確保することが可能となる。また、実施の形態1によれば、pn繰り返しピッチの異なる領域、すなわち狭ピッチ部におけるチャージバランスのアンバランス化が原因で耐圧が低下するのを抑制することができる。なお、従来は、非活性領域では空乏層が外側へ向かって広がるため、非活性領域での表面側の電界が強くなり、十分な耐圧を確保することは困難であった。
なお、第2の並列pn構造部4の狭ピッチ部のn型半導体領域43またはp型半導体領域44がソース電極17の下側(最外のpベース領域11aの下)にも設けられていてもよい。さらに、第2の並列pn構造部4の狭ピッチ部が非活性領域2の全域に設けられていてもよい。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。図2に示すように、実施の形態2の半導体素子が実施の形態1と異なるのは、非活性領域2の第2の並列pn構造部4において、素子表面側に狭ピッチ部が設けられていないことである。つまり、第2の並列pn構造部4は、活性領域1の第1の並列pn構造部3と同じ幅のn型半導体領域41およびp型半導体領域42を交互に繰り返し接合した構成となっている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図2において、点線のハッチングを付した領域は、表面濃度が活性領域1と異なる領域である(他の図においても同じ)。表面濃度が活性領域1と異なる領域は、非活性領域2の一部または全部に設けられる。特に限定しないが、図2に示す例では、表面濃度が活性領域1と異なる領域は、活性領域1の最外のpベース領域11aから外側に設けられている。
図3は、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41およびp型半導体領域42、並びに第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32の不純物濃度の分布を説明するための図であり、図2に示す構成から素子表面の構造を取り除いた断面図である。図3に示す基板部分の構成は、通常の素子表面構造および素子裏面構造を形成する前の並列pn構造部を形成しただけの基板の構成に相当する。
第2の並列pn構造部4の、表面濃度が活性領域1と異なる領域において、n型半導体領域41の、層間絶縁膜21との境界近傍における不純物濃度(表面濃度)およびn+ドレイン層18との境界近傍における不純物濃度をそれぞれen1およびen2とする。同様に、表面濃度が活性領域1と異なる領域において、p型半導体領域42の、層間絶縁膜21との境界近傍における不純物濃度(表面濃度)およびn+ドレイン層18との境界近傍における不純物濃度をそれぞれep1およびep2とする。
また、第1の並列pn構造部3において、n型半導体領域31の、ゲート絶縁膜14またはソース電極17との境界近傍における不純物濃度(表面濃度)およびn+ドレイン層18との境界近傍における不純物濃度をそれぞれan1およびan2とする。同様に、p型半導体領域32の、ゲート絶縁膜14またはソース電極17との境界近傍における不純物濃度(表面濃度)およびn+ドレイン層18との境界近傍における不純物濃度をそれぞれap1およびap2とする。
図4−1は、ep1−ep2間およびap1−ap2間の不純物濃度分布を示す図であり、図4−2は、en1−en2間およびan1−an2間の不純物濃度分布を示す図である。図4−1、図4−2に示すように、非活性領域2の表面濃度の異なる領域では、活性領域1と比べて、p型半導体領域42で不純物濃度が高くなり、n型半導体領域41で不純物濃度が低くなっている。このような不純物濃度分布は、後述するようにp型不純物となるボロンイオンの注入によって達成される。
特に限定されるものではないが、一例として、各部の寸法および不純物濃度を挙げる。第1の並列pn構造部3および第2の並列pn構造部4の素子深さ方向の長さはおおよそ50μmである。第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32、並びに第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41およびp型半導体領域42のそれぞれの幅はおおよそ5μmである。
また、n+ドレイン層18の不純物濃度は2×1018cm-3程度である。第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32、並びに第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41およびp型半導体領域42のそれぞれの不純物濃度は4.5×1015cm-3程度である。
また、ボロンイオンのイオン注入により非活性領域2の表面濃度を活性領域1と異ならせる際には、イオン注入時の表面濃度が1×1015〜4×1015cm-3となるようにイオン注入をおこなう。それによって、たとえばn型半導体領域41の表面濃度はおおよそ5×1014〜3.5×1015cm-3となる。また、p型半導体領域42の表面濃度はおおよそ5.5×1015〜8.5×1015cm-3となる。
つぎに、実施の形態2にかかる半導体素子の製造プロセスについて簡単に説明する。図5および図6は、その製造プロセスの主要な段階における素子の構成を示す断面図である。まず、n+ドレイン層18となるn型低抵抗半導体基板上に、不純物濃度がおおよそ4.5×1015cm-3で、厚さが50μmのn型エピタキシャル成長層を形成する。
ついで、エピタキシャル成長層の表面に酸化膜を形成し、その酸化膜をパターニングしてマスクとし、0.5μmから1.3μm程度の合わせマークを形成する。酸化膜を除去した後、表面に2〜3μmの厚さの酸化膜を熱酸化法または堆積法により形成する。そして、酸化膜のパターニングにより、幅が約5μmの開口部を約5μmおきに形成する。ついで、トレンチエッチングをおこない、エピタキシャル成長層に開口幅が約5μmで深さが約50μmのトレンチを約5μmおきに形成する。その後、トレンチ内部にボロンドープのシリコンをエピタキシャル成長させて、並列pn構造部を作製する。
ボロンドープによる不純物濃度はおおよそ4.5×1015cm-3である。表面の酸化膜を除去した後、再び表面に、5μmのトレンチを形成するのに十分な厚さ、たとえば4500オングストロームの厚さの酸化膜を形成する。ついで、深さが約5μmのトレンチを形成して、再度、合わせマークを形成する。表面の酸化膜を除去した後、時間管理によって表面を研磨する。たとえば表面を4μm程度の厚さで研磨し、合わせマーク(図示してないアライメントマーク)を1μmの深さで残す。ここまでの状態が図5に示されている。
なお、上述したトレンチの形成およびエピタキシャル成長による埋め込みに代えて、エピタキシャル成長とイオン注入によるp型半導体領域の形成を繰り返しおこなうことにより、並列pn構造部を作製してもよい。この場合も、並列pn構造部のp型半導体領域とn型半導体領域とで不純物濃度がほぼ同じであるのが望ましく、たとえばいずれの不純物濃度も4.5×1015cm-3程度である。また、p型半導体領域とn型半導体領域の幅はともに約5μmである。
ついで、並列pn構造部の表面を酸化して約500オングストロームの厚さの酸化膜51を形成する。その酸化膜51の上にレジスト52を塗布し、フォトリソグラフィー技術により、選択的にボロンのイオン注入領域の窓を開口する。そして、ボロンイオンを約45keVの加速電圧でイオン注入する。その際、n型半導体領域41の表面領域がp型にならないように制御する。たとえば、上述したように、イオン注入時の表面濃度が1×1015〜4×1015cm-3となるようにイオン注入をおこなう。ここまでの状態が図6に示されている。
このように非活性領域2の一部のn型半導体領域41およびp型半導体領域42に同時にボロンのイオン注入をおこなう場合には、ドーズ量は非活性領域2のn型半導体領域41の濃度以下であるのが望ましい。その理由は、並列pn構造部3,4がストライプ状の場合に活性領域1のp層端部と接続してしまうからである。なお、並列pn構造部が三方配置や六方配置などのセル状構造の場合には、このような問題はなく、耐圧の確保が可能である。
ついで、レジスト52を灰化し、酸化膜51を除去する。つづく工程は通常のMOS構造の製造方法と同様であり、また本発明の要旨ではないので、ここでは省略する。以上のようにして、図4−1、図4−2に示す不純物濃度分布を有する超接合半導体素子が得られる。
上述した実施の形態2によれば、非活性領域2の第2の並列pn構造部4では、その表面側においてn型半導体領域41の不純物濃度が低く、かつp型半導体領域42の不純物濃度が高いので、非活性領域2の表面側で空乏層が広がりやすくなり、表面側での電界が緩和される。また、非活性領域2の表面側の電位がその直下の並列pn構造部に伝わり、表面の空乏層が広がることによって、その直下の並列pn構造部にも空乏層が広がる。
したがって、非活性領域2で空乏層が広がりやすくなり、十分な耐圧を確保することが可能となる。本発明者らが試作して調べたところ、本実施の形態2の素子の耐圧は500〜810V程度である。それに対して、従来通り、第2の並列pn構造部4の表面濃度を第1の並列pn構造部3と同じにした素子では、耐圧は410V程度である。
なお、上述した実施の形態2の製造プロセスにおいて、図7に示すように、レジスト52の塗布、およびフォトリソグラフィー技術によるボロンのイオン注入領域の窓開けを省略して、第1の並列pn構造部3および第2の並列pn構造部4の全域に対してボロンイオンのイオン注入をおこなうことにより、非活性領域2のp型半導体領域42の表面濃度を高くするとともに、n型半導体領域41の表面濃度を低くしてもよい。このようにすれば、より簡単に第2の並列pn構造部4の表面側の不純物濃度を変えることができる。
実施の形態3.
実施の形態3の半導体素子は、図8−1、図8−2にその不純物濃度分布を示すように、実施の形態2の半導体素子において、en1−en2間の不純物濃度分布をan1−an2間の不純物濃度分布と同じにしたものである。つまり、実施の形態3では、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41の表面濃度は第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31の表面濃度と同じであるが、第2の並列pn構造部4のp型半導体領域42の表面濃度は第1の並列pn構造部3のp型半導体領域32の表面濃度よりも高くなっている。半導体素子の構成は実施の形態2と同じであるので、説明を省略する。
つぎに、実施の形態3にかかる半導体素子の製造プロセスについて簡単に説明する。まず、実施の形態2と同様にして、n+ドレイン層18となるn型低抵抗半導体基板上に並列pn構造部を作製する。その際、並列pn構造部のp型半導体領域とn型半導体領域の不純物濃度はほぼ同じであるのが望ましい。
ついで、図9に示すように、並列pn構造部の表面に約500オングストロームの厚さの酸化膜51を形成し、その上にレジスト52を塗布する。そして、フォトリソグラフィー技術により、レジスト52に選択的にボロンのイオン注入領域の窓を開口する。実施の形態3では、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41上にはレジスト52が残っている。
この状態でボロンイオンのイオン注入をおこなう。レジスト52があるため、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41にはボロンイオンが注入されないので、図8−1、図8−2に示す不純物濃度分布が得られる。これ以降の工程は、実施の形態2と同じである。
上述した実施の形態3によれば、非活性領域2の第2の並列pn構造部4では、その表面側においてp型半導体領域42の不純物濃度がn型半導体領域41の不純物濃度よりも高くなるので、実施の形態2と同様に非活性領域2で空乏層が広がりやすくなり、十分な耐圧を確保することが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態4の半導体素子は、図10−1、図10−2にその不純物濃度分布を示すように、実施の形態2の半導体素子において、ep1−ep2間の不純物濃度分布をap1−ap2間の不純物濃度分布と同じにしたものである。つまり、実施の形態4では、第2の並列pn構造部4のp型半導体領域42の表面濃度は第1の並列pn構造部3のp型半導体領域32の表面濃度と同じであるが、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41の表面濃度は第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31の表面濃度よりも低くなっている。半導体素子の構成は実施の形態2と同じであるので、説明を省略する。
つぎに、実施の形態4にかかる半導体素子の製造プロセスについて簡単に説明する。まず、実施の形態2と同様にして、n+ドレイン層18となるn型低抵抗半導体基板上に並列pn構造部を作製する。その際、並列pn構造部のp型半導体領域とn型半導体領域の不純物濃度はほぼ同じであるのが望ましい。
ついで、図11に示すように、並列pn構造部の表面に約500オングストロームの厚さの酸化膜51を形成し、その上にレジスト52を塗布する。そして、フォトリソグラフィー技術により、レジスト52に選択的にボロンのイオン注入領域の窓を開口する。実施の形態4では、第2の並列pn構造部4のp型半導体領域42上にはレジスト52が残っている。
この状態でボロンイオンのイオン注入をおこなう。レジスト52があるため、第2の並列pn構造部4のp型半導体領域42にはボロンイオンが注入されないので、図10−1、図10−2に示す不純物濃度分布が得られる。これ以降の工程は、実施の形態2と同じである。
上述した実施の形態4によれば、非活性領域2の第2の並列pn構造部4では、その表面側においてp型半導体領域42の不純物濃度がn型半導体領域41の不純物濃度よりも高くなるので、実施の形態2と同様に非活性領域2で空乏層が広がりやすくなり、十分な耐圧を確保することが可能となる。
実施の形態5.
実施の形態5の半導体素子は、図12に示すように、実施の形態2の半導体素子において、第2の並列pn構造部4の、活性領域1よりも表面濃度が高いp型半導体領域42を、ソース電極17の終端17aよりも活性領域1側に設けたものである。ep1−ep2間、ap1−ap2間、en1−en2間およびan1−an2間の不純物濃度分布は、図4−1、図4−2、図8−1、図8−2のいずれかの分布となる。その他の構成、各部の寸法および不純物濃度等は実施の形態2と同じであるので、説明を省略する。
実施の形態5によれば、最も電界が強くなりやすいソース電極17の端部での電界が緩和されるので、実施の形態2と同様に表面側での電界が緩和される。したがって、十分な耐圧を確保することが可能となる。
実施の形態6.
実施の形態6の半導体素子は、図13に示すように、実施の形態2の半導体素子において、第2の並列pn構造部4側に延びるソース電極17の終端17aの真下の領域がp型半導体領域42になるようにしたものである。実施の形態2では、ソース電極17の終端17aの真下の領域はn型半導体領域41である。ep1−ep2間、ap1−ap2間、en1−en2間およびan1−an2間の不純物濃度分布は、図4−1、図4−2、図8−1、図8−2、図10−1、図10−2のいずれかの分布となる。その他の構成、各部の寸法および不純物濃度等は実施の形態2と同じであるので、説明を省略する。
実施の形態6によれば、第2の並列pn構造部4の、ソース電極17の終端17aの真下にあるp型半導体領域42は酸化膜21を介した電位に固定されるとともに、ソース電極17の終端17aよりも外側ではn型半導体領域41の表面濃度がp型半導体領域42の表面濃度よりも低いので、非活性領域2の表面側で空乏層が広がりやすくなる。したがって、十分な耐圧を確保することが可能となる。
実施の形態7.
実施の形態7の半導体素子は、図14に示すように、実施の形態2の半導体素子において、第2の並列pn構造部4の、活性領域1よりも表面濃度が低いn型半導体領域41を、ソース電極17の終端17aよりも活性領域1側に設けたものである。ep1−ep2間、ap1−ap2間、en1−en2間およびan1−an2間の不純物濃度分布は、図4−1、図4−2、図10−1、図10−2のいずれかの分布となる。その他の構成、各部の寸法および不純物濃度等は実施の形態2と同じであるので、説明を省略する。
実施の形態7によれば、最も電界が強くなりやすいソース電極17の端部での電界が緩和されるので、実施の形態2と同様に表面側での電界が緩和される。したがって、十分な耐圧を確保することが可能となる。
実施の形態8.
実施の形態8の半導体素子は、図15に示すように、実施の形態2の半導体素子において、第2の並列pn構造部4の、活性領域1よりも表面濃度が低いn型半導体領域41を非活性領域2の全域に設けたものである。ep1−ep2間、ap1−ap2間、en1−en2間およびan1−an2間の不純物濃度分布は、図4−1、図4−2、図10−1、図10−2のいずれかの分布となる。その他の構成、各部の寸法および不純物濃度等は実施の形態2と同じであるので、説明を省略する。なお、図15に示す例では、ソース電極17の終端17aの真下の領域はp型半導体領域42であるが、n型半導体領域41であってもよい。
実施の形態8によれば、最も電界が強くなりやすいソース電極17の端部での電界が緩和されるので、表面側での電界が緩和される。したがって、十分な耐圧を確保することが可能となる。
実施の形態9.
実施の形態9の半導体素子は、図16に示すように、実施の形態1の半導体素子において、第2の並列pn構造部4の狭ピッチ部の下に広ピッチ部がなく、狭ピッチ部のn型半導体領域43およびp型半導体領域44がn+ドレイン層18まで続いているものである。
この狭ピッチ部では、n型半導体領域43およびp型半導体領域44の深さ方向の中間付近での不純物濃度は、それぞれ第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32の不純物濃度とほぼ同じか、またはn型半導体領域43がn型半導体領域31よりも低くなっている。また、実施の形態2のep1−ep2間、ap1−ap2間、en1−en2間およびan1−an2間に相当する部分の不純物濃度分布は、図4−1、図4−2、図8−1、図8−2、図10−1、図10−2のいずれかの分布となる。その他の構成、各部の寸法および不純物濃度等は実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
実施の形態9によれば、非活性領域2に、活性領域1における並列pn構造部(第1の並列pn構造部3)のpn繰り返しピッチよりも狭いピッチの並列pn構造部(第2の並列pn構造部4)が設けられているため、非活性領域2に、活性領域1の並列pn構造部と同じpn繰り返しピッチの並列pn構造部を配置した場合に比べて、非活性領域2で空乏層が広がりやすくなる。加えて、非活性領域2の第2の並列pn構造部4では、その表面側においてn型半導体領域43の不純物濃度が低く、かつp型半導体領域44の不純物濃度が高いので、非活性領域2の表面側で空乏層が広がりやすくなり、表面側での電界が緩和される。したがって、非活性領域2で空乏層が広がりやすくなり、十分な耐圧を確保することが可能となる。
実施の形態10.
図17は、本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。図17に示すように、実施の形態10の半導体素子は、おおよそ図2に示す実施の形態2の半導体素子と同様の構成であるが、以下の点で実施の形態2と異なる。
実施の形態10では、層間絶縁膜21のストッパ電極22側の終端が、p型半導体領域42上に位置している。そして、ストッパ電極22に接触するn+半導体領域23は、その層間絶縁膜21のストッパ電極22側の終端の下まで延びている。また、隣り合うpベース領域11の間の半導体領域、すなわち活性領域1におけるn型半導体領域31の表面付近の領域は、n+半導体領域33となっている。なお、特に限定しないが、図17に示す例では、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41およびp型半導体領域42の幅は、それぞれ第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32の幅とおおむね同じである。
図18は、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41およびp型半導体領域42、並びに第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32の不純物濃度の分布を説明するための図である。図18では、図17に示す構成から素子表面の構造およびドレイン電極19が取り除かれている。
第2の並列pn構造部4の、表面濃度が活性領域1と異なる領域において、n型半導体領域41の、層間絶縁膜21との境界近傍における不純物濃度(表面濃度)およびn+ドレイン層18との境界近傍における不純物濃度をそれぞれen1およびen2とする。同様に、表面濃度が活性領域1と異なる領域において、p型半導体領域42の、層間絶縁膜21との境界近傍における不純物濃度(表面濃度)およびn+ドレイン層18との境界近傍における不純物濃度をそれぞれep1およびep2とする。
また、第1の並列pn構造部3において、n型半導体領域31の、ゲート絶縁膜14またはソース電極17との境界近傍における不純物濃度(表面濃度)およびn+ドレイン層18との境界近傍における不純物濃度をそれぞれan1およびan2とする。同様に、p型半導体領域32の、ゲート絶縁膜14またはソース電極17との境界近傍における不純物濃度(表面濃度)およびn+ドレイン層18との境界近傍における不純物濃度をそれぞれap1およびap2とする。
図19−1は、ep1−ep2間およびap1−ap2間の不純物濃度分布を示す図であり、図19−2は、en1−en2間およびan1−an2間の不純物濃度分布を示す図である。図19−1、図19−2に示すように、非活性領域2の表面濃度の異なる領域では、p型半導体領域42で不純物濃度が高くなり、n型半導体領域41で不純物濃度が低くなっている。
また、活性領域1のp型半導体領域32では、ap1すなわちゲート絶縁膜14またはソース電極17との境界近傍の領域において2段階に不純物濃度が高くなっている。p型半導体領域32の、この表面濃度の異なる領域を除く領域は、ほぼ一定の不純物濃度になっている。非活性領域2のp型半導体領域42では、ep1すなわち層間絶縁膜21との境界近傍の領域においてわずかに不純物濃度が高くなっている。p型半導体領域42の、この表面濃度の異なる領域を除く領域は、ほぼ一定の不純物濃度であり、活性領域1のp型半導体領域32の不純物濃度がほぼ一定の領域と同じ濃度になっている。
一方、活性領域1のn型半導体領域31では、an1すなわちゲート絶縁膜14またはソース電極17との境界近傍の領域においてわずかに不純物濃度が高くなっている。n型半導体領域31の、この表面濃度の異なる領域を除く領域は、ほぼ一定の不純物濃度になっている。非活性領域2のn型半導体領域41では、en1すなわち層間絶縁膜21との境界近傍の領域において不純物濃度が低くなっている。n型半導体領域41の、この表面濃度の異なる領域を除く領域は、ほぼ一定の不純物濃度であり、活性領域1のn型半導体領域31の不純物濃度がほぼ一定の領域と同じ濃度になっている。
特に限定されるものではないが、一例として、各部の寸法および不純物濃度を挙げる。第1の並列pn構造部3および第2の並列pn構造部4の素子深さ方向の長さはおおよそ45μmである。第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32、並びに第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41およびp型半導体領域42のそれぞれの幅はおおよそ5μmである。
また、n+ドレイン層18の不純物濃度は2×1018cm-3程度である。第1の並列pn構造部3のn型半導体領域31およびp型半導体領域32、並びに第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41およびp型半導体領域42のそれぞれの不純物濃度は4.5×1015cm-3程度である。
つぎに、実施の形態10にかかる半導体素子の製造プロセスについて簡単に説明する。図20〜図29は、その製造プロセスの主要な段階における素子の構成を示す断面図である。まず、n+ドレイン層18となるn型低抵抗半導体基板を用意する。その際、半導体基板の面方位は、(100)面またはこれと等価な面とする。用意した半導体基板上に、不純物濃度がおおよそ6×1015cm-3で、厚さが約40μmのnエピタキシャル成長層61を形成する。ここまでの状態が図20に示されている。
つづいて、ドーパントの濃度を変えて、nエピタキシャル成長層61の上に、不純物濃度がおおよそ5×1014cm-3で、厚さが約10μmのn-エピタキシャル成長層62を形成する。ここまでの状態が図21に示されている。ついで、n-エピタキシャル成長層62の表面に、トレンチエッチング用のハードマスクとなる酸化膜(または窒化膜など)63を1.6μm以上の厚さで形成する。
この酸化膜(または窒化膜など)63の厚さは、トレンチエッチングにおける酸化膜(または窒化膜など)63とシリコンとの選択比に基づいて、所望の深さのトレンチを形成しても酸化膜(または窒化膜など)63が残るように、適宜選択される。たとえば、おおよそ50μmの深さのトレンチを形成する場合には、酸化膜(または窒化膜など)63の厚さはおおよそ2.4μmで十分である。そして、その酸化膜(または窒化膜など)63をリソグラフィーによりパターニングして、たとえば約5μmおきに約5μmの幅で開口してなるハードマスクを形成する。
ついで、ドライエッチングをおこない、n-エピタキシャル成長層62およびnエピタキシャル成長層61に、たとえば約5μmの開口幅で、約50μmの深さのトレンチ64を約5μmおきに形成する。その際、形成されたトレンチ側面の面方位が、(010)面またはこれと等価な面となるように、トレンチ64を形成する。トレンチのハードマスクに関しても、このような面方位を有するトレンチ64が形成されるようにパターニングされている。ここまでの状態が図22に示されている。
ここで、ドライエッチングによりトレンチ64を形成する理由はつぎの通りである。nエピタキシャル成長層61とn-エピタキシャル成長層62とでは不純物濃度が異なるため、ウェットエッチングなどの異方性エッチングによりトレンチを形成すると、nエピタキシャル成長層61とn-エピタキシャル成長層62とでエッチングレートが異なり、その結果、nエピタキシャル成長層61でのトレンチの幅とn-エピタキシャル成長層62でのトレンチの幅が異なってしまう可能性がある。それに対して、一般に用いられている異方性のドライエッチング(トレンチエッチング)では、トレンチの側壁に保護膜を形成しながらトレンチを形成するので、エピタキシャル成長層61,62で不純物濃度が異なっていても同じ幅のトレンチ64が形成されるからである。
ついで、このような面方位を有するトレンチ64の内部を、ボロンドープのpエピタキシャル成長層65で埋め込む。pエピタキシャル成長層65の不純物濃度は、たとえば6×1015cm-3程度である。その際、上述したように基板表面の面方位が(100)面またはこれと等価な面であり、トレンチ側面の面方位が(010)面またはこれと等価な面になっている。(010)面またはこれと等価な面は、エピタキシャル成長時にファセットを形成しやすい。
そのため、不純物濃度が異なるシリコン(エピタキシャル成長層61,62)がトレンチ側面に露出していても、エピタキシャル成長には不純物濃度の違いよりも面方位の寄与の方が大きいので、不純物濃度の差異はトレンチ内への埋め込みには影響しない。したがって、トレンチ64内にボイドを残さずにトレンチ64内をpエピタキシャル成長層65で埋め込むことができる。ここまでの状態が図23に示されている。
ついで、CMP(化学機械研磨)などの研磨をおこない、トレンチのハードマスクとした酸化膜(または窒化膜など)63を研磨ストッパとして利用して、酸化膜(または窒化膜など)63上に形成されたポリシリコンなどのシリコン層を除去する。この研磨後に酸化膜(または窒化膜など)63上の凹部(図24には現れていない)にポリシリコンなどのシリコン層が残っている場合には、さらにプラズマエッチャーなどでエッチングをおこなってもよい。ここまでの状態が図24に示されている。
ついで、酸化膜(または窒化膜など)63を除去する。その後、ミラー研磨をおこない、酸化膜(または窒化膜など)63を除去した面の凹凸をなくす。耐圧構造部である非活性領域2の第2の並列pn構造部4におけるn型半導体領域41の層間絶縁膜21側での不純物濃度を低くするため、ここでの研磨量は、n-エピタキシャル成長層62の厚さよりも少なくなっている。たとえば、研磨量は7.5μm程度である。この場合、ミラー研磨後に残るn-エピタキシャル成長層62の厚さは、2.5μm程度となる。ここまでの状態が図25に示されている。
このようにして、nエピタキシャル成長層61およびn-エピタキシャル成長層62よりなるn型半導体領域31,41と、pエピタキシャル成長層65よりなるp型半導体領域32,42とが繰り返し配列されてなる並列pn構造部3,4を有する超接合半導体基板ができあがる。この超接合半導体基板の表面に、半導体素子の表面のMOS構造が後述するようにして形成される。
上述したミラー研磨の後、その研磨面上に層間絶縁膜21としてたとえば約2.4μmの厚さの酸化膜を積層し、この酸化膜をフォトリソグラフィーによりパターニングして1段のフィールドプレートを形成する。耐圧構造部の表面電界を緩和するため、2段以上のフィールドプレートを設けてもよい。ここまでの状態が図26に示されている。
その後、層間絶縁膜21をマスクとして、n型となるイオン種でイオン注入をおこなう。特に限定しないが、たとえば4×1012cm-2程度のドーズ量でリンイオンのイオン注入をおこなう。耐圧構造部である非活性領域2は層間絶縁膜21により覆われているため、活性領域1にのみリンイオンが注入される。ついで、活性化熱処理をおこない、注入されたn型イオン種を、pベース領域11が形成される深さまで熱拡散させて活性化させる。これによって、活性領域1の表面層がn+半導体領域33となる。
一方、非活性領域2のn型半導体領域41の表面層は、n-エピタキシャル成長層62のエピタキシャル成長時の濃度よりもやや低い濃度に保たれる。なお、図26および図27に示す例では、チャネルストッパ部分は層間絶縁膜21で覆われていない。そのため、チャネルストッパ部分にもリンイオンが注入されてn+半導体領域23となるが、ドレイン電位となるため、耐圧構造部の耐圧には何ら影響を与えない。ここまでの状態が図27に示されている。
ここで、活性領域1にのみn型となるイオン種でイオン注入をおこなう理由はつぎの通りである。このイオン注入をおこなうことによって、後にpベース領域11を形成したときに、pベース領域11間のn領域が、不純物濃度の高いn+半導体領域33で構成されることになる。それによって、pベース領域11の横方向への拡散が抑制される。したがって、pベース領域11間のn領域(n+半導体領域33)の濃度が高くなる効果と、そのn領域(n+半導体領域33)の幅が広くなることによって、活性領域1のJ−FET(接合形FET)効果による抵抗を低減することができるからである。また、このn型となるイオン種でのイオン注入工程と、後述するpベース領域11を形成するためのイオン注入工程とにより、活性領域1の第1の並列pn構造部3の濃度と非活性領域2の第2の並列pn構造部4の濃度とを変えることが可能となる。
ついで、ゲート絶縁膜14とゲート電極15を形成する。そして、たとえば1×1014cm-2程度のドーズ量でボロンイオンのイオン注入をおこない、pベース領域11を形成する。このpベース領域11を形成するためのイオン注入や前述したリンイオン注入時のイオン種を活性化させるために必ず熱履歴が加わる。したがって、この熱履歴が加わることを利用して、非活性領域2の第2の並列pn構造部4の濃度と活性領域1の第1の並列pn構造部3の拡散を生じさせることにより、非活性領域2(耐圧構造部)と活性領域1との濃度の違いを作り出すことが可能となる。ここまでの状態が図28に示されている。つづいて、n+ソース領域12、p+コンタクト領域13、層間絶縁膜16およびソース電極17などを形成する。このように、通常の表面MOS構造を形成するプロセスを経て、素子表面構造部10を形成する。そして、図29に示すように、ドレイン電極19を形成する。
本発明者が上述したプロセスで実際に半導体素子を作製したところ、非活性領域2の第2の並列pn構造部4に関して、p型半導体領域42の表面側での濃度は約5×1015cm-3であり、n型半導体領域41の表面側での濃度は約1×1015cm-3であった。また、活性領域1の第1の並列pn構造部3に関して、n型半導体領域31およびp型半導体領域32の濃度は、pベース領域11とその領域間のn+半導体領域33が形成されている深さを除くすべての深さにわたって約4.5×1015cm-3であった。pベース領域11の濃度は2×1017cm-3程度であり、n+半導体領域33の濃度は1×1016cm-3程度であった。
上述した実施の形態10によれば、通常のMOS製造プロセスにおけるイオン注入工程によって、活性領域1の第1の並列pn構造部3の濃度と非活性領域2の第2の並列pn構造部4の濃度とを異ならせることができるので、第1および第2の並列pn構造部3,4を形成した直後にそれら並列pn構造部3,4の濃度を異ならせるための追加のイオン注入をおこなわずに済む。つまり、追加のイオン注入工程をおこなうことなく、非活性領域2の第2の並列pn構造部4においてp型半導体領域42濃度をn型半導体領域41の濃度よりも高くすることができる。したがって、コストダウンが可能となる。また、非活性領域2では、第2の並列pn構造部4の表面側での空乏層が広がりやすくなるため、安定した耐圧の確保が可能となる。また、nエピタキシャル成長層61とn-エピタキシャル成長層62をエピタキシャル成長させる際には、チャンバー内に供給するドーパントの濃度を変更するだけでよいので、コストの増加を招くことなく、そのエピタキシャル成長をおこなうことができる。
実施の形態11.
図30〜図31は、本発明の実施の形態11にかかる半導体素子の製造プロセスの主要な段階における素子の構成を示す断面図である。n型低抵抗半導体基板を用意し、その上にnエピタキシャル成長層61を形成する工程(図20)から、ミラー研磨をおこなう工程(図25)までは、実施の形態10で説明した製造プロセスと同じであるので、ここでは説明を省略する。
上述したミラー研磨の後、図30に示すように、nエピタキシャル成長層61およびn-エピタキシャル成長層62よりなるn型半導体領域31,41と、pエピタキシャル成長層65よりなるp型半導体領域32,42とが繰り返し配列されてなる並列pn構造部3,4の表面に約500オングストロームの厚さの酸化膜51を形成する。さらに、その酸化膜51の上にレジスト52を塗布し、フォトリソグラフィーによりレジスト52に選択的にボロンのイオン注入領域の窓を開口する。実施の形態11では、第1の並列pn構造部3上と、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41上にはレジスト52が残っている。
この状態でp型となるドーパントのイオン注入をおこなう。特に限定しないが、たとえば1×1012cm-2程度のドーズ量でボロンイオンのイオン注入をおこなう。このときの加速電圧は、たとえば約45keVである。このイオン注入では、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41には、レジスト52があるため、ボロンイオンが注入されない。ついで、レジスト52を灰化し、酸化膜51を除去する。
その後、実施の形態10と同様に、通常の表面MOS構造を形成するプロセスを経て、図31に示すように、素子表面構造部10を形成する。そして、ドレイン電極19を形成する。実施の形態11のように素子表面構造部10を形成する前にp型となるドーパントのイオン注入をおこなうことによって、図31に示すように、耐圧構造部である非活性領域2の第2の並列pn構造部4において、p型半導体領域42の表面部分がp+半導体領域66となる。そして、このp+半導体領域66が、n型半導体領域41の表面部分のn-エピタキシャル成長層62側にも広がる。
上述した実施の形態11によれば、耐圧構造部である非活性領域2において、第2の並列pn構造部4のn型半導体領域41の表面濃度を低くすることができるのに加えて、第2の並列pn構造部4のp型半導体領域42の表面濃度を高くすることができるので、耐圧構造部において第2の並列pn構造部4の空乏層が実施の形態10よりもさらに広がりやすくなる。したがって、より一層、安定した耐圧の確保が可能となる。
以上において本発明は、上述した各実施の形態に限らず、種々変更可能である。たとえば、活性領域にMOSFET以外の半導体素子、たとえばIGBT、バイポーラトランジスタ、GTOサイリスタまたはダイオード等を形成してもよい。また、上述した各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。また、本発明は、シリコン半導体に限らず、たとえばSiCなどの化合物半導体にも適用可能である。
以上のように、本発明にかかる半導体素子およびその製造方法は、高耐圧化と大電流容量化が両立する縦型パワー半導体素子に有用であり、特に、MOSFET、IGBTおよびバイポーラトンラジスタ等のパワー半導体素子に適している。
本発明の実施の形態1にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の表面構造を取り除いた断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の並列pn構造部の不純物濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の並列pn構造部の不純物濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる半導体素子の並列pn構造部の不純物濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる半導体素子の並列pn構造部の不純物濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる半導体素子の並列pn構造部の不純物濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかる半導体素子の並列pn構造部の不純物濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態5にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態6にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態9にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の表面構造を取り除いた断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の並列pn構造部の不純物濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の並列pn構造部の不純物濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態10にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態11にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態11にかかる半導体素子の製造途中の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 活性領域
2 非活性領域
3 第1の並列pn構造部
4 第2の並列pn構造部
10 素子表面構造部
17 第1の電極(ソース電極)
18 低抵抗層(n+ドレイン層)
19 第2の電極(ドレイン電極)
31,41,43 第1導電型半導体領域(n型半導体領域)
32,42,44 第2導電型半導体領域(p型半導体領域)
61 第1導電型エピタキシャル成長層(nエピタキシャル成長層)
62 第1導電型エピタキシャル成長層(n-エピタキシャル成長層)
64 トレンチ
65 第2導電型エピタキシャル成長層(pエピタキシャル成長層)

Claims (13)

  1. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子において、
    前記第2の並列pn構造部の一部または全部におけるpn繰り返しピッチは、前記第1の主面側で前記第1の並列pn構造のpn繰り返しピッチよりも小さい部分と、前記第2の主面側で前記第1の並列pn構造のpn繰り返しピッチと同じ部分とを有することを特徴とする半導体素子。
  2. 前記第2の並列pn構造部の、pn繰り返しピッチが前記第1の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さい部分の第2導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記第2の並列pn構造部の、pn繰り返しピッチが前記第1の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さい部分の第1導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
  4. 前記第2の並列pn構造部の、pn繰り返しピッチが前記第1の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さい部分の第2導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度よりも高く、かつ前記第2の並列pn構造部の、pn繰り返しピッチが前記第1の並列pn構造部のpn繰り返しピッチよりも小さい部分の第1導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
  5. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子において、
    前記第2の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度よりも第1の主面側で高いことを特徴とする半導体素子。
  6. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子において、
    前記第2の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度よりも第1の主面側で低いことを特徴とする半導体素子。
  7. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子において、
    前記第2の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第2導電型半導体領域の不純物濃度よりも第1の主面側で高く、かつ前記第2の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度は、前記第1の並列pn構造部の第1導電型半導体領域の不純物濃度よりも第1の主面側で低いことを特徴とする半導体素子。
  8. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、
    前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を成長させる工程と、
    前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、
    前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、
    前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、
    平坦になった前記第2の並列pn構造部の前記第2導電型エピタキシャル成長層の表面層にのみ選択的に第2導電型の不純物をイオン注入する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  9. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、
    前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を成長させる工程と、
    前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、
    前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、
    前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、
    平坦になった前記第2の並列pn構造部の前記第1導電型エピタキシャル成長層の表面層にのみ選択的に第2導電型の不純物をイオン注入する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  10. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、
    前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を成長させる工程と、
    前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、
    前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、
    前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、
    平坦になった前記第2の並列pn構造部の表面層全体に第2導電型の不純物をイオン注入する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  11. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、
    前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を、前記第1の主面側において不純物濃度が低くなるように成長させる工程と、
    前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、
    前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、
    前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  12. 活性領域と、前記活性領域の外側に設けられた非活性領域と、前記活性領域の第1の主面側に設けられた素子表面構造部に電気的に接続する第1の電極と、前記活性領域および前記非活性領域にわたって第2の主面側に設けられた低抵抗層と、前記低抵抗層に電気的に接続する第2の電極と、前記活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第1の並列pn構造部と、前記非活性領域において前記低抵抗層と前記第1の主面との間で第1導電型半導体領域および第2導電型半導体領域が交互に繰り返し接合されてなる第2の並列pn構造部と、を有する半導体素子を製造するにあたって、
    前記低抵抗層上に第1導電型エピタキシャル成長層を、前記第1の主面側において不純物濃度が低くなるように成長させる工程と、
    前記エピタキシャル成長層に、前記低抵抗層に達する複数のトレンチを所定の間隔おきに形成する工程と、
    前記トレンチ内に第2導電型の半導体をエピタキシャル成長させて該トレンチ内を第2導電型エピタキシャル成長層で埋め込む工程と、
    前記第1導電型エピタキシャル成長層と前記第2導電型エピタキシャル成長層との繰り返し構造よりなる第1の並列pn構造部および第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする工程と、
    平坦になった前記第2の並列pn構造部の前記第2導電型エピタキシャル成長層の表面層にのみ選択的に第2導電型の不純物をイオン注入する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  13. 前記第1導電型エピタキシャル成長層の不純物濃度の低い部分の厚さが、前記第1の並列pn構造部および前記第2の並列pn構造部の表面を研磨して平坦にする際の研磨厚さよりも厚くなるように、前記低抵抗層上に前記第1導電型エピタキシャル成長層を成長させることを特徴とする請求項11または12に記載の半導体素子の製造方法。

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