JP4445549B2 - 車両座席用取り付け具 - Google Patents

Description

本発明は、第１取り付け部材と、第１取り付け部材に対して回転自在でロック自在な第２取り付け部材と、第１取り付け部材のガイド軸受け部材間で横方向に遊びを有した状態で移動自在にガイドされ、長手方向が半径方向に向いており、第２取り付け部材と共にその半径方向外側に配置された側面とロックプロセスを達成するために協働し、分割線に沿って分割されるロック部材と、ロック部材の半径方向内側にロックプロセスを実施するために配置された側面を圧迫してロック部材を半径方向外側に移動させる偏心輪とを有する車両座席用取り付け具、特に、自動車座席用戻り止め取り付け具に関する。

この種の車両座席用取り付け具が、ドイツ特許１０２５３０５４Ａ１号から公知である。
２つのロック部材の易動性を可能にするため、ある量の遊びがロック部材の横方向に存在しており、ロックされた車両座席用取り付け具では、これが結果として、第２取り付け部材と、例えば、背もたれとの間での遊びとなっている。
更なる製造公差のため、この遊びが背もたれの大きな易動性とはならず顕著な角変化及び騒音が発生することが確実であるため、小さな製造公差が好ましいが、これが製造コストを上昇させている。

この発明の目的は、上述したような車両座席用取り付け具を改良することである。

本発明の目的は、分割線が、第２取り付け部材と協働する側に配設されたロック部材の歯付きセグメントと、偏心輪により圧迫されるロック部材の圧力セグメントとを画定し、分割線の少なくとも一部が、ロック部材の長手方向及び横方向に斜めに走っていることにより、偏心輪から伝達された力が、歯付きセグメントと圧力セグメントとの間の横方向における相対的な動きを引き起こして、ガイド軸受け部材とロック部材との間における横方向の遊びを減少させる、または、横方向の遊びを全体的に排除するように設計され、車両座席用取り付け具のロック時に、偏心輪が、歯付きセグメントと圧力セグメントとに設けられた圧力カムによりロック部材を押圧するように設計されている車両座席用取り付け具によって達成される。
有益な実施形態は、従属請求項の主題である。

２つのロック部材が少なくとも１つの分割線に沿って少なくとも２つの部材にそれぞれ分離されているため、横方向への小さな相対的な動きにより今の遊びを減らし、あるいは、全体的に無くすことができるようになっているのが好ましい。
その結果、第２取り付け部材と、この第２取り付け部材に取り付けられた座席構成部品、背もたれとの間の遊びも小さくなるようになっている。
遊びが小さくなると、騒音の発生回避に機能する。
ガイドでのロック部材の自由な動きを、公知の車両座席用取り付け具の場合より僅かに大きくすることができ、このことが機能的信頼性を増大させるようになっている。

この分割線で画定されたロック部材の複数セグメントは、横方向への易動のため長手方向への該ロック部材の全体的動きを妨げないように、それらの配置が半径方向で異なっている。
該ロック部材の半径方向に更に外側に配置されたセグメントは、第２取り付け部材と協働するように意図されたロック部材の側面を保持する歯付きセグメント、すなわち、大抵はそのために細分されていない歯である。
ロック部材が、例えば、該ロック部材のラグに係合して該ロック部材を半径方向に内側に引っ張る駆動プレートによって引っ込められるため、ラグが歯付きセグメントに配置されて、ロックプロセスを行うために必要なロック部材の機能的要素が該歯付きセグメントに全て配置されている。

圧力セグメントは、半径方向に更に内側に配置され、偏心輪が該ロック部材を圧迫している、例えば、２つの圧力カムによって該偏心輪と協働するように設計されており、歯付きセグメントが圧力カムの１つを保有できるが、設けられた各圧力セグメントが少なくとも１つの圧力カムを保有しているのが好ましい。
該駆動プレートの代わりに、ロック部材を、例えば、該偏心輪及び圧力部分に取り付けられているフックによって引っ込めることができる。

分割線は、所定の易動度を横方向に可能にするため少なくとも部分的に直線通路も取り入れた一定曲率で走る必要がある。
明確な力条件を達成するために、分割線が少なくとも部分的には真っ直ぐ走行し、そしてこれは単一部分か、あるいは互いにある角度で２つの部分で行うことができる。
後者の場合では、動くために必要な自由空間を作るために、該部分の一方を広げて、横方向に突き出た幅が縮小すべき遊びと少なくとも同じである間隙にすることが必要とされる。

本発明の車両座席用取り付け具は、調節可能な組立て品、例えば、傾斜調節可能な背もたれ、あるいは、高さ調節可能な及び／傾斜調節可能な座席部材を有する全ての種類の車両座席において、アジャスタ、例えば、高さアジャスタ又は傾斜アジャスタとして使用することができる。
以下の説明では、この発明を図面で例示された実施例および参考例に基づいてより詳細に説明する。

第１実施例および参考例は、自動車の座席１が、背もたれ３の調節のために座席の両側に車両座席用取り付け具５を保有しており、前記車両座席用取り付け具５は、戻り止め取り付け具として設計されており、そして、その他の説明が以下になければ、ドイツ特許１０２５３０５４Ａ１号から公知の車両座席用取り付け具と同じであり、その開示内容が明確に本明細書に含まれる。
２つの車両座席用取り付け具５は、伝動ロッド７を介して互いにギア接続状態になっている。
そして、この伝動ロッド７に回転止め状態で取り付けられている手動レバー９が、車両座席用取り付け具５を手動操作する機能を果たしている。
車両座席用取り付け具５に対して以下で示される方向は、該伝動ロッド７で画定される円筒座標系に関係付けられている。

前記車両座席用取り付け具５は、下側取り付け部材としての第１取り付け部材１１と、上側取り付け部材としての第２取り付け部材１２とからそれぞれ構成され、ここでは図示されていない保持プレートによって軸方向に共に保持されている。
座席にしっかりと取り付けられた第１取り付け部材１１には４つのガイド軸受け部材１５が設けられ、これらの４つのガイド軸受け部材１５は、半径方向の外側に、第２取り付け部材１２の湾曲した半径方向の内側に面する軸受け面用の、４つの部分を備えた、円筒形状の軸受け面を形成している。そして、第２取り付け部材１２は、背もたれにしっかりと取り付けられ、内部ギアホイールの形態を有している。
この第２取り付け部材１２の軸受け面には、噛み合い部１４が設けられている。
各々のケースでは、２つのガイド軸受け部材１５が、半径方向に延び平行ガイド面で構成される、半径方向に可動なロック部材１７のためのガイドウェイを共に形成し、このロック部材１７の運動方向がその長手方向を画定している。
このロック部材１７の運動方向に垂直であって車両座席用取り付け具５の軸方向に垂直に走る方向を以下の説明では横方向と称する。
この２つのロック部材１７全体が、車両座席用取り付け具５の中心に、すなわち、伝動ロッド７に点対称に設置されている。

本発明によれば、２つのロック部材１７全体が少なくとも１つの分割線１８に沿ってそれぞれ分離され、すなわち、幾つかの部分に形成され、それぞれのロック部材１７が仕切りを除いて長手方向に対して鏡像対称で形成されている。
第１実施例では、単一の分割線１８が該ロック部材１７の長手方向に向いた側面の１つから、該ロック部材１７の半径方向内面を介して長手方向及び横方向に斜めに一直線に走って設けられている。

分割線１８は、ロック部材１７を、半径方向に実質的に更に外側に配置されて該ロック部材１７の半径方向外側に配置された側面まで延びる歯付きセグメント１９と、半径方向に更に内側に配置され該分割線１８に沿って歯付きセグメント１９を圧迫する圧力セグメント２０とに、分割している。
該ロック部材１７の凸状に湾曲した、半径方向に更に外側に配置された側面に、歯付きセグメント１９が、車両座席用取り付け具５をロックするために第２取り付け部材１２の噛み合い部１４と協働する複数の歯２１をそれぞれ保持している。
該ロック部材１７の半径方向内側に配置された側面に、歯付きセグメント１９と圧力セグメント２０が凸状の圧力カム２３をそれぞれ保持し、その双方の圧力カム２３が互いに離れて配置されている。

２つのロック部材１７を半径方向の外側に（ロック方向に）押し付けるため、伝動ロッド７に配置したブシュ形状の駆動要素２７により取り付けられたディスク形状偏心輪２５が設けられている。
この駆動要素２７は、伝動ロッド７に回転止め状態に配置されているが、バックラッシュ(backlash)、すなわち、遊びが該偏心輪２５と駆動要素２７との間で回転方向に設けられて伝動ロッド７の捩れや２つの車両座席用取り付け具５間の位置の違いを補償している。
この偏心輪２５は、１つの回転方向に、すなわち、ロック方向に２つの螺旋ばね２９によって付勢されている。
この偏心輪２５の外周で半径方向の外側に突き出た４つの偏心カム３１には、それぞれ１つの把持面が設けられており、この把持面は、伝動ロッド７に対して偏心的に湾曲されている。
偏心輪２５は、偏心カム３１間の外周方向に充分な窪みを有し、半径方向の内向きに圧力カム２３を収容している。

駆動プレート３５が偏心輪２５上に回転止め方式で取り付けられ、スロット及びピンガイドを介してロック部材１７と公知方法で協働するようになっており、そのため、歯付きセグメント１９がそれぞれ軸方向に突き出たラグ３７を保有している。
駆動プレート３５は、ロック部材１７を半径方向の内側に引き込むように機能して、すなわち、それにより、伝動ロッド７を手動レバー９によって回転させることで始動されるロック解除プロセスが行われる。

２つの歯付きセグメント１９が、半径方向の内側に配置されたロック解除状態から開始して、偏心輪２５が、螺旋ばね２９の付勢により、該偏心カム３１が先ず圧力カム２３を圧迫するようになり、それから更なる回転過程で該偏心カム３１を介して二重に支持されたロック部材１７を外側に押し付けるように、回転される。
歯付きセグメント１９が、第２取り付け部材１２に係合すると直ぐに、それぞれの車両座席用取り付け具５がロックされるようになっている。
ロック部材１７の移動度のために、該ロック部材１７の横方向に必要な遊びの量がこのとき以下のように減少する。
圧力カム２３に伝達されて、ロック部材１７の長手方向に作用する偏心輪２５の力が、圧力セグメント２０を分割線１８に沿って前記圧力セグメント２０の側面に移動させる該分割線１８に沿った分力を有し、それにより分割線１８の配設位置によって、この動きがロック部材１７の横方向となる分力を保有し、それによって、前記遊びが横方向に縮小され、あるいは、全体的に無くなるようになっている。

第１参考例がその他説明されていなければ第１実施例に略同じであり、その理由から同じ及び同じく作用する構成部品は、１００だけ上げた参照番号を有している。
第１実施例との比較による相違は、ロック部材１１７の分割に関している。
分割線１１８は、圧力カム１２３に近接したロック部材１１７の長手方向に向いた側面の一方から該ロック部材１１７の中央まで長手方向及び横方向に斜めに、一直線で走り、歯１２１に近づき、ラグ１３７を通り、それから鈍角で該ロック部材１１７の他方の長手方向に向いた側面まで下向きに曲がり、それによって該分割線１１８が広がり間隙１３８を形成し、この折り返し部分で歯１２１から再度一直線で離れている。
この分割線１１８の通路が、歯付きセグメント１１９と圧力セグメント１２０とを再度画定している。
ロックが行われると、第１実施例のように、分割線１１８は、圧力セグメント１２０が該ロック部材１１７の横方向に、ある構成部品と共に移動することを保証し、それにより横方向の遊びが縮小されるようになっている。
幅がそのプロセスで縮小する間隙１３８が、圧力セグメント１２０を分割線１１８に沿って両方向への移動を可能にしている。
第１参考例の変形例では、分割線１１８が、互いに略段差形状に配置された３つの部分を有し、このケースでは、間隙１３８が、例えば、横方向に走る中間部に設けられている。

第２参考例は、その他説明されていなければ、第１実施例と第１参考例と略同じであり、その理由から同じ及び同じく作用する構成部品は、２００及び１００だけ上げた参照番号を有している。
相違は、ロック部材２１７の分割に関している。
分割線１８に対応する分割線２１８に加えて、該ロック部材２１７の長手方向に対して鏡像対称に配置されている更なる分割線２１８が設けられている。
従って、ロック部材２１７は、歯２２１とラグ２３７を保持する１つの歯付きセグメント２１９と、各々が圧力カム２２３を保持する２つの圧力セグメント２２０とで構成されている。

第３参考例は、その他説明されていなければ、他の実施例および参考例と略同じであり、その理由から同じ及び同じく作用する構成部品は、３００、２００及び１００だけ上げた参照番号を有している。
この第３参考例の車両座席用取り付け具３０５も、伝動ロッド３０７によって車両座席の他方の側面上の同じ車両座席用取り付け具３０５とギア接続状態になっている。
車両座席用取り付け具３０５が、第１取り付け部材３１１と、この第１取り付け部材３１１の４つのガイド軸受け部材３１５に噛み合い部３１４によって回転可能に取り付けられている第２取り付け部材３１２とを保有している。
各ケースでは、１対のガイド軸受け部材３１５が長手方向に半径方向に可動でそして横方向に遊びを有して配置されているロック部材３１７用ガイドを形成している。

他の実施例や参考例のように、分割線３１８が、ロック部材３１７を歯付きセグメント３１９と、該歯付きセグメント３１９を分割線３１８に沿って圧迫している圧力セグメント３２０とに分離するようになっている。
分割線３１８の複数部分が直線に走り、その部分は、互いに４５°、９０°及び１３５°の角度で配置され、ロック部材３１７の長手方向に対して、あるいは、横方向に斜めに走っている。
分割線３１８に沿って相対的移動度を確保するため、種々の間隙３３８が、第１参考例
のように設けられている。
この分割線３１８の機能的に関連する部分が、圧力セグメント３２０の主要部に一体形成されて４５°の角度で外側に斜めに突き出ている２つの傾斜カム３２０ａに形成されている。

歯付きセグメント３１９は、車両座席用取り付け具３０５をロックするために第２取り付け部材３１２の噛み合い部３１４と協働するための複数の歯３２１を半径方向外側に保持し、一方、圧力セグメント３２０が、互いに離間した２つの圧力カム３２３を半径方向内側に保持している。
バックラッシュすなわち、遊びを持った状態で伝動ロッド３０７上の駆動要素３２７によって取り付けられている偏心輪３２５が、２つの螺旋ばね３２９でロック方向に付勢されて、各ケースで各ロック部材３１７の２つの圧力カム３２３上の４つの偏心カム３３１のうちの２つと作用してロック部材３１７を半径方向外側に押し付けている。

他の実施例や参考例とは違い、駆動プレートがロック部材３１７を引っ込めるために設けられてはおらず、その代わりに、フック３２０ｂが各圧力セグメント３２０に一体で形成され、偏心輪３２５が伝動ロッド３０７と共に回転すると偏心カム３３１の１つの背後で係合することができ、それにより該偏心カム３３１が圧力セグメント３２０を、そしてそれにより傾斜カム３２０ａの配置のために歯付きセグメント３１９を半径方向内側に引っ張り、そして、車両座席用取り付け具３０５をロック解除するようになっている。
圧力セグメント３２０の主要部（すなわち傾斜カム３２０ａ及び３２０ｂ以外の部分）の材料厚さが、歯付きセグメント３１９の材料厚さより厚いが、傾斜カム３２０ａは、歯付きセグメント３１９と同じ材料厚さを有し、その歯付きセグメント３１９の面内に配置され、一方、材料厚さのこの違いで形成されているフック３２０ｂが、歯付きセグメント３１９に対してずれた面内に配置されている。

第１実施例のロック部材の図。 第１参考例のロック部材の図。 第２参考例のロック部材の図。 第１実施例の断面図。 車両座席の概略図。 第２参考例のロック解除状態にあるロック部材の図。 第３参考例のロック状態にある断面図。

１ ・・・車両座席
３ ・・・背もたれ
５、３０５ ・・・車両座席用取り付け具
７、３０７ ・・・伝動ロッド
９ ・・・手動レバー
１１、３１１ ・・・第１取り付け部材
１２、３１２ ・・・第２取り付け部材
１４、３１４ ・・・（第２第取り付け部材の）噛み合い部（歯）
１５、３１５ ・・・ガイド軸受け部材
１７、１１７、２１７、３１７ ・・・ロック部材
１８、１１８、２１８、３１８ ・・・分割線
１９、１１９、２１９、３１９ ・・・歯付きセグメント
２０、１２９、２２０、３２０ ・・・圧力セグメント
２１、１２１、２２１、３２１ ・・・（歯付きセグメントの）歯
２３、１２３、１１３、３２３ ・・・圧力カム
２５、３２５ ・・・偏心輪
２７、３２７ ・・・駆動要素
２９、３２９ ・・・螺旋ばね
３１、３３１ ・・・偏心カム
３５ ・・・駆動プレート
３７、１３７、２３７ ・・・ラグ
３８、３３８ ・・・間隙
３２０ａ ・・・傾斜カム
３２０ｂ ・・・フック

Claims (5)

1. ａ）第１取り付け部材（１１）と、
   ｂ）前記第１取り付け部材（１１）に対して回転自在でロック自在な第２取り付け部材（１２）と、
   ｃ）前記第１取り付け部材（１１）のガイド軸受け部材（１５）間で横方向に遊びを有した状態で移動自在にガイドされ、長手方向が半径方向に向いており、第２取り付け部材（１２）と共にその半径方向外側に配置された側面とロックプロセスを達成するために協働し、分割線（１８）に沿って分割されるロック部材（１７）と、
   ｄ）前記ロック部材（１７）の半径方向内側にロックプロセスを実施するために配置された側面を圧迫してロック部材（１７）を半径方向外側に移動させる偏心輪（２５）とを有する車両座席用取り付け具（５）において、
   ｅ）前記分割線（１８）が、前記第２取り付け部材（１２）と協働する側に配設されたロック部材（１７）の歯付きセグメント（１９）と、前記偏心輪（２５）により圧迫されるロック部材（１７）の圧力セグメント（２０）とを画定し、
   ｆ）前記分割線（１８）の少なくとも一部が、前記ロック部材（１７）の長手方向及び横方向に斜めに走っていることにより、前記偏心輪（２５）から伝達された力が前記歯付きセグメント（１９）と圧力セグメント（２０）との間の横方向における相対的な動きを引き起こして、前記ガイド軸受け部材（１５）とロック部材（１７）との間における横方向の遊びを減少させる、または、横方向の遊びを全体的に排除するように設計され、
   ｇ）前記車両座席用取り付け具（５）のロック時に、前記偏心輪（２５）が、前記歯付きセグメント（１９）と圧力セグメント（２０）とにそれぞれ設けられた圧力カム（２３）によりロック部材（１７）を押圧するように設計されていることを特徴とする車両座席用取り付け具（５）。
2. 前記ロック部材（１７）を半径方向内側に引っ張ってロック解除する駆動プレート（３５）が、歯付きセグメント（１９）のラグ（３７）と協働するようになっていることを特徴とする請求項１に記載の車両座席用取り付け具（５）。
3. 前記分割線（１８）の少なくとも一部が、直線に走っていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の車両座席用取り付け具（５）。
4. 前記ロック部材（１７）が、２つ設けられていることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれかに記載の車両座席用取り付け具（５）。
5. 背もたれ（３）の傾斜を調節する請求項１ないし請求項４のいずれかに記載の車両座席用取り付け具（５）を有した背もたれ（３）を備えていることを特徴とする車両座席（１）。

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