JP4437885B2 - 二重乳化油脂組成物およびその製造法 - Google Patents

二重乳化油脂組成物およびその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油中水中油型(以下O1/W/O2型と称する)乳化油脂組成物、すなわち、水中油型(以下O1/W型と称する)乳化物を、更に連続相となる油脂中に分散乳化させた二重乳化油脂組成物およびその製造法に関する。本発明では、O1/W型乳化物において、乳化剤として乳由来リン脂質高含有乳素材、特に乳由来のリン脂質を効果的に利用することで、二重乳化油脂組成物の乳化安定性および風味を改善した。
【0002】
【従来の技術】
O1/W/O2型油脂組成物は最内相としての油脂と最外相としての油脂はそれぞれ異種のものを使用することができ、また、最内相油脂ならびに中間水相に各種の香味料やフレーバーなどを配合した場合、特に後味が良好であるとともに長期にわたって安定であることから、該油脂組成物は油中水型(W/O型)に比較して、その応用面において非常に有用なものである。
したがって、従来からO1/W/O2型乳化油脂組成物に関しては多くの研究があり、表1に例示するように、最内相油脂、中間水相および最外相油脂にそれぞれ特定の乳化剤を使用することにより、油脂組成物を構成するエマルジョンの安定性や呈味性の改善を意図した種々のO1/W/O2型乳化油脂組成物が提案されている。
【0003】
【表1】
Figure 0004437885
【0004】
このように、従来公知のO1/W/O2型油脂組成物においては、その分散相であるO1/W型エマルジョンの構成に、乳化剤としてレシチンとショ糖脂肪酸エステル、もしくはレシチンとソルビタン脂肪酸エステルの組み合わせが効果的とされる(特公昭55-18504号公報および特開昭58-152445号公報参照)。レシチンとしては、大豆レシチン、卵黄レシチンが一般的に用いられる。市販されている大豆レシチン、卵黄レシチンのリン脂質組成を表2に示すが、本発明で用いる乳由来リン脂質の組成を比較のために示した。
【0005】
【表2】
Figure 0004437885
【0006】
大豆レシチンや卵黄レシチンにおいて主要構成成分であるフォスファチジルコリン(PC)はW/O型乳化物の安定化に有効であるとされるが、ショ糖脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルとの組み合わせにより、O1/W/O2型乳化油脂組成物の中において、O1/W型乳化を安定化させる効果が知られている。しかし、ここで用いられる大豆レシチン、卵黄レシチンはO1/W型乳化の点のみにおいては優れているが、大豆レシチンにおいては、結合脂肪酸の不飽和度の高さによる、低い酸化安定性によるオフフレーバーの生成の問題、また卵黄レシチンにおいても原料由来風味の移行などの問題が発生する可能性がある。すなわち、O1/W/O2型乳化油脂組成物においては分散相、すなわちO1/W型乳化物の乳化安定性と同時に、後味が良好であることが必要であるにもかかわらず、最内相油脂中にレシチンを含有させるとレシチン本来の風味が油脂組成物の風味を損なう結果となる。なお、従来、上記レシチンによる風味の問題点を改善する目的で最内相油脂または中間水相に香料を多量に添加する試みもなされているが、これらの多量添加を行うとO1/W/O2型油脂組成物特有の風味として感じられるクリーミーな食感が失われるので、二重乳化油脂組成物にすること自体の意味がなくなってしまう。
【0007】
また、最内相油脂(O1)を安定化させるため、高HLB乳化剤の添加や、水相に安定剤を多量に添加する試みもなされているが、口どけが悪くなることによる最内相油脂(O1)の良好な口中リリースが阻害される結果となる。
一方、中間水相には風味向上の点から食塩の添加が必要であるが、この食塩の添加は分散相のO1/W型乳化を破壊するように作用するとともに、該乳化物を最外相油脂中に分散した場合、O1/W型乳化物を不安定な状態にする。
したがって、前記した、従来から提案されている公知の二重乳化油脂組成物では充分に満足すべき乳化安定性と良好な風味が得られないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は二重乳化油脂組成物に見られる上記問題点を解決すべくなされたものであって、該油脂組成物において、乳由来リン脂質高含有乳素材、特に乳由来のリン脂質を効果的に使用することによって、乳化安定性と風味の改善に成功したものである。すなわち、本発明は、優れた乳化安定性と良好な風味を呈するO1/W/O2型の二重乳化油脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述のように、二重乳化油脂組成物を構成している分散相のO1/W型乳化物の乳化を安定化させるために乳由来リン脂質高含有乳素材を利用し、特に乳由来リン脂質を上記特定量含有させることにより、上記乳化物の乳化安定性と風味についての問題点を解決したものである。
【0010】
さらに本発明の構成上の特徴は、油脂を連続相とする二重乳化油脂組成物において、分散相のO1/W型乳化物の乳化を構成する乳化剤として、乳由来リン脂質をO1/W型乳化物の0.005〜0.05重量%含有しており、該組成物においては、全体として乳由来リン脂質を0.002〜0.012重量%含有することである。更に、O1/W型乳化物を構成する最内相油脂の平均粒子径が2μm以下であり、かつO1/W型乳化物の平均粒子径が50μm以下であることにある。
【0011】
また本発明は二重乳化油脂組成物(O1/W/O2)の調製において、最内相であるO1/W型乳化物を調製する際に、乳化液中に上記O1/W型乳化物を構成する乳化系の0.005〜0.05重量%の乳由来リン脂質を加え、均質機により2μm以下の平均粒子径の油滴を含有する乳化液を調製した後に、最外連続相中へO1/W型乳化物を分散し、その後、冷却混練することを特徴とするO1/W/O2型乳化油脂組成物の製造法である。
【0012】
本発明で使用する乳由来リン脂質は主に乳脂肪球皮膜に多く含まれており、バター製造時にバターミルクに移行したり、バターを融解して製造するバターセーラム中に移行する。この乳由来リン脂質の主要構成成分として、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリンを含有することを特徴とする。前記表2に本発明で使用する乳由来リン脂質の組成を示したが、市販の大豆レシチン、卵黄レシチンと比較してフォスファチジルエタノールアミンとスフィンゴミエリンを含有する割合が非常に多い。
【0013】
本発明の乳由来リン脂質は、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒトなどの哺乳動物の乳を原料とし、これから、公知の方法により分離濃縮を行うことにより得ることができる。分離濃縮の方法としては、例えば、牛乳からクリームを分離後、洗浄、チャーニングして得られるバターミルク及び/又はバターを融解して得られるバターセーラムから、特開平3-251143号公報や特開平5-292880号公報に示される等電点沈殿や限外濾過などにより調製することができる。得られる乳由来リン脂質は液状、粉末状、ペースト状などのいずれの形態であってもよい。
【0014】
本発明ではこのように調製した乳由来リン脂質を用いることが好ましいが、乳由来リン脂質含量の多いバターミルク、バターミルク粉、あるいはバターを融解して得られるバターセーラム等の乳素材をそのまま用いることもでき、これらを用いても充分その目的を達することができる。本発明ではこれらを乳由来リン脂質高含有乳素材と呼ぶ。
【0015】
また、本発明ではバターミルク、バターミルク粉やバターセーラムから精密濾過などにより濃縮処理を行った乳脂肪球皮膜成分を利用することも好ましい。
【0016】
なお、本発明では最外相油脂に添加する乳化剤としては、従来から用いられているレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどの1種または2種以上を使用し得る。
【0017】
本発明では、O1/W/O2型乳化油脂組成物の乳化安定性を高めるために乳由来リン脂質高含有乳素材、特に乳由来リン脂質を選択して特定の配合量で使用するものである。すなわち、油脂を連続相とする二重乳化油脂組成物において、分散相のO1/W型乳化物の乳化を構成する乳化剤として、乳由来リン脂質をO1/W型乳化物の0.005〜0.05重量%含有しており、該組成物においては、全体として乳由来リン脂質を0.002〜0.012重量%含有することである。この乳由来リン脂質の特定量は、数多くの実験結果による知見に基づくものである。すなわち、乳由来リン脂質量が上記の下限数値より低い場合は最内層油脂と中間水層の乳化が不充分となり、以後の工程での乳化安定性も損なわれてしまう。また、乳由来リン脂質量が上記の上限数値より高い場合は、この量以上の乳由来リン脂質を入れても乳化安定性は変わらないからである。
【0018】
それとともに、最内相油脂と中間水相の比率、更にはO1/W型乳化物と最外相油脂との比率も乳化安定性を高める上で重要である。したがって、O1/W型乳化物において、最内相油脂と中間水相の重量比率を1:0.67〜9とするのが好ましく、かつO1/W/O2型乳化油脂組成物においては最外相油脂とO1/W型乳化物の重量比率を1:0.11〜1とするのが望ましい。特に、好ましくは、O1/W型乳化物において最内相油脂と中間水相の重量比率が1:1.5〜9であり、最外相油脂とO1/W型乳化物の重量比率は1:0.2〜1である。
本発明においては、この様に、O1/W型乳化物において、最内相油脂と中間水相の重量比率を1:0.67〜9とし、特に好ましくは、最内相油脂と中間水相の比率を1:1.5〜9とする。上記割合を外れる場合には、O1/W型乳化物の乳化安定性が失われ、それを最外相油脂中に分散したときO1/W型乳化物の乳化が破壊され、その結果、O1/W/O2型乳化の乳化形態を維持しないでW/O型に転相してしまう。O1/W/O2型乳化油脂組成物において、最外相油脂とO1/W型乳化物の重量比率を1:0.11〜1とし、特に、好ましくは、最外相油脂とO1/W型乳化物の重量比率を1:0.2〜1とするのも、この割合を外れるとO1/W型乳化物の乳化安定性が失われ、上記と同じように、乳化が破壊され,転相してしまうからである。
【0019】
また、O1/W/O2型乳化油脂組成物においては最内相油脂およびO1/W型乳化物の粒子径も乳化安定性上および後味を良くする上で重要であることから、本発明では最内相油脂の平均粒子径を2μm以下にすることが好ましく、O1/W型乳化物の粒子径を0.7〜50μmの範囲にすることが好ましい。
また最内相油脂のうち、0.01〜2.0μmの粒子径を有する油滴が70%以上であることが、乳化安定性上および後味を良くする上で好ましい。
【0020】
次に、本発明において使用する油脂は、食用に供し得る動植物性油脂であれば広範囲のものが適用でき、1種または2種以上の混合物であってもよく、これらの油脂を化学的および/又は物理的処理を施したものであってもよい。これらの油脂としては、大豆油、パーム油、ヤシ油、コーン油、サフラワー油、綿実油、牛脂、魚油、およびこれらの硬化油、エステル交換油、部分加水分解物などを例示し得る。なお、最外相油脂にも上記油脂を使用することができ、その種類は特に限定されない。
【0021】
さらに、必要に応じてこれらの油脂に、例えば香料、着色料および保存料などを適宜添加してその嗜好性や品質安定性を高めることも可能である。
本発明における中間水相は水のみでもよいが、乳タンパク質、調味料、糊料、香料および安定剤などを適宜配合してもよい。
【0022】
本発明に係わる二重乳化油脂組成物は下記手順により調製し得る。
まず、最内相油脂が融解する温度になるまで加温した水相中に、加温した最内相となる油脂を攪拌しながら添加してO1/W型乳化物を予備乳化した後、該乳化物をホモゲナイザーにて均質化してO1/W型乳化物を調製する。
ついで、最外相となる油相に上記O1/W型乳化物を混合、乳化する。この場合、最外相油脂の温度は30〜70℃に調整するのが好ましく、均一に乳化後、急冷混練装置を用いてO1/W/O2型乳化油脂組成物を得る。
以下に実施例および比較例を示して本発明の効果を更に具体的に説明する。
【0023】
【実施例1】
脱脂粉乳、カゼインナトリウム、食塩を溶解し60℃に加熱した水相と、乳由来リン脂質濃縮物を溶解した後に60℃に加熱した大豆硬化油からなる最内相を攪拌しながら混合し、予備乳化した後、ホモゲナイザー(12MPa)に通してO1/W型乳化物を得た。このO1/W型乳化物を、50℃に加熱した下記組成の最外相の油脂と混合して乳化し、急冷混練装置により冷却混練処理を行い、本発明品1の乳化油脂組成物を製造した。
(本発明品1)
(1)O1/W型乳化物の組成
大豆硬化油(融点32℃) 14.0kg
脱脂粉乳 0.3kg
カゼインナトリウム 0.3kg
乳由来リン脂質濃縮物(リン脂質20%含有) 0.01kg
食塩 1.2kg
水 16.989kg
(2)最外相(O2)の組成
大豆硬化油(融点32℃) 28.5kg
パーム油 5.0kg
大豆白絞油 33.5kg
モノグリセリド 0.2kg
βカロチン 0.001kg
【0024】
【実施例2】
以下に示す配合により、実施例1と同様にして、本発明品2の乳化油脂組成物を製造した。
(本発明品2)
(1)O1/W型乳化物の組成
大豆硬化油(融点32℃) 10.0kg
脱脂粉乳 0.3kg
バターセーラム(リン脂質12%含有) 0.03kg
食塩 1.2kg
水 33.269kg
(2)最外相(02)の組成
大豆硬化油(融点32℃) 21.0kg
パーム油 5.0kg
大豆白絞油 29.0kg
モノグリセリド 0.2kg
βカロチン 0.001kg
【0025】
【実施例3】
以下に示す配合により、実施例1と同様にして、本発明品3の乳化油脂組成物を製造した。
(本発明品3)
(1)O1/W型乳化物の組成
大豆硬化油(融点32℃) 8.0kg
バターミルク粉(リン脂質 0.56%含有) 0.4kg
食塩 1.3kg
水 22.799kg
(2)最外相(02)の組成
大豆硬化油(融点32℃) 28.5kg
パーム油 5.0kg
大豆白絞油 33.5kg
モノグリセリド 0.5kg
βカロチン 0.001kg
【0026】
【実施例4】
(乳脂肪球皮膜成分の調製)
原料のバターミルク粉1kgに水を加えて10%に還元して10リットル溶液とした。次にこの溶液を2N‐HClでpH4.4に調整し、30分間静置後、遠心分離機により沈澱を分離して上澄み液を回収した。この上澄み液に対し、精密濾過装置(旭化成株式会社製マイクローザPSP‐103,平均粒子径0.1μm)を用いて濃縮処理を行った後、噴霧乾燥した。この処理により、43gの粉末(乳脂肪球皮膜成分1)を得た。
以下に示す配合により、実施例1と同様にして、本発明品4の乳化油脂組成物を製造した。
(本発明品4)
(1)O1/W型乳化物の組成
大豆硬化油(融点32℃) 5.0kg
乳脂肪球皮膜成分1 0.03kg
食塩 1.2kg
水 28.269kg
(2)最外相(02)の組成
大豆硬化油(融点32℃) 15.0kg
パーム油 10.0kg
とうもろこし白絞油 40.0kg
モノグリセリド 0.5kg
βカロチン 0.001kg
【0027】
【比較例1】
以下に示す配合により、実施例1と同様にして、比較品1の乳化油脂組成物を製造した。
(比較品1)
(1)O1/W型乳化物の組成
大豆硬化油(融点32℃) 14.0kg
脱脂粉乳 0.3kg
カゼインナトリウム 0.3kg
食塩 1.2kg
水 16.999kg
(2)最外相(02)の組成
大豆硬化油(融点32℃) 28.5kg
パーム油 5.0kg
大豆白絞油 33.5kg
モノグリセリド 0.2kg
βカロチン 0.001kg
【0028】
【比較例2】
以下に示す配合により、実施例1と同様にして、比較品2の油脂組成物を製造した。
(比較品2)
(1)O1/W型乳化物の組成
大豆硬化油(融点32℃) 10.0kg
レシチン 1.0kg
ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 1.0kg
脱脂粉乳 0.3kg
カゼインナトリウム 0.3kg
食塩 1.2kg
水 30.999kg
(2)最外相(02)の組成
大豆硬化油(融点32℃) 21.0kg
パーム油 5.0kg
大豆白絞油 29.0kg
モノグリセリド 0.2kg
βカロチン 0.001kg
【0029】
【比較例3】
以下に示す配合により、実施例1と同様にして、比較品3の乳化油脂組成物を製造した。
(比較品3)
(1)O1/W型乳化物の組成
大豆硬化油(融点32℃) 14.0kg
レシチン 1.0kg
ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 1.0kg
脱脂粉乳 0.3kg
カゼインナトリウム 0.3kg
食塩 1.2kg
水 20.899kg
(2)最外相(02)の組成
大豆硬化油(融点32℃) 25.0kg
パーム油 5.0kg
大豆白絞油 31.0kg
モノグリセリド 0.2kg
レシチン 0.1kg
βカロチン 0.001kg
【0030】
得られた乳化油脂組成物について、20名のパネラーによる官能評価を行った。評価は、8枚切り食パンの4分の1枚に、調製した本発明品1〜3、比較品1〜3をそれぞれ10gずつ塗布し、口中での風味発現性に関して評価を行った。評価は以下の5点法により行い、評価の平均点を求めた。
5点:良好、4点:やや良好、3点:判断し難い、2点:やや不良、1点:不良、
また、顕微鏡観察によるO1/W/O2型乳化物の存在率の評価を行った。すなわち、視野中に確認された全水滴中に占めるO1/W型乳化物の存在割合を求めた。その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
Figure 0004437885
【0032】
これによると、本発明による二重乳化油脂組成物は従来にないおいしさを呈し、良好な乳化安定性を示すことが確認された。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、二重乳化油脂組成物において、連続相の油脂中に分散するO1/W型乳化物の乳化系に乳由来リン脂質高含有乳素材、特に乳由来リン脂質を特定の量含有させることにより、従来最内相油脂に乳化剤として添加されていたレシチンに起因する風味の劣化を防止し得るとともに、上記O1/W型乳化物の乳化安定性を高め得るものであって、それにより乳化安定性および風味の良好なO1/W/O2型乳化油脂組成物を提供し得るという効果を奏するものである。

Claims (7)

  1. 二重乳化油脂組成物(O1/W/O2)の内相側であるO1/Wを構成する乳化系が、乳化剤としてフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリンを含む乳由来リン脂質を、二重乳化油脂組成物に対して0.002〜0.012重量%含有し、油脂の連続相(最外相油脂)と、最内相油脂と中間水相とから成るO1/W型乳化物の重量比率が1:0.48〜1であることを特徴とする二重乳化油脂組成物。
  2. 内相側であるO1/Wを構成する乳化系が、乳化剤としてフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリンを含む乳由来リン脂質を上記O1/Wを構成する乳化系の0.005〜0.05重量%含有することを特徴とする請求項1記載の二重乳化油脂組成物。
  3. フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリンを含む乳由来リン脂質がリン脂質高含有乳素材及び/又は乳脂肪球皮膜成分である請求項1又は2に記載の二重乳化油脂組成物。
  4. 最内相油脂と中間水相の重量比率が1:0.67〜9である請求項1乃至3のいずれかに記載の二重乳化油脂組成物。
  5. 最内相油脂の平均粒子径が2μm以下であり、かつO1/W型乳化物の平均粒子径が50μm以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の二重乳化油脂組成物。
  6. 最内相油脂のうち、0.01〜2.0μmの粒子径を有する油滴が70%以上である請求項1乃至5のいずれかに記載の二重乳化油脂組成物。
  7. 二重乳化油脂組成物(O1/W/O2)の調製において、最内相であるO1/Wを調製する際、乳化液中に上記O1/Wを構成する乳化系の0.005〜0.05重量%のフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリンを含む乳由来リン脂質を加え、均質機により2μm以下の平均粒子径の油滴を含有する乳化液を調製した後に、最外連続相中へO1/W乳化液を分散し、その後、冷却混練することを特徴とするO1/W/O2型乳化油脂組成物の製造法。
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