JP3736426B2 - プリン練り込み用水中油型乳化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリン練り込み用水中油型乳化物及び当該水中油型乳化物を使用するプリンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンは、デザートの一つであり、風味、食感等で子供から大人まで多くの人々に親しまれている。その嗜好性に合わせ需要に応えるべく、様々な原料配合及び/又は製造方法が種々提案されている。プリンは、大きく分けて卵の熱凝固力で固めるカスタードタイプとゲル化剤で固めるゲル化タイプとの2つに大別できる。カスタードタイプは、卵類、乳製品、糖類を主原料として作られる。卵類としては、全卵、卵黄、卵白等が例示できるし、乳製品としては、牛乳、濃縮乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、コンパウンドクリーム、植物性クリーム、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフーズ等が例示できる。ゲル化タイプは、乳製品、ゲル化剤、糖類を主原料として作られる。ゲル化剤としては、ゼラチン、カラギーナン等が例示できる。これら2つのタイプのプリンにおいて、従来の牛乳を使用したプリンでは、美味しいものの冷感に欠け、生クリームを使用したものは、濃く味や軟らかい食感を得ることができるがやはり冷感に欠けたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、冷感のある軟らかい食感のプリンの製造法及び当該製造法に使用するプリン練り込み用水中油型乳化物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定の組成と物性をもつ油脂を含むプリン練り込み用水中油型乳化物を使用することによって、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の第1は、油脂中にSUS型トリグリセリドに富む油脂及びラウリン系油脂を含み、全油脂分に対して、SUS型トリグリセリドを35%以上含み、油分が10〜48重量%である、プリン練り込み用水中油型乳化物である。第2は、第1記載の水中油型乳化物をプリン全量に対して2〜50重量%使用する、プリンの製造法である。第3は、プリン中に水中油型乳化物を使用し、プリン中に解乳化された油脂が0 . 5%以上含まれる、第2記載のプリンの製造法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のプリン練り込み用水中油型乳化物に使用する油脂は、主としてSUS型のトリグリセリドに富む油脂及びラウリン系油脂とを組み合わせてなる油脂が必要である。
【0006】
SUS型のトリグリセリドに富む油脂としては、パーム油、イリッペ脂、シア脂、それらの硬化もしくは分別油脂、または2位が不飽和脂肪酸に富む油脂の1,3位に飽和脂肪酸を導入して得たエステル交換脂などが例示できる。SUS型油脂とは、2─不飽和1,3─ジ飽和トリグリセリドのことであり、脂肪酸残基の炭素数は8〜22(少量の短鎖脂肪酸を含んでいてもよい)である。2位の不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが例示できる。
【0007】
ラウリン系油脂としては、ヤシ油、パーム核油、またはその硬化、分別、エステル交換を実施した油脂などが例示できる。
【0008】
そして、全油脂分に対して、SUS型トリグリセリドを25%以上、好ましくは35%以上とする。さらにラウリン系油脂を5〜60%となるように配合する。水中油型乳化物を作成した場合、SUS型トリグリセリドが25%未満であるとその水中油型乳化物を使用して得られたプリンの冷感が乏しいものとなる。また、ラウリン系油脂が5%未満であると、水中油型乳化物を作成中冷却直後に乳化破壊を起こしやすく、60%を越えると水中油型乳化物が解乳化を起こしにくくなりそれを使用したプリンは食感として軟らかさに欠けたものとなる。
【0009】
さらに、他の油脂、例えば、液体油を少量加えてもよいが、油脂全体としては、体温付近でシャープな融解特性をもたせるために油脂のSFCが5℃で50%以上、15℃で40%以上であるように配合することが好ましい。SFCが5℃で50%未満、15℃で40%未満の場合はその水中油型乳化物を使用して得られたプリンの冷感が乏しいものとなる。
【0010】
上記のようにして配合された油脂を使用して、プリン練り込み用水中油型乳化物を作成することができる。本発明のプリン練り込み用水中油型乳化物とは、油脂、蛋白質、水等を基礎原料に、好ましくは乳化剤、塩類等を併用して得られる液状の乳化物である。
【0011】
本発明のプリン練り込み用水中油型乳化物の油脂含量即ち油分は、水中油型乳化物全量に対して10〜50重量%であることが好ましく、さらに20〜48重量%が好ましい。油分が10重量%より少ない場合は、それを使用したプリンに本発明の効果が得にくくなる。油分が50重量%より多い場合は、安定な水中油型乳化物が得にくくなる。
【0012】
本発明の蛋白質は、その乳化特性によって水中油型乳化物を安定な乳化物にすることが出来る。蛋白質としては、牛乳、脱脂乳、加糖練乳、無糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルク、バターミルクパウダー、ホエー、ホエーパウダー、カゼイン、カゼインナトリウム、ラクトアルブミン、生クリーム等乳由来の蛋白質が例示でき、乳以外の蛋白質として卵蛋白質、大豆蛋白質も例示できる。卵蛋白質としては、液状あるいは乾燥された卵黄、卵白、全卵及びこれらより分離される単一(単純)蛋白質、例えばオボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド、オボグロブリン等がある。大豆蛋白質としては、豆乳、脱脂大豆粉、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、脱脂豆乳粉末、大豆蛋白加水分解物等がある。
【0013】
本発明の水中油型乳化物については、各種の乳化剤を使用するのが好ましく、レシチン、モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を単独又は2種以上混合使用することが望ましい。水中油型乳化物の解乳化率を上げたい場合は、レシチン、不飽和脂肪酸残基を持つモノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤を使用するのが好ましい。
水中油型乳化物の解乳化率とは、 水中油型乳化物にヘキサンを加え油脂を抽出し、この油脂量を水中油型乳化物の本来の油脂量で割って百分率表示したものである。水中油型乳化物の油分を高くすると解乳化率が上がる傾向になる。
本発明の水中油型乳化物をプリンに使用した際には、水中油型乳化物の解乳化率が調製されたプリンの外観及び食したときの食感並びに冷感に影響を与える。
【0014】
本発明の水中油型乳化物については、各種の塩類を使用するのが好ましく、ヘキサメタリン酸塩、第2リン酸塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸塩、重曹等を単独又は2種以上混合使用することが望ましい。
その他所望により香料、着色剤、保存料等を使用することが出来る。
【0015】
本発明の水中油型乳化物の製造法は、一般的なクリーム類を製造する要領で行うことができる。予備乳化、殺菌又は滅菌、均質化、冷却という製造法であるが、殺菌又は滅菌に前後して均質化処理若しくは攪拌処理することができ、均質化は前均質、後均質のどちらか一方でも、両者を組み合わせた二段均質でもどちらでも良い。
【0016】
本発明のプリンの製造法としては、上記水中油型乳化物をプリン全量に対して2〜50重量%使用するのが好ましく、さらに10〜40重量%使用するのがより好ましい。プリン原料の乳製品の一部又は全部を水中油型乳化物に代えて使用することにより、冷感のある軟らかい食感のプリンを得ることが出来る。プリンはカスタードタイプ、ゲル化タイプ及びこれら2つの併用タイプの何れのプリンにも適応出来る。カスタードタイプの場合は、卵類、乳製品、糖類を主原料とするのであるが、乳製品の一部又は全部を水中油型乳化物に代えて、これらを原料にし、混合、加熱、冷却することによりカスタードタイプのプリンを得ることが出来る。ゲル化タイプの場合は、乳製品、ゲル化剤、糖類を主原料とするのであるが、乳製品の一部又は全部を水中油型乳化物に代えて、これらを原料にし、混合、加熱、冷却することによりゲル化タイプのプリンを得ることが出来る。カスタードタイププリン、ゲル化タイププリン及びこれら2つの併用タイプの何れのプリンに対しても、水中油型乳化物をプリン全量に対して2重量%より少なく使用する場合は、本発明の効果が得にくくなる。50重量%より多く使用する場合は、プリン本来の食感が得にくくなり油っぽいものになってしまう。
【0017】
プリン中に水中油型乳化物を使用し、プリン中に解乳化された油脂が0.5%以上含まれることが好ましい。
プリン全量に対して水中油型乳化物を2〜50重量%の範囲内において多く使用したり、本発明の水中油型乳化物の解乳化率の高いものを使用した場合には、プリン中の解乳化された油脂が多くなる傾向となる。
プリン中の解乳化された油脂は、プリンにヘキサンを加え抽出した油脂量をプリン全量で割った百分率で表される。因みに、全卵23部、上白糖15部、牛乳62部で得られた通常のカスタードプリン(比較例5)の解乳化された油脂は0.05%以下であった。
【0018】
プリン中に水中油型乳化物を使用し、プリン中の解乳化された油脂が0.5〜3.5%含まれる場合は、単層の冷感のある軟らかい食感のプリンを得ることができる。プリン中に水中油型乳化物を使用し、プリン中の解乳化された油脂が3.5〜8.0%の場合は、プリン調製中の加熱工程においてプリン液が分離し冷却後多層の冷感のある軟らかい食感の多層プリンを得ることができ5.0〜7.0%がより好ましい。
プリン中に解乳化された油脂が0.5%未満の場合は冷感のある軟らかい食感のプリンを得ることが難しくなる。8.0%を超える場合は多層のプリン上面に油脂層ができ硬い食感で油っぽいものとなる。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
【0020】
実施例1
下記の配合に従って、油脂に親油性乳化剤を加え加温溶解したものを油相とし、水に乳固形分、親水性乳化剤、塩類を加温、分散・溶解したものを水相とした。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化した後、超高温滅菌装置(UHT)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物(油分:40重量%、解乳化率:40%)を得た。
上記水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳42部と実施例1に基づく水中油型乳化物20部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;3.2%)を得た。食したところ冷感のある軟らかい食感のプリンであった。
【0021】
実施例2
下記の配合に従って、油脂に親油性乳化剤を加え加温溶解したものを油相とし、水に乳固形分、親水性乳化剤、塩類を加温、分散・溶解したものを水相とした。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化した後、超高温滅菌装置(UHT)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物(油分:30重量%、解乳化率:30%)を得た。
上記水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳52部と実施例2に基づく水中油型乳化物10部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;0.9%)を得た。食したところ実施例1で得られたプリンよりは少し劣るが冷感のある軟らかい食感のプリンであった。
【0022】
実施例3
下記の配合に従って、油脂に親油性乳化剤を加え加温溶解したものを油相とし、水に乳固形分、親水性乳化剤、塩類を加温、分散・溶解したものを水相とした。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化した後、超高温滅菌装置(UHT)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物(油分:20重量%、解乳化率:25%)を得た。
上記水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳25部と実施例3に基づく水中油型乳化物37部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;1.85%)を得た。食したところ冷感のある軟らかい食感のプリンであった。
【0023】
実施例4
下記の配合に従って、油脂に親油性乳化剤を加え加温溶解したものを油相とし、水に乳固形分、親水性乳化剤、塩類を加温、分散・溶解したものを水相とした。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化した後、超高温滅菌装置(UHT)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物(油分:15重量%、解乳化率:20%)を得た。
上記水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳27部と実施例4に基づく水中油型乳化物35部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;1.05%)を得た。食したところ実施例3で得られたプリンよりは少し劣るが冷感のある軟らかい食感のプリンであった。
【0024】
実施例5
下記の配合に従って、油脂に親油性乳化剤を加え加温溶解したものを油相とし、水に乳固形分、親水性乳化剤、塩類を加温、分散・溶解したものを水相とした。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化した後、超高温滅菌装置(UHT)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物(油分:48重量%、解乳化率:50%)を得た。
上記水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳57部と実施例5に基づく水中油型乳化物5部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;1.2%)を得た。食したところ実施例4で得られたプリンよりは少し良好な冷感のある軟らかい食感のプリンであった。
【0025】
実施例6
下記の配合に従って、油脂に親油性乳化剤を加え加温溶解したものを油相とし、水に乳固形分、親水性乳化剤、塩類を加温、分散・溶解したものを水相とした。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化した後、超高温滅菌装置(UHT)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物(油分:45重量%、解乳化率:35%)を得た。
上記水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳47部と実施例6に基づく水中油型乳化物15部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、40分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;2.36%)を得た。食したところ冷感のある軟らかい食感のプリンであった。
【0026】
実施例7
上記実施例1に基づく水中油型乳化物を使用して以下の要領でゲル化プリンを調製した。牛乳20部、実施例1の水中油型乳化物20部に水41.25部を加え攪拌しながら、脱脂粉乳3部、上白糖5部、粉末水飴10部、ゲルアップPI(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)0.5部、ホモゲンNO.994(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)0.1部、ミルクフレーバー0.15部を添加混合して、80℃10分間加熱、溶解しプリン液を得た。これをガラス製のプリン容器(樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、その後放冷して単層のゲル化プリン(解乳化された油脂;3.2%)を得た。食したところ冷感のある軟らかい食感のプリンであった。
【0027】
実施例8
上記実施例1に基づく水中油型乳化物を使用して以下の要領でゲル化プリンを調製した。実施例1の水中油型乳化物40部に水41.25部を加え攪拌しながら、脱脂粉乳3部、上白糖5部、粉末水飴10部、ゲルアップPI(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)0.5部、ホモゲンNO.994(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)0.1部、ミルクフレーバー0.15部を添加混合して、80℃10分間加熱、溶解しプリン液を得た。これをガラス製のプリン容器(樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、その後放冷して多層のゲル化プリン(解乳化された油脂;6.4%)を得た。食したところ冷感のある軟らかい食感の多層プリンであった。
【0028】
比較例1
下記の配合に従って、油脂に親油性乳化剤を加え加温溶解したものを油相とし、水に乳固形分、親水性乳化剤、塩類を加温、分散・溶解したものを水相とした。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化した後、超高温滅菌装置(UHT)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物を得た。
上記水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳42部と比較例1に基づく水中油型乳化物20部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリンを得た。食したところ冷感がなく油っぽいプリンであった。
【0029】
比較例2
下記の配合に従って、油脂に親油性乳化剤を加え加温溶解したものを油相とし、水に乳固形分、親水性乳化剤、塩類を加温、分散・溶解したものを水相とした。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化した後、超高温滅菌装置(UHT)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物(油分:8重量%、解乳化率:10%)を得た。
上記水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳42部と比較例2に基づく水中油型乳化物20部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;0.16%)を得た。食したところ冷感が少なく硬い食感のプリンで通常のプリンに近いものであった。
【0030】
比較例3
実施例1の水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳61部と実施例1に基づく水中油型乳化物1部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;0.16%)を得た。食したところ冷感が少なく硬い食感のプリンで通常のプリンに近いものであった。
【0031】
比較例4
実施例1の水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳10部と実施例1に基づく水中油型乳化物52部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して多層のカスタードプリン(解乳化された油脂;8.3%)を得た。プリン上層に油脂層があり硬く油っぽかった。
【0032】
比較例5
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳62部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して単層のカスタードプリン(解乳化された油脂;0.05%以下)を得た。食したところ冷感が少なく硬い食感のプリンであった。
【0033】
実施例9
実施例1の水中油型乳化物を使用して以下の要領でカスタードプリンを調製した。
全卵23部を攪拌して溶液状態にし、上白糖15部を添加混合して40℃程度に加熱した。これに牛乳27部と実施例1に基づく水中油型乳化物35部を加え混合したのち、網で濾してプリン液を得た。これを耐熱性のプリンカップ(株式会社東光製、ポリプロピレン製・半透明樽型90cc)に60g毎に静かに注ぎ入れ、電気オーブン(上火150℃/下火150℃)中の湯煎で、20分間加熱し、その後放冷して多層のカスタードプリン(解乳化された油脂;5.6%)を得た。食したところ冷感のある軟らかい食感の多層プリンであった。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、冷感のある軟らかい食感のプリンの製造法及び当該製造法に使用するプリン練り込み用水中油型乳化物を提供することが可能になったのである。
Claims (3)
- 油脂中にSUS型トリグリセリドに富む油脂及びラウリン系油脂を含み、全油脂分に対して、SUS型トリグリセリドを35%以上含み、油分が10〜48重量%である、プリン練り込み用水中油型乳化物。
- 請求項1記載の水中油型乳化物をプリン全量に対して2〜50重量%使用する、プリンの製造法。
- プリン中に水中油型乳化物を使用し、プリン中に解乳化された油脂が0 . 5%以上含まれる、請求項2記載のプリンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001335511A JP3736426B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | プリン練り込み用水中油型乳化物 |
Applications Claiming Priority (1)
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