JP4437458B2 - イオン導電性ゴム組成物およびそれを用いたイオン導電性ゴムロール - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真式画像形成装置等に用いられるロール等の材料として有用なイオン導電性ゴム組成物およびそれを用いたイオン導電性ロールに関する。
分子鎖末端にアルケニル基を有するポリエーテル、オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび白金族触媒を含有してなるヒドロシリル化反応硬化型の硬化性組成物が提案されている(特許文献1)。また、ポリオキシアルキレンを主成分として、ヒドロシリル化反応により硬化する付加硬化型ゴム組成物に導電性を付与する化合物を添加したものを硬化させて、ロール軸の外周にイオン導電性ゴム層を設け、イオン導電性ゴムロールを製造することが知られている(特許文献2)。
しかし、ポリエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの相溶性が悪いため、得られる硬化物は、表面に強い粘着性(タック性)を示し、さらに、経時的にオイルブリードを示すという問題があった。そのため、ロールとして実用的に使用することは困難であった。
また、ゴムに導電性を付与する場合、導電性付与剤として、カーボンブラック、カーボンファイバー等のπ電子移動型導電性物質がよく用いられる。しかし、通常のカーボンブラックを用いた場合、カーボンストラクチャーによるトンネル効果により、電流と電圧の関係は、オームの法則に従わず、非線形になることが知られている(非特許文献1)。そのため、高精度に抵抗の管理が必要な現像ロール、転写ロール等の感光体周辺に使用されるロールにおいては、これら電流と電圧の非線形性は好ましくない。この不都合を解消するために、リン酸エステルの添加(特許文献3)、チタン酸カリウムウイスカーの使用(特許文献4)等が提案されているが、十分な効果が得られていない。
特開昭55−78055号公報 特開平7−300564号公報 特開平6−192486号公報 特開平8−120176号公報 L.K.H.van Beekand and B.I.C.F.van Pul, J.Appl.Polymer Sci., 6, 651 (1962)
そこで、本発明は、ゴム表面の粘着性およびオイルブリードのない、印加電圧の変化に対する抵抗値の変化が少ない、電子写真式画像形成装置等に用いられるロール用ゴムの製造に好適なイオン導電性ゴム組成物を提供することを目的とする。
また、ロール軸の外周にイオン導電性ゴム層を設けたイオン導電性ゴムロールを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエーテル構造をオルガノハイドロジェンポリシロキサンに導入し、これにアルケニル基含有オルガノポリシロキサンおよびフェノール系酸化防止剤を組合せることにより、得られる硬化物の表面粘着性(表面タック性)が著しく低減し、給紙耐久時のオイルブリードを改善できることを見出した。さらに、イオン導電性化合物を使用することで、印加電圧の変化に対する抵抗値の安定性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個と、アルキレン結合を介してケイ素原子に結合したポリエーテル基とを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
本成分に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数が、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり0.1〜10モルとなる量、
(C)ヒドロシリル化反応用触媒: 有効量、
(D)イオン導電性化合物: (A)成分と(B)成分との合計量に対して0.1〜30質量%、および、
(E)フェノール系酸化防止剤: (A)成分と(B)成分との合計量に対して0.1〜15質量%、
を含有してなるイオン導電性ゴム組成物を提供する。
さらに、芯金と、該芯金の周囲に被覆された上記イオン導電性ゴム組成物の硬化物からなるイオン導電性ゴム層とを有するイオン導電性ゴムロールを提供する。
本発明を適用することにより、ゴム表面の粘着性およびオイルブリードのない、印加電圧の変化に対する抵抗値の変化(電圧依存性)が少ない、電子写真式画像形成装置等に用いられるロール用ゴムの製造に好適なイオン導電性ゴム組成物が得られる。
また、芯金と、該芯金の周囲に被覆された上記イオン導電性ゴム組成物の硬化物からなるイオン導電性ゴム層とを有するイオン導電性ゴムロールが得られる。
以下、本発明について、より詳しく説明する。なお、本件明細書において、「ポリエーテル基」とは、下記構造式(1):
−O(R2O)1 (1)
[式中、R1は水素原子またはアルキル基であり、R2は、同一または異なり、アルキレン基であり、xは2以上の整数である]
で表される1価の基もしくは構造、または、下記構造式(2):
−O(R2O)− (2)
[式中、R2およびxは、上記の定義と同じである]
で表される2価の基もしくは構造を意味する。また、「室温」とは25℃を意味する。
〔(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン〕
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上、より好ましくは4〜10個有し、本発明の組成物の主剤(ベースポリマー)または架橋剤となる成分である。なお、前記アルケニル基の個数は、複数あるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンにおける平均の個数である。前記ケイ素原子に結合したアルケニル基が1分子中に2個未満の場合、硬化物がゲル状となり、ゴムとしての機能が得られない。
前記アルケニル基は、通常、炭素原子数2〜8、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜3のものである。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、好ましくは、ビニル基、アリル基、より好ましくは、ビニル基が挙げられる。このアルケニル基の結合位置としては、例えば、分子鎖末端および/または分子鎖途中のケイ素原子が挙げられる。
前記アルケニル基以外の(A)成分のケイ素原子に結合する非置換または置換の1価炭化水素基は、通常、炭素原子数1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6のものである。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;等が挙げられ、中でもメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基、フェニル基がより好ましい。特に、メチル基が全有機基(即ち、ケイ素原子に結合する、非置換または置換の1価炭化水素基の合計)中に40モル%以上、特に40〜98モル%を占めるものが好ましい。フェニル基を含有する場合、その全有機基に占める割合が、15〜40モル%、特に20〜40モル%であることが好ましい。
この(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等が挙げられる。(A)成分の25℃における粘度は、得られる硬化物の機械的強度、伸び等の物理的特性が良好であり、得られる組成物の取扱作業性が良好である点から、1〜50,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、2〜10,000mPa・sの範囲内であることがより好ましく、2〜5,000mPa・sの範囲内であることが特に好ましい。また、(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンの1分子中のケイ素原子数が、通常、2〜1200個、好ましくは3〜800個、より好ましくは4〜500個程度のものを使用することができる。
この(A)成分のオルガノポリシロキサンの具体例としては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラビニルジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタビニルシクロペンタシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、式:R3 3SiO1/2[式中、R3はアルケニル基以外の上記非置換または置換の1価炭化水素基である。以下同じ。]で示されるシロキサン単位と式:R3 24SiO1/2[式中、R4は上記アルケニル基である。以下同じ。]で示されるシロキサン単位と式:R3 2SiOで示される単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R3 3SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R3 24SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R3 24SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R3 2SiOで示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R34SiOで示されるシロキサン単位と少量の式:R3SiO3/2で示されるシロキサン単位もしくは式:R4SiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体等が挙げられる。
上記オルガノポリシロキサンは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
〔(B)ポリエーテル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン〕
(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、Si−H基で表されるヒドロシリル基)を1分子中に少なくとも2個と、アルキレン結合を介してケイ素原子に結合したポリエーテル基とを有し、好ましくは、(A)成分と相溶性であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、主剤(ベースポリマー)または架橋剤として作用するとともに、本発明の組成物から得られる硬化物にポリエーテル構造を導入する成分である。
前記ケイ素原子に結合した水素原子は、1分子中に2〜12個あることが好ましく、2〜8個あることがより好ましい。このケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に2個未満の場合、得られる硬化物の機械的強度、伸び等の物理的特性が劣る。また、ポリエーテル基を表す上記式(1)中、xは2以上の整数であり、好ましくは3〜100、より好ましくは3〜50の整数である。
この(B)成分は、例えば、(b1)1分子中に少なくとも1個、好ましくは2〜6個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位である重合体(ポリエーテル)中のアルケニル基に対して、(b2)分子鎖末端および/または分子鎖途中のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を1分子中に少なくとも2個、好ましくは3〜10個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子が過剰となる割合で、ヒドロシリル化付加反応用触媒の存在下に反応させ、付加反応生成物の1分子中にケイ素原子に結合した水素原子が少なくとも2個、好ましくは2〜8個残存するように反応させることで調製することができる。
上記(b1)成分の具体例としては、下記に示すものを挙げることができるが、下記例示のものに限定されるものではない。
Figure 0004437458
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(上記式中、n、mおよびpは各々2以上、好ましくは2〜500の整数である)
上記(b1)成分は、上記付加反応生成物の1分子中にケイ素原子に結合した水素原子が少なくとも2個残存するとの条件を満足すれば、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(b2)成分中のケイ素原子に結合する非置換または置換の1価炭化水素基は、通常、炭素原子数1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6のものである。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;等が挙げられ、好ましくは、メチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、より好ましくは、メチル基、フェニル基が挙げられる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等が挙げられる。その25℃における粘度は、1〜500mPa・sの範囲内であることが好ましく、5〜200mPa・sの範囲内であることがより好ましく、5〜30mPa・sの範囲内であることが特に好ましい。また、(b2)成分の1分子中のケイ素原子数が、通常、2〜300個、好ましくは4〜100個、より好ましくは4〜20個程度のものを使用することができる。
この(b2)成分の具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、式:R3 3SiO1/2[式中、R3は上記非置換または置換の1価炭化水素基である。以下同じ。]で示されるシロキサン単位と式:R3 2HSiO1/2で示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R3 2HSiO1/2で示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R3HSiOで示されるシロキサン単位と少量の式:R3SiO3/2で示されるシロキサン単位もしくは式:HSiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体が挙げられる。上記(b2)成分は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明の(B)成分、即ち、上記(b1)成分と(b2)成分との付加反応生成物として、具体的には、例えば、下記に示すものを挙げることができるが、下記例示のものに限定されるものではない。
なお、以下(実施例等も含め)、「Me」はメチル基を表し、「Ph」はフェニル基を表す。
Figure 0004437458
Figure 0004437458
Figure 0004437458
Figure 0004437458
Figure 0004437458
Figure 0004437458
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(上記式中、n、m、pおよびqは各々2以上、好ましくは2〜500の整数である)
なお、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明の組成物において、(B)成分の配合量は、該(B)成分に含まれるケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)の数が、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり0.1〜10モル、好ましくは0.5〜5モル、より好ましくは0.5〜3モルとなる量である。前記配合量が0.1モル未満であると、得られる組成物が十分に硬化しない場合があり、10モルを超えると、得られる硬化物の耐熱性が著しく劣る場合がある。
〔(C)ヒドロシリル化反応用触媒〕
本発明に用いられる(C)成分は、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)との付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサンまたはアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等が使用されるが、好ましくは、ビニルシロキサン配位化合物等の白金系化合物である。上記ヒドロシリル化反応用触媒は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(C)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよく、特に制限されないが、(A)成分と(B)成分の合計量に対して触媒金属元素の質量として、通常、0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜500ppm、より好ましくは10〜100ppmの範囲である。前記配合量が少なすぎると付加反応が著しく遅くなるか、もしくは硬化しなくなる場合があり、多すぎると得られる硬化物の耐熱性が低下する場合がある。
〔(D)イオン導電性化合物〕
本発明に使用される(D)成分は、得られる硬化物にイオン導電性を付与するためのものであり、(D−1)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、または、(D−2)イオン性液体である。ここで、イオン性液体とは、室温で液体である溶融塩であり、常温溶融塩とも呼ばれるものであり、特に、融点が50℃以下、好ましくは-100〜30℃、より好ましくは-50〜20℃のものをいう。このようなイオン性液体は、蒸気圧がない(不揮発性)、高耐熱性、不燃性、化学的安定である等の特性を有するものである。
前記(D−1)成分であるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属の塩等、好ましくは、リチウムの塩が挙げられる。これらの無機金属塩の具体例としては、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiAsF6、LiCl、NaSCN、KSCN、NaCl、NaI、KI等のアルカリ金属塩;Ca(ClO4、Ba(ClO42等のアルカリ土類金属塩が挙げられる。中でも、抵抗値が低く、溶解性が良好である点から、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiAsF6、LiClが好ましく、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22が特に好ましい。
前記(D−2)成分であるイオン性液体は、4級アンモニウムカチオンとアニオンとからなる。この4級アンモニウムカチオンは、イミダゾリウム、ピリジニウムまたは式:R5 4[式中、R5は、水素原子または炭素原子数1〜20の有機基である]で表されるカチオンのいずれかの形態である。
上記式中、R5で表される有機基としては、例えば、炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、アルコキシアルキル基等が挙げられる。より具体的には、例えば、メチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;エトキシエチル基(−CHCHOCHCH)等のアルコキシアルキル基等が挙げられる。また、Rで表される有機基のうちの2個が結合して環状構造を形成してもよく、この場合には、2個のRが一緒になって2価の有機基を形成する。この2価の有機基の主鎖は炭素のみで構成されていてもよいし、その中に酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。具体的には、例えば、2価炭化水素基[例えば、炭素原子数3〜10のアルキレン基、式:−(CH−O−(CH−〔式中、aは1〜5の整数であり、bは1〜5の整数であり、a+bは4〜10の整数である〕]が挙げられる。
前記式:R5 4で表されるカチオンの具体例としては、メチルトリn−オクチルアンモニウムカチオン、エトキシエチルメチルピロリジニウムカチオン、エトキシエチルメチルモルフォリニウムカチオン等が挙げられる。
前記アニオンとしては、特に制限はないが、例えば、AlCl4 -、Al3Cl8 -、Al2Cl7 -、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(CF3SO23-が好ましく、PF6 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-がより好ましい。
上記4級アンモニウムカチオンとアニオンとからなるイオン性液体としては、例えば、メチルトリn−オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、下記構造式:
Figure 0004437458

で表されるエトキシエチルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、下記構造式:
Figure 0004437458

で表されるエトキシエチルメチルモルフォリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
上記イオン導電性化合物は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(D)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計量に対して、0.1〜30質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。0.1質量%未満の場合、104〜108Ω程度の目的の抵抗値が得られず、30質量%を超える場合、コスト面で問題となる。
〔(E)フェノール系酸化防止剤〕
(E)成分はフェノール系酸化防止剤であり、その具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トコフェロール等が挙げられる。上記フェノール系酸化防止剤は、1種単独でも2種以上組み合わせても用いることもできる。
(E)成分の添加量は、(A)成分と(B)成分との合計量に対して、0.1〜15質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。この配合量が0.1質量%未満の場合、目的とする酸化防止効果が得られ難く、15質量%を超える場合でも酸化防止効果の向上は望めない。
〔その他の任意成分〕
本発明の組成物には、上記(A)〜(E)成分以外にも、必要に応じて、任意の成分として、反応制御剤、無機充填剤、耐熱性付与剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等を配合してもよい。
−反応制御剤−
上記反応制御剤は、付加反応触媒に対して硬化抑制効果を持つ化合物であり、公知の反応制御剤を使用することができる。該反応制御剤の具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素含有化合物;チウラムモノスルフィド、テトラメチレンスルホキシド等の硫黄含有化合物;3−メチル−1−ブチン−3−オール、1−エチニルシクロヘキサノール等のアセチレン系化合物;メチルビニルシクロテトラシロキサン、トリアリルイソシアヌレート等のアルケニル基を2個以上含む化合物;メチルエチルケトンハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジアリル等のマレイン酸誘導体等が挙げられる。
上記反応制御剤による硬化抑制効果は、該反応制御剤の化学構造によって大きく異なる。したがって、反応制御剤の配合量は、使用する反応制御剤ごとに最適な量に調整する必要があり、一概には決められないが、通常、その配合量が少なすぎると室温での長期間に渡る貯蔵安定性が得られ難く、多すぎると逆に硬化が阻害される場合がある。
−無機充填剤−
上記無機充填剤は、得られる組成物の補強性を高めるための成分であり、従来、シリコーンゴム組成物に通常使用されるものを用いることができる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、沈降性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、ケイ藻土、ガラス繊維等、または、これらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面を疎水化処理したものが挙げられる。ヒュームドシリカや沈降性シリカは、補強性の点からBET比表面積が50〜500m2/gであることが好ましく、特に100〜400m2/gであることがより好ましい。
上記無機充填剤の具体例としては、商品名で挙げると、Aerosil130,200,300(日本アエロジル社、Degussa社製)、CabosilMS-5,MS-7(Cabot社製)RheorosilQS-102,103(徳山曹達社製)、NipsilLP(日本シリカ製)等の親水性シリカ;AerosilR-812,R-812S,R-972、R-974(Degussa社製)、RheorosilMT-10(徳山曹達社製)、NipsilSSシリーズ(日本シリカ製)等の疎水性シリカ;クリスタライト、Minusi1,Imisil等の結晶性シリカ等が挙げられる。
−耐熱性付与剤−
上記耐熱性付与剤としては、酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化鉄(ベンガラ)、酸化チタン等を使用することができる。
〔イオン導電性ゴムロール〕
上述した本発明の組成物は、電子写真式画像形成装置等におけるロール用の材料等として使用されるものである。具体的には、例えば、電子写真式プリンター、複写機、ファクシミリ等における感光体の周りの帯電ロール、現像ロール、トナー供給ロール、転写ロールが挙げられる。該ロールとしては、例えば、芯金と、該芯金の周囲に被覆された上記ゴム組成物の硬化物からなるイオン導電性ゴム層とを有するイオン導電性ゴムロールが挙げられる。このようなイオン導電性ゴムロールの製造方法は公知であり、例えば、以下の工程により製造される。なお、ここでは好ましい形態の液状付加硬化型ゴム組成物を例に説明する。
まず、2液型ゴム組成物の各パートの所定量をスタティックミキサーで混合するか、または、ゴム組成物の各成分をダイナミックミキサーでスクリュー回転によって混合するかして、得られる混合物を、予めプライマー処理を施した金属芯金が静置されたロール成形用の金型に注入する。次いで、注入したゴム組成物を加熱・硬化させ、金属芯金の外周にゴム層を形成した後に、ゴムロールを脱型する。さらに、必要に応じて、そのゴム層の上にフッ素系コーティング剤、ウレタン系コーティング剤、ポリアミド系コーティング剤、アミノシラン系コーティング剤を塗布してもよい。
また、別の製造方法として、2液型ゴム組成物の各パートの所定量をスタティックミキサーで混合するか、または、ゴム組成物の各成分をダイナミックミキサーでスクリュー回転によって混合するかして、得られる混合物を、予めプライマー処理を施した金属芯金が静置されたロール成形用の金型に注入する。次いで、注入したゴム組成物を加熱・硬化させ、金属芯金の外周にゴム層を形成し、ゴムロールを脱型した後に、該ゴムロールの表面を研磨する。さらに、必要に応じて、ゴム層の上にフッ素系コーティング剤、ウレタン系コーティング剤、ポリアミド系コーティング剤、アミノシラン系コーティング剤を塗布してもよい。
本発明のロールの製造に使用される金属芯金は、鉄、アルミニウム、ステンレス等のいずれを材料とするものでもよい。また、予めプライマー処理を施した金属芯金を使用してもよい。
以下、実施例を用いてこの発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中において、粘度は25℃において測定したものである。
<合成例1>
攪拌棒、滴下ロート、温度計および冷却管が設けられたフラスコに、(b1)下記構造式:
Figure 0004437458

で表される両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン100g、(b2)1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン27gおよびトルエン80gを仕込んだ。フラスコを65〜70℃に加熱し、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体(白金金属含有量:0.5質量%)0.1gを前記トルエン溶液に添加した。70℃で3時間反応させた後、80℃、2kPaの条件にてトルエンおよび過剰の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを留去し、粘度が3.9Pa・s、水素原子含有量が0.13質量%の下記構造式:
Figure 0004437458

で表される化合物G−1を得た。
<合成例2>
合成例1に記載の(b1)両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン100gの代わりに、下記構造式:
Figure 0004437458

で表される片末端アリル基封鎖ポリオキシエチレン100gを用い、(b2)1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの量を27gから80gに変更した以外は、合成例1と同様にして、粘度が0.35Pa・s、水素原子含有量が0.44質量%の下記構造式:
Figure 0004437458

で表される化合物G−2を得た。
[実施例1]
(A)1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン11質量部、(B)化合物G−1:100質量部((A)成分中のビニル基1モルに対するB)成分中のSi−H基のモル数は約1.0モルである)、(C)塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体(白金金属含有量:0.5質量%)2質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.3質量部、(D)ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム2質量部(即ち、(A)+(B)成分に対して1.8質量%)、および、(E)ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]5質量部(即ち、(A)+(B)成分に対して4.5質量%)を均一になるように混合して、組成物1を調製した。得られた組成物1を120℃で、10分間加熱して硬化することにより、硬度40の硬化物1を得た。なお、硬度は厚さ6mmのシート状硬化物を試験片として2枚重ね、アスカーC型硬度計を使用して測定した(以下、同じである)。
[実施例2]
(D)ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム2質量部の代わりにエトキシエチルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10質量部(即ち、(A)+(B)成分に対して9.0質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、組成物2を調製した。得られた組成物2を120℃で、10分間加熱して硬化することにより、硬度40の硬化物2を得た。
[実施例3]
(A)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位:6.7モル%と、(CH3)2SiO単位:63.3モル%と、(C6H5)2SiO単位:30モル%とからなり、粘度が0.7Pa・sであるオルガノポリシロキサン100質量部、(B)化合物G−1:43質量部((A)成分中のビニル基1モルに対する(B)成分中のSi−H基のモル数は約1.0モルである)、1−エチニルシクロヘキサノール0.25質量部、(C)塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体(白金金属含有量:0.5質量%)2質量部、(D)ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム2質量部(即ち、(A)+(B)成分に対して1.4質量%)、および、(E)オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート1質量部(即ち、(A)+(B)成分に対して0.7質量%)を均一になるように混合することにより、組成物3を調製した。得られた組成物3を120℃で、10分間加熱して硬化させることにより、硬度17の硬化物3を得た。
[実施例4]
(A)1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン 24.4質量部、(B)化合物G−1:50質量部、(B)化合物G−2:50質量部((A)成分中のビニル基1モルに対する(B)成分である化合物G−1および化合物G−2中の合計Si−H基のモル数は約1モルである)、(C)塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体(白金金属含有量:0.5質量%)2質量部、(D)メチルトリn−オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド5質量部(即ち、(A)+(B)成分に対して4.0質量%)、および、(E)トコフェロール1質量部(即ち、(A)+(B)成分に対して0.8質量%)を均一になるように混合することにより、組成物4を調製した。得られた組成物4を120℃で、10分間加熱して硬化させることにより、硬度80の硬化物4を得た。
[比較例1]
(A)上記合成例1に記載の両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン(平均重合度:90)100質量部、(B)化合物G−1:30質量部((A)成分中のビニル基1モルに対する(B)成分中のSi−H基のモル数は約1モルである)、1−エチニルシクロヘキサノール0.25質量部、(C)塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体(白金金属含有量:0.5質量%)2質量部を均一になるように混合することにより、組成物C1を調製した。得られた組成物C1を120℃で、10分間加熱して硬化させることにより、硬度12の硬化物C1を得た。この硬化物は、その表面に強い粘着性が認められた。
[比較例2]
(E)ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、組成物C2を調製した。得られた組成物C2を120℃で、10分間加熱して硬化させることにより、硬度40の硬化物C2を得た。
<測定方法>
表面タック性およびオイルブリードの測定用試験片は、ゴム組成物1〜4、C1およびC2をそれぞれ金型の間に注入し、その金型を120℃に加熱し、次いで、その温度のまま10分間保持し、プレス硬化することにより、直径29mm、厚さ12.5mmのシート状硬化ゴム試験片1〜4、C1およびC2を作成した。抵抗値の測定用試験片は、厚さ6mmとした以外は同様にして作成した。これらの試験片を用いて、下記の測定基準に従って、表面タック性、オイルブリードの有無および抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
〔測定項目〕
1.表面タック性
硬化ゴム試験片を25%圧縮した状態で、70℃で72時間放置した後に、その表面のタックの有無を指触により確認した。得られた結果を、以下のとおり、評価した。
A:タックは認められなかった。
B:タックが少々認められた。
C:タックが著しく認められた。
2.オイルブリード
硬化ゴム試験片を25%圧縮した状態で、70℃で72時間放置した後に、その表面のオイルブリードの有無を目視により確認した。得られた結果を、以下のとおり、評価した。
A:オイルブリードは認められなかった。
B:オイルブリードが少々認められた。
C:オイルブリードが著しく認められた。
3.抵抗値
図1に示すように、硬化ゴム試験片1を電極2と芯金3との間に挟み、電極2と芯金3との間の抵抗値を測定した。電極2は2本からなり、切り替えリレー5にて電極を変えることで、1試験片あたり2箇所の抵抗値を測定し、平均値を求めた。抵抗値の測定には、超抵抗計4((株)アドバンテストデジタル製、商品名:R8340)を用いて、電圧を1V、100Vとしたときの各抵抗値を測定し、電圧変化に対する抵抗値変化(電圧依存性)を測定した。
Figure 0004437458
<評価>
実施例1〜4の組成物は、本発明の要件を満たすものであり、表面タックおよびオイルブリードは認められず、電圧の変化に対する抵抗値の変化も小さいものであった。一方、比較例1の組成物は、(D)成分のイオン導電性化合物および(E)成分のフェノール系酸化防止剤を配合しなかったものであり、初期状態で表面タックが認められ、70℃で72時間放置した後の硬化物に、表面タックおよびオイルブリードが認められた。さらに、電圧変化に対する抵抗値変化も大きいものであった。比較例2の組成物は、(E)成分のフェノール系酸化防止剤を配合しなかったものであり、70℃で72時間放置した後の硬化物に、表面タックおよびオイルブリードが認められた。
本発明のイオン導電性組成物からなるイオン導電性ロールは、電子写真式プリンター、複写機等の電子写真式画像形成装置における感光体周りの帯電ロール、現像ロール、トナー供給ロール、転写ロール等を形成するための材料等への応用が期待される。
本発明の組成物の抵抗値測定に用いる測定装置の配置図である。
符号の説明
1.イオン導電性ゴムシート
2.電極
3.芯金
4.測定装置
5.切り替えリレー

Claims (4)

  1. (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
    (B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個と、アルキレン結合を介してケイ素原子に結合したポリエーテル基とを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
    本成分に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数が、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり0.1〜10モルとなる量、
    (C)ヒドロシリル化反応用触媒: 有効量、
    (D)イオン導電性化合物: (A)成分と(B)成分との合計量に対して0.1〜30質量%、および、
    (E)フェノール系酸化防止剤: (A)成分と(B)成分との合計量に対して0.1〜15質量%、
    を含有してなるイオン導電性ゴム組成物。
  2. 前記(D)成分のイオン導電性化合物が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩である請求項1に記載のイオン導電性ゴム組成物。
  3. 前記(D)成分のイオン導電性化合物が、イオン性液体である請求項1に記載のイオン導電性ゴム組成物。
  4. 芯金と、該芯金の周囲に被覆された請求項1〜3のいずれか一項に記載のイオン導電性ゴム組成物の硬化物からなるイオン導電性ゴム層とを有するイオン導電性ゴムロール。
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