JP5350925B2 - 非帯電性熱硬化性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性及び帯電防止性に優れた非帯電性の熱硬化性シリコーンゴム組成物に関する。
リチウム塩は従来から各種樹脂やゴムなどの導電性付与剤として利用されており、特にウレタン、エピクロルヒドリン、アクリルニトリルブタジエン、クロルプレンなどの極性基を有するポリマーに多く利用されている。リチウム塩の中でもビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムはその導電度の高さから多く利用されている(特許文献1〜4)。
一方、熱硬化性シリコーンゴムは透明もしくは半透明で高い低熱性を持つゴムとして知られている。熱硬化性シリコーンゴムの主なポリマーとしては、工業的にはジメチルポリオルガノシロキサンを主体とする組成物である。このジメチルポリオルガノシロキサンは非極性であり、ウレタン、エピクロルヒドリン、アクリルニトリルブタジエン、クロルプレンなどの極性基を有するポリマーによく相溶するリチウム塩とは相溶せず、熱硬化性シリコーンゴム組成物の安定的に配合するのが困難であった。また、例え配合したとしてもリチウム塩の高い導電性を発現することは難しかった。このため、効率よく導電性を付与するためにリチウム塩をメタノール等の様々な溶媒に溶解した電解液として添加したり(特許文献5)、アジピン酸エステルやポリエーテル変性シリコーンオイルとともにオルガノポリシロキサンでペースト化して添加する方法(特許文献6)が提案されている。
特開平7−188455号公報 特開平9−227743号公報 特開2003−73554号公報 特開2005−48138号公報 特開2003−82232号公報 特開2006−225422号公報
ところが、従来の方法でのリチウム塩を溶媒に溶解した電解液を熱硬化性シリコーンゴム組成物に配合した場合、十分な非帯電性が得られなかったり、シリコーンゴムの透明性を損なったり、耐熱性を悪くしたりする欠点を有しており、これらのシリコーンゴムが本来有する特性を低下させることなく、リチウム塩による導電性を効率よく付与する技術が望まれていた。
例えば、従来から用いられている水やアルコール類などの揮発性溶媒やポリエーテルなどの耐熱性の高くない溶媒にリチウム塩を溶解したものは、シリコーンゴムがさらされるような200℃以上の高温化においてはその溶媒が揮発したり熱分解したりして、結局のところ電解液となっていたリチウム塩は固体になり、高い導電性を付与できない。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するもので、熱硬化性シリコーンゴム組成物にリチウム塩を安定的に配合することができ、その結果、リチウム塩の高い導電性を低下させることなく、ごく少量の配合で導電性または帯電防止性などの非帯電性特性を得ることができる。また、シリコーンゴムが本来有する高い耐熱性や透明性を低下させることのない熱硬化性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成する手段について鋭意検討した結果、熱硬化性シリコーンゴムに対してリチウム塩を溶解することが可能なイオン性液体を溶媒として溶解した混合電解液を添加することが上記目的達成のために極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A)熱硬化性シリコーンゴムに
(B)
(b-1)リチウム塩を
(b-2)常温(23℃)下において(b-1)リチウム塩を少なくとも10重量%以上の濃度で溶解することが可能な分解温度が220℃以上であるイオン性液体
に1重量%以上の割合で溶解させた混合電解液を
0.001〜10000ppm添加することを特徴とする非帯電性熱硬化性シリコーンゴム組成物である。
本発明によれば、リチウム塩の高い導電性を損なうことなく、安定的に熱硬化性シリコーンゴム組成物に配合することが可能になり、ごく少量の配合でも非帯電性のシリコーンゴム組成物を得ることができる。また、高温下に長時間さらしても、優れた非帯電性を維持しており、本来シリコーンゴムが有する透明もしくは半透明の外観を維持することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分の熱硬化性シリコーンゴムは、ポリオルガノシロキサンベースポリマーと硬化剤及び必要により用いられる充填剤等の公知の各種添加剤から構成される。ポリオルガノシロキサンベースポリマーとしては、通常広く知られているものを用いることができ、ポリオルガノシロキサンベースポリマーにおける有機基は、1価の置換または非置換の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基のようなアルキル基、フェニル基のようなアリール基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基のようなアラルキル基等の非置換の炭化水素基や、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換炭化水素基が例示される。なお、一般的にはメチル基が合成のしやすさ等から多用される。特に1分子中のケイ素原子に結合した有機基のうち、少なくとも2個がビニル基であるポリジオルガノシロキサンが一般的であり、直鎖状のものが特に好ましく用いられるが、これらに限定されることなく、一部、ビニル基を持たないものや分岐状もしくは環状のポリオルガノシロキサンも使用することが可能である。
また、本発明の熱硬化性シリコーンゴムは、公知のシリコーンゴムの硬化機構を適用してシリコーンゴムを得ることが可能であり、有機過酸化物による架橋、または、付加反応による架橋により硬化させることが一般的である。
有機過酸化物の架橋に用いられる硬化剤としては、市販の有機過酸化物を用いることができ、ベンゾイルペルオキシド、2,4 −ジクロロベンゾイルペルオキシド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチルペルオキシド、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド等の各種の有機過酸化物加硫剤が用いられ、特に低い圧縮永久歪を与えることから、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチルペルオキシド、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシドが好ましい。
これらの有機過酸化物加硫剤は、1種または2種以上の混合物として用いることができる。硬化剤である有機過酸化物の配合量は、シリコーンベースポリマー100重量部に対し0.05〜10重量部の範囲が一般的である。
一方、付加反応による架橋を適用する場合の硬化剤としては、硬化用触媒として、塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン錯体、白金黒、白金トリフェニルホスフィン錯体等の白金系触媒が用いられ、架橋剤として、ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に少なくとも平均2個を超える数を有するポリジオルガノシロキサンが用いられる。付加反応硬化剤のうち、硬化用触媒の配合量は、ベースポリマーに対し白金元素量で0.1〜1000ppmの範囲となる量が好ましい。硬化用触媒の配合量が白金元素量として0.1ppm未満では、充分に硬化が進行せず、また1000ppmを超えても特に硬化速度の向上等が期待できない。また、架橋剤の配合量は、ベースポリマー中のアルケニル基1個に対し、架橋剤中のケイ素原子に結合した水素原子が、0.5〜4.0個となるような量が好ましく、さらに好ましくは1.0〜3.0個となるような量である。水素原子の量が0.5個未満である場合は、組成物の硬化が充分に進行せずに、硬化後の組成物の硬さが低くなり、また水素原子の量が4.0個を超えると硬化後の組成物の物理的性質と耐熱性が低下する。
必要に応じて配合される添加剤としては、充填剤、顔料、耐熱性向上剤、難燃剤などが例示される。
特に、添加剤として、補強性シリカを配合することが好ましく、補強性シリカとしては、煙霧質シリカ、アークシリカのような乾式シリカ;沈殿シリカ、シリカエアロゲルのような湿式シリカ;およびそれらをヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような有機ケイ素化合物で処理した疎水性シリカなどが例示され、塩霧質シリカおよびそれを疎水化したシリカが好ましい。優れた補強効果を得るために、補強性シリカは、比表面積が通常50m2/g以上、好ましくは100〜700m2/g、さらに好ましくは130〜500m2/gのものが用いられる。
補強性シリカは、ベースポリマー100重量部に対し、1〜100重量部配合される。1重量部未満では補強性向上が十分でなく、100重量部を超えると配合が困難になり、ゴム物性にも影響を与える。
また、その他の充填剤の具体例としては、例えば、粉砕石英紛、クレイ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ニ酸化チタンなどが挙げられる。また、耐熱性向上剤の具体例としては、酸化鉄、酸化セリウム、水酸化セリウム、オクチル酸鉄などが挙げられる。その他、イソパラフィンなどの飽和脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド類などの離型剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルなどの発泡剤なども配合することができる。
また、補強性シリカなどの充填剤の分散性などを高める目的で配合される公知の有機ケイ素化合物や、界面活性剤、加工助剤なども使用可能である。
本発明で用いられる(B)(b-1)のリチウム塩は公知のリチウム塩であれば特に制限されず、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、フッ化リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムなどが例示される。最も好ましいものは電気伝導度に優れるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムである。
本発明で用いられる(B)(b-2)のイオン液体は、常温(23℃)下において(b-1)リチウム塩を少なくとも10重量%以上の濃度で溶解することが可能なものであり、かつ、分解温度が220℃以上のものである。このようなイオン性液体とは、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、アンモニウム、スルホニウムなどの有機陽イオン成分と、アルキルスルフェート、トシレート、メタンスルホネートなどの有機陰イオン成分、または、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどの無機陰イオン成分との組み合わせから成るものが例示される。
特に、(B)(b-1)のリチウム塩であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムに対しては、陰イオン成分がビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドであるイオン性液体が好ましい。このようなイオン物質としては、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2−ジメチルー3−プロピルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチルー3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、3−メチルー1−プロピルピリジニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−3−メチルピリジニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどがあり、最も好ましくはN−ブチル−3−メチルピリジニウム・ビストリフルオロメタンスルホニルイミド又は1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
さらに好ましくは、イオン物質の保留性の点からは、その陽イオンに少なくても1個のアルケニル基を有することが好ましい。ここでアルケニル基とは、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。この中でも特にビニル基またはアリル基が好ましい。また、このようなイオン性液体としては、1−ビニルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−アリルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどがあり、最も好ましくはジアリルジメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
(B)(b-2)のイオン性液体は、(B)(b-1)のリチウム塩を10重量%以上の濃度で溶解することが必要である。(B)(b-1)リチウム塩が溶解することで、本来、リチウム塩が有する高い導電性を発現でき、熱硬化性シリコーンゴム組成物に高い導電性を付与することが可能となる。10重量%以上の濃度で溶解できない場合には本発明の効果が得られない。
ここで溶解とは、常温でリチウム塩がイオン性液体に完全に溶けた状態であり、一部または全部のリチウム塩が固体のまま残っていたり、溶解したものが分離して2層に分かれたり、溶解しきれずに白濁したような状態では溶解とはみなせない。
また、分解温度が220℃未満のものでは、シリコーンゴムがさらされる200℃以上の高温化においては、リチウム塩を電解液として保持することができず、得られるシリコーンゴム組成物の非帯電性や耐熱性が不十分となる。
本発明では、(B)(b-1)リチウム塩を(B)(b-2)イオン性液体に1重量%以上の割合で溶解させた混合電解液を用いる。リチウム塩の高い導電性を付与するためには10重量%以上の割合で溶解することが好ましい。
この理由は、リチウム塩をイオン性液体に溶解した電解液として常に熱硬化性シリコーンゴム系内に保持することで高い導電性を付与することが可能になるためである。一方、リチウム塩とイオン性液体とを同時に熱硬化性シリコーンゴムに配合することも考えられるが、本発明のようにリチウム塩やイオン性液体の配合量が極めて少ない場合には配合した全てのリチウム塩がイオン性液体に溶解して電解液となることができず、全部または一部のリチウム塩が固体のまま熱硬化性シリコーンゴム系内に留まるため、安定した非帯電性を得るためには予めリチウム塩をイオン性液体に溶解した電解液を配合することが必要である。
溶解濃度の上限は特にないが70重量%程度が適当である。
上記混合電解液の配合量は(A)熱硬化性シリコーンゴムに対して0.001〜10000ppmである。0.001ppm未満では得られる非帯電性が十分でなく、10000ppmを超えて配合しても効果が飽和すると共に、商業的に不利となるという問題がある。特に好ましい配合量は500ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。
本発明の熱硬化性シリコーンゴム組成物は、透明性に優れているため、ポータブルミュージックプレイヤー、ポータブルゲーム、携帯電話、ゲーム機のコントローラーなどのカバーや、ウレタン樹脂等で複製品を製造するために使用されるシリコーンゴム型、布地へのシリコーンゴムコーティング等に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。以下の例において、部は重量部を意味する。
(シリコーンゴムベースコンパウンドの調製)
平均重合度4500、メチルビニルシロキサン単位0.12モル%を有するビニル基含有ポリジメチルオルガノシロキサン100部に比表面積200m2/gの乾式シリカ(日本アエロジル製)35部と末端シラノールのポリジメチルシロキサン(平均重合度30)8部を混合し、加熱混合150℃、2時間を経て、シリコーンゴムベースコンパウンドを得た。
(リチウム塩・イオン性液体の混合電解液1の調製)
リチウム塩であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを分解温度が290℃であるN−ブチル−3−メチルピリジニウム・ビストリフルオロメタンスルホニルイミドに15%の濃度で混合した。ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムは直ぐに全て溶解し無色透明の混合電解液を得て、混合電解液1とした。
(リチウム塩・イオン性液体の混合電解液2の調製)
リチウム塩であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを分解温度が420℃である1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに15%の濃度で混合した。ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムは直ぐに全て溶解し淡黄色透明の混合電解液を得て、混合電解液2とした。
(リチウム塩・イオン性液体の混合電解液3の調製)
リチウム塩であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを非水溶性で分解温度が270℃であるジアリルジメチル・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに15%の濃度で混合した。ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムは直ぐに全て溶解し無色透明の混合電解液を得て、混合電解液3とした。
実施例1
上記シリコーンゴムベースコンパウンド100部に対し、30ppmの混合電解液1を配合混合して2軸混合機で混合溶液をたペーストを作製混合した。次いでこのペーストをベースコンパウンドに混合した。その後、加硫剤(TC-8、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、2.5-ジメチル-2.5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキサン50%含有)を0.5部配合して、170℃、10分のプレス加硫を行い、特性測定用のゴムシートを得た。プレス加硫後の特性試験を実施した後、さらに200℃で24時間、空気循環式乾燥機に放置した後、同様に特性を測定した。
実施例2
混合電解液1に代えて、混合電解液2を用いた以外は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。
実施例3
混合電解液1に代えて、混合電解液3を用いた以外は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。
比較例1
混合電解液1に代えて、固体のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを用いた以外は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。
比較例2
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸エステルの一種であるアジピン酸ジオクチルに15%の濃度で溶解した電解液を作製して、シリコーンゴムベースポリマーに30ppmを添加した以外は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。
比較例3
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをエチレンオキサイドのグラフト化率が30%でそれ以外の有機基がメチル基からなる粘度180cStのポリエーテル変性シリコーンオイルに15%の濃度で溶解した電解液をシリコーンゴムベースポリマーに30ppmを添加した以外は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。
比較例4
実施例1の混合電解質1で使用したN−ブチル−3−メチルピリジニウム・ビストリフルオロメタンスルホニルイミドをシリコーンゴムベースポリマーに30ppmを添加した以外は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。
得られたゴムシート(プレス加硫後のゴムシートおよび200℃×24時間の空気循環式乾燥機に放置したゴムシート)の物性を以下の基準で評価した結果を表1に示す。
(非帯電性)
シシド静電気製スタチックオネストメーターH-0110を用いて、試験片に8KVのコロナ放電により帯電させた後、帯電圧減衰の変化を測定して耐電圧半減期を求めた。
(耐熱性)
プレス加硫した試験用ゴムシートの外観と200℃の空気循環式乾燥機に24時間放置したゴムシートの外観を確認した。
Figure 0005350925

Claims (4)

  1. (A)熱硬化性シリコーンゴムに
    (B)
    (b-1)リチウム塩を
    (b-2)常温(23℃)下において(b-1)リチウム塩を少なくとも10重量%以上の濃度で溶解することが可能な分解温度が220℃以上であるイオン性液体
    に1重量%以上の割合で溶解させた混合電解液を
    0.001〜10000ppm添加することを特徴とする非帯電性熱硬化性シリコーンゴム組成物。
  2. (B)(b-2)で示されるイオン性液体の陰イオンが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドであるイオン性液体であることを特徴とする請求項1記載の非帯電性熱硬化性シリコーンゴム組成物。
  3. イオン性液体が、その陽イオンに少なくとも1個のアルケニル基を有するイオン性液体であることを特徴とする請求項2記載の非帯電性熱硬化性シリコーンゴム組成物。
  4. (b-1)リチウム塩が、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の非帯電性熱硬化性シリコーンゴム組成物。
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