JP5831399B2 - ロール用付加硬化型ゴム組成物及びイオン導電性ゴムロール - Google Patents

ロール用付加硬化型ゴム組成物及びイオン導電性ゴムロール Download PDF

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Description

本発明は、電子写真式画像形成装置に用いられるロール用付加硬化型ゴム組成物及びイオン導電性ゴムロールに関するものである。
ポリオキシアルキレンを主成分として、ヒドロシリル化反応により硬化する付加硬化型ゴム組成物に導電性を付与する化合物を添加したものを硬化させて、ロール軸の外周にイオン導電性ゴム層を設け、イオン導電性ゴムロールを製造することが知られている(特開平7−300564号公報:特許文献1)。
しかし、ポリオキシアルキレンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの相溶性が悪いため、得られる硬化物は、表面に強い粘着性(タック性)を示し、更に、経時的にオイルブリードを示すという問題があった。そのため、ロールとして実用的に使用することは困難であった。
また、ゴムに導電性を付与する場合、導電性付与剤として、カーボンブラック、カーボンファイバー等のπ電子移動型導電性物質がよく用いられる。しかし、通常のカーボンブラックを用いた場合、カーボンストラクチャーによるトンネル効果により、電流と電圧の関係は、オームの法則に従わず、非線形になることが知られている(L.H.K. van Beekand and B. I. C. F. van Pul, J. Appl. Polymer Sci., 6,651(1962):非特許文献1)。このような電流と電圧の非線形性は、高精度に抵抗の管理が必要な現像ロール、転写ロール等の感光体周辺に使用されるロールには好ましくない。この不都合を解消するために、リン酸エステルの添加(特開平6−192486号公報:特許文献2)、チタン酸カリウムウイスカーの使用(特開平8−120176号公報:特許文献3)等が提案されているが、十分な効果が得られていない。
そこで、ポリオキシアルキレン構造をオルガノハイドロジェンポリシロキサンに導入し、これにアルケニル基含有オルガノポリシロキサン及びフェノール系酸化防止剤を組み合わせることにより、得られる硬化物の表面粘着性(表面タック性)が著しく低減し、給紙耐久時のオイルブリードを改善し、更にイオン導電化合物を使用することで、印加電圧の変化に対する抵抗値の安定性が得られることが提案されている(特開2005−344102号公報:特許文献4)。
しかし、主成分であるポリオキシアルキレン変性オルガノハイドロジェンポリシロキサンを予め調製するのに、ポリオキシアルキレンに対して大過剰のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを反応させ、減圧下にて過剰なオルガノハイドロジェンポリシロキサンを留去する工程が必要であり、ポリオキシアルキレン変性オルガノハイドロジェンポリシロキサンの調製が煩雑であった。用いられてきた大半のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、環状体である[(CH3)HSiO]4であり、類似した架橋構造を有するゴム組成物が大半であった。
また、ポリエーテル重合体の製造方法、及び該方法により製造されたポリエーテル重合体と、架橋剤とを硫黄又は硫黄化合物により架橋させた架橋物、並びにその架橋物を用いてなる導電性ロールの製造方法が知られている(特開2011−32339号公報:特許文献5)。
しかし、硫黄による作業環境での異臭や汚染が懸念され、感光体への汚染だけでなく、工業的に大量に扱うには好ましくないと言える。
更に、ポリオキシアルキレンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンを事前に架橋基として調製することなく、アルケニル基を少なくとも2個有し、ケイ素原子に結合したフェニル基をケイ素原子に結合した全有機基中の10〜50モル%含有するオルガノポリシロキサンによりポリオキシアルキレンとオルガノハイドロジェンシロキサンを溶解させ、硬化触媒、イオン導電性付与剤を含むロール用付加硬化型ゴム組成物が報告されている(特開2004−331786号公報:特許文献6)。
該特許文献6記載の発明は、予め原料架橋剤の調製を必要とせず、表面の強い粘着性(タック性)、経時でのオイルブリードが非常に少なく、ロール材料としては好適ではあるが、ポリオルガノシロキサン末端のジアルケニル基の方が、ポリオキシアルキレン末端のジアルケニル基よりヒドロシリル化反応が早いため、ポリオキシアルキレンが架橋に取り込まれにくく、導電率を上げるためには、高価なイオン導電性付与剤の添加量を増やす必要がある。
特開平7−300564号公報 特開平6−192486号公報 特開平8−120176号公報 特開2005−344102号公報 特開2011−32339号公報 特開2004−331786号公報
L.H.K. van Beekand and B. I. C. F. van Pul, J. Appl. Polymer Sci., 6,651(1962)
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ゴム表面の粘着性及びオイルブリードのない、電子写真式画像形成装置等に用いられるロール用ゴムの製造に好適な付加硬化型ゴム組成物、更に、ロール軸の外周に、ポリオキシアルキレンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンの溶解性、及び低反応性(低架橋反応率)を改善したイオン導電性ゴム層を設けたイオン導電性ゴムロールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン、(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を有し、かつアリーレン骨格を少なくとも1個有するケイ素原子数2〜100の有機ケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化反応触媒、並びに、(D)イオン導電性付与剤を含有するロール用付加硬化型ゴム組成物が、SiH基とアリーレン骨格を有する有機ケイ素化合物(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)を架橋剤に用いることで、ポリオキシアルキレンと架橋剤との溶解性、及び低反応性(低架橋反応率)を改善することができることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のロール用付加硬化型ゴム組成物及びイオン導電性ゴムロールを提供する。
〔1〕
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン:100質量部、
(B)下記式(I)群及び(II)群で表される有機ケイ素化合物、並びに(III)群これらの有機化合物に、アルコキシシリル基、アクリル基、メタクリル基、エステル基、無水カルボキシ基、イソシアネート基、アミノ基及びアミド基から選ばれる官能性基を導入した有機ケイ素化合物から選ばれる1種以上の有機ケイ素化合物:(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.01〜3.0となる量、
Figure 0005831399
(nは1〜4である。)
Figure 0005831399
から選ばれる基であり、Rw,Rxは非置換又は置換の一価炭化水素基である。n=1〜4であり、q=1〜50、h=0〜100である。)で示される基、R”は
Figure 0005831399

(Rw,Rxは上記と同様であり、y=0〜100である。)
から選ばれる基であり、Y’は
Figure 0005831399
(Rw,Rx,n,q,hは上記と同様である。)
である。z=1〜10である。〕
(C)ヒドロシリル化反応触媒:(A)成分に対して0.1〜1,000ppm、並びに、
(D)イオン導電性付与剤:0.5〜10質量部
を含有することを特徴とするロール用付加硬化型ゴム組成物。
〔2〕
(B)成分が、上記(I)群で表される有機ケイ素化合物から選ばれる1種以上である〔1〕記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
〔3〕
(B)成分が、下記式から選ばれる有機ケイ素化合物1種以上である〔1〕記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
Figure 0005831399
(nは1〜4である。)
〔4〕
(A)成分が、下記一般式で表されるものであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
Figure 0005831399
[式中、RはH又はCH3であり、sは0、1又は2であり、tは単位毎にそれぞれ2〜4の整数であり、uは2以上の整数である。]
〔5〕
(A)成分が、数平均分子量5,000以上のアルケニル基含有ポリオキシアルキレン50〜98質量%と数平均分子量500以下のアルケニル基含有ポリオキシアルキレン2〜50質量%(合計で100質量%)を含有することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
〔6〕
(D)成分が、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、又はイオン性液体であることを特徴とする〔1〕〜〔〕のいずれかに記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
〔7〕
(D)成分が、リチウム塩であることを特徴とする〔〕に記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
〔8〕
芯金と、該芯金の周囲に被覆された〔1〕〜〔〕のいずれかに記載のゴム組成物の硬化物からなるイオン導電性ゴム層とを有するイオン導電性ゴムロール。
本発明のロール用付加硬化型ゴム組成物を用いることで、加熱硬化後の硬化ゴムは、表面に粘着性(タック性)及びオイルブリードがなく、印加電圧の変化に対する抵抗値が安定したものとなる。
また、該組成物を用いて、物理特性や電気特性に優れたイオン導電性ゴムロールを製造することが可能となる。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
〔ロール用付加硬化型ゴム組成物〕
本発明のロール用付加硬化型ゴム組成物は、下記の(A)〜(D)成分を含有してなるものである。
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を有し、かつアリーレン骨格を少なくとも1個有するケイ素原子数2〜100の有機ケイ素化合物、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、
(D)イオン導電性付与剤。
該ゴム組成物を構成する各成分について、以下に説明する。
−(A)アルケニル基含有ポリオキシアルキレン−
本発明の(A)成分であるアルケニル基含有ポリオキシアルキレンは、公知のポリオキシアルキレン(いわゆるアルケニル基含有ポリエーテル)でよく、例えば、末端基を除いて、主鎖を構成する単位のほぼ100モル%近く(通常、95〜100モル%)がオキシアルキレン単位からなる基本的には直鎖状構造の重合体である。その具体例としては、主鎖構造として、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン、(オキシエチレン・オキシプロピレン)共重合体等が挙げられ、好ましくはポリオキシプロピレンが挙げられる。
(A)成分は、一分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜10個、特に好ましくは2〜4個のアルケニル基を有し、それらのアルケニル基は、分子鎖非末端にあっても、分子鎖末端にあってもよいが、(A)成分のポリオキシアルキレン分子の両末端を封鎖していることが好ましい。該アルケニル基は、炭素原子数が、好ましくは2〜8、特に好ましくは2〜6のアルケニル基であり、その具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等が挙げられ、好ましくは、ビニル基、アリル基が挙げられる。
上記のような(A)成分としては、下記一般式で表されるものを好適に用いることができる。
Figure 0005831399
[式中、RはH又はCH3であり、sは0、1又は2であり、tは単位毎にそれぞれ2〜4の整数であり、uは2以上、好ましくは2〜1,000、より好ましくは2〜500の整数である。]
その具体例としては、例えば、下記に示すものが挙げられる。
Figure 0005831399
[式中、v、wは、それぞれ2以上、好ましくは2〜1,000、より好ましくは2〜500、更に好ましくは5〜300の整数であり、v+wは4以上、好ましくは4〜1,000、より好ましくは4〜500の整数である。]
なお、(A)成分は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分全体の平均分子量は、数平均分子量で1,000〜50,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000である。特に数平均分子量が5,000〜30,000の範囲を満たすと、より物理的強度、硬化性等に優れたゴム組成物が得られる。なお、本発明において、数平均分子量は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン等を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の数平均分子量として測定することができる。
また、本発明者らは、(A)成分に関して、通電電圧に対する抵抗値の上昇を抑える上で、数平均分子量が5,000以上のアルケニル基含有ポリオキシアルキレン(a)と、数平均分子量が500以下のアルケニル基含有ポリオキシアルキレン(b)とを併用することが有効であることを見出した。これらのポリオキシアルキレン(a)とポリオキシアルキレン(b)との配合比は、それぞれ、50〜98質量%と2〜50質量%(合計で100質量%)であることが好ましく、50〜95質量%と5〜50質量%(合計で100質量%)であることがより好ましく、85〜95質量%と5〜15質量%(合計で100質量%)であることが特に好ましい。なお、ポリオキシアルキレン(b)が多すぎると、ゴムの引張り強度、切断時伸び等の物理特性が悪くなる場合がある。また、ポリオキシアルキレン(a)及び(b)は、それぞれ1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−(B)SiH基とアリーレン骨格を有する有機ケイ素化合物−
本発明に使用される(B)成分の有機ケイ素化合物は、本組成物を硬化(架橋)させるための成分であり、一分子中に少なくとも2個のSiH基(ケイ素原子結合水素原子)を有し、かつアリーレン骨格を少なくとも1個有するケイ素原子数2〜100、好ましくは2〜30の有機ケイ素化合物である。なお、本発明において「アリーレン骨格」とは、2〜6価、特には2〜4価の、フェニレン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造を包含する多価芳香族環構造を意味するものであり、(B)成分は、該アリーレン骨格を含有する、オルガノハイドロジェンシラン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等の有機ケイ素化合物である。
上記化合物としては、一分子中に少なくとも2個、通常2〜20個、特には3〜10個程度のSiH基(即ち、ケイ素原子に結合した水素原子)を有し、かつ、少なくとも1個、通常1〜4個のアリーレン骨格を有し、好適には更にグリシドキシ基等のエポキシ基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基などのアルコキシシリル基、エステル基、アクリル基、メタクリル基、無水カルボキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基などの官能基を1種又は2種以上含んでもよい、ケイ素原子数1〜100個、好ましくは1〜30個、より好ましくは2〜20個、特に好ましくは4〜10個程度の直鎖状又は環状のオルガノシロキサンオリゴマーやオルガノアルコキシシランなどの有機ケイ素化合物を好適に使用することができる。
このような化合物として、具体的には、下記に示す化合物を例示することができる。
Figure 0005831399
(nは1〜4である。)
Figure 0005831399
から選ばれる基であり、Rw,Rxは非置換又は置換の一価炭化水素基である。n=1〜4であり、q=1〜50、h=0〜100、好ましくはq=1〜20、h=1〜50である。)で示される基、R”は
Figure 0005831399
(Rw,Rxは上記と同様であり、y=0〜100である。)
から選ばれる基であり、Y’は
Figure 0005831399
(Rw,Rx,n,q,hは上記と同様である。)
である。z=1〜10である。〕
更に、上記化合物に、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基などのアルコキシシリル基、アクリル基、メタクリル基、エステル基、無水カルボキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基等の官能性基を更に導入した有機ケイ素化合物も使用することができる。
なお、上記Rw,Rxの非置換又は置換の一価炭化水素基としては、炭素原子数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基等や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるほか、置換の一価炭化水素基として、更にメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、N,N’−ジメチルアミノ基、N,N’−ジエチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキルアミノ基等で置換したものが挙げられる。
(B)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、(B)成分の配合量は、(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)のモル比が0.01〜3.0となる量、好ましくは0.5〜2.5となる量、より好ましくは0.8〜2.0となる量とすることが、硬化性及び硬化物(シリコーンゴム)の物性等の点から望ましい。上記モル比が0.01未満では硬化が不十分となり、未反応成分により硬化物に表面タック性やオイルブリード性等が生じてしまい、3.0を超えると過剰なSiH基が多量に残存して脱水素反応を生じたり、硬化物が硬度変化を生じたりしてしまう。
また、本組成物には、(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(例えば、分子中にアリーレン骨格を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン等)が含有されていてもよいが、その含有量は、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)に対する(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)の割合が50モル%以下(0〜50モル%)、特に30モル%以下(0〜30モル%)であることが望ましく、組成物中に(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有しないものであることが最も望ましい。
なお、組成物中に(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有する場合には、上記と同様の理由で、(A)成分中のアルケニル基に対する組成物全体中のSiH基のモル比が0.01〜3.0となる量、好ましくは0.5〜2.5となる量、より好ましくは0.8〜2.0となる量とすることが望ましい。なお、(B)成分は、分子中にアルケニル基等の脂肪族不飽和結合を含有しないものであることが好ましいが、(B)成分がアルケニル基を含有する場合には、組成物全体中のアルケニル基の合計に対する組成物全体中のSiH基のモル比が0.01〜3.0となる量、好ましくは0.5〜2.5となる量、より好ましくは0.8〜2.0となる量で(B)成分を配合することが望ましい。
−(C)ヒドロシリル化反応触媒−
本発明の(C)成分は、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)との付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。
該ヒドロシリル化反応触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体等、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属触媒が挙げられる。好ましくは、ビニルシロキサン配位化合物等の白金系化合物である。
なお、(C)成分は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の配合量は、有効量であり、所望の硬化速度に応じて増減することができるが、一般に、(C)成分中の白金族金属成分が、質量基準で、(A)成分に対して、0.1〜1,000ppmであることが好ましく、1〜200ppmであることがより好ましい。前記配合量が少なすぎると付加反応が著しく遅くなるか、もしくは硬化しなくなる場合があり、多すぎると得られる硬化物の耐熱性が低下する場合がある。
−(D)イオン導電性付与剤−
本発明の(D)成分であるイオン導電性付与剤は、得られる硬化物にイオン導電性を付与するためのものである。該イオン導電性付与剤は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、又はイオン性液体である。ここで、イオン性液体とは、室温(25℃)で液体である溶融塩であり、常温溶融塩とも呼ばれるものであり、特に融点が50℃以下、好ましくは−100〜30℃、より好ましくは−50〜20℃のものをいう。このようなイオン性液体は、蒸気圧がない(不揮発性)、高耐熱性、不燃性、化学的安定である等の特性を有するものである。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属の塩等が挙げられる。これらの具体例としては、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiAsF6、LiCl、NaSCN、KSCN、NaCl、NaI、KI等のアルカリ金属塩;Ca(ClO42、Ba(ClO42等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。低抵抗値と溶解度の点から、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiAsF6、LiCl等のリチウム塩が好ましく、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22が特に好ましい。
イオン性液体は、4級アンモニウムカチオンとアニオンとからなる。この4級アンモニウムカチオンは、イミダゾリウム、ピリジニウム又は式:R1 4+[式中、R1は、水素原子又は炭素原子数1〜20の有機基である。]で表されるカチオンのいずれかの形態である。
上記式中、R1で表される有機基としては、例えば、炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、アルコキシアルキル基等が挙げられる。より具体的には、例えば、メチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;エトキシエチル基(−CH2CH2OCH2CH3)等のアルコキシアルキル基が挙げられる。またR1で表される有機基のうちの2個が結合して環状構造を形成してもよく、この場合には2個のR1が一緒になって2価の有機基を形成する。この2価の有機基の主鎖は炭素のみで構成されていてもよいし、その中に酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。具体的には、例えば、2価炭化水素基[例えば、炭素原子数3〜10のアルキレン基]、式:−(CH2a−O−(CH2b−[式中、aは1〜5の整数であり、bは1〜5の整数であり、a+bは4〜10の整数である。]が挙げられる。
前記式:R1 4+で表されるカチオンの具体例としては、メチルトリn−オクチルアンモニウムカチオン、エトキシエチルメチルピロリジニウムカチオン、エトキシエチルメチルモルフォリニウムカチオン等が挙げられる。
前記アニオンとしては、特に制限はないが、例えば、AlCl4 -、Al3Cl8 -、Al2Cl7 -、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(CF3SO23-が好ましく、PF6 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-がより好ましい。
上記イオン導電性付与剤は、1種類単独でも2種類以上を組み合わせても使用することができる。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.5〜10質量部、好ましくは1〜10質量部である。この配合量が0.5質量部未満の場合には、1×105〜1×107Ω程度の目的とする抵抗値が得られない。10質量部を超える場合には、コスト面で問題となる。
なお、(D)成分は、そのままの状態で用いても、予め(A)成分であるポリオキシアルキレンの重合体に溶解してから用いてもよい。
−その他の任意成分−
上記の(A)〜(D)成分に加えて、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲において、下記の任意成分を添加することができる。任意成分としては、その他のシロキサン単位(シロキサン化合物)、無機充填剤、反応制御剤、耐熱性向上剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等が挙げられ、これらは、それぞれ1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・その他のシロキサン単位(シロキサン化合物)
アルケニル基含有ポリオキシアルキレンの架橋ネットワークの構築のため、アルケニル基含有ポリオキシアルキレンに可溶な、アルケニル基を含有する1官能性、2官能性、3官能性シロキサン単位の1種又は2種以上を組み合わせてなる、好適には分子中にSiH基を含有しない、直鎖状構造、環状構造、分岐鎖状構造又は三次元網状構造のシロキサン化合物を用いることができる。該アルケニル基含有シロキサン単位の具体例としては、例えば、(CH2=CH)SiO3/2、(CH2=CH)2SiO2/2、(CH2=CH)(C65)SiO2/2、(CH2=CH)2(CH3)SiO1/2、(CH2=CH)(CH32SiO1/2、(CH2=CH)(CH3)(C65)SiO1/2、(CH2=CH)(C652SiO1/2、(CH2=CH)2(C65)SiO1/2等が挙げられる。これらのシロキサン単位は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。分子中において、アルケニル基を含有しないその他のシロキサン単位としては、トリオルガノシロキシ単位(1官能性単位)、ジオルガノシロキサン単位(2官能性単位)、オルガノシルセスキオキサン単位(3官能性単位)及びSiO2単位(4官能性単位)から選ばれる任意の1種又は2種以上の組み合わせを含有することができる。
この場合、このシロキサン化合物の重合度(又は、分子中のケイ素原子数)は、大きすぎると(A)成分のポリオキシアルキレンと相溶し難くなるため、通常、2〜300、好ましくは2〜100、より好ましくは3〜50、特に好ましくは4〜20程度である。このシロキサン化合物の回転粘度計により測定した25℃における粘度は、通常、1〜10,000mPa・s、好ましくは1〜5,000mPa・s程度の液状であるものが好適に適用される。
また、上記シロキサン化合物の配合量は、上記(A)成分100質量部に対し0〜10質量部、配合する場合は0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜7質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部であることが好適である。配合量が多すぎると、シロキサン化合物に比べてヒドロシリル化付加反応が遅い(反応性が低い)(A)成分のポリオキシアルキレンが、配合時に設定された架橋構造を形成できない場合があったり、また、所定の導電率を得るために、高価なイオン導電性付与剤(D)の添加量を増大せざるを得なくなるおそれがある。
なお、上記アルケニル基含有シロキサン化合物を配合する場合には、組成物中のアルケニル基の合計(特には(A)成分中のアルケニル基と上記シロキサン化合物中のアルケニル基の合計)に対する(B)成分(あるいは(B)成分及び(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計)中のSiH基のモル比が0.01〜3.0、好ましくは0.5〜2.5、更に好ましくは0.8〜2.0となる量で配合することが望ましい。
・無機充填剤
上記無機充填剤は、得られる組成物の補強性を高める成分であり、従来、シリコーンゴム組成物に通常使用されるものを用いることができ、例えば、ヒュームドシリカ(乾式シリカ)、結晶性シリカ(石英粉)、沈降性シリカ(湿式シリカ)や、これらの各シリカ表面を疎水化処理したシリカ等のシリカ系無機充填剤を用いることができる。ヒュームドシリカや沈降性シリカは、補強性の点からBET比表面積が50〜500m2/gであることが好ましく、特に100〜400m2/gであることが好ましい。前記無機充填剤の具体例としては、商品名で挙げると、Aerosil130,200,300(日本アエロジル社製、Degussa社製)、CabosilMS−5,MS−7(Cabot社製)RheorosilQS−102,103(徳山曹達社製)、NipsilLP(日本シリカ工業社製)等の親水性シリカ;AerosilR−812,R−812S,R−972,R−974(Degussa社製)、RheorosilMT−10(徳山曹達社製)、NipsilSSシリーズ(日本シリカ工業社製)等の疎水性シリカ;クリスタライト、Minusil、Imisil等の結晶性シリカ等が挙げられる。
前記無機充填剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して300質量部以下(即ち、0〜300質量部)で配合することができ、特に5〜300質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましい。
・反応制御剤
上記反応制御剤は、付加反応触媒に対して硬化抑制効果を持つ化合物であり、公知の反応制御剤を使用することができる。該反応制御剤の具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素含有化合物;チウラムモノスルフィド、テトラメチレンスルホキシド等の硫黄含有化合物;3−メチル−1−ブチン−3−オール、1−エチニルシクロヘキサノール等のアセチレン系化合物;メチルビニルシクロテトラシロキサン、トリアリルイソシアヌレート等のアルケニル基を2個以上含む化合物;メチルエチルケトンハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド化合物;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジアリル等のマレイン酸誘導体が挙げられる。
上記反応制御剤による硬化抑制効果は、該反応制御剤の化学構造によって大きく異なる。従って、反応制御剤の配合量は、使用する反応制御剤ごとに最適な量に調整する必要があり、一概には決められないが、通常、その配合量が少なすぎると室温での長期間に渡る貯蔵安定性が得られ難く、多すぎると逆に硬化が阻害される場合がある。
・耐熱性向上剤
耐熱性向上剤としては、酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化鉄(ベンガラ)、酸化チタン、フェノール系酸化防止剤等の1種又は2種以上を使用することができる。耐熱性向上剤の添加量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部、更に好ましくは1〜8質量部である。この配合量が0.1質量部未満の場合、目的とする耐熱性向上の効果が得られ難い場合があり、15質量部を超える場合でも耐熱性向上の効果は望めないおそれがある。
本発明のロール用付加硬化型ゴム組成物は、上記各成分の所定量を常法に準じて混合することにより調製することができる。なお、本発明のロール用付加硬化型ゴム組成物は、25℃において液状のものが好ましい。
〔イオン導電性ゴムロール〕
上述した本発明のロール用付加硬化型ゴム組成物は、電子写真式画像形成装置等におけるロール用の材料として使用することができるものである。具体的には、例えば、電子写真式プリンター、複写機、ファクシミリ等における感光体の周りの帯電ロール、現像ロール、トナー供給ロール、転写ロールが挙げられる。該ロールとしては、例えば、芯金と、該芯金の周囲に被覆された上記ゴム組成物の硬化物からなるイオン導電性ゴム層とを有するイオン導電性ゴムロールが挙げられる。このようなイオン導電性ゴムロールの製造方法は公知であり、例えば、以下の工程により製造される。なお、ここでは好ましい形態の液状付加硬化型ゴム組成物を例に説明する。
まず、2液型ゴム組成物の各パートの所定量をスタティックミキサーで混合するか、又はゴム組成物の各成分をダイナミックミキサーでスクリュー回転によって混合するかして、得られる混合物を、予めプライマー処理を施した金属芯金が静置されたロール成形用の金型に注入する。次いで、注入したゴム組成物を加熱・硬化させ、金属芯金の外周にゴム層を形成した後に、ゴムロールを脱型する。更に、必要に応じて、そのゴム層の上にフッ素系コーティング剤、ウレタン系コーティング剤、ポリアミド系コーティング剤、アミノシラン系コーティング剤を塗布してもよい。
また、別の製造方法として、2液型ゴム組成物の各パートの所定量をスタティックミキサーで混合するか、又はゴム組成物の各成分をダイナミックミキサーでスクリュー回転によって混合するかして、得られる混合物を、予めプライマー処理を施した金属芯金が静置されたロール成形用の金型に注入する。次いで、注入したゴム組成物を加熱・硬化させ、金属芯金の外周にゴム層を形成し、ゴムロールを脱型した後に、該ゴムロールの表面を研磨する。更に、必要に応じて、そのゴム層の上にフッ素系コーティング剤、ウレタン系コーティング剤、ポリアミド系コーティング剤、アミノシラン系コーティング剤を塗布してもよい。
本発明のイオン導電性ゴムロールの製造に使用される金属芯金は、鉄、アルミニウム、ステンレススチール等のいずれを材料とするものでもよい。また、予めプライマー処理を施した金属芯金を使用してもよい。
なお、本発明のロール用付加硬化型ゴム組成物の硬化条件としては、硬化温度が、通常、60〜150℃、好ましくは80〜140℃、より好ましくは80〜120℃程度の条件が採用できる。硬化温度が低すぎると、硬化に長時間を要し生産性に劣ったり、また、硬化反応が不十分となり硬化物表面のタック性が強くなる場合がある。硬化温度が高すぎると、硬化物が変色したり、分解反応が起きる場合がある。硬化時間は、成形方法、成形温度(硬化温度)、成形品の形状等により異なるが、通常、30秒〜2時間、好ましくは1分〜1時間程度の条件が生産性等の点から望ましい。成形方法としては、注入成形、圧縮成形、射出成形、コーティング成形などの方法から適宜選択することが可能である。なお、上記のようにして硬化した硬化物(成形物)を必要に応じて、100〜150℃で10分〜2時間程度のポストキュア(2次硬化)することは任意である。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中において、「SiH/アルケニル基のモル比」とは、「(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)のモル比」を意味する。また、数平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によって測定した値である。
[実施例1]
両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン(数平均分子量:約7,200)100質量部と、両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン(数平均分子量:約480)8質量部と、下記式(1):
Figure 0005831399
で表されるアリーレン骨格を有するハイドロジェンポリシロキサン10.6質量部(SiH基/アルケニル基のモル比:1.0モル/モル)と、反応制御剤である1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.6質量部を混合し、そこに白金ビニルシロキサン錯体を白金族金属成分として前記ポリオキシプロピレンの合計に対して100ppm(質量基準)を添加し、均一になるまでよく混合した。次いで、LiN(CF3SO222質量部をよく混合して、液状ゴム組成物1を調製した。
[比較例1]
両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン(数平均分子量:約7,200)100質量部と、両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン(数平均分子量:約480)8質量部と、下記式(2):
Figure 0005831399
で表されるフェニル基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン13.4質量部(SiH基/アルケニル基のモル比:1.0モル/モル)と、反応制御剤である1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.6質量部を混合し、そこに白金ビニルシロキサン錯体を白金族金属成分として前記ポリオキシプロピレンの合計に対して100ppm(質量基準)を添加し、均一になるまでよく混合した。次いで、LiN(CF3SO222質量部をよく混合して、液状ゴム組成物2を調製した。
[比較例2]
両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン(数平均分子量:約7,200)100質量部と、両末端アリル基封鎖ポリオキシプロピレン(数平均分子量:約480)8質量部と、下記式(3):
Figure 0005831399
で表される1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン5.6質量部(SiH基/アルケニル基のモル比:1.0モル/モル)と、反応制御剤である1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.6質量部を混合し、そこに白金ビニルシロキサン錯体を白金族金属成分として前記ポリオキシプロピレンの合計に対して100ppm(質量基準)を添加し、均一になるまでよく混合した。次いで、LiN(CF3SO222質量部をよく混合して、液状ゴム組成物3を調製した。
〔評価用ゴムシートの作製〕
これらの液状ゴム組成物1〜3をそれぞれ金型の間に注入し、その金型を120℃に加熱し、その温度のまま10分間保持し、プレス硬化して、厚さ6mmのシート状硬化ゴム試験片1〜3の作製を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005831399
〔評価方法〕
液状ゴム組成物1,2から得られた厚さ6mmのシート状硬化ゴム試験片1,2について、下記の測定基準に従って、表面タック性、オイルブリード、硬度及び抵抗値を測定した。その結果を表2に示す。
〔測定方法〕
1.表面タック性
硬化ゴム試験片の表面を指触により、タックの有無を確認した。
2.オイルブリード
硬化ゴム試験片につき、硬化後24時間室温(25℃)で静置後の表面のオイルブリードの有無を目視により確認した。
3.硬度
硬化ゴム試験片(厚さ6mmのシート)を2枚重ね、アスカーC型硬度計を使用して、測定した。
4.抵抗値
硬化ゴム試験片(厚さ6mmのシート)を金属シャフトと電極板との間に挟み、1kgfの荷重をかけて、金属シャフトと電極板との間に10V、100V、500Vの直流電圧を印加して、抵抗値を測定した。
Figure 0005831399

Claims (8)

  1. (A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン:100質量部、
    (B)下記式(I)群及び(II)群で表される有機ケイ素化合物、並びに(III)群これらの有機化合物に、アルコキシシリル基、アクリル基、メタクリル基、エステル基、無水カルボキシ基、イソシアネート基、アミノ基及びアミド基から選ばれる官能性基を導入した有機ケイ素化合物から選ばれる1種以上の有機ケイ素化合物:(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.01〜3.0となる量、
    Figure 0005831399
    (nは1〜4である。)
    Figure 0005831399
    から選ばれる基であり、Rw,Rxは非置換又は置換の一価炭化水素基である。n=1〜4であり、q=1〜50、h=0〜100である。)で示される基、R”は
    Figure 0005831399
    (Rw,Rxは上記と同様であり、y=0〜100である。)
    から選ばれる基であり、Y’は
    Figure 0005831399
    (Rw,Rx,n,q,hは上記と同様である。)
    である。z=1〜10である。〕
    (C)ヒドロシリル化反応触媒:(A)成分に対して0.1〜1,000ppm、並びに
    (D)イオン導電性付与剤:0.5〜10質量部
    を含有することを特徴とするロール用付加硬化型ゴム組成物。
  2. (B)成分が、上記(I)群で表される有機ケイ素化合物から選ばれる1種以上である請求項1記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
  3. (B)成分が、下記式から選ばれる有機ケイ素化合物1種以上である請求項1記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
    Figure 0005831399
    (nは1〜4である。)
  4. (A)成分が、下記一般式で表されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
    Figure 0005831399
    [式中、RはH又はCH3であり、sは0、1又は2であり、tは単位毎にそれぞれ2〜4の整数であり、uは2以上の整数である。]
  5. (A)成分が、数平均分子量5,000以上のアルケニル基含有ポリオキシアルキレン50〜98質量%と数平均分子量500以下のアルケニル基含有ポリオキシアルキレン2〜50質量%(合計で100質量%)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
  6. (D)成分が、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、又はイオン性液体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
  7. (D)成分が、リチウム塩であることを特徴とする請求項に記載のロール用付加硬化型ゴム組成物。
  8. 芯金と、該芯金の周囲に被覆された請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物の硬化物からなるイオン導電性ゴム層とを有するイオン導電性ゴムロール。
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