JP4434136B2 - 自動変速機の異常判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された自動変速機に発生した異常を判定する装置に関し、特に、指示ギヤ段に対応するギヤ比が形成されないことを、広い領域において精度高く判定する装置に関する。
車両に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと歯車式変速機構とを組み合わせ、この歯車式変速機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の摩擦係合要素を選択的に係合および解放のいずれかに切り換えることにより、運転状態に応じてギヤ段を自動的に設定するように構成される。この自動変速機には、摩擦係合要素に対する作動圧の供給を制御して、これらを係合または解放させる油圧制御回路が設けられる。
この場合、油圧制御回路により、各摩擦係合要素に供給される作動圧を制御してギヤ段の制御つまり変速制御が実行されるように構成されるが、この油圧制御回路には、作動圧の生成、供給および排出、調圧等を行なう各種のソレノイドバルブが備えられる。これらのソレノイドバルブは、電気的な制御信号によって作動を制御することにより、摩擦係合要素等に供給される作動圧が制御される。
ところで、このような構成を有する自動変速機において、ソレノイドバルブに故障が生じる場合がある。このような故障として、ソレノイドバルブにおける断線や短絡等の電気的故障、プランジャのスティック(固着)や異物の噛み込みによるシール不良等の機械的故障、により正しく作動しなくなるものが考えられる。このような故障が発生すると、運転状態に応じて出力される変速指令に対して所望の摩擦係合要素が係合されず、または解放されないために、指令通りのギヤ段が形成されない場合がある。
特開平11−280898号公報(特許文献1)は、自動変速機において、故障が生じた場合の対応として、その故障が検出されたギヤ段を禁止し、他のギヤ段に変更するフェールセーフ制御を行なう場合に、そのフェールセーフ制御を適正かつ合理的に行なう自動変速機の制御装置を開示する。この自動変速機の制御装置は、トルクコンバータと、トルクコンバータを介してエンジンからの動力が入力される歯車式変速機構と、歯車式変速機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦係合要素と、これらの摩擦係合要素に対する作動圧の給排を制御して歯車式変速機構のギヤ段を切り換える油圧制御回路とを有する自動変速機の制御装置であって、歯車式変速機構の入力回転数と出力回転数とに基づいて実ギヤ比を演算する実ギヤ比演算手段と、運転状態に応じて変速指令を出力する変速指令出力手段と、出力手段で出力される変速指令によって指定された目標ギヤ段のギヤ比と実ギヤ比とを比較することにより変速指令通りに歯車式変速機構のギヤ比が達成されないギヤ故障を検出するギヤ故障検出手段と、車速を検出する車速検出手段とが備えられ、ギヤ故障が所定の高速側のギヤ段において生じたときには歯車式変速機構がニュートラル状態となるとともに、変速指令出力手段が、ギヤ故障検出手段により所定の高速側ギヤ段においてギヤ故障が検出された場合に、車速検出手段で検出されるギヤ故障検出時の車速が所定車速より低いときは、変速指令を、所定の高速側ギヤ段のギヤ比に最も近いギヤ比を有し且つ高速側ギヤ段よりも低速側の所定のギヤ段への変速指令に変更する一方、車速検出手段で検出されるギヤ故障検出時の車速が所定車速より高いときは、現変速指令を維持し、車速が所定車速よりも低くなったときに、変速指令を、所定の低速側ギヤ段への変速指令に変更するように構成されている。
この自動変速機の制御装置によると、変速指令が出力されているにも係わらず自動変速機がニュートラル状態となる故障が判定されたときには、自動変速機を形成可能なギヤ段に変速させることができる。これにより、自動変速機が形成可能なギヤ段に変速させることで、自動変速機がニュートラル状態に維持されるのが回避され、駆動力を駆動輪に伝達させることができる。
特開平11−280898号公報
特許文献1においては、自動変速機の入力軸回転数と出力軸回転数とから実ギヤ比を算出して、実ギヤ比が指示ギヤ段のギヤ比範囲(この範囲は回転数センサの検知精度等に基づいて予め定められているものとする)から外れているときには、変速指示通りにギヤ比が形成できないギヤ故障(ニュートラル故障や指示ギヤ段とは異なるギヤ段を形成)が生じた異常を検知できる。ところで、出力軸回転数が高回転領域になると、このような異常を的確に検知できない領域が広がる傾向があり、異常検知の精度の悪化を招くという問題がある。
しかしながら、特許文献1には、このような問題についての言及がない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高い検知精度で自動変速機に発生した異常を判定できる、自動変速機の異常判定装置を提供することである。
第1の発明に係る異常判定装置は、ギヤ比の異なる複数のギヤ段を成立させる自動変速機に発生したギヤの異常を判定する。この異常判定装置は、入力軸回転数と出力軸回転数とに基づき実ギヤ比を算出し、実ギヤ比が指示ギヤ段に基づき予め定められたギヤ比範囲から外れている場合に、ギヤ比の異常を判定するための第1の異常判定手段と、出力軸回転数と指示ギヤ段のギヤ比とに基づき入力軸同期回転数を算出し、入力軸回転数と入力軸同期回転数との差が予め定められた回転数範囲から外れている場合に、ギヤ比の異常を判定するための第2の異常判定手段と、隣接するギヤ段間において、指示ギヤ段がロー側のギヤ段であるときの回転数範囲における入力軸回転数の下限値よりも、指示ギヤ段がハイ側のギヤ段であるときの回転数範囲における入力軸回転数の上限値が上回らないように設定された基準回転数に対して、出力軸回転数が高回転域にあるか低回転域にあるかを判定するための判定手段と、出力軸回転数が低回転域にあると判定されたときには、第1の異常判定手段による異常判定を選択し、出力軸回転数が高回転域にあると判定されたときには、第2の異常判定手段による異常判定を選択して、ギヤ比の異常を判定するための異常判定手段とを含む。
第1の発明によると、第1の異常判定手段は、入力軸回転数と出力軸回転数とに基づき算出された実ギヤ比に基づき異常を判定する。ところが、第1の判定手段では、出力軸回転数が高くなるにしたがい、各ギヤ段の判定領域が広がる。このため、第1の異常判定手段は、出力軸回転数が基準回転数に対して低回転域である場合に適用する。第2の異常判定手段は、入力軸回転数と算出された同期回転数との差に基づき異常を判定する。この場合、異常判定がなされていない領域(ギヤ段判定領域)を狭くすることができ、ギヤ段判定領域以外の異常判定領域を広げることができるので、異常判定の精度悪化を抑えることができる。ところが、第2の判定手段では、出力軸回転数が低回転域である場合、隣接するギヤ段間において指示ギヤ段がロー側のギヤ段であるときの回転数範囲における入力軸回転数の下限値よりも、指示ギヤ段がハイ側のギヤ段であるときの回転数範囲における入力軸回転数の上限値が上回ることになり、ニュートラルになるギヤ故障を判定することができない。このため、第2の異常判定手段は、出力軸回転数が基準回転数に対して高回転域である場合に適用する。したがって、第1の異常判定手段および第2の異常判定手段を、出力軸回転数が基準回転数に対して低回転域であるか高回転域であるかにより、適用を分けて、それぞれの領域でより故障の検知精度を高めることができる。その結果、高い検知精度で自動変速機に発生した異常を判定できる、自動変速機の異常判定装置を提供することができる。
第2の発明に係る異常判定装置は、第1の発明の構成に加えて、基準回転数を指示ギヤ段に応じて設定するための設定手段をさらに含む。
第2の発明によると、いずれの異常判定手段を適用するのかを決定する基準回転数が、ギヤ段ごとに設定されるので、より高い検知精度で自動変速機に発生した異常を判定できる。
第3の発明に係る異常判定装置においては、第2の発明の構成に加えて、設定手段は、基準回転数については、下限値に対応した下限基準回転数と上限値に対応した上限基準回転数とを指示ギヤ段に応じて設定するための手段を含む。異常判定手段は、下限基準回転数に対して出力軸回転数が高回転域にあると判定されたとき、第2の異常判定手段により、入力軸回転数と算出された入力軸同期回転数との差が回転数範囲を規定する下限値未満である場合にギヤ比の異常を判定するための手段と、上限基準回転数に対して出力軸回転数が高回転域にあると判定されたとき、第2の異常判定手段により、入力軸回転数と算出された入力軸同期回転数との差が回転数範囲を規定する上限値以上である場合にギヤ比の異常を判定するための手段と、下限基準回転数に対して出力軸回転数が低回転域にあると判定されたとき、第1の異常判定手段により、算出された実ギヤ比がギヤ比範囲を規定する下限値未満である場合にギヤ比の異常を判定するための手段と、上限基準回転数に対して出力軸回転数が低回転域にあると判定されたとき、第1の異常判定手段により、算出されたギヤ比がギヤ比範囲を規定する上限値以上である場合にギヤ比の異常を判定するための手段とを含む。
第3の発明によると、各ギヤ段ごとに上限側および下限側の基準回転数を設定して、上限側と下限側とを区別して判定するので、さらに高い検知精度で自動変速機に発生した異常を判定できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る異常判定装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、FF以外の車両であってもよい。
車両は、エンジン1000と、オートマチックトランスミッション2000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、ディファレンシャルギヤ5000と、ドライブシャフト6000と、前輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。
オートマチックトランスミッション2000は、トルクコンバータ3200を介してエンジン1000に連結される。オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。
オートマチックトランスミッション2000の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ5000と噛合っている。ディファレンシャルギヤ5000にはドライブシャフト6000がスプライン嵌合などによって連結される。ドライブシャフト6000を介して、左右の前輪7000に動力が伝達される。
ECU8000には、車速センサ8002と、シフトレバー8004のポジションスイッチ8006と、アクセルペダル8008のアクセル開度センサ8010と、ブレーキペダル8012のストロークセンサ8014と、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度センサ8018と、エンジン回転数センサ8020と、入力軸回転数センサ8022と、出力軸回転数センサ8024とがハーネスなどを介して接続されている。
車速センサ8002は、ドライブシャフト6000の回転数から車両の速度を検知し、検知結果を表わす信号をECU8000に送信する。シフトレバー8004の位置は、ポジションスイッチ8006により検知され、検知結果を表わす信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8010は、アクセルペダル8008の開度を検知し、検知結果を表わす信号をECU8000に送信する。ストロークセンサ8014は、ブレーキペダル8012のストローク量を検知し、検知結果を表わす信号をECU8000に送信する。
スロットル開度センサ8018は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ8016の開度を検知し、検知結果を表わす信号をECU8000に送信する。電子スロットルバルブ8016により、エンジン1000に吸入される空気量(エンジン1000の出力)が調整される。
エンジン回転数センサ8020は、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト)の回転数を検知し、検知結果を表わす信号をECU8000に送信する。入力軸回転数センサ8022は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NIを検知し、検知結果を表わす信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8024は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOUTを検知し、検知結果を表わす信号をECU8000に送信する。なお、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NIは、後述するトルクコンバータ3200のタービン回転数NTである。
ECU8000は、車速センサ8002、ポジションスイッチ8006、アクセル開度センサ8010、ストロークセンサ8014、スロットル開度センサ8018、エンジン回転数センサ8020、入力軸回転数センサ8022、出力軸回転数センサ8024などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポジションであるときに、別途定められた変速線図に従って自動的に1速〜6速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、オートマチックトランスミッション2000を制御する。1速〜6速のギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション2000は前輪7000に駆動力を伝達し得る。
このような場合において、ECU8000は、ソレノイドバルブ等の異常によりニュートラル状態になった場合や、変速指令したギヤ段が形成されない場合に、速やかにその異常の発生を判定する。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸3100を有するトルクコンバータ3200に接続されている。プラネタリギヤユニット3000は、遊星歯車機構の第1セット3300と、遊星歯車機構の第2セット3400と、出力ギヤ3500と、ギヤケース3600に固定されたB1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620およびB3ブレーキ3630と、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650と、ワンウェイクラッチF3660とを含む。
第1セット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット3300は、サンギヤS(UD)3310と、ピニオンギヤ3320と、リングギヤR(UD)3330と、キャリアC(UD)3340とを含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結されている。ピニオンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピニオンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と噛合している。
リングギヤR(UD)3330は、B3ブレーキ3630によりギヤケース3600に固定される。キャリアC(UD)3340は、B1ブレーキ3610によりギヤケース3600に固定される。
第2セット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2セット3400は、サンギヤS(D)3410と、ショートピニオンギヤ3420と、キャリアC(1)3422と、ロングピニオンギヤ3430と、キャリアC(2)3432と、サンギヤS(S)3440と、リングギヤR(1)(R(2))3450とを含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピニオンギヤ3430と噛合している。キャリアC(1)3422は、出力ギヤ3500に連結されている。
ロングピニオンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピニオンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と噛合している。キャリアC(2)3432は、出力ギヤ3500に連結されている。
サンギヤS(S)3440は、C1クラッチ3640によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。リングギヤR(1)(R(2))3450は、B2ブレーキ3620により、ギヤケース3600に固定され、C2クラッチ3650によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。また、リングギヤR(1)(R(2))3450は、ワンウェイクラッチF3660に連結されており、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
ワンウェイクラッチF3660は、B2ブレーキ3620と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチF3660のアウターレースはギヤケース3600に固定され、インナーレースはリングギヤR(1)(R(2))3450に回転軸を介して連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。
なお、図2および図3に示すオートマチックトランスミッション2000においては、たとえば以下のような異常(故障)が発生し得る。4速から5速に自動変速されるときに、ソレノイドバルブ等の異常によりB3ブレーキ3630に油圧が供給されずB3ブレーキ3630が係合できないと、5速を形成できなくなりニュートラル状態になる。
本実施の形態に係る異常判定装置としてのECU8000は、このような変速制御中において出力された変速指令に対応するギヤ段が形成されない故障を、広い回転領域において検知する。
図4を参照して、本実施の形態に係るECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU8000は、出力軸回転数センサ8024により検知した出力軸回転数NOUTが基準回転数(たとえば1000rpm)以上であるか否かを判定する。この基準回転数としての1000rpmは、一例であって、隣接するギヤ段(たとえばN速のギヤ段と(N+1)速のギヤ段)の領域が重ならない回転数である。より具体的な説明については後述する。出力軸回転数NOUTが1000rpm以上であると(S100にてYES)、処理はS120へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS110へ移される。なお、出力軸回転数ではなく、車速センサ8002で検知した車速を用いて判断するようにしてもよい。
S110にて、ECU8000は、ギヤ比判定方法(1)を用いてギヤ段判定処理を実行する。このギヤ比判定方法(1)は、タービン回転数NT/出力軸回転数NOUT(=ギヤ比)で判定する方法であって、N速ギヤ比下限≦タービン回転数NT/出力軸回転数NOUT<N速ギヤ比上限を満足すると、実ギヤ段がN速であると判定する。すなわち、低回転領域においては、回転数比を用いてギヤ段を判断する。すなわち、出力軸回転数NOUT×N速ギヤ比下限≦タービン回転数NT<出力軸回転数NOUT×N速ギヤ比上限を満足すると、実ギヤ段がN速であると判定する。このため、出力軸回転数NOUTが高回転領域になると、実ギヤ段の判定領域が広がり、逆に故障判定領域が狭まったり、隣接するギヤ段での判定領域が重なったりする。
S120にて、ECU8000は、ギヤ比判定方法(2)を用いてギヤ段判定処理を実行する。このギヤ比判定方法(2)は、タービン回転数NT−出力軸回転数NOUT×ギヤ比で判定する方法であって、回転数差下限≦タービン回転数NT−(出力軸回転数NOUT×N速ギヤ比)<回転数差上限を満足すると、実ギヤ段がN速であると判定する。すなわち、高回転領域においては、回転数差を用いてギヤ段を判断する。回転数差を用いるので、出力軸回転数の上昇に伴う故障判定可能領域が狭まることを回避できる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000により制御されるギヤ段判定の動作について、図5および図6を参照して説明する。なお、図6は、従来の判定方法であって、出力軸回転数によらないで、一律にギヤ比でギヤ段を判断する場合を示す。
出力軸回転数センサ8024が検知した出力軸回転数NOUTが基準回転数の一例である1000rpm以上でないと(S100にてNO)、ギヤ比判定方法(1)が用いられる。
出力軸回転数センサ8024が検知した出力軸回転数NOUTが基準回転数の一例である1000rpm以上であると(S100にてYES)、ギヤ比判定方法(2)が用いられる。
[低回転領域における、N速判定域、(N+1)速判定域および故障判定可能領域]
図5に示すように、低回転領域(1000rpm未満)においては、
N速判定域は、
原点Aから伸びるNOUT×N速ギヤ比上限の直線ABと
原点Aから伸びるNOUT×N速ギヤ比下限の直線ACと
出力軸回転数NOUT1000rpmを表わす縦線の3つの直線に囲まれた三角形の領域ABCの部分である。
(N+1)速判定域は、
原点Aから伸びるNOUT×(N+1)速ギヤ比上限の直線ADと
原点Aから伸びるNOUT×(N+1)速ギヤ比下限の直線AEと
出力軸回転数NOUT1000rpmを表わす縦線の3つの直線に囲まれた三角形の領域ADEの部分である。
故障判定可能領域は、これらのN速判定域および(N+1)速判定域の間の領域であるので、
NOUT×N速ギヤ比下限の直線ACと
NOUT×(N+1)速ギヤ比上限の直線ADと
出力軸回転数NOUT1000rpmを表わす縦線の3つの直線に囲まれた三角形の領域ACDの部分である(図5の判定方法(1)の点網掛け部分)。
[高回転領域における、N速判定域、(N+1)速判定域および故障判定可能領域]
図5に示すように、高回転領域(1000rpm以上)においては、
N速判定域は、
N速回転数差上限(たとえばN速同期回転数の+50rpm)の直線BFと
N速回転数差下限(たとえばN速同期回転数の−50rpm)の直線CGと
出力軸回転数NOUT1000rpmを表わす縦線の3つの直線に囲まれた平行四辺形の領域BFGCの部分である。
(N+1)速判定域は、
(N+1)速回転数差上限(たとえばN速同期回転数の+50rpm)の直線DJと
(N+1)速回転数差下限(たとえばN速同期回転数の−50rpm)の直線EKと
出力軸回転数NOUT1000rpmを表わす縦線の3つの直線に囲まれた平行四辺形の領域DJKEの部分である。
故障判定可能領域は、これらのN速判定域および(N+1)速判定域の間の領域であるので、
N速回転数差下限の直線CGと
(N+1)速回転数差上限の直線DJと
出力軸回転数NOUT1000rpmを表わす縦線の3つの直線で囲まれた四角形の領域CGJDの部分である(図5の判定方法(2)の点網掛け部分)。
これに対して、従来のように全回転数領域において判定方法(1)で処理すると、故障判定可能領域は、図6に示すように、N速判定域である三角形の領域AXHの部分および(N+1)速判定域の間の三角形の領域AIYの間の三角形の領域AHIの部分である。すなわち、NOUT×N速ギヤ比下限の直線AHと、NOUT×(N+1)速ギヤ比上限の直線AIとで囲まれた三角形の領域AHIの部分である(図6の点網掛け部分)。
図6の点網掛け部分に示すような故障判定可能領域を、出力軸回転数NOUTによらないで出力軸回転数NOUTの全域において適用すると、以下のような問題がある。すなわち、(N+1)速のギヤ比が形成されている状態からニュートラル状態になる故障(ニュートラル故障)が発生して、タービン吹きが発生しても(図6の白点)、N速判定領域AXHに入っているので、ニュートラル故障であるとは判定されない。
これに対して、本実施の形態においては、高回転領域における故障判定可能領域を、図6に示す領域AHIから図5に示す領域AGJに広げている。このため、図6においては故障判定が不可能であったニュートラル故障によるタービン回転数NTの吹き上がりが、図5のN速判定領域BFGCに入っていないので、故障判定することができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る異常判定装置によると、出力軸回転数が基準回転数以上の高回転域である場合、入力軸回転数(タービン回転数NT)と算出された同期回転数(NOUT×ギヤ比)との差に基づき異常を判定する。この場合、異常判定ができない領域を狭くすることができ、異常判定の精度悪化を抑えることができる。また、出力軸回転数NOUTが基準回転数未満の低回転域である場合、算出された実ギヤ比(NT/NOUT)に基づき異常を判定する。入力軸回転数と算出された同期回転数との差が所定の回転数範囲から外れているか否かに基づき異常判定を行なうと、出力軸回転数が低いときには、隣接するギヤ段間において指示ギヤ段がロー側のギヤ段であるときの回転数範囲における入力軸回転数の下限値よりも指示ギヤ段がハイ側のギヤ段であるときの回転数範囲における入力軸回転数の上限値が上回ることになり、ニュートラルになるギヤ故障を判定することができない。しかしながら、このときには算出された実ギヤ比に基づき異常を判定することができる。
<第2の実施の形態>
以下に、第1の実施の形態に係る異常判定装置で実行されるプログラムとは異なるプログラムを実行する本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、車両のハードウェア構成(図1、図2および図3)は、第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態においては、回転数差で判定するギヤ比判定方法(2)を用いる回転数領域が、オートマチックトランスミッション2000のすべてのギヤ段で重ならないよう車速(出力軸回転数NOUT)を基準回転数と設定して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段の異常を判定する。
図7を参照して、本実施の形態に係るECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、図7に示すフローチャートの中で図4と同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、これらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
S200にて、ECU8000は、出力軸回転数センサ8024により検知した出力軸回転数NOUTが、基準回転数以上であるか否かを判定する。この基準回転数は、オートマチックトランスミッション2000におけるすべてのギヤ段(6段)で、全6段において隣接するギヤ段(6速と5速、5速と4速、4速と3速、3速と2速、2速と1速)の判定領域が重ならない回転数として設定される。出力軸回転数NOUTがこのような基準回転数以上であると(S200にてYES)、処理はS120へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS110へ移される。
図8に、本実施の形態における出力軸回転数とギヤ段の判定域との関係を示す。図8では、N速、(N+1)速、(N+2)速の3速分しか記載していない。図8に示すように、低回転域においては隣接するギヤ段の領域が重ならないため、ギヤ比判定方法(1)を用いてニュートラル故障を特定することが可能になる。高回転域においても、ギヤ段判定域が広がることなく、故障判定可能領域を広く設定できるので、誤判定を回避できる。
<第3の実施の形態>
以下に、第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る異常判定装置で実行されるプログラムとは異なるプログラムを実行する本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、車両のハードウェア構成(図1、図2および図3)は、第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態においては、回転数差で判定するギヤ比判定方法(2)を用いる回転数領域が、オートマチックトランスミッション2000の隣接するギヤ段毎で重ならないよう車速(出力軸回転数NOUT)に対して複数の基準回転数を設定して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段の異常を判定する。
図9を参照して、本実施の形態に係るECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、図9に示すフローチャートの中で図4と同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、これらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
S300にて、ECU8000は、出力軸回転数センサ8024により検知した出力軸回転数NOUTが、この処理において判定するギヤ段と隣接するギヤ段の判定領域と重ならない基準回転数以上であるか否かを判定する。この基準回転数は、オートマチックトランスミッション2000における判定対象のギヤ段と、これに隣接するギヤ段の判定領域が重ならない回転数として、ギヤ段毎に設定される。出力軸回転数NOUTがこのような基準回転数以上であると(S300にてYES)、処理はS120へ移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理はS110へ移される。
図10に、本実施の形態における出力軸回転数とギヤ段の判定域との関係を示す。図10では、N速、(N+1)速、(N+2)速の3速分しか記載していない。図10に示すように、低回転域においては隣接するギヤ段の領域が隣接するギヤ段で重ならないため、ギヤ比判定方法(1)を用いてニュートラル故障を特定することが可能になる。図10に示すように、(N+1)速および(N+2)速におけるギヤ比判定方法(1)を適用可能な出力軸回転数の上限値よりもN速におけるギヤ比判定方法(1)を適用可能な出力軸回転数の上限値の方が低い。このため、ギヤ段毎に基準回転数を設定するので、回転数差で判定する判定方法(2)を使用できる回転数領域を広げることができる。また、高回転域においても、ギヤ段判定域が広がることなく、故障判定可能領域を広く設定できるので、誤判定を回避できる。
<第4の実施の形態>
以下に、第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態に係る異常判定装置で実行されるプログラムとは異なるプログラムを実行する本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、車両のハードウェア構成(図1、図2および図3)は、第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態においては、実ギヤ段を判定する(判定方法(1))上限回転数および下限回転数別に基準回転数を設定する。すなわち、ギヤ段毎に回転数差で判定するギヤ比判定方法(2)を用いる回転領域が、オートマチックトランスミッション2000の隣接するギヤ段毎で重ならないように、ギヤ段毎に出力軸回転数NOUTの複数の基準回転数を設定して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段の異常を判定する。
図11を参照して、本実施の形態に係るECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S400にて、ECU8000は、出力軸回転数NOUTが故障判定対象のギヤ段での下限基準回転数以上であるか否かを判断する。出力軸回転数NOUTが故障判定対象のギヤ段での下限基準回転数以上であると(S400にてYES)、処理はS410へ移される。もしそうでないと(S400にてNO)、処理はS420へ移される。
S410にて、ECU8000は、出力軸回転数NOUTが故障判定対象のギヤ段での上限基準回転数以上であるか否かを判断する。出力軸回転数NOUTが故障判定対象のギヤ段での上限基準回転数以上であると(S410にてYES)、処理はS430へ移される。もしそうでないと(S410にてNO)、処理はS440へ移される。
S420にて、ECU8000は、出力軸回転数NOUTが故障判定対象のギヤ段での上限基準回転数以上であるか否かを判断する。出力軸回転数NOUTが故障判定対象のギヤ段での上限基準回転数以上であると(S420にてYES)、処理はS450へ移される。もしそうでないと(S420にてNO)、処理はS460へ移される。
S430にて、ECU8000は、ギヤ比判定処理を実行する。このとき、上述したギヤ比判定方法(2)と同様に、タービン回転数NT−出力軸回転数NOUT×ギヤ比で判定する。
S440にて、ECU8000は、ギヤ比判定処理を実行する。このとき、上限は、上述したギヤ比判定方法(1)と同様に、タービン回転数NT/出力軸回転数NOUTで判定して、下限は上述したギヤ比判定方法(2)と同様に、タービン回転数NT−出力軸回転数NOUT×ギヤ比で判定する。
S450にて、ECU8000は、ギヤ比判定処理を実行する。このとき、上限は、上述したギヤ比判定方法(2)と同様に、タービン回転数NT−出力軸回転数NOUT×ギヤ比で判定して、下限は上述したギヤ比判定方法(1)と同様に、タービン回転数NT/出力軸回転数NOUTで判定する。
S460にて、ECU8000は、ギヤ比判定処理を実行する。このとき、上述したギヤ比判定方法(1)と同様に、タービン回転数NT/出力軸回転数NOUTで判定する。
図12に、本実施の形態における出力軸回転数とギヤ段の判定域との関係を示す。図12では、N速、(N+1)速、(N+2)速の3速分しか記載していない。図12に示すように、隣接するギヤ段の領域が上限側と下限側とで区別して出力軸回転数に対する基準回転数を設定する。このため、ギヤ段毎かつ上限側および下限側毎に基準回転数を設定するので、回転数差で判定する判定方法(2)を使用できる回転数領域をより広げることができる。また、高回転域においても、ギヤ段判定域が広がることなく、故障判定可能領域を広く設定できるので、誤判定を回避できる。
より具体的には、下記の条件((1)または(2))かつ((3)または(4))が成立すると実ギヤ段はN速であると判定できる。
(1)出力軸回転数NOUTがN速での下限基準回転数未満のときに、
N速ギヤ比下限≦タービン回転数NT/出力軸回転数NOUT
(2)出力軸回転数NOUTがN速での下限基準回転数以上のときに、
回転数差下限≦タービン回転数NT−出力軸回転数NOUT×N速ギヤ比
(3)出力軸回転数NOUTがN速での上限基準回転数未満のときに、
タービン回転数NT/出力軸回転数NOUT<N速ギヤ比上限
(4)出力軸回転数NOUTがN速での上限基準回転数以上のときに、
タービン回転数NT−出力軸回転数NOUT×N速ギヤ比<回転数差上限
さらに、図12を図11のステップ番号に対応させて、どの出力軸回転数NOUTの領域で、どのような判定処理が行なわれるのかの一例を示す。
以上のように、ギヤ段毎に上限側および下限側の基準回転数を設定して、上限および下限の基準回転数に基づいて、実ギヤ比を用いる判定方法(1)、回転数差を用いる判定方法(2)を適切に使い分けることができる。このため、故障判定できる回転数領域をさらに広げることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1の実施の形態に係るパワートレーンを示す概略構成図である。 オートマチックトランスミッションにおけるギヤトレーンを示すスケルトン図である。 オートマチックトランスミッションの作動表を示す図である。 第1の実施の形態に係るECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図4に示すプログラムが実行された場合のギヤ比判定状態を示す図である。 従来の場合のギヤ比判定状態を示す図である。 第2の実施の形態に係るECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図7に示すプログラムが実行された場合のギヤ比判定状態を示す図である。 第3の実施の形態に係るECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図9に示すプログラムが実行された場合のギヤ比判定状態を示す図である。 第4の実施の形態に係るECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図11に示すプログラムが実行された場合のギヤ比判定状態を示す図である。
符号の説明
1000 エンジン、2000 オートマチックトランスミッション、3000 プラネタリギヤユニット、3100 入力軸、3200 トルクコンバータ、3210 出力軸、3610 B1ブレーキ、3620 B2ブレーキ、3630 B3ブレーキ、3640 C1クラッチ、3650 C2クラッチ、3660 ワンウェイクラッチF、4000 油圧回路、8000 ECU、8002 車速センサ、8004 シフトレバー、8006 ポジションスイッチ、8008 アクセルペダル、8010 アクセル開度センサ、8012 ブレーキペダル、8014 ストロークセンサ、8016 電子スロットルバルブ、8018 スロットル開度センサ、8020 エンジン回転数センサ、8022 入力軸回転数センサ、8024 出力軸回転数センサ。

Claims (3)

  1. ギヤ比の異なる複数のギヤ段を成立させる自動変速機の異常判定装置であって、
    入力軸回転数と出力軸回転数とに基づき実ギヤ比を算出し、前記実ギヤ比が指示ギヤ段に基づき予め定められたギヤ比範囲から外れている場合に、ギヤ比の異常を判定するための第1の異常判定手段と、
    前記出力軸回転数と指示ギヤ段のギヤ比とに基づき入力軸同期回転数を算出し、入力軸回転数と前記入力軸同期回転数との差が予め定められた回転数範囲から外れている場合に、ギヤ比の異常を判定するための第2の異常判定手段と、
    隣接するギヤ段間において、指示ギヤ段がロー側のギヤ段であるときの前記回転数範囲における入力軸回転数の下限値よりも、指示ギヤ段がハイ側のギヤ段であるときの前記回転数範囲における入力軸回転数の上限値が上回らないように設定された基準回転数に対して、前記出力軸回転数が高回転域にあるか低回転域にあるかを判定するための判定手段と、
    前記出力軸回転数が低回転域にあると判定されたときには、前記第1の異常判定手段による異常判定を選択し、前記出力軸回転数が高回転域にあると判定されたときには、前記第2の異常判定手段による異常判定を選択して、ギヤ比の異常を判定するための異常判定手段とを含む、自動変速機の異常判定装置。
  2. 前記異常判定装置は、前記基準回転数を指示ギヤ段に応じて設定するための設定手段をさらに含む、請求項1に記載の自動変速機の異常判定装置。
  3. 前記設定手段は、前記基準回転数については、前記下限値に対応した下限基準回転数と前記上限値に対応した上限基準回転数とを指示ギヤ段に応じて設定するための手段を含み、
    前記異常判定手段は、
    前記下限基準回転数に対して前記出力軸回転数が高回転域にあると判定されたとき、前記第2の異常判定手段により、入力軸回転数と算出された入力軸同期回転数との差が前記回転数範囲を規定する下限値未満である場合にギヤ比の異常を判定するための手段と、
    前記上限基準回転数に対して前記出力軸回転数が高回転域にあると判定されたとき、前記第2の異常判定手段により、入力軸回転数と算出された入力軸同期回転数との差が前記回転数範囲を規定する上限値以上である場合にギヤ比の異常を判定するための手段と、
    前記下限基準回転数に対して前記出力軸回転数が低回転域にあると判定されたとき、前記第1の異常判定手段により、算出された実ギヤ比が前記ギヤ比範囲を規定する下限値未満である場合にギヤ比の異常を判定するための手段と、
    前記上限基準回転数に対して前記出力軸回転数が低回転域にあると判定されたとき、前記第1の異常判定手段により、算出されたギヤ比が前記ギヤ比範囲を規定する上限値以上である場合にギヤ比の異常を判定するための手段とを含む、請求項2に記載の自動変速機の異常判定装置。
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