JP2004308685A - エンジン制御システム - Google Patents
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- F16H2061/1212—Plausibility checks; Counting means for repeated failures
Abstract
【課題】ニュートラルポジションスイッチ等の変速操作スイッチ系の異常故障を精度良く検出することのできるエンジン制御システムを提供する。
【解決手段】運転者がシフトレバーの変速操作とクラッチペダルのON、OFFを繰り返すことにより、エンジン回転数(NE)と車速(V)との速度比(NV比)によって算出される手動歯車変速機のギヤポジション(変速段)が変化する毎に、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が1回ずつ増えていく。そして、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR:例えば3〜5回)を超えて故障診断実施条件を満足した際に、ニュートラルポジションスイッチの変化回数(CNTLSWCHG)が所定値(例えば0回)以下の場合には、ニュートラルポジションスイッチ等の変速操作スイッチ系が異常故障または異常作動していると判断できる。
【選択図】 図7
【解決手段】運転者がシフトレバーの変速操作とクラッチペダルのON、OFFを繰り返すことにより、エンジン回転数(NE)と車速(V)との速度比(NV比)によって算出される手動歯車変速機のギヤポジション(変速段)が変化する毎に、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が1回ずつ増えていく。そして、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR:例えば3〜5回)を超えて故障診断実施条件を満足した際に、ニュートラルポジションスイッチの変化回数(CNTLSWCHG)が所定値(例えば0回)以下の場合には、ニュートラルポジションスイッチ等の変速操作スイッチ系が異常故障または異常作動していると判断できる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の変速操作に応じて、エンジントルクまたは燃料噴射量または燃料噴射圧力を変更するアクチュエータを制御するエンジン制御ユニットを備えたエンジン制御システムに関するもので、特にシフトチェンジ回数に対するシフトスイッチの変化回数によってシフトスイッチ系の異常故障を診断するエンジン制御システムに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大型車両用エンジンを制御するエンジン制御システムとして、車両の走行速度(車速)が予め定められた目標制限速度異常であることを検出すると、エンジン回転速度や燃料噴射量を低く抑えることにより車速制限を行う車速制限手段を備えた車速制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、エンジン制御システムとして、ニュートラルポジションスイッチによってシフトレバーがニュートラル位置にあることが検出された時点から、シフトレバーがニュートラル位置にないことが検出された後に一定期間が経過する時点まで、車速制限を一時的に解除して、大型車両でみられるギヤチェンジの際に行われるエンジン回転速度合わせに支障を来たさないようにした車速制御システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
さらに、従来より、トラックやバス等の大型車両(例えばディーゼルエンジン搭載車)には、エンジンの回転動力を各車輪に伝達するための多段歯車変速機として、前進側の変速段が多段化されて、エンジンの回転速度を所定の変速比に変速する手動歯車変速機が搭載されている。そして、近年、大型車両用の手動歯車変速機のギヤポジション(変速段:例えば中立位置、1速位置、2速位置、3速位置等)に応じて、エンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力の緻密な適合を可能としたエンジン制御システムが開発されており、それにより、大型車両等の自動車から排出される排気ガスの低減および商品性(騒音、ドライバビリティ等)の向上を図るようにしたエンジン制御システムも提案されつつある。
【0004】
【特許文献1】
特開平06−144078号公報(第1−8頁、図1−図4)
【特許文献2】
特開平11−351000号公報(第1−10頁、図1−図11)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように、手動歯車変速機のギヤポジションに応じて、エンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力を変更するアクチュエータを制御するようにしたエンジン制御システムにおいて、手動歯車変速機のギヤポジションに応じてエンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力を電気的に制御するということは、例えばニュートラルポジションスイッチやクラッチスイッチ等の異常故障によって現在の手動歯車変速機のギヤポジション(変速段)、あるいは現在のシフトレバーの変速操作位置(シフト操作位置)の情報が正しく入力できなくなると、排気ガス、騒音、ドライバビリティ等の性能が悪化することになる。
【0006】
例えばニュートラルポジションスイッチによってシフトレバーがニュートラル位置にあるか否かの検出を行い、クラッチペダルを踏んでエンジンの出力軸から手動歯車変速機の入力軸への動力伝達を遮断した無負荷状態(例えばニュートラル状態)と、エンジンの出力軸と手動歯車変速機の入力軸とを動力伝達可能に接続したギヤIN状態(例えば手動歯車変速機の変速段が1速)とで制御値(例えばアイドル回転速度の目標値等)の切り替えを行うようなエンジン制御システムの場合には、ニュートラルポジションスイッチが異常故障した場合、ギヤIN状態での性能が狙い値よりも悪化することになる。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、ギヤポジションスイッチ、シフトレバースイッチ、ニュートラルポジションスイッチ、クラッチスイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチ等の変速回数検出手段の異常故障を精度良く検出することのできるエンジン制御システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、変速回数推定手段によって推定された多段歯車変速機の変速回数の推定値と変速回数検出手段によって検出された多段歯車変速機の変速回数の検出値とが異なると、変速回数検出手段が異常故障であると判定する異常故障判定手段を設けたことにより、変速回数検出手段の信頼性の低下(異常故障)を誤判定することなく、精度良く検出することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、変速回数推定手段によって推定された多段歯車変速機の変速回数の推定値と変速回数検出手段によって検出された多段歯車変速機の変速回数の検出値との異なる回数が所定回数以上であるか否かによって、変速回数検出手段が異常故障であるか正常であるかを判定することにより、多段歯車変速機の変速回数の推定値と多段歯車変速機の変速回数の検出値との不一致情報(不一致回数)が多くカウントされることにより、変速回数検出手段の異常故障が生じている確度が高い情報を得ることができる。すなわち、変速回数検出手段の信頼性の低下(異常故障)を誤判定することなく、精度良く検出することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、エンジンの出力軸の回転速度(第1検出値)を検出し、また、多段歯車変速機の出力軸の回転速度(第2検出値)を検出して、第1検出値と第2検出値との速度比から、多段歯車変速機のギヤポジションの変化を推定するギヤポジション変化推定手段を設けている。そして、このギヤポジション変化推定手段によって多段歯車変速機のギヤポジションの変化が推定される毎に、多段歯車変速機の変速回数をN回ずつ積算する変速回数積算手段を設けている。これにより、多段歯車変速機の変速回数を精度良く、しかも容易に推定することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、変速操作検出手段によって使用者の変速操作が実施される毎に、多段歯車変速機の実際の変速回数をN回ずつ積算する変速回数積算手段を設けている。これにより、多段歯車変速機の実際の変速回数を精度良く、しかも容易に検出することができる。また、請求項5に記載の発明によれば、上記の変速操作検出手段として、多段歯車変速機の変速段が実際に変化した際に信号を出力するギヤポジションスイッチ、使用者がシフトレバーを所定の変速位置に入れると信号を出力するシフトレバースイッチ、使用者がシフトレバーを中立位置に入れると信号を出力するニュートラルポジションスイッチ、クラッチペダルを踏むと信号を出力するクラッチスイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチを使用しても良い。
【0012】
請求項6に記載の発明によれば、変速回数検出手段が異常故障と判断された際に、変速回数検出手段の修理または交換を促す視覚または聴覚表示手段を設けたことにより、変速回数検出手段の信頼性の低下を精度良く検出することができ、且つ信頼性の低下した変速回数検出手段を修理することを適切なタイミングで使用者に促すことができる。また、信頼性の低下した変速回数検出手段を正常なものに交換することを適切なタイミングで使用者に促すことができる。
【0013】
請求項7に記載の発明によれば、エンジン制御システムは、変速段検出手段によって検出された多段歯車変速機の変速段、あるいは変速操作検出手段によって検出された使用者の変速操作に応じて、エンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力を変更するアクチュエータを制御するエンジン制御ユニットを設けていることを特徴としている。これにより、自動車から排出される排気ガスの低減および商品性(騒音、ドライバビリティ等)の向上を図ることができる。
【0014】
請求項8に記載の発明によれば、エンジン制御システムとして、エンジンにより回転駆動される燃料供給ポンプによって加圧圧送された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、コモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒毎に搭載された燃料噴射弁を介してエンジンの各気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射システムを採用しても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
[実施形態の構成]
図1ないし図7は本発明の実施形態を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した図である。
【0016】
本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムは、大型車両(例えばディーゼルエンジン搭載車)に搭載されるものであり、主として、多気筒ディーゼルエンジン(以下エンジンと言う)1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器としてのコモンレール2と、エンジン1の各気筒毎に搭載された複数個(本例では4個)のインジェクタ3と、後記する吸入調量弁5を経て加圧室内に吸入される燃料を加圧してコモンレール2に圧送する燃料供給ポンプ4と、複数個のインジェクタ3および燃料供給ポンプ4を電子制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
【0017】
エンジン1の出力軸は、図示しないクラッチを介してエンジン1の回転動力を各車輪に伝達するための動力伝達装置としての多段歯車変速機の入力軸に連結されている。そして、本実施形態では、多段歯車変速機として、前進側の変速段が多段化されて、エンジン1の回転速度を所定の変速比に変速する手動歯車変速機6が搭載されている。なお、多段歯車変速機として、前進5段後退1段歯車変速機を採用すると、動力性能、燃費、静粛性の向上等の効果が得られる。
【0018】
コモンレール2には、連続的に燃料噴射圧力に相当する高圧燃料が蓄圧される必要があり、そのために燃料配管(高圧燃料流路)11を介して高圧燃料を吐出する燃料供給ポンプ4の吐出口と接続されている。なお、インジェクタ3および燃料供給ポンプ4からのリーク燃料は、リーク配管(燃料還流路)12、13、14を経て燃料タンク7にリターンされる。また、コモンレール2から燃料タンク7へのリリーフ配管(燃料還流路)15には、プレッシャリミッタ16が取り付けられている。そのプレッシャリミッタ16は、コモンレール2内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁してコモンレール2内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるための圧力安全弁である。
【0019】
複数個のインジェクタ3は、コモンレール2より分岐する複数の分岐管17の下流端に接続されて、先端部に噴射孔を有するノズルボディ内にノズルニードルを摺動自在に収容した燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータ(図示せず)、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段等よりなる電磁式燃料噴射弁である。そして、各気筒のインジェクタ3からエンジン1の各気筒の燃焼室内への燃料噴射は、各分岐管17の下流端に接続された電磁式アクチュエータとしての電磁弁への通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。つまり、各気筒のインジェクタ3の電磁弁が開弁している間、コモンレール2内に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の気筒の燃焼室内に噴射供給される。
【0020】
燃料供給ポンプ4は、エンジン1のクランク軸(クランクシャフト)18の回転に伴ってポンプ駆動軸19が回転することで燃料タンク7内の燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸19により駆動されるプランジャ(図示せず)と、このプランジャの往復運動により燃料を加圧する加圧室(プランジャ室:図示せず)とを有している。そして、燃料供給ポンプ4は、フィードポンプから吸入調量弁5を経て加圧室内に吸入される燃料を加圧して吐出口からコモンレール2へ高圧燃料を圧送する高圧供給ポンプ(サプライポンプ)である。この燃料供給ポンプ4のフィードポンプから加圧室へ燃料を供給する燃料吸入経路の途中には、その燃料吸入経路の開口面積を変更する吸入調量弁(SCV)5が取り付けられている。
【0021】
吸入調量弁5は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10からのポンプ駆動信号によって電子制御されることにより、燃料供給ポンプ4のフィードポンプから燃料吸入経路を経て加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整するポンプ流量制御弁(吸入量調整用電磁弁)で、各インジェクタ3からエンジン1へ噴射供給する燃料噴射圧力、つまりコモンレール2内の燃料圧力(コモンレール圧力)を変更する電磁式アクチュエータである。ここで、本実施形態の吸入調量弁5は、燃料吸入経路の開口面積を変更するバルブ(弁体)と、ポンプ駆動信号に応じて弁開度(弁孔の開口面積またはバルブのリフト量)を調整するためのソレノイドコイル(電磁コイル)とを有し、このソレノイドコイルへの通電が停止されると弁開度が全開状態となるノーマリオープンタイプの電磁弁である。
【0022】
本実施形態のECU10は、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムや制御データを保存するメモリ(ROMやRAM)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路、ポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)すると、ECU電源の供給が成され、メモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、例えば燃料噴射量または燃料噴射圧力(コモンレール圧力)が制御値となるように電子制御するように構成されている。また、ECU10は、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されてECU電源の供給が断たれると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づく上記の制御が強制的に終了されるように構成されている。
【0023】
ここで、各種センサからのセンサ信号、および一部のスイッチからのスイッチ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。そして、マイクロコンピュータの入力回路には、エンジン回転速度(以下エンジン回転数と呼ぶ:NE)を検出する回転速度センサ(第1回転速度検出手段)21、アクセルペダルの踏み込み量であるアクセル操作量(以下アクセル開度と呼ぶ:ACCP)を検出するアクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)22、エンジン冷却水温(THW)を検出する冷却水温センサ(図示せず)、および燃料供給ポンプ4内に吸入されるポンプ吸入側の燃料温度(THF)を検出する燃料温度センサ(図示せず)等が接続されている。
【0024】
また、マイクロコンピュータの入力回路には、図1および図2に示したように、車両情報も入力可能とされており、例えば車両の走行速度を検出する車速センサ(第2回転速度検出手段)23、運転者によってシフトレバーが操作されてシフトレバーが中立位置(ニュートラルポジション)に有る時にオン(ON)信号を出力するニュートラルポジションスイッチ24、および運転者がクラッチペダルを踏み込んだ際にオン(ON)信号を出力するクラッチスイッチ25等が接続されている。車速センサ23は、例えば手動歯車変速機6の出力軸の回転速度を計測して車両の走行速度(以下車速と呼ぶ:V)を検出する車速検出手段である。なお、車速検出手段として車輪速度を検出する車輪速度センサを用いても良い。
【0025】
また、ニュートラルポジションスイッチ24は、運転者によってシフトレバーが操作されてシフトレバーが中立位置(ニュートラルポジション)にない時にはオフ(OFF)信号を出力する無負荷状態検出手段(ギヤIN状態検出手段)である。また、クラッチスイッチ25は、運転者がクラッチペダルより足を離すとオフ(OFF)信号を出力する無負荷状態検出手段(ギヤIN状態検出手段)である。
【0026】
なお、運転者の変速操作を検出する変速操作検出手段として、上記のニュートラルポジションスイッチ24、上記のクラッチスイッチ25、手動歯車変速機6の変速段が実際に変化した際にオン(ON)信号を出力するギヤポジションスイッチ、使用者がシフトレバーを所定の変速位置(例えば1速位置、2速位置、3速位置、4速位置等のいずれかの変速位置)に入れるとオン(ON)信号を出力し、また、所定の変速位置からシフトレバーが抜けるとオフ(OFF)信号を出力するシフトレバースイッチ(シフト操作スイッチ)のうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチを設けても良い。
【0027】
また、ECU10は、各気筒のインジェクタ3の噴射孔から噴射される燃料噴射量を制御する噴射量制御手段を有している。これは、エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とによって基本噴射量(Q)を演算する基本噴射量決定手段と、手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)または手動歯車変速機6のギヤポジションを変更するシフトレバーの操作位置とエンジン冷却水温(THW)と燃料温度(THF)等により算出される噴射量補正量を基本噴射量(Q)を加味して指令噴射量(QFIN)を演算する指令噴射量決定手段と、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって指令噴射時期(T)を演算する噴射時期決定手段と、コモンレール圧力(PC)と指令噴射量(QFIN)とによってインジェクタ3の電磁弁の通電時間(噴射パルス長さ、指令噴射期間:TQ)を演算する噴射期間決定手段と、インジェクタ駆動回路を介して各気筒のインジェクタ3の電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流(インジェクタ噴射パルス)を印加するインジェクタ駆動手段とから構成されている。
【0028】
また、ECU10は、エンジン1の運転条件に応じた最適なコモンレール圧力を演算し、ポンプ駆動回路を介して燃料供給ポンプ4の吸入調量弁5を駆動する噴射圧力制御手段(吐出量制御手段)を有している。これは、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって目標コモンレール圧力(PFIN)を演算する目標噴射圧力決定手段を有し、目標コモンレール圧力(PFIN)を達成するために、吸入調量弁5のソレノイドコイルにポンプ駆動信号(SCV駆動電流値)を調整して、燃料供給ポンプ4より吐出される燃料吐出量を制御するように構成されている。
【0029】
さらに、より好ましくは、燃料圧力センサ26をコモンレール2に取り付けて、その燃料圧力センサ26によって検出されるコモンレール圧力(PC)が目標コモンレール圧力(PFIN)と略一致するように、吸入調量弁5のソレノイドコイルへのポンプ駆動信号(SCV駆動電流値)をフィードバック制御することが望ましい。なお、吸入調量弁5のソレノイドコイルへのSCV駆動電流値の制御は、デューティ(DUTY)制御により行うことが望ましい。例えばコモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)に応じて単位時間当たりのポンプ駆動信号のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、吸入調量弁5の弁開度(弁孔の開口面積またはバルブのリフト量)を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能となる。
【0030】
また、ECU10は、回転速度センサ21によって検出されたエンジン回転数(NE)および車速センサ23によって検出された車速(V)から、手動歯車変速機6のギヤポジションの変化を検出するギヤポジション変化推定手段と、手動歯車変速機6のギヤポジションの変化が推定される毎に、手動歯車変速機6の変速回数をN回(例えば1回)ずつ積算する変速回数積算手段と、運転者の変速操作が実施される毎に、手動歯車変速機6の実際の変速回数をN回(例えば1回)ずつ積算する変速回数積算手段とを有している。
【0031】
[実施形態の制御方法]
次に、本実施形態のニュートラルポジションスイッチ24、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチの故障診断方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図3および図4は変速操作スイッチの故障診断方法を示したフローチャートである。
【0032】
先ず、図5の特性図を用いて、エンジン回転数(NE)と車速(V)との速度比(NV比)によって、手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)を算出する(ステップS1)。例えば車速(V)×K1≦エンジン回転数(NE)≦車速(V)×K2が所定時間(T1)継続している時に、ギアポジション(GEARP)が1速というように判定する。
【0033】
次に、手動歯車変速機6のギヤポジションが変化したか否かを判定する。すなわち、GEARP≠GEARP(i−1)であるか否かを判定する(ステップS2)。この判定結果がNOの場合には、ステップS4の処理に進む。また、ステップS2の判定結果がYESの場合、つまり手動歯車変速機6のギヤポジションが変化した場合には、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)をインクリメント(CGEARPCHG(i−1)+1)する(ステップS3)。
【0034】
次に、ニュートラルポジションスイッチ24が変化(ON⇔OFF)したか否かを判定する(ステップS4)。この判定結果がNOの場合には、ステップS6の処理に進む。また、ステップS4の判定結果がYESの場合、つまりニュートラルポジションスイッチ24が変化(ON⇔OFF)した場合には、ニュートラルポジションスイッチ変化回数(CNTLSWCHG)をインクリメント(CNTLSWCHG(i−1)+1)する(ステップS5)。
【0035】
ここでは、ニュートラルポジションスイッチ24のON⇒OFF時、OFF⇒ON時共にインクリメントしているが、ニュートラルポジションスイッチ24のON⇒OFF時、OFF⇒ON時のうちのいずれか一方のみでも良い。なお、ニュートラルポジションスイッチ24のON⇒OFF時、OFF⇒ON時共にインクリメントしている理由は、ニュートラルポジションスイッチ24のA/Dタイミングによってはニュートラルポジションスイッチ24の変化を検出できない可能性が有るためである。
【0036】
次に、ニュートラルポジションスイッチ24と同様に、クラッチスイッチ25の変化回数を算出する。先ず、クラッチスイッチ25が変化(ON⇔OFF)したか否かを判定する(ステップS6)。この判定結果がNOの場合には、ステップS8の処理に進む。また、ステップS6の判定結果がYESの場合、つまりクラッチスイッチ25が変化(ON⇔OFF)した場合には、クラッチスイッチ変化回数(CCLTSWCHG)をインクリメント(CCLTSWCHG(i−1)+1)する(ステップS7)。
【0037】
ここでは、クラッチスイッチ25のON⇒OFF時、OFF⇒ON時共にインクリメントしているが、クラッチスイッチ25のON⇒OFF時、OFF⇒ON時のうちのいずれか一方のみでも良い。なお、クラッチスイッチ25のON⇒OFF時、OFF⇒ON時共にインクリメントしている理由は、クラッチスイッチ25のA/Dタイミングによってはクラッチスイッチ25の変化を検出できない可能性が有るためである。なお、本実施形態では、ニュートラルポジションスイッチ24とクラッチスイッチ25とを別体の構成としているが、共通スイッチの場合には、上記のステップS6、S7は不要となる。
【0038】
次に、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR:例えば3〜5回)を超えたか否かを判定する(ステップS8)。この判定結果がNOの場合には、図3および図4のフローチャートを抜ける。また、ステップS8の判定結果がYESの場合、つまりギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR)を超えた場合には、ステップS9以降で正常、異常故障の判定を行う。
【0039】
ここでの所定回数の狙いは、ニュートラルポジションスイッチ24またはクラッチスイッチ25の1回の変化毎に正常、異常故障の診断を行うことも可能であるが、ニュートラルポジションスイッチ24またはクラッチスイッチ25のA/Dタイミングによっては、ニュートラルポジションスイッチ24またはクラッチスイッチ25の変化を検出できない場合もあるので、所定回数間のスイッチ作動の有無で診断することで誤判定を防止している。
【0040】
次に、ニュートラルポジションスイッチ24の変化回数(CNTLSWCHG)が所定値(例えば0回)以下であるか否かを判定する(ステップS9)。この判定結果がNOの場合、つまり0回ではない場合(1回異常である場合)には、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が正常であると判断し記憶する(ステップS10)。その後に、ステップS12の処理に進む。また、ステップS9の判定結果がYESの場合、つまり手動歯車変速機6のギヤポジションが変化(シフトチェンジを実施)しているにも拘らず、ニュートラルポジションスイッチ24が変化していない状態であるため、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が異常故障であると判断し記憶する(ステップS11)。
【0041】
次に、クラッチスイッチ25の変化回数(CCLTSWCHG)が所定値(例えば0回)以下であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果がNOの場合、つまり0回ではない場合(1回異常である場合)には、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が正常であると判断し記憶する(ステップS13)。その後に、ステップS15の処理に進む。また、ステップS12の判定結果がYESの場合、つまり手動歯車変速機6のギヤポジションが変化(シフトチェンジを実施)しているにも拘らず、クラッチスイッチ25が変化していない状態であるため、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が異常故障であると判断し記憶する(ステップS14)。
【0042】
次に、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、およびクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の故障診断が完了したら各変化回数を0クリアし(ステップS15)、次の故障診断に備える。なお、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、およびクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の異常故障とは、ニュートラルポジションスイッチ24自身またはクラッチスイッチ25自身のON/OFF固着、あるいはECU10とニュートラルポジションスイッチ24またはクラッチスイッチ25とを電気的に接続するワイヤーハーネスの断線またはショート、あるいはECU10自身の異常故障等が考えられる。
【0043】
[実施形態の特徴]
次に、本実施形態のニュートラルポジションスイッチ24、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチの故障診断方法を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図6は正常時の変速操作スイッチの出力変化の挙動を示したタイミングチャートで、図7は異常故障時の変速操作スイッチの出力変化の挙動を示したタイミングチャートである。
【0044】
先ず、例えば運転者(ドライバー)がクラッチペダルを踏み込んで無負荷状態に変更し、シフトレバーを1速位置から2速位置へ変速操作した後に、クラッチペダルより足を離すことで、ギヤIN状態に変更して、手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)を1速から2速にシフトアップすると、クラッチスイッチ25が正常であればOFF⇒ON⇒OFFとなり、ニュートラルポジションスイッチ24が正常であればOFF⇒ON⇒OFFとなる。
【0045】
上記のような運転者がシフトレバーの変速操作とクラッチペダルのON、OFFを繰り返すことにより、エンジン回転数(NE)と車速(V)との速度比(NV比)によって算出される手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)が変化する毎に、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が1回ずつ増えていく。そして、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR:例えば3〜5回)を超えて故障診断実施条件を満足した際に、ニュートラルポジションスイッチ24の変化回数(CNTLSWCHG)が所定値(例えば0回)よりも多い場合には、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が正常作動していると判断できる。また、クラッチスイッチ25の変化回数(CCLTSWCHG)が所定値(例えば0回)よりも多い場合には、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が正常作動していると判断できる。
【0046】
これらに対して、図7のタイミングチャートに示したように、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR:例えば3〜5回)を超えて故障診断実施条件を満足した際に、クラッチスイッチ25の変化回数(CCLTSWCHG)が所定値(例えば0回)よりも多い場合には、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が正常作動していると判断できるが、ニュートラルポジションスイッチ24の変化回数(CNTLSWCHG)が所定値(例えば0回)以下の場合には、つまり手動歯車変速機6のギヤポジションが変化(シフトチェンジを実施)しているにも拘らず、クラッチスイッチ25が変化していない状態であるため、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が異常故障または異常作動していると判断できる。また、本実施形態では、不一致情報(不一致回数)が多くカウントされることにより、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が異常故障または異常作動が生じている確度が高い情報を得ることができる。
【0047】
したがって、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、およびクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の異常故障や異常作動のような、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、およびクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の信頼性の低下(異常故障)を誤判定することなく、精度良く検出することができる。これにより、手動歯車変速機6のギヤポジションに応じて、指令噴射量(QFIN)または目標コモンレール圧力(PFIN)を制御するようにしたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、現在の手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)、あるいは現在のシフトレバーの変速操作位置(シフト操作位置)の情報への信頼性を高めることができるので、大型車両等の自動車から排出される排気ガスの低減および商品性(騒音、ドライバビリティ等)の向上を図ることができる。
【0048】
ここで、上記の図4のフローチャートのステップS11、S14においてニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が異常故障、あるいはクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が異常故障が検出されている時には、警報手段、つまり異常警告ランプ(インジケータランプ)等の視覚表示手段や音声等の聴覚表示手段を用いて運転者にニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、あるいはクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の修理または交換を促すようにしても良い。これにより、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、あるいはクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の信頼性の低下を精度良く検出することができ、且つ信頼性の低下したニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、あるいはクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系を正常なものに交換することを適切なタイミングで運転者に促すことができる。
【0049】
[他の実施形態]
ここで、本実施形態では、エンジン1の運転条件を検出する運転条件検出手段として回転速度センサ21、アクセル開度センサ22を用いて基本噴射量(Q)、指令噴射時期(T)、目標コモンレール圧力(PFIN)を演算するようにしているが、運転条件検出手段としてのその他のセンサ類(例えば冷却水温センサ、吸気温センサ、吸気圧センサ、燃料温度センサ、気筒判別センサ、噴射時期センサ等)からの検出信号(エンジン運転情報)を加味して基本噴射量(Q)、指令噴射時期(T)、目標コモンレール圧力(PFIN)を補正するようにしても良い。
【0050】
また、本発明を、シフトレバーの中立位置(ニュートラル位置)を検出するニュートラルポジションスイッチ(中立位置検出手段)24の信号を入力した際に、ECU10より出力される制御信号(インジェクタ駆動電流またはSCV駆動電流)に対して、アイドル運転時の実際の燃料噴射量や燃料噴射圧力(燃料吐出量)またはエンジン回転速度またはエンジントルクを学習補正するエンジン制御システムに使用される変速操作スイッチ系の故障診断に適用しても良い。
【0051】
また、本発明を、アイドリング回転速度またはエンジン始動時噴射量制御または不均量補償制御または定車速制御、あるいは車両の走行速度(車速)が予め定められた目標制限速度異常であることを検出すると、エンジン回転速度や燃料噴射量を低く抑えることにより車速制限を行う車速制限手段を備えた車速制御システムに使用される変速操作スイッチ系の故障診断に適用しても良い。
【0052】
本実施形態では、変速操作検出手段として、使用者がシフトレバーを中立位置に入れるとON信号を出力するニュートラルポジションスイッチ24、クラッチペダルを踏むとON信号を出力するクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチを使用したが、変速操作検出手段として、多段歯車変速機のギヤポジション(変速段)が実際に変化した際にON信号を出力するギヤポジションスイッチ、あるいは使用者がシフトレバーを所定の変速位置に入れるとON信号を出力するシフトレバースイッチ(シフト操作手段)を使用しても良い。また、これらのニュートラルポジションスイッチ24、クラッチスイッチ25、ギヤポジションスイッチ、シフトレバースイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチを使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した概略図である(実施形態)。
【図2】コモンレール式燃料噴射システムの制御系の概略構成を示したブロック図である(実施形態)。
【図3】変速操作スイッチの故障診断方法を示したフローチャートである(実施形態)。
【図4】変速操作スイッチの故障診断方法を示したフローチャートである(実施形態)。
【図5】エンジン回転数と車速との速度比(NV比)とギヤポジションとの関係を示したグラフである(実施形態)。
【図6】正常時の変速操作スイッチの出力変化の挙動を示したタイミングチャートである(実施形態)。
【図7】異常故障時の変速操作スイッチの出力変化の挙動を示したタイミングチャートである(実施形態)。
【符号の説明】
1 エンジン
2 コモンレール
3 インジェクタ(燃料噴射弁)
4 燃料供給ポンプ
6 手動歯車変速機(多段歯車変速機)
10 ECU(変速回数推定手段、変速回数検出手段、異常故障判定手段、第1回転速度検出手段、第2回転速度検出手段、ギヤポジション変化推定手段、変速回数積算手段、変速操作検出手段、変速回数積算手段、変速段検出手段)
21 回転速度センサ(第1回転速度検出手段)
23 車速センサ(第2回転速度検出手段)
24 ニュートラルポジションスイッチ(変速操作検出手段、変速操作スイッチ)
25 クラッチスイッチ(変速操作検出手段、変速操作スイッチ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の変速操作に応じて、エンジントルクまたは燃料噴射量または燃料噴射圧力を変更するアクチュエータを制御するエンジン制御ユニットを備えたエンジン制御システムに関するもので、特にシフトチェンジ回数に対するシフトスイッチの変化回数によってシフトスイッチ系の異常故障を診断するエンジン制御システムに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大型車両用エンジンを制御するエンジン制御システムとして、車両の走行速度(車速)が予め定められた目標制限速度異常であることを検出すると、エンジン回転速度や燃料噴射量を低く抑えることにより車速制限を行う車速制限手段を備えた車速制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、エンジン制御システムとして、ニュートラルポジションスイッチによってシフトレバーがニュートラル位置にあることが検出された時点から、シフトレバーがニュートラル位置にないことが検出された後に一定期間が経過する時点まで、車速制限を一時的に解除して、大型車両でみられるギヤチェンジの際に行われるエンジン回転速度合わせに支障を来たさないようにした車速制御システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
さらに、従来より、トラックやバス等の大型車両(例えばディーゼルエンジン搭載車)には、エンジンの回転動力を各車輪に伝達するための多段歯車変速機として、前進側の変速段が多段化されて、エンジンの回転速度を所定の変速比に変速する手動歯車変速機が搭載されている。そして、近年、大型車両用の手動歯車変速機のギヤポジション(変速段:例えば中立位置、1速位置、2速位置、3速位置等)に応じて、エンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力の緻密な適合を可能としたエンジン制御システムが開発されており、それにより、大型車両等の自動車から排出される排気ガスの低減および商品性(騒音、ドライバビリティ等)の向上を図るようにしたエンジン制御システムも提案されつつある。
【0004】
【特許文献1】
特開平06−144078号公報(第1−8頁、図1−図4)
【特許文献2】
特開平11−351000号公報(第1−10頁、図1−図11)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように、手動歯車変速機のギヤポジションに応じて、エンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力を変更するアクチュエータを制御するようにしたエンジン制御システムにおいて、手動歯車変速機のギヤポジションに応じてエンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力を電気的に制御するということは、例えばニュートラルポジションスイッチやクラッチスイッチ等の異常故障によって現在の手動歯車変速機のギヤポジション(変速段)、あるいは現在のシフトレバーの変速操作位置(シフト操作位置)の情報が正しく入力できなくなると、排気ガス、騒音、ドライバビリティ等の性能が悪化することになる。
【0006】
例えばニュートラルポジションスイッチによってシフトレバーがニュートラル位置にあるか否かの検出を行い、クラッチペダルを踏んでエンジンの出力軸から手動歯車変速機の入力軸への動力伝達を遮断した無負荷状態(例えばニュートラル状態)と、エンジンの出力軸と手動歯車変速機の入力軸とを動力伝達可能に接続したギヤIN状態(例えば手動歯車変速機の変速段が1速)とで制御値(例えばアイドル回転速度の目標値等)の切り替えを行うようなエンジン制御システムの場合には、ニュートラルポジションスイッチが異常故障した場合、ギヤIN状態での性能が狙い値よりも悪化することになる。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、ギヤポジションスイッチ、シフトレバースイッチ、ニュートラルポジションスイッチ、クラッチスイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチ等の変速回数検出手段の異常故障を精度良く検出することのできるエンジン制御システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、変速回数推定手段によって推定された多段歯車変速機の変速回数の推定値と変速回数検出手段によって検出された多段歯車変速機の変速回数の検出値とが異なると、変速回数検出手段が異常故障であると判定する異常故障判定手段を設けたことにより、変速回数検出手段の信頼性の低下(異常故障)を誤判定することなく、精度良く検出することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、変速回数推定手段によって推定された多段歯車変速機の変速回数の推定値と変速回数検出手段によって検出された多段歯車変速機の変速回数の検出値との異なる回数が所定回数以上であるか否かによって、変速回数検出手段が異常故障であるか正常であるかを判定することにより、多段歯車変速機の変速回数の推定値と多段歯車変速機の変速回数の検出値との不一致情報(不一致回数)が多くカウントされることにより、変速回数検出手段の異常故障が生じている確度が高い情報を得ることができる。すなわち、変速回数検出手段の信頼性の低下(異常故障)を誤判定することなく、精度良く検出することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、エンジンの出力軸の回転速度(第1検出値)を検出し、また、多段歯車変速機の出力軸の回転速度(第2検出値)を検出して、第1検出値と第2検出値との速度比から、多段歯車変速機のギヤポジションの変化を推定するギヤポジション変化推定手段を設けている。そして、このギヤポジション変化推定手段によって多段歯車変速機のギヤポジションの変化が推定される毎に、多段歯車変速機の変速回数をN回ずつ積算する変速回数積算手段を設けている。これにより、多段歯車変速機の変速回数を精度良く、しかも容易に推定することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、変速操作検出手段によって使用者の変速操作が実施される毎に、多段歯車変速機の実際の変速回数をN回ずつ積算する変速回数積算手段を設けている。これにより、多段歯車変速機の実際の変速回数を精度良く、しかも容易に検出することができる。また、請求項5に記載の発明によれば、上記の変速操作検出手段として、多段歯車変速機の変速段が実際に変化した際に信号を出力するギヤポジションスイッチ、使用者がシフトレバーを所定の変速位置に入れると信号を出力するシフトレバースイッチ、使用者がシフトレバーを中立位置に入れると信号を出力するニュートラルポジションスイッチ、クラッチペダルを踏むと信号を出力するクラッチスイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチを使用しても良い。
【0012】
請求項6に記載の発明によれば、変速回数検出手段が異常故障と判断された際に、変速回数検出手段の修理または交換を促す視覚または聴覚表示手段を設けたことにより、変速回数検出手段の信頼性の低下を精度良く検出することができ、且つ信頼性の低下した変速回数検出手段を修理することを適切なタイミングで使用者に促すことができる。また、信頼性の低下した変速回数検出手段を正常なものに交換することを適切なタイミングで使用者に促すことができる。
【0013】
請求項7に記載の発明によれば、エンジン制御システムは、変速段検出手段によって検出された多段歯車変速機の変速段、あるいは変速操作検出手段によって検出された使用者の変速操作に応じて、エンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力を変更するアクチュエータを制御するエンジン制御ユニットを設けていることを特徴としている。これにより、自動車から排出される排気ガスの低減および商品性(騒音、ドライバビリティ等)の向上を図ることができる。
【0014】
請求項8に記載の発明によれば、エンジン制御システムとして、エンジンにより回転駆動される燃料供給ポンプによって加圧圧送された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、コモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒毎に搭載された燃料噴射弁を介してエンジンの各気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射システムを採用しても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
[実施形態の構成]
図1ないし図7は本発明の実施形態を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した図である。
【0016】
本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムは、大型車両(例えばディーゼルエンジン搭載車)に搭載されるものであり、主として、多気筒ディーゼルエンジン(以下エンジンと言う)1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器としてのコモンレール2と、エンジン1の各気筒毎に搭載された複数個(本例では4個)のインジェクタ3と、後記する吸入調量弁5を経て加圧室内に吸入される燃料を加圧してコモンレール2に圧送する燃料供給ポンプ4と、複数個のインジェクタ3および燃料供給ポンプ4を電子制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
【0017】
エンジン1の出力軸は、図示しないクラッチを介してエンジン1の回転動力を各車輪に伝達するための動力伝達装置としての多段歯車変速機の入力軸に連結されている。そして、本実施形態では、多段歯車変速機として、前進側の変速段が多段化されて、エンジン1の回転速度を所定の変速比に変速する手動歯車変速機6が搭載されている。なお、多段歯車変速機として、前進5段後退1段歯車変速機を採用すると、動力性能、燃費、静粛性の向上等の効果が得られる。
【0018】
コモンレール2には、連続的に燃料噴射圧力に相当する高圧燃料が蓄圧される必要があり、そのために燃料配管(高圧燃料流路)11を介して高圧燃料を吐出する燃料供給ポンプ4の吐出口と接続されている。なお、インジェクタ3および燃料供給ポンプ4からのリーク燃料は、リーク配管(燃料還流路)12、13、14を経て燃料タンク7にリターンされる。また、コモンレール2から燃料タンク7へのリリーフ配管(燃料還流路)15には、プレッシャリミッタ16が取り付けられている。そのプレッシャリミッタ16は、コモンレール2内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁してコモンレール2内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるための圧力安全弁である。
【0019】
複数個のインジェクタ3は、コモンレール2より分岐する複数の分岐管17の下流端に接続されて、先端部に噴射孔を有するノズルボディ内にノズルニードルを摺動自在に収容した燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータ(図示せず)、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段等よりなる電磁式燃料噴射弁である。そして、各気筒のインジェクタ3からエンジン1の各気筒の燃焼室内への燃料噴射は、各分岐管17の下流端に接続された電磁式アクチュエータとしての電磁弁への通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。つまり、各気筒のインジェクタ3の電磁弁が開弁している間、コモンレール2内に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の気筒の燃焼室内に噴射供給される。
【0020】
燃料供給ポンプ4は、エンジン1のクランク軸(クランクシャフト)18の回転に伴ってポンプ駆動軸19が回転することで燃料タンク7内の燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸19により駆動されるプランジャ(図示せず)と、このプランジャの往復運動により燃料を加圧する加圧室(プランジャ室:図示せず)とを有している。そして、燃料供給ポンプ4は、フィードポンプから吸入調量弁5を経て加圧室内に吸入される燃料を加圧して吐出口からコモンレール2へ高圧燃料を圧送する高圧供給ポンプ(サプライポンプ)である。この燃料供給ポンプ4のフィードポンプから加圧室へ燃料を供給する燃料吸入経路の途中には、その燃料吸入経路の開口面積を変更する吸入調量弁(SCV)5が取り付けられている。
【0021】
吸入調量弁5は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10からのポンプ駆動信号によって電子制御されることにより、燃料供給ポンプ4のフィードポンプから燃料吸入経路を経て加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整するポンプ流量制御弁(吸入量調整用電磁弁)で、各インジェクタ3からエンジン1へ噴射供給する燃料噴射圧力、つまりコモンレール2内の燃料圧力(コモンレール圧力)を変更する電磁式アクチュエータである。ここで、本実施形態の吸入調量弁5は、燃料吸入経路の開口面積を変更するバルブ(弁体)と、ポンプ駆動信号に応じて弁開度(弁孔の開口面積またはバルブのリフト量)を調整するためのソレノイドコイル(電磁コイル)とを有し、このソレノイドコイルへの通電が停止されると弁開度が全開状態となるノーマリオープンタイプの電磁弁である。
【0022】
本実施形態のECU10は、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムや制御データを保存するメモリ(ROMやRAM)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路、ポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)すると、ECU電源の供給が成され、メモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、例えば燃料噴射量または燃料噴射圧力(コモンレール圧力)が制御値となるように電子制御するように構成されている。また、ECU10は、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されてECU電源の供給が断たれると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づく上記の制御が強制的に終了されるように構成されている。
【0023】
ここで、各種センサからのセンサ信号、および一部のスイッチからのスイッチ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。そして、マイクロコンピュータの入力回路には、エンジン回転速度(以下エンジン回転数と呼ぶ:NE)を検出する回転速度センサ(第1回転速度検出手段)21、アクセルペダルの踏み込み量であるアクセル操作量(以下アクセル開度と呼ぶ:ACCP)を検出するアクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)22、エンジン冷却水温(THW)を検出する冷却水温センサ(図示せず)、および燃料供給ポンプ4内に吸入されるポンプ吸入側の燃料温度(THF)を検出する燃料温度センサ(図示せず)等が接続されている。
【0024】
また、マイクロコンピュータの入力回路には、図1および図2に示したように、車両情報も入力可能とされており、例えば車両の走行速度を検出する車速センサ(第2回転速度検出手段)23、運転者によってシフトレバーが操作されてシフトレバーが中立位置(ニュートラルポジション)に有る時にオン(ON)信号を出力するニュートラルポジションスイッチ24、および運転者がクラッチペダルを踏み込んだ際にオン(ON)信号を出力するクラッチスイッチ25等が接続されている。車速センサ23は、例えば手動歯車変速機6の出力軸の回転速度を計測して車両の走行速度(以下車速と呼ぶ:V)を検出する車速検出手段である。なお、車速検出手段として車輪速度を検出する車輪速度センサを用いても良い。
【0025】
また、ニュートラルポジションスイッチ24は、運転者によってシフトレバーが操作されてシフトレバーが中立位置(ニュートラルポジション)にない時にはオフ(OFF)信号を出力する無負荷状態検出手段(ギヤIN状態検出手段)である。また、クラッチスイッチ25は、運転者がクラッチペダルより足を離すとオフ(OFF)信号を出力する無負荷状態検出手段(ギヤIN状態検出手段)である。
【0026】
なお、運転者の変速操作を検出する変速操作検出手段として、上記のニュートラルポジションスイッチ24、上記のクラッチスイッチ25、手動歯車変速機6の変速段が実際に変化した際にオン(ON)信号を出力するギヤポジションスイッチ、使用者がシフトレバーを所定の変速位置(例えば1速位置、2速位置、3速位置、4速位置等のいずれかの変速位置)に入れるとオン(ON)信号を出力し、また、所定の変速位置からシフトレバーが抜けるとオフ(OFF)信号を出力するシフトレバースイッチ(シフト操作スイッチ)のうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチを設けても良い。
【0027】
また、ECU10は、各気筒のインジェクタ3の噴射孔から噴射される燃料噴射量を制御する噴射量制御手段を有している。これは、エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とによって基本噴射量(Q)を演算する基本噴射量決定手段と、手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)または手動歯車変速機6のギヤポジションを変更するシフトレバーの操作位置とエンジン冷却水温(THW)と燃料温度(THF)等により算出される噴射量補正量を基本噴射量(Q)を加味して指令噴射量(QFIN)を演算する指令噴射量決定手段と、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって指令噴射時期(T)を演算する噴射時期決定手段と、コモンレール圧力(PC)と指令噴射量(QFIN)とによってインジェクタ3の電磁弁の通電時間(噴射パルス長さ、指令噴射期間:TQ)を演算する噴射期間決定手段と、インジェクタ駆動回路を介して各気筒のインジェクタ3の電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流(インジェクタ噴射パルス)を印加するインジェクタ駆動手段とから構成されている。
【0028】
また、ECU10は、エンジン1の運転条件に応じた最適なコモンレール圧力を演算し、ポンプ駆動回路を介して燃料供給ポンプ4の吸入調量弁5を駆動する噴射圧力制御手段(吐出量制御手段)を有している。これは、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって目標コモンレール圧力(PFIN)を演算する目標噴射圧力決定手段を有し、目標コモンレール圧力(PFIN)を達成するために、吸入調量弁5のソレノイドコイルにポンプ駆動信号(SCV駆動電流値)を調整して、燃料供給ポンプ4より吐出される燃料吐出量を制御するように構成されている。
【0029】
さらに、より好ましくは、燃料圧力センサ26をコモンレール2に取り付けて、その燃料圧力センサ26によって検出されるコモンレール圧力(PC)が目標コモンレール圧力(PFIN)と略一致するように、吸入調量弁5のソレノイドコイルへのポンプ駆動信号(SCV駆動電流値)をフィードバック制御することが望ましい。なお、吸入調量弁5のソレノイドコイルへのSCV駆動電流値の制御は、デューティ(DUTY)制御により行うことが望ましい。例えばコモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)に応じて単位時間当たりのポンプ駆動信号のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、吸入調量弁5の弁開度(弁孔の開口面積またはバルブのリフト量)を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能となる。
【0030】
また、ECU10は、回転速度センサ21によって検出されたエンジン回転数(NE)および車速センサ23によって検出された車速(V)から、手動歯車変速機6のギヤポジションの変化を検出するギヤポジション変化推定手段と、手動歯車変速機6のギヤポジションの変化が推定される毎に、手動歯車変速機6の変速回数をN回(例えば1回)ずつ積算する変速回数積算手段と、運転者の変速操作が実施される毎に、手動歯車変速機6の実際の変速回数をN回(例えば1回)ずつ積算する変速回数積算手段とを有している。
【0031】
[実施形態の制御方法]
次に、本実施形態のニュートラルポジションスイッチ24、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチの故障診断方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図3および図4は変速操作スイッチの故障診断方法を示したフローチャートである。
【0032】
先ず、図5の特性図を用いて、エンジン回転数(NE)と車速(V)との速度比(NV比)によって、手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)を算出する(ステップS1)。例えば車速(V)×K1≦エンジン回転数(NE)≦車速(V)×K2が所定時間(T1)継続している時に、ギアポジション(GEARP)が1速というように判定する。
【0033】
次に、手動歯車変速機6のギヤポジションが変化したか否かを判定する。すなわち、GEARP≠GEARP(i−1)であるか否かを判定する(ステップS2)。この判定結果がNOの場合には、ステップS4の処理に進む。また、ステップS2の判定結果がYESの場合、つまり手動歯車変速機6のギヤポジションが変化した場合には、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)をインクリメント(CGEARPCHG(i−1)+1)する(ステップS3)。
【0034】
次に、ニュートラルポジションスイッチ24が変化(ON⇔OFF)したか否かを判定する(ステップS4)。この判定結果がNOの場合には、ステップS6の処理に進む。また、ステップS4の判定結果がYESの場合、つまりニュートラルポジションスイッチ24が変化(ON⇔OFF)した場合には、ニュートラルポジションスイッチ変化回数(CNTLSWCHG)をインクリメント(CNTLSWCHG(i−1)+1)する(ステップS5)。
【0035】
ここでは、ニュートラルポジションスイッチ24のON⇒OFF時、OFF⇒ON時共にインクリメントしているが、ニュートラルポジションスイッチ24のON⇒OFF時、OFF⇒ON時のうちのいずれか一方のみでも良い。なお、ニュートラルポジションスイッチ24のON⇒OFF時、OFF⇒ON時共にインクリメントしている理由は、ニュートラルポジションスイッチ24のA/Dタイミングによってはニュートラルポジションスイッチ24の変化を検出できない可能性が有るためである。
【0036】
次に、ニュートラルポジションスイッチ24と同様に、クラッチスイッチ25の変化回数を算出する。先ず、クラッチスイッチ25が変化(ON⇔OFF)したか否かを判定する(ステップS6)。この判定結果がNOの場合には、ステップS8の処理に進む。また、ステップS6の判定結果がYESの場合、つまりクラッチスイッチ25が変化(ON⇔OFF)した場合には、クラッチスイッチ変化回数(CCLTSWCHG)をインクリメント(CCLTSWCHG(i−1)+1)する(ステップS7)。
【0037】
ここでは、クラッチスイッチ25のON⇒OFF時、OFF⇒ON時共にインクリメントしているが、クラッチスイッチ25のON⇒OFF時、OFF⇒ON時のうちのいずれか一方のみでも良い。なお、クラッチスイッチ25のON⇒OFF時、OFF⇒ON時共にインクリメントしている理由は、クラッチスイッチ25のA/Dタイミングによってはクラッチスイッチ25の変化を検出できない可能性が有るためである。なお、本実施形態では、ニュートラルポジションスイッチ24とクラッチスイッチ25とを別体の構成としているが、共通スイッチの場合には、上記のステップS6、S7は不要となる。
【0038】
次に、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR:例えば3〜5回)を超えたか否かを判定する(ステップS8)。この判定結果がNOの場合には、図3および図4のフローチャートを抜ける。また、ステップS8の判定結果がYESの場合、つまりギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR)を超えた場合には、ステップS9以降で正常、異常故障の判定を行う。
【0039】
ここでの所定回数の狙いは、ニュートラルポジションスイッチ24またはクラッチスイッチ25の1回の変化毎に正常、異常故障の診断を行うことも可能であるが、ニュートラルポジションスイッチ24またはクラッチスイッチ25のA/Dタイミングによっては、ニュートラルポジションスイッチ24またはクラッチスイッチ25の変化を検出できない場合もあるので、所定回数間のスイッチ作動の有無で診断することで誤判定を防止している。
【0040】
次に、ニュートラルポジションスイッチ24の変化回数(CNTLSWCHG)が所定値(例えば0回)以下であるか否かを判定する(ステップS9)。この判定結果がNOの場合、つまり0回ではない場合(1回異常である場合)には、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が正常であると判断し記憶する(ステップS10)。その後に、ステップS12の処理に進む。また、ステップS9の判定結果がYESの場合、つまり手動歯車変速機6のギヤポジションが変化(シフトチェンジを実施)しているにも拘らず、ニュートラルポジションスイッチ24が変化していない状態であるため、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が異常故障であると判断し記憶する(ステップS11)。
【0041】
次に、クラッチスイッチ25の変化回数(CCLTSWCHG)が所定値(例えば0回)以下であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果がNOの場合、つまり0回ではない場合(1回異常である場合)には、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が正常であると判断し記憶する(ステップS13)。その後に、ステップS15の処理に進む。また、ステップS12の判定結果がYESの場合、つまり手動歯車変速機6のギヤポジションが変化(シフトチェンジを実施)しているにも拘らず、クラッチスイッチ25が変化していない状態であるため、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が異常故障であると判断し記憶する(ステップS14)。
【0042】
次に、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、およびクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の故障診断が完了したら各変化回数を0クリアし(ステップS15)、次の故障診断に備える。なお、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、およびクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の異常故障とは、ニュートラルポジションスイッチ24自身またはクラッチスイッチ25自身のON/OFF固着、あるいはECU10とニュートラルポジションスイッチ24またはクラッチスイッチ25とを電気的に接続するワイヤーハーネスの断線またはショート、あるいはECU10自身の異常故障等が考えられる。
【0043】
[実施形態の特徴]
次に、本実施形態のニュートラルポジションスイッチ24、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチの故障診断方法を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図6は正常時の変速操作スイッチの出力変化の挙動を示したタイミングチャートで、図7は異常故障時の変速操作スイッチの出力変化の挙動を示したタイミングチャートである。
【0044】
先ず、例えば運転者(ドライバー)がクラッチペダルを踏み込んで無負荷状態に変更し、シフトレバーを1速位置から2速位置へ変速操作した後に、クラッチペダルより足を離すことで、ギヤIN状態に変更して、手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)を1速から2速にシフトアップすると、クラッチスイッチ25が正常であればOFF⇒ON⇒OFFとなり、ニュートラルポジションスイッチ24が正常であればOFF⇒ON⇒OFFとなる。
【0045】
上記のような運転者がシフトレバーの変速操作とクラッチペダルのON、OFFを繰り返すことにより、エンジン回転数(NE)と車速(V)との速度比(NV比)によって算出される手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)が変化する毎に、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が1回ずつ増えていく。そして、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR:例えば3〜5回)を超えて故障診断実施条件を満足した際に、ニュートラルポジションスイッチ24の変化回数(CNTLSWCHG)が所定値(例えば0回)よりも多い場合には、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が正常作動していると判断できる。また、クラッチスイッチ25の変化回数(CCLTSWCHG)が所定値(例えば0回)よりも多い場合には、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が正常作動していると判断できる。
【0046】
これらに対して、図7のタイミングチャートに示したように、ギヤポジション変化回数(CGEARPCHG)が所定回数(KCGEAR:例えば3〜5回)を超えて故障診断実施条件を満足した際に、クラッチスイッチ25の変化回数(CCLTSWCHG)が所定値(例えば0回)よりも多い場合には、クラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が正常作動していると判断できるが、ニュートラルポジションスイッチ24の変化回数(CNTLSWCHG)が所定値(例えば0回)以下の場合には、つまり手動歯車変速機6のギヤポジションが変化(シフトチェンジを実施)しているにも拘らず、クラッチスイッチ25が変化していない状態であるため、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が異常故障または異常作動していると判断できる。また、本実施形態では、不一致情報(不一致回数)が多くカウントされることにより、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が異常故障または異常作動が生じている確度が高い情報を得ることができる。
【0047】
したがって、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、およびクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の異常故障や異常作動のような、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、およびクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の信頼性の低下(異常故障)を誤判定することなく、精度良く検出することができる。これにより、手動歯車変速機6のギヤポジションに応じて、指令噴射量(QFIN)または目標コモンレール圧力(PFIN)を制御するようにしたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、現在の手動歯車変速機6のギヤポジション(変速段)、あるいは現在のシフトレバーの変速操作位置(シフト操作位置)の情報への信頼性を高めることができるので、大型車両等の自動車から排出される排気ガスの低減および商品性(騒音、ドライバビリティ等)の向上を図ることができる。
【0048】
ここで、上記の図4のフローチャートのステップS11、S14においてニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系が異常故障、あるいはクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系が異常故障が検出されている時には、警報手段、つまり異常警告ランプ(インジケータランプ)等の視覚表示手段や音声等の聴覚表示手段を用いて運転者にニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、あるいはクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の修理または交換を促すようにしても良い。これにより、ニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、あるいはクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系の信頼性の低下を精度良く検出することができ、且つ信頼性の低下したニュートラルポジションスイッチ24等の変速操作スイッチ系、あるいはクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチ系を正常なものに交換することを適切なタイミングで運転者に促すことができる。
【0049】
[他の実施形態]
ここで、本実施形態では、エンジン1の運転条件を検出する運転条件検出手段として回転速度センサ21、アクセル開度センサ22を用いて基本噴射量(Q)、指令噴射時期(T)、目標コモンレール圧力(PFIN)を演算するようにしているが、運転条件検出手段としてのその他のセンサ類(例えば冷却水温センサ、吸気温センサ、吸気圧センサ、燃料温度センサ、気筒判別センサ、噴射時期センサ等)からの検出信号(エンジン運転情報)を加味して基本噴射量(Q)、指令噴射時期(T)、目標コモンレール圧力(PFIN)を補正するようにしても良い。
【0050】
また、本発明を、シフトレバーの中立位置(ニュートラル位置)を検出するニュートラルポジションスイッチ(中立位置検出手段)24の信号を入力した際に、ECU10より出力される制御信号(インジェクタ駆動電流またはSCV駆動電流)に対して、アイドル運転時の実際の燃料噴射量や燃料噴射圧力(燃料吐出量)またはエンジン回転速度またはエンジントルクを学習補正するエンジン制御システムに使用される変速操作スイッチ系の故障診断に適用しても良い。
【0051】
また、本発明を、アイドリング回転速度またはエンジン始動時噴射量制御または不均量補償制御または定車速制御、あるいは車両の走行速度(車速)が予め定められた目標制限速度異常であることを検出すると、エンジン回転速度や燃料噴射量を低く抑えることにより車速制限を行う車速制限手段を備えた車速制御システムに使用される変速操作スイッチ系の故障診断に適用しても良い。
【0052】
本実施形態では、変速操作検出手段として、使用者がシフトレバーを中立位置に入れるとON信号を出力するニュートラルポジションスイッチ24、クラッチペダルを踏むとON信号を出力するクラッチスイッチ25等の変速操作スイッチを使用したが、変速操作検出手段として、多段歯車変速機のギヤポジション(変速段)が実際に変化した際にON信号を出力するギヤポジションスイッチ、あるいは使用者がシフトレバーを所定の変速位置に入れるとON信号を出力するシフトレバースイッチ(シフト操作手段)を使用しても良い。また、これらのニュートラルポジションスイッチ24、クラッチスイッチ25、ギヤポジションスイッチ、シフトレバースイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチを使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した概略図である(実施形態)。
【図2】コモンレール式燃料噴射システムの制御系の概略構成を示したブロック図である(実施形態)。
【図3】変速操作スイッチの故障診断方法を示したフローチャートである(実施形態)。
【図4】変速操作スイッチの故障診断方法を示したフローチャートである(実施形態)。
【図5】エンジン回転数と車速との速度比(NV比)とギヤポジションとの関係を示したグラフである(実施形態)。
【図6】正常時の変速操作スイッチの出力変化の挙動を示したタイミングチャートである(実施形態)。
【図7】異常故障時の変速操作スイッチの出力変化の挙動を示したタイミングチャートである(実施形態)。
【符号の説明】
1 エンジン
2 コモンレール
3 インジェクタ(燃料噴射弁)
4 燃料供給ポンプ
6 手動歯車変速機(多段歯車変速機)
10 ECU(変速回数推定手段、変速回数検出手段、異常故障判定手段、第1回転速度検出手段、第2回転速度検出手段、ギヤポジション変化推定手段、変速回数積算手段、変速操作検出手段、変速回数積算手段、変速段検出手段)
21 回転速度センサ(第1回転速度検出手段)
23 車速センサ(第2回転速度検出手段)
24 ニュートラルポジションスイッチ(変速操作検出手段、変速操作スイッチ)
25 クラッチスイッチ(変速操作検出手段、変速操作スイッチ)
Claims (8)
- (a)車両に搭載されたエンジンの回転動力を車輪に伝達するための多段歯車変速機の変速回数を推定する変速回数推定手段と、
(b)前記多段歯車変速機の実際の変速回数を検出する変速回数検出手段と、
(c)前記変速回数推定手段によって推定された前記多段歯車変速機の変速回数の推定値と前記変速回数検出手段によって検出された前記多段歯車変速機の変速回数の検出値とが異なると、前記変速回数検出手段が異常故障であると判定する異常故障判定手段と
を備えたエンジン制御システム。 - 請求項1に記載のエンジン制御システムにおいて、
前記異常故障判定手段は、前記変速回数推定手段によって推定された前記多段歯車変速機の変速回数の推定値と前記変速回数検出手段によって検出された前記多段歯車変速機の変速回数の検出値との異なる回数が所定回数以上であるか否かによって、前記変速回数検出手段が異常故障であるか正常であるかを判定することを特徴とするエンジン制御システム。 - 請求項1または請求項2に記載のエンジン制御システムにおいて、
前記変速回数推定手段は、前記エンジンの出力軸の回転速度を検出する第1回転速度検出手段、
前記多段歯車変速機の出力軸の回転速度を検出する第2回転速度検出手段、
前記第1回転速度検出手段によって検出された第1検出値と前記第2回転速度検出手段によって検出された第2検出値との速度比から、前記多段歯車変速機のギヤポジションの変化を推定するギヤポジション変化推定手段、
およびこのギヤポジション変化推定手段によって前記多段歯車変速機のギヤポジションの変化が推定される毎に、前記多段歯車変速機の変速回数をN回ずつ積算する変速回数積算手段を有していることを特徴とするエンジン制御システム。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のエンジン制御システムにおいて、
前記変速回数検出手段は、使用者の変速操作を検出する変速操作検出手段、およびこの変速操作検出手段によって前記使用者の変速操作が実施される毎に、前記多段歯車変速機の実際の変速回数をN回ずつ積算する変速回数積算手段を有していることを特徴とするエンジン制御システム。 - 請求項4に記載のエンジン制御システムにおいて、
前記変速操作検出手段は、前記多段歯車変速機の変速段が実際に変化した際に信号を出力するギヤポジションスイッチ、使用者がシフトレバーを所定の変速位置に入れると信号を出力するシフトレバースイッチ、使用者がシフトレバーを中立位置に入れると信号を出力するニュートラルポジションスイッチ、クラッチペダルを踏むと信号を出力するクラッチスイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチであることを特徴とするエンジン制御システム。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載のエンジン制御システムにおいて、
前記変速回数検出手段が異常故障と判断された際に、前記変速回数検出手段の修理または交換を促す視覚または聴覚表示手段を備えたことを特徴とするエンジン制御システム。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載のエンジン制御システムにおいて、
前記エンジン制御システムは、前記多段歯車変速機の変速段を検出する変速段検出手段、あるいは使用者の変速操作を検出する変速操作検出手段を有し、
前記変速段検出手段によって検出された前記多段歯車変速機の変速段、あるいは前記変速操作検出手段によって検出された前記使用者の変速操作に応じて、エンジントルクまたはエンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力を変更するアクチュエータを制御するエンジン制御ユニットを備えたことを特徴とするエンジン制御システム。 - 請求項7に記載のエンジン制御システムにおいて、
前記エンジン制御システムは、前記エンジンにより回転駆動される燃料供給ポンプによって加圧圧送された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、前記コモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、前記エンジンの各気筒毎に搭載された燃料噴射弁を介して前記エンジンの各気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射システムであることを特徴とするエンジン制御システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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