JPH1137260A - ツインクラッチ式変速機の変速制御装置 - Google Patents

ツインクラッチ式変速機の変速制御装置

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Publication number
JPH1137260A
JPH1137260A JP9190197A JP19019797A JPH1137260A JP H1137260 A JPH1137260 A JP H1137260A JP 9190197 A JP9190197 A JP 9190197A JP 19019797 A JP19019797 A JP 19019797A JP H1137260 A JPH1137260 A JP H1137260A
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JP
Japan
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clutch
speed
shift
stage
engagement
Prior art date
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Pending
Application number
JP9190197A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisatoku Nomoto
久徳 野本
Hiroatsu Endou
弘淳 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP9190197A priority Critical patent/JPH1137260A/ja
Publication of JPH1137260A publication Critical patent/JPH1137260A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/006Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion power being selectively transmitted by either one of the parallel flow paths

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツインクラッチ式変速機において現在使用中
の速度段から2段低速側の速度段への飛び越し変速を滑
らかに実行できる変速制御装置の提供。 【解決手段】 第4速度段(第3速度段)で、加速中に
飛び越し変速が要求されると、第2クラッチC2(第1
クラッチC1)を解放し、第1クラッチC1(第2クラ
ッチC2)の係合圧を高めていく。第1クラッチC1
(第2クラッチC2)の係合圧力P1 (P2 )が予め定
めた値P1A(P2A)に達したら第2同期装置S2
(第1同期装置S1)を第2速度段(第1速度段)用に
移動せしめる。その後、第2クラッチC2(第1クラッ
チC1)を再び係合し、第1クラッチC1(第2クラッ
チC2)を再び解放する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ツインクラッチ式
歯車変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】変速機入力軸に連結される2つのクラッ
チと、これらクラッチのクラッチ出力軸と変速機出力軸
との間を同期装置の選択操作により選択的に連結する複
数の歯車列とを備え、クラッチ出力軸と変速機出力軸を
連結する歯車列を切り換え、変速機出力軸に連結された
クラッチ出力軸に連なるクラッチを係合し、他方を解放
するように2つのクラッチを係合、解放して変速をおこ
なうツインクラッチ式変速機が公知であり、例えば、特
開平6−221347号公報に開示されたものがある。
【0003】この種のツインクラッチ式変速機において
は、変速をおこなう場合に、同期装置を初めに作動させ
て次の速度段のギヤリング、すなわち、歯車の係合をお
こなった後にクラッチの係合をおこなうことが上記公報
を含めて開示されている。しかしながら、それらは、い
ずれも、異なるクラッチを使用することになる隣接する
速度段への変速について記したものであって、同じクラ
ッチを使用することになる飛び越し変速、すなわち現在
使用中の速度段から2段異なる速度段への変速につい
て、詳述されたものはない。
【0004】ここで、本発明の様に、同期装置を使用し
ている場合、周知の様に、これら同期装置は、動力伝達
中は動かすことはできない。逆に言えば、同期装置はク
ラッチが切れている状態でしか作動させることができな
いという制限がある。したがって、例えば、第1速度段
と第3速度段に第1クラッチが使用され、第2速度段と
第4速度段に第2クラッチを使用するように構成されて
いる場合に、第4速度段から2段低速側の第2速度段へ
飛び越し変速する時には、第2クラッチを解放して、第
4速度段用の同期装置を解除し、その後、第2速度段用
の同期装置を係合してから第2クラッチを係合せしめる
ことが必要である。
【0005】しかしながら、この場合、上記の様にした
だけであると、アクセルペダルが踏み込まれている場合
には、第2クラッチが、解放されてから、再び、係合さ
れるまでの間、エンジンにかかる負荷が減るのでエンジ
ン回転数が急上昇するという問題と共に以下の様な現象
が発生して、ドライバビリティが悪化する。それは、ク
ラッチが切れている間に車両の慣性力によりタイヤを介
して回転せしめられる変速機の出力軸に負荷される量が
増大し、あるいは言い換えれば、変速機の出力軸にタイ
ヤ側から入力されたエネルギを消費するエネルギが増大
し、その結果、変速機の回転数が低下するという問題で
ある。
【0006】この問題について、後述の実施の形態の説
明に用いる図を参照しながらさらに詳細に説明する。図
1は前進4段、後進1段のツインクラッチ式変速機の構
造を示しており(詳細は実施の形態の説明を参照)、各
速度段において図2に示されるような係合の組合せがさ
れる。そして、図3は図2に示された係合の組合せの結
果による、クラッチの出力ディスクから変速機の出力軸
70にいたる回転部材の連結関係を示している。
【0007】図3において、各速度段において●印の付
された部材が動力伝達のために回転する部材、○印の付
された部材が動力伝達はしないが回転する部材である。
但し、次の段の変速に備えて、同期装置を予め移動させ
ておくプリセレクトによるものは除いてある。したがっ
て、例えば、第4速度段で走行している状態から第2ク
ラッチC2の解放がなされたが、第2同期装置S2は、
第4速度段用のまま、すなわち、第4速クラッチギヤG
4 と第2ハブH2を係合している状態においては、タイ
ヤからの回転力が変速機の出力軸70に伝達され第4速
ドリブンギヤ04 も回転する。
【0008】その結果、第4速ドリブンギヤ04 に噛合
している第4速ドライブギヤI4 を介して、第2クラッ
チ出力軸50が回転せしめられ、第2クラッチ出力軸5
0に固定結合されている第2クラッチ出力ディスクC2
o と、第2速ドライブギヤI 2 と、副軸ドライブギヤI
S も第2クラッチ出力軸50と一体に回転する。さら
に、副軸ドライブギヤIS に噛合している副軸ドリブン
ギヤ0S が副軸60(第3ハブH3 を含む)と共に回転
し、第2速ドライブギヤI2 に噛合している第2速ドリ
ブンギヤO2 も回転する。
【0009】一方、第2クラッチC2が解放された状態
で、第2同期装置S2が第2速度段用の状態、すなわ
ち、第2速クラッチギヤG2 と第2ハブH2を係合する
と、同様に、第2速ドリブンギヤO2 が変速機出力軸7
0と一体に回転し、第2速ドリブンギヤO2 に噛合して
いる第2速ドライブギヤI2 を介して、第2クラッチ出
力軸50が回転せしめられ、第2クラッチ出力軸50に
固定結合されている第2クラッチ出力ディスクC2
o と、第4速ドライブギヤI4 と、副軸ドライブギヤI
S も第2クラッチ出力軸50と一体に回転する。さら
に、さらに、副軸ドライブギヤIS に噛合している副軸
ドリブンギヤ0S が副軸60(第3ハブH3 を含む)と
共に回転し、第4速ドライブギヤI4 に噛合している第
4速ドリブンギヤO4 も回転する。
【0010】前者の場合も、後者の場合も、変速機の出
力軸70によって第2クラッチ出力軸50、第2速ドラ
イブギヤI2 、第4速ドライブギヤI4 、副軸ドライブ
ギヤIS 、副軸ドリブンギヤ0S 、副軸60(第3ハブ
3 を含む)が駆動され、前者の場合はさらに第2速ド
リブンギヤO2 が駆動され、後者の場合の第4速ドライ
ブギヤI4 が駆動される。第2速ドリブンギヤO2 と第
4速ドライブギヤI4 は径が異なり、慣性モーメントも
異なるが、第2クラッチ出力軸50、第2速ドライブギ
ヤI2 、第4速ドライブギヤI4 、副軸ドライブギヤI
S 、副軸ドリブンギヤ0S 、副軸60(第3ハブH3
含む)の慣性モーメントの大きさに比べればその差は小
さいとして、前者の場合も、後者の場合も、変速機の出
力軸70によって駆動される部分の全体の慣性モーメン
トは等しいと考える。
【0011】ここで、変速機の出力軸70の回転数N70
が同じと考えた場合、前者の場合よりも後者の場合の方
が第2クラッチ出力軸50の回転数N50の回転数は高
い。なぜならば、前者の場合の変速機の出力軸70の回
転数N70に対する第2クラッチ出力軸50の回転数N50
の比は第4速度段の減速比であって、一方、後者の場合
の変速機の出力軸70の回転数N70に対する第2クラッ
チ出力軸50の回転数N50の比は第2速度段の減速比で
あって、第2速度段の減速比の方が第4速度段の減速比
よりも大きいからである。
【0012】仮に、隣接する速度段の減速比の比を均等
に略1.5と仮定すると、第4速度段と第2速度段の減
速比の比は2強である。したがって、後者の場合、前者
の場合に比べて2倍以上の回転数で回転する。回転エネ
ルギは慣性モーメントをI、角速度をωとすれば0.5
×Iω2 であるから、後者の場合、前者に比べて4倍以
上のエネルギが消費される。
【0013】したがって、前者の状態から、後者の状態
へ、すなわち、第2クラッチC2が解放され、第2同期
装置S2は第4速クラッチギヤG4 と第2ハブH2を係
合している状態から、第2クラッチC2が解放され、第
2同期装置S2が第2速クラッチギヤG2 と第2ハブH
2を係合した状態へ、そのまま移行すると、上記のよう
にエネルギの消費が増大して、変速機出力軸70の回転
が落ち込む。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
み、ツインクラッチ式変速機において、加速中に、現在
使用中の速度段から2段異なる速度段へ飛び越し変速を
滑らかに実行できる変速制御装置を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、変速機入力軸に連結される2つのクラッチと、これ
らクラッチのクラッチ出力軸と変速機出力軸との間を同
期装置の選択操作により選択的に連結する複数の歯車列
とを備え、互いに隣合う速度段はそれぞれ別のクラッチ
出力軸を使用して達成できるように前記歯車列が配置さ
れていて、クラッチ出力軸と変速機出力軸を連結する歯
車列を切り換え、変速機出力軸に連結されたクラッチ出
力軸に連なるクラッチを係合し、他方を解放するように
2つのクラッチを係合、解放して所望の速度段を得るツ
インクラッチ式変速機の制御装置であって、運転者の変
速要求を判定する変速要求判定手段と、それぞれのクラ
ッチの係合力を調整する係合力調整手段と、各速度段を
達成するための歯車の係合を完成させる同期装置を作動
せしめる同期装置作動手段を各速度段用に具備し、前記
同期装置作動手段は現在の走行中に現在の速度段より1
段低速段側の速度段用の同期装置を係合しておくプリセ
レクト手段を含み、変速要求判定手段が、加速中に、現
在の速度段から2段低速側の速度段への飛び越し変速を
要求していると判定した時に、変速前に係合されている
変速前係合クラッチの係合力を調整する変速前係合クラ
ッチ係合力調整手段が、変速前係合クラッチを解放する
ように係合力を減少し、変速前に解放されている変速前
解放クラッチの係合力を調整する変速前解放クラッチ係
合力調整手段が、変速前解放クラッチを係合するように
係合力を増大して前記プリセレクト手段により歯車の係
合が完成されている変速前の速度段から1段低速側の1
段低速側速度段によってエンジンから伝達される駆動力
を増大せしめ、前記増大せしめられた1段低速側の速度
段によってエンジンから伝達される駆動力が変速前速度
段から2段低速側の速度段への変速により増加する変速
機内の回転負荷を凌駕すると判段された後に、2段低速
側の速度段用の同期装置を同期装置作動手段で作動せし
めて2段低速側の速度段用の歯車係合を完成せしめ、2
段低速側の速度段用の歯車係合が完成した後に、変速前
係合クラッチ係合力調整手段が前記一旦解放された変速
前係合クラッチを再度係合するように係合力を増大し、
変速前解放クラッチ係合力調整手段が前記暫時係合され
た変速前解放クラッチを再度解放するように係合力を減
少するようにされた制御装置が提供される。
【0016】この様に構成された制御装置では、加速中
に、現在の速度段から2段低速側の速度段への飛び越し
変速が要求されると、変速前係合クラッチ係合力調整手
段が、変速前係合クラッチを解放するように係合力を減
少し、変速前解放クラッチ係合力調整手段が、変速前解
放クラッチを係合するように係合力を増大してプリセレ
クト手段により歯車の係合が完成されている変速前の速
度段から1段低速側の速度段によってエンジンから伝達
される駆動力を増大せしめられる。増大せしめられた1
段低速側の速度段によってエンジンから伝達される駆動
力が変速前速度段から2段低速側の速度段への変速によ
り増加する変速機内の回転負荷を凌駕すると判段された
後に、2段低速側の速度段用の歯車係合が完成せしめら
れ、その後、変速前係合クラッチ係合力調整手段が前記
一旦解放された変速前係合クラッチを再度係合するよう
に係合力を増大し、変速前解放クラッチ係合力調整手段
が前記暫時係合された変速前解放クラッチを再度解放す
るように係合力を減少してツインクラッチ式変速機の飛
び越し変速が実行される。
【0017】請求項2の発明によれば、請求項1の制御
装置において、変速前解放クラッチ係合力調整手段が、
係合力検出手段を含み、係合力検出手段が検出する変速
前解放クラッチ係合力が予め定めた所定の値よりも大き
くなった時に、前記1段低速側の速度段によってエンジ
ンから伝達される駆動力が変速前速度段から2段低速側
の速度段への変速により増加する変速機内の回転負荷を
凌駕すると判段するようにされた制御装置が提供され
る。
【0018】この様に構成された制御装置によれば、係
合力検出手段が検出する変速前解放クラッチ係合力が予
め定めた所定の値よりも大きくなった時に、前記1段低
速側の速度段によってエンジンから伝達される駆動力が
変速前速度段から2段低速側の速度段への変速により増
加する変速機内の回転負荷を凌駕すると判段され、その
後、2段低速側の速度段用の同期装置を同期装置作動手
段で作動せしめて2段低速側の速度段用の歯車係合が完
成せしめられ、その後、変速前係合クラッチ係合力調整
手段が前記一旦解放された変速前係合クラッチを再度係
合するように係合力を増大し、変速前解放クラッチ係合
力調整手段が前記暫時係合された変速前解放クラッチを
再度解放するように係合力を減少して、ツインクラッチ
式変速機の飛び越し変速が実行される。
【0019】請求項3の発明によれば、請求項1の制御
装置において、さらに、変速機の入力軸の回転数の上昇
率を検出する入力軸回転数上昇率検出手段を備え、変速
前係合クラッチの係合力の減少にともない上昇する変速
機の入力軸の回転数の上昇率が、予め定めた値よりも小
さくなった場合に、前記1段低速側の速度段によってエ
ンジンから伝達される駆動力が変速前速度段から2段低
速側の速度段への変速により増加する変速機内の回転負
荷を凌駕すると判段するようにされた制御装置が提供さ
れる。
【0020】この様に構成された制御装置によれば、変
速前係合クラッチの係合力の減少にともない上昇する変
速機の入力軸の回転数の上昇率が、入力軸回転数上昇率
検出手段で検出され、その値が予め定めた値よりも小さ
くなった場合に、前記1段低速側の速度段によってエン
ジンから伝達される駆動力が変速前速度段から2段低速
側の速度段への変速により増加する変速機内の回転負荷
を凌駕すると判段され、その後、2段低速側の速度段用
の同期装置を同期装置作動手段で作動せしめて2段低速
側の速度段用の歯車係合が完成せしめられ、その後、変
速前係合クラッチ係合力調整手段が前記一旦解放された
変速前係合クラッチを再度係合するように係合力を増大
し、変速前解放クラッチ係合力調整手段が前記暫時係合
された変速前解放クラッチを再度解放するように係合力
を減少して、ツインクラッチ式変速機の飛び越し変速が
実行される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施の形態を説明する。図1は本発明が適用されたトル
クコンバータ付きのツインクラッチ式4段自動変速機の
全体の構造を模式的に示した図である。図1において、
1はエンジンを、2はロックアップ機構付きのトルクコ
ンバータを、3はツインクラッチ式自動変速機を表して
いる。図示されるように、エンジン1の出力軸10がト
ルクコンバータ2のフロントカバ−20に連結され、フ
ロントカバ−20は流体流を介して連結されるポンプイ
ンペラ21とタービン22を介して、あるいは、ロック
アップクラッチ23を介してトルクコンバータ出力軸2
4に連結され、トルクコンバータ24の出力軸はツイン
クラッチ式自動変速機3の入力軸30に一体回転可能に
連結されている。なお、25はステータ、26はワンウ
ェイクラッチである。
【0022】入力軸30には、クラッチCを構成する第
1クラッチC1の第1クラッチ入力ディスクC1i 、第
2クラッチC2の第2クラッチ入力ディスクC2i が連
結されている。そして、第1クラッチC1の第1クラッ
チ出力ディスクC1o 、第2クラッチC2の第2クラッ
チ出力ディスクC2o に、それぞれ、第1クラッチ出力
軸40、第2クラッチ出力軸50が、入力軸30の外側
に同軸的に連結されている。そして、副軸60と出力軸
70がこれらの軸に平行に配設されている。
【0023】第2クラッチ出力軸50には、クラッチC
の側から、第2速ドライブギヤI2、副軸ドライブギヤ
S 、第4速ドライブギヤI4 が固定的に連結されてい
る。一方、第1クラッチ出力軸40には、第4速ドライ
ブギヤI4 に隣接するようにして第3速ドライブギヤI
3 が、さらにそのトルクコンバータ2側に第1速ドライ
ブギヤI1 が固定的に連結されている。
【0024】出力軸70には、クラッチCの側から、第
2速ドライブギヤI2 と常時噛合する第2速ドリブンギ
ヤO2 、第4速ドライブギヤI4 と常時噛合する第4速
ドリブンギヤO4 、第3速ドライブギヤI3 と常時噛合
する第3速ドリブンギヤO3、第1速ドライブギヤI1
と常時噛合する第1速ドリブンギヤO1 が、それぞれ、
回転自在に取り付けられている。
【0025】第1同期装置D1は出力軸70に固定的に
連結された第1ハブH1と、その外周端部上に軸方向摺
動自在に取り付けられた第1スリーブS1からなり、こ
の第1スリーブS1を、第1シフトフォークY1を介し
て第1スリーブアクチュエータACT1によって移動
し、第1速ドリブンギヤO1 に固定結合されている第1
速クラッチギヤG1 、または、第3速ドリブンギヤO3
に固定結合されている第3速クラッチギヤG3 に係合さ
せることによって第1速ドリブンギヤO1 および第3速
ドリブンギヤO3 を選択的に出力軸70に連結させる。
【0026】同様に、第2同期装置D2は出力軸70に
固定的に連結された第2ハブH2と、その外周端部上に
軸方向摺動自在に取り付けられた第2スリーブS2から
なり、この第2スリーブS2を、第2シフトフォークY
2を介して第2スリーブアクチュエータACT2によっ
て移動し、第4速ドリブンギヤO4 に固定結合されてい
る第4速クラッチギヤG4 、または、第2速ドリブンギ
ヤO2 に固定結合されている第2速クラッチギヤG2
係合させることによって第4速ドリブンギヤO 4 および
第2速ドリブンギヤO2 を選択的に出力軸70に連結さ
せる。
【0027】副軸60には、クラッチCの側から、副軸
ドライブギヤIS と常時噛合する副軸ドリブンギヤ
S 、第1速ドライブギヤI1 とアイドラギヤMR を介
して常時噛合する後進ドライブギヤIR が配設されてい
て、この内、副軸ドリブンギヤO S は副軸60に固定的
に連結され、常時副軸60と一体に回転するが、後進ド
ライブギヤIR は回転自在に取り付けられていて、両ギ
ヤの中間に配設された第3同期装置D3により下記の様
に選択的に副軸60に連結される。
【0028】第3同期装置D3は副軸60に固定的に連
結された第3ハブH3と、その外周端部上に軸方向摺動
自在に取り付けられた第3スリーブS3からなり、この
第3スリーブS3を第3シフトフォークY3を介して第
3スリーブアクチュエータACT3によって移動し、後
進ドライブギヤIR に固定結合されている後進クラッチ
ギヤGR に係合させることによって、後進ドライブギヤ
R を選択的に副軸60と一体に回転させる。
【0029】図2は、各速度段における、第1クラッチ
C1、第2クラッチC2、第1スリーブS1、第2スリ
ーブS2、第3スリーブS3の係合の状態を示したもの
である。○が付されたものはその速度段における動力の
伝達のための係合であって、△はダウンシフト用のプリ
セレクトを、▽はアップシフト用のプリセレクトをした
場合に付加される係合を示している。本発明では、基本
的にダウンシフト側にプリセレクトするようにされてい
て、例えば、第4速度段では、第3速度段へのダウンシ
フトに備えて第1スリーブS1は第3クラッチギヤG3
と係合せしめられている。しかし、第1速度段はダウン
シフトがありえないので、アップシフトに備えて第2ス
リーブS2が第2クラッチギヤG2 と係合せしめられて
いる。
【0030】例えば、第1速度段では第1クラッチC1
が係合され、第1クラッチ出力ディスクC1o に結合さ
れた第1クラッチ出力軸40が第1速ドライブギヤ
1 、第3速ドライブギヤI3 と共に回転し、第1速ド
ライブギヤI1 に常時噛合している第1速ドリブンギヤ
1 が回転し、次に、第1スリーブS1が第1速クラッ
チギヤG1 側に位置していることによって出力軸70が
第1ハブH1、第2ハブH2と共に回転し、動力が伝達
される。同時に、第3速ドライブギヤI3 に噛合してい
る第3速ドリブンギヤO3 が回転し、第1速ドライブギ
ヤI1 に噛合している第1速ドリブンギヤO1 、アイド
ラギヤMR 、後進ドライブギヤIR も回転する。
【0031】第2速度段では第2クラッチC2が係合さ
れ、第2クラッチ出力ディスクC2 o に結合された第2
クラッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第4速
ドライブギヤI4 、副軸ドライブギヤIS と共に回転
し、第2速ドライブギヤI2 に常時噛合している第2速
ドリブンギヤO2 が回転し、次に、第2スリーブS2が
第2速クラッチギヤG2 側に位置していることによって
出力軸70が第1ハブH1、第2ハブH2と共に回転
し、動力が伝達される。同時に、第4速ドライブギヤI
4 に噛合している第4速ドリブンギヤO4 が回転し、副
軸ドライブギヤIS に噛合している副軸ドリブンギヤO
S も副軸60(第3ハブH3を含む)と共に回転する。
【0032】第3速度段では第1クラッチC1が係合さ
れ、第1クラッチ出力ディスクC1 o に結合された第1
クラッチ出力軸40が第1速ドライブギヤI1 、第3速
ドライブギヤI3 と共に回転し、第3速ドライブギヤI
3 に常時噛合している第3速ドリブンギヤO3 が回転
し、次に、前述のように第1スリーブS1が第3速クラ
ッチギヤG3 側に位置していることによって出力軸70
が第1ハブH1、第2ハブH2と共に回転し、動力が伝
達される。同時に、第1速ドライブギヤI1 に噛合して
いる第1速ドリブンギヤO1 、アイドラギヤMR 、後進
ドライブギヤIR も回転する。
【0033】第4速度段では第2クラッチC2が係合さ
れ、第2クラッチ出力ディスクC2 o に結合された第2
クラッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第4速
ドライブギヤI4 、副軸ドライブギヤIS と共に回転
し、第4速ドライブギヤI4 に常時噛合している第4速
ドリブンギヤO4 が回転し、次に、第2スリーブS2が
第4速クラッチギヤG4 側に位置していることによって
出力軸70が第1ハブH1、第2ハブH2と共に回転
し、動力が伝達される。 同時に、第2速ドライブギヤ
2 に噛合している第2速ドリブンギヤO2 が回転し、
副軸ドライブギヤI S に噛合している副軸ドリブンギヤ
S も副軸60(第3ハブH3を含む)と共に回転す
る。
【0034】後進段では第2クラッチC2が係合され、
第2クラッチ出力ディスクC2o に結合された第2クラ
ッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第4速ドラ
イブギヤI4 、副軸ドライブギヤIS と共に回転し、副
軸ドライブギヤIS に常時噛合している副軸ドリブンギ
ヤOS を介して副軸60が回転し、第3スリーブS3が
後進クラッチギヤGR 側に位置せしめられていることに
より後進ドライブギヤIR が回転し、その結果、後進ア
イドラギヤMR を介して第1速ドリブンギヤO 1 が回転
し、次に、第1スリーブS1が第1速クラッチギヤG1
側に位置していることによって出力軸70が第1ハブH
1、第2ハブH2と共に回転し、動力が伝達される。同
時に、第2速ドライブギヤI2 に噛合している第2速ド
リブンギヤO2 、回転し、第4速ドライブギヤI4 に噛
合している第4速ドリブンギヤO4 も回転する。
【0035】そして、隣接する各速度段の間の通常の変
速は、プリセレクトがされている場合は、変速前に係合
されているクラッチを解放し、変速後に使用すべきクラ
ッチを係合することによっておこなわれる。プリセレク
トされていない速度段への変速は、まず、その速度段が
完成するようにスリーブを移動させておいてから、クラ
ッチの係合をおこなう。変速前の速度段の伝達経路を完
成していたスリーブは所定のプリセレクト位置に移動さ
れる。
【0036】第1クラッチC1と第2クラッチC2の係
合、解放の制御は、それぞれ、第1クラッチ入力ディス
クC1i 、第2クラッチ入力ディスクC2i に連結され
た第1クラッチ・クラッチプレート(図示しない)、第
2クラッチ・クラッチプレート(図示しない)を、油圧
によって駆動される第1クラッチピストン(図示しな
い)、第2クラッチピストン(図示しない)によって、
第1クラッチ出力ディスクC1o 、第2クラッチ出力デ
ィスクC2o に連結された第1クラッチ・クラッチプレ
ート(図示しない)、第2クラッチ・クラッチプレート
(図示しない)に摩擦係合せしめることによっておこな
われる。そして、前記ピストンの駆動は、図1における
油圧供給源OPから供給された作動油をピストン油室に
給排制御することによりおこなわれ、第1クラッチ供給
油圧制御弁VC1および第2クラッチ供給油圧制御弁V
C2を電子制御ユニット(以下ECUという)100に
よって制御することによりおこなわれる。
【0037】また、第1スリーブS1、第2スリーブS
2、第3スリーブS3の移動は、前述したように、それ
ぞれ、第1スリーブアクチュエータACT1、第2スリ
ーブアクチュエータACT2、第3スリーブアクチュエ
ータACT3によりおこなわれる。各スリーブアクチュ
エータの構造の詳細な説明は省略するが、シフトフォー
クが連結されたピストンを所望の方向に移動せしめるも
のであって、油圧供給源P0から供給された作動油をピ
ストンの両側に形成されているピストン油室に給排制御
することによりおこなわれ、そのために、各ピストン油
室への作動油の供給を制御する弁と、各ピストン油室か
らの作動油の排出を制御する弁とを有し、ECU100
によってこれらの弁の開閉を制御する。
【0038】そして、本発明においては、各スリーブが
移動予定へ移動したかどうかを確認することが必要であ
るので、第1スリーブアクチュエータACT1、第2ス
リーブアクチュエータACT2、第3スリーブアクチュ
エータACT3は前記ピストンの移動からスリーブの位
置を検出する第1、第2、第3のスリーブ位置センサ1
15a、115b、115cを有していてその信号は、
ECU100の入力インターフェイス回路101に送ら
れる。
【0039】また、ロックアップクラッチ23の係合、
解放の制御は、公知のように、フロントカバ−20とロ
ックアップクラッチ23の間からポンプ21とステータ
25の間に向けて作動油を流すか、逆に、ポンプ21と
ステータ25の間からフロントカバ−20とロックアッ
プクラッチ23の間へ向けて作動油を流すかによりおこ
なわれ、そのためのロックアップ油圧制御弁VLが設け
られており、ロックアップ油圧制御弁VLもECU10
0により制御される。
【0040】ECU100は、デジタルコンピュータか
らなり、相互に接続された入力インターフェイス回路1
01、ADC(アナログデジタル変換器)102、CP
U(マイクロプロセッサ)103、RAM(ランダムア
クセスメモリ)104、ROM(リードオンリメモリ)
105、出力インターフェイス回路106を具備してい
る。CPU103には、ギヤ段位置を検出するギヤ段セ
ンサ111、車速を検出する車速センサ112、スロッ
トル開度を検出するスロットル開度センサ113、エン
ジン回転数を検出するエンジン回転数センサ114、お
よび前述の各スリーブアクチュエータ内に設けられたス
リーブ位置を検出するスリーブ位置センサ115a,1
15b,115c等の各センサの出力信号が、入力イン
ターフェイス回路101を介して、あるいはさらにAD
C102を介して入力される。
【0041】CPU103は上記各種センサの値と、R
OM105に記憶しておいたデータから後述する本発明
の制御をおこなうために、前記各スリーブを移動せしめ
るスリーブアクチュエータを制御する信号を発生する
他、ツインクラッチ式自動変速機のクラッチを制御する
第1クラッチ供給油圧制御弁VC1および第2クラッチ
供給油圧制御弁VC2を制御する信号、前記各スリーブ
を移動せしめるアクチュエータを制御する信号、前記ロ
ックアップクラッチを制御するロックアップ油圧制御弁
VLを制御する信号を発生し、出力インターフェイス回
路106を介して、それぞれに送出する。
【0042】上記のように構成された、本発明の実施の
形態の作動の説明に先立ち、本発明の変速制御の考え方
について説明する。先述のように、パワーオン状態、す
なわち、アクセルペダルを踏み込まれている状態で、飛
び越し変速を、例えば、第4速度段から第2速度段への
場合に、第2クラッチC2の解放→第2同期装置D2の
第4速ドリブンギヤO4 と出力軸70の連結の解除→第
2同期装置D2の第2速ドリブンギヤO2 と出力軸70
の連結→第2クラッチC2の係合でなされると、エンジ
ンは空転し、回転が急上昇すると共に、出力軸70は変
速機内の回転負荷の増大により回転が低下する。
【0043】そこで、本実施の形態においては、パワー
オン状態で、飛び越し変速をする場合に、現在使用中の
クラッチが解放されてから係合されるまでの間、一時的
に、現在の速度段と目標速度段の間の中間速度段、すな
わち、現在の速度段に隣接する速度段を完成させ、エン
ジンの駆動力を出力軸70に伝えエンジンの空転を防止
させると共に、出力軸の回転の降下を防止する。したが
って、例えば、第4速度段から第2速度段への飛び越し
変速の場合には、一時的に第3速度段を完成させる。
【0044】第3速度段を完成させるためには、本実施
の形態においては、第1クラッチの係合と、第3速度段
用に同期装置D1を作動せしめることが必要であるが、
後述のように、第3速度段の完成のタイミングを最適に
調整する必要があり、その調整は、作動がON−OFF
的な、同期装置の作動時期の調整でおこなうよりも、作
動がアナログ的、すなわち、作動が漸進的なクラッチで
おこなう方が好ましい。そのために、クラッチを作動さ
せる前に同期装置の作動を完了させておくことが必要で
ある。したがって、1段低速側の速度段へのプリセレク
トが必要である。そこで、本実施の形態では図2に示さ
れるようなプリセレクトがおこなわれ、第4速度段で走
行中に第3速度段用のプリセレクトがおこなわれてい
る。
【0045】そして、最も重要なことは、飛び越し変速
の中間段、例えば、第4速度段から第2速度段への場
合、先述した第2速度段用の同期装置を係合することに
よる出力軸の回転数の低下を防止するに足る動力をエン
ジンから供給できるように第3速度段を完成させるとい
うことである。これには、幾つかの方法があるので、各
実施の形態の説明において詳述する。
【0046】上記の考え方に基づき実施される本発明の
各実施の形態における制御を順を追って記せば以下の通
りである。 <第1段階>最初に、この制御は、運転者が急加速をす
るために飛び越し変速のシフトダウンを要求した時に実
施するものとするので、まず、運転者の飛び越し変速の
シフトダウンの要求を検出することが必要である。本発
明の実施の形態においては前進4段であるので、第4速
度段、あるいは、第3速度段で走行中であることが前提
となり、その状態で、例えば、スロットル開度が100
%になった時を、運転者が飛び越し変速のシフトダウン
を要求したと判断するが、その他の適切な判断方法でも
よく、例えば、変速線図(図示しない)を用いる方法で
もよい。 <第2段階>次に、現在の速度段から1段低い速度段に
プリセレクトされているかどうか、例えば、現在、第4
速度段で走行中であれば、第3速度段用のプリセレクト
がされているかどうかを確認し、プリセレクトされてい
なければ、プリセレクトする。その理由は、先述した通
りである。 <第3段階>次に、現在係合されているクラッチの係合
を解除する。したがって、例えば、現在、第4速度段で
走行中であれば、第2クラッチC2の係合を解除するよ
うに、第2クラッチ供給油圧制御弁VC2を作動せしめ
る。 <第4段階>次に、それまで解放されていた他方の側の
クラッチ、例えば、第4速度段で走行していたのであれ
ば、第1クラッチC1を係合するように、第1クラッチ
供給油圧制御弁VC1を作動せしめる。 <第5段階>次に、第4段階の作動により第3速度段の
係合を介して、出力軸へ、先述した、飛び越し変速によ
るエネルギ損失による出力軸の回転降下を防止するエネ
ルギがエンジンから供給されたかどうかを確認する。 <第6段階>第5段階の確認なされた後、飛び越し変速
後の速度段の歯車の係合を完成させるの同期装置、例え
ば、第4速度段から第2速度段への飛び越し変速の場合
には、第2同期装置D2を第2速ドリブンギヤO2 のク
ラッチギヤG2 と第2ハブH2を係合するように作動せ
しめる。 <第7段階>第6段階の作動が完了した後、第3段階で
係合解除されたクラッチ、例えば、第4速度段から第2
速度段への飛び越し変速の場合には第2クラッチC2、
を係合させ、第4段階で係合せしめられたクラッチ、例
えば、第4速度段から第2速度段への飛び越し変速の場
合には第1クラッチC1、を解放せしめる。
【0047】図4、5は、上記に基づく、第1の実施の
形態における制御のルーチンのフローチャートである。
ステップ1ではスロットル開度が100%かどうかを判
定し、否定判定されたらそのまま終了し、肯定判定され
た場合は、飛び越し変速を要求していると判定して、ス
テップ2に進む。ステップ2では、現在の速度段が第3
速度段か第4速度段であるかどうかを判定し、、否定判
定されたらそのまま終了し、肯定判定された場合のステ
ップ3に進む。
【0048】ステップ3で現在の速度段が第4速度段で
あると判定された場合は、以降ステップ4〜ステップ2
2を実行して、第4速度段から第2速度段への飛び越し
変速用の制御を実行し、ステップ3で現在の速度段が第
4速度段でないと判定された場合は、以降ステップ5〜
ステップ23を実行して、第3速度段から第1速度段へ
の飛び越し変速用の制御を実行する。
【0049】まず、現在の速度段が第4速度段であると
判定され、ステップ4〜ステップ26を実行して、第4
速度段から第2速度段への飛び越し変速用の制御を実行
する場合を説明する。ステップ4で第1同期装置D1が
中間段である第3速度段用にプリセレクトされているか
どうか判定し、肯定判定された場合はそのまま、否定判
定された場合はステップ6で第3速度段用に移動せしめ
てから、ステップ8に進む。ステップ8では、現在係合
している第2クラッチC2を解放するために第2クラッ
チ供給油圧制御弁VC2をOFFにする。
【0050】ステップ10では、中間段である第3速度
段を完成させるために、第1クラッチC1を係合するよ
うに第1クラッチ供給油圧制御弁VC1をONにし、予
め定めたカーブにそって係合圧が上昇するようにフィー
ドバック制御制御する。
【0051】そして、ステップ12では第1クラッチC
1の係合圧力P1 が予め定めた値P1Aに達したかどう
かを判定し、肯定判定されればステップ14で第2同期
装置S2を第2速度段用に移動せしめる。このステップ
12〜14で第1クラッチC1の係合圧力P1 が予め定
めた値P1Aに達してから、第2同期装置S2を第2速
度段用に移動せしめるという作業が「第2速度段の同期
装置を係合することによる出力軸の回転数の低下を防止
するに足る動力をエンジンから供給できるように第3速
度段を完成させる」という本発明のポイント部分に相当
する。
【0052】ステップ16で第2スリーブ位置検出セン
サ115bの信号で、第2同期装置D2のスリーブS2
が目標位置に移動したかどうかを確認してからステップ
18に進み第2クラッチC2を係合するように第2クラ
ッチ供給油圧制御弁VC2をONにし、第2速度段を完
成せしめる。ステップ20では、ステップ18で油圧供
給が開始された第2クラッチC2の油圧P2 が予め定め
た所定値P2Bを超え、係合圧が充分に高まるのを待っ
てから、ステップ22に進み第1クラッチ供給油圧制御
弁VC1をOFFにして第1クラッチC1を解放して、
終了する。
【0053】一方、ステップ3で現在の速度段が第3速
度段であると判定された場合は、ステップ5〜ステップ
23を実行して、第3速度段から第1速度段への飛び越
し変速用の制御を実行するが、各ステップにおける作動
は、基本的に上記のステップ4〜22と同じであるので
ステップ毎の詳細な説明は省略する。
【0054】図6は上記の第1実施例による制御を説明
するタイムチャートである。(A)は飛び越し変速の指
令時期に相当するスロットル開度THAが100%にな
ったタイミングを示している。(B)はクラッチの係合
圧の変化を示し、破線で示されるのが第1クラッチC1
の係合圧P1 、実線で示されるのが第2クラッチC2の
係合圧P2 である。(C)はこの制御の間の変速機入力
軸の回転数(=トルコン2のタービン22の回転数)N
Tの変化である。(D)は変速機出力軸のトルクの変化
を示し、上記の制御によれば、実線のよに途中の落ち込
みが負になることがない。しかし、例えば、第2スリー
ブS2の作動が、第1クラッチC1の係合圧P1が充分
に上昇する前におこなわれた場合には、破線で示すよう
に、トルクが負の側に落ち込み、乗員に不快感を与え
る。
【0055】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図6に示した、第1の実施の形態の制御のタイムチ
ャートにおいて、(C)に示される変速機入力軸の回転
数NTの推移に注目すると、途中で回転数の上昇度合い
が、大きな変化率から小さな変化率に変化している。こ
れは、変速機入力軸の回転数NTが第2クラッチC2の
係合が解除されることにより負荷が減少して上昇する
が、第1クラッチC1が係合されることによりその上昇
が押さえられることによる。
【0056】逆に言えば、変速機入力軸の回転数NTの
上昇率が変化したことは第1クラッチC1の係合力の増
加によって、第3速度段による、駆動状態に移行したこ
とを意味している。そこで、変速機入力軸の回転数NT
の上昇率の変化が確認された後に同期装置S2の移動を
おこなうようにしたのが第2の実施の形態である。
【0057】図7に示したのが第2の実施の形態の制御
ルーチンのフローチャートの内で、第1の実施の形態と
異なる部分を示したものである。図示される様に、第1
の実施の形態のフローチャートと異なるのは、ステップ
12と13の部分であって、それぞれ、ステップ12
A、ステップ13Aに変更されている。ステップ12A
では、変速機入力軸の回転数NTの上昇率d/dt(N
T)が予め定めた値α1以下になったかどうかが判定さ
れるのを待ち、ステップ13Aでは、変速機入力軸の回
転数NTの上昇率d/dt(NT)が予め定めた値α2
以下になったかどうかが判定されるのを待つようにされ
る。その他の部分は第1の実施の形態と同じである。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、パワーオン時の飛び越
し変速による2段、低速段側への変速を運転者の予想外
の現象を招来することなく滑らかにおこなうことがで
き、ドライバビリティが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変速制御装置を備えたツインクラッチ
式変速機の全体の構成を示す図である。
【図2】図1のツインクラッチ式変速機において各速度
段をえるための各要素の係合の組合せを示す図である。
【図3】各速度段における回転部材を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の制御のルーチンのフローチ
ャートである。
【図5】第1の実施の形態の制御のルーチンのフローチ
ャートである。
【図6】第1の実施の形態の制御を説明するタイムチャ
ートである。
【図7】第2の実施の形態の制御のルーチンのフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1…エンジン 2…トルクコンバータ 3…ツインクラッチ式自動変速機 10…エンジン出力軸 30…(変速機)入力軸 40…第1クラッチ出力軸 50…第2クラッチ出力軸 60…副軸 70…(変速機)出力軸 100…電子制御ユニット 115a,115b,115c…第1、第2、第3スリ
ーブ位置検出センサ C1…第1クラッチ C2…第2クラッチ C1i ,C2i …第1,第2クラッチ入力ディスク C1o ,C2o …第1,第2クラッチ出力ディスク I1 ,I2 ,I3 ,I4 ,IR …第1,2,3,4速,
後進ドライブギヤ O1 ,O2 ,O3 ,O4 ,OR …第1,2,3,4速,
後進ドリブンギヤ Is …副軸ドライブギヤ Os …副軸ドリブンギヤ MR …後進アイドラギヤ G1 ,G2 ,G3 ,G4 ,GR …第1,2,3,4速,
後進クラッチギヤ H1,H2,H3…第1,2,3ハブ Y1,Y2,Y3…第1,2,3シフトフォーク S1,S2,S3…第1,2,3スリーブ ACT1,ACT2,ACT3…第1,2,3スリーブ
アクチュエータ VC1,VC2…第1,2クラッチ供給油圧制御弁 VL…ロックアップクラッチ供給油圧制御弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機入力軸に連結される2つのクラッ
    チと、これらクラッチのクラッチ出力軸と変速機出力軸
    との間を同期装置の選択操作により選択的に連結する複
    数の歯車列とを備え、互いに隣合う速度段はそれぞれ別
    のクラッチ出力軸を使用して達成できるように前記歯車
    列が配置されていて、クラッチ出力軸と変速機出力軸を
    連結する歯車列を切り換え、変速機出力軸に連結された
    クラッチ出力軸に連なるクラッチを係合し、他方を解放
    するように2つのクラッチを係合、解放して所望の速度
    段を得るツインクラッチ式変速機の制御装置であって、
    運転者の変速要求を判定する変速要求判定手段と、 それぞれのクラッチの係合力を調整する係合力調整手段
    と、 各速度段を達成するための歯車の係合を完成させる同期
    装置を作動せしめる同期装置作動手段を各速度段用に具
    備し、 前記同期装置作動手段は現在の走行中に現在の速度段よ
    り1段低速段側の速度段用の同期装置を係合しておくプ
    リセレクト手段を含み、 変速要求判定手段が、加速中に、現在の速度段から2段
    低速側の速度段への飛び越し変速を要求していると判定
    した時に、 変速前に係合されている変速前係合クラッチの係合力を
    調整する変速前係合クラッチ係合力調整手段が、変速前
    係合クラッチを解放するように係合力を減少し、 変速前に解放されている変速前解放クラッチの係合力を
    調整する変速前解放クラッチ係合力調整手段が、変速前
    解放クラッチを係合するように係合力を増大して前記プ
    リセレクト手段により歯車の係合が完成されている変速
    前の速度段から1段低速側の速度段によってエンジンか
    ら伝達される駆動力を増大せしめ、 前記増大せしめられた1段低速側の速度段によってエン
    ジンから伝達される駆動力が変速前速度段から2段低速
    側の速度段への変速により増加する変速機内の回転負荷
    を凌駕すると判段された後に、 2段低速側の速度段用の同期装置を同期装置作動手段で
    作動せしめて2段低速側の速度段用の歯車係合を完成せ
    しめ、 2段低速側の速度段用の歯車係合が完成した後に、変速
    前係合クラッチ係合力調整手段が前記一旦解放された変
    速前係合クラッチを再度係合するように係合力を増大
    し、変速前解放クラッチ係合力調整手段が前記暫時係合
    された変速前解放クラッチを再度解放するように係合力
    を減少することを特徴とするツインクラッチ式変速機の
    制御装置。
  2. 【請求項2】 変速前解放クラッチ係合力調整手段が、
    係合力検出手段を含み、 係合力検出手段が検出する変速前解放クラッチ係合力が
    予め定めた所定の値よりも大きくなった時に、 前記1段低速側の速度段によってエンジンから伝達され
    る駆動力が変速前速度段から2段低速側の速度段への変
    速により増加する変速機内の回転負荷を凌駕すると判段
    することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 【請求項3】 さらに、変速機の入力軸の回転数の上昇
    率を検出する入力軸回転数上昇率検出手段を備え、 変速前係合クラッチの係合力の減少にともない上昇する
    変速機の入力軸の回転数の上昇率が、予め定めた値より
    も小さくなった場合に、前記1段低速側の速度段によっ
    てエンジンから伝達される駆動力が変速前速度段から2
    段低速側の速度段への変速により増加する変速機内の回
    転負荷を凌駕すると判段することを特徴とする請求項1
    に記載の制御装置。
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