以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るツインクラッチ式自動変速機の変速制御装置が適用された自動二輪車10の側面図である。図2は、自動二輪車10の動力源としてのエンジン100の右側面図である。自動二輪車10の車体フレーム14は、左右一対のメインパイプ36を有し、メインパイプ36の車体前方側にはヘッドパイプ15が設けられている。前輪WFを回転自在に軸支すると共に操向ハンドル18を支持する左右一対のフロントフォーク17は、このヘッドパイプ15に回動可能に軸支されている。
メインパイプ36の下方に懸架されるエンジン100は、所定の挟み角をなして前後シリンダを配置したV型4気筒式である。シリンダブロック40内を摺動するピストン41や動弁機構等は、4つの気筒において同様の構成を有している。クランクケース46には、ピストン41を支持するコンロッド41a(図2参照)を回転自在に軸支するクランク軸105、変速機を構成する複数の歯車対が取り付けられた主軸(メインシャフト)13およびカウンタ軸(カウンタシャフト)9が収納されている。
前後シリンダブロックの間には、燃料タンク19の下部に配設されたエアクリーナボックス16を通過した新気を各気筒の吸気ポートに導入するエアファンネル42が配置されている。各エアファンネル42には、それぞれ燃料噴射弁が取り付けられている。シート53の下方には、シリンダブロック40の排気ポートに接続された排気管59で車体後方に導かれた燃焼ガスを排出するマフラ54が設けられている。
メインパイプの後方下部には、ショックユニット37によって吊り下げられると共に後輪WRを回転自在に軸支するスイングアーム38が揺動自在に軸支されている。スイングアーム38の内部には、カウンタ軸9から出力されるエンジンの回転駆動力を駆動輪としての後輪WRに伝達するドライブシャフト58が配設されている。
図2を参照して、エンジン100を構成する前側バンクBFおよび後側バンクBRは、シリンダブロック40の上側に取り付けられて動弁機構を収納するシリンダヘッド44と、該シリンダヘッド44の上端を覆うヘッドカバー45とからなる。ピストン41は、シリンダブロック40に形成されたシリンダ43の内周部を摺動動作する。クランクケース46は、シリンダブロック40と一体成型された上側ケース半体46aと、オイルパン47が取り付けられる下側ケース半体46bとから構成されている。また、エンジン100の冷却水を圧送するためのウォータポンプ49は、主軸13に形成されたスプロケット13aに巻き掛けられた無端状のチェーン48によって回転駆動される。クランクケース46の車幅方向右側の側面には、クラッチカバー50が取り付けられている。
本実施形態に係るエンジン100は、エンジン100と変速機との間で回転駆動力の断接を行う油圧クラッチを、第1クラッチおよび第2クラッチからなるツインクラッチ式とすると共に、該ツインクラッチに供給する油圧をアクチュエータで制御する構成を有している。そして、エンジン100の右側部には、両クラッチを制御するアクチュエータとしての第1バルブ107aおよび第2バルブ107bが取り付けられている。ツインクラッチを適用した変速機の構成に関しては後述する。
図3は、自動変速機としての自動マニュアル変速機(以下、AMT)1およびその周辺装置のシステム構成図である。AMT1は、主軸(メインシャフト)上に配設された2つのクラッチによってエンジンの回転駆動力を断接するツインクラッチ式自動変速装置として構成される。クランクケース46に収納されるAMT1は、クラッチ用油圧装置110およびAMT制御ユニット120によって駆動制御される。AMT制御ユニット120には、バルブ107を駆動制御するクラッチ制御手段が含まれる。また、エンジン100は、スロットルバルブ104aを開閉するスロットルバルブモータ104が備えられたスロットル・バイ・ワイヤ形式のスロットルボディ102を有している。
AMT1は、前進6段の変速機TM、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2からなるツインクラッチTCL、シフトドラム30、該シフトドラム30を回動させるシフト制御モータ21を備えている。変速機TMを構成する多数のギヤは、主軸13およびカウンタ軸9にそれぞれ結合または遊嵌されている。主軸13は、内主軸7と外主軸6とからなり、内主軸7は第1クラッチCL1と結合され、外主軸6は第2クラッチCL2と結合されている。主軸13およびカウンタ軸9には、それぞれ主軸13およびカウンタ軸9の軸方向に変位自在な変速ギヤが設けられており、これら変速ギヤおよびシフトドラム30に形成された複数のガイド溝に、それぞれシフトフォーク71,72,81,82の端部が係合されている。
エンジン100の出力軸、すなわちクランク軸105には、プライマリ駆動ギヤ106が結合されており、このプライマリ駆動ギヤ106はプライマリ従動ギヤ3に噛み合わされている。プライマリ従動ギヤ3は、第1クラッチCL1を介して内主軸7に連結されると共に、第2クラッチCL2を介して外主軸6に連結される。また、AMT1は、カウンタ軸9上の所定の変速ギヤの回転速度を計測することで、内主軸7および外主軸6の回転速度をそれぞれ検知する内主軸回転数(回転速度)センサ131および外主軸回転数(回転速度)センサ132を備えている。
内主軸回転数センサ131は、内主軸7に回転不能に取り付けられた変速ギヤに噛合されると共に、カウンタ軸9に対して回転自在かつ摺動不能に取り付けられた被動側の変速ギヤC3の回転速度を検知する。また、外主軸回転数センサ132は、外主軸6に回転不能に取り付けられた変速ギヤに噛合されると共に、カウンタ軸9に対して回転自在かつ摺動不能に取り付けられた被動側の変速ギヤC4の回転速度を検知するように構成されている。各軸に配設された歯車列の詳細に関しては後述する。
カウンタ軸9の端部には傘歯車56が結合されており、この傘歯車56が、ドライブシャフト58に結合されている傘歯車57と噛合することで、カウンタ軸9の回転駆動力が後輪WRに伝達される。また、AMT1内には、プライマリ従動ギヤ3の外周に対向配置されたエンジン回転数センサ130と、シフトドラム30の回動位置に基づいて変速機TMのギヤ段位を検知するギヤポジションセンサ134と、シフト制御モータ21によって駆動されるシフタの回動位置を検知するシフタセンサ27と、シフトドラム30がニュートラル位置にあることを検知するニュートラルスイッチ133が設けられている。スロットルボディ102には、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ103が設けられている。
クラッチ用油圧装置110は、エンジン100の潤滑油と、ツインクラッチを駆動する作動油とを兼用する構成を有している。クラッチ用油圧装置110は、オイルタンク114と、このオイルタンク114内のオイル(作動油)を第1クラッチCL1および第2クラッチCL2に給送するための管路108とを備えている。管路108上には、油圧供給源としての油圧ポンプ109、アクチュエータとしてのバルブ(電磁制御弁)107が設けられており、管路108に連結される戻り管路112上には、バルブ107に供給する油圧を一定値に保つためのレギュレータ111が配置されている。バルブ107は、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2に個別に油圧をかけることができる第1バルブ107aおよび第2バルブ107bとからなり、それぞれにオイルの戻り管路113が設けられている。
第1バルブ107aと第1クラッチCL1とを連結している管路には、この管路に生じる油圧、すなわち、第1クラッチCL1に生じる油圧を計測する第1油圧センサ63が設けられている。同様に、第2バルブ107bと第2クラッチCL2とを連結している管路には、第2クラッチCL2に生じる油圧を計測する第2油圧センサ64が設けられている。さらに、油圧ポンプ109とバルブ107とを連結する管路108には、主油圧センサ65および油温検知手段としての油温センサ66が設けられている。
AMT制御ユニット120には、自動変速(AT)モードと手動変速(MT)モードとの切り換えを行うモードスイッチ116と、シフトアップ(UP)またはシフトダウン(DN)の変速指示を行うシフトセレクトスイッチ115と、ニュートラル(N)とドライブ(D)との切り換えを行うニュートラルセレクトスイッチ117とが接続されている。AMT制御ユニット120は、中央演算処理装置(CPU)を備え、上記した各センサやスイッチの出力信号に応じてバルブ107およびシフト制御モータ21を制御し、AMT1の変速段位を自動的または半自動的に切り換える。
AMT制御ユニット120は、ATモードの選択時には、車速、エンジン回転数、スロットル開度等の情報に応じて変速段位を自動的に切り換え、一方、MTモードの選択時には、シフトセレクトスイッチ115の操作に伴って、変速機TMをシフトアップまたはシフトダウンさせる。なお、MTモード選択時でも、エンジンの過回転やストールを防止するための補助的な自動変速制御を実行することが可能である。
クラッチ用油圧装置110においては、油圧ポンプ109によってバルブ107に油圧が印加されており、この油圧が上限値を超えないようにレギュレータ111で制御されている。AMT制御ユニット120からの指示でバルブ107が開かれると、第1クラッチCL1または第2クラッチCL2に油圧が印加されて、プライマリ従動ギヤ3が、第1クラッチCL1または第2クラッチCL2を介して内主軸7または外主軸6と連結される。すなわち、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2は、共にノーマリオープン式の油圧クラッチであり、バルブ107が閉じられて油圧の印加が停止されると、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2は、内蔵されている戻りバネ(不図示)によって、内主軸7および外主軸6との連結を断つ方向へ付勢されることとなる。
管路108と両クラッチとを連結する管路を開閉することで両クラッチを駆動するバルブ107は、AMT制御ユニット120が駆動信号を調整することで、管路の全閉状態から全開状態に至るまでの時間等を任意に変更できるように構成されている。
シフト制御モータ21は、AMT制御ユニット120からの指示に従ってシフトドラム30を回動させる。シフトドラム30が回動すると、シフトドラム30の外周に形成されたガイド溝の形状に従ってシフトフォーク71,72,81,82がシフトドラム30の軸方向に変位する。これに伴い、カウンタ軸9および主軸13上のギヤの噛み合わせが変わる。
本実施形態に係るAMT1では、第1クラッチCL1と結合される内主軸7が奇数段ギヤ(1,3,5速)を支持し、第2クラッチCL2と結合される外主軸6が偶数段ギヤ(2,4,6速)を支持するように構成されている。したがって、例えば、奇数段ギヤで走行している間は、第1クラッチCL1への油圧供給が継続されて接続状態が保たれている。そして、シフトチェンジが行われる際には、シフトドラム30の回動によってギヤの噛み合わせを予め変更しておくことにより、両クラッチの接続状態を切り換えるのみで変速動作を完了することが可能となる。
図4は、変速機TMの拡大断面図である。前記と同一符号は同一または同等部分を示す。エンジン100のクランク軸105から、プライマリ駆動ギヤ106を介して、衝撃吸収機構5を有するプライマリ従動ギヤ3に伝達される回転駆動力は、ツインクラッチTCLから、外主軸6および外主軸6に回動自在に軸支される内主軸7、そして、主軸(外主軸6および内主軸7)13とカウンタ軸9との間に設けられる6対の歯車対を介して、傘歯車56が取り付けられたカウンタ軸9に出力される。傘歯車56に伝達された回転駆動力は、傘歯車57と噛合されることでその回転方向が車体後方側に屈曲されてドライブシャフト58に伝達される。
変速機TMは、主軸およびカウンタ軸の間に6対の変速歯車対を有しており、各軸の軸方向に摺動可能に取り付けられた摺動可能ギヤの位置と、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2の断接状態との組み合わせによって、どの歯車対を介して回転駆動力を出力するかを選択することができる。ツインクラッチTCLは、プライマリ従動ギヤ3と一体的に回動するクラッチケース4の内部に配設されている。第1クラッチCL1は、内主軸7に回転不能に取り付けられ、他方、第2クラッチCL2は、外主軸6に回転不能に取り付けられており、クラッチケース4と両クラッチとの間には、クラッチケース4に回転不能に支持された4枚の駆動摩擦板と、両クラッチに回転不能に支持された4枚の被動摩擦板とからなるクラッチ板12が配設されている。
第1クラッチCL1および第2クラッチCL2は、油圧ポンプ109(図3参照)からの油圧が供給されると、クラッチ板12に摩擦力を生じて接続状態に切り替わるように構成されている。クランクケース46に取り付けられるクラッチカバー50の壁面には、内主軸7の内部に二重管状の2本の油圧経路を形成する分配器8が埋設されている。そして、第1バルブ107aによって分配器8に油圧が供給されて、内主軸7に形成された油路A1に油圧が供給されると、ばね等の弾性部材11の弾発力に抗してピストンB1が図示左方に摺動して第1クラッチCL1が接続状態に切り替わる。一方、油路A2に油圧が供給されると、ピストンB2が図示左方に摺動して第2クラッチCL2が接続状態に切り替わる。両クラッチCL1,CL2のピストンB1,B2は、油圧が印加されなくなると、弾性部材11の弾発力によって初期位置に戻るように構成されている。
上記したような構成により、プライマリ従動ギヤ3の回転駆動力は、第1クラッチCL1または第2クラッチCL2に油圧が供給されない限りクラッチケース4を回転させるのみであるが、油圧が供給されることにより、外主軸6または内主軸7を、クラッチケース4と一体的に回転駆動させることとなる。なお、この時、供給油圧の大きさを調整することによって、半クラッチ状態を得ることもできる。
第1クラッチCL1に接続される内主軸7は、奇数変速段(1,3,5速)の駆動ギヤM1,M3,M5を支持している。第1速駆動ギヤM1は、内主軸7に一体的に形成されている。第3速駆動ギヤM3は、スプライン噛合によって軸方向に摺動可能かつ周方向に回転不能に取り付けられており、第5速駆動ギヤM5は、軸方向に摺動不能かつ周方向に回転可能に取り付けられている。
一方、第2クラッチCL2に接続される外主軸6は、偶数変速段(2,4,6速)の駆動ギヤM2,M4,M6を支持している。第2速駆動ギヤM2は、外主軸6に一体的に形成されている。第4速駆動ギヤM4は、スプライン噛合によって軸方向に摺動可能かつ周方向に回転不能に取り付けられており、第6速駆動ギヤM6は、軸方向に摺動不能かつ周方向に回転可能に取り付けられている。
また、カウンタ軸9は、駆動ギヤM1〜M6に噛合する被動ギヤC1〜C6を支持している。第1〜4速の被動ギヤC1〜C4は、軸方向に摺動不能かつ周方向に回転可能に取り付けられており、第5,6速の被動ギヤC5,C6は、軸方向に摺動可能かつ周方向に回転不能に取り付けられている。
上記した歯車列のうち、駆動ギヤM3,M4および被動ギヤC5,C6、すなわち軸方向に摺動可能な「摺動可能ギヤ」は、後述するシフトフォークの動作に伴って摺動されるように構成されており、各摺動可能ギヤには、それぞれ、シフトフォークの爪部が係合する係合溝51,52,61,62が形成されている。なお、前記したように、内主軸回転数センサ131(図3参照)は第3速被動ギヤC3の回転速度を検知し、内主軸回転数センサ132は第4速被動ギヤC4の回転速度を検知するものである。
また、上記した摺動可能ギヤ以外の変速ギヤ(駆動ギヤM1,M2,M5,M6および被動ギヤC1〜C4)、すなわち、軸方向に摺動不能な「摺動不能ギヤ」は、隣接する摺動可能ギヤとの間で回転駆動力の断接を行うように構成されている。上記した構成により、本実施形態に係るツインクラッチ式変速装置1は、摺動可能ギヤの位置および両クラッチCL1,CL2の断接状態の組み合わせによって、回転駆動力を伝達する1つの歯車対を任意に選択することを可能とする。
本実施形態では、摺動可能ギヤと摺動不能ギヤとの間における回転駆動力の伝達にドグクラッチ機構を適用している。ドグクラッチ機構は、ドグ歯とドグ孔とからなる凹凸形状が噛み合うことで、ロスの少ない回転駆動力伝達を可能とするものである。本実施形態では、例えば、第6速被動ギヤC6に形成された4本のドグ歯55が、第2速被動ギヤC2に形成された4つのドグ孔35に噛み合うように構成されている。
図5は、変速機構20の拡大断面図である。また、図6はシフトドラム30のガイド溝の形状を示す展開図である。変速機構20は、前記した4つの摺動可能ギヤを駆動するため、2本のガイド軸31,32に摺動可能に取り付けられた4つのシフトフォーク71,72,81,82を備える。4つのシフトフォークには、摺動可能ギヤと係合するガイド爪(71a,72a,81a,82a)と、シフトドラム30に形成されたガイド溝と係合する円筒凸部(71b,72b,81b,82b)とが設けられている。
ガイド軸31には、第3速駆動ギヤM3に係合するシフトフォーク71と、第4速駆動ギヤM4に係合するシフトフォーク72とが取り付けられている。また、他方側のガイド軸32には、第5速被動ギヤC5に係合するシフトフォーク81と、第6速被動ギヤC6に係合するシフトフォーク82とが取り付けられている。
ガイド軸31,32と平行に配設されるシフトドラム30の表面には、主軸側のシフトフォーク71,72が係合するガイド溝SM1,SM2と、カウンタ軸側のシフトフォーク81,82が係合するガイド溝SC1,SC2が形成されている。これにより、摺動可能ギヤM3,M4,C5,C6は、シフトドラム30の回動動作に伴って、4本のガイド溝の形状に沿って駆動される。
シフトドラム30は、シフト制御モータ21によって所定の位置に回転駆動される。シフト制御モータ21の回転駆動力は、回転軸22に固定された第1ギヤ23、該第1ギヤ23に噛合する第2ギヤ24を介して、中空円筒状のシフトドラム30を支持するシフトドラム軸29に伝達される。シフトドラム軸29は、ロストモーション機構4を介してシフトドラム30に連結されている。
ロストモーション機構4は、シフトドラム軸29とシフトドラム30とをねじりコイルばね5を介して連結することで、例えば、ドグクラッチが噛み合わずにシフトドラム30が予定通りに回動できない場合でも、シフト制御モータ21の動きをねじりコイルばね5で一時的に吸収して、シフト制御モータ21に過剰な負荷が発生しないようにする機構である。ロストモーション機構4は、シフトドラム軸29の端部に取り付けられた駆動ロータ7と、シフトドラム30の端部に取り付けられた従動ロータ6と、駆動ロータ7と従動ロータ6とを連結するねじりコイルばね5とから構成されている。これにより、シフト制御モータ21の動きが一時的に吸収された状態でシフトドラム30が回動可能な状態になると、ねじりコイルばね5の弾発力によってシフトドラム30が所定位置まで回動することとなる。
ギヤポジションセンサ134(図3参照)は、シフトドラム30の実際の回転角度を検知するため、シフトドラム30または従動ロータ6の回転角度を検知するように配設されている。シフタセンサ27は、シフトドラム軸29に固定されたシフタ25に埋設されたピン26で回動されるカム28の位置に基づいて、シフト制御モータ21の所定位置にあるか否かを検知することができる。
図6の展開図を参照して、シフトドラム30の回動位置と4本のシフトフォークとの位置関係について説明する。ガイド軸31,32は、シフトドラム30の回転軸を基準として周方向に約90°離れた位置に配設されている。例えば、シフトドラム30の回動位置がニュートラル(N)にある場合、シフトフォーク81,82が図示左方の表示「C N−N」の位置にあるのに対し、シフトフォーク71,72は図示右方の表示「M N−N」の位置にある。この図では、ニュートラル時の各シフトフォークの円筒凸部(71b,72b,81b,82b)の位置を破線円で示している。また、図示左方の表示「C N−N」から以下に続く所定回動位置および図示右方の表示「M N−N」から以下に続く所定回動位置は、それぞれ30度間隔で設けられている。なお、この図では、所定回動角度のうち、後述する「ニュートラル待ち(N待ち)」位置を四角で囲って示している。
各ガイド溝によって決定されるシフトフォークの摺動位置は、主軸側のガイド溝SM1,SM2が、「左位置」または「右位置」の2ポジションであるのに対し、カウンタ軸側のガイド溝SC1,SC2では、「左位置」または「中位置」または「右位置」の3ポジションを有するように構成されている。
シフトドラム30がニュートラル位置にある時の各シフトフォークは、それぞれ、シフトフォーク81:中位置、シフトフォーク82:中位置、シフトフォーク71:右位置、シフトフォーク72:左位置にある。これは、各シフトフォークで駆動される4つの摺動可能ギヤが、隣接する摺動不能ギヤといずれも噛合していない状態である。したがって、第1クラッチCL1または第2クラッチCL2が接続されても、プライマリ従動ギヤ3の回転駆動力がカウンタ軸9に伝達されることはない。
次に、上記したニュートラル位置から、シフトドラム30を1速ギヤに対応する位置(「C 1−N」および「M 1−N」)に回動させると、シフトフォーク81が中位置から左位置に切り替わることで、第5速被動ギヤC5が中位置から左位置に切り替わる。これにより、第5速被動ギヤC5が、第1速被動ギヤC1とドグクラッチで噛合して、回転駆動力を伝達できる状態となる。この状態において、第1クラッチCL1を接続状態に切り換えると、内主軸7→第1速駆動ギヤM1→第1速被動ギヤC1→第5速被動ギヤC5→カウンタ軸9、の順に回転駆動力が伝達されることとなる。
そして、1速ギヤへの変速が完了すると、シフトドラム30が30度だけシフトアップ方向に自動的に回動される。この回動動作は、2速への変速指令が出された際に、ツインクラッチTCLの接続状態の切り換えのみで変速を完了させるための「アップ側予備変速」と呼ぶものである。このアップ側予備変速により、2本のガイド軸は、図示左右の表示「C 1−2」および「M 1−2」の位置に移動する。
このアップ側予備変速に伴うガイド溝の変化は、ガイド溝SC2が中位置から右位置に切り替わるのみであり、これにより、シフトフォーク82が右位置に移動して、第6速被動ギヤC6が第2速被動ギヤC2とドグクラッチで噛合する。このアップ側予備変速が完了した時点では、第2クラッチCL2は遮断状態にあるので、外主軸6は、内主軸7との間に満たされた潤滑油の粘性によって従動的に回転されることとなる。
上記したアップ側予備変速によって、2速ギヤを介して回転駆動力を伝達する準備が整う。この状態で2速への変速指令が出されると、第1クラッチCL1が遮断されると共に第2クラッチCL2が接続状態に切り換えられる。このクラッチの持ち替え動作により、回転駆動力が途切れることなく、直ちに2速ギヤへの変速動作が完了する。
続いて、1速から2速への変速動作が完了すると、2速から3速への変速動作をクラッチの持ち替えのみで完了させるためのアップ側予備変速が実行される。この2速から3速へのアップ側予備変速では、カウンタ軸側のガイド軸が、図示左側の表示「C 1−2」から「C 3−2」の位置に移動すると共に、主軸側のガイド軸が、図示右側の表示「M 1−2」から「M 3−2」の位置に移動する。これに伴うガイド溝の変化は、ガイド溝SC1が左位置から右位置に切り替わるのみであり、これにより、シフトフォーク81が左位置から右位置に移動して、第5速被動ギヤC5と第3速被動ギヤC3とがドグクラッチで噛合する。
2速から3速へのアップ側予備変速が完了すると、ツインクラッチTCLの接続状態を第2クラッチCL1から第1クラッチCL2に切り換える、換言すれば、クラッチの持ち替え動作を行うのみで2速から3速への変速動作が完了する状態となる。このアップ側予備変速は、以降、5速ギヤの選択時まで同様に実行される。
上記した2速から3速へのアップ側予備変速時において、ガイド溝SC1は、図示左側の表示「C N−2」で中位置、すなわち、ドグクラッチによる噛合が行われない位置を通過する。シフトドラム30は、ギヤポジションセンサ134でその回動位置が検知され、シフト制御モータ21によってその回動速度を微調整することができる。これにより、例えば、図示左側の表示「C 1−2」から「C N−2」までの回動速度、すなわち、被動ギヤC1,C5間でドグクラッチの噛合状態を解除する際の速度と、「C N−2」から「C 3−2」までの回動速度、すなわち、被動ギヤC5,C3間でドグクラッチを噛合させる際の速度とを異ならせたり、また、「C N−2」の位置で所定時間停止する「ニュートラル待ち」を行うことが可能である。上記したようなAMT1の構成によれば、例えば、2速ギヤで走行中には、シフトドラム30の回動位置を「1−2」、「N−2」、「3−2」の間で任意に変更することができる。
この「ニュートラル待ち」の位置で一時停止させるニュートラル待ち制御を所定のタイミングで実行すると、ドグクラッチの断接時に生じやすい変速ショックを低減することが可能となる。なお、シフトドラム30の駆動タイミングや駆動速度は、変速時の変速段数やエンジン回転数等に応じても適宜調整することができる。
なお、シフトドラム30が「ニュートラル待ち」の位置にあるときは、奇数段側または偶数段側の1つの変速ギヤ対がニュートラル状態にある。例えば、前記した「C N−2」の位置では、被動ギヤC2,C6間のドグクラッチが噛合している一方、被動ギヤC5は、被動ギヤC1,C3のいずれにも噛み合わないニュートラル状態にある。したがって、この時に、第1クラッチCL1が接続状態に切り換えられたとしても、内主軸7が回転させられるだけで、カウンタ軸9への回転駆動力の伝達に影響は生じない。
図7は、AMT制御ユニット120の構成を示すブロック図である。AMT制御ユニット120の変速制御部180には、自動変速モードAT、手動変速モードMT、変速マップ181およびタイマ182が含まれる。変速制御部180は、車両の通常走行時、エンジン回転数センサ130、スロットル開度センサ103、ギヤポジションセンサ134の出力信号および車速情報に基づいて、3次元マップ等からなる変速マップ181に従ってシフト制御モータ21およびバルブ107を駆動する。車速情報は、ギヤポジションセンサ134による変速段位と、内主軸回転数センサ131および外主軸回転数センサ132の出力信号に基づいて算出できる。また、変速制御部180には、主油圧センサ65、第1油圧センサ63、第2油圧センサ64、油温センサ66、自動二輪車1の主電源を断接するイグニッションスイッチ70の出力信号も入力される。
さらに、AMT制御ユニット120には、インジェクタ186を駆動する燃料噴射装置185が接続されており、例えば、シフトダウン時にエンジン回転数を合わせるためのブリッピング(空ぶかし)制御時の燃料噴射量の調整も可能とされる。
図8は、本発明の一実施形態に係る連続シフトダウン制御の流れを示すタイムチャートである。前記したように、本実施形態に係るツインクラッチ式自動変速機1は、スロットル開度やエンジン回転数等の情報に基づいて変速ギヤを自動的に切り替える自動変速モードATと、変速スイッチ操作に伴う変速要求に応じて変速ギヤを切り替える手動変速モードMTとが選択可能である。そして、この手動変速モードMTを選択して走行中に、シフトダウンスイッチ(シフトセレクトスイッチ115のスイッチDN)の操作に伴うシフトダウン要求があった場合には、シフトダウン側への予備変速(ダウン側予備変速)を実行してからクラッチの持ち替え動作を実行し、この持ち替え動作により一方側または他方側のクラッチが完全接続された状態となった時点で、シフトダウン動作が完了することとなる。
しかしながら、実際の走行中には、1回目のシフトダウン要求の後、この要求に伴うシフトダウン動作が完了する前に2回目のシフトダウン要求がなされる、いわゆる連続シフトダウン要求がなされることがある。このとき、従来の制御方式では、1回目のシフトダウン要求に伴うシフトダウン動作が完了を待ってから、2回目のシフトダウン動作を開始する構成とされていた。
これに対し、本実施形態に係るツインクラッチ式自動変速機の変速制御装置では、例えば、第1クラッチCL1が接続状態にある5速で走行中に連続シフトダウン要求があると、1回目のシフトダウン要求D1に伴う第2クラッチCL2の接続動作が、2回目のシフトダウン要求D2から所定時間T1が経過する前に完了すると判定された場合は、2回目のシフトダウン要求D2に応じて第1クラッチCL1の接続を開始するように構成されている点に特徴がある。
タイムチャートを参照して、5速ギヤで走行中に時刻t1で1回目のシフトダウン要求D1があると、時刻t2においてシフト送り系動作が開始されると共に、第2クラッチCL2のニュートラル待ち(N待ち)油圧が解除されてFREE状態となる。次に、時刻t3では、シフトドラム30が「5−N」位置から「5−4」位置に切り替えられる。シフト送り系動作の待機中に供給されるN待ち油圧は、クラッチの接続側に微少予圧をかけてドグクラッチのダボのガタ詰めや嵌合時の打音を極力抑えるものである。また、予圧をかけて無効ストロークを詰めておくことで、接続動作に必要なストローク量を低減して素早いクラッチ接続を可能とする。
続いて、時刻t4では、第1クラッチCL1への供給油圧が遮断されると共に、第2クラッチCL2にN待ち油圧より少し高い無効詰め(無効ストローク詰め)油圧が供給される。また、時刻t3と時刻t4の間で、変速ショックを低減するためのブリッピング制御が開始される。そして、時刻t5から、第2クラッチCL2においてクラッチ持ち替え制御用の持替油圧制御が開始され、時刻t6からは、完全接続へ向けた油圧上昇が開始される。
このとき、1回目のシフトダウン要求D1の後に十分な時間があれば、時刻t6からの第2クラッチCL2の油圧上昇が継続されて完全接続油圧(Lock油圧)に到達した時点(時刻t10)で4速へのシフトダウン動作が完了するところ、このタイムチャートの例では、油圧が上昇途中の時刻t7において2回目のシフトダウン要求D2が入力される、すなわち、1回目のシフトダウン要求D1に伴うシフトダウン動作が完了する前に2回目のシフトダウン要求D2が入力される。
以下が、本発明に係る連続シフトダウン制御の流れとなる。時刻t7で2回目のシフトダウン要求D2があると、変速制御部180は、この時刻t7から予め定められた所定時間T1が経過するまでに第2クラッチCL2が完全接続状態になるか否かを判定する。そして、所定時間T1が経過するまでに完全接続状態になると判定されると、連続シフトダウン制御を開始する。なお、各クラッチが完全接続状態になったか否かは、第1油圧センサ63または第2油圧センサ64の出力値が所定値に達したか否かによって判定される。
所定時間T1は、クラッチや油圧ポンプ等の設計事項およびクラッチ接続動作の実験データから導き出される最適値に設定される。所定時間T1は、例えば、切断状態のクラッチに油圧供給を開始して完全接続状態に切り替わるまでの時間より短い300〜500msecに設定されている。
このタイムチャートでは、時刻t7から所定時間T1が経過する点が時刻t11と予想され、第2クラッチCL2の完全接続状態は、時刻t11より前の時刻t10と予想される。このため、変速制御部180は、時刻t7から予め定められた所定時間T1が経過するまでに第2クラッチCL2が完全接続状態に到達すると判定して、連続シフトダウン制御を開始する。一方、変速制御部180は、時刻t7から所定時間T1が経過するまでに第2クラッチCLが完全接続状態に到達しないと判定されると、2回目のシフトダウン要求D2をキャンセルする。
変速制御部180は、時刻t7で連続シフトダウン制御を開始するに伴って、シフトドラム30を「5−4」位置から「N−4」位置に切り替えると共に、第2クラッチCL2への供給油圧を連続シフト油圧まで低減する。この連続シフト油圧は無効詰め油圧より高い値に設定されている。次に、時刻t8では、シフトドラム30を「N−4」位置から「3−4」位置に切り替える。
続いて、時刻t9では、第2クラッチCL2をFREE油圧にすると共に、第1クラッチCL1を無効詰め油圧としてエンジン100のブリッピング制御を行う。そして、時刻t10からは、持替油圧制御が開始され、上昇した油圧がLock油圧に到達すると、時刻t12において、シフトドラム30が「3−4」位置から「3N」位置に切り替えられる。
最後に、時刻t13において第2クラッチCL2にN待ち油圧の供給を開始すると、3速へのシフトダウンが完了すると共に、シフト送り系動作も待機中となり、一連の制御を終了する。上記したように、本実施形態に係る連続シフトダウン制御では、4速ギヤで駆動力の接続を行うことなく、4速ギヤを飛び越して5速ギヤ3速ギヤへのシフトダウンを行うので、連続シフトダウン要求があった際の変速時間を短縮することが可能となる。
さらに詳しくは、シフトダウン要求が連続して出された場合の変速受付の確率を向上し、かつシフトダウン要求に対する遅れを低減して短時間で変速動作を完了することが可能となる。これにより、運転者の意図しないタイミングで変速動作が実行されることがなく、運転者に違和感を与える可能性が低減されると共に、変速動作のダイレクト感を確保することができる。なお、本発明に係る連続シフトダウン制御は、6,5,4,3速での走行中にそれぞれ適用することが可能である。
また、上記では、2回目のシフトダウン要求D2があった際に直ちに3速ギヤへの変速を開始するか否かの判定は、1回目のシフトダウン要求D1があった時点から所定時間T2内に第2クラッチCL2が完全接続状態になるか否かによっても実行可能である。
さらに、所定時間T1との比較に代えて、クラッチの接続開始から完全接続状態に至るまでに必要な時間とクラッチ油圧との関係をデータ化しておき、時刻t7の時点で計測される第2クラッチCL2のクラッチ油圧Pに基づいて、連続シフトダウン制御を開始するか否かを判定することもできる。クラッチ油圧Pは、第2油圧センサ64によって検知できる。また、偶数段ギヤで走行中に連続シフトダウン要求があった場合に必要となる第1クラッチCL1のクラッチ油圧Pは、第1油圧センサ63によって検知できる。この場合、タイマ182による時間計測を行うことなく連続シフトダウン制御を開始するか否かを判定できる。
図9は、2回目のシフトダウン要求がキャンセルされる場合の流れを示すタイムチャートである。このタイムチャートにおいても、時刻t25で2回目のシフトダウン要求D2が入力されるまでの流れは図8と同じである。
詳しくは、5速ギヤで走行中に時刻t20で1回目のシフトダウン要求D1があると、時刻t21においてシフト送り系動作が開始されると共に、第2クラッチCL2のニュートラル待ち(N待ち)油圧が解除されてFREE状態となる。次に、時刻t22では、シフトドラム30が「5−N」位置から「5−4」位置に切り替えられる。続いて、時刻t23では、第1クラッチCL1への供給油圧が遮断されると共に、第2クラッチCL2にN待ち油圧より少し高い無効詰め(無効ストローク詰め)油圧が供給される。時刻t24から第2クラッチCL2において、クラッチ持ち替え制御用の持替油圧制御が開始され、時刻t25からは、完全接続へ向けた油圧上昇が開始される。
そして、このタイムチャートでは、第2クラッチCL2の油圧上昇が開始される時刻t25において、2回目のシフトダウン要求が入力される。このとき、時刻t25から所定時間T1が経過する点が時刻t26と予想され、第2クラッチCL2が完全接続状態に到達するのは、時刻t26より後の時刻t27と予想される。このため、変速制御部180は、時刻t25から所定時間T1が経過するまでに第2クラッチCL2が完全接続状態にならないと判定して、2回目のシフトダウン要求D2をキャンセルする。その結果、時刻t27で第2クラッチCL2が完全接続されると、続く時刻t28でシフトドラム30が「5−4」位置から「N−4」位置に切り替えられ、時刻t29で第1クラッチCL1にN待ち油圧の供給が開始されて、1回目のシフトダウン要求D1に伴う5速→4速へのシフトダウン動作が完了する。上記した制御によれば、1回目のシフトダウン要求と2回目のシフトダウン要求との間隔が狭すぎる場合には変速要求をキャンセルすることで、運転者の意図に反して大きなエンジンブレーキが生じることを防ぎ、スムーズな変速動作を実行することができる。
図10は、連続シフトダウン制御の手順を示すフローチャートである。ステップS1の5速走行中は、第1クラッチCL1が接続状態にあると共に、第2クラッチCL2が切断状態にある。続くステップS2では、1回目のシフトダウン要求があったか否かが判定され、肯定判定されると、ステップS3に進む。ステップS3では、2回目のシフトダウン要求があったか否かが判定され、肯定判定されると、ステップS4に進む。なお、ステップS2,S3で否定判定されると、連続シフトダウン制御が不要であるとしてそのまま制御を終了する。
ステップS4では、1回目のシフトダウン要求D1に伴う第2クラッチの接続動作が、2回目のシフトダウン要求D2から所定時間T1が経過する前に完了するか否かが判定され、肯定判定されるとステップS5に進む。ステップS5では、2回目のシフトダウン要求D2に応じて第1クラッチCL1の接続制御を開始し、一連の制御を終了する。一方、ステップS4で否定判定される、すなわち、所定時間T1の経過前に第2クラッチCL2の接続動作が完了しないと判定された場合には、ステップS6に進み、2回目のシフトダウン要求D2をキャンセルして、一連の制御を終了する。
なお、ツインクラッチ式自動変速機の構造、エンジンの構造や形式、シフト系送り動作におけるシフトドラムの回動タイミングやツインクラッチへの供給油圧値、エンジンのブリッピング制御のタイミングやスロットル開度、連続シフトダウン開始の判定に用いられる所定時間やクラッチ油圧等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。本発明に係る連続シフトダウン制御は、自動二輪車に限られず、鞍乗型の三/四輪車等の各種車両に適用することが可能である。