JP4432972B2 - 圧電薄膜共振子 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電薄膜共振子に関する。
圧電薄膜共振子は、対向する一対の励振電極の間に圧電薄膜が配置された振動部を基板から音響的に分離する必要がある。そのため、薄膜部(メンブレン)を、空隙層を介して基板から部分的に浮き上がるように構成したものがある。
この種の構造の圧電薄膜共振子において、薄膜部は、基板に支持される支持部分と、基板から浮いた浮き部分とを含み、浮き部分は支持部分に支持され、浮き部分と支持部分の境界近傍部分に応力が集中してクラックが発生しやすい。また、浮き部分の振動部がたわみやすい。そこで、圧電薄膜を1対の励振電極で挟み込み、さらにそれを1対の誘電体薄膜で挟み込む構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特公平6−40611号公報
圧電薄膜を1対の励振電極で挟み込み、さらにそれを1対の誘電体薄膜で挟み込む構造の場合、クラックや振動部のたわみは低減できるが、良好な共振特性を得るには、振動モードを3倍波などの高調波としなければならず、基本波の共振子に比べその共振特性は帯域の狭いものとなる。この共振子を用いた場合、フィルタの帯域も小さくなり、所望のフィルタを作製することができない。
また、ダイシング工程で、メンブレンの強度不足により、ダイアフラム破壊が生じやすい。さらに、実装時の取り扱い時に、振動部が剥き出しになっているため、振動部に負荷がかかりやすく、素子が破壊する不良が発生しやすい。
本発明は、かかる実情に鑑み、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保し、実装時の取り扱いを容易にすることができる圧電薄膜共振子を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した圧電薄膜共振子を提供する。
圧電薄膜共振子は、基板と、薄膜部と、補強膜とを備える。前記薄膜部は、前記基板に支持される少なくとも2箇所の支持部分と、前記基板との間に空隙層を介して配置され前記支持部分に支持される浮き部分とを有する。前記浮き部分は、一対の励振電極の間に圧電薄膜が配置された振動部を含む。前記補強膜は、前記薄膜部の前記支持部分と前記浮き部分との境界近傍部分に形成される。
上記構成によれば、薄膜部(メンブレン)の支持部分と浮き部分の境界近傍部分において、補強膜によりメンブレンの強度が向上されるので、クラックやたわみを低減することができる。
また、補強膜は、薄膜部の振動部には形成しないので、共振特性を損なうことはない。
さらに、振動部の周囲に補強膜を設けているので、振動部が補強膜に対してへこんでおり、振動部に負荷がかかりにくくなり、実装時の取り扱いが容易となる。
また、本発明は、以下のように構成した圧電薄膜共振子を提供する。
圧電薄膜共振子は、基板と、薄膜部と、補強膜と、共振子間補強膜とを備える。前記薄膜は、前記基板に支持される少なくとも3箇所の支持部分と、前記基板との間に空隙層を介して配置され前記支持部分に支持される浮き部分とを有する。前記浮き部分は、一対の励振電極の間に圧電薄膜が配置された少なくとも2箇所の振動部を含む。各振動部は、2つの前記支持部分を結ぶ方向に一列に配置される。前記補強膜は、前記薄膜部の前記2つの支持部分と前記浮き部分との境界近傍部分にそれぞれ配置される。前記共振子間補強膜は、前記薄膜部の他の前記支持部分から前記薄膜部の前記浮き部分の前記2箇所の振動部の間に延在するように配置される。
上記構成によれば、複数の振動部を有するメンブレンのクラック、たわみを低減することができる。
また、補強膜は、薄膜部の振動部には形成しないので、共振特性を損なうことはない。
さらに、振動部の周囲に補強膜を設けているので、振動部が補強膜に対してへこんでおり、振動部に負荷がかかりにくくなり、実装時の取り扱いが容易となる。
好ましくは、前記基板は、平坦部とテーパ部とを有する。前記薄膜部の前記支持部分は、前記浮き部分との境界近傍部分において、前記基板の前記平坦部と前記テーパ部との両方に接する。前記境界近傍部分における前記浮き部分のテーパ角度が、前記基板の前記テーパ部のテーパ角度より小さい。
上記構成によれば、薄膜部と基板とが接する面から略連続的に浮き部分が延在するようにして、薄膜部の支持部分と浮き部分との境界近傍における応力集中を緩和し、クラックやたわみを低減することができる。
好ましくは、上記各構成の圧電薄膜共振子は、前記薄膜部の前記支持部分と前記浮き部分との境界が直線状である。
上記構成によれば、浮き部分の占める面積を小さくでき、圧電薄膜共振子を小型にできる。
好ましくは、上記各構成の圧電薄膜共振子は、前記薄膜部の前記支持部分と前記浮き部分との境界が曲線状である。
上記構成によれば、薄膜部の支持部分と浮き部分との境界の剛性を高め、クラックやたわみを低減することができる。
具体的には、以下のように構成する。
好ましくは、前記基板がR面サファイアである。前記圧電薄膜がZnO又はAlNである。
好ましくは、前記基板がC面サファイア、Z面LiTaO又はZ面LiNbOである。前記圧電薄膜がZnO又はAlNである。
この場合、共振周波数が1.5GHz以上において、補強膜の効果がより大きい。
また、本発明は、上記いずれかの構成の圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタを提供する。この圧電フィルタは、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保することができる圧電薄膜共振子を用いるので、信頼性が高く、所望の共振特性とすることが可能である。
また、本発明は、上記いずれかの構成の圧電薄膜共振子又は上記いずれかの構成の圧電フィルタを用いたデュプレクサを提供する。このデュプレクサは、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保することができる圧電薄膜共振子、またはこの圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタを用いるので、信頼性が高く、所望の周波数特性とすることが可能である。
また、本発明は、上記いずれかの構成の圧電薄膜共振子又は上記いずれかの構成の圧電フィルタを用いた通信装置を提供する。この通信装置は、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保することができる圧電薄膜共振子、またはこの圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタを用いるので、信頼性が高く、所望の周波数特性とすることが可能である。
本発明の圧電薄膜共振子は、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保し、実装時の取り扱いを容易にすることができる。
圧電薄膜共振子の要部平面図である。(実施例1) 図1の線II−IIに沿って切断した断面図である。(実施例1) 圧電薄膜共振子の要部平面図である。(変形例) 圧電薄膜共振子の要部平面図である。(実施例2) 図4の線V−Vに沿って切断した断面図である。(実施例2) 圧電薄膜共振子の要部平面図である。(実施例3) 圧電薄膜共振子の断面図である。(実施例4) 圧電薄膜共振子の要部断面図である。(実施例4) 圧電薄膜共振子の要部平面図である。(実施例7) ラダーフィルタの回路図である。(実施例10) ラティス型フィルタの回路図である。(実施例10) 多重モード型フィルタの回路図である。(実施例10) デュプレクサの回路図である。(実施例11) 通信装置のブロックである。(実施例12)
符号の説明
10 圧電薄膜共振子
11 基板
14 空隙層
17a,17b 電極(励振電極)
18 圧電薄膜
19a,19b 補強膜
27a,27b 電極(励振電極)
28 圧電薄膜
29a,29b 補強膜
30 圧電薄膜共振子
31 基板
34 空隙層
37a,37b 電極(励振電極)
38 圧電薄膜
39a,39b 補強膜
42s,42t 振動部
47a,47b,47c 電極(励振電極)
48 圧電薄膜
49a,49b,49c,49d 補強膜
49s 補強膜(共振子間補強膜)
50 圧電薄膜共振子
51 基板
51a 上面(平坦部)
51s 斜面(テーパ部)
54 空隙層
57a,57b 電極(励振電極)
58 圧電薄膜
59a,59b 補強膜
63s,63t 稜(境界)
67a,67b 電極(励振電極)
68 圧電薄膜
69a,69b 補強膜
70 圧電フィルタ
80 デュプレクサ
90 通信装置
以下、本発明の実施の形態として実施例について、図1〜図12を参照しながら説明する。
(実施例1)
図1は、実施例1の圧電薄膜共振子10の構造を模式的に示す要部平面図である。図2は、図1の線II−IIに沿って切断した断面図である。
圧電薄膜共振子10は、基板11上に、誘電体膜16、下部電極17a、圧電薄膜18、上部電極17b、および補強膜19a,19bが形成されている。基板11と誘電体膜16との間には、犠牲層13(図1参照)を除去することにより形成された空隙層14(図2参照)によって、電極17a,17bが重なり合った積層方向の部分12の誘電体膜16、下部電極17a、圧電薄膜18及び上部電極17b、すなわち振動部12が基板11から浮き上った構造となっている。
圧電薄膜共振子10は、以下のようにして作製する。
基板11上の一部分に、スパッタリングやエッチングなどの手法を用いて、化学的に溶解しやすい酸化亜鉛などの犠牲層13を形成する。基板11には、安価で加工性に優れた基板を用いる。表面が平坦なSi基板やガラス基板は、なおよい。犠牲層13は、空隙層14を形成するため、最終的には除去する。犠牲層13の材料は、圧電薄膜18の成膜時に達する可能性のある高温に耐え、かつ容易に除去できるものであることが好ましい。例えば、Ge,Sb,Ti,Al,Cuなどの金属や、リン酸シリケートガラス(PSG)や、ポリマーなどである。ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン又はその誘導体、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリイミドシロキサン、ビニルエーテル、ポリフェニル、パリレン−n、パリレン−f、ベンゾシクロブテンなどが好ましい。形成する犠牲層13の厚さは、メンブレンがたわんでも振動部12が基板11と接触しない厚さが必要であり、作製上の容易さから50nm以上数μm以下が好ましい。
次に、犠牲層13と基板11の上に全面を覆うようにスパッタリング、CVD、電子ビーム蒸着等で誘電体膜(図示せず)を形成する。誘電体膜(図示せず)として、圧電薄膜18に用いる材料と逆の周波数温度特性(TCF)を持つ材料を用いることで、共振子・フィルタの温度変化に対する周波数変化が小さくなり特性が向上する。圧電薄膜18に酸化亜鉛や窒化アルミニウムを用いる場合は、それらとは逆のTCFをもつSiOを用いるとよい。
次に、誘電体膜(図示せず)の上に、スパッタリング、CVD、電子ビーム蒸着などによる成膜と、フォトリソグラフィー技術によるパターニングを用いることにより、下部電極17aを形成する。下部電極17aは、Mo,Pt,Al,Au,Cu,Tiなどの金属材料を主材とし、犠牲層13上から基板11上にかけて帯状に形成する。
次に、下部電極17a上に、スパッタリングなどによる成膜と、フォトリソグラフィー技術によるパターニングを用いることにより、酸化亜鉛や窒化アルミニウムなどの圧電薄膜18を形成する。窒化アルミニウムを形成する場合、酸化亜鉛を用いたリフトオフにより窒化アルミニウムをパターニングする。犠牲層13上にSiOなどの誘電体膜16を全面に形成しているので、リフトオフ用の酸化亜鉛のパターニング時や、窒化アルミニウムのリフトオフ時に、酸化亜鉛をウエットエッチングしても、犠牲層13に用いた酸化亜鉛などがエッチングされることはない。
次に、圧電体膜18上に、下部電極17aと同様に、上部電極17bを形成する。
次に、補強膜19a,19bを形成する。図1に示したように、下部電極17aと上部電極17bとが直線状に配置されている場合、メンブレンと基板11の接続部(すなわち、メンブレンの浮き部分と支持部分との境界近傍部分。以下、同じ。)の下部電極17a及び上部電極17bの上に、補強膜19a、19bを形成する。さらに、振動部12にかからない電極17a,17b上にも、できるだけ補強膜19a、19bを形成するようにする。補強膜19a,19bの形成方法は、スパッタリング、CVD、電子ビーム蒸着等である。補強膜19a,19bに用いる材料は、Al,Ag,Au,Co,Cr,Cu,Fe,In,Mo,Nb,Ni,Ti,Pd,Pt,W,Zrなど、これらのうち少なくとも1つの元素を含む金属(合金も含む)材料である。
次に、犠牲層エッチホール13a,13bと誘電体膜16とを形成する。犠牲層エッチホール13a,13bは、誘電体膜16から露出している犠牲層13の部分である。フォトリソグラフィーによりフォトレジストなどをパターニングし、反応性イオンエッチングや、ウエットエッチングなどにより、犠牲層エッチホール13a、13b上の誘電体膜(図示せず)を除去する。たとえば、誘電体膜(図示せず)にSiOを用いた場合、CFなどのフッ素系のガスを用いて反応性イオンエッチングを行う。また、フッ酸などの溶液でウエットエッチングしてもよい。エッチング後には、フォトレジストなどのエッチマスクをアセトンなどの有機溶媒により除去する。
次に、犠牲層エッチホール13a,13bから、犠牲層13をエッチングし、空隙層14を形成する。フォトリソグラフィーによりフォトレジストなどをパターニングし、反応性イオンエッチングや、ウエットエッチングなどにより犠牲層13を除去する。たとえば、犠牲層13に酸化亜鉛を用いた場合、塩酸やリン酸など酸性の溶液を用いて酸化亜鉛を除去する。エッチング後には、フォトレジストなどのエッチマスクをアセトンなどの有機溶媒により除去する。また、圧電薄膜18、誘電体膜16、電極17a,17b、補強膜19a,19bをエッチングしない溶液であれば、フォトリソグラフィーによるパターニングと、このエッチマスクの除去という工程は削除することができる。たとえば、圧電薄膜18に窒化アルミニウム、誘電体膜16にSiO、電極17a,17bにPt,Au,Tiなどを用いた場合、パターニングすることなく酢酸とリン酸などの混合水溶液により、犠牲層13の酸化亜鉛を除去することができる。エッチング後、IPA(イソプロピルアルコール)など揮発性の溶液で十分置換し、乾燥させて空隙層14を形成する。
空隙形成用の犠牲層13と、圧電薄膜18の窒化アルミニウム形成用のリフトオフ用のマスクに同じ酸化亜鉛を用いる場合、窒化アルミニウムパターニング時は、犠牲層13上に全面に誘電体膜16を形成しているので、窒化アルミニウムリフトオフ時に、犠牲層13の形状を損なうことがない。犠牲層13以外の構成膜に、犠牲層13のエッチング溶液に耐性のあるものを用いれば、犠牲層エッチング時のパターニングの工程を削除することができ、工程安定化、工数低減によるコストダウンが可能となる。犠牲層13をウエットエッチングした後、エッチャントをIPAなどの揮発性溶液に十分置換することにより、犠牲層除去後の乾燥工程に要する時間が早くなり、コストダウンが可能である。
圧電薄膜共振子10は、犠牲層13の除去後に、メンブレンの応力が集中するメンブレンと基板11の接続部に、金属の補強膜19a,19bが形成されているので、メンブレンの強度が上り、メンブレンのクラックや、たわみによる特性不良を低減することができる。また、金属の補強膜19a,19bを、下部電極17aや上部電極17bの上に配置することにより、配線抵抗が低下し、フィルタの挿入損失が低減するので、良好なフィルタ特性を得ることができる。また、補強膜19a,19bに熱伝導率の高い金属を用いることにより、より放熱性が向上し、より耐電力性に優れた共振子となる。
図3に、実施例1の変形例として、下部電極27aと上部電極27bとが直線状でない場合を示す。基板上に、誘電体膜26、下部電極27a、圧電薄膜28、上部電極27b、および補強膜29a,29b,29cが形成されている。下部電極27aは、犠牲層23をまたぐように形成し、振動部22の両側にメンブレンと基板の接続部を設け、この2箇所の接続部の下部電極27a上に補強膜29a,29bを形成する。上部電極27bは、下部電極27aと直角に配置され、犠牲層23上から少なくとも一端が基板上まで延在する。メンブレンと基板の少なくとも1箇所の接続部の上部電極27b上に補強膜29cを形成する。
(実施例2)
図4は、実施例2の圧電薄膜共振子30の構造を模式的に示す要部平面図である。図5は、図4中の線V−Vに沿って切断した断面図である。
圧電薄膜共振子30は、実施例1と略同様に、基板31上に、誘電体膜36、下部電極37a、圧電薄膜38、上部電極37b、および補強膜39a,39bが形成され、基板31と誘電体膜36との間に形成された空隙層34によって、電極37a,37bが重なり合った積層方向の部分32の誘電体膜36、下部電極37a、圧電薄膜38及び上部電極37b、すなわち振動部32が基板31から浮き上った構造となっている。
ただし、メンブレンの具体的な構造は、実施例1と異なる。すなわち、犠牲層33を図4に示すように略H形状に形成し、メンブレンと基板31の接続部を4箇所設ける。補強膜39a,39bは、下部電極37a上及び上部電極37b上の部分以外の振動部32に隣接する2箇所に形成している。補強膜39a,39bの形成方法は、スパッタリング、CVD、電子ビーム蒸着等である。補強膜39a,39bの材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタルなどを主材料とした絶縁材料で、2層以上の多層構造としてもよい。
実施例1では、下部電極17aと上部電極17bを電気的に短絡させないように、また、電極17a,17b間の寄生容量が共振特性に悪影響を及ぼさないように、補強膜19a,19bを配置しなければならない。実施例2のように、補強膜39a,39bに絶縁材料を用いる場合、共振子の電気的配線を考慮しないですむため、補強材料のレイアウトの自由度が大きくなる。補強膜39a,39bを2種類以上の絶縁材料を用いた多層構造にすることで、補強膜39a,39bの応力を緩和することができるため、メンブレンの強度が向上する。補強膜39a,39bとして、熱伝導率のよい窒化アルミニウムを用いると、放熱性も上がり、耐電力性に優れた共振子を得ることができる。
圧電薄膜共振子30は、犠牲層33の除去後に、応力が集中するメンブレンと基板31の接続部に、補強膜39a,39bが形成されているので、実施例1と同様に、メンブレンの強度が上り、メンブレンのクラックや、たわみによる特性不良を低減することができる。
なお、メンブレンと基板31の接続部で電極37a,37bが形成されていない領域に補強膜39a,39bを配置した上、さらに、メンブレンと基板31の接続部の下部電極37a及び上部電極37b上に、実施例1のように金属材料の補強膜や、金属材料と絶縁材料の多層の補強膜を配置してよい。
(実施例3)
図6は、実施例3の圧電薄膜共振子40の構造を模式的に示す要部平面図である。
実施例3の圧電薄膜共振子40は、実施例1と略同様に構成されるが、実施例1と異なり、2つの共振子素子を備えている。すなわち、基板上に、誘電体膜46、下部電極47a、圧電薄膜48、上部電極47b,47c、および補強膜49a,49b,49c,49d,49sが形成され、基板と誘電体膜46との間に形成された犠牲層43によって形成された空隙層によって、下部電極47aと上部電極47b,47cが重なり合った積層方向の部分42s,42tの誘電体膜46、下部電極47a、圧電薄膜48及び上部電極47b,47c、すなわち2つの振動部42s,42tが基板から浮き上った構造となっている。補強膜49a,49b,49c,49dは、実施例1と同様に、メンブレンと基板の接続部の下部電極47a及び上部電極47b,47c上に形成する。補強膜49sは、振動部42s,42t以外の領域の犠牲層43上を横断するように形成する。
圧電薄膜共振子40は、犠牲層43の除去後に、応力が集中するメンブレンと基板の接続部に、補強膜49a,49b,49c,49d,49sが形成されているので、実施例1と同様に、メンブレンの強度が上り、メンブレンのクラックや、たわみによる特性不良を低減することができる。
(実施例4)
図7は、実施例4の圧電薄膜共振子50の構造を模式的に示す断面図である。図8は、その要部拡大断面図である。
実施例4の圧電薄膜共振子50は、基板51の上面51aに形成された凸部51xの上に空隙層54が形成され、その上に、誘電体膜56、下部電極57a、圧電薄膜58、上部電極57b、および補強膜59a,59bの薄膜部が形成されている。基板51の上面51aと、凸部51xの斜面51sとは、順テーパとなっている。すなわち、基板51の上面51aと凸部51xの斜面51sとの間の角度は、鈍角(90°を越え、180°未満)である。薄膜部と基板51とは、この鈍角で交わる2つの面51a,53sを介して接するようになっている。
圧電薄膜共振子50は、以下のようにして作製する。
基板51の凸部51xを形成する部分に、最終形状よりも厚めに犠牲層53を形成する。このとき犠牲層53の断面は台形形状にパターニングし、その斜面が基板51と緩やかな順テーパとなる(基板51の上面と180°に近い鈍角をなす)ことが好ましい。犠牲層53の断面を緩やかな順テーパ形状にするには、たとえばフォトレジストを犠牲層53に用いる場合は、光強度が徐々に変化するグレートーンマスクを用いてパターニングを行い、斜面を順テーパ形状に形成する。
次に、犠牲層53と基板51を反応性イオンエッチングもしくはウエットエッチングによりエッチングする。例えば、CFなどのフッ素系のガスを用いて反応性イオンエッチングを行うことで、基板51のSiやSiOと犠牲層53のポリマーを共にエッチングする。このとき、犠牲層53に対して基板51のエッチング速度が大きいと、図8に示すように、犠牲層53の斜面53sの傾きが凸部51xの斜面51sの傾きより小さくなる。すなわち、断面が台形形状の犠牲層53をマスクにして基板エッチングを行うと、基板51が厚み方向にエッチングされるにつれて犠牲層53も厚み方向にエッチングされて犠牲層に覆われる基板面積が減っていくので、基板51に犠牲層53のテーパより角度の大きいテーパが形成される。
犠牲層53の斜面53sのテーパ角度が基板51の凸部51xの斜面51sのテーパ角度より小さいほど、メンブレンの残留応力を小さくできてメンブレンの強度を確保できる。また、犠牲層53上に誘電体膜56を被覆性良く形成することができる。そして、その後に形成する電極57a,57bを被覆性良く形成することができ、電極57a,57bの断線などによる素子不良を低減することができる。
基板51に凸部51xを形成した後の犠牲層53の厚さは、メンブレンがたわんでも振動部52が基板51(凸部51xの上面51b)と接触しない厚さが必要であり、作製の容易さから50nm以上、十数μm以下が好ましい。
また、作製上の容易さから、図8に示すように、基板51に形成する凸部51xの突出高さaは、50nm以下であることが好ましく、メンブレンの厚さ以上であるとなおよい。さらに図8に示すaは、同図に示すhに対して半分程度であることが好ましい。
図8に示すように、基板51に形成した凸部51xの斜面51sよりも、犠牲層53の斜面53sの方が傾き、メンブレンの角度の変化がなるべく少なくなる(角度が徐々に変化)ようにしている。
圧電薄膜共振子50は、犠牲層53のテーパ角度が基板51のテーパ角度より小さいほど、メンブレンの強度を確保でき、メンブレンのクラックや、たわみによる特性不良を低減することができる。また、犠牲層53のテーパ角度が基板51の凸部51xのテーパ角度より小さいほど、後に形成する電極57a,57bを被覆性良く形成することができ、電極57a,57bの断線などによる素子不良を低減することができる。犠牲層53の除去後でも、メンブレンの強度は確保できる。
(実施例5)
実施例4と同様の構造の圧電薄膜共振子を、実施例とは異なる方法で作製する。
すなわち、基板に犠牲層を形成後、犠牲層上にエッチマスクを形成する。その後、犠牲層、基板を反応性イオンエッチングやウエットエッチングなどにより、エッチングして犠牲層と基板にテーパを形成する。その後、エッチマスクを除去する。エッチマスクは、フォトレジストなどのほか、Alなどの金属でもよい。また、犠牲層と基板のエッチングとエッチマスク除去工程を同じとしてもよい。すなわち、エッチング工程で、犠牲層、基板、エッチマスクのすべてがエッチングされ、少なくともエッチマスクが除去されるまで、エッチングを行う。
実施例4のように犠牲層パターニング後に基板に凹凸を形成し、同時に犠牲層もエッチングする場合に比べ、犠牲層が加工される工程が少ないため、工程の安定化を図ることができる。
(実施例6)
実施例6の圧電薄膜共振子は、メンブレンに誘電体膜を採用せず、浮き部分は圧電薄膜とそれを挟む電極のみの構造とする。
すなわち、基板に犠牲層を形成する前に、少なくとも1層以上の誘電体膜、金属膜、有機膜などの構成膜を形成する。基板にSiを用いた場合は、熱酸化ケイ素を形成するとよい。また、スパッタリング、CVD、電子ビーム蒸着などにより、窒化ケイ素などの誘電体膜を形成してもよい。
電極と基板間に構成膜を形成することで、電極・基板間の構成膜の拡散を防止でき、拡散によって生ずる電極間の絶縁抵抗の低下といった問題が解決される。
(実施例7)
図9は、実施例7の圧電薄膜共振子60の構造を模式的に示す要部平面図である。
他の実施例と略同様に、基板上に空隙層を形成するための犠牲層63を形成し、その上に誘電体膜66、下部電極67a、圧電薄膜68、上部電極67b及び補強膜69a,69bを形成する。
ただし、他の実施例と異なり、犠牲層63の稜63s,63tは曲線であり、犠牲層63が除去された後、メンブレンの基板から浮いた浮き部分と基板に支持された支持部分の境界の形状が曲線になる。また、メンブレン内で振動部62を形成する電極67a,67bの端部67s,67tの形状が曲線であり、電極67a,67bに隣接する犠牲層63の稜63s,63tの形状を電極67a,67bの端部67s,67tの形状に略平行にする。
実施例7の圧電薄膜共振子60は、犠牲層63の除去後に応力が集中するメンブレンの浮き部分と支持部分の境界近傍部分の形状を、ゆるやかな曲線状にすることにより、メンブレンの強度が高くなり、メンブレンのクラックやたわみによる特性不良を低減することができる。また、メンブレン内で振動部62を形成する電極67a,67bの端部67s,67tの形状が曲線の場合、電極67a,67bに隣接する犠牲層53の稜63s,63tの形状を電極67a,67bの端部67s,67tの形状に略平行にすることにより、振動部62で発生する熱を効率よく基板へ放熱することができ、より耐電力性にすぐれた共振子を得ることができる。
(実施例8)
他の実施例と同様の構造の圧電薄膜共振子を作製する。基板にC面を表面にもつサファイア基板上にZnOを主成分とする犠牲層を形成する。このとき、犠牲層であるZnOのC面は、基板表面法線方向を向いている。その上に、ZnOと格子整合性の良好なAl,Au,Cu,Ir,Mo,Ni,Pd,Pt,Ta,Wを下部電極として形成する。下部電極上には、下部電極と格子整合性の良好な圧電薄膜であるZnO,AlN,BaTiO,KNbO,PZT等を形成する。このとき、圧電薄膜のC面は、基板表面法線方向を向いて形成される。また、圧電薄膜の上には、圧電薄膜と格子整合性の良好なAl,Au,Cu,Ir,Mo,Ni,Pd,Pt,Ta,Wを上部電極として形成する。犠牲層、下部電極、圧電薄膜、上部電極の形成方法は、スパッタリング、CVD、電子ビーム蒸着等である。パターニング方法としては、リフトオフ、エッチング等を用いる。その後、犠牲層の除去をウエットエッチングやドライエッチング等で行なう。基板には、サファイア基板以外にa面を表面にもつSiC基板、Z面を表面にもつLiTaO,LiNbOを用いてもよい。また、圧電薄膜と弾性定数の温度係数の符号の異なるSiO等と組み合わせてもよい。振動モードは、厚み縦振動を利用する。
(実施例9)
図4に示した構造とし、厚みすべり振動を利用する圧電薄膜共振子を作製する。R面を表面にもつサファイア基板を用いる。犠牲層であるZnOのC面は、基板表面法線と垂直方向を向いて形成する。これにより、圧電薄膜のC面が基板表面法線と垂直方向を向いて形成される。
R面サファイア基板上に、圧電薄膜としてZnO又はAlNを形成すると、C軸が基板面に並行な圧電薄膜が得られ、これを基板面に平行な1対の電極で挟むことにより、厚みすべりモードを励振できる。同一の共振周波数が得られる厚みすべりモードのBAW共振子は、厚み縦モードのBAW共振子に比べて、圧電薄膜の厚さが約1/2となる。破損しやすいので、補強膜の効果がより大きい。また、圧電薄膜の結晶性をよくするためには、サファイア基板の上の犠牲層と、犠牲層の上の電極とが、共に配向膜であることが必要である。
C面サファイア、Z面LiTaO又はZ面LiNbOで基板上に、ZnO又はAlNを形成すると、C軸が基板面に垂直な圧電薄膜が得られ、これを基板面に平行な1対の電極で挟むことにより、厚み縦モードを励振できる。厚み縦モードであっても、共振周波数に反比例して厚みが薄くなり、破損しやすくなるので、共振周波数が1.5GHz以上においては、補強膜の効果がより大きい。
(実施例10)
図10a〜図10cは、実施例10の圧電フィルタの回路図である。
実施例10の圧電フィルタは、実施例1〜9の圧電薄膜共振子を用いて構成する。図10aに示す圧電フィルタ70は、1つの直列圧電薄膜共振子72と1つの並列圧電薄膜共振子74とをL型にラダー接続したL型ラダーフィルタである。図10bに示す圧電フィルタ100は、圧電薄膜共振子を格子型に接続したラティス型フィルタである。この場合、平衡−平衡フィルタができる。図10cに示す圧電フィルタ110は、多重モード型フィルタである。この場合、高選択度のフィルタができる。
これらの圧電フィルタ70,100,110は、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保することができる圧電薄膜共振子を用いるので、圧電フィルタとして信頼性が高く、所望の周波数特性とすることが可能である。
(実施例11)
図11は、実施例11のデュプレクサ80の回路図である。
デュプレクサ80には、アンテナ端子82、受信側端子84および送信側端子86が設けられている。デュプレクサ80は、受信側端子84とアンテナ端子82との間に、受信周波数帯域のみ通過させ、送信周波数帯域を減衰させる圧電フィルタを備える。また、送信側端子86とアンテナ端子82との間に、送信周波数帯域のみ通過させ、受信周波数帯域を減衰させる圧電フィルタを備える。デュプレクサ80が備えるこれらの圧電フィルタは、実施例1〜9のいずれかの圧電薄膜共振子で構成する。
デュプレクサ80が備える圧電フィルタは、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保することができる圧電薄膜共振子により構成されるので、デュプレクサ80は、信頼性が高く、所望の周波数特性とすることが可能である。
(実施例12)
図12は、実施例12の通信装置90の要部ブロック図である。
通信装置90は、マルチバンド携帯電話など、異なる方式に対応し、スイッチSWにより受信周波数を切り替えることができるようになっている。アンテナ91に、デュプレクサ92が接続されている。デュプレクサ92には、スイッチSWを介して、2系統の受信回路が接続されている。すなわち、スイッチSWとIF段の圧電フィルタ99,99aとの間には、受信側RF圧電フィルタ94,94a、増幅器95,95a、及び受信側ミキサ93,93aが、それぞれ接続されている。また、デュプレクサ92と送信側のミキサ96との間には、RF段を構成する増幅器97及び送信側圧電フィルタ98が接続されている。
この通信装置90は、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保することができる圧電薄膜共振子により構成される圧電フィルタやデュプレクサを用いることにより、信頼性が高く、所望の周波数特性とすることが可能である。
なお、携帯電話用マルチバンドRFフィルタモジュールは、少なくとも受信側RF圧電フィルタ94,94aを含む回路素子をモジュール化した通信装置である。
以上の各実施例に説明したように、上記各実施例の圧電薄膜共振子は、基板と、この基板の間に犠牲層が形成されるように、電極に挟まれた圧電体を主たる構成要素とした共振子で、メンブレンと基板の接続部に、補強膜が形成されている。
犠牲層除去後に、メンブレンが変形する。このときに応力が集中するのは、メンブレンと基板の接続部(支持部分と浮き部分の境界近傍部分)である。補強膜は、圧電薄膜共振子の振動部には形成せずに、この応力が集中する領域にのみ設けることで、共振特性を損なうことなく、メンブレンの強度を確保することができる。
金属の補強膜を用いれば、共振子から基板への放熱性が向上し、耐電力性に優れた共振子となる。
振動部の周囲に補強膜があり、振動部が補強膜に対してへこんでおり、ダイシングや実装時などの工程で、振動部に負荷がかかることによる素子不良を低減することができる。また、実装時の取り扱いも容易なる。
また、従来のダイアフラムタイプだと、メンブレン支持基板のテーパ部分が必要であり、素子小型化に限界が生じる。したがって、素子の小型化には犠牲層タイプが好ましい。また、工程数も犠牲層タイプの方が少なく、安価に素子を作製することができる。
また、メンブレンと基板の接続部の下部電極や上部電極上には、補強膜の一部として金属膜が形成されている。補強膜は圧電薄膜共振子の配線抵抗を低減することができるので、フィルタの挿入損失を低減し、良好なフィルタ特性を得ることができる。熱伝導率の高い金属膜を用いることにより、より放熱性が向上し、より耐電力性に優れた共振子となる。
なお、補強膜の厚さは、金属膜、絶縁膜ともに、パターニング形成が容易な範囲である0.1μm〜50μmが望ましい。補強膜の膜厚は厚いほど補強効果が大きいが、補強膜が厚すぎると、応力によりメンブレンが破壊する。
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施可能である。
例えば、実施例4とは逆に、基板に凹部を設けてもよい。この場合、薄膜部の支持部分と浮き部分との境界近傍において、浮き部分のテーパ角度は、支持部分が接する凹部のテーパ角度より小さくすることが好ましい。

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板に支持される少なくとも2箇所の支持部分と、前記基板との間に空隙層を介して配置され前記支持部分に支持される浮き部分とを有し、前記浮き部分は、一対の励振電極の間に圧電薄膜が配置された振動部を含む、薄膜部と、
    前記薄膜部の前記支持部分と前記浮き部分との境界近傍部分に形成される補強膜とを備え
    前記基板は、平坦部とテーパ部とを有し、
    前記薄膜部の前記支持部分は、前記浮き部分との境界近傍部分において、前記基板の前記平坦部と前記テーパ部との両方に接し、
    前記境界近傍部分における前記浮き部分のテーパ角度が、前記基板の前記テーパ部のテーパ角度より小さいことを特徴とする、圧電薄膜共振子。
  2. 基板と、
    前記基板に支持される少なくとも3箇所の支持部分と、前記基板との間に空隙層を介して配置され前記支持部分に支持される浮き部分とを有し、前記浮き部分は、一対の励振電極の間に圧電薄膜が配置された少なくとも2箇所の振動部を含み、各振動部は、2つの前記支持部分を結ぶ方向に一列に配置された、薄膜部と、
    前記薄膜部の前記2つの支持部分と前記浮き部分との境界近傍部分にそれぞれ配置された補強膜と、
    前記薄膜部の他の前記支持部分から前記薄膜部の前記浮き部分の前記2箇所の振動部の間に延在するように配置された共振子間補強膜とを備え
    前記基板は、平坦部とテーパ部とを有し、
    前記薄膜部の前記支持部分は、前記浮き部分との境界近傍部分において、前記基板の前記平坦部と前記テーパ部との両方に接し、
    前記境界近傍部分における前記浮き部分のテーパ角度が、前記基板の前記テーパ部のテーパ角度より小さいことを特徴とする、圧電薄膜共振子。
  3. 前記薄膜部の前記支持部分と前記浮き部分との境界が直線状であることを特徴とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の圧電薄膜共振子。
  4. 前記薄膜部の前記支持部分と前記浮き部分との境界が曲線状であることを特徴とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の圧電薄膜共振子。
  5. 前記基板がR面サファイアであり、
    前記圧電薄膜がZnO又はAlNであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  6. 前記基板がC面サファイア、Z面LiTaO又はZ面LiNbOであり、
    前記圧電薄膜がZnO又はAlNであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の圧電薄膜共振子を用いたことを特徴とする、圧電フィルタ。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の圧電薄膜共振子又は請求項に記載の圧電フィルタを用いたことを特徴とする、デュプレクサ。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載の圧電薄膜共振子又は請求項に記載の圧電フィルタを用いたことを特徴とする、通信装置。
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