JP2003163566A - 薄膜圧電共振器及びその製造方法 - Google Patents

薄膜圧電共振器及びその製造方法

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JP2003163566A
JP2003163566A JP2001358356A JP2001358356A JP2003163566A JP 2003163566 A JP2003163566 A JP 2003163566A JP 2001358356 A JP2001358356 A JP 2001358356A JP 2001358356 A JP2001358356 A JP 2001358356A JP 2003163566 A JP2003163566 A JP 2003163566A
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resonator
thin film
layer
crystal substrate
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JP2001358356A
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Takashi Kawakubo
隆 川久保
Yasuaki Yasumoto
恭章 安本
Kazuhide Abe
和秀 阿部
Kenya Sano
賢也 佐野
Tatsuo Shimizu
達雄 清水
Ryoichi Ohara
亮一 尾原
Naoko Yanase
直子 梁瀬
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気機械結合係数が大きく、且つ製造が容易
で素子サイズもコンパクトに形成できる薄膜圧電共振器
及びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 単結晶基板(1)と、前記単結晶基板
の上に空隙(V)を挟んで設けられ下部電極(4)と強
誘電体層(5)と上部電極(6)とを積層してなる共振
器(8)と、を備え、前記共振器を構成する前記下部電
極及び前記強誘電体層は、前記単結晶基板に対してエピ
タキシャル成長関係にあり、前記共振器は、その周囲に
おいて前記単結晶基板に延設された前記強誘電体層によ
って前記単結晶基板の上に前記空隙を挟んで支持されて
なることを特徴とする薄膜圧電共振器を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜圧電共振器及
びその製造方法に関し、特に、単結晶の圧電体薄膜の厚
み縦振動を利用して、高周波フィルタや高周波発振器と
しての応用が可能な薄膜圧電共振器及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】移動体通信機器におけるRF(radio fr
equency)およびIF(intermediatefrequency)フィル
ターとしては、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:
SAW)素子が、これまで一般に使用されてきた。しか
しながら、SAW素子の共振周波数は、その櫛型電極の
電極間距離に対して反比例するという関係にあるため、
1GHzを超える周波数領域では、櫛型電極間距離を1
μm以下とする必要があり、近年求められている利用周
波数の高周波数化に対応が難しくなっている。
【0003】その代わりに注目を集めているのが、圧電
薄膜の厚み縦振動モードを利用した薄膜圧電共振器であ
り、FBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)、ある
いはBAW(Bulk Acoustic Wave)素子などとも呼ばれ
ている。薄膜圧電共振器の場合、その共振周波数は圧電
体の音速と膜厚とによって決定され、通常は、1〜2μ
mの膜厚が2GHzに、また0.4〜0.8μmの膜厚
が5GHzに対応し、数十GHzまでの高周波数化が可
能である。
【0004】この薄膜圧電共振器を用いて梯子型フィル
タを形成すれば、移動体通信機のRFフィルタとして利
用することができる。また、バリキャップおよび増幅器
を組合せれば、移動体通信機の電圧可変発振器(Voltag
e Controlled Oscillator:VCO)として利用するこ
ともできる。
【0005】さて、薄膜圧電共振器の性能は、電気機械
結合係数ktと、品質係数Q値とで表すことができ
る。電気機械結合係数が大きいほど広帯域のフィルタ
や、広帯域のVCOを作成することができる。電気機械
結合係数を上げるには、結晶固有の電気機械結合係数の
大きいものを使用し、かつ結晶の分極軸を膜の厚み方向
に揃えて共振器とすることが重要である。
【0006】またQ値は、フィルタを形成したときの挿
入損失や、発振器の発振の純度に関連する。Q値は弾性
波を吸収するような多様な現象が関係しており、結晶の
純度を高め、結晶方位をそろえ、また分極方向の揃った
圧電膜を使用することで、大きなQ値を得ることができ
る。
【0007】従来の薄膜圧電共振器を開示した文献とし
ては、例えば、特開2000−69594号公報を挙げ
ることができる。
【0008】図10は、このような従来の薄膜圧電共振
器の断面構造を表す模式図である。
【0009】すなわち、同図の共振器は、シリコン基板
101の表面が酸化膜103により覆われて空隙Vが形
成され、この空隙Vを跨ぐように、下部電極111、圧
電膜112、上部電極113が積層された構造を有す
る。
【0010】図11は、この薄膜圧電共振器の製造工程
の要部を表す工程断面図である。
【0011】すなわちまず、同図(a)に表したよう
に、シリコン(Si)基板101の表面に異方性エッチ
ングにより窪み102を形成する。さらに、その表面に
酸化層103を形成する。
【0012】次に、図11(b)に表したように、シリ
コン基板101の上にエッチングしやすい犠牲層(例え
ば、ホウ素やリンをボープしたシリケートガラス、BP
SG)105を形成する。
【0013】しかる後に、図11(c)に表したよう
に、その表面を酸化層102に達するまで研磨する。
【0014】次に、図11(d)に表したように、この
犠牲層105の上を跨ぐように、下部電極111、圧電
膜112、上部電極113を順に形成する。
【0015】次に、適当な箇所において犠牲層に達する
まで穴(図示せず)をあけて、選択エッチングにより犠
牲層105をエッチング除去すると、図11(e)に表
したように、空隙Vを有する薄膜圧電共振器が完成す
る。
【0016】圧電膜112と上下電極111、113に
より構成される共振部は、その上下を空気層で挟まれる
ことで、振動エネルギが閉じ込められ、高いQ値を実現
することができる。
【0017】図10及び図11に表した薄膜圧電共振器
においては、圧電膜112として、結晶本来の電気機械
結合係数が小さい圧電結晶である窒化アルミニウム(A
lN)や酸化亜鉛(ZnO)などの六方晶系の結晶を、
分極方向であるc軸、すなわち[0001]方向に単一
配向させて設けることができる。すなわち、AlNやZ
nOなどの六方晶系の結晶は、本来c軸配向しやすい性
質を持っており、c軸配向させることによって分極軸を
そろえ、圧電膜としての電気機械結合係数やQ値を確保
しやすい。しかし、それでも、電気機械結合係数につい
ては、数パーセント程度と比較的小さい。
【0018】電気機械結合係数を大きく改善するために
は、圧電膜112として強誘電体を使用することが望ま
しい。例えば、ジルコン酸チタン酸塩(Pb(Zr、T
i)O:PZT)やチタン酸バリウム(BaTi
)といったペロブスカイト結晶系の強誘電体を使用
することで、電気機械結合係数を20%から40%と画
期的に改善できる可能性がある。
【0019】しかしながら、このようなペロブスカイト
系結晶は、3成分ないし4成分以上の組成を含むために
正確な組成制御が難しく、高品質な結晶を作成するのが
難しいという問題点がある。
【0020】また、ペロブスカイト系結晶は、立方体を
わずかに歪ませた形状をしており、特定の面に配向させ
たり、分極軸を一方向に揃えることが非常に困難であ
る。したがって、現在までにこのようなペロブスカイト
系強誘電体を使用した薄膜圧電共振器を作成する試みは
多くなされてきたが、結果的に単一配向の強誘電体膜が
得られておらず、電気機械結合係数やQ値も低いレベル
に留まっているのが現状である。
【0021】強誘電体膜を薄膜圧電共振器として使いこ
なすひとつの方法は、強誘電体膜を基板に対してエピタ
キシャル成長させ、結晶方位や分極軸を単一配向ないし
単結晶化させることである。特開2000−33256
9号公報においては、PZTをエピタキシャル成長させ
て薄膜圧電共振器を作成する方法が開示されている。
【0022】図12は、同公報に開示されている薄膜圧
電共振器の構造を表す模式図である。すなわち、この薄
膜圧電共振器は、シリコン(100)基板202の上
に、酸化シリコン層/酸化ジルコニウム層/酸化イット
リウム層からなる厚さ50nmのバッファ層203をエ
ピタキシャル成長し(但し正確には、酸化シリコン層
は、酸化ジルコニウム層がエピタキシャル成長した後で
基板が酸化することにより生成した非晶質層である)、
その上に白金(100)からなる厚さ100nmの下部
電極204、厚さ0.5μmの(100)配向と(00
1)配向のダブルドメインからなるPZT薄膜205、
厚さ100nmの金(Au)からなる上部電極206を
作成し、基板202の裏面側からシリコンを異方性エッ
チングしてビアホール201を形成したものである。
【0023】シリコン基板202の裏面は、ダイボンド
材210によりパッケージ211の底面に接着され、パ
ッケージ211の上部は蓋213により封止されてい
る。さらに、パッケージ211内には、外部と接続され
る外部接続端子A、Bが設けられ、これらはワイヤ21
2を介して下部電極204、上部電極206とそれぞれ
電気的に接続されている。
【0024】このようにして、上下が空気層に接し、エ
ピタキシャルPZT薄膜を使用した共振子を形成でき
る。
【0025】しかし、図12に表した構造の大きな問題
点のひとつは、基板202の裏面側から異方性エッチン
グにより基板を貫通するビアホール201を形成しなけ
ればならない点にある。すなわち、ビアホール201を
作成するには、フッ酸を含む強酸中で長時間のエッチン
グを要する。また、強誘電体を使用した薄膜圧電共振器
では、強誘電体膜205の誘電率が大きいために、共振
子の寸法を数十μmと小さくできる利点があるが、角度
を付けた異方性エッチングによりビアホール201を形
成するために、ビアホールのテーパー状の「はりだし」
ために素子寸法が大きくなってしまうという問題点があ
る。
【0026】ビアホール201の形成のためのエッチン
グ工程の精度や歩留まりも問題である。また特に、シリ
コンを研磨によって薄膜化した場合には、割れやすくな
るという問題点もある。
【0027】またさらに、シリコン基板を使う場合、ペ
ロブスカイト系強誘電体205とシリコン基板202と
の間に大きな熱膨張率差が生ずるため、高温の成膜過程
からの冷却時に強誘電体205に面内方向の引っ張り応
力が加わり、圧電性が弱くなるという問題もある。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の薄膜圧電共振器においては、犠牲層の上にc軸配
向させたAlNやZnOの圧電膜を使用した場合は、電
気機械結合係数が数%程度と小さい問題、逆に電気機械
結合係数が大きいペロブスカイト結晶系の強誘電体薄膜
を使用した場合はシリコン基板上にエピタキシャル成長
させる都合上から基板裏面から異方性エッチングにより
作成したビアホールを使用せざるを得ないという問題を
はじめとする各種の問題があった。
【0029】本発明はかかる課題の認識に基づいてなさ
れたものであり、その目的は、電気機械結合係数が大き
く、且つ製造が容易で素子サイズもコンパクトに形成で
きる薄膜圧電共振器及びその製造方法を提供することに
ある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の薄膜圧電共振器は、単結晶基板と、前記単
結晶基板の上に空隙を挟んで設けられ下部電極と強誘電
体層と上部電極とを積層してなる共振器と、を備え、前
記共振器を構成する前記下部電極及び前記強誘電体層
は、前記単結晶基板に対してエピタキシャル成長関係に
あり、前記共振器は、その周囲において前記単結晶基板
に延設された前記強誘電体層によって前記単結晶基板の
上に前記空隙を挟んで支持されてなることを特徴とす
る。
【0031】上記構成によれば、電気機械結合係数が大
きく、且つ製造が容易で素子サイズもコンパクトに形成
できる薄膜圧電共振器を提供できる。
【0032】または、本発明の薄膜圧電共振器は、単結
晶基板と、前記単結晶基板の上に空隙を挟んで設けられ
下部電極と強誘電体層と上部電極とを積層してなる共振
器と、を備え、前記共振器を構成する前記下部電極及び
前記強誘電体層は、前記単結晶基板に対してエピタキシ
ャル成長関係にあり、前記共振器は、その周囲に設けら
れた犠牲層により前記単結晶基板の上に前記空隙を挟ん
で支持されてなり、前記犠牲層は、前記単結晶基板とも
前記強誘電体層とも異なる材料からなり、且つ前記単結
晶基板に対してエピタキシャル成長関係にあることを特
徴とする。
【0033】上記構成によっても、電気機械結合係数が
大きく、且つ製造が容易で素子サイズもコンパクトに形
成できる薄膜圧電共振器を提供できる。
【0034】なお、本願明細書において、「エピタキシ
ャル成長関係にある」とは、直接的あるいは他のエピタ
キシャル成長層を介してエピタキシャル成長されたこと
を意味するものとする。従って、例えば、犠牲層が基板
に対してエピタキシャル成長関係にあるとされる場合
は、犠牲層が基板の上に直接あるいは他のエピタキシャ
ル成長層を介してエピタキシャル成長された単結晶層で
あることを意味する。
【0035】通常は、このようなエピタキシャル成長に
よる単結晶層は、その下地の単結晶層との間で結晶方位
に一定の関係を有する。
【0036】さて、本発明においては、上記した薄膜圧
電共振器において、前記強誘電体層は、ペロブスカイト
型結晶構造を有する強誘電体からなり、正方晶型ペロブ
スカイト結晶構造の(001)配向膜、斜方晶型ペロブ
スカイト結晶構造の(011)配向膜、及び菱面体晶型
ペロブスカイト結晶構造の(111)配向膜のいずれか
であるものとすることができる。
【0037】一方、本発明の薄膜圧電共振器の製造方法
は、単結晶の基板の上に単結晶の犠牲層をエピタキシャ
ル成長する工程と、前記犠牲層の上に単結晶の下部電極
をエピタキシャル成長する工程と、前記下部電極の上に
単結晶の強誘電体層をエピタキシャル成長する工程と、
前記犠牲層の少なくとも一部を除去することにより、前
記基板と、前記下部電極及び前記強誘電体層との間に空
隙を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0038】上記構成によれば、単結晶からなる強誘電
体層を有する薄膜圧電共振器をコンパクトに形成するこ
とができる。
【0039】またここで、前記空隙を形成する工程にお
いて、前記空隙の周囲に前記犠牲層を残留させてもよ
い。
【0040】また一方、前記犠牲層は、SrRuO
たはMgOからなるものとすると、強誘電体層のエピタ
キシャル成長が容易であり、しかも選択エッチングも容
易となる点で有利である。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の実施の形態について詳細に説明する。
【0042】図1は、本発明の実施の形態にかかる薄膜
圧電共振器の断面構造を表す模式図である。すなわち、
同図に表した共振器は、単結晶基板1の表面にバリア層
2を介して空隙Vが形成され、この空隙Vの上に、下部
電極4、単結晶の強誘電体層5、上部電極6が積層形成
されている。
【0043】また、図2は、本発明の実施の形態にかか
るもうひとつの薄膜圧電共振器の断面構造を表す模式図
である。この構造の場合、空隙Vの周囲に支持体3が設
けられ、下部電極4、単結晶の強誘電体層5、上部電極
6は、この支持体3により基板1の上に支持されてい
る。
【0044】本発明のひとつの特徴は、強誘電体層5が
基板1に対してエピタキシャル成長関係にある点にあ
る。すなわち、従来から用いられているような非晶質の
犠牲層に代わり、基板の上に単結晶の犠牲層をエピタキ
シャル成長させ、その上にペロブスカイト構造を持つ強
誘電体単結晶からなる薄膜圧電共振器をエピタキシャル
成長により形成した後に、基板上に空隙Vを形成する。
【0045】空隙Vを介した単結晶強誘電体からなる薄
膜圧電共振器を使用することにより、大きな電気機械結
合係数や、大きな品質係数が得られる。
【0046】しかも、本発明の構成によれば、共振器作
成プロセスを飛躍的に容易にすることができ、さらに、
共振器の寸法を小さくすると同時に、信頼性を高くする
ことが可能になる。また、単結晶基板1の材料として
も、シリコン(Si)をはじめとして、SrTiO
どのペロブスカイト結晶の使用も可能になる。
【0047】強誘電体層5としては、BaTiO、P
ZT、PbTiOなどを主成分とするペロブスカイト
結晶構造を持つ強誘電体材料をエピタキシャル成長させ
て単結晶状に形成する。
【0048】これらのペロブスカイト系強誘電体は、組
成や温度により、[001]、[011]ないし[11
1]方向の自発分極を持ち、結晶構造も立方晶からわず
かに分極方向に歪んだものとなる。すなわち、[00
1]分極の場合は正方晶、[011]分極の場合は斜方
晶、[011]分極の場合は菱面体晶となる。薄膜圧電
共振器は、厚み方向の共振を生ずるので、これら自発分
極の方向が厚み方向、すなわち強誘電体層5の膜面に対
して垂直な方向であることが望ましい。つまり、正方晶
型ペロブスカイト結晶構造の(001)配向膜か、斜方
晶型ペロブスカイト結晶構造の(011)配向膜か、菱
面体晶型ペロブスカイト結晶構造の(111)配向膜と
することが望ましい。
【0049】一方、単結晶の犠牲層の材料としては、比
較的容易に選択ウエットエッチングが可能であること
と、犠牲層の上に電極4や強誘電体層5をエピタキシャ
ル成長させるという2つの条件を満たすものとして、ペ
ロブスカイト構造の金属酸化物であるSrRuOや、
岩塩型構造のMgOを用いることができる。 SrRu
を犠牲層3の材料として用いた場合は、例えば硝酸
セリウムアンモニウムの3%程度の水溶液により、1μ
m/秒程度のエッチング速度が得られ、シリコンなどか
らなる基板1やBaTiOなどからなる強誘電体層5
には何の影響も与えない。また、強誘電体層5は同じペ
ロブスカイト構造を持ち、格子定数も近いので、エピタ
キシャル成長も容易である。
【0050】一方、MgOを犠牲層3の材料として用い
た場合は、例えばリン酸の10%程度の水溶液により、
5μm/秒程度のエッチング速度が得られ、シリコンな
どからなる基板1やBaTiOなどからなる強誘電体
層5には何の影響も与えない。また、この場合も、強誘
電体層5と格子定数の近い立方晶構造を持ち、電極4、
6として使用される白金(Pt)等の貴金属や強誘電体
層5のエピタキシャル成長も容易である。
【0051】基板1としては、シリコン基板が使用可能
なのはもちろんである。犠牲層としてMgOを使用した
場合は、蒸着法などによりシリコン基板上に直接エピタ
キシャル成長が可能である。犠牲層としてSrTiO
を使用する場合は、シリコン基板1の表面に何らかのバ
リア層2が必要である。一例を挙げれば、窒化チタン
(TiN)とイリジウム(Ir)の2層からなるバリア
層2を使用することができる。
【0052】その他の基板1としては、SrTiO
LaAlOなどの酸化物基板を使用することができ
る。これらの酸化物基板はペロブスカイト構造を持ち、
犠牲層であるSrRuOやMgOとも格子定数が近
く、これらの犠牲層を直接エピタキシャル成長させるこ
とが可能である。
【0053】一方、図2に例示したように、犠牲層の一
部を除去せずに残して、支持体3として利用することも
できる。後に実施例3として詳述するように、この構造
の場合、略平坦な面の上に、下部電極4、強誘電体層
5、上部電極6を形成できるので、電極の段切れなどの
問題を解消することができる。
【0054】以上説明したように、本発明によれば、単
結晶基板1の上に空隙Vを介して単結晶強誘電体層5を
有する薄膜圧電共振器を作成することができ、単結晶の
強誘電体を圧電膜としたときの長所である大きな電気機
械結合係数と大きな品質係数、さらには空隙上に作成す
ることによる作成プロセスの容易さ、共振器の寸法の小
ささ、信頼性の高さ、などの多くの特長を併せ持つ、薄
膜圧電共振器を実現できる。
【0055】
【実施例】以下、実施例を参照しつつ、本発明の実施の
形態についてさらに詳細に説明する。
【0056】(第1の実施例)まず、本発明の第1の実
施例として、シリコン基板上にエピタキシャル成長によ
り形成した単結晶BaTiOからなる強誘電体層を有
する薄膜圧電共振器について説明する。
【0057】図3は、本実施例の薄膜圧電共振器の製造
工程を表す要部工程断面図である。
【0058】まず、同図(a)に表したように、シリコ
ン(100)基板11(格子定数0.543nm)の全
面に、基板温度600℃において、RFマグネトロンス
パッタ法により窒化チタン(TiN:立方晶:格子定数
0.423nm)およびイリジウム(Ir:立方晶:格
子定数0.384nm)からなるバリア層12をエピタ
キシャル成長させた。
【0059】次に、図3(b)に表したように、RFマ
グネトロンスパッタ法により基板温度600℃におい
て、膜厚1μmのSrRuO犠牲層(擬立方晶:格子
定数0.391nm)13をエピタキシャル成長させた
後、リソグラフィおよび反応性イオンエッチング(RI
E)によりパターニングした。
【0060】次に、図3(c)に表したように、RFマ
グネトロンスパッタ法により基板温度600℃におい
て、膜厚100 nmの白金(Pt)からなる下部電極
(立方晶:格子定数0.392nm)14をエピタキシ
ャル成長させた後、リソグラフィおよびRIEによりパ
ターニングして、バリア層12と犠牲層13とに跨るよ
うに形成した。
【0061】次に、図3(d)に表したように、RFマ
グネトロンスパッタ法により基板温度600℃におい
て、膜厚1.2μmのBaTiO強誘電体層(正方
晶:a軸格子定数0.399nm)15をc軸に配向さ
せてエピタキシャル成長させて犠牲層13及び下部電極
14を埋め込んだ。さらに、膜厚100nmの白金(P
t)からなる上部電極16をエピタキシャル成長させ、
リソグラフィおよびRIEによりパターニングして下部
電極14に対して対向させると同時に、異なる方向へ導
出部を形成した。
【0062】次に、図3(e)に表したように、SrR
uO犠牲層13を除去して空隙Vを形成した。具体的
には、犠牲層13の一部を露出させて、その部分から、
3%の濃度の硝酸セリウムアンモニウムを使用して選択
エッチングを行うことにより、下部電極14、強誘電体
層15、上部電極16からなる共振器18の下部に空隙
Vを形成した。
【0063】図4は、犠牲層13、下部電極14、強誘
電体層15及び上部電極16の平面的な配置関係を例示
する模式図である。同図に例示した配置構造の場合、犠
牲層13がH字状に形成され、その上に下部電極14、
強誘電体層15、上部電極16が順次積層されている。
下部電極14と上部電極16は、それぞれ反対方向から
導出されて対向部を形成し、ここにおいて強誘電体15
に電圧を印加して振動を生ずる。
【0064】そして、図4にハッチで表したように、犠
牲層13の端部が露出しており、この部分からエッチン
グを進行させることにより、犠牲層13を除去して空隙
Vを形成することができる。
【0065】図5は、犠牲層13、下部電極14、強誘
電体層15及び上部電極16の平面的な配置関係のもう
ひとつの具体例を例示する模式図である。同図に例示し
た構造の場合、犠牲層13は強誘電体層15により覆わ
れている。また、この構造の場合も、下部電極14と上
部電極16は、それぞれ反対方向から導出されて対向部
を形成し、ここにおいて強誘電体15に電圧を印加して
振動を生ずる。
【0066】図5に表した構造の場合には、同図にハッ
チで表したように、強誘電体層15の端部に開口Hを形
成し、この開口Hからエッチングを進行させることによ
り、犠牲層13を除去して空隙Vを形成することができ
る。
【0067】以上説明した工程により製造した場合、バ
リア層12を構成する窒化チタン及びイリジウム、上下
電極14、16を構成する白金、強誘電体層15を構成
するBaTiOは、いずれもエピタキシャル成長によ
り単結晶として形成された。X線回折により、これら窒
化チタン、イリジウム、白金、BaTiOを評価する
と、これらいずれも基板面に対して(001)方位でエ
ピタキシャル成長していることが確認できた。
【0068】これらエピタキシャル成長層の(002)
ピークのロッキングカーブを測定して半値幅を評価した
結果、窒化チタンは1.2度、イリジウムは1.2度、
白金は0.9度、BaTiOは1.3度であった。こ
れらはいずれも、従来の薄膜圧電共振器の部材として従
来用いられていたものと比較すると、飛躍的に優れた結
晶性を有するものであるといえる。
【0069】また、本実施例の薄膜圧電共振器の周波数
特性を測定したところ、共振周波数は2.1GHzであ
り、電気機械結合係数は18%、品質係数Qは700と
共振特性に優れた共振器が得られたことが確認された。
【0070】このような薄膜圧電共振器は、図6に例示
したように直列ないし並列に複数個並べて梯子型フィル
タを形成することにより、移動体通信機のRFフィルタ
として利用することができる。
【0071】また、図7に例示したように、薄膜圧電共
振器10、バリキャップおよび増幅器を組合せること
で、移動体通信機の電圧可変発振器(Voltage Controll
ed Oscillator:VCO)として利用することもでき
る。
【0072】(第2の実施例)次に、本発明の第2の実
施例として、SrTiO単結晶からなる基板上に、エ
ピタキシャル成長により形成したPZT強誘電体層を用
いた薄膜圧電共振器について説明する。
【0073】図8は、本実施例の薄膜圧電共振器の要部
製造工程を表す工程断面図である。まず、同図(a)に
表したように、SrTiO(111)基板21(格子
定数0.3905nm)の表面に、全てRFマグネトロ
ンスパッタ法により基板温度600℃において、膜厚1
μmのSrRuO犠牲層(擬立方晶:格子定数0.3
91nm)23をエピタキシャル成長させた後、リソグ
ラフィおよび反応性イオンエッチング(RIE)により
パターニングを行った。
【0074】次に、図8(b)に表したように、RFマ
グネトロンスパッタ法により基板温度600℃におい
て、膜厚100nmの白金(Pt)からなる下部電極
(立方晶:格子定数0.392nm)24をエピタキシ
ャル成長させた後、リソグラフィおよびRIEによりパ
ターニングを行った。
【0075】次に、図8(c)に表したように、RFマ
グネトロンスパッタ法により基板温度600℃におい
て、膜厚1.2μmのPb(Zr0.4Ti0.6)O
強誘電体層(菱面体晶:a軸格子定数0.403n
m)25をエピタキシャル成長させ、さらに膜厚100
nmの白金(Pt)をエピタキシャル成長させてリソグ
ラフィおよびRIEによりパターニングを行って上部電
極26を形成した。
【0076】次に、図8(d)に表したように、SrR
uO3犠牲層23を基板上に露出した部分(図4あるい
は図5に関して前述した如くである)から、3%の濃度
の硝酸セリウムアンモニウムを使用して選択エッチング
を行い、下部電極24、強誘電体層25、上部電極26
からなる共振器28の下部に空隙Vを作成した。
【0077】X線回折により、上下電極の白金(Pt)
および強誘電体層のPZTともに基板面に対して(11
1)方位でエピタキシャル成長していることが確かめら
れた。また、各成長層の(111)ピークのロッキング
カーブを測定して半値幅を評価したところ、白金(P
t)は0.3度であり、PZTは0.5度であった。こ
れらの値は、薄膜圧電共振器の要素として従来用いられ
ていたものと比較して飛躍的に優れた結晶性を示すもの
である。
【0078】本実施例の薄膜圧電共振器の周波数特性を
測定したところ、共振周波数は1.9GHzであり、電
気機械結合係数は25%、品質係数Qは400と極めて
特性が優れた共振器が作成されていることが確認され
た。
【0079】(第3の実施例)次に、本発明の第3の実
施例として、犠牲層の一部を支持体として残留させた薄
膜圧電共振器について説明する。
【0080】図9は、本実施例の薄膜圧電共振器の要部
製造工程を表す工程断面図である。
【0081】まず、同図(a)に表したように、SrT
iO(100)基板31(格子定数0.3905n
m)の表面に、RFマグネトロンスパッタ法により基板
温度600℃において、膜厚1μmのSrRuO犠牲
層(擬立方晶:格子定数0.391nm)33をエピタ
キシャル成長させた。
【0082】次に、図9(b)に表したように、RFマ
グネトロンスパッタ法により基板温度600℃におい
て、膜厚100nmの白金(Pt)をエピタキシャル成
長させた後、リソグラフィおよびRIEによりパターニ
ングを行って下部電極(立方晶:格子定数0.392n
m)34を形成した。
【0083】次に、同図(c)に表したように、RFマ
グネトロンスパッタ法により基板温度600℃におい
て、膜厚1.2μmのBaTiO強誘電体層(正方
晶:a軸格子定数0.399nm)35をエピタキシャ
ル成長させ、さらに膜厚100nmの白金(Pt)をエ
ピタキシャル成長させ、リソグラフィおよびRIEによ
りパターニングを行って上部電極36を形成した。
【0084】次に、同図(d)に表したように、3%の
濃度の硝酸セリウムアンモニウムを使用してSrRuO
犠牲層33の一部を選択的にエッチング除去して、下
部電極34、強誘電体層35、上部電極36からなる共
振器38の下部に空隙Vを作成した。ここで、犠牲層3
3をエッチングする際には、強誘電体層35の一部にリ
ソグラフィおよびRIEにより開口(図には示していな
い)を形成し、この開口を介して犠牲層33をエッチン
グした。
【0085】X線回折により、白金(Pt)およびBa
TiO3ともに基板面に対して(001)方位でエピタ
キシャル成長していることが確認できた。また、各成長
層の(001)ピークのロッキングカーブを測定して半
値幅を測ったところ、白金(Pt)は0.2度、BaT
iOは0.3度であった。
【0086】このようにして作成した、SrTiO
板上に空隙を介して作成された単結晶の圧電膜からなる
薄膜圧電共振器の周波数特性を測定したところ、共振周
波数は1.8GHzであり、電気機械結合係数は33
%、品質係数Qは500と大変特性に優れた共振器が作
成されていることが確認された。
【0087】また、本実施例により得られる薄膜圧電共
振器は、SrRuO犠牲層33が周囲に残留し、その
上に形成される上下電極及び強誘電体層を支持する構造
を有する。すなわち、図9(b)乃至(c)に表したよ
うに、下部電極34、強誘電体層35、上部電極36を
犠牲層33の平坦面の上に形成し、適宜パターニングす
ることができる。このように、略平坦面の上に共振器構
造38を形成することにより、電極34、36の段切れ
などの問題を解消することができる。
【0088】以上、具体例を例示しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明は、上述した各
具体例に限定されるものではない。
【0089】例えば、薄膜圧電共振器の具体的な構造、
及びそれを構成する各要素の形状、寸法、層厚、材料、
形成方法などに関しては、具体例として前述したものに
は限定されず、その他、当業者が本発明を適用しつつ設
計変更して得られる全ての変型例も、本発明の範囲に包
含される。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
単結晶基板の上に空隙を介して単結晶強誘電体層を有す
る薄膜圧電共振器を作成することができ、単結晶の強誘
電体を圧電膜としたときの長所である大きな電気機械結
合係数と大きな品質係数、さらには空隙上に作成する際
の作成プロセスの容易さ、共振器の寸法の小ささ、信頼
性の高さ、などの多くの特長を併せ持つ薄膜圧電共振器
を実現でき、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる薄膜圧電共振器の
断面構造を表す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるもうひとつの薄膜
圧電共振器の断面構造を表す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施例の薄膜圧電共振器の製造
工程を表す要部工程断面図である。
【図4】犠牲層13、下部電極14、強誘電体層15及
び上部電極16の平面的な配置関係を例示する模式図で
ある。
【図5】犠牲層13、下部電極14、強誘電体層15及
び上部電極16の平面的な配置関係のもうひとつの具体
例を例示する模式図である。
【図6】本発明の薄膜圧電共振器を直列ないし並列に複
数個並べて形成した梯子型フィルタを表す模式図であ
る。
【図7】本発明の薄膜圧電共振器10をバリキャップお
よび増幅器を組合せることにより形成した移動体通信機
の電圧可変発振器を表す模式図である。
【図8】本発明の第2の実施例の薄膜圧電共振器の要部
製造工程を表す工程断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例の薄膜圧電共振器の要部
製造工程を表す工程断面図である。
【図10】従来の薄膜圧電共振器の断面構造を表す模式
図である。
【図11】図10の薄膜圧電共振器の製造工程の要部を
表す工程断面図である。
【図12】従来の薄膜圧電共振器の断面構造を表す模式
図である。
【符号の説明】
1 単結晶基板 2 バリア層 3 支持体(犠牲層) 4 下部電極 5 単結晶強誘電体層 6 上部電極 11 基板 12 バリア層 13 犠牲層 14 下部電極 15 強誘電体層 16 上部電極 18 共振器 21 基板 23 犠牲層 24 下部電極 25 強誘電体層 26 上部電極 28 共振器 31 基板 33 犠牲層 34 下部電極 35 強誘電体層 36 上部電極 38 共振器 101 シリコン基板 102 窪み 103 酸化膜 105 犠牲層 111 下部電極 112 圧電膜 113 上部電極 201 ビアホール 202 シリコン基板 203 バッファ層 204 下部電極 205 強誘電体膜 206 上部電極 210 ダイボンド材 211 パッケージ 212 ワイヤ 213 蓋 H 開口 V 空隙
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月12日(2001.12.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 和秀 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐野 賢也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 清水 達雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 尾原 亮一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 梁瀬 直子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5J108 AA07 BB04 CC11 DD01 DD06 DD07 FF01 KK01 KK02 MM04 MM11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶基板と、 前記単結晶基板の上に空隙を挟んで設けられ下部電極と
    強誘電体層と上部電極とを積層してなる共振器と、 を備え、 前記共振器を構成する前記下部電極及び前記強誘電体層
    は、前記単結晶基板に対してエピタキシャル成長関係に
    あり、 前記共振器は、その周囲において前記単結晶基板に延設
    された前記強誘電体層によって前記単結晶基板の上に前
    記空隙を挟んで支持されてなることを特徴とする薄膜圧
    電共振器。
  2. 【請求項2】単結晶基板と、 前記単結晶基板の上に空隙を挟んで設けられ下部電極と
    強誘電体層と上部電極とを積層してなる共振器と、 を備え、 前記共振器を構成する前記下部電極及び前記強誘電体層
    は、前記単結晶基板に対してエピタキシャル成長関係に
    あり、 前記共振器は、その周囲に設けられた犠牲層により前記
    単結晶基板の上に前記空隙を挟んで支持されてなり、 前記犠牲層は、前記単結晶基板とも前記強誘電体層とも
    異なる材料からなり、且つ前記単結晶基板に対してエピ
    タキシャル成長関係にあることを特徴とする薄膜圧電共
    振器。
  3. 【請求項3】前記強誘電体層は、ペロブスカイト型結晶
    構造を有する強誘電体からなり、 正方晶型ペロブスカイト結晶構造の(001)配向膜、
    斜方晶型ペロブスカイト結晶構造の(011)配向膜、
    及び菱面体晶型ペロブスカイト結晶構造の(111)配
    向膜のいずれかであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の薄膜圧電共振器。
  4. 【請求項4】単結晶の基板の上に単結晶の犠牲層をエピ
    タキシャル成長する工程と、 前記犠牲層の上に単結晶の下部電極をエピタキシャル成
    長する工程と、 前記下部電極の上に単結晶の強誘電体層をエピタキシャ
    ル成長する工程と、 前記犠牲層の少なくとも一部を除去することにより、前
    記基板と、前記下部電極及び前記強誘電体層との間に空
    隙を形成する工程と、 を備えたことを特徴とする薄膜圧電共振器の製造方法。
  5. 【請求項5】前記空隙を形成する工程において、前記空
    隙の周囲に前記犠牲層を残留させることを特徴とする請
    求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記犠牲層は、SrRuOまたはMgO
    からなることを特徴とする請求項4または5に記載のの
    薄膜圧電共振器の製造方法。
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