JP2005079993A - 薄膜圧電共振器 - Google Patents

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Abstract


【課題】 良好な共振動作を可能にし、さらには、Si基板上への直接的な実装を可能にして薄膜プロセスでの形成を可能にした、薄膜圧電共振器を提供する。
【解決手段】 基体31上に共振子33を有してなる薄膜圧電共振器30である。共振子33の圧電薄膜5が、ロンボヘドラル構造でありかつ擬立方晶(100)に配向したチタン酸ジルコン酸鉛によって形成されている。基体上にイオンビームアシスト法で形成されたバッファ層3と、バッファ層3上に形成されたペロブスカイト型の下部電極4と、下部電極4上に形成された圧電薄膜5と、圧電薄膜5上に形成された上部電極6とを有して構成されているのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電薄膜を有した薄膜圧電共振器に関する。
薄膜圧電共振器やこれを用いたフィルタは、GHz帯で動作し、素子が小型にできるなどの利点から、近年では広く研究されている。
従来、このような薄膜圧電共振器においては、その共振子を構成する圧電薄膜として、酸化亜鉛(ZnO)や窒化アルミニウム(AlN)が用いられていた。一方、チタン酸鉛(PbTiO)やチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)は、酸化亜鉛や窒化アルミニウムより大きな電気機械結合係数(k)を有することが、圧電セラミックスの分野では知られている。
このような背景から、圧電薄膜としてチタン酸鉛を用いた薄膜圧電共振器の研究もなされている(例えば、非特許文献1参照)。
三須他,圧電材料・デバイスシンポジウム 2003.,p.35−p.38
ところで、良好な共振動作をなさせるためには、圧電薄膜の電気機械結合係数(k)をより大きくする必要があり、また、電気機械結合係数については特に圧電薄膜の結晶構造が大きく影響すると言われている。
しかしながら、前記の研究においては、特に圧電薄膜の結晶構造については特に言及されておらず、したがって圧電薄膜の電気機械結合係数についても何等考慮がなされていない。
また、基体上に形成する共振子については、特にこれを薄膜プロセスで形成できるようにすることが効果的であると考えられている。薄膜プロセスであれば、得られる薄膜圧電共振器の小型化や、他の半導体素子とともに同一基板上に実装することによる高密度化などが可能になり、特に携帯電話などの小型化が要求される無線通信機器に用いる場合に有利になるからである。
しかしながら、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)を圧電薄膜として用いて薄膜圧電共振器を形成しようとした場合、チタン酸ジルコン酸鉛をSi基板上に直接形成することが極めて困難であることから、薄膜プロセスでの形成が行えないといった問題がある。すなわち、通常Si基板上には自然酸化膜が形成されていることから、この自然酸化膜上にチタン酸ジルコン酸鉛をエピタキシャル成長させるのが困難であり、したがって、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電薄膜をSi基板上に形成することができないのである。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、良好な共振動作を可能にし、さらには、Si基板上への直接的な実装を可能にして薄膜プロセスでの形成を可能にした、薄膜圧電共振器を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の薄膜圧電共振器は、基体上に共振子を有してなる薄膜圧電共振器であって、前記共振子の圧電薄膜が、ロンボヘドラル構造でありかつ擬立方晶(100)に配向したチタン酸ジルコン酸鉛によって形成されていることを特徴としている。
この薄膜圧電共振器によれば、共振子の圧電薄膜として、ロンボヘドラル構造でありかつ擬立方晶(100)に配向したチタン酸ジルコン酸鉛を用いているので、このような結晶構造を有することでこのチタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電薄膜が高い電気機械結合係数を有するものとなり、したがって例えばGHz帯で良好に動作するものとなる。
また、前記薄膜圧電共振器においては、基体上にイオンビームアシスト法で形成されたバッファ層と、前記バッファ層上に形成されたペロブスカイト型の下部電極と、前記下部電極上に形成された前記圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に形成された上部電極とを有してなるのが好ましい。
このようにすれば、基体としてSi基板を用いた場合にも、イオンビームアシスト法で形成されたバッファ層を介して前記下部電極、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電薄膜が積層されるので、このチタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電薄膜がSi基板の自然酸化膜上に直接的に作り込まれるようになり、したがってその加工等において薄膜プロセスが採用可能となり、薄膜圧電共振器の小型化などが容易になる。
また、前記薄膜圧電共振器においては、前記ペロブスカイト型の下部電極が、(100)配向でエピタキシャル成長したものであるのが好ましい。
このようにすれば、この下部電極上にロンボヘドラル構造でありかつ擬立方晶(100)配向のチタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電薄膜が、エピタキシャル成長で良好に形成されるようになる。
また、前記薄膜圧電共振器においては、前記ペロブスカイト型の下部電極が、SrRuO、Nb−SrTiO、La−SrTiO、(La,Sr)CoOのうちから選択された少なくとも一種からなるのが好ましい。
このようにすれば、この下部電極上にロンボヘドラル構造でありかつ擬立方晶(100)配向のチタン酸ジルコン酸鉛をより良好に形成することが可能になる。
また、前記薄膜圧電共振器においては、前記チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電薄膜の結晶構造がペロブスカイト型になっており、この結晶構造中のBサイトに位置する金属として、ZrまたはTiに置換してこれらより価数の高い金属元素が添加されてなるのが好ましい。ここで、ZrまたはTiより価数の高い金属元素が、V、Nb、Ta、Wのうちから選択された少なくとも一種であるのが好ましい。
ペロブスカイト型結晶構造のチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)では、そのAサイトに位置するPbが蒸発して結晶構造中から抜け、結晶欠陥が生じやすくなっている。Pbが結晶構造中から抜けて結晶欠陥が生じると、この結晶は電気的に中性でなくなり、絶縁性が損なわれて電流リークが生じ易くなってしまう。そこで、ZrまたはTiより価数の高い金属元素をBサイトのZrまたはTiと置換させることで、結晶構造全体としての中性を保持することができ、これにより絶縁性を高めて電流リークを防止することができる。
なお、この薄膜圧電共振器においては、前記ZrまたはTiより価数の高い金属元素が、Pb(Zr,Ti)Oからなる圧電薄膜を構成する結晶構造中の全Bサイトに対して、1〜35%の割合を占めて置換されるよう添加されているのが好ましい。
1%未満では、添加による電流リーク防止効果が良好とならず、35%を越えても、それ以上は電流リーク防止効果の向上があまり期待できないからである。
また、前記薄膜圧電共振器においては、前記基体に、前記共振子が形成された側と反対の側にビアホールを形成してもよく、その場合に、前記基体と共振子との間に弾性板を形成してもよい。
このようにすれば、ダイアフラム型の薄膜圧電共振器となり、より良好な共振動作をなすものとなる。
また、前記薄膜圧電共振器においては、前記基体と共振子との間にエアギャップが形成されていてもよく、その場合に、前記基体と共振子との間に弾性板を形成してもよい。
このようにすれば、エアギャップ型の薄膜圧電共振器となり、より良好な共振動作をなすものとなる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態を示す図であり、図1中符号30は薄膜圧電共振器である。この薄膜圧電共振器30は、特に通信用素子や通信用フィルタとして用いられるダイアフラム型のもので、単結晶シリコン基板からなる基体31上に、弾性板32を介して共振子33を形成したものである。
基体31は、(110)配向した厚さ200μm程度の単結晶シリコン基板からなるもので、その底面側(共振子32と反対の側)には、該基体31の底面側から上面側にまで貫通するビアホール34が形成されている。
弾性板32は、前記基体31の上面となっている(110)面上に形成されたもので、本実施形態では、図2に示す薄膜圧電共振器30の模式図に示すように、基体31上のバッファ層3によって形成されたものである。また、共振子33は、図2に示すようにバッファ層3上に形成された下部電極4、圧電薄膜5、上部電極6によって形成されている。
バッファ層3としては、単一配向している(厚さ方向にのみ配向方位が揃っている)ものであればよいが、さらに面内配向している(三次元方向の全てに配向方位が揃っている)ものであるのが好ましい。このようなバッファ層3を設けることにより、自然酸化膜を形成したSi基板からなる基体31と後述する下部電極4との間で、優れた接合性(密着性)を得ることもできるからである。
また、このバッファ層3は、NaCl構造の金属酸化物、蛍石型構造の金属酸化物、ペロブスカイト構造の金属酸化物等のうちの少なくとも1種を含むものが好ましく、特に、NaCl構造の金属酸化物又は蛍石型構造の金属酸化物と、ペロブスカイト構造の金属酸化物とが積層された構造となっているの好ましい。NaCl構造の金属酸化物や蛍石型構造の金属酸化物は、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物との格子不整合が小さいので、後述するように下部電極4として特にペロブスカイト構造のものを形成する場合に、その下地となるペロブスカイト構造の層を形成するうえで有利となるからである。
以上の理由により、本実施形態のバッファ層3は、NaCl構造の金属酸化物又は蛍石型構造の金属酸化物からなる第1バッファ層7及び第2バッファ層8と、この第2バッファ層8の上に形成されたペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる第3バッファ層9とによって構成されている。
第1バッファ層7は、特に本発明においてイオンビームアシスト法で形成されたバッファ層となるものであって、本実施形態では立方晶(100)配向のイットリア安定化ジルコニア(以下、YSZ)からなり、厚さが例えば1μm程度に厚く形成されたものである。ただし、YSZとしては、以下の式で表されるものが任意に用いられる。
Zr1−xLn 0≦x≦1.0
(Ln;Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)
ここで、この第1バッファ層7を厚く形成するのは、後述するようにエッチングによって基体31にビアホール34を形成する際、この第1バッファ層7をエッチングストッパ層として機能させているためである。また、このように第1バッファ層7を厚く形成しているので、前述したようにバッファ層3を弾性板32として機能させた際、実質的にはこの第1バッファ層7が弾性板として機能するようになっている。
この第1バッファ層7は、前記基体31上に直接形成されるものであるが、Si基板からなる基体31表面には通常自然酸化膜(SiO)が形成されている。したがって、この自然酸化膜上にYSZをエピタキシャル成長させることは一般的な成膜法では難しいことから、本実施形態では、後述するように特にイオンビームアシスト法を用いてエピタキシャル成長させることにより、この第1バッファ層7を形成するものとする。なお、基体31表面に形成されている自然酸化膜は、アモルファス膜であってもよい。
第2バッファ層8は、立方晶(100)配向のCeOからなるもので、第1バッファ層7上にエピタキシャル成長させられて厚さが例えば100nm程度に形成されたものである。
なお、これら第1バッファ層7及び第2バッファ層8としては、YSZやCeOに限定されることなく、任意のNaCl構造の金属酸化物や蛍石型構造の金属酸化物を用いることができる。NaCl構造の金属酸化物としては、例えばMgO、CaO、SrO、BaO、MnO、FeO、CoO、NiO、またはこれらを含む固溶体等が挙げられるが、これらの中でも、特に、MgO、CaO、SrO、BaO、または、これらを含む固溶体のうちの少なくとも1種を用いるのが好ましい。このようなNaCl構造の金属酸化物は、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物との格子不整合が特に小さいものとなる。
一方、蛍石型構造の金属酸化物としては、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、CeO、ZrO、ThO、UO、またはこれらを含む固溶体等が挙げられるが、これらの中でも、YSZ、CeO、ZrO、またはこれらを含む固溶体のうちの少なくとも1種を用いるのが好ましい。このような蛍石型構造の金属酸化物も、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物との格子不整合が特に小さいものとなる。
第3バッファ層9は、層状ペロブスカイト型酸化物であるYBaCu(xは例えば7)からなるもので、第2バッファ層8上に斜方晶(001)配向でエピタキシャル成長させられて、厚さが例えば30nm程度に形成されたものである。このようにペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなっていることにより、この第3バッファ層9は、前述したように第2バッファ層8との間で格子不整合が特に小さいものとなっている。したがって、欠陥等がない良好な結晶構造を有するものとなるとともに、この第3バッファ層9上に、ペロブスカイト型の下部電極4を良好にエピタキシャル成長させることができるものとなっている。
なお、第3バッファ層9としては、YBaCuに限定されることなく、他のペロブスカイト型金属酸化物を用いることもできる。例えば、CaRuO、SrRuO、BaRuO、SrVO、(La,Sr)MnO、(La,Sr)CrO、(La,Sr)CoO、または、これらを含む固溶体等を用いることもできる。
また、このようなバッファ層3からなる弾性板32としては、例えば基体31上に窒化シリコン(SiN)を厚さ200nm程度に形成し、さらにその上に二酸化シリコン(SiO)を厚さ400nm〜3μm程度に形成しておき、これらの上に前記バッファ層3を形成して、これら窒化シリコンと二酸化シリコンとバッファ層3との積層膜を弾性板32としてもよい。
下部電極4は、第3バッファ層9と同様にペロブスカイト型の金属酸化物からなるものであり、擬立方晶(100)配向でエピタキシャル成長させられて、厚さが例えば200nm程度に形成されたものである。この下部電極4を形成するペロブスカイト型の金属酸化物としては、前記第3バッファ層9として使用可能なものがそのまま使用可能であるが、特にSrRuO、Nb−SrTiO、La−SrTiO、(La,Sr)CoOのうちから選択された少なくとも一種が好適に用いられる。ここで、Nb−SrTiOはSrTiOにNbをドープしたものであり、La−SrTiOはSrTiOにLaをドープしたものである。これらの金属酸化物は、導電性や化学的安定性に優れているため、これらから形成される下部電極4も導電性や化学的安定性に優れたものとなる。また、その上にロンボヘドラル構造で擬立方晶(100)配向のPb(Zr,Ti)Oをより良好に形成することができるようになる。なお、本実施形態では擬立方晶(100)配向のSrRuOが用いられている。
圧電薄膜5は、ペロブスカイト型の結晶構造を有するチタン酸ジルコン酸鉛[Pb(Zr,Ti)O]からなるものであって、本実施形態では、前述したように擬立方晶(100)配向のペロブスカイト型金属酸化物(SrRuO)の、(100)面に成長して形成されたものである。すなわち、この圧電薄膜5は、特にロンボヘドラル構造で擬立方晶(100)配向となるようにエピタキシャル成長させられたものであって、厚さが例えば0.9μm程度に形成されたものである。なお、このPb(Zr,Ti1−x)Oにおいては、そのZrとTiとのモル比[x:(1−x)]は特に限定されることなく、任意のものとされるが、特にZrが多くなるとよりロンボヘドラル構造をとり易くなることから、x>(1−x)とするのが好ましい。具体的には、xを0.55〜0.7程度とするのが好ましく、0.6〜0.65程度とするのがより好ましい。
ここで、このようなロンボヘドラル構造で擬立方晶(100)配向のPb(Zr,Ti)Oは、特に温度等の成膜条件を調整することで得られるようになる。なお、ペロブスカイト型とは、図3(a)、(b)に示すような結晶構造を有するもので、図3(a)、(b)においてAで示す位置をAサイト、Bに示す位置をBサイトという。なお、Pb(Zr,Ti)Oでは、PbがAサイトに位置し、ZrやTiがBサイトに位置するようになっている。また、O(酸素)は図3(a)、(b)中においてOで示したところに位置するようになる。
ここで、このようなペロブスカイト型の結晶構造のPb(Zr,Ti)Oにおいては、そのBサイトに位置する金属として、ZrまたはTiに置換してこれらZrまたはTiより価数の高い金属元素を添加してもよい。ZrやTi(いずれも+4価)より価数の高い金属元素としては、V(+5価)、Nb(+5価)、Ta(+5価)、W(+5価)のうちから選択された少なくとも一種であるのが好ましい。
ペロブスカイト型結晶構造のPb(Zr,Ti)Oでは、そのAサイトに位置するPbが蒸発して結晶構造中から抜け、結晶欠陥が生じやすくなっている。Pbが結晶構造中から抜けて結晶欠陥が生じると、この結晶は電気的に中性でなくなり、絶縁性が損なわれて電流リークが生じ易くなってしまう。そこで、ZrやTiより価数の高い金属元素をBサイトのZrまたはTiと置換させることで、結晶構造全体としての中性を保持することができ、これにより絶縁性を高めて電流リークを防止することができる。
なお、ZrやTiより価数の高い金属元素の添加量としては、圧電薄膜5を構成する結晶構造中の全Bサイトに対して、1〜35%の割合を占めてZrまたはTiと置換するよう添加するのが好ましい。1%未満では、添加による電流リーク防止効果が良好とならず、35%を越えても、それ以上は電流リーク防止効果の向上があまり期待できないからである。
上部電極6は、本実施形態では前記下部電極4と同様、擬立方晶(100)配向にエピタキシャル成長された、厚さ700nm程度のSrRuOからなるものである。なお、この上部電極6については、SrRuOに限定されることなく、PtやIr、IrOなど公知の電極材料を用いることができる。
また、前記弾性板32上には図1に示したように電極35が形成されており、この電極35上には、パッド36を介して金等からなる配線37が設けられている。この配線37は上部電極6上に形成されたパッド38に接続されている。このような構成のもとに上部電極6および下部電極4は、いずれも弾性板32上に形成された配線(図示せず)を介して、電源(図示せず)に接続するようになっている。
このような構成の薄膜圧電共振器30を製造するには、まず、表面が(110)面であるSi基板からなる基体31を用意する。基体31として用いられるSi基板としては、前述したように(110)配向した厚さ200μm程度の単結晶シリコン基板が好適に用いられる。
続いて、この基体31を基板ホルダーに装填し、真空装置(図示せず)内に設置する。この真空装置内には、基体31に対向して、前記バッファ層7、8、9の構成元素を含む各ターゲット(バッファ層用ターゲット)、および下部電極4、圧電薄膜5、上部電極6の構成元素を含む各ターゲット、を所定距離、離間して配置しておく。ここで、各ターゲットとしては、目的とする第1バッファ層7、第2バッファ層8、第3バッファ層9、下部電極4、圧電薄膜5、上部電極6の各組成と同一または近似した組成のものがそれぞれ好適に用いられる。
すなわち、第1バッファ層7用のターゲットとしては、所望のYSZ組成またはこれに近似した組成のものを用い、第2バッファ層8用のターゲットとしては、所望のCeO組成またはこれに近似した組成のものを用い、第3バッファ層9用のターゲットとしては、所望のYBaCu組成またはこれに近似した組成のものを用いる。また、下部電極4および上部電極6のターゲットとしては、それぞれSrRuO組成またはこれに近似した組成のものを用い、圧電薄膜5用のターゲットとしては、所望のPb(Zr,Ti)O組成またはこれに近似した組成のものを用いる。
次いで、前述したようにイオンビームアシスト法を用いて、図4(a)に示すように基体31上に第1バッファ層7を直接形成する。すなわち、レーザー光を第1バッファ層7用のターゲットに照射し、このターゲットから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出すレーザーアブレーション法により、プルームを発生させる。すると、このプルームは基体31上に向けて出射し、基体31上に接触するようになる。
また、これとほぼ同時に、基体31の表面に対して、イオンビームを後述する所定角度で照射(入射)し、イオンビームアシストを行う。すると、基体31表面に自然酸化膜が形成されているにもかかわらず、該基体31上に、立方晶(100)配向のYSZがエピタキシャル成長によって形成される。
なお、前記YSZの構成原子をターゲットから叩き出す方法としては、前述したようにレーザー光をターゲット表面に照射する方法の他、例えば、アルゴンガス(不活性ガス)プラズマや電子線等をターゲット表面に照射(入射)する方法を用いることもできる。ただし、これらの中では、レーザー光をターゲット表面に照射する方法が最も好ましい。このような方法によれば、レーザー光の入射窓を備えた簡易な構成の真空装置を用いることにより、原子をターゲットから容易にかつ確実に叩き出すことができる。
このターゲットに照射するレーザー光としては、波長が150〜300nm程度、パルス長が1〜100ns程度のパルス光が好適に用いられる。具体的には、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、XeClエキシマレーザー等のエキシマレーザー、さらにYAGレーザー、YVOレーザー、COレーザーなどが挙げられる。これらの中でも、特にArFエキシマレーザーまたはKrFエキシマレーザーが好適とされる。ArFエキシマレーザーおよびKrFエキシマレーザーは、いずれも取り扱いが容易であり、また、より効率よく原子をターゲットから叩き出すことができる。
一方、基体31の表面にイオンビームアシストとして照射するイオンビームについては、特に限定されないものの、例えばアルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトンのような不活性ガスのうちの少なくとも1種のイオン、または、これらのイオンと酸素イオンとの混合イオン等が好適に用いられる。このイオンビームのイオン源としては、例えば、Kauffmanイオン源等を用いるのが好ましい。このイオン源を用いることにより、イオンビームを比較的容易に生成することができる。
また、基体31表面に対するイオンビームの照射(入射)角度、すなわち前記の所定角度としては、特に限定されないものの、基体31の表面に対して35〜65°程度傾斜した角度とするのが好ましい。特に、NaCl構造の金属酸化物を主材料として第1バッファ層7を形成する場合には、前記照射角度を42〜47°程度、また、蛍石型構造の金属酸化物を主材料として第1バッファ層7を形成する場合には、前記照射角度を52〜57°程度とするのがより好ましい。なお、本実施形態では、蛍石型構造の金属酸化物であるYSZによって第1バッファ層7を形成するので、前記照射角度を52〜57°程度、特に55°程度としている。このような照射角度でイオンビームを基体31表面に照射することにより、立方晶(100)配向の第1バッファ層7を良好に形成することができる。
また、ターゲットに対してはアルゴン等のイオンを(111)方向から入射させつつ、レーザーアブレーションを行うようにする。ただし、MgO等のNaCl構造の金属酸化物によって第1バッファ層7を形成する場合には、そのターゲットに対し、アルゴン等のイオンを(110)方向で入射させつつ、レーザーアブレーションを行うようにする。
また、このような第1バッファ層7の形成における各条件については、第1バッファ層7がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることなく、例えば次のような条件を採用することができる。
レーザー光の周波数としては、30Hz以下とするのが好ましく、15Hz以下とするのがより好ましい。
レーザー光のエネルギー密度としては、0.5J/cm以上とするのが好ましく、2J/cm以上とするのがより好ましい。
イオンビームの加速電圧としては、100〜300V程度とするのが好ましく、150〜250V程度とするのがより好ましい。
また、イオンビームの照射量としては、1〜30mA程度とするのが好ましく、5〜15mA程度とするのがより好ましい。
基体31の温度としては、0〜50℃程度とするのが好ましく、室温(5〜30℃)程度とするのがより好ましい。
また、基体31とターゲットとの距離としては、60mm以下とするのが好ましく、45mm以下とするのがより好ましい。
真空装置内の圧力としては、133×10−1Pa(1×10−1Torr)以下とするのが好ましく、133×10−3Pa(1×10−3Torr)以下とするのがより好ましい。
真空装置内の雰囲気としては、不活性ガスと酸素との混合比を、体積比で300:1〜10:1程度とするのが好ましく、150:1〜50:1程度とするのがより好ましい。
第1バッファ層7の形成条件をそれぞれ前記範囲とすれば、第1バッファ層7をエピタキシャル成長によってより効率よく形成することができる。
また、このとき、レーザー光およびイオンビームの照射時間を適宜設定することにより、第1バッファ層7の平均厚さを前記厚さ、すなわち1μm程度に調整することができる。このレーザー光およびイオンビームの照射時間は、前記各条件によっても異なるものの、通常、200秒以下とするのが好ましく、100秒以下とするのがより好ましい。
このような第1バッファ層7の形成方法によれば、イオンビームの照射角度を調整するイオンビームアシスト法を採用することにより、基体31表面に自然酸化膜が形成されているにもかかわらず、前述したように立方晶(100)配向の第1バッファ層7を良好に形成することができる。なお、このように第1バッファ層7の配向方位を精度よく揃えることができるので、必要に応じて、この第1バッファ層7の平均厚さをより小さくすることもできる。
このようにして第1バッファ層7を形成したら、図4(b)に示すようにこの第1バッファ層7上に第2バッファ層8を形成する。この第2バッファ層8の形成では、自然酸化膜上に形成する第1バッファ層7の場合とは異なり、良好な結晶構造を有する第1バッファ層7の上に形成することから、イオンビームアシスト法を用いることなく、単にレーザーアブレーション法を用いることで行う。すなわち、前記の第1バッファ層7用のターゲットに代えて、所望のCeO組成またはこれに近似した組成の第2バッファ層8用ターゲットを用い、これにレーザー光を照射してこれから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体31上の第1バッファ層7に向けて出射させ接触させることにより、第2バッファ層8をエピタキシャル成長で形成する。
なお、この第2バッファ層8を形成するための、レーザーアブレーション法等の条件については、前記の第1バッファ層7形成の際の、レーザーアブレーション法等の条件と同様とする。
次いで、この第2バッファ層8上に、図4(c)に示すように第3バッファ層9を形成し、これにより第1バッファ層7、第2バッファ層8、第3バッファ層9からなるバッファ層3を得る。第3バッファ層9の形成では、前記第2バッファ層9の場合と同様にレーザーアブレーション法を単独で用いる。すなわち、まず、前記の第2バッファ層8用のターゲットに代えて、所望のYBaCu組成またはこれに近似した組成の第3バッファ層9用ターゲットを用意する。そして、これにレーザー光を照射し、これから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体31上の第2バッファ層8に向けて出射させ接触させることにより、第3バッファ層9をエピタキシャル成長で形成する。
なお、この第3バッファ層9の形成では、必要に応じて、前記第1バッファ層7の形成工程と同様に、イオンビームアシストを用いるようにしてもよい。すなわち、第2バッファ層8の表面にイオンビームを照射しつつ、これの上に第3バッファ層9を形成するようにしてもよい。イオンビームアシストを用いることで、より効率よく第3バッファ層9を形成することができる。
また、第3バッファ層9の形成における各条件については、各種金属原子が、所定の比率(すなわち、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物における組成比)で、第2バッファ層8上に到達し、かつ、第3バッファ層9がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることなく、例えば次のような条件を採用することができる。
レーザー光の周波数としては、30Hz以下程度とするのが好ましく、15Hz以下程度とするのがより好ましい。
レーザー光のエネルギー密度としては、0.5J/cm以上とするのが好ましく、2J/cm以上とするのがより好ましい。
第2バッファ層8が形成された基体31の温度としては、300〜800℃程度とするのが好ましく、700℃程度とするのがより好ましい。
なお、イオンビームの照射を併用する場合には、この温度を、0〜50℃程度とするのが好ましく、室温(5〜30℃)程度とするのが好ましい。
第2バッファ層8が形成された基体31とターゲットとの距離としては、60mm以下とするのが好ましく、45mm以下とするのがより好ましい。
また、真空装置内の圧力としては、1気圧以下が好ましく、そのうち、酸素分圧については、399×10−3Pa(3×10−3Torr)程度とするのが好ましい。
なお、イオンビームの照射を併用する場合には、真空装置内の圧力を、133×10−1Pa(1×10−1Torr)以下とするのが好ましく、133×10−3Pa(1×10−3Torr)以下とするのがより好ましい。また、この場合、真空装置内の雰囲気としては、不活性ガスと酸素との混合比を、体積比で300:1〜10:1程度とするのが好ましく、150:1〜50:1程度とするのがより好ましい。
第3バッファ層9の形成条件をそれぞれ前記範囲とすれば、第3バッファ層9をエピタキシャル成長によってより効率よく形成することができる。
また、このとき、レーザー光およびイオンビームの照射時間を適宜設定することにより、第3バッファ層9の平均厚さを前記厚さ、すなわち30nm程度に調整することができる。このレーザー光の照射時間は、前記各条件によっても異なるものの、通常、3〜90分程度とするのが好ましく、15〜45分程度とするのがより好ましい。
なお、弾性板32として窒化シリコンと二酸化シリコンとバッファ層3との積層膜を採用する場合には、バッファ層3の形成に先立ち、基体31上にCVD法等によって窒化シリコンと二酸化シリコンとをこの順に形成しておく。この場合に、バッファ層3の第1バッファ層7は二酸化シリコン上に形成されることになるが、前述したようにイオンビームアシスト法を用いてエピタキシャル成長させることにより、この第1バッファ層7は二酸化シリコン上にも良好に形成されるようになる。
このようにして第3バッファ層9を形成し、バッファ層3を形成したら、図5(a)に示すようにこの第3バッファ層7(バッファ層3)上にペロブスカイト型の下部電極4を形成する。この下部電極4の形成では、良好なペロブスカイト型の結晶構造を有する第3バッファ層9の上に形成することから、イオンビームアシスト法を用いることなく、単にレーザーアブレーション法を用いることで行う。すなわち、前記の第3バッファ層9用のターゲットに代えて、所望のSrRuO組成またはこれに近似した組成の下部電極4用ターゲットを用い、これにレーザー光を照射してこれから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体31上の第3バッファ層9に向けて出射させ接触させることにより、下部電極4をエピタキシャル成長で形成する。
下部電極4を形成するための各条件については、各種金属原子が、所定の比率(すなわち、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物における組成比)で、第3バッファ層9上に到達し、かつ、下部電極4がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、前記の第3バッファ層9形成の際の、レーザーアブレーション法等の条件と同様の条件が採用される。
なお、この下部電極4の形成においても、前記第3バッファ層9の形成工程と同様に、必要に応じてイオンビームアシストを用いるようにしてもよい。すなわち、第3バッファ層9の表面にイオンビームを照射しつつ、これの上に下部電極4を形成するようにしてもよい。イオンビームアシストを用いることで、より効率よく下部電極4を形成することができる。
次いで、図5(b)に示すように下部電極層4上に圧電薄膜5を形成する。この圧電薄膜5の形成でも、良好なペロブスカイト型結晶構造を有する下部電極4の上に形成することから、イオンビームアシスト法を用いることなく、単にレーザーアブレーション法を用いることで、ロンボヘドラル構造で擬立方晶(100)配向のPb(Zr,Ti)Oからなる圧電薄膜5を形成することができる。すなわち、前記の下部電極4用のターゲットに代えて、所望のPb(Zr,Ti)O組成またはこれに近似した組成の圧電薄膜5用ターゲットを用い、これにレーザー光を照射してこれから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体31上の下部電極4に向けて出射させ接触させることにより、下部電極4上、すなわち擬立方晶(100)配向のペロブスカイト型金属酸化物(SrRuO)の(100)面に、ロンボヘドラル構造で擬立方晶(100)配向の圧電薄膜5をエピタキシャル成長で形成する。
ここで、圧電薄膜5用のターゲットとしては、Pb(Zr,Ti)Oからなる組成のものを用いてもよいが、前述したようにZrまたはTiに置換する成分として、V、Nb、Ta、W等のZrやTiより価数の高い金属元素を添加したものを用いてもよい。このようなターゲートを用いることにより、前述したように特性が向上した圧電薄膜5を形成することができる。
圧電薄膜5を形成するための各条件については、各種金属原子が、所定の比率(すなわち、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物における組成比)で、下部電極4上に到達し、かつ、圧電薄膜5がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、前記の第3バッファ層9や下部電強4形成の際の、レーザーアブレーション法等の条件と同様の条件が採用される。
なお、この圧電薄膜5の形成においても、前記第3バッファ層9の形成工程と同様に、必要に応じてイオンビームアシストを用いるようにしてもよい。すなわち、下部電極4の表面にイオンビームを照射しつつ、これの上に圧電薄膜5を形成するようにしてもよい。イオンビームアシストを用いることで、より効率よく圧電薄膜5を形成することができる。
次いで、図5(c)に示すように圧電薄膜5上に上部電極6を形成する。この上部電極6の形成でも、先の下部電極4や圧電薄膜5の形成のときと同様、良好なペロブスカイト型結晶構造を有する圧電薄膜5の上に形成することから、イオンビームアシスト法を用いることなく、単にレーザーアブレーション法を用いることで、擬立方晶(100)配向の良好な上部電極6を形成することができる。すなわち、前記の圧電薄膜5用のターゲットに代えて、所望のSrRuO組成またはこれに近似した組成の上部電極6用ターゲットを用い、これにレーザー光を照射してこれから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体31上の圧電薄膜5に向けて出射させ接触させることにより、擬立方晶(100)配向の上部電極6をエピタキシャル成長で形成する。
上部電極6を形成するための各条件については、各種金属原子が、所定の比率(すなわち、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物における組成比)で、下部電極4上に到達し、かつ、圧電薄膜5がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、前記の第3バッファ層9や下部電強4形成の際の、レーザーアブレーション法等の条件と同様の条件が採用される。
なお、この上部電極6の形成においても、前記第3バッファ層9の形成工程と同様に、必要に応じてイオンビームアシストを用いるようにしてもよい。すなわち、圧電薄膜5の表面にイオンビームを照射しつつ、これの上に上部電極6を形成するようにしてもよい。イオンビームアシストを用いることで、より効率よく上部電極6を形成することができる。
次いで、上部電極6、圧電薄膜5、下部電極4を、形成するビアホール34に対応させてそれぞれドライエッチング等でパターニングし、図1に示したように共振子33を形成する。なお、特に下部電極4のパターニングに際しては、図1に示したように下部電極4とは別に電極35も同時に形成しておく。
次いで、基体31をその底面側から加工(パターニング)し、これを貫通するビアホール34を形成する。
具体的には、ビアホール34を形成すべき位置に合せてマスク層を形成し、その後、例えば平行平板型反応性イオンエッチング、誘導結合型方式、エレクトロンサイクロトロン共鳴方式、ヘリコン波励起方式、マグネトロン方式、プラズマエッチング方式、イオンビームエッチング方式等のドライエッチング、または、5重量%〜40重量%程度の水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の高濃度アルカリ水溶液によるウエットエッチングを行う。
ここで、本例では基体31として(110)配向の単結晶シリコン基板を用いているので、前述の高濃度アルカリ水溶液を用いたウエットエッチング(異方性エッチング)が好適に採用される。なお、この高濃度アルカリ水溶液によるウエットエッチングの際には、特にバッファ層3のみから弾性板32を形成する場合に、前述したようにバッファ層3における第1バッファ層7をエッチングストッパとして機能させることができる。また、窒化シリコンと二酸化シリコンとバッファ層3との積層膜を弾性板32とする場合には、窒化シリコンをエッチングストッパとして機能させることができる。このようなエッチングストッパを利用することにより、ビアホール34の形成をより容易に行うことができる。
このようにして基体31を、その厚さ方向にバッファ層3(あるいは窒化シリコン)が露出するまでエッチング除去することにより、ビアホール34を形成する。
その後、上部電極6と電極35との間を接続するパッド36及び配線37を形成し、薄膜圧電共振器30を得る。
このようにして得られた薄膜圧電共振器30は、例えば1.4GHz、1.8GHzといったGHz帯の波長にて吸収ピークを有するものとなり、したがってこのようなGHz帯などの高周波数領域で共振する共振器となる。また、この薄膜圧電共振器30にあっては、特にPb(Zr,Ti)Oからなる圧電薄膜5が高い電気機械結合係数(例えばk=5〜10%)を有することから、小型(薄型)であるにもかかわらず良好に機能し、良好な共振動作をなすものとなる。
さらに、単結晶シリコン基板からなる基体31に弾性板32(バッファ層3)や共振子33を直接作り込むことができ、したがってこれらの加工等を薄膜プロセスで行うことができることから、小型化、微細化への対応が可能になる。また、他の半導体素子とともに同一基板上に実装することなどによって高密度化が可能になり、したがって特に携帯電話などの小型化が要求される無線通信機器に用いる場合に有利なものとなる。
なお、前記実施形態では下部電極4をペロブスカイト型の金属酸化物からなる電極としたが、このペロブスカイト型の電極に代えてPt(白金)を用いることもできる。このPtは、その成膜法に関係なく(111)配向となり、例えばスパッタ法等の比較的簡易な方法を採用することで、バッファ層3上に容易に配向成長するものとなる。ここで、このように下部電極4をPtによって形成する場合、特にこれの下地としてバッファ層3を形成する必要はなくなる。したがって、この場合には、前述したように基体31上に窒化シリコンと二酸化シリコンとを形成しておき、これらの積層膜を弾性板32とするのが好ましい。
図6は、本発明の薄膜圧電共振器の他の実施形態を示す図であり、図6中符号40はエアギャップ型の薄膜圧電共振器である。この薄膜圧電共振器40が図1に示した薄膜圧電共振器30と主に異なるところは、ビアホールを形成せず、基体41と共振子42との間にエアギャップ43を形成した点にある。
すなわち、この薄膜圧電共振器40は、(110)配向した単結晶シリコン基板からなる基体41上に、共振子42を形成したものである。この共振子42は、前述した下部電極4、圧電薄膜5、上部電極6と同じ材質からなる下部電極44、圧電薄膜45、上部電極46によって形成されたもので、特にエアギャップ43上にてこれら下部電極44、圧電薄膜45、上部電極46が積層されたことにより、形成されたものである。
ここで、本実施形態では、下部電極44の下側に前記エアギャップ43を覆った状態でバッファ層3が形成されており、このバッファ層3が先の例と同様に弾性板47となっている。なお、この弾性板47についても、先の例と同様に基体41上に窒化シリコンと二酸化シリコンとを形成しておき、あるいは二酸化シリコンのみを形成しておき、これの上にバッファ層3を形成してこれらの積層膜を弾性板47としてもよい。
このような構成の薄膜圧電共振器40を形成するには、まず、基体41上に例えばゲルマニウム(Ge)を蒸着等によって成膜し、さらにこれを形成するエアギャップの形状と同じ形状にパターニングすることにより、犠牲層を形成する。
次に、この犠牲層を覆ってバッファ層3、すなわち前述した第1のバッファ層と第2のバッファ層と第3のバッファ層とをこの順に形成する。なお、これに先だって窒化シリコンと二酸化シリコンとを形成しておき、あるいは二酸化シリコンのみを形成しておいてもよい。続いて、これらバッファ層を所望形状にパターニングする。
次いで、バッファ層3を覆って下部電極44となる層を形成し、さらにこれをドライエッチング等でパターニングすることにより、下部電極44を形成する。
次いで、下部電極44を覆って圧電薄膜45となる層を形成し、さらにこれをドライエッチング等でパターニングすることにより、圧電薄膜45を形成する。
次いで、圧電薄膜45を覆って上部電極46となる層を形成し、さらにこれをドライエッチング等でパターニングすることにより、上部電極46を形成する。なお、このようにして犠牲層の上に、バッファ層3、下部電極44、圧電薄膜45、上部電極46をそれぞれパターニングして形成することにより、犠牲層はその一部が外側露出したものとなる。
その後、前記犠牲層を例えば過酸化水素水(H)でエッチングするで基体41上から除去し、これによってエアギャップ43を形成することにより、薄膜圧電共振器40を得る。
なお、本実施形態においても、下部電極44としてペロブスカイト型の電極に代えてPt(白金)を用いることもでき、その場合に、下部電極4の下地としてバッファ層3に代えて窒化シリコンと二酸化シリコンとを用いてもよい。
このようにして得られた薄膜圧電共振器40は、例えば2GHzの波長にて吸収ピークを有するものとなり、したがってこのようなGHz帯などの高周波数領域で共振する共振器となる。また、この薄膜圧電共振器40にあっても、特にPb(Zr,Ti)Oからなる圧電薄膜が高い電気機械結合係数(例えばk=5〜10%)を有することから、小型(薄型)であるにもかかわらず良好に機能し、良好な共振動作をなすものとなる。
さらに、単結晶シリコン基板からなる基体41に弾性板47(バッファ層3)や共振子42を直接作り込むことができ、したがってこれらの加工等を薄膜プロセスで行うことができることから、小型化、微細化への対応が可能になる。また、他の半導体素子とともに同一基板上に実装することなどによって高密度化が可能になり、したがって特に携帯電話などの小型化が要求される無線通信機器に用いる場合に有利なものとなる。
また、本発明の薄膜圧電共振器にあっては、インダクタンスやコンデンサ等の回路構成要素と適宜に組み合わされることにより、良好な誘導フィルタを構成するものとなる。
本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態を示す断面図である。 図1に示した薄膜圧電共振器の模式図である。 (a)、(b)はペロブスカイト型結晶構造の説明図である。 (a)〜(c)は薄膜圧電共振器の製造工程図である。 (a)〜(c)は薄膜圧電共振器の製造工程図である。 本発明の薄膜圧電共振器の他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
3…バッファ層、4、44…下部電極、5、45…圧電薄膜、6、46…上部電極、
7…第1バッファ層、8…第2バッファ層、9…第3バッファ層、
30、40…薄膜圧電共振器、31、41…基体、32、47…弾性板、
33、42…共振子、34…ビアホール、43…エアギャップ

Claims (11)

  1. 基体上に共振子を有してなる薄膜圧電共振器であって、
    前記共振子の圧電薄膜が、ロンボヘドラル構造でありかつ擬立方晶(100)に配向したチタン酸ジルコン酸鉛によって形成されていることを特徴とする薄膜圧電共振器。
  2. 基体上にイオンビームアシスト法で形成されたバッファ層と、前記バッファ層上に形成されたペロブスカイト型の下部電極と、前記下部電極上に形成された前記圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に形成された上部電極とを有してなることを特徴とする請求項1記載の薄膜圧電共振器。
  3. 前記ペロブスカイト型の下部電極は、(100)配向でエピタキシャル成長したものであることを特徴とする請求項2記載の薄膜圧電共振器。
  4. 前記ペロブスカイト型の下部電極は、SrRuO、Nb−SrTiO、La−SrTiO、(La,Sr)CoOのうちから選択された少なくとも一種からなることを特徴とする請求項2又は3記載の薄膜圧電共振器。
  5. 前記チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電薄膜の結晶構造がペロブスカイト型になっており、この結晶構造中のBサイトに位置する金属として、ZrまたはTiに置換してこれらより価数の高い金属元素が添加されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の薄膜圧電共振器。
  6. 前記ZrまたはTiより価数の高い金属元素が、V、Nb、Ta、Wのうちから選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項5記載の薄膜圧電共振器。
  7. 前記ZrまたはTiより価数の高い金属元素が、Pb(Zr,Ti)Oからなる圧電薄膜を構成する結晶構造中の全Bサイトに対して、1〜35%の割合を占めて置換されるよう添加されていることを特徴とする請求項5又は6記載の薄膜圧電共振器。
  8. 前記基体には、前記共振子が形成された側と反対の側にビアホールが形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の薄膜圧電共振器。
  9. 前記基体と共振子との間に弾性板が形成されていることを特徴とする請求項8記載の薄膜圧電共振器。
  10. 前記基体と共振子との間にエアギャップが形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の薄膜圧電共振器。
  11. 前記基体と共振子との間に弾性板が形成されていることを特徴とする請求項10記載の薄膜圧電共振器。
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